説明

エレクトロクロミック装置

【課題】本発明は、透明なガラスの多層構造であるエレクトロクロミック装置を提供する。また、本発明にかかるエレクトロクロミック装置は、太陽光エネルギー関連技術と結合することが可能である。
【解決手段】本発明にかかるエレクトロクロミック装置は、多孔性であるエアロゲル層を備え、特定の基板上には導電材料が塗布される。導電材料の間にはエレクトロクロミック物質がパッケージングされる。導電材料層に電圧を印加することで、エレクトロクロミック物質の特性を変化させる。更に、基板の外側に光触媒材料を塗布し、太陽光エネルギー電源層をめっきし、エレクトロクロミック装置に電力を提供する、或いは電力を他の装置に提供することが可能である。エレクトロクロミック装置の基板の間にエレクトロクロミック複合材料層をパッケージングすることも可能である。エレクトロクロミック複合材料層は、エアロゲル及びエレクトロクロミック物質の複合構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロクロミック装置に関し、より詳しくは、電圧を印加することで透明度を変化させることが可能なエレクトロクロミック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーの消費と環境保護は切り離せない関係にある。エネルギーの消費問題を解決すれば、環境保護にも効果がある。本発明は、電圧を印加することで透明度を変化させるエレクトロクロミック装置に関する。本発明のエレクトロクロミック装置を利用した窓ガラスは建物の室内温度及び光量を調節することが可能であり、環境熱源が建物に与える影響を減らすことができる。
【0003】
従来のエレクトロクロミック技術は、外部から電圧を印加することでエレクトロクロミック物質の反射率、透過率及び吸収率を変化させるものであり、透明から不透明、及びその逆といった、可逆的で安定した色の変化を行うことができる。
【0004】
エレクトロクロミック物質は、酸化タングステンに代表される無機エレクトロクロミック物質と、ポリチオフェン及びその派生物質、ビオロゲン、テトラチアフルバレン、フタロシアニン化合物といった有機エレクトロクロミック物質に分けられる。
【0005】
一般的な窓ガラスに従来のエレクトロクロミック物質を応用することで、電力の作用によって、光の吸収、或いは透過を調節することが可能な窓ガラスを製造することが可能である。これにより外界の放射熱や内部の拡散熱を吸収、或いは反射させることで、室内の温度や自然光の照射量を調節することが可能になり、目隠しとしての効果もある。
【0006】
エレクトロクロミック物質の応用範囲は非常に広く、例えば、アメリカ特許第7,333、258号には、図1に示すようなエレクトロクロミック装置が開示されている。前記エレクトロクロミック装置は、第一ガラス板11、第二ガラス板12、前記両ガラス板に挟設される第一透明電極層13、第二透明電極層14、エレクトロクロミック層10、イオン伝導層15及びイオン貯蔵層16を備える。第一透明電極層13、第二透明電極層14は、電圧源18と接続される。前記エレクトロクロミック装置は、主に窓ガラスに使用される。
【0007】
電圧源18が第一透明電極層13及び第二透明電極層14に印加することで、イオンがイオン伝導層15からエレクトロクロミック層10へ移動する。或いはエレクトロクロミック層10からイオン伝導層15へ移動する事により、エレクトロクロミック層10の物質特性により明るさや透明度等が変化する。
【0008】
しかしながら、色を変化させることが可能なガラスに断熱効果はないとともに、ガラスは、室外に於いて表面が汚れやすく、高層ビルに使用した場合、洗浄が困難となる。更に、ガラスは、長時間太陽に照らされるものであるため、太陽光エネルギーに関連した技術との結合も考えられる。
その中、エアロゲルの誘電率は、エレクトロクロミック層の複合材料として十分使用できるものであるが、目下のところエアロゲルをエレクトロクロミック物質の複合材料として利用した特許や技術は存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の問題点に鑑み、本発明は、従来のエレクトロクロミック物質を応用したエレクトロクロミック装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明のエレクトロクロミック装置は、エアロゲル、エレクトロクロミック物質及び酸化チタン光触媒ナノ粒子を結合させた構造をしており、窓やドアに取り付ける透明装置として使用できる。これにより殺菌、断熱、防音、光量調節等の機能を備えた装置を提供する。
【0011】
前記エレクトロクロミック物質は、電圧を印加することでエレクトロクロミック物質の反射率、透過率及び吸収率を変化させることができ、可逆的で安定した色の変化や透明度の変化を行うことができる。一般的なエレクトロクロミック薄膜は、その両端に電圧を印加すると、電解質の陽イオン及び導体上の電子が同時に注入され、或いは薄膜から移動し、これにより薄膜物質の酸化状態を変化させ、色の変化を行う。
【0012】
