説明

エレクトロルミネッセント装置

本発明は、基板40を有すると共に、該基板40上に基板電極20、カウンタ電極30及び上記基板電極20とカウンタ電極30との間に配置された少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層50を備えるエレクトロルミネッセント積層部を有するエレクトロルミネッセント装置10を開示するもので、カプセル封止手段90が少なくとも上記エレクトロルミネッセント積層部をカプセル封止し、少なくとも1つの分割部80,80'が少なくとも上記カウンタ電極30を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110,110',110"に分割し、該分割部80,80'の下には非導電性の保護手段70が基板電極20上に分割部80,80'を超えて配設され、該保護手段70は基板電極20上にシャドウイング・エッジの出現を回避するのに適した形状で配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンタ電極を複数の電気的に分離されたセグメントに分割する少なくとも1つの分割部を備えるエレクトロルミネッセント装置に関する。更に、本発明は、カウンタ電極をセグメント化する方法、カウンタ電極を分割する手段の使用、カウンタ電極セグメントに接触させるための導電性接着剤の使用、対応する保護手段、及び本発明による基板電極により覆われた基板にも関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願第2005/142974号は、エレクトロルミネッセント表示器及びエレクトロルミネッセント表示器を製造する方法を記載している。このエレクトロルミネッセント表示器を製造するために、第1電極が基板上に形成される。次いで、絶縁層が第1電極上のピクセル領域の境界に形成される。上記絶縁層上に、所定の逆テーパ形状を持つ事前成形されたセパレータが被着される。上記基板上に有機エレクトロルミネッセント層が分散形成される。上記セパレータは該有機エレクトロルミネッセント層を、分離されたセグメントに分割する。上記セパレータはピクセル領域の境界に位置されるので、有機エレクトロルミネッセント層のオーバーフローにより生じ得る色混合を、隣接するピクセル領域の間において防止することができる。更なるステップにおいて、上記有機エレクトロルミネッセント層及びセパレータの全体の表面上に、第2電極材料層が形成される。最後のステップにおいて、該第2電極層の上記セパレータに対応する部分を照射するためにレーザが使用される。従って、第2電極層の照射された部分は除去される。このようにして、複数の電気的に分離されたセグメントに分割されたエレクトロルミネッセント装置が得られ、各セグメントが有機エレクトロルミネッセント層及びカウンタ電極を有するようになる。残念ながら、上記セパレータの被着は複雑であり費用が掛かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、上述した欠点を除去することである。特に、本発明の目的は、柔軟且つ容易な製造を可能にすると共に信頼性のある動作を可能にするようなセグメント化されたエレクトロルミネッセント装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、本発明の請求項1に記載のエレクトロルミネッセント装置により達成される。また、上記目的は、本発明の請求項8に記載の方法により達成される。斯かるエレクトロルミネッセント装置及び方法の有利な実施例は、従属請求項に記載されている。当該エレクトロルミネッセント装置に関して記載されるフィーチャ及び詳細は、方法にも当てはまり、その逆も成り立つ。
【0005】
本発明は、基板を有すると共に、該基板上に基板電極、カウンタ電極及び上記基板電極とカウンタ電極との間に配置された少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部を有するエレクトロルミネッセント装置を開示するもので、カプセル封止手段が少なくとも上記エレクトロルミネッセント積層部をカプセル封止し、少なくとも1つの分割部が少なくとも上記カウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントに分割し、該分割部の下方には非導電性の保護手段が上記基板電極上に上記分割部を超えて、シャドーイング・エッジの出現を防止するのに適した形状で配設される。
【0006】
本発明の主たるアイデアは、上記基板電極に被着される保護手段を使用することと、上記分割部を該保護手段の上方で少なくともカウンタ電極内に挿入する(侵入させる)ことである。本発明の前後関係において、分割部なる表記は、構造化された層に導くリソグラフィック及び/又はマスク処理工程とは対照的に、初期的には接続されていた層の間に、斯かる層を堆積した後に形成される如何なるギャップをも指す。斯かる分割部は、以前には一様であったカウンタ電極を、セグメントとも称される少なくとも2つの電気的に分離されたカウンタ電極セグメントに分離する溝状の形状を有することができる。更に、前記非導電性保護手段は、短絡につながるような2つの電極間の直接的接触が発生しないことを保証する。前述した突出するセパレータは、最早、必要ではない。カウンタ電極の分離は機械的に実施することができるので、保護手段の使用で十分である。カウンタ電極の構造化は、基板電極を上記分割部の該カウンタ電極への適用の如何なる影響からも保護するために使用される該保護手段の上方で実施される。当該エレクトロルミネッセント装置の開示された構造化は、例えば、乾燥窒素等の不活性及び/又は乾燥雰囲気下のグローブボックス内で適用することができる。従って、開示されたエレクトロルミネッセント装置の製造は、既知の従来技術よりも大幅に安価である。更に、上記保護手段により覆われる基板領域は、各エレクトロルミネッセント装置に対して個別に調整することができ、保護手段に沿う個々のエレクトロルミネッセント装置の可変のセグメント化を可能にする。
【0007】
本発明の前後関係において、エレクトロルミネッセント(EL)積層部なる表記は、基板電極とカウンタ電極との間に設けられる全ての層を指す。EL積層部は、基板及びカウンタ電極間に設けられる少なくとも1つの発光有機エレクトロルミネッセント層を有する。他の実施例において、エレクトロルミネッセント積層部は基板及びカウンタ電極間に設けられる幾つかの層を有することができる。該幾つかの層は、1以上のホール(正孔)輸送層、電子阻止層、電子輸送層、ホール阻止層、エミッタ層等の有機層又は有機及び非有機層の組み合わせとすることができる。上記非有機層は、上記積層部内に2以上の発光層がある場合の追加の電極及び/又は電荷注入層であり得る。好ましい実施例において、上記基板電極及び/又はカウンタ電極は、下記の材料のうちの少なくとも1つを有する。即ち、ITO、アルミニウム、銀、ドーピングされたZnO又は酸化物層である。
【0008】
本発明の前後関係において、基板なる表記は、上にエレクトロルミネッセント装置の種々の層が堆積される基材を指す。通常、基板は透明であり、ガラスから形成される。更に、基板は透明であり、好ましくは銀、金、ガラス又はセラミック等の材料の少なくとも1つを有することが好ましいであろう。該基板は、当該エレクトロルミネッセント装置の積層部に水分及び/又は酸素が侵入するのを実質的に防止するための適切な水分及び酸素障壁を備える、透明なポリマシート又は箔とすることもできる。また、基板として金属箔等の非透明材料を使用することもできる。該基板は、例えば光導出強化又は他の目的等の光学的目的で更なる層を有することができる。該基板は、通常平らであるが、所望の三次元形状に形成することもできる。
【0009】
本発明の前後関係において、基板電極なる表記は、前記基板上に堆積された電極を指す。通常、該基板電極は、オプションとしてガラスから当該電極への移動原子又はイオンの拡散を抑圧するためのSiO又はSiOのアンダーコートを備える透明なITO(インジウム錫酸化物)からなる。ITO電極を備えるガラス基板の場合、ITOは通常は陽極(アノード)であるが、特別な場合には、陰極(カソード)としても使用することができる。幾つかの場合においては、薄いAg又はAu層(8〜15nm厚)が単独で又はITOとの組み合わせで基板電極として使用される。金属箔が基板として使用される場合、該金属箔は基板電極(陽極又は陰極のいずれか)の役割も果たす。"上に"なる表記は、掲載された層の順序を示す。この表記は、互いの上にと示された層の間における更なる層の可能性を明示的に含んでいる。例えば、基板電極と基板との間に配設された光の導出を高めるための追加の光学層が存在し得る。
【0010】
