説明

エレクトレット性着色泳動微粒子を用いたモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置−I。

【課題】 量子線照射によるエレクトレット性荷電微粒子、荷電磁性微粒子を用い、クロスト−クの発生を抑え、単純マトリックス駆動が可能なモノクロ・カラー反射・透光型電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】 だい第1基板と、第1基板上に配置された、第1駆動電極と前期第1基板に対向して配置される第2基板と、該第2基板に配置された第2駆動電極と、第1基板と第2基板間に構成された角柱形又は、円筒形隔壁に充填された白色絶縁性液体と、分散された真球状着色負荷電微粒子、真球状着色負荷電磁性微粒子とを備えた電気泳動表示素子及び反射型電気泳動表示装置において、交流電界、交流磁場及び両者を重畳して撹拌する電極をもち、着色泳動微粒子を垂直移動させる電気泳動表示素子を集合した、高精細な画像表示を実現し、フルカラ−、暗所使用可能な反射型電気泳動表示装置及び透光型電気泳動表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子線照射により、電子トラップに帯電した真球状着色負荷電微粒子、真球状着色負荷電磁性微粒子等の着色負荷電泳動微粒子を、弱い正電荷をもつ白色絶縁性液体に分散、これを表示素子の角柱形または円筒形隔壁中で、垂直移動させて表示を行なう新規の高速応答、高解像度、高画質をもつ疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及び反射・透光型電気泳動表示装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、100年の歴史を持つブラウン管から出発し、蛍光表示管、エレクトロ・ルミネッセンス表示装置、ライト・エミッタ・ダイオ−ド表示装置、液晶表示装置、及びプラズマ・ディスプレイ・パネル表示装置等が市販されている。しかし、これら市販の表示装置は、何れも発光色や透過光を用い、観るための表示装置(透過型)で物質そのものの色を見るため、長時間凝視に耐えるものではない。
最近IT化の進展と共に、印刷物のような表示特性をもち、目に優しく、長時間凝視に耐える、読むための次世代表示装置(反射型)の開発が盛んである。特に新聞や書籍の電子化技術の進歩は著しく、本格的なペ−パレス化の到来が近い将来達成される時代にある。特に新聞の衛星や光通信回線による配信は、印刷、輸送、配送等の一大改革と共に紙消費の削減により、森林資源・地球環境保全等にも貢献が期待されている。
【0003】
このような要求を満たすため、次世代表示装置には、大型で低価格、高精細性、省エネルギ−性、高速応答性およびフルカラ−性等多くの要求がある。このため粒子系、液晶系、EL系、リライタブル・マ−キング系等多くの方式が開発されている。
最も多用されている液晶表示装置は、高速応答性、カラ−化、動画等優れた表示特性を持つが、透過型で表示品位に係わる問題に加えて、その解像度も一般的に最大でも120dpi程度と印刷、プリト・アウト(通常300dpi)等に比較して相当に低い。また透過型のため、裏面より照射用光源が必要で、多大の電力を消費する。このため携帯機器では、高性能の大型蓄電池と充電器が必要である。反射型電気泳動表示装置は、裏面からの照射光源が不要で、省エネ性に富むが、一方暗所で使用出来ない欠点をもつ。
低価格で大型化、高精細化には、荷電微粒子の電気泳動による反射型電気泳動表示方法が、理想的な読むための次世代表示装置の最適技術と考えられる。このため反射型電気泳動表示装置は、マイクロ・カプセル中の粒子の厚み方向移動法、泳動微粒子の回転法等が開発されている。書籍の電子的表示や、衛星配信による新聞表示の様に、300dpi以上の高精細性の要求には不充分で、数μmの真球状着色泳動微粒子を用い絶縁性液体に分散した電気泳動表示装置が最適である。
【0004】
荷電微粒子を電界によって電気泳動し、表示または記憶装置に利用する考え方は、古くから提案(太田:特許公報昭50−15115)されたが、荷電微粒子の形状、帯電電位(ζ電位)が小さく不安定なこと、泳動粒子の二次凝集や沈殿、前歴表示画像の消去及び応答速度等多くの技術的問題があり実現できなかった。
【0005】
本格的電気泳動表示法としては、荷電微粒子を水平に移動させる、水平移動型電気泳動表示法及び装置の提案がある。(郷田:特開昭49−5598号公報、特開平11−202804号公報)。透明絶縁性液体中に分散された正・負(白・黒色)の電荷をもつ泳動微粒子の電気泳動現象を用い、クロスト−クの発生を押さえるため隔壁を設け、単純マトリックス方式の駆動法が可能な表示装置である。しかし画素毎に、複雑な障壁を設けるため、大型の表示装置では構成が困難で、二次凝集、沈殿及び前歴表示画像の消去等の解決がなされていない。更に、フルカラ−、暗所使用の対応がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者らは、電気泳動表示装置を研究する中で、実用化不可能な重大な欠点を有することを見い出した。即ち、画像表示を繰り返した場合、駆動電極の表面を被覆した透明絶縁層(表示面)に吸着した前歴表示画像は、静電的に強固に付着し、逆極性の直流電界を印加しても、完全に剥離せず、再び表示書込の場合、残像として支障を来すことである。絶縁性液体より比重の小さい泳動微粒子を使用しても、二次凝集により泳動微粒子は大型化し、長期的には泳動微粒子の沈殿が起り、画質の劣化の要因となる。長期使用による絶縁性液体中に分散された泳動微粒子の分布の不均一化は、表示画像の画質に影響し、画質を低下させる。又一般に電気泳動表示方法は、泳動微粒子が閾値をもたないため、クロスト−ク現象を起し良好な高画質がえられない。又、泳動微粒子の帯電の安定性に問題があり、反射型電気泳動表示装置は、暗所で使用できない。最大欠点は、カラ−表示対応である。一般の反射型電気泳動表示装置では、カラ−表示には赤、緑、青色等又は、黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等の3〜4種(3〜4色)の着色泳動微粒子を必要とする。
以上を総合すると、安定な持続性荷電微粒子の製作、正・負極性の荷電微粉粒子の分離、泳動微粒子の二次凝集の除去と沈澱の防止、前歴表示画像の消去、絶縁性液体中の泳動微粒子の濃度分布の均一化、画像コントラストの向上、クロスト−クの除去、フル・カラ−表示、暗所使用等の多くの問題点を同時に解決する手段が必要ある。
又最大の欠陥は、着色泳動微粒子の帯電の安定性にある。電気泳動表示装置に使用される着色泳動微粒子は、染料やイオン等の発色材料を使用し、新たな電荷の授受をもたらすため、電界により泳動中に不安定要因として作用し、安定性に問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
高分子微粒子原料モノマ−に、電子トラップ材料、顔料等を添加、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により5〜10μmの真球状微粒子を作り、これを電子線照射した着色荷電微粒子は、−50〜−100mVのエレクトレット性ζ電位をもつ。更に、原料に磁性微粒子を加え、前述の方法で5〜10μmの真球状微粒子を作り電子線を照射した着色荷電磁性微粒子は、−50〜−100mVのエレクトレット性ζ電位と5×10−4Wbの磁荷を合わせもつ。これ等を弱い正電荷をもつ白色絶縁性液体に分散し、クロスト−クを防止する角柱形または円筒形隔壁に封入する疑似1粒子タイプの新規な電気泳動表示素子を開発した。