本発明のエレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック材料層は、エレクトロクロミック薄膜及び電解質層を含む。前記エレクトロクロミック薄膜及び前記電解質層は、それぞれ電子及びイオンを提供する。前記電子及び前記イオンは、外部から電圧を印加することで材料の中を移動し、色の変化以外に、高い透光性を備える。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のエレクトロクロミック装置は、透明な第一及び第二基板、前記第一基板と前記第二基板の間にパッケージングされた多孔性エアロゲル層、第三基板、前記第二基板と前記第三基板の表面に導電材料を塗布して形成された第一及び第二導電材料層、前記第一及び第二導電材料層にパッケージングされるエレクトロクロミック物質を備える。
【0014】
前記導電材料層に電圧を印加することで前記エレクトロクロミック物質の特性を変化させる。なお、上述の各基板は、ガラス基板である。
【0015】
第一基板には更に太陽光エネルギー電源層を貼ることが可能であり、前記太陽光エネルギー電源層は、前記エレクトロクロミック装置に電力を供給することができる。
【0016】
前記第三基板の表面には光触媒材料を塗布し、第一光触媒層を形成させる。光触媒材料は、室内に於いて太陽光に含まれる紫外線に照射された際、抗菌、消臭、浄化といった効果がある。
【0017】
第二光触媒層は、第一基板に形成される。光触媒材料は、室外に於いて汚れにくく、空気を浄化する効果がある。
【0018】
本発明の別の実施例におけるエレクトロクロミック装置は、第一及び第二基板と、前記第一及び第二基板上に形成される第一及び第二導電材料層と、前記第一及び第二導電材料層の間にパッケージングされるエレクトロクロミック複合材料層を備える。前記エレクトロクロミック複合材料層はエアロゲル及びエレクトロクロミック物質から成る複合構造である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のエレクトロクロミック装置は、透明なガラスを主な構造とする装置であり、2つの導電材料にパッケージングされるエレクトロクロミック物質、エレクトロクロミック複合材料或いは液状エレクトロクロミック物質を備える。ソーラーパネルから電力を供給することで、前記装置の透明度及び色を変化させる。
【0020】
断熱特性を持つエアロゲルと、殺菌効果を持ち、汚れにくい光触媒を利用することで、多機能なエレクトロクロミック装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のエレクトロクロミック装置を示す説明図である。
【図2A】本発明のエレクトロクロミック装置の製造過程を示す説明図である。
【図2B】同上の製造過程を示す説明図である。
【図2C】同上の製造過程を示す説明図である。
【図2D】同上の製造過程を示す説明図である。
【図2E】同上の製造過程を示す説明図である。
【図2F】同上の製造過程を示す説明図である。
【図2G】同上の製造過程を示す説明図である。
【図3】本発明のエレクトロクロミック装置の実施例1を示す説明図である。
【図4】本発明のエレクトロクロミック装置の実施例2を示す説明図である。
【図5】本発明の太陽光エネルギー電源層を示す説明図である。
【図6】本発明のエレクトロクロミック装置の実施例3を示す説明図である。
【図7】本発明のエレクトロクロミック装置の実施例3を示す説明図である。
【図8】本発明のエレクトロクロミック装置の実施例4を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2は、本発明のエレクトロクロミック装置の製造過程を示す説明図である。図2Aに示すように、まずエアロゲル層204を準備する。エアロゲル層204は、親水性或いは疏水性のナノ二酸化ケイ素エアロゲル或いは二酸化チタンエアロゲルであり、多孔性である。続いて図2Bに示すように、エアロゲルのゾル−ゲルを第一基板201と第二基板202の間にある表面に塗布する。そして乾燥させ、パッケージング材料でパッケージングを行う。二酸化ケイ素エアロゲルを塗布した第一基板201と第二基板202に熱処理或いは表面処理を行い、粘着性を高める。
【0023】
第一基板201と第二基板202はガラスから成る。建築物の窓やドアに使用するものは、透明なガラスにすることで、本発明のエレクトロクロミック装置の色を変化させる特性を存分に発揮することができる。更に、第一基板201と第二基板202の表面に塗布した二酸化ケイ素エアロゲルの表面に、界面活性剤を塗布し、表面の質を変化させる。或いは、エアロゲルの上に直接親水性或いは疏水性のエアロゲルを製造する。
【0024】
エアロゲル層204を第一基板201と第二基板202の間に設置した後、図2Cに示すように、第二基板202のエアロゲル層204に対して反対側の表面に第一導電材料層205をめっきする。第一導電材料層205は、酸化インジウムスズ(ITO)のような導電ガラス材料である。続いて図2Dに示すように、第三基板203を準備する。第三基板203は、同様にガラスであり、窓やドアに使用する場合は、透明ガラスである。第三基板203に第二導電材料層206をめっきする。第三基板203と第二導電材料層206により形成される構造は、第一基板201、エアロゲル層204、第二基板202及び第一導電材料層205により形成される構造と組み合わせられ、第一導電材料層205と第二導電材料層206とが対向するように配置される。図2Eに示すように、2組の構造の間(第一導電材料層205と第二導電材料層206との間)にエレクトロクロミック物質を流し込むことでエレクトロクロミック材料層207を形成させパッケージングを行う。
【0025】
