エルボ材の整列供給装置
【課題】エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができるエルボ材の整列供給装置を提供すること。
【解決手段】エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備える。
【解決手段】エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エルボ材の整列供給装置に関し、特に、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができるエルボ材の整列供給装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
水道管等のエルボ材は、９０°に湾曲した配管の両端にそれぞれ雌ねじを形成したものからなり、直交する２本の管の接続に使用されている。
このようなエルボ材は、リークテスト等の次工程に送られる際に、一般にパーツフィーダによって、エルボ材の両端が略均等に下を向く姿勢で並列するように整列供給されている。
【０００３】
従来のパーツフィーダは、多数のエルボ材に振動を付与することにより、一定方向に移動させながら前記姿勢に整列するもので、例えば、エルボ材を振動により上下動させながら、螺旋状の移動経路に設けたアタッチメントによって、順次目的とする姿勢に近づけながら移送し、最終的にエルボ材の両端が略均等に下を向く姿勢で並列するようにして、次工程の加工装置に整列供給するようにしている。
【０００４】
しかしながら、上記従来のパーツフィーダは、比較的重量のある金属製のエルボ材が、目的の姿勢になるまで振動により上下動し続けることから、パーツフィーダのボウルや移動経路とエルボ材とがぶつかり合う音が大きく、場合によっては、工場内外に対して騒音対策を講じる必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、上記従来のエルボ材の整列供給装置が有する問題点に鑑み、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができるエルボ材の整列供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明のエルボ材の整列供給装置は、移動経路を下流側に移動させることにより、エルボ材を両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるエルボ材の整列供給装置において、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えたことを特徴とする。
【０００７】
この場合において、斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けることができる。
【０００８】
また、第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けることができる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のエルボ材の整列供給装置によれば、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えることから、斜溝、第１ガイド片、第２ガイド片及び斜壁を順次経ることにより、エルボ材の姿勢を順次整えてその両端が略均等に下を向く姿勢に並列させることができる。
この場合、エルボ材は、微細な振動により移動経路を下流側に移動するが、従来のように振動によりエルボ材が上下動してボウル等とぶつかることはなく、これにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができる。
【００１０】
また、斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けることにより、エルボ材を斜溝に確実に受容することができる。
【００１１】
また、第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けることにより、供給路から落下したエルボ材の速度を制限し、エルボ材を斜溝に確実に受容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明のエルボ材の整列供給装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例１】
【００１３】
図１〜図５に、本発明のエルボ材の整列供給装置の一実施例を示す。
このエルボ材の整列供給装置は、移動経路を下流側に移動させることにより、騒音を出さない状態で、図５（ａ）に示すように、エルボ材Ｅを両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるようにする。
すなわち、このエルボ材の整列供給装置は、エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備えている。
【００１４】
図５に示すように、供給路１の上流側には、多数のエルボ材Ｅが投入される回転ドラム６と、該回転ドラム６から供給されたエルボ材Ｅを供給路１までの間に整列供給する前段供給路７とが設けられている。
回転ドラム６は、円錐状に傾斜した底板６１を間欠的に回転させることにより、ホッパ６２のエルボ材Ｅを開口部６３から１個ずつ前段供給路７に供給する。