・角柱形または円筒形隔壁を赤、緑、青色等に3分割又は、黒、マゼンタ、イエロ−色、シアン色等に4分割して、フルカラ−対応の反射型電気泳動表示装置を開発した。隔壁中の絶縁性液体を交流電界、交流磁界又は、交流電界・交流磁界を重畳して撹拌し、前歴表示画像を消去する電気泳動表示方法。更に、角柱形又は円筒形隔壁に透光性材料を使用して、暗所使用を可能にしたモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を創案した。
【0008】
請求項1の発明は、第1基板と、第1基板上に配置された第1透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層及び透明絶縁層(表示面)と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、該第2基板上に配置された第2電極、絶縁層、第2駆動電極及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と第2基板間に構成された角柱形又は、円筒形隔壁に充填された白色絶縁性液体と、該白色絶縁性液体中に分散された着色泳動微粒子(真球状着色負荷電微粒子)を備えた疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及び反射・透光型電気泳動表示装置である。
画像表示は、前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印加して、前記白色絶縁性液体を交流電場で撹拌して、表示面及び非表示面に付着する前歴表示画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面に垂直移動させ画像表示する第1過程と、表示後再び前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印加して、白色絶縁性液体を撹拌して前歴画像を消去し、同時に着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色表示する第2の過程により、表示操作を終了する交流電界方式による電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0009】
請求項2の発明は、第1基板と、第1基板上に配置された磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層及び絶縁層(表示面)と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、該第2基板に配置された磁場発生用薄膜コイル状第3電極、絶縁層、第2駆動電極、及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と第2基板間に構成された、角柱形又は円筒形隔壁に充填された白色絶縁性液体と該白色絶縁性液体に分散された着色泳動微粒子(真球状着色負荷電磁性微粒子)を備えた、疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
画像表示は、前記第1透明電極と第3電極間に交流電流を通電して交流磁場を発生させ、前記白色絶縁性液体を交流磁場で撹拌して表示面及び非表示面に付着する前歴画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面に垂直移動し画像表示する第1過程。表示後再び前記第1透明電極と第3電極間に交流電流を通電して磁場を発生させ、白色絶縁性液体を撹拌し、着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色に表示する第2の過程により、表示操作を終了する磁気誘導方式による電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0010】
請求項3の発明は、第1基板と、第1基板上に配置された第1透明電極、透明絶縁層、磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層、及び透明絶縁層(表示面)と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と該第2基板上に配置された第2電極、絶縁層、磁場発生用薄膜コイル状第3電極、絶縁層、第2駆動電極、及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と前記第2基板間に構成された角柱形又は、円筒形隔壁に充填された白色絶縁性液体と、該白色絶縁性液体中に分散された着色泳動微粒子(真球状着色負荷電磁性微粒子)を備えた疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子と電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及反射・透光型電気泳動表示装置である。
画像表示は、前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印加して交流電場発生、第2透明電極と第3電極に交流電流を通電して交流磁場を発生し、交流電場と交流磁場とを重畳して、前記白色絶縁性液体を撹拌し表示面及び非表示面に付着する前歴表示画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面に垂直移動し画像表示する第1過程。表示後再び前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を、同時に第2透明電極と第3電極間に交流電流を通電して交流磁界を発生して、前記白色絶縁性液体を撹拌し前歴画像を消去、着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色表示する第2の過程により、表示操作を終了する交流電界・磁気誘導方式よる電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及び反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0011】
請求項4の発明は、角柱形または円筒形隔壁に透光性材料を使用し、裏面から隔壁部に透過光を照射し、暗所で使用できる構造にしたモノクロ・カラ−電気泳動表示素子、反射型電気泳動表示装置及び透光型電気泳動表示装置である。
【0012】
請求項5の発明は、角柱形、円筒形等の隔壁を、赤、緑、青色等に3分割又は、黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等に4分割したカラ−用電気泳動表示素子、これを用いたモノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及び反射・透光型電気泳動表示装置等である。
【0013】
請求項6の発明は、カラ−反射型電気泳動表示装置及び透光型電気泳動表示装置において、赤、緑、青、又は、黒、マゼンタ、イエロー、シアン色等の着色泳動微粒子を分散した白色絶縁性液体の注入には、インクジエット・プリンタ手法を利用する製作法である。
【0014】
請求項7の発明は、交流電界方式による電気泳動表示素子を集合して一体化し、単純マトリックス又はアクティブマトリックス回路等で表示可能な、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を製作できる。
【0015】
請求項8の発明は、磁気誘導方式による電気泳動表示素子を集合して一体化し単純マトリックス又はアクティブマトリックス回路等で表示可能な、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を製作できる。
【0016】
