説明

エレクトロルミネッセンス素子

【課題】本発明は、無機EL素子の感度・輝度を向上させると共に、多色化及び白色化を改善することを目的とする。
【解決手段】発光ピーク波長が450から500ナノメートルの無機エレクトロルミネッセンス素子発光層に、緑色系無機蛍光体を分散させることにより、すくなくとも1つの発光ピーク波長を500から550ナノメートルに変換させた緑色系エレクトロルミネッセンス素子である。またさらに、赤系無機蛍光体を追加し分散させることにより、1つ以上の発光ピーク波長を450から650ナノメートルの間に有するように変換させた白色系エレクトロルミネッセンス素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子に関する。特に、発光層に他の蛍光体を分散させて、色度を調整したエレクトロルミネッセンス素子及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス(以下ELと略す)に供する蛍光体の製造方法は、例えば特開昭61−296085号に記載されているように、硫化亜鉛、銅化合物、ハロゲン化物の混合物を、1000〜1200℃で数時間1次焼成し、六方晶系の中間蛍光体粉末を形成し、これに常圧下で静水圧を加えた後、700〜950℃で数時間熱処理するか、熱間プレスして立方晶系に全部または一部転移させ、高輝度の蛍光体粉末を得る方法が記載されている。このように、1000℃以上数時間で1次焼成し、1000℃以下数時間で2次焼成して作製している。
【0003】
また特開2004−18856号には、長寿命を提供する白色発光蛍光体混合物が記載されている。ここでは硫化亜鉛(ZnS)系EL蛍光体が、300ppmの銅(Cu)を含む青系蛍光体と、600ppmの銅を含む青緑系蛍光体と、銅とマンガン(Mn)を含むオレンジ色系の蛍光体の3種の混合で、白色発光が可能であることが述べられている。
【0004】
また特開2006−188692号では、従来より高いy色度座標(よりよい青色の座標)を得るために、高い濃度の銅(800〜900ppm)及び沃素で活性化されたZnSについて述べられている。
【0005】
また特開2004−244636号では、単一成分からなる白色発光EL蛍光体について述べている。ここでは、銅、マンガン、塩素と、随意として金、アンチモンなどで活性化された単一成分白色ZnS蛍光体を提案している。
【0006】
また特開2006−245003号では、青色または緑色の有機発光ダイオードデバイス(OLED)上に色変換層を設け、この青または緑の光の一部を吸収して、黄色、オレンジ、赤色、白色の発光をするEL装置について述べられている。この色変換層として、さまざまな有機蛍光体色素、無機蛍光体を透明な樹脂に溶解、分散させた例が述べられている。
【0007】
また非特許文献1では、青色または緑色に発光するZnS系EL素子の発光層中にレーザ色素などで用いられる有機蛍光色素を配合し、青または緑発光の一部をまたは全部を吸収して、他色の発光をするエネルギー移動効果によって、増感または色変換を行うことができると記述されている。
【0008】
以上は主に交流駆動で発光するELに供する蛍光体の製造方法であり、通常図1のように蛍光体層と誘電体層を積層し、これを2つの電極間に挟み、交流電圧を印加することにより、EL発光をさせる。蛍光体粒子層、誘電体粒子層などを印刷法で形成する分散型無機ELでは、硫化亜鉛などの蛍光体母材に取り込んだ賦活剤(不純物)であるドナー(D)とアクセプター(A)のD−Aペアによる再結合により発光がなされる。一方、真空蒸着などによる薄膜型無機ELでは、母材中の賦活剤原子に加速された電子が衝突することにより励起発光する衝突励起発光がその発光メカニズムと言われている。いづれの方法によるEL表示体も産業的に行われている。ここで誘電層の役割は、電荷供給、電気的絶縁、白色反射板である。
【0009】
直流駆動EL用の蛍光体は、液相法などで前記蛍光体母体または前駆体を銅化合物でコーティングした粒子層のみを2つの電極で挟んだ構成がとられる。これに直流電圧によるフォーミングといわれるプロセスを通して、銅イオンを反対極性の電極側に移動させ、銅イオンの濃度勾配を有する2層的構成にする。この時、直流電圧により導電性の高い部分から低い部分の蛍光体母剤に注入された電子により発光センタ原子が励起され発光が行われることが報告されているが、実用には到っていない。
【0010】
【特許文献1】特開昭61−296085号
【特許文献2】特開2004−18856号
【特許文献3】特開2006−188692号