本発明のエレクトロクロミック装置20は、第一基板201、第二基板202、第一基板201と第二基板202の間にパッケージングされるエアロゲル層204、第二基板202の表面に塗布される第一導電材料層205及び第三基板203上に塗布される第二導電材料層206により形成される構造となる。すなわち、多孔性ナノ酸化チタン光触媒エアロゲル層を備えるガラスである。
【0026】
エアロゲル層204は、断熱、衝撃吸収、防音、透光性及び誘電性を備えるエアロゲルであり、室外の放射熱が室内に伝わるのを防ぐ。また、エレクトロクロミック物質は、色を変化させる効果をもたらす。第一導電材料層205と第二導電材料層206に一定の電圧を印加した際、エレクトロクロミック材料層207には電界が形成され、イオン及び/或いは電子の移動により物質の色、色の明るさ、或いは透明度を変化させる。
【0027】
図2Fに示すように、第三基板203の外表面に光触媒材料を塗布し、第一光触媒層209を形成させる。室内にある光触媒材料は、太陽光に含まれる紫外線が照射された際、抗菌、消臭、浄化といった効果をもたらす。室外にある光触媒材料は、汚れにくく、空気を浄化する効果がある。
【0028】
図2Gに示すように、第一基板201の外表面には、更に太陽光エネルギー電源層212を貼ることが可能である。太陽光エネルギー電源層212は、エレクトロクロミック装置20’に電力を供給する。第一基板201と太陽光エネルギー電源層212の外表面には光触媒材料を塗布し、第二光触媒層210を形成させる。
【0029】
本発明のエレクトロクロミック装置に含まれる各層の構造及び効果については以下の通りである。
【0030】
エアロゲル層204のエアロゲル:
エアロゲルは、熱伝導率が低いナノ級多孔性固体網状構造材料である。表面積が大きく、密度及び熱伝導率が低い。有機或いは無機物から構成され、その主要成分の98%が空気である。外見は半透明状であり、現在存在する固体の中で最も優れた断熱性を有する。多孔性であり、孔の大きさはエアロゲル分子より小さい。固体粒子間の接触が非常に小さいため、熱が固体内を伝わる際、平均自由行程が非常に小さくなる。そのため、気体熱伝導が制限を受け、熱伝導率が低くなる。これにより優れた断熱効果をもたらす。
【0031】
エアロゲルは、酸化ケイ素(SiO2)と炭素をゾルゲル法で高分子重合させた無機−金属材料から成る。表面積が大きく多孔性にするために単斜晶に精製する。その特性から、絶縁体、音波吸収材、吸着物やコンデンサ等に利用される。酸化ケイ素エアロゲルは、断熱材として利用され、摂氏1000度もの高温にも耐え、さまざまな形状に製造することが可能である。また、エアロゲルは無機材料としてだけではなく、有機材料、或いは有機−無機複合材料型に製造することが可能である。これにより表面の活性特徴を調節し、疏水性或いは親水性を備えることが可能である。
【0032】
エアロゲルは、優れた断熱効果を持つだけでなく、屈折率が低いという特徴もある。これは透明度が高いということであり、これにより本発明のエレクトロクロミック装置は窓に応用することが可能である。
【0033】
エレクトロクロミック材料層207のエレクトロクロミック物質:
エレクトロクロミズムとは、化学物質に電荷を印加することで、その光物性に可逆的変化がみられる現象のことである。酸化タングステン(WO3)薄膜がエレクトロクロミズムを発生させることが発見されて以来、無機金属酸化物であるTiO2、Ni(OH)2、Ir(OH)2や、有機ビオロゲン、ポリアニリン、フタロシアニンのような、様々なエレクトロクロミック物質が研究されてきた。
【0034】
エレクトロクロミック物質は、材料の種類により無機エレクトロクロミック物質及び有機エレクトロクロミック物質に分けられる。無機エレクトロクロミック物質は、安定しており、光の吸収率の変化は、イオンと電子の注入或いは抽出により引き起こされる。ビオロゲンに代表される有機エレクトロクロミック物質は、色彩が豊富であり、分子設計が容易である。光の吸収率の変化は、酸化還元反応により引き起こされる。ビオロゲンは1,1’−二置換−4,4’−ビピリジニウム塩である。N原子を2つ含み、異なる酸化還元反応により電子を供給或いは受け取ることが可能であり、可逆的な酸化還元反応を起こす。ビオロゲンは、3つの酸化還元反応を有する。ビオロゲンの2価陽イオンは、最も安定しており、可視光をほとんど吸収せず、陰イオンに対して電荷移動を行わない時は、色を持たない。
【0035】
還元した際に1価陽イオンラジカルが発生し、ラジカルは、ビオロゲンのconjugated pi system(π共役系)の結合から非局在化することで安定する。電荷は1価Nと0価Nの間の電荷移動により、モル吸収係数eが高く、色がつきやすい。N,N’上の置換基(R,R’)の電子効果は、スペクトルに大きな影響を与え、変化時に分子の軌道を変化させることで、異なる色を出す。更に還元することで、二還元中性ビオロゲンとなるが、これはスペクトルの電荷移動がないため、色が薄い。
【0036】