請求項9の発明は、交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示素子を集合し、単純マトリックス又はアクティブマトリックス回路等で表示可能な、モノクロ・カラ−反射型電気泳動表示装置及び反射・透光型電気泳動表示装置を製作できる。
【0017】
請求項10の発明は、真球状着色負荷電微粒子は、高分子微粒子原料モノマ−に、電子トラップとなる材料、顔料等を添加し、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により粒径5〜10μmの真球状微粒子を作る。これに10〜50kGyの電子線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で1−〜50kGyの電子線を照射して エレクトレット性負電荷を帯電した微粒子で、−50〜−100mVのζ電位をもち、赤、緑、青、黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等の色彩に着色した真球状着色負荷電微粒子である。形状が真球状微粒子で、粒度分布が狭く、大きな負ζ電位をもつため、白色絶縁性液体に分散し表示用直流電界を印加すると、規則的に高速移動して、高速応答する真球状着色負荷電微粒子である。
【0018】
請求項11の発明は、真球状着色負荷電磁性微粒子は、高分子微粒子原料モノマ−に電子トラップとなる材料、顔料、磁性微粒子(FeO・Feで示されるマグネタイト微粒子、ナノ磁性微粒子)等を加え、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、4〜10μmの真球状微粒子を作る。これに10〜50kGyの電子線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で10〜〜50kGyの電子線を照射して、エレクトレット性負電荷を帯電した微粒子で、−50〜−100mVのζ電位と、5×10−4Wbの磁荷を合わせもち、赤、緑、青、黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等の色彩に着色した真球状着色負荷電磁性微粒子である。粒形が真球状超微粒子で、粒度分布度が狭いので、白色絶縁性液体に分散し表示用直流電界を印加すると、規則的に高速移動して、高速応答する着色負荷電磁性微粒子である。
【0019】
請求項12の発明は、着色泳動微粒子は、顔料等により、赤、緑、青等、又は、黒、マゼンタ、イエロ−、又は、シアン色等に着色したもので、カラ−表示に適する真球状負荷電微粒子及び真球状負荷電磁性微粒子等である。
【0020】
請求項13の発明は、白色絶縁性液体は、高分子微粒子原料モノマ−に正孔トラップとなる材料、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物系白色超微粉末を加え、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、0.2〜0.5μmの真球状超微粒子を作る。これに1〜15kGyのガンマ線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で1〜15kGyのガンマ線を照射して、エレクトレット性正電荷に帯電した微粒子で10〜20mVのζ電位をもち、炭化水素絶縁性液体、シリコ−ン絶縁性液体等に1〜30%分散した微弱の正電荷をもつ白色絶縁性液体である。
【0021】
請求項14の発明は、高分子微粒子原料モノマ−は、アクリル系、ポリエステル系、スチレン系、ポリカ−ボネ−ト系等の樹脂で、電子トラップ材料は弗素系樹脂である。正孔トラップ材料は、Siの酸化物(SiO)、アモルファス・シリコンの酸化物(Si:H:O1−x)の超微粒子である。
【0022】
請求項15の発明は、第1基板及び前記第2基板は、ガラス又はポリマ−・フイルムが使用できる。
【0023】
請求項16の発明は、第1基板及び前記第2基板の距離が、泳動微粒子の粒径の20〜30倍か、150μm以下が最適である。
【0024】
請求項17の発明は、電気泳動表示素子には、真球状着色正荷電微粒子、真球状着色正荷電磁性微粒子も使用できる。この場合、表示直流電界・剥離電界は逆極性にする必要がある。
【0025】
請求項18の発明は、白色絶縁性液体を構成する白色正荷電超微粒子と着色泳動微粒子との粒径比に関するものである。白色正荷電微粒子は正の電荷をもち、着色負泳動微粒子の真球状着色荷電微粒子、真球状着色負荷電磁性微粒子は負電荷をもつ。白色絶縁性液体に着色泳動微粒子を分散した場合、正・負の微粒子は静電的に結合して、表示動作に不都合を生じる。このため、絶えず分離する必要がある。本発明は、交流電場、交流磁場により撹拌過程により分離を行うが、着色泳動微粒子が大きい程、白色正荷電微粒子は小さい程、分離は有効である.特に、交流電場、交流磁場の重畳による撹拌は、白色正荷電微粒子は交流電場、真球状着色負荷電磁性微粒子は交流磁場により、別個に撹拌され、効率良く撹拌が行われ、また分離も顕著である。この場合も粒径比は有効に作用する。粒径比は1/2〜1/10が望ましい。
【0026】
請求項19の発明の本電気泳動表示装置は、省エネ性に優れているため、小型太陽電池と小型電池の組合せにより、充電器不要の携帯端末機器(携帯電話、ノ−トパソコン等)のディスプレイに使用できる。
【0027】
請求項20の発明は、耐候性材料を用いた、業務用大型モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置(屋内外看板)が製作できる。
【発明の効果】
【0028】
I.白色絶縁性液体に着色泳動微粒子を分散した疑似1粒子タイプのモノクロ・カラー反射・透光型電気泳動表示装置等を製作した。即ち、交流電界方式、磁気誘導方式、交流電界・磁気誘導方式である。交流電場、交流磁場等の印加による絶縁性液体の撹拌プロセスは、前記の電気泳動表示における3つの欠点、前歴表示画像の消去、二次凝集及び沈澱問題を解決した。
II.電子線照射による真球状着色負荷電微粒子、真球状着色負荷電磁性微粒子はエレクトレット性をもつため、極めて安定で、これ等を着色泳動微粒子に使用した電気泳動表示素子は、長寿命性に優れる。また着色泳動微粒子は、真球状のため、白色絶縁性液体中において高速駆動し、高速応答の電気泳動表示装置が製作できる。
III.着色泳動微粒子と白色絶縁性液体の組合せは、画像部の白色部を白色絶縁性液体が分担するため、高精細(300dpi)でコントラストの大きい高画質の表示が可能となった。
IV.隔壁の採用はクロスト−クを押さえ、隔壁を3分割し各素子を赤、緑、青色等とすること、又は4分割して各素子を黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等とすることにより、カラ−フイルタ−不要のモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置が製作できる。
V.角柱形または円柱形隔壁を透光性とし、透光反射層を設けて裏面から光照射により、反射型電気泳動表示装置の最大の欠点である、暗所使用を可能としたモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置が製作できる。
VI.本電気泳動表示装置は画像保持には電力は不要であるため、消費電力は極めて小さく、小型太陽電池と小型蓄電池の組合せにより、充電機能不要の携帯端末機器のディスプレ−・システムが実現できる。
VII.耐候性材料の使用により、屋内外の大型ディスプレ−(表示板、看板等)が製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態を図面によって詳細に説明するが、図面中の素子の寸法形状は実際の寸法でもなければ実際の寸法に比例しているものでもない、それらは理解を容易にするために適宜誇張されている。