本発明の前後関係において、カウンタ電極なる表記は前記基板から離れた電極を指す。該カウンタ電極は、通常、非透明であり、該電極が反射性となるような十分な厚さ(典型的には、Alの場合は100nm、Agの場合は100〜200nm)のAl又はAg層から形成される。カウンタ電極は通常はカソードであるが、陽極としてバイアスすることもできる。上面発光又は透明エレクトロルミネッセント装置の場合、カウンタ電極は透明でなければならない。透明なカウンタ電極は、薄いAg若しくはAl層(5〜15nm)から、又は前に堆積された他の層上に堆積されるITO層から形成される。
【0011】
本発明の前後関係において、透明基板、透明基板電極及び非透明カウンタ電極(通常は、反射性)の組み合わせを備え、上記基板を介して光を放出するエレクトロルミネッセント装置は、"底面発光"と呼ばれる。更なる電極を有するエレクトロルミネッセント装置の場合、特定の実施例では、内部電極がカソード又はアノードとして駆動される場合、基板電極及びカウンタ電極の両方が、共にアノードであるか又は共にカソードであるかの何れかであり得る。更に、本発明の前後関係において、非透明基板電極及び透明カウンタ電極の組み合わせを備え、上記カウンタ電極を介して光を放出するエレクトロルミネッセント装置は、"上面発光"と呼ばれる。
【0012】
本発明の前後関係において、透明エレクトロルミネッセント装置なる表記は、基板、基板電極、カウンタ電極及びカプセル封止手段が透明であるエレクトロルミネッセント装置を指す。ここで、当該エレクトロルミネッセント装置は底面発光及び上面発光の両方である。本発明の前後関係において、層、基板又は電極は、可視範囲おける光の透過が50%であり、残りが吸収又は反射される場合、透明と呼ばれる。更に、本発明の前後関係において、層、基板又は電極は、可視範囲おける光の透過が10%と50%との間であり、残りが吸収又は反射される場合、半透明と呼ばれる。更に、本発明の前後関係において、光は、450nmと650nmとの間の波長を有する場合、可視光と呼ばれる。本発明の前後関係において、光は、エレクトロルミネッセント装置の有機エレクトロルミネッセント層により放出される場合、人工光と呼ばれる。
【0013】
更に、本発明の前後関係において、エレクトロルミネッセント装置の層、コネクタ又は構成エレメントは、電気抵抗が100000オーム未満の場合、導電性と呼ばれる。本発明の前後関係において、受動電子部品は、抵抗、コンデンサ及び誘導性を含む。更に、本発明の前後関係において、能動電子部品はダイオード、トランジスタ及び全てのタイプの集積回路を含む。
【0014】
本発明の前後関係において、エレクトロルミネッセント装置の層、基板、電極又は構成エレメントは、界面に入射する光が反射の法則に従って返される、即ち入射の巨視的角度が反射の巨視的角度と等しい場合に、反射性と呼ばれる。また、この場合には正反射なる用語が使用される。更に、本発明の前後関係において、エレクトロルミネッセント装置の層、基板、電極又は構成エレメントは、入射する光が反射の法則に従って返されない、即ち入射の巨視的角度が返された光の巨視的角度と等しくない場合に、散乱性と呼ばれる。返される光に関しては、角度の分布も存在する。散乱性の代わりに、拡散反射なる用語も使用される。
【0015】
前記分割部の断面の形状は、一方においては前記カウンタ電極に当該分割部を挿入する(侵入させる)ために使用されるツールに依存し、他方においては該カウンタ電極の物質特性に依存する。該分割部により達成される唯一の目的は、カウンタ電極セグメントの電気的分離である。この目的を達成するために、該分割部はV字、W字、Y字又はU字形状を有することができる。更に、該分割部は、上述した目的を達成するために有効であると共に、当該エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極に容易に挿入することができるような断面を有することができる。
【0016】
請求項に記載された発明において、非導電性保護手段は、上記分割部の下の基板電極上に当該分割部を超えて配設される。該保護手段が分割部の下に該分割部を超えて配設されるなる表記は、一方においては、該保護手段が、当該分割部がカウンタ電極に挿入された領域の完全に下方にあることを示す。更に、上記表記は、当該保護手段により覆われる幅(保護幅)が当該分割部の幅(分割部幅)を超えることを示す。従って、当該保護手段は、分割部の下の領域を少なくとも完全に覆っている。
【0017】
上記保護手段は、前記基板を分割部から保護する。更に、この保護手段は、上記分割部が該保護手段の上方に配設されるので、当該エレクトロルミネッセント装置の構造化のためにも使用される。該保護手段は、当該エレクトロルミネッセント装置の2つの電極の間の短絡を防止する。該保護手段は、上記分割部及び/又は該分割部の適用が上記2つの電極間の直接的接触につながらないことを保証するような材料特性を有さなければならない。従って、該保護手段は、電気的に分離されたカウンタ電極セグメントを得るためにカウンタ電極を切断するのに使用されるメス(スカルペル:scalpel)等の機械的手段から基板電極を保護する程十分に硬い及び/又は厚いものとすることができる。例えば、カウンタ電極を例えばメスにより上記分割部の下に何の保護手段もなしに切断することは、通常、当該エレクトロルミネッセント装置の寿命を少なくとも減少させるような短絡につながる。
【0018】
好ましい実施例において、上記保護手段は非導電性接着剤を有する。非導電性接着剤は、塗布するのが容易であり、基板電極を損なわないという利点を有している。更に、斯かる接着剤は空気中で塗布することができ、真空チェンバ又はクリーンルームを使用する必要がない。従って、非導電性接着剤は基板電極に容易に塗布することができ、硬化した後に、保護手段として前記2つの電極間の如何なる短絡も防止する。
【0019】
耐久性のある非導電性接着剤を得るために、エポキシ、ポリウレタン、アクリル又はシリコン樹脂等の母材のうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0020】
酸素又は水分は、前記有機エレクトロルミネッセント層又はカウンタ電極を損ない得る。前記保護手段が有機エレクトロルミネッセント層と直接的に接触し得るので、該保護手段の非導電性接着剤は無水性及び/又は水分を含まないことが好ましい。本発明の前後関係において、水分を含まない及び/又は無水性なる表記は、エレクトロルミネッセント装置の平均的寿命の間において水分含有による劣化が裸眼により観察され得ないという事実を言う。前記積層部へ拡散する水分による上記有機エレクトロルミネッセント層の目に見える劣化は、黒いシミの成長又はエッジからの発光領域の収縮の形をとり得る。水分を含まない及び/又は無水性なる表記は、当該非導電性接着剤自体に依存するのみならず、当該エレクトロルミネッセント層により自身を損なうことなく吸収され得る水分の量にも依存する。
【0021】
他の好ましい実施例において、当該エレクトロルミネッセント装置は、湿気(水分)及び/又は酸素障壁を有することができる。本発明の前後関係において、前記積層部への湿気及び/又は酸素の有害な拡散を防止する層が、湿気/及び酸素障壁と呼ばれる。拡散は、放出される光の著しい経年低下が観察され得る場合に、有害とされる。現状技術による標準的OLED装置は、100000時間程度又はそれ以上の保管寿命を達成している。著しい低下とは、約2倍又はそれ以上の寿命の減少を言う。
【0022】
他の好ましい実施例において、前記保護手段は、フォトレジスト、ラッカ、ペンキ若しくは再融解されたガラスフリットからなるガラスの層、又は好ましくは陽極酸化アルミニウム等の酸化金属層のうちの少なくとも1つを含むことができる。該保護手段は、短絡につながるような、カウンタ電極と基板電極との間の直接接触を防止しなければならない。上述した物質は、時にはクリーンルーム又は真空チェンバの必要性なしに、基板電極に容易に被着され得る。従って、該保護手段の被着を容易且つ経済的に実施することができる。
【0023】
上記保護手段は、一方においては電気的に伝導性でないことを保証する特性を有さなければならない。更に、該保護手段は接触手段から基板電極を遮蔽するほど十分に厚く及び/又は硬くなければならない。正確な厚さ及び硬さは、前記分割部の挿入の間に発生される及び/又は上記接触手段による実際の圧力に依存するが、典型的には、1〜100マイクロメートルの厚さで十分である。所望の保護は、1.5マイクロメートル厚のフォトレジスト層により、及び10〜200マイクロメートル厚の非導電性接着剤により達成されるが、より厚い層も使用することができる。更に、上記保護手段が前記基板電極、有機エレクトロルミネッセント層、カウンタ電極及び/又はカウンタ電極セグメントの何れも損なわないことも保証されねばならない。