【特許文献4】特開2004−244636号
【特許文献5】特開2006−245003号
【非特許文献1】ELECTRONICS LETTERS 13th September 2007 Vol.43 NO.19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、無機EL素子の感度・輝度を向上させると共に、多色化及び白色化を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による解決手段は、発光ピーク波長が450から500ナノメートルの無機エレクトロルミネッセンス素子発光層に、緑色系無機蛍光体を分散させることにより、すくなくとも1つの発光ピーク波長を500から550ナノメートルに変換させた緑色系エレクトロルミネッセンス素子である。
【0013】
また、前記無機蛍光体がSr−Ga−S系またはCa−Ga−S系またはCa−Si−S系の少なくとも1つであるエレクトロルミネッセンス素子である。
【0014】
また、発光ピーク波長が450から500ナノメートルの無機エレクトロルミネッセンス素子発光層に、前記第1項及び第2項記載の緑色系無機蛍光体と、赤系無機蛍光体とを分散させることにより、1つ以上の発光ピーク波長を450から650ナノメートルの間に有するように変換させた白色系エレクトロルミネッセンス素子である。
【0015】
また、赤系蛍光体がSr−S系またはCa−S系のすくなくとも1つである白色系エレクトロルミネッセンス素子である。
【0016】
また、発光ピーク波長が430から470ナノメートルの間と、600から650ナノメートルの間にある白色系無機エレクトロルミネッセンス素子に、前記第2項記載の緑色系無機蛍光体を分散させることにより、駆動周波数依存性の少ない、白色度を改善した白色系エレクトロルミネッセンス素子である。
【0017】
また、前記記載の緑色系エレクトロルミネッセンス素子発光層に赤系の有機蛍光色素を分散させ、エネルギー移動を発現させて作製した赤色系エレクトロルミネッセンス素子である。
【0018】
また、前記記載の赤系有機蛍光色素が、ローダミン系、スチリル系、ピリジン系、ピラニリデン系の少なくとも1つであるエレクトロルミネッセンス素子である。
【0019】
また、前記記載のエレクトロルミネッセンス素子の白色度を、xy色座標値0.33より青色に調整し、エレクトロルミネッセンス素子上部にレンズシートを配置して、白色度と輝度を調整する方法である。
【0020】
また、前記記載のエレクトロルミネッセンス素子を高周波数駆動により、白色を調整する白色化調整方法である。
【発明の効果】
【0021】
EL蛍光体に緑色無機蛍光体を含んだ本発明の素子及び方法により、無機系蛍光体で構成された高輝度緑色EL素子および白色RL素子が実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1に分散型無機ELの基本構成の断面図を示す。基材1はインジウムドープ酸化錫(ITO)などの透明電極2の形成されたガラスや透明なプラスチックシートが用いられる。可撓性の求められる時は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられる。この上にEL蛍光体層3、誘電体層4、背面電極5が順次スクリーン印刷などの方法で形成される。
【0023】
交流駆動ELは2,5の両電極間に交流または正負の電圧パルスを印加することにより、ある閾値より発光する。交流用EL素子はコンデンサーに相当するので、片極性の電圧パルスでも印加パルス毎に表面電荷を放電する回路にすれば、駆動可能である。ELの明るさは一般に印加電圧と周波数に比例して増大する。ピークツーピーク(以下ppと略す)の電圧で約50ボルト(以下Vと記す)から発光しだし、pp500V、2キロヘルツ(KHZ)で一般に約1000カンデラ/平方メートル(以下cd/mと記す)の輝度が得られる。周波数を8KHZ程度まであげると、電圧はpp300V程度まで下げることができる。
【0024】
硫化亜鉛を用いた交流駆動ELの動作原理は、硫化亜鉛の立方晶と六方晶の混晶系の面欠陥などに賦活剤としてドープされた銅と硫黄が反応してできた硫化銅が偏析し、成長した硫化銅ウイスカーから、高電界下、電子、正孔が放出され、交番電界により、両者が再結合するという発光メカニズムが知られている。
【0025】