前段供給路７は、回転ドラム６から供給されたエルボ材Ｅを上下のいずれかの姿勢で縦列で受ける細幅溝部７１と、この細幅溝部７１で下向きの姿勢になっているエルボ材Ｅをその端面を引っ掛けることにより上向きにする突起７２と、上向きにしたエルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢に倒す横倒ガイド７３とを備えている。
なお、このようなエルボ材Ｅの前段の整列を行う場合、例えば、回転ドラム６の代わりにベルトコンベア等の各種整列装置を使用することもできる。
【００１５】
供給路１は、図１〜図４に示すように、底壁が略水平に設置された所定幅のコ字状溝からなり、下部にはエルボ材Ｅを微細な振動により移動させる電磁フィーダ８が設置されている。
この供給路１は、両端が一方の側方を向いた姿勢のエルボ材Ｅを前段供給路７から受け取り、下流の斜溝２側に移動させる。
【００１６】
斜溝２は、図４（ａ）に示すように、供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、供給路１から所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する。
斜溝２の底壁２１は、約４５°の傾斜を有し、エルボ材Ｅの前側の端面を支持した状態で、エルボ材Ｅの後部が供給路１に略水平に支持される高さに設置されている。
エルボ材Ｅは、その前側の端部が斜溝２に落下する際に、前方と右側方とにそれぞれ約４５°ずつ回転する。
斜溝２の外側の側壁２２には、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前転を制限する押さえ板２４が設けられている。この押さえ板２４は、エルボ材Ｅの端面が斜溝２の底壁２１に着底する以上の前転を阻止し、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容するようにしている。
斜溝２の内側の側壁２３は、エルボ材Ｅの前側の端部を下から支持し、第１ガイド片３より下流側では、エルボ材Ｅの後側の端部が回転しながら下降できるように漸次浅く形成されている。
【００１７】
第１ガイド片３は、図１〜図４に示すように、供給路１の端部に隣接する位置で、斜溝２の内側の側壁２３から同角度（約４５°）で延設されており、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する。
この第１ガイド片３の下流側端部には、エルボ材Ｅの速度を落とすブレーキ部３１が設けられている。
ブレーキ部３１は、本実施例では、第１ガイド片３の端部角度をやや上向きに傾斜させることにより設けられており、これにより、供給路１から落下したエルボ材Ｅの速度を制限し、エルボ材Ｅの端面が斜溝２の底壁２１に着底する以上の前転を阻止して、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容するようにしている。
【００１８】
第２ガイド片４は、第１ガイド片３と斜壁５との間に設けられており、やや外向きに下降傾斜している。
この第２ガイド片４は、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内するが、このときエルボ材Ｅは、斜溝２に受容された前側の端部を軸に回転する。
【００１９】
斜壁５は、図１〜図４に示すように、斜溝２の底壁２１に対し約９０°の角度をなすように配設されており、第２ガイド片４で案内され下降したエルボ材Ｅの後側の端面を支持する。
斜壁５は、下に回転するエルボ材Ｅの後側の端部と干渉しないように、第２ガイド片４の終端付近では斜溝２からやや離れるように形成されている。
エルボ材Ｅは、その後側の端面がこの斜壁５に支持された段階で、両端が略均等に下を向く姿勢で並列する。
【００２０】
また、本実施例では、図５に示すように、斜溝２の底壁２１と斜壁５とを下流側に延設したＶ字状溝９を形成し、このＶ字状溝９の幅方向中央に、倒れた（両端が略均等に下を向く姿勢で並列していない）エルボ材を落下させるための逃がし穴９１を形成している。
逃がし穴９１は、送り方向に縦長の縦列姿勢となったエルボ材が挿通する長方形に形成されている。
底壁２１と斜壁５とに両端面が支持されることなく倒れたエルボ材は、Ｖ字状溝９の作用により、溝の中央で送り方向に縦長となる縦列姿勢となり、前記逃がし穴９１から落下して回収される。
【００２１】
かくして、本実施例のエルボ材の整列供給装置は、エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備えることから、斜溝２、第１ガイド片３、第２ガイド片４及び斜壁５を順次経ることにより、エルボ材Ｅの姿勢を順次整えてその両端が略均等に下を向く姿勢に並列させることができる。
この場合、エルボ材Ｅは、微細な振動により移動経路を下流側に移動するが、従来のように振動によりエルボ材Ｅが上下動してボウル等とぶつかることはなく、これにより、騒音を出さない状態でエルボ材Ｅを整列供給することができる。
【００２２】
また、斜溝２の外側の側壁２２に、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前転を制限する押さえ板２４を設けることにより、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容することができる。
さらに、第１ガイド片３の下流側端部に、エルボ材Ｅの速度を落とすブレーキ部３１を設けることにより、供給路１から落下したエルボ材Ｅの速度を制限し、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容することができる。
【００２３】
