説明

エラストマー系組成物の凸版印刷塗布

本発明は、基材にエラストマー系組成物を供給する方法を提供する。エラストマー系組成物は冷却される。また冷却は、結果として生じるエラストマー劣化の減少を伴う、パターンロールから基材へのエラストマー系組成物の実質的に完全な転写も引き起こす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸版印刷塗布を通じた、エラストマー系組成物を基材上に転写することによる伸縮性複合物の形成方法に関する。この方法では、エラストマー系組成物は、パターンロールの隆起面要素から実質的に除去される、すなわち、残留エラストマーは10%未満である。ある実施形態において複合物は、その伸長に対する抵抗性を減少させるために、少なくとも部分的に基材の構造を崩壊するよう、その後、漸増的に伸長される。伸縮性複合物は、おむつ、プルオンおむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、生理用衣類、乳幼児のよだれかけ等が挙げられる使い捨て吸収性物品のような使い捨て物品、並びに他の使い捨て物品及び耐久性物品、特に手術用衣類及びカーテン、スポーツウエア、上着等が挙げられる衣類に有用である。
【背景技術】
【0002】
使い捨て吸収製品(例えば、使い捨ておむつ)は、一般に腰部領域やカフ領域に弾性ストランドのような伸縮性材料を含有し、着用者の身体に心地よいフィット性及び良好な密閉性を提供する。パンツ型の吸収製品は、物品を容易に取り付けたり、取り外したりできるように、また物品のフィット性が維持されるように、さらにサイド部分にも伸縮可能な材料を含有する。伸縮性材料は、物品の調節可能な適合のために、テープを貼った(taped)おむつの耳部にも使用されてきた。有用な伸縮性材料としては、エラストマー系フィルム、不織布、天然ゴム又は合成ゴムのストランド、弾性スクリム等が挙げられる。一般的にこれらの伸縮領域は単独で作られ、接着剤を使用しておむつに貼り付けられる。ほとんどの場合、これらの設計は均一で一方向性の伸縮を提供する。同様に、改善されたフィット性及び快適性のために、使い捨て衣類及び耐久衣類共に弾性要素もまた使用する。
【0003】
多方向性で不均一な伸縮を実現できる他の取り組みは、同時係属の米国特許出願10/288095、10/288126、及び10/429433に開示された。この取り組みとしては、1つ以上の熱可塑性樹脂エラストマーの、基材上へのホットメルト印刷が挙げられ、その後の伸縮性のある基材の漸増的な伸長によって、いくらか拡大した形状でエラストマーの伸縮性を基材に与える。ここに開示されている好適な印刷方法としては、直接グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、及びフレキソ印刷が挙げられる。これらの各印刷方法は、あらゆる形状及び方向の、所定量エラストマーの付着を可能にし、従って最終的に全般的なおむつ製品の改善されたフィット性をもたらす多種多様な設計の柔軟性を与える。しかしながら未だ改善が必要である。
【0004】
望ましくは、エラストマーを基材に塗布するために使用される手段からのこのようなエラストマー系組成物の転写は、実質的に完全である。さもなければ、エラストマー系組成物は、退色を伴う酸化又は他の特性の劣化をし得る。塗布手段が加熱された場合、不完全な転写に起因する可能性があるこのような劣化は、さらにもっと起こり得る。
【0005】
従って理論によって制限されないが、塗布手段から基材へのエラストマーの転写の機構を理解することが重要である。この転写の間、3つの力が関連する。これらの力としては、i)塗布手段表面とエラストマーとの間の接着力;ii)エラストマーの凝集強度(すなわち、エラストマー系組成物の単一部分の、2つのより小さい部分に分離するための抵抗性);及びiii)エラストマーと基材との間の接着力、及び/又は基材強度が挙げられる。エラストマーを基材にうまく転写するために、エラストマーの凝集強度、あるいはエラストマーと塗布手段表面との間の接着力のどちらか又は両方共は、エラストマーと基材との間の接着力及び/又は基材強度未満でなくてはならない。一般にこの問題は、エラストマーが液状又は半液状に維持されてきたので、加熱されたエラストマーの凝集強度が十分に低い値である加熱印刷方法の使用により解決されてきた。従って、塗布手段から基材へのエラストマー系組成物の転写は、一般に塗布手段から基材への転写点におけるエラストマーの凝集破壊を通して達成され、エラストマーの一部分は塗布手段の表面上に残留する。一般に上述の条件は、例えば粘度が比較的低く、接着剤がグラビア要素の壁面及び基材にも強い親和性を有するエラストマー系接着剤のグラビア印刷中に適用される。重要なことに、凝集破壊は塗布手段上に転写されない接着剤の残留部分があることを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、良好な弾性を有するエラストマー系組成物は、一般に所与の温度において一般的なエラストマー系接着剤よりもより高い粘度を有する。参考までに、おむつにて使用される一般的な熱可塑性樹脂エラストマーは、175℃にて1000Pa超過の粘度を有する。粘度が増加すると、エラストマーのより高い凝集力となり、凝集破壊を確実にするためにより高い塗布温度に加熱する必要がある。エラストマーの凝集強度が、基材とのその接着強度を超えるか、あるいは基材強度を超えるかのどちらかである点に達すると、このような動態は、高粘度材料の従来の直接グラビア印刷に問題をもたらす。このような状況は、順に、基材に固着するためのエラストマーの破損、あるいは基材への損傷のどちらかをもたらす。また一方では、温度が上昇してより低い凝集強度になると、エラストマー系組成物の塗布温度は、基材の融点を超え、基材損傷又はエラストマーの熱劣化をもたらす可能性がある。従って、これらの基材を損傷させずに、基材上に高粘度エラストマー系組成物を付着できる塗布方法へのニーズがある。
【発明を解決するための手段】
【0007】
本発明は、伸縮性複合物の製造方法に関し、一実施形態では前記方法は以下を含む:
以下の工程を含有する伸縮性複合物の製造方法:a)対向する第一表面と第二表面とを有する第一基材を準備する工程と、b)パターンロール(少なくともパターンロールの外面の一部分は、所定のパターンの隆起面要素を含む)と、アプリケーターロールとを含む凸版印刷式接着剤塗布装置であって、各ロールがあるロール表面温度となっている外面を有する;c)溶融非接着性エラストマー系組成物をアプリケーターロールの外面上に付着する工程、ここで組成物は、塗布温度と約3N/cm未満の剥離力とを有し、塗布温度はアプリケーターロールの表面温度よりも高く;d)隆起面要素を表面被覆するように、組成物の一部分をアプリケーターロールから隆起要素のランドエリアに移動する工程であって、組成物の一部分がアプリケーターロール上にも残るように前記組成物が移動時に凝集破壊する工程と、e)塗布温度とパターンロール表面温度との間の温度にまで前記転写部分を冷却する工程と、f)エラストマー系組成物がパターンロールから第一表面に実質的に完全に転写するように、基材の第一表面と表面被覆隆起要素とを接触させる工程。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明であると見なされる主題を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明からさらに十分に理解されるであろうと考えられる。
【0009】
定義
本明細書で使用する時、用語「使い捨て」は、洗濯されるか、さもなければ復元されるか、あるいはその本来の機能で広く再使用されることを一般に意図しない、すなわち好ましくは約10回以下の使用後、より好ましくは約5回以下の使用後、さらにより好ましくは約1回の使用後に廃棄されることを意図する製品を指す。そのような使い捨て物品は、リサイクルされ、堆肥化され、あるいは別の環境に適合した方式で処分されることが好ましい。