【0030】
図1に本発明に係る電気泳動表示素子の基本的構成図を示す。図は便宜上1画素からなる構成を示す。
I.は真球状着色負荷電磁性微粒子9と白色絶縁性液体12とで構成し、交流電場で撹拌する交流電界方式である。第1基板1(ネサ・ガラス)と、第1基板1上に配置された第1透明電極2、透明絶縁層3、第1透明駆動電極6、透光反射層7、透明絶縁層(表示面)8と、前記第1基板1に対向して配置された、第2基板19と、該第2基板上に配置された第2電極18、絶縁層16、第2駆動電極15、絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と第2基板19間に、構成された角柱形又は、円筒形隔壁13に充填された白色絶縁性液体12中に分散した真球状着色負荷電微粒子9とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
第1透明電極2と第2電極18間に交流電界21を印加し、着色泳動微粒子を交流電場により撹拌、第1透明駆動電極6と、第2駆動電極15間に表示用直流電界20を接続して、着色部は着色泳動微粒子9を垂直移動して、透明絶縁層(表示面)8に、白色部は白色絶縁性液体12で表示するモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示素子である。
【0031】
IIは、真球状着色負荷電磁性微粒子11と白色絶縁性液体12とで構成し、交流磁場で撹拌する磁気誘導方式である。第1基板1(ネサ・ガラス)の表面の透明電極をパタ−ニングして磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極4とし、透明絶縁層5、第1透明駆動電極6、透光反射層7、透明絶縁層(表示面)8、前記第1基板1に対向して配置された第2基板19(ネサ・ガラス)の表面の透明電極をパタ−ニングして磁場発生用薄膜コイル状第3電極17とし、絶縁層16、第2駆動電極15及び絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と第2基板19間に、構成された角柱形又は円筒形隔壁13に充填された白色絶縁性液体12と、該白色絶縁性液体中に分散された真球状着色負荷電磁性微粒子11とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
第2透明電極4と第3電極17間に磁場発生用交流電界22を印加し、交流磁場により真球状着色負荷電磁性微粒子11を撹拌、第1透明駆動電極6と、第2駆動電極15間に表示用直流電界20を印加して、着色部は着色泳動微粒子11を垂直移動して、透明絶縁層(表示面)8に表示、白色部は白色絶縁性液体12で表示するモノクロ・カラー反射・透光型電気泳動表示素子である。
【0032】
IIIは、真球状着色負荷電磁性微粒子11と白色絶縁性液体12とで構成され、交流電場と交流磁場とを重畳して着色泳動粒子を撹拌する交流電界・磁気誘導方式である。第1基板1(ネサ・ガラス)の表面の透明電極を第1透明電極2とし、透明絶縁層3、磁場発生用薄膜コイル状第2電極4、透明絶縁層5、第1透明駆動電極6、透光反射層7、透明絶縁層(表示面)8、前記第1基板1に対向して配置された第2基板19(ネサ・ガラス)の透明電極を第2電極18とし、透明絶縁層16、磁場発生用薄膜コイル状第3電極17、絶縁層16、第2駆動電極15、透明絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と前記第2基板19間に、充填された白色絶縁性液体12中に分散された真球状着色負荷電磁性微粒子11とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
第1透明電極2と第2電極18間に交流電場発生用交流電界21を、第2透明電極4と第3電極17間に交流磁場発生用交流電界22を印加し、交流電場と交流磁場とを重畳して白色絶縁性液体12を撹拌、第1透明駆動電極6と第2駆動電極15間に表示用直流電界20を印加して、着色部は着色泳動微粒子11を垂直移動し、透明絶縁層(表示面)8に、白色部は白色荷絶縁性液体12で表示するモノクロ・カラー反射・透光型電気泳動表示素子である。
【0033】
図2は、各方式の駆動法の詳細をタイムチャ−トで示したものである。
I.は交流電界方式である。第1過程は、前期、中期、後期の三段階に分かれる。先ず第1基板と第2基板間に交流電界を印加、白色絶縁性液体を交流電場により撹拌、前期には、剥離用直流電界を重畳、前歴表示画像の消去と着色泳動微粒子の撹拌を行い、中期には、表示用直流電界を印加、着色泳動微粒子を表示面に、後期には交流電界を切断して、画像表示を行う。第2過程は、交流電界及び剥離用直流電界を印加して、前歴表示画像の消去を行う。着色泳動微粒子は非表示面に移動、表示面は白色絶縁性液体により、白色画面となり表示操作は終了する。
【0034】
II.は、磁気誘導方式である。第1過程は、前期、中期、後期の三段階に分かれる。先ず第1基板と第2基板間に交流電流を通電し、交流磁場を発生させ、白色絶縁性液体を交流磁場により撹拌、前期には、剥離用直流電界を重畳、前歴表示画像の消去と着色泳動微粒子(真球状着色負荷電磁性微粒子)の撹拌を行い、中期には、表示用直流電界を印加、着色泳動微粒子を表示面に、後期には交流磁場を切断して、画像表示を行なう。第2過程は、交流磁場及び剥離用直流電界を印加して、前歴表示画像の消去を行なう。着色泳動微粒子は非表示面に垂直移動し、表示面は白色絶縁性液体により、白色画面となり表示操作は終了する。
【0035】
III.は、交流電界・磁気誘導方式である。第1過程は、前期、中期、後期の三段階に分かれる。先ず第1基板と第2基板間に交流電界を印加、交流電流を通電し、交流電場と同時に交流磁場とを発生させ、白色絶縁性液体を交流電場・交流磁場により撹拌、前期には、剥離用直流電界を重畳、前歴表示画像の消去と着色泳動微粒子の撹拌を行い、中期には、表示用直流電界を印加、着色泳動微粒子を表示面に、後期には交流磁場を切断して、画像表示を行なう。第2過程は、交流電場、交流磁場及び剥離用直流電界を印加して、前歴表示画像の消去を行なう。着色泳動微粒子は非表示面に垂直移動し、表示面は白色絶縁性液体により、白色画面となり表示操作は終了する。交流電場、交流磁場の重畳により、効率よく撹拌が行なわれ、前歴表示画像の消去が高速応答性となる。
【0036】
図3は、本発明の交流電界方式による電気泳動表示素子中の泳動微粒子の動作状態の一例である。電気泳動表示素子の構成は、第1基板1と第1基板上に配置された第1透明電極2、透明絶縁層3、第1透明駆動電極6、透光反射層7、及び透明絶縁層(表示面)8と、第1基板1に対向して配置された、第2基板19と、該第2基板上に配置された第2電極18、絶縁層16、第2駆動電極15、絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と第2基板19間に構成された角柱形又は、円筒形隔壁13に充填された白色絶縁性液体12と該白色絶縁性液体に分散された着色泳動微粒子(真球状着色負荷電微粒子)9とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
【0037】
第1過程の前期は、第1透明電極2と第2電極18間に交流電界21を印加し、第1透明駆動電極6と第2駆動電極15間に剥離用直流電界を印加、交流電場により白色絶縁性液体12を撹拌し、前歴表示画像の消去、白色絶縁性液体中に分散した泳動微粒子(真球状着色負荷電微粒子)9の均一分布化等を行う。中期は撹拌と同時に表示直流電界20を印加すると、非表示面の泳動微粒子は、表示面近傍に集まり、後期には交流電界を切断して、画像表示を行なう。