上述の無機エレクトロクロミック物質は、陽極配色(anodic coloration)、陰極配色(cathodic coloration)、陰陽極配色(cathodic/anodic coloration)の組み合わせからなる遷移金属酸化物群のうちのひとつである。前記陽極遷移金属酸化物は、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル(NiOx)、酸化イリジウム(IrO2)、酸化マンガン(MnO2)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2、五酸化タンタル(Ta2O5)及びヘキサシアノ鉄酸鉄(FE[FE(Cn)6]3)である。前記陰極遷移金属酸化物は、酸化タングステン(WO3)、三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化二ニオブ(Nb2O3)、酸化チタン(TiO2)、チタン化ストロンチウム(SrTiO3)及び五酸化タンタル(Ta2O5)である。前記陰陽極遷移金属酸化物は、酸化バナジウム(V2O2)、酸化ロジウム(Rh2O3)及び酸化コバルト(CoOx)である。
【0037】
前記エレクトロクロミック物質は、導電性重合物を電解質に混同したものから成る有機薄膜型エレクトロクロミック物質である。前記導電重合物は、ポリピロール或いはポリアニリンである。
【0038】
エレクトロクロミック材料層207の電解質層:
本発明の電解質層は、固体電解質及び液体電解質である。前記固体電解質は、プロトン交換膜、イオノマ膜、有機/無機ハイブリッド膜或いは酸/アルカリ高分子薄膜のうちのいずれかから選択される。前記イオノマ膜は、ペルフルオロ硫酸(polymerized perfluorosulfonic acid:PFSA)膜である。
【0039】
前記液体電解質は、過塩素酸リチウム(LiCO4)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)或いはケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)である。
【0040】
光触媒は、二酸化チタン、葉緑素、金属化合物(染料)等の物質に代表されるものであるが、光線を吸収し触媒作用を引き起こすものであれば光触媒に属する。前記葉緑素は、天然光触媒として世に知られている。前記葉緑素は、太陽光エネルギーを吸収し、二酸化炭素及び水をブドウ糖へ変化させる光合成を行う。前記光合成により生命に必要な炭水化合物を供給することが可能であり、更には空気中の二酸化炭素を軽減する効果もある。二酸化チタン(TiO2)は、化学性質が安定しており、人体及び自然に害がなく、価格も安い等のメリットがあるため、人工光触媒として広く使用されている。
【0041】
光触媒は、光線を吸収し触媒作用を起こす物質である。十分な光線を吸収した際に触媒作用を起こす。光触媒材料の大きさが1〜100ナノメートルの範囲内であるものをナノ光触媒と呼ぶ。二酸化チタン粒子が光エネルギーを吸収した後、電子は、価電子帯から伝導体へ励起することで、自由電子(伝導電子)となり、価電子帯に正孔ができる。励起した電子は、光触媒粒子の表面にある分子に近づき還元反応を起こす。よって光触媒粒子の表面は酸化と還元反応が同時に起こる。これが光触媒作用である。
【0042】
二酸化チタン粒子を利用した際、大気中で酸素分子と水素分子が光触媒粒子の表面上で酸化還元反応を起こす。空気中の水素分子と酸素分子がそれぞれ二酸化チタン粒子表面の電子と正孔に接触した際、二酸化チタン粒子の表面は、ヒドロキシルラジカル(−OH)や酸化物イオン(O2−)等の活性物質となる。
【0043】
これら活性物質は、大気や水中にある有機化合物、悪臭を放つ窒素酸化物や細菌等の汚染物と接触した際、酸化分解反応を起こし、二酸化炭素と水に分解する。これにより汚染物を除去する効果がある。
【0044】
光触媒の反応は、化学反応と物理作用に分けられる。空気中や水中の汚染物の除去、有機化学合成、水分解による水素の生成等はいずれも、酸化或いは還元の化学反応である。多孔性で厚みのある光触媒塗布層は、電子−正孔が表面上の分子と反応を起こすための面積を大きく提供することが可能であり、反応速度の向上につながる。
【0045】
防汚、防霧、防錆等の物理作用は、電子の移動にのみ関係があるため、光触媒塗布層は、厚すぎる必要がない。また、塗布する対象は、ガラスやタイル等の表面が滑らかな材質であるものが多く、光触媒塗布層によって透光率や色に影響を与えないようにするため、光触媒塗布層は数十〜数百ナノメートルほどの薄膜を一層塗布するだけで物理作用が期待できる。
【0046】
光触媒は、環境浄化の効果以外に、水を分解することによって得られる水素、二酸化炭素を還元することによるメタノールの生成や、光触媒太陽電池等にも応用できる。特に、光触媒太陽電池は、結晶シリコンを使った一般的な太陽電池と比べ、曲げることが可能であり、布やプラスチックといった軟性基材にも設置することができることから、その応用範囲が広くなることが期待されているため、研究及び開発が盛んに行われている。
【0047】
太陽光エネルギー電源層212の透明ソーラーパネル:
太陽光の照射エネルギーは、非常に広い波長領域に分布している。そのうち6%は紫外線、50%は可視光、44%は赤外線である。ソーラーパネルの原理は、半導体のpn接合の光励起によるもので、p型及びn型に分けた2種の半導体を接合すると、光電子は、n型半導体へ、正孔はp型半導体へ移動する。光線を半導体へ照射した際に励起し、光電子と正孔が分離した際に電極を取り付けることで、電気を外部に取り出すことができる。
【0048】