【0010】
本明細書で使用する時、用語「使い捨て吸収性物品」は、一般的に流体を吸収及び保持する装置を指す。場合によっては、この語句は身体から排出された排泄物及び/又は滲出物を吸収して収容するために着用者の身体に当てる又は身体の傍に配置される装置を指しており、固定おむつ、プルオンおむつ、トレーニングパンツ、水泳用おむつ、成人失禁用品、婦人衛生用品などのパーソナルケア物品等が挙げられる。別の例では、この用語はまた、よだれ掛け、拭き取り用品、包帯、外衣、外傷用包帯剤、外科用カーテンなどの保護用物品又は衛生用物品も指す。
【0011】
用語「接着剤」は、以下の『試験方法』の節に記載された剥離試験に従って評価される時、3N/cmを超える剥離力を有する材料を指す。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「基材」は、例えば不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、フィルム、フィルム積層体、不織布積層体、海綿、発泡体、及びこれらのいずれかの組み合わせなどの、天然材料又は合成材料のいずれか又はこれらのあらゆる組み合わせが挙げられる材料を指す。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「繊維性基材」は、例えば不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、及びこれらのいずれかの組み合わせなどの、天然又は合成材料のいずれか又はこれらのあらゆる組み合わせであり得る、多数の繊維からなる材料を指す。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「不織布」は、連続繊維及び/又は不連続繊維から、織る又は編むことなく、エアレイイング、ウェットレイイング、スパンボンディング、カーディング及びメルトブローイングなどの方法によって製造される材料を指す。不織布ウェブは、各層が連続及び/又は不連続繊維を包含できる1つ以上の不織布層を含むことができる。不織布ウェブはまた、コア/シェル型、サイドバイサイド型、又は他の既知の繊維構造を有し得る2成分繊維を含むことができる。
【0015】
本明細書で使用する時、「弾性」又は「エラストマー系」という用語は、バイアス力を加えると、破裂や破断することなく、弛緩した元の長さの少なくとも約160%の長さまで伸長でき、加えた力を解除すると、その伸長の少なくとも約55%が回復し、好ましくはほぼその元の長さに回復して、その回復した長さは弛緩した元の長さの約120%未満、好ましくは約110%未満、さらに好ましくは約105%未満であるあらゆる材料を指す。
【0016】
本明細書において、用語「非弾性」とは、上記の「弾性」の定義に当てはまらないあらゆる材料を指す。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「エラストマー」とは、弾性特性を示すポリマーを指す。
【0018】
本明細書において、用語「延伸性がある」又は「非弾性的伸張性がある」とは、弛緩した元の長さの約110%を超えて伸長するように材料にバイアス力を加えると、伸長、破裂、破断、及びその他の構造上の欠陥を含有する恒久的な変形、及び/又はその伸長特性に変化を示すであろうあらゆる材料を指す。
【0019】
本明細書において、用語「凸版印刷」又は「凸版印刷塗布装置」とは、材料が、金属ロール表面上の所定のパターンの隆起面要素を含む装置から基材へと転写され、個々の要素の形状が、転写された材料の形状を画定する塗布手段を指す。
【0020】
用語「狭窄された材料」は、張力を加えることによって、一方向に幅が狭められたあらゆる材料を指す。
【0021】
本明細書で使用する時、用語「機械方向」又は「MD」とは、プロセスを貫流する材料の方向を指す。用語「機械横方向」又は「CD」は、機械方向に垂直の方向を指す。
【0022】
基材
本発明で特許請求する方法にて使用するのに適した基材(すなわち、第一基材又はあらゆる付加的な基材層)とは、対向する第一表面及び第二表面を有し、ティッシュ、フィルム、編布地、織布繊維ウェブ、不織布繊維ウェブ(エアレイド、湿式、カード、メルトブロウン、及びスパンボンドウェブが挙げられる)、又はこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。ある実施形態において基材は、ポリオレフィン繊維及び/又はフィラメント(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)を含む延伸性がある不織布ウェブである。また基材は、不織布フィルムラミネートであることもでき、これは例えば使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品等の外側カバーとして使用されてもよい。理想的には、基材は、約0.05mm〜約2mm、好ましくは約0.1mm〜約1mm、及び最も好ましくは約0.1mm〜約0.5mmの厚さを有する。
【0023】
エラストマー系組成物
本発明のエラストマー系組成物は、約3N/cm未満、より好ましくは約2N/cm未満、さらにより好ましくは約1N/cm未満、及び最も好ましくは約0.8N/cm未満の剥離力を有することを特徴とする。(これらのエラストマー系組成物の剥離力を決定するのに使用される手順は、以下の『試験方法』の節にて議論される)。以下に議論するように、このような比較的低い剥離力は、パターンロールから基材上への実質的に完全な転写を達成するために必須であると考えられている。
【0024】
好適なエラストマー系組成物は、オレフィン(オレフィンは、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びイソブチレンが挙げられる好ましい)を含むソフトブロックを有するスチレン系(styrenic)ブロックコポリマー、メタロセン触媒ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される熱可塑性樹脂エラストマーを含む。好適なスチレン系ブロックコポリマーは、少なくとも1つのスチレン系ブロックを有する二元ブロック、三元ブロック、四元ブロック、又はその他の多元ブロックコポリマーであってもよい。このような多元ブロックコポリマーとしては、直鎖状多元ブロックコポリマーと、中心ブロックから放射状に広がる複数個のブロック(一般に星形ポリマーとして既知)である分枝状コポリマーとの両方が挙げられる。代表的なスチレン系ブロックコポリマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンなどが挙げられる。市販のスチレン系ブロックコポリマーとしては、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)(テキサス州、ヒューストン)のクレイトン(KRATON)(登録商標);クラレ・アメリカ社(Kuraray America, Inc.)(ニューヨーク州、ニューヨーク)のセプトン(SEPTON)(登録商標);デキスコ・ケミカル社(Dexco Chemical Company)(テキサス州、ヒューストン)のベクター(VECTOR)(登録商標)が挙げられる。市販のメタロセン触媒ポリオレフィンとしては、エクソン・ケミカル社(Exxon Chemical Company)(テキサス州、ベイタウン)のエクスポール(EXXPOL)(登録商標)及びエグザクト(EXACT)(登録商標);ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)(ミシガン州、ミッドランド)のアフィニティ(AFFINITY)(登録商標)及びエンゲージ(ENGAGE)(登録商標)が挙げられる。市販のポリウレタンとしては、ノベオン社(Noveon, Inc.)(オハイオ州、クリーブランド)のエスタン(ESTANE)(登録商標)が挙げられる。市販のポリエーテルアミドとしては、アトフィナ・ケミカルズ(Atofina Chemicals)(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)のペバックス(PEBAX)(登録商標)が挙げられる。市販のポリエステルとしては、E.I.デュポン・ド・ヌームル(DuPont de Nemours)社(デラウェア州、ウィルミントン)のハイトレル(HYTREL)(登録商標)が挙げられる。