以上、本発明のエルボ材の整列供給装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本発明のエルボ材の整列供給装置は、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給するという特性を有していることから、例えば、市街地に近い工場のエルボ材の整列供給の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明のエルボ材の整列供給装置の一実施例を示す前方から見た斜視図である。
【図２】同斜視図である。
【図３】同エルボ材の整列供給装置をエルボ材を省略して前方から見た斜視図である。拡大斜視図である。
【図４】同エルボ材の整列供給装置を示し、（ａ）はブレーキ部と第２ガイド片を省略して前方から見た図、（ｂ）は平面図、（ｃ）は外側の側壁と押さえ板を省略した（ａ）のＡ矢視図、（ｄ）は同Ｂ矢視図である。
【図５】同エルボ材の整列供給装置の全体を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図、（ｃ）は正面図である。
【符号の説明】
【００２６】
Ｅ エルボ材
１ 供給路
２ 斜溝
２１ 底壁
２２ 外側の側壁
２３ 内側の側壁
２４ 押さえ板
３ 第１ガイド片
３１ ブレーキ部
４ 第２ガイド片
５ 斜壁
６ 回転ドラム
６１ 底板
６２ ホッパ
６３ 開口部
７ 前段供給路
７１ 細幅溝部
７２ 突起
７３ 横倒ガイド
８ 電磁フィーダ
９ Ｖ字状溝
９１ 逃がし穴
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エルボ材の整列供給装置に関し、特に、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができるエルボ材の整列供給装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
水道管等のエルボ材は、９０°に湾曲した配管の両端にそれぞれ雌ねじを形成したものからなり、直交する２本の管の接続に使用されている。
このようなエルボ材は、リークテスト等の次工程に送られる際に、一般にパーツフィーダによって、エルボ材の両端が略均等に下を向く姿勢で並列するように整列供給されている。
【０００３】
従来のパーツフィーダは、多数のエルボ材に振動を付与することにより、一定方向に移動させながら前記姿勢に整列するもので、例えば、エルボ材を振動により上下動させながら、螺旋状の移動経路に設けたアタッチメントによって、順次目的とする姿勢に近づけながら移送し、最終的にエルボ材の両端が略均等に下を向く姿勢で並列するようにして、次工程の加工装置に整列供給するようにしている。
【０００４】
しかしながら、上記従来のパーツフィーダは、比較的重量のある金属製のエルボ材が、目的の姿勢になるまで振動により上下動し続けることから、パーツフィーダのボウルや移動経路とエルボ材とがぶつかり合う音が大きく、場合によっては、工場内外に対して騒音対策を講じる必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、上記従来のエルボ材の整列供給装置が有する問題点に鑑み、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができるエルボ材の整列供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明のエルボ材の整列供給装置は、移動経路を下流側に移動させることにより、エルボ材を両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるエルボ材の整列供給装置において、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えたことを特徴とする。
【０００７】
この場合において、斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けることができる。
【０００８】
また、第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けることができる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のエルボ材の整列供給装置によれば、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えることから、斜溝、第１ガイド片、第２ガイド片及び斜壁を順次経ることにより、エルボ材の姿勢を順次整えてその両端が略均等に下を向く姿勢に並列させることができる。
この場合、エルボ材は、微細な振動により移動経路を下流側に移動するが、従来のように振動によりエルボ材が上下動してボウル等とぶつかることはなく、これにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給することができる。
【００１０】
また、斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けることにより、エルボ材を斜溝に確実に受容することができる。
【００１１】
また、第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けることにより、供給路から落下したエルボ材の速度を制限し、エルボ材を斜溝に確実に受容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明のエルボ材の整列供給装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例１】
【００１３】