第2過程の前期は、第1透明電極2と第2電極18間に交流電界21を印加し、第1透明駆動電極6と第2駆動電極15間に剥離用直流電界を印加、交流電場によりにより白色絶縁性液体12を撹拌し、前歴表示画像の消去を行なう。着色泳動微粒子9は非表示面14に移動、後期には着色泳動微粒子9は殆ど非表示層に集まり、その結果表示面8には白色絶縁性液体12により白色画面となり、表示操作は終了する。
【0038】
図4は、本発明の磁気誘導方式による電気泳動表示素子中の泳動微粒子の動作状態の一例である。電気泳動表示素子の構成は、第1基板1と第1基板上に配置された磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極4、透明絶縁層5、第1透明駆動電極動電極6、透光反射層7、透明絶縁層(表示面)8と、第1基板に対向して配置された、第2基板19と、該第2基板上に配置された磁場発生用薄膜コイル状第3電極17、絶縁層16、第2駆動電極15、絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と第2基板19間に構成された、角柱形又は、円筒形隔壁13に充填された白色絶縁性液体12と該白色絶縁性液体中に分散された真球状着色負荷電磁性微粒子11とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
【0039】
第1過程の前期は、第2透明電極4と第3電極17間に交流電源22を接続し磁場発生用電流を通電し、交流磁場により白色絶縁性液体12を撹拌し、前歴表示画像の消去、白色絶縁性液体中に分散した着色負荷電磁性微粒子11の均一分分布化等を行う。中期は撹拌と同時に表示直流電源20を印加すると、非表示面の泳動微粒子は、表示面近傍に集まり 後期には交流電界を切断して、画像表示を行なう。10は弱い正電荷をもつ懸濁白色荷電微粒子である。
第2過程の前期は交流磁界及び剥離用直流電界を印加して前歴表示画像の消去行なう。着色泳動微粒子11は非表示面14に移動、後期には泳動微粒子は殆ど非表示面に集まり、その結果表示面8は白色絶縁性液体12により白色画面となり、表示操作は終了する。
【0040】
図5は、本発明の交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示素子中の泳動微粒子の動作状態の一例である。電気泳動表示素子の構成は、第1基板1と第1基板上に配置された第1透明電極2、透明絶縁層3、磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極4、透明絶縁層5、第1透明駆動電極6、透光反射層7及び透明絶縁層(表示面)8と、第1基板に対向して配置された、第2基板19と、該第2基板上に配置された第2電極18、絶縁層16、磁場発生用薄膜コイル状第3電極17、絶縁層16、第2駆動電極15、絶縁層(非表示面)14と、第1基板1と第2基板19間に構成された角柱形又は、円筒形隔壁13に充填された白色絶縁性液体12と該透白色絶縁性液体中に分散された着色負荷電磁性微粒子11とを封入し、垂直移動による電気泳動表示素子である。
【0041】
第1過程の前期は、第1透明電極2と第2電極18間に交流電源21を印加、同時に第2透明電極4と第3電極17間に交流磁場発生用交流電源22を接続し交流磁場発生用電流を通電し、交流電場と交流磁場により白色絶縁性液体12を撹拌し、前歴表示画像の消去、白色絶縁性液体中に分散した着色負荷電磁性微粒子11の均一分布化等を行う。中期は撹拌と同時に表示直流電界20を印加すると、非表示面14の泳動微粒子は、表示面8近傍に集まり 後期には交流電界を切断して画像表示を行なう。
第2過程の前期は、交流電場と交流磁界及び剥離用直流電界を印加して、前歴表示画像の消去行なう。着色泳動微粒子11は非表示面14に移動、後期には着色泳動微粒子は殆ど非表示面14に集まり、その結果表示面8は白色絶縁性液体12により白色画面となり表示操作は終了する。
【0042】
図6は、交流電界方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。便宜上4画素で示す。第1基板1は、透明のネサガラスである。透明電極材料は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛等を用いる。これを第1透明電極2とし、スピンナ・コ−トによりポリカ−ボネ−ト膜を約20〜50μm塗布して透明絶縁層3とする。表面に透明電極材料をスパッタしパタ−ニングして、第1透明駆動電極6のY軸方向のリ−ド線をパタ−ニングする。次にフォトレジスト塗布し、パタ−ニングして貫通絶縁層をとする。アルミニウムを蒸着パタ−ニングして透光反射層7をとする。フォトレジストを塗布、透明電極材料をスパッタしてY軸方向の第1透明駆動電極6を構成する。スピンナ・コ−トによりポリカ−ボネ−ト膜を20〜50μm塗布して、透明絶縁層(表示面)8とする。更に、感光性樹脂(NAP)を50μm〜150μm塗布し、フォトリソグラフにより、角柱形または円筒形隔壁13を形成し、その凹部に白色絶縁性液体12を注入する。
カラ−電気泳動表示装置の場合、白色絶縁性液体は、3種類又は4種類の色彩の着色泳動微粒子を分散している。これを所定の位置の電気泳動表示素子に注入(300dpi以上)するには、インクジエット・プリンタ手法が最適である。この場合、白色絶縁性液体は、分散された真球状着色負荷電微粒子により負の電荷をもつ。このためインクジエット・プリンタのノズル先端内面に負電極を設け、第1透明駆動電極を正とし加速用直流電界を印加すると、所定の位置の角柱形又は、円筒形隔壁中に加速飛翔され、短時間に注入することができる。
凹部の角柱形障壁は、深さ50〜150μm、幅が60〜70μm、厚さが15〜30μm、円筒型障壁は、直径40〜70μm、厚さ約15〜30μmである
第2基板19は、前記第1基板と同様ネサ・ガラスである。ネサ膜を第2電極18とし、ポリカ−ボネ−ト膜を20〜50μm塗布して絶縁層16とし、その表面に透明電極材料をスパッタしパタ−ニングして第2駆動電極15のX軸のリ−ド線を形成する。これにフォトレジストを塗布し、パタ−ニングして、貫通絶縁層Aを形成する。透明電極材料をスパッタし、パタ−ニングしてX軸第2駆動電極15とする。更にポリカ−ボネ−ト膜20〜50μm塗布して非表示面14を構成する。
第1基板と第2基板を張り合わせて電気泳動表示装置とし、駆動ICを接続してモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を完成する。
【0043】
図7は、交流電界方式による電気泳動表示装置の断面図及び3×3マトリックス平面構成図である。電気泳動表示素子は、300dpiの解像度を維持するには、一辺が60〜70μm、高さ100〜150μmの角柱または円筒で、隔壁の幅は約15〜30μmである。図a、図bは、角柱形隔壁をもつ反射型電気泳動表示装置である。図c、図dは、円筒形隔壁をもつ透光型電気泳動表示装置ある。裏面から光照射し、隔壁を透した光は透光反射層7で有効に反射して表示面を照射暗所で使用できるモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0044】