【0024】
他の好ましい実施例において、上記保護手段は着色される。これは、当該保護手段自体を着色することにより、又は該保護手段に有色顔料を塗布することにより実施することができる。
【0025】
好ましい実施例において、基板電極上の保護手段の経路は閉じた軌道を形成する。前記分割部が前記保護手段上に適用され、これにより閉軌道を形成した場合、カウンタ電極は内部セグメントと外部セグメントとに分割される。内部セグメントは、上記分割部の閉軌道及び下側の保護手段により囲まれる。上記外部セグメントは、この内部セグメントを囲み得る。上記2つのセグメントの各々は、これらセグメントの各々に対して少なくとも1つの接触手段を使用することにより、個別に駆動され得る。上記保護手段及び/又は分割部は円形、卵型又は如何なる必要とされる構造の形状をも有することができる。閉軌道を形成する保護手段を使用することにより、該保護手段及び分割部は、表示器の個々のピクセル若しくは文字、何らかの特徴的形状、標示等の外側境界を形成することができる。当業者であれば、本発明の範囲内で上記閉軌道の他の形状を選択することができる。
【0026】
他の実施例において、上記保護手段は閉じていない軌道を形成することもでき、その場合、該閉じていない軌道の両端はエレクトロルミネッセント積層部及びカウンタ電極の外側エッジ上に延在する。この場合、他の実施例では、基板電極及び分離された各カウンタ電極セグメントのカウンタ電極は、前記基板上の構造化された電極層を介して電源に接続することができる。該保護手段の閉じていない軌道は、直線、曲線、又は前記分割部を適用した後に基板電極と接触しない分離したカウンタ電極を設けるのに適した本発明の範囲内の如何なる他の形状も形成することができる。
【0027】
他の好ましい実施例において、当該エレクトロルミネッセント装置は、前記カウンタ電極の少なくとも1つのカウンタ電極セグメントを電源に電気的に接触させるために、少なくとも1つの接触手段を有する。該接触手段は、電源からの電流を、当該エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極及び/又はカウンタ電極セグメントに伝送するブリッジとして働く。時には、前記基板電極は前記基板の周縁(リム)において電源に接続される。当該エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極セグメントを電源に個別に接続するために、接触手段を覆い蓋に接続されたカウンタ電極セグメント上に配置することが好ましい。該接触手段は導電性接着剤及び/又は導電性ラッカ及び/又は導電性ペンキを有することが好ましい。
【0028】
更に、上記接触手段は保護手段の完全に上に配置されることが好ましい。この構成は、当該エレクトロルミネッセント装置の接続が三次元接続方式に従うという利点を有している。カウンタ電極セグメントの各々に対する接触手段は、カウンタ電極上に被着される。カウンタ電極のカウンタ電極セグメントの各々に当該エレクトロルミネッセント装置の基板の周縁において接触する必要はない。保護手段上の配置は、ユーザが如何なる種類の接触手段を使用することも可能にする。更に、導電性接着剤の塗布及び/又は機械的導通手段が少なくともカウンタ電極セグメントに機械的応力を印加するのを、これらの接触手段が保護手段上に完全に配置されるようにして可能にすることが好ましい。当該接触手段が部分的に及び/又は計画的に及び/又は非計画的にカウンタ電極を貫通したとしても、短絡は生じないであろう。というのは、前記保護手段が、該接触手段の如何なるエレメントも基板電極に近づくのを停止させるからである。更に、当該接触手段は、前記セグメントの各々に必要な電流を供給するために、前記カプセル封止手段に接続することができる。これは、カプセル封止手段が前記有機エレクトロルミネッセント層のみならず前記積層部もカプセル封止することができるので、容易に実施することができる。この実施例において、好ましい接触手段は、少なくとも1つのカウンタ電極セグメントに対する機械的接触を確立する機械的接触エレメント及び/又は導電性接着剤である。
【0029】
好ましい実施例において、上記導電性接着剤は母材及び充填剤を含む。好ましくは、該導電性接着剤は、上記母材としての有機材料及び上記充填剤としての無機材料を含む。一実施例において、該導電性接着剤は、エポキシ、ポリウレタン又はシリコン樹脂の母材のうちの少なくとも1つを含むことができる。上記充填剤及び/又は母材は、前記電源から前記カウンタ電極及び/又はカウンタ電極セグメントに電流を導通させるために導電性でなければならない。従って、上記導電性接着剤及び/又は充填剤は導電性の薄片又は粒子を含むことが好ましい。充填剤の粒子は、低い抵抗、安定性及び耐久性を有さねばならない。従って、該充填剤は以下の少なくとも1つの薄片又は粒子を含む。即ち、銀、金、ニッケル、プラチナ、銅、パラジウム又は他の金属、又は炭素、ガラス状炭素、グラファイト、カーボンナノチューブ、ドーピングされたZnO、SnO、導電性窒化物、導電性ホウ化物等の他の非金属、金属被覆ガラス若しくはプラスチックビード、金属被覆ガラス若しくはプラスチック中空ビード、又は銅、金若しくは銀により被覆された金属若しくはグラファイト粒子である。好ましい実施例において、該導電性接着剤は無水及び/又は水を含まないものとする。
【0030】
他の好ましい実施例において、当該エレクトロルミネッセント装置は水分及び/又は酸素障壁を有することができる。本発明の前後関係において、前記積層部への水分及び/又は酸素の有害な拡散を防止する層が、水分/及び酸素障壁と呼ばれる。拡散は、放出される光の著しい経年低下が観察され得る場合に、有害とされる。現状技術による標準的OLED装置は、100000時間程度又はそれ以上の保管寿命を達成している。著しい低下とは、約2倍又はそれ以上の寿命の減少を言う。
【0031】
本発明によるエレクトロルミネッセント装置は、前記エレクトロルミネッセント積層部をカプセル封止するためのカプセル封止手段を有する。該カプセル封止手段は、当該エレクトロルミネッセント装置の層の全積層、又は全積層の一部を形成する複数の層のみをカプセル封止することもできる。好ましくは、該カプセル封止手段は、少なくとも前記有機エレクトロルミネッセント層及びカウンタ電極を覆う気密性エレメントとする。気密性カプセル封止手段を用いることにより、水又は酸素等の環境要因が当該カプセル封止された層を損ない得ることが防止される。該カプセル封止手段は、気密性蓋体を形成することができる。この蓋体はガラス又は金属から形成することができる。該カプセル封止手段を当該エレクトロルミネッセント装置又は該装置の一部のみに被着される1つの又は複数の層により形成することも可能である。斯かる層は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物又はシリコン酸窒化物を含むことができる。上述した全てのカプセル封止手段は機械的及び/又は環境的要因が当該エレクトロルミネッセント装置の前記積層部に悪く影響するのを防止する。
【0032】
一例として、上記カプセル封止手段は、金属、ガラス、セラミック又はこれらの組み合わせから形成することができる。該カプセル封止手段は、導電性若しくは非導電性接着剤、融解ガラスフリット又は金属ハンダにより前記基板に取り付けられる。従って、該カプセル封止手段は、当該エレクトロルミネッセント装置に対し機械的な安定性ももたらす。
【0033】
好ましい実施例において、上記カプセル封止手段は前記接触手段に電気的に接続される。斯かる接触手段とカプセル封止手段との間の電気的接続は、直接的又は間接的であり得る。直接的な態様においては、上記カプセル封止手段は上記接触手段と直接的な接触を有する。間接的な態様においては、ワイヤ等の手段を、当該カプセル封止手段及び接触手段を接続するために使用することができる。上述したワイヤ以外に、当該カプセル封止手段及び接触手段を接続するために、当業者により既知である他の手段を使用することもできる。当該エレクトロルミネッセント装置を上記カプセル封止手段の助けにより電源に接続することができる。従って、ワイヤ等を該カプセル封止手段に取り付けることができ、斯かるワイヤが電流を接触手段を介してカウンタ電極に伝送する。この実施例の要件は、カプセル封止手段が少なくとも部分的に導電性であるということである。この場合、短絡を防止するために、該カプセル封止手段は前記基板電極に対して絶縁されねばならない。このことは、該カプセル封止手段が2つの領域に分割されるようにして実現することができる。これら領域の1つは導電性接触領域であり、もう1つは電気的に絶縁な領域である。当該カプセル封止手段は、上記導電性接触領域が上記接触手段に接続されるように設計されねばならない。導電性接着剤を用いれば、製造の間において該導電性接着剤を前記カウンタ電極及び/又はカウンタ電極セグメントと当該カプセル封止手段との間に容易に塗布することができるという利点が得られる。導電性接着剤の量がカウンタ電極セグメントと当該カプセル封止手段の接触領域との間の間隙にとっては多すぎる場合、該カプセル封止手段が前記積層部を備える基板上に載置された場合に該導電性接着剤は横方向に流れ、従って該導電性接着剤は該カプセル封止手段の面積よりも大きな面積を覆うであろう。しかしながら、前記積層部の側部上に又は前記分割部内へ流れることにより基板電極又は他のカウンタ電極セグメントとの電気的接触を形成することがないように、塗布される接着剤の量は制限されるべきである。