【0025】
エラストマー系組成物はさらに、組成物の溶融粘度を調整するための加工助剤及び/又は加工オイルを含んでもよい。それらとしては、鉱物油のような従来の加工オイル、並びにパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、ワセリン、微晶性ワックス、パラフィン又はイソパラフィンワックスなどの他の石油系オイル及びワックスが挙げられる。フィッシャー・トロプシュ・ワックスのような合成ワックス、鯨蝋、カルナウバ、オゾケライト、蜜蝋、キャンデラ、セレシン、エスパルト、オリキュリ、レゾワックス及び他の既知の採鉱ワックス及び鉱物性ワックスなどの天然ワックスもまた、本明細書にて用いるのに適している。オレフィン性オリゴマー又はジエンオリゴマー、及び低分子量の樹脂もまた、本明細書にて使用してもよい。オリゴマーは、約350〜約8000の重量平均分子量を有する、ポリプロピレン、ポリブチレン、水素添加イソプレン、水素添加ブタジエンなどであってもよい。
【0026】
一実施形態では、相変化溶媒が加工助剤として使用される。これをエラストマー系組成物に組み込んで溶融粘度を低下させて、組成物の弾性特性及び機械的特性を大きく損なうことなく、組成物を175℃以下の温度で加工可能にすることができる。一般的には、相変化溶媒は約40℃〜約250℃の温度範囲で相変化を示す。相変化溶媒の詳細な開示は、米国特許出願10/429432(2003年7月2日出願)に見ることができる。ある実施形態では、エラストマー系組成物内の熱可塑性樹脂エラストマーと加工オイル又は加工助剤(例えば、相変化溶媒)との重量比は、一般に約10:1〜約1:2、好ましくは約5:1〜約1:1、及びより好ましくは約2:1〜約1:1の範囲である。
【0027】
加えて、エラストマー系組成物は、安定剤などを含むことが可能である。例えば、安定剤は、酸化防止剤と光安定剤の両方を含有できる。好適な酸化防止剤としては、立体障害フェノールが挙げられる。本発明のエラストマー系組成物内にて使用するのに適した市販の酸化防止剤は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ・ノースアメリカ(Ciba Specialty Chemicals North America)(ニューヨーク州、タリタウン)から入手可能なイルガノックス(IRGANOX)1010である。好適な光安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。市販の紫外線安定剤は、同様にチバ・スペシャリティ・ケミカルズ・ノースアメリカ(Ciba Specialty Chemicals North America)から入手可能なチヌビン(TINUVIN)123である。
【0028】
また、本発明にて使用するのに適したエラストマー系組成物は、パターンロール表面の接着剤破壊を確実に達成し得ることを確かにすることを補助するよう、実質的に粘着付与剤を含まない。本明細書で使用する時、用語「実質的に粘着付与剤を含まない」とは、エラストマー系組成物が、一般に粘着付与剤として接着剤技術で認識される材料を約5重量%未満有することを意味することを意図する。周知のように、粘着付与剤は、接着力増大のために接着製剤に添加される。粘着付与剤としての業務用の有用性を有する物質としては、ロジン樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、及び炭化水素樹脂が挙げられる。実施例1は、好適なエラストマー系組成物と先行技術のエラストマー系接着剤の剥離特性を比較する。
【0029】
あるいは、エラストマー系組成物はまた、低分子量エラストマー及び/又は上述の熱可塑性エラストマーのエラストマー系前駆体、及び任意の架橋剤、又はこれらの組み合わせも含んでもよい。例えば、少なくとも1つのハードブロックと少なくとも1つのソフトブロックとを有するエラストマー系ブロックコポリマー、マクロ光開始剤、加工オイル、並びに所望により熱可塑性樹脂ポリマー及び/又は架橋剤を含む同時係属の米国特許出願10/610605(2003年7月1日出願、アシュラフ(Ashraf)ら)に記載された熱可塑性樹脂エラストマーは、このようなエラストマー系前駆体を含有する。低分子量エラストマー又はエラストマー系前駆体の重量平均分子量は、約45,000〜約150,000である。ある実施形態では、熱可塑性樹脂エラストマーと低分子量エラストマーとの、あるいはエラストマー系前駆体と熱可塑性樹脂エラストマーとの、組成物中の重量比は、一般的に約10:1〜約1:2、好ましくは約5:1〜約1:1、及びより好ましくは約2:1〜約1:1の範囲である。
【0030】
本明細書にて使用するのに好適なエラストマー系組成物は、さらなる処置をしなくても弾性であるエラストマー系部材を形成し、これらのエラストマー系組成物は、沸点が150℃未満であるいかなる揮発性溶媒をも含有しない。しかし、エラストマー系組成物を基材に適用した後、得られるエラストマー系部材の弾性、並びに強度、弾性率などを含む他の特性が向上又は強化するための後処理を行ってもよい。一般には、冷却、架橋、硬化(例えば、化学的、熱的、又は放射手段を通じて)、ニップロール間での加圧成形、及びこれらの組み合わせのような方法によってエラストマー系組成物をエラストマー系部材に変換する後処理である。
【0031】
凸版印刷塗布
また本発明は、パターンロール、バッキングロール、及びアプリケーターロールのいずれかを含む凸版印刷塗布装置の使用を必要とする。このような凸版印刷塗布装置は、類似のフレキソ印刷装置とはパターンロール構造の点で異なる。本明細書に記載された凸版印刷装置では、パターンロールは実質的に金属構造を有する。このような金属構造は、本明細書にて議論されたエラストマー系組成物を冷却するための所要の熱伝達にとって、必須であると考えられている。
【0032】
パターンロールの外表面は、所定のパターンの隆起面要素を含む。個々の要素は、直線状、曲線状、又はあらゆる任意形状であり得る。例えば、円形又は長方形のような規則正しい形状、あるいは不規則形状である。隣接要素は、それらの間のギャップを有することもでき、あるいは連続パターンを形成するように結合することもできる。
【0033】
個々の要素は、互いに平行であることも、平行でないことも可能である。いくつかの要素は、完成物品(例えば、使い捨ておむつ)の構成要素形成のために組み立てられることが可能である。
【0034】
隆起要素は、ロール表面に沿って連続的又は不連続的のどちらかであることができる。連続パターンの例は、パターンロールの全表面に沿って走るMD及びCDストライプを有するクロスハッチパターンである。もう1つの連続構造は、全パターンロール周辺に周方向に走る長手方向ストライプであろう。不連続パターンの例は、例えば周方向に垂直な方向に走る、水平で間隔をあけたストライプである。
【0035】
ある実施形態では、要素は、3超過、より好ましくは10超過、さらにより好ましくは25超過の最大寸法と最小寸法との比を有することができる。1つの態様において、要素の最大寸法は、本明細書に記載された方法を使用して製造された物品の最大寸法により画定される。一般的にこの最大寸法は、約0.1mm〜約600mmに変化することができる。これらの寸法は、隆起面要素の末端表面の寸法により画定される。好ましくは、要素の壁面は、先細にされる(すなわち、その末端表面は底面よりも狭い)。このような先細は、延長された実行時間後、パターンロールの洗浄を容易にする。また壁面は、先細でないこともあり得る。