図8は、磁気誘導方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。便宜上4画素で示す。第1基板1は、透明のネサガラスである。透明電極材料は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛等を用いる。ネサガラス上の透明電極をフォトリソグラフィによりパタ−ニングして磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極4とし、ポリカ−ボネ−ト膜を20〜50μm塗布して透明絶縁層5とする。表面に透明電極材料をスパッタしパタ−ニングして、第1透明駆動電極6のY軸方向のリ−ド線とし、次にフォトレジストを塗布し、パタ−ニングして貫通絶縁層とする。アルミニウムを蒸着しパタ−ニングして、透光反射層7とする。フォトレジストを塗布、透明電極材料をスパッタしてY軸方向の第1透明駆動電極6を構成する。ポリカ−ボネ−ト膜を20〜50μm塗布して、透明絶縁層(表示面)8とする。更に、感光性樹脂(NAP)を50〜150μm塗布し、フォトリソグラフィにより、角柱形または円筒形隔壁13を形成し、その凹部に白色絶縁性液体12を注入する。
カラ−電気泳動表示装置の場合、白色絶縁性液体は、3種類又は4種類の色彩の着色泳動微粒子を分散している。これを所定の位置の電気泳動表示素子に注入するには、インクジエット・プリンタ手法が最適である。この場合、白色絶縁性液体は、分散された真球状着色負荷電磁性微粒子により負の電荷をもつ。このためインクジエット・プリンタ・タンクのノズル先端内面に負電極を設け、第1透明駆動電極を正とし加速用直流電界を印加すると、所定の位置の角柱形又は、円筒形隔壁中に加速飛翔され、短時間で注入することができる。
凹部の角柱形障壁は、深さ50〜150μm、幅40〜70μm、厚さは15〜30μm、円筒型障壁は、直径40〜70μm、厚さ15〜30μmである。
第2基板19は、前記第1基板と同様ネサ・ガラスである。ネサ膜を第2電極18とし、ポリカ−ボネ−ト膜を約20〜50μm塗布して絶縁層16とし、その表面に透明電極材料をスパッタしパタ−ニングして第2駆動電極15のX軸のリ−ド線を形成する。これにフォトレジストを塗布パタ−ニングして 貫通絶縁層Aを形成、透明電極材料をスパッタし、パタ−ニングしてX軸第2駆動電極15とする。更にポリカ−ボネ−ト膜約20〜50μm塗布して非表示面14を構成する。 第1基板と第2基板を張り合わせて電気泳動表示装置とし、駆動ICを接続してモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を完成する。
【0045】
図9は、磁気誘導方式による電気泳動表示装置の断面図及び3×3マトリックス平面構成図である。電気泳動表示素子は、300dpiの解像度を維持するには、一辺が60〜70μm、高さ100〜150μmの角柱または円筒で、隔壁の厚さは15〜30μmである。図a、図bは、角柱形隔壁をもつ反射型電気泳動表示装置である。図c、図dは、円筒形隔壁をもつ透光型電気泳動表示装置ある。裏面から光照射し、隔壁を透した光は透光反射層7で有効に反射して表示面を照射暗所で使用できるモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0046】
図10は、交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。便宜上4画素で示す。第1基板1は、透明のネサガラスである。透明電極材料は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛等を用いる。ネサガラス上の透明電極を第1透明電極2とする。表面にポリカ−ボネ−トを20〜50μm塗布して透明絶縁層3とし、透明電極材料をスパッタし、パタ−ニングして薄膜磁場発生用コイル状第2透明電極4とする。再びポリカ−ボネ−トを20〜50μm塗布して透明絶縁層5とし、透明電極材料をスパッタし、パタ−ニングして、第1透明駆動電極6のY軸リ−ド線を形成する。次にフォトレジストを塗布し、パタ−ニングして貫通絶縁層とする。アルミニウムを蒸着し、パタ−ニングして透光反射層7を構成する。フォトレジストを塗布、透明電極材料をスパッタしてY軸方向の第1透明駆動電極6を構成する。ポリカ−ボネ−ト膜を20〜50μm塗布して、透明絶縁層(表示面)8とする。更に、感光性樹脂(NAP)を50μm〜150μm塗布し、フォトリソグラフィにより、角柱形または円筒形隔壁13を形成し、その凹部に白色絶縁性液体12を注入する。
カラ−電気泳動表示装置の場合、白色絶縁性液体は、3種類又は4種類の色彩の着色泳動微粒子を分散している。これを所定の位置の電気泳動表示素子に注入するには、インクジエット・プリンタ手法が最適である。この場合、白色絶縁性液体は、分散された真球状着色負荷電磁性微粒子により負の電荷をもつ。このためインクジエット・プリンタ・タンクのノズル先端内面に負電極を設け、第1透明駆動電極を正とし加速用直流電界を印加すると、所定の位置の角柱形又は、円筒形隔壁中に加速飛翔され、短時間で注入することができる。
凹部の角柱形障壁は、深さ50〜150μm、幅40〜70μm、厚さは15〜30μm、円筒型障壁は、直径40〜70μm、厚さ15〜30μmである。
第2基板19は、前記第1基板と同様ネサ・ガラスである。ネサ膜を第2電極18とし、ポリカ−ボネ−ト膜を約20〜50μm塗布して絶縁層16とし、その表面に透明電極材料をスパッタしパタ−ニングして第2駆動電極15のX軸のリ−ド線を形成する。これにフォトレジストを塗布パタ−ニングして貫通絶縁層Aを形成し、透明電極材料をスパッタし、パタ−ニングしてX軸第2駆動電極15とする。更にポリカ−ボネ−ト膜20〜50μm塗布して非画像表示面14を構成する。
第1基板と第2基板を張り合わせて電気泳動表示装置とし、駆動ICを接続してモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置を完成する。
【0047】
図11は、交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示装置の断面図及び3×3マトリックス平面構成図である。電気泳動表示素子は、300dpiの解像度を維持するには、一辺が60〜70μm、深さ100〜150μmの角柱または円筒で、隔壁の幅は15〜30μmである。図a、図bは、反射型交流電界・磁気誘導方式電気泳動表示装置である。図c、図dは、円筒形隔壁をもつ透光型電気泳動表示装置ある。裏面から光照射し、隔壁を透した光は透光反射層7で有効に反射して表示面を照射暗所で使用できるモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置である。
【0048】
図12は、着色泳動微粒子、白色絶縁性液体の製作フロ−チャ−トである。前記着色負荷電微粒子は、アクリル系、ポリエステル系、スチレン系、ポリカーボネート系等の高分子微粒子原料モノマ−に、トラップとなる材料、顔料等を添加し、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、5〜10μmの真球状微粒子をつくる。これに10〜50kGyの電子線を照射し、90〜110℃で十数分開加熱するか、90〜110℃で10〜50kGyの電子線を照射して、エレクトレット性負電荷を帯電した微粒子で−30〜−100mVのζ電位をもち、
前記着色負荷電磁性微粒子は、前述の材料に磁性微粒子(FeO・Feで示されるマグネタイト微粒子)を加え、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、5〜10μmの真球状微粒子を作る。これに10〜50kGyの電子線を照射して、−30〜−100mVのエレクトレット性ζ電位と5×10−4Wbの磁荷とを合わせも着色負荷電磁性微粒子である。
前記白色絶縁性液体は高分子微粒子原料モノマ−に、正孔トラップとなる材料(SiO,Si:H:O1−x等)、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物白色超微粒子を加え、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、0.1〜1μmの真球状超微粒子を作る。これに1〜150kGyのガンマ線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で1〜150kGyのガンマ線を照射して、エレクトレット性正電荷を帯電した微粒子で5〜20mVのζ電位をもち炭化水素絶縁性溶媒、シリコ−ン絶縁性溶媒に1〜20%分散した白色絶縁性液体である。