【0034】
他の好ましい実施例において、上記カプセル封止手段は導電性の気密貫通接続部(feed through)を有する。この気密貫通接続部は、上記接触手段に接続される導電性エレメントを有する。これは、上記接触手段との直接的接触により、又はワイヤ又は当業者により既知のエレメントの助けにより実施することができる。上記カプセル封止手段が導電性あると共に前記基板電極に接続される場合、上記気密貫通接続部は当該カプセル封止手段に対して絶縁されることが好ましい。これは、導電性エレメントが埋め込まれる絶縁手段により実行することができる。上記気密貫通接続部のための該絶縁手段は、例えば、上記導電性エレメントを包み込む(encase)ガラス又はセラミックにより形成することができる。
【0035】
他の好ましい実施例において、上記カプセル封止手段は導電性接触領域を有する。この実施例において、当該カプセル封止手段は、一方が上記接触領域を形成し、他方が絶縁領域を形成するような2つの異なるエレメントからなる。好ましくは、上記接触領域は当該カプセル封止手段上に設けられる。代わりに、該接触領域は当該カプセル封止手段内に埋め込まれたエレメントにより形成され得、その場合、この埋め込まれたエレメントは導電性である。例えば、金属ディスクを、当該カプセル封止手段を形成する気密多層構造体中に埋め込むことができる。この場合、この金属ディスクは上記接触領域を形成し、該接触領域は当該エレクトロルミネッセント装置の前記接触手段と電気的に接触する。好ましくは、上記接触領域は当該カプセル封止手段に対して電気的に絶縁される。これは、上記接触領域をガラス又はセラミック又は当業者により既知の他の材料中に埋め込むことにより実施することができる。
【0036】
上記接触手段により及び/又は前記カウンタ電極セグメントに対する該接触手段の使用により惹起される、当該開示されたエレクトロルミネッセント装置の2つの電極間の如何なる短絡も防止するために、本発明は、該接触手段を完全に前記保護手段上に配置することを開示する。従って、種々の接触手段を、当該開示されたエレクトロルミネッセント装置に短絡の危険性なしに適用することができる。短絡の確率を更に減少させるために、複数の接触手段が本発明内で開示され、これら接触手段は当該エレクトロルミネッセント装置、特にはカウンタ電極セグメントを電源に接続するために使用することができる。上述した接触手段の1つがカウンタ電極セグメントを損なうように意図的に使用されたとしても、短絡は発生しないであろう。というのは、上記保護手段が接触手段の下に少なくとも完全に配置されているからである。
【0037】
上記接触手段は、カプセル封止手段とカウンタ電極との間に配置されたバネを有することができる。従って、このバネはカウンタ電極セグメントと直接接触することができ、電流をカプセル封止手段からカウンタ電極へと流す。該バネはカウンタ電極セグメントに、例えば半田付け、レーザ溶接又は超音波溶接により取り付けることができる。該取り付け工程は、カウンタ電極及び/又はエレクトロルミネッセント積層部の貫通につながり得る。ここでも、下の保護手段が短絡を防止する。他の実施例において、上記バネはコイル状の接触板をカウンタ電極に押圧する。このコイル状のエレメントの表面が完全に平らでなく、カウンタ電極の一部を貫通し得るとしても、短絡は発生しないであろう。というのは、下の保護手段が、上記接触手段の表面が基板電極に電気的に接触するのを防止するからである。
【0038】
他の好ましい実施例において、上記接触手段は円弧状のバネを有することができる。円弧状のバネはカプセル封止手段に容易に取り付けることができ、当該接触手段とカウンタ電極との間の接触が容易に確立される。他の好ましい実施例において、上記接触手段は丸められた先端である。該接触手段はバネも有することもでき、該バネは上記の丸められた先端をカウンタ電極に押圧する。該丸められた先端とカウンタ電極との間の大きな接触面積により、高信頼度の接触が確立される。
【0039】
上記カウンタ電極の面積にわたる電圧の一様な分布を達成するために、複数の接触手段がカウンタ電極及び/又はカウンタ電極セグメントに使用されて、カウンタ電極上の電流分布の均一性を改善することが好ましい。複数の接触手段を使用することにより、達成される電圧の分布が一層均一となる。上記接触手段は導電性接着剤により形成することができるので、複数の接触手段(例えば、導電性接着剤の滴)をカウンタ電極に塗布することは容易である。これらの導電性接着剤の滴は、カプセル封止手段に直接接触することができる。従って、当該エレクトロルミネッセント装置を電源に接続するには、カプセル封止手段を該電源に接続することが必要とされるのみである。導電性のカプセル封止手段の場合、該手段は、カウンタ電極セグメントを電気的に分離された状態に維持するために、適切なセグメント化を有さねばならない。カプセル封止手段は、殆どの場合、抵抗を有し、該抵抗はカウンタ電極のものより数桁小さい。従って、同一のカウンタ電極セグメント上に配置された全ての接触手段は、同じ電位に接続されるであろう。この結果、前記有機エレクトロルミネッセント層に対する均一な分布の電圧及び電流が得られ、対応するカウンタ電極セグメントの有機エレクトロルミネッセント層による人工光の一様な発生が得られる。カウンタ電極セグメントに使用される接触手段の数は、一方においてはカウンタ電極の抵抗に依存し、他方においてはカウンタ電極セグメントの寸法に依存する。既知のエレクトロルミネッセント装置に関して、2、4、5、8、16又は32なる数の接触手段がカウンタ電極セグメントに使用されるのが好ましいことが示されている。
【0040】
他の好ましい実施例において、当該エレクトロルミネッセント装置は、カウンタ電極セグメントを独立に動作させるために制御エレメントを有する。該制御エレメントは、当該エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極セグメントに流れ込む電流を操るために使用される。該制御エレメントは、好ましくは、カウンタ電極セグメントの各々の個別活性化のために使用される。好ましい実施例において、上記制御エレメントは能動回路又は集積回路である。これら回路は当該エレクトロルミネッセント装置に適用するのが容易であり、複数のエレクトロルミネッセント装置さえ単一の制御エレメントにより制御することができる。更に、該制御エレメントは電源に対する接続を介して制御信号を受信することができる。斯かる接続(例えば、ワイヤ)は、電気エネルギを伝送するのみならず、制御信号も伝送する。該制御エレメントは、カウンタ電極セグメントの動作条件を個別に制御するのを可能にする。例えば、第1カウンタ電極セグメントが高い輝度で動作されると共に隣接するカウンタ電極セグメントが低い輝度で動作されるようにすることができ、又は放出される光の色が、2以上の異なる有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部を用いて異なるカウンタ電極セグメントに関して別々に調整されるようにすることができる。
【0041】
本発明の前記目的は、エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極を電気的に分離された複数のカウンタ電極セグメントにセグメント化する方法であって、前記装置は基板を有すると共に、該基板上に基板電極、カウンタ電極及び上記基板電極とカウンタ電極との間に配置された少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部を有し、カプセル封止手段が少なくとも上記エレクトロルミネッセント積層部をカプセル封止し、当該方法が、
a.少なくとも1つの非導電性の保護手段を前記基板電極に被着するステップと、
b.前記基板電極及び前記被着された保護手段上に、少なくとも1つの連続した層の前記エレクトロルミネッセント積層部を堆積するステップと、
c.前記エレクトロルミネッセント積層部上に1つの連続したカウンタ電極を堆積するステップと、