【0036】
パターンロールが隆起面要素を備え得る代表的な方法としては、機械的彫刻(engraving)(刻み付け(knurling))、化学的エッチング、レーザー彫刻、及び電気機械的彫刻が挙げられる。
【0037】
材料はそのランドエリア上に付着されるので、要素の高さはグラビア印刷におけるほど重要ではない。エラストマーが、何かの事情でパターンロール上の隆起表面要素間のスペース内に入るならば、高すぎる高さが、掃除を困難することもあり得る。パターンロールの底表面からの要素の高さは、0.01mm〜12mmが適切であり、好ましくは0.02mm〜3.0mm、及びより好ましくは0.05mm〜2.0mmである。
【0038】
隆起要素全体にわたって均等な分配を達成し、プロセス衛生を維持するために、エラストマー系組成物は、好ましくはアプリケーターロールからパターンロールへと転写される。隆起面要素へのこのような間接塗布は、熱可塑性樹脂が、押出し、噴霧法、及び類似の直接塗布方法によりパターンロール上に直接塗布されたならば起こるであろうような要素間のエラストマー系組成物の蓄積を防ぐ。
【0039】
エラストマー系組成物は、アプリケーターロールの溶融エラストマーのバスへの浸漬、スロットコーティング、押出し被覆、噴霧法、及びロール幅にわたって材料の均等なコーティングを提供するために適した方法として当技術分野において既知の他の方法により、アプリケーターロールに適用され得る。
【0040】
必要であれば、エラストマー系組成物のCD分配は、ドクターリング(doctoring)により、水平にすることができる。既知のように、ドクターリング単位操作は、ロール又はエラストマー系組成物をパターンロールへ輸送する他の手段と、直接接触してあるいは固定距離にて、障害物(例えば、ドクターブレード)を設置する。障害物は、分配の高点から流れる部分を低点に埋めることにより、エラストマーのCD分配のあらゆる不均一を水平にする。一般的にドクターブレードは、柔軟なスチールブレードである。このプロセスにおいて、エラストマーの粘度は高く、またエラストマー塗布温度よりも低い温度を有する表面上にエラストマーが付着されると、粘度は迅速に向上するため、ドクターブレードを加熱するのが好ましいであろう。またドクターリングは、エラストマーを剪断する。これは、その粘度がドクターリング中に低下するであろうずり減粘材料にとって有益になり得るので、プロセスの水平化を助ける。
【0041】
隆起面要素上のランドエリアは、アプリケーターロール上のエラストマー層と軽く(kiss)接触する。転写するエラストマー系組成物の量を制御するために、i)アプリケーターロール上のコーティング厚さ、及びii)アプリケーターロールとパターンロールとの間のギャップを正確に制御することが重要である。コーティングが薄すぎる、あるいはギャップが大きすぎると、パターンロールはエラストマー系フィルムに接触せず、転写しないであろう。もう一方では、エラストマーは、コーティングが厚すぎたりギャップが小さすぎたりすると、パターンロール中のランドエリア間に押し込められてしまうであろう。これにより、転写したエラストマー系組成物のパターンは不鮮明になるであろうし、隆起面要素間のエラストマー蓄積が原因でロール清掃のためにライン運転停止が必要になる可能性がある。
【0042】
比較的冷たいパターンロールの表面要素のランドエリアにエラストマー系組成物が供給された後、それは基材への転写に先立って冷却される。この冷却及び結果的な粘度(すなわち凝集強度)の向上は、基材への転写点にて、接着剤破壊を達成するために重要である。この冷却を提供するために、パターンロール表面の少なくとも一部分が、塗布温度よりも低い表面温度となっていることを確実にすることが重要である。このような冷却は、組成物の凝集強度を向上するよう、エラストマー系組成物の温度をその秩序/無秩序温度未満に低下することを意図する(秩序/無秩序温度は、ブロックコポリマーが識別できる秩序相から識別できない単相へと移行する温度であり、温度を関数としてのレオロジー的測定によって確定することができる弾性率(G’)の実質的な低下により特徴付けられる)。本発明にて使用される一般的なエラストマー系組成物においては、秩序/無秩序温度は、少なくとも約140℃、時々150℃、さらに180℃以上である。認識されるであろうように、高粘度エラストマー系組成物にとって、付着されたエラストマーを摂氏数十度冷却することは、接着剤破壊の点まで凝集強度を向上させるのに十分である可能性があり、組成物を秩序/無秩序温度へ冷却する必要がない。適切には、パターンロールの表面温度は、アプリケーターロールの温度よりも少なくとも約25℃低い。好ましくは、表面温度は、少なくとも約50℃低く、より好ましくは少なくとも約65℃低い。このような低下した表面温度を維持するために、パターンロールは、パターンロールの温度を塗布温度未満である所定温度に維持するため当技術分野で既知の温度制御装置を備え得る。
【0043】
所望により、隆起面要素からのエラストマーの良好な剥離を達成するために、少なくとも表面要素のランドエリアに、好ましくはその外面全体に、ロールは恒久的な又は再生可能な離型剤(例えば、フッ素性化学物質又はシリコーン)を有することができる。再生可能な離型剤は、低添加レベルにてプロセスに連続的に添加できる。好適な再生可能である離型剤は、同時係属の米国特許出願10/151,562(2002年5月20日出願)に記載されている。プロセス構成要素用の恒久的な剥離コーティングも、当技術分野において既知であり、一般的にフルオロポリマー又はシリコーン樹脂を含む。
【0044】
多くの基材は、ポリオレフィンベース(ポリプロピレン又はポリエチレン)であり、エラストマー系組成物がその上に付着された時、損傷(カレンダー工法に起因する溶け落ち又はロフトの損失)する可能性がある。しかし本明細書に記載された方法では、パターンロールは、エラストマー供給温度と比較して比較的冷たいため、基材を損傷する機会は低下する。要するにこの方法は、従来のグラビア印刷方法では行えない、温度感受性基材への高粘度エラストマーの転写を可能にする。
【0045】
エラストマーが固体のウェブ様形状をとるために十分な機械的強度を有するように、本明細書に記載された方法を使用して、パターンロール上で付着されたエラストマーを、エラストマーを構成する1つ以上の高分子ブロックのガラス転移温度未満の温度に至るまで、実質的により一層冷却することも可能である。この形状では、冷却終了時にある張力を加えることにより、固化エラストマーをパターンロールから剥離することが可能であろう。この固化エラストマーは、必要であれば、機械方向に伸長でき(例えば、パターンロールよりも早い速度で回転している下流ロール対間のニップを通過させることにより)、基材に固着され(必要であれば接着剤で)、及びその後存続する伸長を供給するために収縮することが可能になる。存続する伸長は、より流動性の材料が基材に接触する従来の印刷方法では得られないことに注意することが重要である。
【0046】
上記のように、エラストマー系組成物は、隆起面要素の均等なコーティングを確実にするために、アプリケーターロールからパターンロールへと供給される。エラストマー系組成物は、スロット塗布機、バス、噴霧器、及び押出機から成る群から選択されてもよい供給機構から、溶融状態でアプリケーターロールの外面上に付着される。しかし両方の場合において、エラストマー系組成物は、加熱状態でアプリケーターロール上に付着され、そこで冷却され、比較的冷たい状態でロールから除去される。
【0047】