晴れた日の地表に到達する光量は、一般的におよそ1,000W/m2だが、pn接合半導体を利用したソーラーパネルは、特定の波長をもつ光線にしか反応しないため、太陽光の全ての波長光を利用するのは非常に困難である。その為、一般的なソーラーパネルの発電効率は20%を下回る。従来の結晶シリコンを使ったソーラーパネルの発電効率は、7%であり、晴天時でも最高で70W/m2しか発電できない。理論上では反射率を変化させる機能をつけるだけで、紫外線、可視光、赤外線に独立して反応する半導体ユニットを作成することが可能である。これをガラス状にするだけで、前記半導体ユニットは一般家屋のガラス窓として利用でき、大面積の設置が可能となる。ソーラーパネルを家屋のガラス窓に利用すると、必要な際に可視光線を取り入れ、夏は赤外線を反射し、冬は赤外線を室内に取り込む等、ソーラーシートとしての利用が可能となる。
【0049】
透明ソーラーパネルは、紫外線のエネルギーも利用して発電するので、紫外線がもたらす各種悪影響をソーラーパネル自身が防ぐこともできる。更に赤外線反射機能を備えることで、室内への断熱効果もあり、透明ソーラーパネルは発電、断熱、可視光透過ガラス窓としての機能を備える。
【0050】
酸化物透明半導体は、耐高温で高均質なサファイアで高品質な結晶性基板を製造することができるが、コスト面を考慮し、酸化亜鉛半導体(n型)と銅やアルミの酸化物半導体(p型)により透明半導体pn接合を形成し、更に酸化亜鉛、アルミ酸化物半導体、酸化インジウムスズ透明導電膜、透明ガラス基板から成る透明ソーラーパネルを製造する。
【0051】
上述のエアロゲル、エレクトロクロミック物質、光触媒及び透明ソーラーパネルを応用したエレクトロクロミック装置の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0052】
図3は、本発明のエレクトロクロミック装置の実施例1を示す説明図である。
【0053】
本発明のエレクトロクロミック装置は、第一基板301、第二基板302、第一基板301と第二基板302の間にパッケージングされるエアロゲル層304、第二基板302の表面に形成される第一導電材料層305及び第三基板303の表面に形成される第二導電材料層306を備える。第一導電材料層305と第二導電材料層306は、共に酸化インジウムスズ(ITO)材料層である。各基板及び材料層の構成関係は図3に示す通りである。
【0054】
第一導電材料層305と第二導電材料層306の間にはエレクトロクロミック材料層307がパッケージングされる。電圧源32は、第一導電材料層305と第二導電材料層306にそれぞれ電気的に接続される。電圧源32は、電圧を供給し、第一導電材料層305と第二導電材料層306の間に電場を形成させる。これによりエレクトロクロミック材料層307内の電解材料に電子及びイオンの移動現象を起こし、電場の作用により光を吸収或いは拡散させることで、色や透明度の変化を起こさせる。第一基板301、第二基板302及び第三基板303は、透明なガラスである。そのため、エレクトロクロミック材料層307が電圧の印加により発生する色や透明度の変化はエレクトロクロミック装置30全体の透光特性を変化させることができる。
【0055】
第一基板301と第三基板303の外表面に光触媒層を塗布することで、室外及び室内共に除汚、浄化及び殺菌の効果をもたらす。
【実施例2】
【0056】
図4に示すように、電圧源32を本発明のエレクトロクロミック装置本体に組み込むことも可能である。
【0057】
本実施例のエレクトロクロミック装置は、第一基板301、第二基板302、第一基板301と第二基板302の間にパッケージングされるエアロゲル層304、第二基板の表面に形成される第一導電材料層305、第三基板の表面に形成される第二導電材料層306、第一導電材料層305と第二導電材料層306の間にパッケージングされるエレクトロクロミック材料層307を備える。
【0058】
第三基板303の表面に塗布される第一光触媒層309は、防汚、殺菌効果を備える。第一基板301の表面には太陽光エネルギー電源層312が貼られる。太陽光エネルギー電源層312は、太陽光により発電することが可能である。太陽光エネルギー電源層312は、第一導電材料層305と第二導電材料層306にそれぞれ電気的に接続され、両導電材料層に電圧を印加することで、エレクトロクロミック材料層307に変化をもたらす。なお、余った電力は他の用途に利用できる。
【0059】
太陽光エネルギー電源層312の外表面には光触媒を塗布し、光触媒層310を形成させる。第一光触媒層309は、第三基板303上に塗布される。太陽光エネルギー電源層312は、透明ソーラーパネルであり、エレクトロクロミック装置30’の透光度に影響を与えない。
【0060】
図5は、本発明の太陽光エネルギー電源層を示す説明図である。ソーラーパネルは、透明であり、光を受けるための第一電極層501を備える。第一電極層501と内部構造の間には反射防止層502が設置され、他側の第二電極層505との間には第一半導体材料層503と第二半導体材料層504が備えられる。ソーラーパネルの原理は半導体のpn接合の光励起によるもので、第一半導体材料層503及び第二半導体材料層504はp型半導体材料及びn型半導体材料である。p型及びn型半導体材料を接合すると、光電子はn型半導体へ、正孔はp型半導体へ移動する。光線がpn半導体へ照射した際に励起し、光電子及び正孔が移動することで電流が発生し、エレクトロクロミック装置の電力となる。
【実施例3】
【0061】
図6は、本発明のエレクトロクロミック装置の実施例3を示す説明図である。
【0062】