銅賦活剤の添加量によって発光色が異なる。例えば市販EL蛍光体GG65(オスラムシルバニア製)には約400ppmの銅が含まれ、図2に示すように波長450nmにピークのある青色発光を示す。またGG45(同社製)には約650ppmの銅が含まれ、図3に示すように低周波数駆動では500nmに、高周波数では450nmにピーク波長がある青緑の発光を示す。このように銅の添加量を増加すると、発光ピークが長波長シフトする。しかしながら、発光輝度と発光ピークのバランスが良いのは、500nm程度までであり、GG14(同社製)のようにオレンジ色発光のためには、銅の増量と共にマンガンをドープする必要がある。これにより発光輝度が相当低下する。また純度の高い赤色の発光は得られていない。
【0026】
また、白色発光を実現するためには、GG65とGG45、GG14を適当量配合した市販品(GG74)があるが、輝度がかなり低下する。また、駆動周波数によって発光色がことなってしまう問題がある。
【0027】
輝度が低下するEL白色蛍光体の問題を解消するため、新たにGG84(同社製)が開発され、市販されているが、これも駆動周波数により発光色が異なり、2KHZ以下の低周波数では白色を呈するも、それ以上では赤身が強い白になる。それは、図4のように、450nmと610nmの2つの強い発光ピークを持つためで、高周波数では、610nmのピークが強くなるため、強い赤みを感ずる。
【0028】
本発明では、青緑の発光を示すGG45EL蛍光体層に緑色無機蛍光体を添加すると、図5のように、ピーク発光波長が単一の520nmにシフトし緑色になり、かつ輝度も向上することを見出した。これは、GG45に緑色有機蛍光色素(例えばクマリン6、7などのレーザ色素)を微量添加したときのピーク波長シフト及び増感効果と類似している。緑色蛍光体としては、Sr−Ga−S系またはCa−Ga−S系またはCa−Si−S系の無機蛍光体が用いられる。具体的にはSr−Ga−S系として、SrGa:Eu(以下SGSと略す)が、Ca−Ga−S系としてCaGa:Euが、Ca−Si−S系としてCaSiS:Euが用いられる。
【0029】
また、青色発光のGG65EL蛍光体層に上記緑色無機蛍光体を添加すると、図6のように、450nmと525nmのダブルピークになり、全体として緑色の発光を呈する。
【0030】
上述のようにGG45またはGG65に緑色無機蛍光体を加えた緑色EL層に、更に赤系の無機蛍光体を加えると、全体として白色を呈し、白色ELを実現できる。GG65をベースに緑色蛍光体、赤系蛍光体を加えると、図7のように450nm、520nm、610nmの3ピーク波長の発光スペクトルが得られ、全体として白色発光を呈する。また、GG45をベースに同様の操作を行うと、図8のように510nm、610nmの2ピークの発光スペクトルが得られ、全体として白色を呈する。ここで赤系無機蛍光体として、SrS:EuやCaS:Euなどが有効に用いられる。
【0031】
前述の特許文献2または4を基にした市販の白色EL蛍光体GG84は図6のように、450nmと610nmの2つに強い発光ピークがある。低周波数駆動では、発光白度が保たれるが、高輝度を得るため、2KHZ以上の高周波数に上げて駆動すると、赤みが強くなる。この欠点を補うため、上述の緑色系無機蛍光体を添加すると図9のように450nm、520nm、610nmの3ピークになり、駆動周波数に依存しない安定な白色発光を呈するようになる。
【0032】
上述のGG45EL蛍光体に緑色無機蛍光体を添加した緑色EL蛍光体層に、赤系の有機蛍光色素を加えると、赤系の無機蛍光体を加えて白色を実現させた場合と異なり、図10のように赤系の発光を示す無機・有機複合EL発光体が得られる。赤系有機色素としては、ローダミンBなどのローダミン系、ピリジン1などのピリジン系、スチリル7などのスチルル系、DCMなどのピラニリデン系などが用いられる。
【0033】
また、発光輝度を増強したり、色度を調整するために、ELデバイスの上部にレンチキュラーなどのレンズシートを配置することが経験的に行われる。このレンズシートは厚さ100ないし200ミクロンの透明なポリカーボネートなどの樹脂で成型される。表層には、100ミクロンピッチの正弦波状凹凸が設けられている(積水フィルム製、商品名ウエーブフィルム、品番W818,WL-110など)。しかしながら、このようなレンズシートをEL上部に設けると、一般に発光波長が長波長シフトし、最適に白さを調整したELデバイスの意味がなくなる。そこで、ELの発光層を、x、y色度座標が0.33より青側にシフトするように作製し、その上のレンズシートを配置すると、輝度、色度の両方を向上できる。輝度として、約20%の向上が可能となる。また青みを帯びた発光が色度座標0.33に近い白色発光を呈するようになる。