【0049】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術範囲内に包含することは云う迄もない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】 本発明の電気泳動表示素子の基本的構成を示す断面図である。I.交流電界方式 II.磁気誘導方式 III.交流電界・磁気誘導方式
【図2】 本発明の電気泳動表示素子の代表的な駆動法を示す図である。I.交流電界方式 II.磁気誘導方式 III.交流電界・磁気誘導方式
【図3】 本発明の交流電界方式による電気泳動表示素子中の泳動粒子の挙動を示す模式図である。第1過程:前期、中期、後期 第2過程:前期、後期
【図4】 本発明の磁気誘導方式による電気泳動表示素子中の泳動粒子の挙動を示す模式図である。第1過程:前期、中期、後期 第2過程:前期、後期
【図5】 本発明の交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示素子中泳動粒子の挙動を示す模式図である。第1過程:前期、中期、後期 第2過程:前期、後期
【図6】 本発明による交流電界方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。
【図7】 本発明による交流電界方式による反射型及び透過型電気泳動表示素子アレイの断面図と3×3マトリックス平面構成図である。
【図8】 本発明による磁気誘導方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。
【図9】 本発明による磁気誘導方式による反射型及び透過型電気泳動表示素子アレイの断面図と3×3マトリックス平面構成図である。
【図10】 本発明による交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示装置の製作フロ−チャ−トと断面図である。
【図11】 本発明による交流電界・磁気誘導方式による反射型及び及び透光型電気泳動表示素子アレイの断面図と3×3マトリックス平面構成図である。
【図12】 着色泳動微粒子、白色絶縁性液体の製作フロ−チャ−トである。
【符号の説明】
【0052】
1・・・第1基板
2・・・第1透明電極
3・・・透明絶縁層
4・・・第2透明電極
5・・・透明絶縁層
6・・・第1透明駆動電極
7・・・透光反射層
8・・・絶縁層(表示面)
9・・・着色泳動微粒子(負荷電微粒子)
10・・・白色正荷電微粒子
11・・・着色泳動微粒子(負荷電磁性微粒子)
12・・・白色絶縁性液体
13・・・隔壁
14・・・絶縁層(非表示面)
15・・・第2駆動電極
16・・・絶縁層
17・・・第3電極
18・・・第2電極
19・・・第2基板
20・・・表示用直流電源
21・・・撹拌用交流電源
22・・・撹拌用磁場発生電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、第1基板上に配置された第1透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層及び透明絶縁層(表示面)と前記第1基板に対向して配置された第2基板と、該第2基板上に配置された第2電極、絶縁層、第2駆動電極、及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と第2基板間の隔壁に充填された白色絶縁性液体と、該白色絶縁性液体中に分散され着色泳動微粒子(真球状着色負荷電微粒子)を備えた疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
画像表示は、前記第1透明電極と第2電極間に交流電源を印加して、前記白色絶縁性液体を交流電場で撹拌して、表示面及び非表示面に付着する前歴表示画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面に垂直移動させ画像表示する第1過程と、表示後再び前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印加して、白色絶縁性液体を撹拌し前歴表示画像を消去し、更に着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色表示する第2の過程により、表示操作を終了することを特徴とする、交流電界方式による電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項2】
第1基板と、第1基板上に配置された磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層及び絶縁層(表示面)と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、該第2基板に配置された磁場発生用薄膜コイル状第3電極、絶縁層、第2駆動電極、及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と第2基板間の隔壁に、充填された白色絶縁性液体中に分散された着色荷電磁性微粒子(真球状着色負荷電磁性微粒子)を備えた疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
画像表示は、前記第1透明電極と第3電極間に交流電流を通電して交流磁場を発生させ、前記白色絶縁性液体を交流磁場で撹拌して、表示面及び非表示面に付着する前歴画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面に垂直移動させ画像表示する第1過程と、表示後再び前記第1透明電極と第3電極間に交流電界を印加して磁場を発生させ、白色絶縁性液体を撹拌し、着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色表示する第2の過程により、表示操作を終了することを特徴とする、磁気誘導方式による電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項3】
第1基板と、第1基板上に配置された第1透明電極、透明絶縁層、磁場発生用薄膜コイル状第2透明電極、透明絶縁層、第1透明駆動電極、透光反射層及び透明絶縁層(表示面)と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と該第2基板上に配置された第2電極、絶縁層、磁場発生用薄膜コイル状第3電極、絶縁層、第2駆動電極、及び絶縁層(非表示面)と、前記第1基板と前記第2基板間の隔壁に充填された白色絶縁性液体と、該白色絶縁性液体中に分散された着色泳動微粒子(真球状着色負荷電磁性微粒子)を備えた疑似1粒子タイプの電気泳動表示素子、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