理論に束縛されないが、エラストマー系材料の凸版印刷塗布の場合には、しばしば、接着剤破壊する時、パターンロールからエラストマーを剥離するのに必要な剥離力は、凝集破壊する時よりも非常に低い。ゲント(Gent)及びペトリッチ(Petrich)、堅い基材への粘弾性材料の接着(Adhesion of Viscoelastic Materials to Rigid Substrates)、プロシーディング・オブ・ザ・ロイヤルソサエティA(Proc. Roy. Soc. A)、310巻、433〜448頁(1969)を参照。同様に、接着剤破壊する時(ゲント(Gent)及びペトリッチ(Petrich)により、界面破壊とも称される)、パターンロールからエラストマーを剥離するのに必要な剥離力は、粘度上昇に伴いほとんど変化せず、特に高粘度材料の場合に非常に有益である。これらの場合、ほとんど全部のエラストマーは、転写が実質的に完全であるように要素から除去される。本明細書で使用する時、「実質的に完全」又は「実質的に完全に」は、エラストマー系組成物の約10%以下、好ましくは約5%以下、より好ましくは約1%以下が、凸版印刷塗布装置(すなわちロール)から基材へ転写されずに残ることを意味する。この実質的に完全な転写は、非常に好都合である。例えば、グラビア要素又はパターン構造内部の死角に残る不飽和エラストマーの重大な問題点である炭化(charring)が最小限になる。
【0048】
転写が実質的に完全であれば、以下の『試験方法』の節に記載された残留エラストマー試験が、測定に使用できる。残留エラストマーは、パターンロール外周に相当する基材の長さに転写されたエラストマーの重量%として、パターンロールのランドエリア上に残るエラストマーの重量と定義される。この方法に従う残留エラストマー値は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1未満であることが適当である。
【0049】
得られる中間構造体が、後に続く加工工程又は製造工程、あるいは最終製品において、薄層に裂けないように、エラストマー系組成物を、少なくともある場所において、少なくとも部分的に基材に浸透させることが望ましい。好ましくは、エラストマー系組成物は、後に続く加工及び物品使用の間の、所望の一体性を提供するのに十分なだけ浸透する。例えば、基材が繊維性基材である場合、このような一体性を提供するために、エラストマー系組成物は、約1又は2繊維直径に浸透する必要があるのみであると考えられている。さらに、このような良好な複合体内及び/又はその予備成形物内の結合は、接着剤の使用を選択的用件にする。浸透の度合は、いくつかの要因(基材と接触時のエラストマー系組成物の粘度、基材の多孔性及び基材とエラストマー組成物の相対的な表面張力)の影響を受ける可能性がある。本発明の凸版印刷塗布方法は、基材に接触する前に、エラストマー組成物を部分的に冷却することができるので、その粘度が上昇し、基材への浸透の度合が低下する。あるいは、基材と接触するのに先立ち又はその間に、エラストマー系組成物は、冷却された空気/ガスを吹き付けることにより冷却されてもよく、あるいは基材は、例えば、バックアップロールを冷却することにより冷却されてもよい。他の実施形態では、浸透の度合は、エラストマー系組成物の基材への浸透を強化するように、ニップロール対間に基材/エラストマー系複合物を通過させることにより強化される可能性がある。適用するニップ圧に加えて、ニップローラーの温度も浸透の度合をさらに制御する。
【0050】
ある実施形態では、基材の異なる部分に付着されたエラストマー系組成物の量を変化させることができ、その結果、局部的な伸縮性が変化する。例えば、パターンロール上のパターンを変えることにより、得られるエラストマー系部材は、複合物の1つの領域から他の領域へ部材密度(すなわち、単位面積当たりのエラストマー系部材の数)の変動を示し得る。変化する量の一実施例では、基材の異なる部分に異なる量のエラストマー系組成物を提供するために、パターンロール上の繰り返し単位は、基材の基本寸法(例えば、その後に基材から作られる吸収性物品の長さ寸法)に一致させることができる。さらに、異なるパターンの隆起面要素あるいはそれぞれに適用される異なるエラストマー系組成物を有する2つ以上の装置も同様に、これらのエラストマー系組成物を基材の異なる部分に付着させるために使用できる。
【0051】
さらに、異なる付着方法を組み合わせることも可能である。例えば、凸版印刷塗布は、得られる伸縮性複合物に所望の特性を与えるために、噴霧法又はフレキソ印刷と組み合わせることができる。
【0052】
伸縮性複合物を製造するプロセス100の一実施形態が、図1に概略的に図示されている。このプロセスは、中間構造体を作る一次操作を包含してもよく、これは、第一基材の供給工程、エラストマー系組成物又は材料を第一基材に適用する工程、及び所望により第二基材を接合する工程を包含する。プロセス100は、基材に付加的な伸長性を提供するために、所望により伸縮性のある基材を漸増的に伸長する二次操作を包含してもよい。
【0053】
プロセス100の一次操作は、図1に詳細に見られる。基材34は、第一供給ロール52により提供され、アプリケーターロール53、パターンロール54、及びバックアップロール56を含む凸版印刷塗布装置105を通って機械方向に動く。パターンロール54は、エラストマー系組成物を付着し、基材34への転写後、そこにエラストマー系部材を形成する。エラストマー系組成物は、転写時に十分に柔軟であり、エラストマー系組成物と基材との間の適切に強い固着を形成し、伸縮性のある基材35を提供する。
【0054】
エラストマー系組成物は、アプリケーターロール53からパターンロール54へ供給される。エラストマー系組成物供給手段55は、定量のエラストマー系組成物をアプリケーターロール53に供給する。供給手段55は、アプリケーターロール53のCD幅にわたって、エラストマー系組成物を水平にするために、手段52(例えば、ドクターブレード)を包含できる。所望により、再生利用又は使い捨てするように、アプリケーターロール53から残留エラストマー系組成物を除去するために、第二ドクターブレードが使用されうる。
【0055】
図2に示されるように、エラストマー系組成物は、隆起面要素258上に付着される。転写後、エラストマー系組成物は弾性部材260として基材234上に付着され、伸縮性のある基材235を形成する。
【0056】
所望により、付加的な基材236が、第二供給ロール262により供給され、ニップロール264、266を介して伸縮性のある基材235と組み合わされ、エラストマー系部材260を基材234、236間に挟んで中間構造体237を形成してもよい。必要であれば、接着剤を用いて2つの基材を固着してもよい。
【0057】
伸縮性のある基材235及び/又は中間構造体237は、冷却、加圧(例えば、一対のニップロール間を通過させる)、架橋、硬化(例えば、化学的方法、熱的方法、輻射方法による)、及びこれらの組み合わせなどの付加的な処理を実施して、それに付着されたエラストマー系組成物及び得られる中間構造体の弾性特性及び機械的特性を強化してもよい。
【0058】
プロセス100にて使用するのに適した代表的な二次操作は、図1中の成形ステーション106として示され、図3により詳細に示される。二次操作は、基材が恒久的に伸長する程度まで、中間構造体37(又は伸縮性のある基材35)を漸増的に伸長する成形ステーション106を含有し、中間構造体37は伸縮性複合物38に変換される。この構造的な変化により、基材の伸縮性に対する抵抗が減少し、エラストマー系部材は基材の恒久的な伸張により提供される程度まで伸長することができる。
【0059】
「リングロール(ring rolling)」として公知の、付加的な横断方向の伸張性を提供する前述のプロセスは、図3に示され、ここで波形化し互いに係合している1対のロール108、109は、基材がニップ107を通過する時、基材を恒久的に伸張するために使用され、その伸長に対する抵抗性が減少し、本発明の望ましい漸増的な伸長操作である可能性がある。同様に「ギアーロール(gear rolling)」は、恒久的な機械方向伸長を提供するために使用され得る。得られる複合物は、このような付加的なプロセス工程を受けた部分に、より大きい度合の伸縮性を有する。従って、このような二次操作は、伸縮性複合物の局所部分に伸縮性を達成するために付加的な柔軟性を提供する。