エレクトロクロミック装置60は、第一基板601及び第二基板602を備える。第一基板601は、表面に第一導電材料層603を備え、第二基板602は、表面に第二導電材料層604を備える。第一導電材料層603と第二導電材料層604の間にはエレクトロクロミック複合材料層605がパッケージングされる。
【0063】
エレクトロクロミック複合材料層605は、半導体特性を備えるため、第二導電材料層604のような隣接するものとショートする、或いは異常な電気接続を起こす可能性がある。そこでエレクトロクロミック複合材料層605と第二導電材料層604の間に隙間608を補うことで、ショートが起きる問題を回避する。なお、他の実施例においても、エレクトロクロミック複合材料層605と第一導電材料層603の間に同様の隙間構造を補うことが可能である。
【0064】
エレクトロクロミック複合材料層605にビオロゲン混合エアロゲル及びエレクトロクロミック材料を結合する、或いはエアロゲル表面の複合材料構造にグラフト共重合することで、この複合構造はエアロゲルの特性を備え、エレクトロクロミズムに利用できる。
【0065】
上述のエアロゲルは二酸化チタンや酸化インジウムスズのような、酸化誘電率が高く、半導体導電特性を備えている物質である。これによりエレクトロクロミック物質に電子を提供することができる。また、二酸化ケイ素のような導電特性を持たない物質でエアロゲルを生成し、基板の表面に塗布した導電材料で電子を提供することも可能である。
【0066】
環境の必要に応じてエアロゲルの親水性及び疏水性を選択する。室外及び室内ガラスに使用されるエアロゲルは、ナノ酸化チタン光触媒をエアロゲルのナノ微孔構造にし、光合成をさせるため、親水性のエアロゲルが必要である。しかし、第一導電材料層603と第二導電材料層604の間に設置するエアロゲルは、エレクトロクロミック物質を複合材料とするため、エレクトロクロミック材料の溶液性質に基づいて決定する。水性エレクトロクロミック溶液、電解質、或いは水のような−OH基であれば、親水性のエアロゲルを選択する。γ−ブチロラクトンのような油性、疏水性のエレクトロクロミック溶液、或いは電解質であれば、疏水性のエアロゲルを使用する。
【0067】
図7は本発明のエレクトロクロミック装置の実施例3を示す説明図である。本実施例のエレクトロクロミック装置60’に備えられるエレクトロクロミック複合材料層605は、エレクトロクロミック物質をエアロゲル表面に混合或いはグラフト共重合した上、複合材料は、第二導電材料層604上(エレクトロクロミック複合材料層605と第二導電材料層604の間に)に有機、或いは無機薄膜型エレクトロクロミック物質6051をめっきすることが可能である。エレクトロクロミック複合材料層605には更に、電解質材料6052をエアロゲル材料6053の隙間にパッケージングすることも可能である。
【0068】
また、第一基板601と第二基板602の外表面に光触媒を塗布し、光触媒層とする。
【実施例4】
【0069】
図8は、本発明のエレクトロクロミック装置の実施例4を示す説明図である。本実施例のエレクトロクロミック装置60’’の第一基板601及び第二基板602内部にエレクトロクロミック複合材料層605がパッケージングされる。第一基板601及び第二基板602の内側表面には第一導電材料層603及び第二導電材料層604が形成される。
【0070】
エレクトロクロミック複合材料層605は、半導体特性を備えるため、ショートが起きないよう、エレクトロクロミック複合材料層605と第二導電材料層604の間に隙間608を補うことで、ショートが起きる問題を回避する。エレクトロクロミック複合材料層605と第一導電材料層603の間に同様の隙間構造を補うことも可能である。
【0071】
本実施例の第二基板602の外表面には第一光触媒層606が形成される。第一基板601の外表面には電力を供給することが可能な太陽光エネルギー電源層612を設置する。太陽光エネルギー電源層612は、第一導電材料層603及び第二導電材料層604と電気的に接続され、発生した電力により第一導電材料層603と第二導電材料層604の間に、エレクトロクロミック複合材料層605の物理特性を変化させる電場が形成される。
【0072】
太陽光エネルギー電源層612の外表面に第二光触媒層607を形成することも可能である。
【0073】
上述のエレクトロクロミック薄膜や電解質層のようなエレクトロクロミック物質の組成の他に、液体エレクトロクロミック物質を利用することも可能である。その場合、エレクトロクロミック材料層の中に液体エレクトロクロミック物質を注入する。液体エレクトロクロミック物質は、溶液を配合して成る有機、或いは無機材料である。その材料は少なくとも一種の有機材料及び少なくとも一種の無機材料、或いは有機材料及び無機材料の混合溶液である。
【0074】
有機材料は、酸化還元指示薬、酸塩基指示薬及び特定の有機化合物である。成分を以下に示す。
【0075】
酸化還元指示薬は、メチレンブルー、ジクロロフェノールインドフェノール、N−フェニルアントラニル酸、ナトリウムジメチルアミン硫酸塩、N−N’−ジフェニルベンジジン或いはビオロゲンである。酸塩基指示薬は、フェノールフタレインである。有機化合物は、フェロセン(Fe(C5H5)2)、7,7,8,
8−テトラシアノキノジメタンである。
【0076】
液体エレクトロクロミック物質のうち、無機材料は、遷移元素である酸化物、硫化物、塩化物或いは水酸化物である。
【0077】