d.前記保護手段の経路上において前記連続するカウンタ電極に少なくとも1つの分割部を挿入して、前記カウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントにセグメント化するステップであって、前記保護手段が上記分割部を超えるようなステップと、
を有する方法により達成される。
【0042】
前記エレクトロルミネッセント装置に関して述べた詳細及びフィーチャは、開示される方法にも当てはまり、その逆でもある。開示される方法において、上記分割部は、上記カウンタ電極に堆積後に挿入されるもので、従来技術におけるようにセパレータにより形成されるものではない。従って、上記基板電極にセパレータを用いる必要はない。これに代えて、上記分割部は連続するカウンタ電極に直接挿入される。従って、開示される方法は、従来技術と比較して、少ない数のステップしか要さない。更に、開示された方法は、上記分割部を生成するためにリソグラフィック及び/又はマスク処理を必要としない。
【0043】
本発明は、少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部が基板電極上に1つの連続した非構造化層として堆積されることを開示している。該エレクトロルミネッセント積層部は、前記保護手段によりセグメントに分割されてはいない。前記カウンタ電極及び、恐らくは、上記エレクトロルミネッセント積層部の少なくとも一部のセグメント化は、少なくとも1つの分割部を挿入することにより実施される。従って、有機エレクトロルミネッセント層は、上記保護手段によってではなく、上記有機エレクトロルミネッセント層の堆積の後に用いられる上記分割部によりセグメント化される。更に、上記分割部は上記保護手段の経路をたどる。このフィーチャは、上記分割部の進路が常に前記保護手段の経路をたどることを開示している。明らかなことに、前記基板電極に対する上記保護手段の被着は、さもなければ構造化されていないカウンタ電極における上記分割部の進路を決定する。上記保護手段により覆われる基板領域は、適用される分割部により分離されるカウンタ電極セグメントの形状を予め決定するものであり、該保護手段の堆積工程を調整することにより、各エレクトロルミネッセント装置に対して個別に変化させることができる。このことは、従来技術とは対照的に、エレクトロルミネッセント装置の柔軟且つ個別の構造化を可能にする。
【0044】
上記保護手段は、前記基板電極をカウンタ電極に対して高信頼度で絶縁することにより、有機層及びカウンタ電極を上記分割部による如何なる悪影響からも保護する層である。このようにして、該保護手段は上記2つの電極間の如何なる直接的接触も防止するので、短絡は発生しないであろう。該保護手段は非導電性接着剤又はフォトレジストを有することができる。該保護手段の領域は、上記分割部の領域上を超えて更に延在することができる。
【0045】
開示された方法の好ましい実施例は、上記分割部がカウンタ電極内に機械的ツール、好ましくはナイフ及び/又はメス(scalpel)、及び/又はレーザにより挿入されることを特徴としている。上記分割部はカウンタ電極内に上述したツールの1つにより容易に挿入することができる。前記保護手段は基板電極を如何なる損傷又は短絡の発生からも防止するので、上記分割部をカウンタ電極内に挿入するために複雑な手段を使用する必要はない。当業者であれば、本発明の範囲内で分割部を適用するために他の機械的ツールを選択することができる。
【0046】
当該方法の他の好ましい実施例において、前記カウンタ電極セグメントは前記カプセル封止手段に、電気的に分離されたカウンタ電極セグメントの各々上に接触手段を被着させることにより接続される。この実施例では、カウンタ電極セグメントの各々上に、個々の接触手段が被着される。該接触手段は、カウンタ電極セグメントを電源に接続するために使用される。電気的に分離されたカウンタ電極セグメントの各々に1つの接触手段を個別に被着させることにより、斯かるカウンタ電極セグメントの各々を個別に駆動することができ、及び/又は当該エレクトロルミネッセント装置を介しての電流の均一な分布を達成することができる。他の好ましい実施例は、前記接触手段を被着させるステップが前記保護手段上で実行され、該保護手段が該接触手段を超えていることを特徴とする。このステップを用いることにより、上記接触手段自体及び/又は該接触手段の被着が短絡につながらないことが保証される。上記接触手段及び/又は該接触手段の被着が、前記カウンタ電極セグメントの損傷及び/又は穿孔につながり得る。接触手段の斯かる部分は、基板電極に到達し、短絡につながり得る。このことは、前記基板電極上に配置されると共に当該接触手段を超える保護手段により防止される。従って、上記接触手段の如何なる部分及び/又は該接触手段により変形されたカウンタ電極セグメントの如何なる部分も、基板電極に到達し得ない。
【0047】
本発明は、本発明によるエレクトロルミネッセント装置の基板電極を、さもなければ構造化されていないカウンタ電極のセグメント化のために使用される分割部から保護するための少なくとも1つの非導電性保護手段の使用も開示する。請求項に記載される該保護手段は、基板電極上に配設されると共に、分割されたカウンタ電極と基板電極との間の電気的接触を防止する。従って、該保護手段は、カウンタ電極を複数のカウンタ電極セグメントに分離する上記分割部からの一種の遮蔽として働く。更に、本発明は、本発明によるエレクトロルミネッセント装置の基板電極を、さもなければ構造化されていないカウンタ電極のセグメント化のために使用される分割部から保護する非導電性保護手段としての非導電性接着剤の使用も開示する。請求項に記載された該非導電性接着剤は、上記基板電極に容易に塗布することができる。
【0048】
本発明は、本発明によるエレクトロルミネッセント装置の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントに接触するための導電性接着剤の使用も開示している。カウンタ電極に接触するために使用される既知の手段と比較した場合の導電性接着剤を使用する利点は、カウンタ電極とカプセル封止手段との間に複雑な製造工程なしに容易に適用することができる点にある。
【0049】
本発明の開示されたエレクトロルミネッセント装置を製造するために、前記積層部の様々な層が前記基板上に堆積される。該基板上に基板電極を堆積した後、前記保護手段を該基板電極に被着することができる。その後、有機層が堆積される。次いで、カウンタ電極が堆積される。最後に、前記分割部が上記保護手段の経路上において、さもなければ連続したカウンタ電極内に挿入され、該カウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントにセグメント化する。現状技術によれば、上記有機層及びカウンタ電極に対する好ましい堆積技術は真空蒸着である。真空蒸着は、堆積されるべき物質が蒸発源から基板への直線経路を辿るような堆積技術であり、指向性のある堆積につながる。前記保護手段が鋭いエッジ又はオーバーハング状の(張り出した)エッジを有する場合、影効果(shadowing effects)が生じ、この結果、上記有機層及びカウンタ電極に孔が形成される。影効果の出現につながるようなエッジを、シャドウイング・エッジと称する。このような望ましくない効果を防止するために、上記保護手段は滑らかな及び/又は連続した及び/又は鋭くないエッジ及び/又は丘状の形状を有することが好ましい。従って、本発明は、基板電極上にシャドウイング・エッジの出現を回避するような形状及び/又は物質特性及び/又は被着手順を有する保護手段を請求項に記載する。好ましい実施例において、シャドウイング・エッジの出現を回避する上記物質特性は、粘度、例えば上昇された温度における粘度である。好ましくは、該粘度は低いものとする。非導電性接着剤が保護手段として使用された場合、該非導電性接着剤は基板電極上に液体の形で塗布することができる。保護手段の該非導電性接着剤が、流れるのを可能にするような粘度を有する場合、該保護手段の滑らかな丘状の形状が得られ、該形状は影効果を防止する。鋭いエッジを生じるような材料が当該保護手段に使用される場合、影効果の出現を回避するために、当該基板上に異なる方向から材料を堆積すべく、幾つかの堆積源を使用することができる。当該保護手段上への連続した層の堆積を確かにするために、堆積の間に当該基板を回転し、さもなければ移動させることも好ましいであろう。
【0050】
また、本発明は、本発明によるエレクトロルミネッセント装置において基板電極として使用されるべきものであって、上側に少なくとも1つの保護手段を備えるような単一の連続した電極により覆われた基板にも関するものである。上記の"連続した"なる用語は、当該基板電極により被覆された基板領域が、当該基板上に、上記基板電極から電気的に隔離されたカプセル封止手段により覆われた有機エレクトロルミネッセント装置の基板領域のカプセル封止された領域内で第2の導電性領域を被着させるようには構成されていないような如何なる基板電極をも指す。