図１〜図５に、本発明のエルボ材の整列供給装置の一実施例を示す。
このエルボ材の整列供給装置は、移動経路を下流側に移動させることにより、騒音を出さない状態で、図５（ａ）に示すように、エルボ材Ｅを両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるようにする。
すなわち、このエルボ材の整列供給装置は、エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備えている。
【００１４】
図５に示すように、供給路１の上流側には、多数のエルボ材Ｅが投入される回転ドラム６と、該回転ドラム６から供給されたエルボ材Ｅを供給路１までの間に整列供給する前段供給路７とが設けられている。
回転ドラム６は、円錐状に傾斜した底板６１を間欠的に回転させることにより、ホッパ６２のエルボ材Ｅを開口部６３から１個ずつ前段供給路７に供給する。
前段供給路７は、回転ドラム６から供給されたエルボ材Ｅを上下のいずれかの姿勢で縦列で受ける細幅溝部７１と、この細幅溝部７１で下向きの姿勢になっているエルボ材Ｅをその端面を引っ掛けることにより上向きにする突起７２と、上向きにしたエルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢に倒す横倒ガイド７３とを備えている。
なお、このようなエルボ材Ｅの前段の整列を行う場合、例えば、回転ドラム６の代わりにベルトコンベア等の各種整列装置を使用することもできる。
【００１５】
供給路１は、図１〜図４に示すように、底壁が略水平に設置された所定幅のコ字状溝からなり、下部にはエルボ材Ｅを微細な振動により移動させる電磁フィーダ８が設置されている。
この供給路１は、両端が一方の側方を向いた姿勢のエルボ材Ｅを前段供給路７から受け取り、下流の斜溝２側に移動させる。
【００１６】
斜溝２は、図４（ａ）に示すように、供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、供給路１から所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する。
斜溝２の底壁２１は、約４５°の傾斜を有し、エルボ材Ｅの前側の端面を支持した状態で、エルボ材Ｅの後部が供給路１に略水平に支持される高さに設置されている。
エルボ材Ｅは、その前側の端部が斜溝２に落下する際に、前方と右側方とにそれぞれ約４５°ずつ回転する。
斜溝２の外側の側壁２２には、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前転を制限する押さえ板２４が設けられている。この押さえ板２４は、エルボ材Ｅの端面が斜溝２の底壁２１に着底する以上の前転を阻止し、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容するようにしている。
斜溝２の内側の側壁２３は、エルボ材Ｅの前側の端部を下から支持し、第１ガイド片３より下流側では、エルボ材Ｅの後側の端部が回転しながら下降できるように漸次浅く形成されている。
【００１７】
第１ガイド片３は、図１〜図４に示すように、供給路１の端部に隣接する位置で、斜溝２の内側の側壁２３から同角度（約４５°）で延設されており、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する。
この第１ガイド片３の下流側端部には、エルボ材Ｅの速度を落とすブレーキ部３１が設けられている。
ブレーキ部３１は、本実施例では、第１ガイド片３の端部角度をやや上向きに傾斜させることにより設けられており、これにより、供給路１から落下したエルボ材Ｅの速度を制限し、エルボ材Ｅの端面が斜溝２の底壁２１に着底する以上の前転を阻止して、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容するようにしている。
【００１８】
第２ガイド片４は、第１ガイド片３と斜壁５との間に設けられており、やや外向きに下降傾斜している。
この第２ガイド片４は、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内するが、このときエルボ材Ｅは、斜溝２に受容された前側の端部を軸に回転する。
【００１９】
斜壁５は、図１〜図４に示すように、斜溝２の底壁２１に対し約９０°の角度をなすように配設されており、第２ガイド片４で案内され下降したエルボ材Ｅの後側の端面を支持する。
斜壁５は、下に回転するエルボ材Ｅの後側の端部と干渉しないように、第２ガイド片４の終端付近では斜溝２からやや離れるように形成されている。
エルボ材Ｅは、その後側の端面がこの斜壁５に支持された段階で、両端が略均等に下を向く姿勢で並列する。
【００２０】
また、本実施例では、図５に示すように、斜溝２の底壁２１と斜壁５とを下流側に延設したＶ字状溝９を形成し、このＶ字状溝９の幅方向中央に、倒れた（両端が略均等に下を向く姿勢で並列していない）エルボ材を落下させるための逃がし穴９１を形成している。
逃がし穴９１は、送り方向に縦長の縦列姿勢となったエルボ材が挿通する長方形に形成されている。
底壁２１と斜壁５とに両端面が支持されることなく倒れたエルボ材は、Ｖ字状溝９の作用により、溝の中央で送り方向に縦長となる縦列姿勢となり、前記逃がし穴９１から落下して回収される。
【００２１】