【0034】
また一般的に駆動周波数を上昇させると、一般的に発光が微妙に短波長にシフトする。これはEL蛍光体の450nmの発光強度が強くなるためである。そこで、製造したELデバイスの白度を駆動周波数で最適化することは、実用上、有用な手段となる。
【実施例】
【0035】
更に実施例を用いて詳細を説明する。本発明は以下の実施例に例示された内容に限定されるものではない。駆動はパルスジェネレータとアンプを組み合わせ、周波数1〜20KHZ、パルス電圧最高±300Vの範囲まで試験した。この時の輝度はLS-110輝度計(コニカミノルタ社製)で、分光スペクトルはスペクトロメータUSB4000(オーシャンオプティックス社製)で評価した。以下分光分布のグラフ中、複数表示しているのは、発光強度の駆動周波数依存性を示し、断りのない限り小さい方から1,3,5,10,15,20KHZで駆動した時に相当する。
実施例1
【0036】
ELデバイスは実質発光面積が20mm四方となるように製膜する。GG45と前述のSGSを6:1の重量比になるように、バインダと溶剤を含めてインキを作る。これを乾燥重量70g/mになるようにスクリーン印刷で製膜する。この上にチタン酸バリウム(BTOと略す)を含む誘電体インクを同様の方法で、乾燥重量80g/mになるように印刷製膜する。更にこの上にカーボン入り銀ペーストインクを乾燥重量20g/mになるよう印刷製膜する。これにリードをつけてELデバイスとして完成させる。このときのスペクトルが図5に示されている。ここで発光強度は小さい方から1,3,5,10,15,20KHZで駆動した時に相当し、この間の輝度は300〜2500cd/mまで変化する。
比較例1
【0037】
上述の蛍光体層をGG45のみで作製したときのスペクトルを図3に示す。図3と図5の差から明らかに、実施例1ではピーク波長が長波長に数十nmシフトし、輝度も約10%増大した。
実施例2
【0038】
実施例1に用いた蛍光体(GG45+SGS)に、赤系蛍光体SrS:Eu(以下SrSと略す)を追加し、GG45:SGS:SrSの重量組成が6:1:1.5になるように、実施例1と同様に調整を行い、ELデバイスを製作した。また評価方法も同様である。この場合のスペクトルを図8に示す。500nmと600nmにピークのある白色発光が実現できた。
実施例3
【0039】
同様な方法でEL蛍光体GG65と無機蛍光体SGSを用いて、その重量組成が6:1になるようインクを調整し、同様な方法でELデバイスを製膜した。その時のスペクトルを図6に示す。450nmと520nmにダブルピークのある青色発光を得ることができる。
このインクにSrSを追加し、重量組成が6:1:1.5になるようにインクを調整し、ELデバイスを製作した。この時のスペクトルを図7に示す。450nmと520nmと610nmの3つのピークのある白色発光を実現できた。
比較例2
【0040】
実施例2と3のインクで、緑色無機蛍光体GSGを入れないインクを用いてELデバイスを作製、評価した。その結果、450nmと610nmのダブルピークとなり、駆動周波数によって白度が異なり、実用上問題が発生した。
実施例4
【0041】
前述のEL白色蛍光体GG84に前述のEL蛍光体GG45及び市販緑色無機蛍光体SGSを、重量組成GG84:GG45:SGSが4:2:1になるようインクを調整し、ELデバイスを製作し、評価した。そのスペクトルを図9に示す。450nm、520nm、610nmの3つのバランスのとれた分光分布を示し、周波数に依存しない白色発光を呈する。
比較例3
【0042】
GG84のみのインクを用いてELを作製し、評価した。そのスペクトルを図4に示す。
またGG84にGG45を5:2になるインクを用いたELでは、スペクトルはGG84のみの場合と大差がない。従って、ここでも緑色無機蛍光体GSGの存在の重要性が指摘できる。
実施例5
【0043】
実施例1に示したインクに、赤系蛍光色素ローダミンBを微量添加すると、520nmの発光ピークがなくなり、450nmの発光強度も弱くなって、600nmの発光強度が高くなる。このスペクトルを図10に示す。このようにして赤系の発光を得ることができる。ローダミンBの混合法は、この1%溶液を作り、GG45に対して、0.05〜0.1重量%になるように調整してインクを作る。製膜法は上記と同じである。
実施例6
【0044】