【0051】
上述したエレクトロルミネッセント装置及び/又は方法、並びに記載された実施例において本発明に従って使用されるべき構成部品及び請求項に記載された構成部品は、寸法、形状、材料の選択に関して如何なる特別な例外を受けるものではない。選択基準が当該分野において既知であるような技術的思想は、制限なしに適用することができる。本発明の目的の更なる詳細、特徴及び利点は、従属請求項及び各図の下記の説明に開示されており、これら図は、例示的なものにすぎず、本発明によるエレクトロルミネッセント装置の複数の好ましい実施例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、セグメント化されたカウンタ電極を備えるエレクトロルミネッセント装置の第1実施例を示す。
【図2】図2は、エレクトロルミネッセント装置の他の実施例を示す。
【図3】図3は、図2によるエレクトロルミネッセント装置の上面図である。
【図4】図4は、エレクトロルミネッセントの他の実施例を示す。
【図5】図5は、図4によるエレクトロルミネッセント装置の上面図である。
【図6】図6は、エレクトロルミネッセントの他の実施例を示す。
【図7】図7は、図6によるエレクトロルミネッセント装置の上面図である。
【図8】図8は、開示されたエレクトロルミネッセントの他の実施例を示す。
【図9】図9は、該エレクトロルミネッセント装置の上面図である。
【図10】図10は、エレクトロルミネッセントの他の実施例を示す。
【図11】図11は、保護手段を備えるエレクトロルミネッセント装置の断面図である。
【図12】図12は、従来技術において開示されたシャドウイング・エッジを持つセパレータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の更なる実施例を、添付図面を参照して説明する。
【0054】
図1には、本発明の第1実施例によるエレクトロルミネッセント装置10が示されている。該エレクトロルミネッセント装置は、基板電極20と、カウンタ電極30と、本例及び以下の例におけるエレクトロルミネッセント積層部としての有機エレクトロルミネッセント層50とを有している。該有機エレクトロルミネッセント層50は、基板電極20とカウンタ電極30との間に配設され、積層体を形成している。この積層体は基板40上に配置されている。図示の実施例において、基板電極20は約100nm厚のITO(透明で導電性の材料である)の層により形成されている。この基板電極20上に、有機エレクトロルミネッセント層50が堆積されている。基板電極20とカウンタ電極30との間に電圧が印加されると、有機エレクトロルミネッセント層50内の有機分子の幾つかが励起されて、結果的に人工光を放出し、該人工光が該有機エレクトロルミネッセント層50により放出される。カウンタ電極30は、基板電極20及び基板40を介して上記人工光を反射するミラーとして作用するようなアルミニウムの層により形成されている。光を周囲に放出するために、この実施例における基板40はガラスから形成されている。このように、図1によるエレクトロルミネッセント装置は、底面発光型OLEDである。以下の図に示されるエレクトロルミネッセント装置10並びに該装置の構成部品及び本発明に従い使用される構成部品は、実寸では示されていない。特に、電極20、30、有機エレクトロルミネッセント層50及び基板40の厚さは実寸通りではない。全ての図は、本発明を明瞭化するためだけのものである。
【0055】
図1に見られるように、有機エレクトロルミネッセント層50及びカウンタ電極30は、カプセル封止手段90によりカプセル封止されている。このカプセル封止手段90は、蓋状の形状を有している。更に、当該エレクトロルミネッセント装置10は、カウンタ電極30を電源に電気的に接触させるための少なくとも1つの接触手段60を有している。従って、該接触手段60は、カウンタ電極30から上記電源までの導電経路の一部である。
【0056】
本発明の狙いは、容易に製造することが可能な、複数の電気的に分離されたセグメントを備えるエレクトロルミネッセント装置を達成することである。図1には、カウンタ電極30が2つの分割部(divide)80、80'により複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110、110'、110"に分割されていることが示されている。以下では、分離されたカウンタ電極セグメント110、110'、110"を、セグメント110、110'、110"とも称する。保護手段70が基板電極20に被着されている。この保護手段70は、非導電性である。更に、該非導電性保護手段70は、分割部80、80'の下の基板電極20上に当該分割部80、80'を超えて配設されている。保護手段70は、基板電極20上に、シャドウイング・エッジ(影効果を生じさせるエッジ)の出現を回避するのに適した形状で設けられる。このように、図示の実施例では、保護手段70は非導電性接着剤により形成されると共に、有機エレクトロルミネッセント層50及びカウンタ電極30内に孔を生じさせるようなシャドウイング・エッジを持たない滑らかな丘状の形状を有している。保護手段70の非導電性接着剤は基板電極20に塗布され、その後に、分割部80、80'をカウンタ電極30内に侵入させることができる。これは、機械式ツール又はレーザにより実施することができる。カウンタ電極30を分割することにより、複数のセグメント110、110'、110"が確立される。保護手段70は、2つの電極20、30の間で短絡が生じ得ないことを保証する。更に、保護手段70は、分割部80、80'の侵入の間に基板電極20が損なわれることを防止する。上記分割部は、少なくとも上記カウンタ電極は分割する一方、エレクトロルミネッセント積層部50の一部も分割し得るか、又は上記保護手段まで延在もし得る。
【0057】
図1の実施例において、接触手段60はカウンタ電極30に塗布される導電性接着剤である。カプセル封止手段90は、3つの導電性接触領域100を有している。図1に見られるように、接触手段60の導電性接着剤は、カプセル封止手段90の接触領域100に直接接触している。図1によるエレクトロルミネッセント装置10を使用するには、人工光を発生させるために接触領域100を電源に接続しなければならないだけである。各接触領域100は、接触手段60及び/又はカウンタ電極セグメント110、110'、110"より一層頑丈で大きいので、上記電源に対する接続は既知の手段で容易に実施することができる。例えば、ワイヤをカプセル封止手段90の接触領域100に溶接することができる。接触領域100は、カプセル封止手段90に埋め込まれた金属ディスクにより形成することができる。この金属ディスクは導電性であり、従って接触手段60と電源との間の橋渡しとして使用することができる。図示の実施例において、カプセル封止手段90は基板電極20上に配置され、且つ、導電性である。短絡を防止するために、カプセル封止手段90は、接触領域100を取り囲む絶縁境界101を有している。この構成は、接触領域100と当該カプセル封止手段90の上部95との間の如何なる直接的接触も防止する。図示の実施例とは別に、接触領域100はカプセル封止手段90に埋め込まれたディスクによってのみ形成され得るものではない。カプセル封止手段90が、導電性領域100が形成されるように導電性粒子により部分的にドーピングされた一体型エレメントであるとすることもできる。この実施例において、当該カプセル封止手段の残部(非導電性である)は、上記接触領域100を基板電極20に対して絶縁する。
【0058】
図示された実施例において、カプセル封止手段90は、一方においては基板電極20上に基礎をおくと共に、他方においては接触手段60の導電性接着剤と接触している。短絡を防止するために、カプセル封止手段90の少なくとも一部及び/又はカプセル封止手段90全体は、基板電極20に対して絶縁されなければならない。
【0059】
図示された実施例において、カプセル封止手段90の上部95は導電性であるが、該カプセル封止手段90の側部96は電気的に絶縁性である。従って、カウンタ電極30と基板電極20との間の短絡は防止される。使用の形態に応じて、カプセル封止手段90は下記の特性を有することができる。
【表1】

【0060】