【0060】
材料を機械方向又は機械横方向に漸増的に伸長して恒久的に変形するという、波形化し互いに係合しているロールを使用して、延伸性がある材料ないしは実質的に非弾性材料に伸縮性を付与する方法は、米国特許第4,116,892号、米国特許第4,834,741号、米国特許第5,143,679号、米国特許第5,156,793号、米国特許第5,167,897号、米国特許第5,422,172号及び米国特許第5,518,801号に開示されている。いくつかの実施形態において、中間構造体は、波形化した互いに係合しているロール間に、この二次操作における機械方向に関して傾斜した向きで供給されてもよい。あるいは、二次操作は、圧力下で中間構造体に適用される1対の互いに係合している溝付きプレートを用いて、局所部分における中間構造体の恒久的な伸びを達成してもよい。
【0061】
また伸長性は、米国特許第5,226,992号、及び同第5,910,224号に記載されたような狭窄(necking)によって、基材に付与されてもよい。この方法では、張力を加えることによって基材が一方向に狭窄され、基材が狭窄された状態にある間にエラストマーが印刷される。必要であれば、この積層体を恒久的に伸長して、伸縮性をさらに強化することができる。伸長性を付与する他の方法は、米国特許第5,914,084号、及び同第6,114,263号に記載されたような圧密によるものである。記載されているように圧密は、狭窄可能な不織布を第一方向に供給し、不織布を第一方向と垂直な方向に恒久的に伸長させ、不織布に張力を付与して不織布を狭窄し、不織布を機械的に安定化させて、安定化した、延伸性がある、狭窄された不織布を提供することを含有する。さらに、必要とされる漸増的な伸長は、本明細書に記載される伸長技術を組み合わせることで実現してもよい。狭窄と同様に、この積層体を任意に恒久的に伸長して、伸縮性をさらに強化することができる。
【0062】
複合物が使用条件下で一般的な歪を受ける時、延伸性がある基材は、伸長に対する大きな抵抗性を示さないことが好ましい。複合物が受ける使用中の歪は、着用者が物品を着脱する時及び物品を着用している時の伸長に起因する。複合体に望ましい伸縮性を付与するために、伸縮性がある基材に前もって歪を与えることができる。一般に、延伸性のある基材が、使用中の最大歪(一般的に約250%未満の歪)の約1.5倍まで前もって歪を与えられる時、延伸性がある基材は、恒久的に伸長されるので、使用中の歪の範囲内で伸長に対する抵抗は示さず、複合物の弾性特性は、実質的に複合物中のエラストマー系部材のみにより提供される。
【0063】
本発明の方法によりもたらされる伸縮性複合物の好適な用途としては、使い捨て物品が挙げられる。代表的な使い捨て物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁物品、生理用ナプキン、手袋・エプロン・スモック・靴下等のような衣類が挙げられる。これらの使い捨て物品は、耳部、レッグカフ、ウエストバンド、バックパネル、フロントパネル、サイドパネル、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される伸縮領域を含んでもよく、これらの伸縮領域は、本発明の方法を通じて製造された伸縮性複合物を含む。
【0064】
試験方法
剥離力
剥離力試験は、室温にてフィルム型のエラストマー系組成物を平滑ステンレス鋼板から剥離するために必要な力を測定する。
【0065】
装置
ステンレス鋼板:マックマスター・カー(McMaster-Carr)(オハイオ州、クリーブランド)、(カタログ番号8983K62)は、ASTMA240に適合する。平滑なステンレス鋼板は、304ステンレス鋼で作られ、♯2Bフィニッシュ(finish);幅=100mm、長さ=75mm、厚さ=0.060を有する。
シリコーンゴムシート:マックマスター・カー(McMaster -Carr)♯8979K111、高温シリコーンゴム、厚さ0.08cm(1/32インチ)、49Aジュロ硬度
剥離紙:ポールN.ガードナー社(Paul N. Gardner Company)、カタログ♯PC−RP−1K、22cm×28.5cm(8.63インチ×11.25インチ)、ASTMD4708/2370/1353
ハンドローラー:好適なローラーは、その上にハードゴム(硬度65ショア A)の厚さ6mmのコーティングを有する直径68mmのスチールロールとして組み立てられ得る。完成ロールは、重量2250g、幅6.35cmを有する。
マイラーフィルム:0.05mm(2ミル)、このマイラーフィルムは、エラストマーを確実に完全にカバーするために、エラストマーよりもわずかに広く長くあるべきである。
引張り試験機:好適な機器は、MTSシステムズ社(ノースカロライナ州、カリー)から、モデル・アライアンス(Alliance)RT/1として入手可能である。
試料支持体:この方法の実行中、ステンレス鋼板を保持するために使用される支持体400は図4aに示される。以下の寸法を有するように、これは、120mm×110mmステンレス鋼板から折り曲げられる:
プレート幅:110mm
第一垂直部分410−80mm
水平部分420−25mm
第二垂直部分430−15mm
【0066】
図4bは、試験の間中、ステンレス鋼板が支持体400と安定に接触し続けることを確実にする1対のクランプ440の1つを示す。クランプ440は、幅12mmのステンレス鋼を折り曲げることにより、幅111mm(すなわち、支持体400より若干広い)×深さ5mmを有する矩形450に都合よく作られてもよい。またクランプは、支持体400に対する張力を提供するために、ねじ装置445も備える。
【0067】
サンプル
エラストマー系フィルム:フィルム試料は、特許請求された方法を使用して塗布されたエラストマー系組成物と、正確に等しい組成物を有さなければならない。最小の長さ75mm、厚さ0.356mm±0.05mm(14ミル±2ミル)で、試料幅は幅50.8mm(2インチ)である。
【0068】
フィルムは、以下のように調整される:
1)関心のエラストマー系組成物を約12g秤量する;
2)二枚の厚さ0.03mm(0.010インチ)PTFE(テフロン(Teflon)(登録商標))フィルム間に予備秤量した材料を設置することにより組成物を圧縮成形する;
3)加熱板を約160℃に設定されたカーバー・プレス・モデル(Carver Press model)3853−0に挿入された予備加熱したアルミニウムプレートの間にフィルム「サンドイッチ(sandwich)」を置く;
4)材料を3分間加熱し、その後17MPa(2500psi)の加圧にてプレート間で押圧する;
5)製剤は、押圧下にて30秒間流動される;
6)得られたフィルムを室温に急冷する;及び
7)フィルムを3つの均等な部分に切断する。
8)各部分を、PTFEフィルムと予備加熱したアルミニウムプレートとの間に置き、カーバー・プレス(Carver press)で160℃に至るまで1分間加熱され、その後14MPa(2,000psi)の圧力を加える。
9)製剤は、この圧力下にて30秒間流動される。
10)圧力を取り除き、試料を90°回転し、プレスに戻し入れ、速やかに20.7MPa(3,000psi)の圧力を加える。
11)製剤は、再び30秒間流動される。圧力を取り除き、試料を反転し、プレスに戻し入れ、速やかに27.6Mpa(4,000psi)の圧力を加える。
12)製剤は、再び30秒間流動される。
13)圧力を取り除き、試料を90°回転し、プレスに戻し入れ、速やかに34MPa(5,000psi)の圧力を加える。
14)製剤は、再び30秒間流動される。
15)最終押圧後、フィルムは室温に急冷される。
16)必要であれば、工程1〜15に従って準備された2つ又はそれ以上の材料のプライを、プライを重ね及び工程8〜15の繰り返しにより積層し、最終試料厚さ0.36±0.05mmを得る。