画像表示は、前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印加して交流電場を発生し、第2透明電極と第3電極に交流電流を通電して交流磁場を発生して、交流電場と交流磁場とを重畳し白色絶縁性液体を撹拌して、表示面及び非表示面に付着する前歴表示画像を消去する。同時に前記第1透明駆動電極と第2駆動電極間に表示用直流電界を印加し、着色泳動微粒子を表示面の透明絶縁層に垂直移動させ画像表示する第1過程と、表示後再び前記第1透明電極と第2電極間に交流電界を印可して、交流電場を発生し、同時に第2透明電極と第3電極間に交流電流を通電して交流磁場を発生し、交流電場と交流磁場とを重畳して、白色絶縁性液体を撹拌し前歴表示画像を消去、着色泳動微粒子を非表示面に垂直移動し、表示面を白色表示する第2の過程により表示操作を終了することを特徴とする、交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示素子、電気泳動表示方法、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至3に記載の反射型電気泳動表示装置において、第2基板及び該第2基板上に配置された第2電極、絶縁層、第3電極、絶縁層、第2駆動電極、絶縁層、角柱又は円筒隔壁等に透光性材料を使用し、裏面から透過光を照射できる構造にしたことを特徴とするモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記角柱形、円筒形隔壁を3分割し、赤、緑、青色等、又は4分割して黒、マゼンタ、イエロー、又はシアン色等としたカラ−用電気泳動表示素子とモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記電気泳動表示素子に、泳動微粒子及び白色絶縁性液体等の注入には、インクジエット・プリンタ手法を利用するモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置の製作法。
【請求項7】
前記請求項1に記載の交流電界方式による電気泳動表示素子を集合し、一体化し単純マトリックス又は、TFTマトリックス回路により表示することを特徴とする、請求項1乃至6に記載のモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項8】
前記請求項2に記載の磁気誘導方式による電気泳動表示素子を集合し、一体化し単純マトリックス又は、TFTマトリックス回路により表示することを特徴とする、請求項2乃至6に記載のモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項9】
前記請求項3に記載の交流電界・磁気誘導方式による電気泳動表示素子を集合し、一体化し単純マトリックス又は、TFTマトリックス回路により表示することを特徴とする請求項3乃至6に記載のモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項10】
前記着色負荷電微粒子は、高分子微粒子原料モノマ−に、電子トラップとなる材料、顔料等を添加し、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、5〜10μmの真球状微粒子を作る。これに10〜50kGyの電子線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で10〜50kGyの電子線を照射して、エレクトレット性負電荷を帯電した微粒子で、−50〜−100mVのζ電位をもち、所望の色彩に着色したことを特徴とする着色負荷電微粒子である。粒形が真球状超微粒子で、粒度分布度が狭いので、白色絶縁性液体に分散し表示用直流電界を印加すると、規則的に高速移動して、短時間で応答する真球状着色負荷電微粒子。
【請求項11】
前記着色負荷電磁性微粒子は、高分子微粒子原料モノマ−に、電子トラップとなる材料、顔料等、磁性微粒子(FeO・Feで示されるマグネタイト微粒子、ナノ磁性微粒子等)を加え、懸濁重合法・乳化重合法・分散重合法等により、5〜10μmの真球状微粒子を作る。これに10〜50kGyの電子線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で10〜50kGyの電子線を照射して、エレクトレット性負電荷を帯電した微粒子で、−50〜−100mVのζ電位と、5×10−4Wbの磁荷を合わせもち、所望の色彩に着色したことを特徴とする着色負荷電磁性微粒子である。粒形が真球状超微粒子で、粒度分布度が狭いので、白色絶縁性液体に分散し表示用直流電界を印加すると、規則的に高速移動して、短時間で応答し、低い直流電界で駆動する真球状着色負荷電磁性微粒子。
【請求項12】
前記着色泳動微粒子は、顔料等により、赤、緑、青等又は黒、マゼンタ、イエロ−、シアン色等に着色したもので、カラ−表示に適する真球状着色負荷電微粒子及び真球状着色負荷電磁性微粒子。
【請求項13】
前記白色絶縁性液体は、高分子微粒子原料モノマ−に、正孔トラップ材料と、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物系白色超微粉末を加え懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により、0.1〜1μmの真球状超微粒子を作る。これに1〜15kGyのガンマ線を照射し、90〜110℃で十数分間加熱するか、90〜110℃で1〜15kGyのガンマ線を照射して、エレクトレット性正電荷を帯電した白色正荷電微粒子で、5〜50mVのζ電位をもつ。これを炭化水素絶縁性液体またはシリコ−ン系絶縁性液体等に5〜20%分散した白色絶縁性液体。
【請求項14】
前記高分子微粒子原料モノマ−は、アクリル系、ポリエステル系、スチレン系、ポリカ−ボネ−ト系等の樹脂で、電子トラップとなる材料は、弗素系樹脂である。正孔トラップとなる材料は、Siの酸化物(SiO)アモルファス・シリコン酸化物(Si:H:O1−x)の超微粒子である。
【請求項15】
前記第1基板及び前記第2基板は、ガラス又はポリマ−・フイルムであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかの項に記載の電気泳動表示素子、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項16】
前記第1基板及び前記第2基板の距離が、前記泳動微粒子の粒径の50倍か、200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの項に記載の電気泳動表示素子、モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置。
【請求項17】
前記電気泳動表示素子には、真球状着色正荷電微粒子及び真球状着色正荷電磁性微粒子も使用できる。この場合、印加電界は逆極性にする必要がある。
【請求項18】
前記白色絶縁性液体を構成する白色正荷電微粒子と、着色泳動微粒子の粒径比が1/2〜1/10の範囲にあることを特徴とする白色正荷電微粒子と真球状着色荷電微粒子及び真球状着色荷電磁性微粒子。
【請求項19】
前記電気泳動表示装置は、省エネ性に優れているため、小型太陽電池と小型蓄電池の組合せにより、充電器不要の携帯端末機器(携帯電話ノ−トパソコン等)用ディスプレ−・システム。
【請求項20】
前記荷電微粒子、荷電磁性微粒子及び白色絶縁性液体等に、耐候性材料を使用した、業務用大型電気泳動表示素子、大型業務用モノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置(表示板・看板等)。
〔発明の名称〕 エレクトレット性着色泳動微粒子を用いたモノクロ・カラ−反射・透光型電気泳動表示装置−I。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−102148(P2007−102148A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321496(P2005−321496)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000124502)
【出願人】(503204071)
【出願人】(504000328)
【Fターム(参考)】