遷移元素は、スカンジウム族、チタン族、バナジウム族、クロミウム族、マンガン族、鉄系、銅族、亜鉛族、或いはプラチナ族である。
【0078】
無機材料は、ハロゲン族の無機派生物、酸素族の無機派生物、ニトロゲン族の無機生物、炭素族の無機派生物、ホウ素族の無機派生物、アルカリ土類の無機派生物或いはアルカリ金属の無機派生物である。
【0079】
無機材料は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、三塩化ビスマス(BiCl3)、塩化第二銅(CuCl2)或いは臭化リチウム(LiBr)である。
【0080】
液体エレクトロクロミック物質の溶剤は、ジメチルスルホキシド((CH3)2SO)、プロピレンカーボネート(C4H6O3)、水、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、3−メチルスルホラン、或いはこれらの混合物である。
【0081】
液体エレクトロクロミック物質は有機エレクトロクロミック物質を溶剤に溶かして生成する。前記有機エレクトロクロミック物質は、ビオロゲン或いはフタロシアニン等である前記ビオロゲンのR置換基の炭素鎖長或いは構造により異なる色が出る。R置換基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソペンチル或いはベンジルのうちのいずれかである。前記ビオロゲンは、1,1’−ジメチル−4,4’−ビビリジニウムジクロリド水和物、1,1’−ヘプチル−4,4’−ビビリジニウムジブロミド、1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジニウムジクロリド水和物、1,1’−ジ−n−オクチル−ビピリジニウムジブロミド、1,1’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−4,4’−ビピリジニウムジクロリド、1,1’−ジフェニル−4,4’−ビピリジニウムジクロリド、4,4’−ビピリジル等である。
【0082】
本発明のエレクトロクロミック装置は、透明ガラスを主な構造とする装置であり、2つの導電材料の間にパッケージングされるエレクトロクロミック物質、エレクトロクロミック複合材料、或いは液体エレクトロクロミック物質により、ソーラーパネルを利用し前記装置の透明度、或いは色を変化させ、更にエアロゲルによる断熱効果と、殺菌除汚用の光触媒により、多機能エレクトロクロミック装置を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
20、20’、30、30’、60、60’、60’’ エレクトロクロミック装置
11 第一ガラス板
12 第二ガラス板
13 第一透明電極層
14 第二透明電極層
10 エレクトロクロミック層
15 イオン伝導層
16 イオン貯蔵層
18 電圧源
204 エアロゲル層
201 第一基板
202 第二基板
203 第三基板
205 第一導電材料層
206 第二導電材料層
207 エレクトロクロミック材料層
209 第一光触媒層
210 第二光触媒層
212 太陽光エネルギー電源層
301 第一基板
302 第二基板
303 第三基板
304 エアロゲル層
305 第一導電材料層
306 第二導電材料層
307 エレクトロクロミック材料層
309 第一光触媒層
310 第二光触媒層
312 太陽光エネルギー電源層
32 電圧源
501 第一電極層
505 第二電極層
502 反射防止膜
503 第一半導体材料層
504 第二半導体材料層
601 第一基板
602 第二基板
603 第一導電材料層
604 第二導電材料層
606 第一光触媒層
607 第二光触媒層
612 太陽光エネルギー電源層
6051 薄膜型エレクトロクロミック物質
6052 電解質材料
6053 エアロゲル材料
605 エレクトロクロミック複合材料層
608 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミック装置であって、
第一基板と、
第二基板と、
第三基板と、
前記第一基板と前記第二基板の間にパッケージングされるエアロゲル層と、
前記第二基板の前記エアロゲル層に対して反対側の表面に形成される第一導電材料層と、
前記第三基板の表面に形成され、前記第一導電材料層に対向して配置される第二導電材料層と、
前記第一導電材料層と前記第二導電材料層との間にパッケージングされるエレクトロクロミック材料層を備えることを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項2】
前記エレクトロクロミック材料層は、液体エレクトロクロミック物質、或いは薄膜型エレクトロクロミック物質であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項3】
前記第一基板、前記第二基板及び前記第三基板は、ガラスであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項4】