17)フィルムは、本明細書に上述された試験方法に従う適切な試料サイズに切断される。
【0069】
方法
1)平滑ステンレス鋼板(SS板)を金属支持体プレート上に置く。
2)平滑SS板に隣接してシリコーンゴムシートを設置する。このシリコーンゴムシートは、平滑SS板とほぼ同じ厚さを有するべきである。
3)平滑SS板上に少なくとも50mm、シリコーンゴムシート上に少なくとも25mmであるように、関心のエラストマー系フィルムの試料を平滑SS板上に設置する。
4)エラストマー系フィルムの上面に剥離紙を置き、ハンドローラーにて圧力を加える。ハンドローラーを、試験試料上を10回(1回=1往復動作)回転させる。加えられる圧力は、ハンドローラーの重量のみである。
5)剥離紙を取り除き、組成物の秩序/無秩序温度よりも高い温度に維持されたホットプレート上に配置されたSS支持体板上に試験試料を置く。エラストマーが、平滑ステンレス鋼板に固着するのに十分柔らかいことを確実にするために、エラストマーをその秩序/無秩序温度超過によく加熱することが必要である。温度160℃は、関心のほとんどの組成物に十分であるはずである。
6)ホットプレート上の試験試料を10分±1分加熱する。
7)試験試料と共にSS支持体板を取り除き、それを室温のスチールブロック上に置く。
8)ホットプレートから除去して10秒後、マイラーフィルムをエラストマー上に置き、先ほどのようにローラーで10回圧力を加える。
9)空気中で室温まで冷却する準備をする。
10)引張り試験機上の剥離試験グリップ内に、エラストマー及びマイラーフィルムと共に平滑SS板を設置する。剥離角は180度であり、測定は室温で行う。
11)平滑SS板からエラストマーを25.4cm/分(10インチ/分)で剥離する。荷重は、初め上昇し、その後一定値に近づく。
12)この一定剥離力を記録し、グラム重量/エラストマーのcm幅で報告する。
13)少なくとも全部で3つの複製について繰り返す。
14)記録された測定値の平均剥離力及び標準偏差を報告する。
【0070】
残留エラストマー
この方法は、パターンロール上の残留エラストマー量の測定を意図し、残留エラストマーを確定するために、このデータを使用する。原則として、蛍光性材料が、関心のエラストマー系組成物に組み込まれ、組成物に対する蛍光の量に関連する曲線が作成される。その後、この曲線は、蛍光の測定値を隆起面要素上に残る熱可塑性樹脂エラストマーの量に関連付けるために使用される。
【0071】
材料
蛍光剤:好適な蛍光材料は、UVプロセス・サプライ社(UV Process Supply Inc)(イリノイ州、シカゴ)から入手可能である。
【0072】
装置
適切な照明を提供でき、放射光の強度を測定できるあらゆる好適な装置を使用してもよい。装置は、測定要件の制約内においてできるだけ小型であるべきである。
蛍光計測器(Fluorimiter):蛍光物質からの放射光の強度を受容し測定できる。蛍光計測器は、蛍光剤から放射された光の固有波長に調整された適切な光学フィルターを含有すべきである。
励振器:蛍光剤へのエネルギー移動に最も効率的な固有波長の光を提供できる。励振器は、蛍光剤を照射するために使用される光の波長を画定するために光学フィルターを含有すべきである。
【0073】
試料
エラストマー:評価される塗布装置上のエラストマー供給装置の推定容積の少なくとも3倍のエラストマーの試料を取る。
【0074】
蛍光剤濃度の決定
1.適した溶媒中でエラストマーの0.01%溶液を調整する。
2.蛍光剤の同じ溶媒中の既知濃度の溶液を調整する。
3.エラストマー溶液のアリクオートに、0.1%、0.5%、1%、2%及び5%の濃度にてそこに加えられた蛍光剤を有したエラストマーの0.01%溶液に相当する混合溶液を提供するように、蛍光剤溶液のアリコートを加える。
4.製造業者の指示に従い、蛍光計測器及び励振器を校正する。
5.各混合溶液(I0.1−I0.8)から放射光の強度を決定する。
6.許容できる信号対雑音比を提供する蛍光剤濃度を選択する。
【0075】
エラストマーの調製
強度/濃度曲線から確定された許容できる信号対雑音比を得るために必要な最低濃度にて、エラストマー中に蛍光剤を完全に分散させるように、エラストマーと蛍光剤は複合される。GLS社(イリノイ州,マックヘンリー)は、この操作の好適な複合業者である。
【0076】
標準蛍光曲線の調整
1.好適な溶媒中で、上記で決定されたように、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%及び1%の濃度において、蛍光剤濃度を使用して、複合されたエラストマーの部分を溶解する。
2.蛍光計測器を使用して、各試料の蛍光強度を測定及び記録する。
3.2つの追加の試料セットについて、工程1及び2を繰り返す。
4.各濃度における濃度対平均強度の曲線をプロットする。
【0077】
残留エラストマー測定
1.エラストマー供給装置から複合されていないエラストマーを取り除く。
2.エラストマー供給装置に複合されたエラストマーを充填する。
3.凸版印刷塗布装置を開始する。
4.複合されたエラストマーの少なくとも2つの供給装置容積が消費されるまで、製造稼働条件下で、凸版印刷式接着剤塗布装置を作動する。
装置を製造稼働条件下で作動させていると同時に、工程1−4の終了時、エラストマーの残りが消費される前に、以下の測定を実施する。
5.アプリケーターロールからパターンロールへのエラストマーの転写を防ぐために、アプリケーターロールを格納(retract)する。
6.少なくともパターンロールの20回転の間(約10〜30秒)、アプリケーターロールを格納した製造稼働条件下にて、プロセスを作動させ続ける。
7.制御されたラインの運転停止を実施する。
8.その期間に製造された生成品を、生成品の順序が維持される形で収集する。
9.さらなる評価のためにパターンを選択する。本明細書で使用する時「パターン」とは、1つ以上の隆起パターン要素から基材の表面に付着されたエラストマー系組成物の部分であり、その要素はパターンロールの特定部分上に位置する。
10.収集された生成品から、そこに転写されたエラストマーが明らかに減少されたところで製造された第一パターンを同定する。このパターンは、プロセス・フロー(process flow)においてアプリケーターロールが格納された点の指標となる。
11.パターンの製造順序を維持するように注意して転写されたエラストマーにおいて、明らかな減少を伴う第一パターン後に製造された個々の20パターンを収集する。
12.パターンの製造順序を維持するように注意して転写されたエラストマーにおいて、明らかな減少を伴う第一パターン前に製造された個々の20生成品を収集する。
13.試料に1〜41の番号を付ける(試料ナンバー1は、アプリケーターロールが格納される最大時間前に製造されたパターン、試料41は、アプリケーターロールが格納された最大時間後に製造されたパターンである)。認識されるであろうように、試料21は、工程8において視覚的に同定された試料である。
14.好適な溶媒を用いて試料1−25を抽出する。
15.各試料の抽出物の蛍光強度を測定する。必要であれば、抽出物は、測定された強度を上昇するために、既知の方法を使用して濃縮され得る。
16.試料1−20を使用して、選択されたパターンについて、塗布方法の工程能力限界(process capability limits)(平均強度±3×標準偏差)を確定する。
17.試料21の強度を工程能力限界と比較する。試料21の強度が、工程能力限界内であれば、工程16を続行する。そうでなければ、工程能力限界内の強度を有する第一試料を確定するために、試料を逆行する(すなわち、試料1の方へ)。
18.試料21(又は、代わりとなる工程15で確定された開始点)及び次の連続した5試料について、上述の方法を使用して作成された標準曲線を使用して、添加エラストマー(添加Wt21−添加Wt26)を測定する。
19.