第1のケースでは、カプセル封止手段90は基板電極20に対して絶縁されなければならない。従って、絶縁リム94(図4に示される)が当該カプセル封止手段90に被着されねばならない。第3のケースでは、カプセル封止手段90の側部96が導電性の上部95を基板電極20に対して絶縁するので、如何なる絶縁リム94も必要ではない。第2のケースでは、接触手段60と接続するために、導電性の貫通接続部(feed through)を当該カプセル封止手段の絶縁性上部95に適用することができる。カプセル封止手段90の側部96及び上部95が絶縁性である第4のケースにも同様のことが当てはまる。基板電極20は、接続手段93'を介して電源に接続される。好適な接続手段93'は、当業者により既知である。
【0061】
分割部80、80'の断面の形状は、該分割部80、80'をカウンタ電極30及び、恐らくは、有機エレクトロルミネッセント層50の一部内に侵入させるために使用されるツールに依存する。更に、分割部80、80'の形状は、上記カウンタ電極及び/又は有機エレクトロルミネッセント層50の物質特性に依存する。分割部80、80'により達成されるべき唯一の狙いは、カウンタ電極セグメント110、110'、110"の間の電気的接触が生じ得ないような、これらカウンタ電極セグメント110、110'、110"の安全な分離である。この狙いを達成するために、分割部80、80'は、
− V字状(図1参照)、
− 2段形状(図2参照)、又は
− U字状(図8参照)、
を有することができる。
【0062】
分割部80、80'の断面の上述した及び図示された形状は、例示的なものに過ぎない。分割部80、80'は、前述した狙いを達成するために有効であり、当該エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極30内に容易に侵入させることが可能な如何なる断面を有することもできる。
【0063】
非導電性の保護手段70は、分割部80、80'の下の基板電極20上に当該分割部80、80'を超えて配置される。保護手段70が分割部80、80'の下に該分割部を超えて配置されるという表現は、
− 保護手段70が、分割部80、80'がカウンタ電極30内に侵入される領域の完全に下である、及び
− 保護手段70により覆われる幅(保護幅195)が、分割部80、80'の幅(分割部幅190)を超える、
ことを示す。
【0064】
従って、保護手段70は、分割部80、80'の下の領域を少なくとも完全に覆っている。
【0065】
分割部80、80'は、セグメント110、110'が電気的な接触を有さないことを保証するような幅及び深さを有する。従って、分割部80、80'の分割部幅190は、カウンタ電極30の厚さと比較して十分に大きくすることができる。更に、分割部80、80'は、カウンタ電極30のみに侵入するか、又はカウンタ電極30及び有機エレクトロルミネッセント層50の一部に侵入することができるか、又は保護手段70上に堆積された全ての層に侵入することができる。別の実施例において、分割部80、80'は、カウンタ電極30を複数のセグメント110、110'に分離するのみならず、エレクトロルミネッセント層50も分離する。これが、図2及び図8に示されている。図8においては、当該エレクトロルミネッセント装置10は、U字状の分割部80、80'を有している。これは、図1に示されるV字状の分割部80、80'とは対照的である。図8のU字状の分割部80、80'は、カウンタ電極30を分離するのみならず、有機エレクトロルミネッセント層50も電気的に分離された区画に分離する。保護手段70は、分割部80、80'が基板電極20に到達することを防止する。
【0066】
図2及び3には、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の他の実施例が示されている。図2は、図3のエレクトロルミネッセント装置10の、切断線I−Iに沿う断面図を示す。見られるように、分割部80、80'は、カウンタ電極30を2つの電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110、110'に分割する2段形状を有している。分割部80、80'の下には、保護手段70が基板電極20上に配設されている。図示された保護手段70は、滑らかな丘状構造を有している。これにより、上記基板電極上に、エレクトロルミネッセント積層部を形成する1つの連続した層を堆積することが可能となる。該エレクトロルミネッセント積層部上に1つの連続したカウンタ電極30を堆積した後、分割部80、80'を侵入させることができる。分割部幅190は、保護幅195より小さい。従って、分割部80、80'の侵入が基板電極20を損なうことが防止される。
【0067】
更に、図2には、カプセル封止手段90の他の実施例が開示されている。この実施例において、当該カプセル封止手段は2つの導電性の気密貫通接続部92を有している。これらの貫通接続部92は、接触手段60に接続されている。これは、図示されたように、一方においては貫通接続部92につながり、他方においては接触手段60につながる接続手段93、93'により実施され得る。該接続手段93、93'は、ワイヤ、箔又は当業者により既知の他の導電性エレメントとすることができる。貫通接続部92が接触手段60に直接接触することもあり得る。従って、積層体上にカプセル封止手段90を取り付ける間に、上記気密貫通接続部92を、接触手段60の未硬化導電性接着剤に厚入することができる。硬化した後、上記気密貫通接続部92と接触手段60との間には電気的接触が存在することになる。カプセル封止手段90の外側において、上記気密貫通接続部92は電源に接触され得る。図示の実施例においては、カプセル封止手段90が全体として導電性であると仮定されている。従って、上記気密貫通接続部92が絶縁手段97を有することが適切である。この絶縁手段97は、貫通接続部92(カウンタ電極30と接続されている)とカプセル封止手段90(基板電極20と接続されている)との間の如何なる短絡も防止する。この絶縁手段97は、セラミック、ガラスから形成されるか、又は再融解されたガラスフリットから形成することができる。上記気密貫通接続部92に対して絶縁手段97が存在しない場合、カプセル封止手段90の上部95を絶縁性とすることもできる。このようにして、上述した2つの電極20、30の間の短絡も防止される。
【0068】
図3には、図2によるエレクトロルミネッセント装置10の上面図が示されている。理解を容易にするために、図3のエレクトロルミネッセント装置10はカプセル封止手段90なしで図示されている。見られるように、カウンタ電極30は、2つの分離したセグメント110、110'にセグメント化されている。図示されたエレクトロルミネッセント装置10は、連続した基板電極20が堆積された基板を有している。該基板電極20上には、保護手段70が被着されている。該保護手段70は、U字状の外側境界を形成している。このように、保護手段70の経路は閉じている。保護手段70及び基板電極20上には、連続したエレクトロルミネッセント積層部及び連続したカウンタ電極30が堆積された。その後、分割部80、80'が侵入された。この分割部80、80'は、保護手段70の経路を辿り、カウンタ電極30を2つの電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110、110'にセグメント化する。見られるように、保護手段70の寸法は分割部80、80'を超えている。上記セグメントのうちの一方110である内側セグメントは、U字状を呈する。内側セグメント110は、電気的に分離された外側セグメント110'により囲まれている。内側セグメント110及び外側セグメント110'は電気的に分離されているので、これらセグメントは個別に駆動することができる。図2が示すように、上述した2つのセグメント110、110'の各々は、接触手段60を有している。これら接触手段60は、絶縁手段97により相互に絶縁された気密貫通接続部92に接続されている。従って、セグメント110、110'の各々は、個別に電源に接続することができる。この構成は、図示のエレクトロルミネッセント装置10のユーザが、
− 内側セグメント110が光を放出すべきであるか、
− 外側セグメント110'が光を放出すべきであるか、又は
− 両セグメント110、110'が等しい若しくは異なる輝度及び/又は色の光を放出すべきであるか、
を選択することを可能にする。
【0069】
好ましい実施例において、当該エレクトロルミネッセント装置はカウンタ電極セグメント110、110'を個別に制御し及び/又は動作させるための制御エレメント(図示略)を有することができる。
【0070】