前記第一導電材料層及び前記第二導電材料層は、それぞれ前記第二基板及び前記第三基板上の酸化インジウムスズ材料層に塗布されることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項5】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第一導電材料層と前記第二導電材料層とに電気的に接続される電圧源を備えることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項6】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第一基板の前記エアロゲル層に対して反対側の表面に太陽光エネルギー電源層が張り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項7】
前記太陽光エネルギー電源層は、ソーラーパネルであり、前記第一導電材料層及び前記第二導電材料層に電気的に接続されることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項8】
前記エレクトロクロミック装置は、前記太陽光エネルギー電源層の外表面上に塗布される第二光触媒層を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項9】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第一基板の外表面上に塗布される光触媒層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項10】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第三基板の前記第二導電材料層に対して反対側の表面に塗布される第一光触媒層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項11】
エレクトロクロミック装置であって、
第一基板と、
第二基板と、
前記第一基板の表面に形成される第一導電材料層と、
前記第二基板の表面に形成され、前記第一導電材料層に対向して配置される第二導電材料層と、
前記第一導電材料層と前記第二導電材料層との間にパッケージングされるエレクトロクロミック複合材料層と、
を備えることを特徴とするエレクトロクロミック装置。
【請求項12】
前記エレクトロクロミック複合材料層は、エアロゲル及びエレクトロクロミック物質の複合構造であることを特徴とする請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項13】
前記エレクトロクロミック複合材料層は、電解質材料が前記エアロゲルの微細孔にパッケージングされることを特徴とする請求項12に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項14】
前記エレクトロクロミック複合材料層と前記第二導電材料層との間に、有機、或いは無機薄膜型エレクトロクロミック物質がめっきされることを特徴とする請求項12に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項15】
前記エレクトロクロミック複合材料層と前記第一導電材料層或いは前記第二導電材料層との間に隙間があることを特徴とする請求項12に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項16】
前記第一導電材料層及び前記第二導電材料層は、それぞれ前記第一基板及び前記第二基板上の酸化インジウムスズ材料層に塗布されることを特徴とする請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項17】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第一導電材料層及び前記第二導電材料層と電気的に接続される電圧源を備えることを特徴とする請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項18】
前記エレクトロクロミック装置は、透明ソーラーパネルであって、前記第一基板の前記エレクトロクロミック複合材料層に対して反対側の表面に貼り付けられ、前記第一導電材料層及び前記第二導電材料層と電気的に接続される太陽光エネルギー電源層を備えることを特徴とする請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項19】
前記エレクトロクロミック装置は、前記太陽光エネルギー電源層の外表面上に塗布される第二光触媒層を備えることを特徴とする請求項18に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項20】
前記エレクトロクロミック装置は、前記第二基板の前記第二導電材料層に対して反対側の外表面上に塗布される第一光触媒層を備えることを特徴とする請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図2G】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−203409(P2012−203409A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148023(P2011−148023)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(507294753)介面光電股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】