かくして、本実施例のエルボ材の整列供給装置は、エルボ材Ｅを両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路１と、該供給路１の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前側の端部を受容する斜溝２と、該斜溝２に並設され、斜溝２で受容したエルボ材Ｅの後側の端部を略水平に支持し、エルボ材Ｅの縦列姿勢を保持する第１ガイド片３と、前記斜溝２に並設され、第１ガイド片３で支持されたエルボ材Ｅの後側の端部を下方に案内する第２ガイド片４と、前記斜溝２に並設され、第２ガイド片４で案内されたエルボ材Ｅの後側の端面を支持する斜壁５とを備えることから、斜溝２、第１ガイド片３、第２ガイド片４及び斜壁５を順次経ることにより、エルボ材Ｅの姿勢を順次整えてその両端が略均等に下を向く姿勢に並列させることができる。
この場合、エルボ材Ｅは、微細な振動により移動経路を下流側に移動するが、従来のように振動によりエルボ材Ｅが上下動してボウル等とぶつかることはなく、これにより、騒音を出さない状態でエルボ材Ｅを整列供給することができる。
【００２２】
また、斜溝２の外側の側壁２２に、供給路１から落下したエルボ材Ｅの前転を制限する押さえ板２４を設けることにより、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容することができる。
さらに、第１ガイド片３の下流側端部に、エルボ材Ｅの速度を落とすブレーキ部３１を設けることにより、供給路１から落下したエルボ材Ｅの速度を制限し、エルボ材Ｅを斜溝２に確実に受容することができる。
【００２３】
以上、本発明のエルボ材の整列供給装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本発明のエルボ材の整列供給装置は、エルボ材の上下動によるぶつかりをなくすことにより、騒音を出さない状態でエルボ材を整列供給するという特性を有していることから、例えば、市街地に近い工場のエルボ材の整列供給の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明のエルボ材の整列供給装置の一実施例を示す前方から見た斜視図である。
【図２】同斜視図である。
【図３】同エルボ材の整列供給装置をエルボ材を省略して前方から見た斜視図である。拡大斜視図である。
【図４】同エルボ材の整列供給装置を示し、（ａ）はブレーキ部と第２ガイド片を省略して前方から見た図、（ｂ）は平面図、（ｃ）は外側の側壁と押さえ板を省略した（ａ）のＡ矢視図、（ｄ）は同Ｂ矢視図である。
【図５】同エルボ材の整列供給装置の全体を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図、（ｃ）は正面図である。
【符号の説明】
【００２６】
Ｅ エルボ材
１ 供給路
２ 斜溝
２１ 底壁
２２ 外側の側壁
２３ 内側の側壁
２４ 押さえ板
３ 第１ガイド片
３１ ブレーキ部
４ 第２ガイド片
５ 斜壁
６ 回転ドラム
６１ 底板
６２ ホッパ
６３ 開口部
７ 前段供給路
７１ 細幅溝部
７２ 突起
７３ 横倒ガイド
８ 電磁フィーダ
９ Ｖ字状溝
９１ 逃がし穴
【特許請求の範囲】
【請求項１】
移動経路を下流側に移動させることにより、エルボ材を両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるエルボ材の整列供給装置において、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えたことを特徴とするエルボ材の整列供給装置。
【請求項２】
斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けたことを特徴とする請求項１記載のエルボ材の整列供給装置。
【請求項３】
第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けたことを特徴とする請求項１又は２記載のエルボ材の整列供給装置。
【請求項１】
移動経路を下流側に移動させることにより、エルボ材を両端が略均等に下を向く姿勢に並列させるエルボ材の整列供給装置において、エルボ材を両端が一方の側方を向いた姿勢で縦列する供給路と、該供給路の端部から前記側方側に変位して反対側に傾斜するとともに、所要落差をもって形成され、供給路から落下したエルボ材の前側の端部を受容する斜溝と、該斜溝に並設され、斜溝で受容したエルボ材の後側の端部を略水平に支持し、エルボ材の縦列姿勢を保持する第１ガイド片と、前記斜溝に並設され、第１ガイド片で支持されたエルボ材の後側の端部を下方に案内する第２ガイド片と、前記斜溝に並設され、第２ガイド片で案内されたエルボ材の後側の端面を支持する斜壁とを備えたことを特徴とするエルボ材の整列供給装置。
【請求項２】
斜溝の外側の側壁に、供給路から落下したエルボ材の前転を制限する押さえ板を設けたことを特徴とする請求項１記載のエルボ材の整列供給装置。
【請求項３】
第１ガイド片の下流側端部に、エルボ材の速度を落とすブレーキ部を設けたことを特徴とする請求項１又は２記載のエルボ材の整列供給装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００７−２５４１３０（Ｐ２００７−２５４１３０Ａ）
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−８３５１８（Ｐ２００６−８３５１８）
【出願日】平成１８年３月２４日（２００６．３．２４）
【出願人】（５０４２１９８４９）日新精工株式会社 (2)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月２４日（２００６．３．２４）
【出願人】（５０４２１９８４９）日新精工株式会社 (2)
【Ｆターム（参考）】
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