【数1】

20.工程5−15を3回以上繰り返す。
21.残留エラストマーの平均%、残留エラストマーの個々の計算された%値、及びそれらを計算するために使用される全データを報告する。
【0078】
実施例1
この実施例は、市販の接着剤(エラストマー系及び非エラストマー系)、熱可塑性樹脂エラストマー、及び代表的な非接着剤エラストマー組成物の特性を比較する。
【表1】

1.ボスティック・フィンドレイ(Bostik Findley)(ウィスコンシン州、ウォーワトサ)からのエラストマー系接着剤
2.ボスティック・フィンドレイ(Bostik Findley)からの接着剤
3.デクスコ・ポリマーズ(Dexco Polymers)LP(テキサス州、ヒューストン)から入手可能なスチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー
4.ベクター(Vector)8508 20%
低分子量熱可塑性樹脂エラストマー 50%
ドラケオール(Drakeol)600 25%
M光開始剤 5%
a:デクスコ(Dexco)社(テキサス州、ヒューストン)から入手可能なスチレン系ブロックコポリマー
b:デクスコ(Dexco)からの実験用スチレン系イソプレン−スチレンブロックコポリマー
c:ペンゾイル(Pennzoil)社、Penrenco Div、(ペンシルペニア州、カーンズシティ(Karns City))からの鉱物油
d:ナショナル・スターチ・アンド・ケミカルズ(ニュージャージー州、ブリッジウォーター)からの実験用試料
5.セプトン(Septon)4033 40%
SHF401 40%
ジオクチルドデシルテレフタラートオリゴマー(oligimer) 20%
a:クラレ(Kuraray)アメリカ社(ニューヨーク州、ニューヨーク)からのスチレン系ブロックコポリマー
b:エクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobile Chemical Co.)(テキサス州、ヒューストン)からのポリαオレフィン合成オイル
【0079】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0080】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。従って、このようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲内に網羅されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の方法の1つの実施形態を遂行するための装置の概略図。
【図2】本発明の方法を遂行するための装置の斜視図。
【図3】本発明の方法に従って製造された伸縮性のある基材を恒久的に伸長するための装置の斜視図。
【図4a】剥離試験で使用されるサンプルホルダーの斜視図。
【図4b】剥離試験で使用されるクランプの斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)機械方向に移動し、対向する第一表面と第二表面とを有する第一基材(34)を準備する工程と、
b)パターンロール(54)とアプリケーターロール(53)とを含む凸版印刷式接着剤塗布装置(105)であって、前記各ロールがあるロール表面温度となっている外面を有し、前記パターンロール(54)の前記外面の一部分が所定のパターンで隆起した隆起面要素(58)を含んでいる、凸版印刷式接着剤塗布装置(105)を準備する工程と、
c)前記パターンロールの表面温度よりも高い塗布温度と約3N/cm未満の剥離力とを有する溶融非接着性エラストマー系組成物を、前記アプリケーターロール(53)の外面上に付着させる工程と、
d)前記隆起要素(58)を表面を覆ってエラストマー系要素を形成するように、前記組成物の一部分を前記アプリケーターロール(53)から前記隆起要素(58)の末端表面へ転写する工程であって、前記組成物の一部分が前記アプリケーターロール(53)上にも残るように前記組成物が凝集破壊する工程と、
e)前記塗布温度と前記パターンロール表面温度との間の温度にまで前記転写部分を冷却し、凝集強度が前記剥離力よりも大きくなるように前記凝集強度の増大を引き起こす工程と、
f)前記基材(34)の前記第一表面と、前記表面が覆われた被覆隆起要素とを接触させる工程と、を備え、
工程fにおいて、前記エラストマー系組成物は、前記隆起面要素の前記末端表面から前記第一表面へ実質的に完全に転写することを特徴とする、伸縮性複合物の製造方法。
【請求項2】
工程eの後であって工程fの前に、
i)前記エラストマー系要素に張力を加え、前記パターンロールから前記要素を剥離する工程と、
ii)前記エラストマー系要素を機械方向に伸長する工程と、
を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターンロールの外面が、前記アプリケーターロールの表面温度及び前記塗布温度のうちの少なくとも1つよりも、少なくとも5℃低い温度を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、スロット塗布機、バス、噴霧器、及び押出機から成る群から選択される供給手段(55)により付着される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物の前記転写後に、第二基材(36)が前記エラストマー系組成物と接触させられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも前記基材の一部分が恒久的に伸長するよう、前記組成物の前記転写後に前記基材が漸増的に伸長される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記エラストマー系組成物が、熱可塑性樹脂エラストマー及び加工オイルを含み、好ましくは前記加工オイルを1%〜70%含み、実質的に粘着付与剤を含まない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記エラストマー系組成物の構成要素の前記少なくとも一部分が、架橋可能な材料を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記エラストマー系組成物が、1重量%〜50重量%の非エラストマー系熱可塑性樹脂ポリマーをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記エラストマー系組成物がガラス転移温度を有し、前記エラストマー系要素が前記パターンロールから剥離される前に、前記エラストマー系組成物が前記ガラス転移温度未満の温度に冷却される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物の転写の前に、前記基材を機械横方向に狭窄するように、前記基材が前記機械方向に伸長される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2007−529316(P2007−529316A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505217(P2007−505217)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009994
【国際公開番号】WO2005/097358
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】