実施例2に用いた蛍光体インク(GG45:SGS:SrSの重量組成が6:1:1.5)のSrS量を1部に減量すると、青みを帯びた白になり、色度座標が白を示す0.33よりずれる。この上にレンズシート(積水フィルム製、W818)を配置すると、白度が0.33により近くなり、また輝度も20%向上する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
さまざまなカラーや白色発光の無機ELデバイスが提供できる。薄いフレキシブルなカラー発光照明として、広告産業に利用できる。またドライバーと結合し、電子広告シートや電子新聞などに展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の分散型無機ELの基本構成断面図
【図2】EL蛍光体GG65を用いた発光スペクトル
【図3】EL蛍光体GG45を用いた発光スペクトル
【図4】EL蛍光体GG84を用いた発光スペクトル
【図5】EL蛍光体GG45と緑色無機蛍光体を用いた発光スペクトル
【図6】EL蛍光体GG65と緑色無機蛍光体を用いた発光スペクトル
【図7】EL蛍光体GG65と緑色無機蛍光体と赤系無機蛍光体を用いた発光スペクトル
【図8】EL蛍光体GG45と緑色無機蛍光体と赤系無機蛍光体を用いた発光スペクトル
【図9】EL蛍光体GG84と少なくとも緑色無機蛍光体を用いた発光スペクトル
【図10】EL蛍光体GG45と緑色無機蛍光体と赤系有機色素を用いた発光スペクトル
【符号の説明】
【0047】
1:基材
2:透明電極
3:蛍光体層
4:誘電体層
5:背面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ピーク波長が450から500ナノメートルの無機エレクトロルミネッセンス素子発光層に、緑色系無機蛍光体を分散させることにより、すくなくとも1つの発光ピーク波長を500から550ナノメートルに変換させた緑色系エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
前記無機蛍光体がSr−Ga−S系またはCa−Ga−S系またはCa−Si−S系の少なくとも1つである請求項1のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
発光ピーク波長が450から500ナノメートルの無機エレクトロルミネッセンス素子発光層に、前記第1項及び第2項記載の緑色系無機蛍光体と、赤系無機蛍光体とを分散させることにより、1つ以上の発光ピーク波長を450から650ナノメートルの間に有するように変換させた白色系エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
赤系蛍光体がSr−S系またはCa−S系のすくなくとも1つである請求項3記載の白色系エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
発光ピーク波長が430から470ナノメートルの間と、600から650ナノメートルの間にある白色系無機エレクトロルミネッセンス素子に、前記第2項記載の緑色系無機蛍光体を分散させることにより、駆動周波数依存性の少ない、白色度を改善した白色系エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記第1項及び第2項記載の緑色系エレクトロルミネッセンス素子発光層に赤系の有機蛍光色素を分散させ、エネルギー移動を発現させて作製した赤色系エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記第6項記載の赤系有機蛍光色素が、ローダミン系、スチリル系、ピリジン系、ピラニリデン系の少なくとも1つである請求項6のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記請求項1から7記載のエレクトロルミネッセンス素子の白色度を、xy色座標値0.33より青色に調整し、エレクトロルミネッセンス素子上部にレンズシートを配置して、白色度と輝度を調整する方法。
【請求項9】
前記請求項1から8記載のエレクトロルミネッセンス素子を高周波数駆動により、白色を調整する白色化調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−21085(P2010−21085A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182174(P2008−182174)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(306000968)有限会社イメージテック (5)
【Fターム(参考)】