図4及び5には、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の他の実施例が図示されている。図4は、図5のエレクトロルミネッセント装置10の切断線I−Iに沿う断面図を示している。図2のエレクトロルミネッセント装置10とは異なり、図4のエレクトロルミネッセント装置10は、一方において、V字状の分割部80、80'を有している。このような分割部は、カウンタ電極30及び有機エレクトロルミネッセント層50の一部に、スカルペル(メス)等の機械的ツールにより侵入させることができる。この場合も、保護幅195は分割部幅190より大きい。また、分割部80、80'は保護手段70の経路を辿る。少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部50の堆積の間において孔又は空洞が生じないことを保証するために、保護手段70は滑らかな及び/又は連続した形状を有している。これは、上記エレクトロルミネッセント積層部の堆積の間において、堆積される粒子が保護手段70の全表面を覆うことができることを保証する。
【0071】
図1におけるのと同様に、図4の接触手段60はカプセル封止手段90の上部と直接接触することはない。接続手段93は、ワイヤとすることができるが、導電性上部95と接触手段60との間に間隙を生じさせる当業者により既知の如何なる他の手段とすることもできる。図示の実施例において、カプセル封止手段90の上部95及び側部96は導電性である。従って、当該エレクトロルミネッセント装置10はカプセル封止手段90の如何なる位置においても電源と接続することができる。自身の材料特性及び/又は寸法により、カプセル封止手段90はカウンタ電極30の抵抗と比較して低い抵抗を有している。従って、ユーザは、電源に接続するためにカプセル封止手段90の最も都合の良い区域を利用することができる。カウンタ電極30と基板電極20との間の短絡を防止するために、当該エレクトロルミネッセント装置10には絶縁リム94が取り付けられる。この絶縁リム94は、基板電極20とカプセル封止手段90の側部96との間に配設される。従って、基板電極20と、カプセル封止手段90との間又はカウンタ電極30との間には直接的な電気的接触は存在しない。
【0072】
図5に見られるように、保護手段70は閉じた円を形成する。閉じた円を形成する該保護手段70の経路上には、分割部80が設けられる。ここでも、外側セグメント110'及び内側セグメント110が形成される。これらセグメントは、セグメント110、110'を電源に接続するために使用される2つの接触手段60により個別に駆動することができる。
【0073】
図6及び7には、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の更に他の実施例が図示されている。図6は、図7によるエレクトロルミネッセント装置10の切断線I−Iに沿う断面図を示している。図4及び5によるエレクトロルミネッセント装置10とは異なり、エレクトロルミネッセント装置10の図示の実施例は、3つの電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110、110'、110"にセグメント化されたカウンタ電極30を有している。これら3つのセグメント110、110'、110"の各々は、接触手段60を有している。該接触手段60は、これらが保護手段70上に配置される位置において上記カウンタ電極に被着される。従って、接触手段60がカウンタ電極30を損なったとしても、短絡は発生しないであろう。というのは、絶縁性の保護手段70が、これを防止するからである。その他では、図6及び7によるエレクトロルミネッセント装置10の設計及び構成要素は、図4及び5のものと同一である。
【0074】
図8には、接触手段60の他の実施例が図示されている。この実施例において、接触手段60は、バネによりカウンタ電極30上に押圧される、丸められた先端を持つ手段を有している。丸められた先端を持つ該手段及び上記バネは、当該接触手段60が横方向にずれないことを保証するためにガイド内に配置される。丸められた先端を持つ該手段はカウンタ電極30上に押圧されるので、該手段がカウンタ電極30及び有機エレクトロルミネッセント層50内に侵入し、基板電極20に到達し得る確率が存在し、これは短絡につながるであろう。これを防止するために、接触手段60は保護手段70の上に配置される。上記接触手段60の丸められた先端を持つ手段が、カウンタ電極30及び有機エレクトロルミネッセント層50に侵入したとしても、短絡は生じないであろう。図示の実施例において、接触手段60の下の保護手段70により覆われた基板電極20の領域は、カウンタ電極30上の接触手段60と接触している領域(接触面積)を超えている。図8のエレクトロルミネッセント装置10の他の全てのフィーチャは、図1及び2によるものに基づくものである。
【0075】
図9には、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の他の上面図が示されている。カウンタ電極30は、分割部80により2つのセグメント110、110'に分割されている。分割部80の下には、該分割部80の全領域を覆うように、基板電極20まで延びる保護手段70が配設されている。該保護手段70は、分割部80を侵入させる間に2つの電極30、20の間で短絡が生じ得ないことを保証する。更に、2つの接触手段60がカウンタ電極30に被着される。これらの接触手段60は、カウンタ電極セグメント110、110'上に、保護手段70の上に位置するように配置される。非導電性保護手段70は、基板電極20上に配置されると共に、分割部80及び接触手段60の下の領域を少なくとも完全に覆っている。この構成は、接触手段60の被着がカウンタ電極30を損なったとしても、これが、保護手段70により防止される故に、短絡につながらないという利点を有している。このように、保護手段70は、分割部80による又は接触手段60によるものであり得る短絡を防止する。図9に直線として配置された保護手段は、一例に過ぎない。該保護手段は、カウンタ電極の所望のセグメント化に応じて、異なるように配設されてもよい。
【0076】
図10は、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の他の実施例を図示している。前述したように、保護手段70は非導電性である。従って、保護手段70の領域においては、カウンタ電極30から基板電極20に向かって電流は流れることはできない。従って、保護手段70の下の領域は、より暗く見え得る。このように、有機エレクトロルミネッセント層50により発生された光を散乱させるために、保護手段70が少なくとも1つの散乱手段180を有することが好ましい。該散乱手段180は、顔料及び/又は粒子を有することができ、及び/又は顔料及び/又は粒子とすることができる。この手段は、保護手段70の下の領域が周囲よりも暗く見え得ることを防止する。これらの散乱手段180は、マイカ若しくはアルミニウムの薄片、又はTiO粒子等の高屈折率をもつ材料を有することができる。該散乱手段180は、基板40内を案内される可視光の及び/又は人工光の一部も反射し、従って、保護手段70の下のさもなければ発光しない層を明るくさせる。当該エレクトロルミネッセント装置10の他の全てのフィーチャは、図1及び2に示したエレクトロルミネッセント装置10に対応する。
【0077】
図11には、エレクトロルミネッセント装置10の一部が示されている。図11は、基板電極20上に堆積される層の拡大図である。これら層の寸法は実寸通りではないことに注意すべきである。基板40上には、基板電極20が堆積されている。この基板電極20上には、保護手段70が配設されている。該保護手段70は有機エレクトロルミネッセント層50内に埋め込まれている。この有機エレクトロルミネッセント層50上には、カウンタ電極30が堆積されている。該カウンタ電極30を電源に接続するために、該カウンタ電極30に接触手段60が被着されている。図示の実施例において、接触手段60は導電性接着剤であり、保護手段70は非導電性接着剤を有する。基板40に上記種々の層を被着した後、分割部80をカウンタ電極30内に及び少なくとも部分的に有機エレクトロルミネッセント層50内に侵入させることができる。これは、メス等の機械的ツールにより実施することができる。この機械的ツールはカウンタ電極30を2つのセグメント110、110'に切断し、これらセグメントは前述したように個別に駆動されるようになる。保護手段70により、基板電極20とカウンタ電極30との間には短絡は発生し得ない。
【0078】
種々の電極20、30及びエレクトロルミネッセント層50は、基板40に層の形で被着される。基板電極20を被着した後に、該基板電極20上には保護手段70が堆積されねばならない。該保護手段70は、基板電極20上にシャドウイング・エッジの出現を回避するのに適した形状で配設される。従って、保護手段70は、基板電極20上におけるシャドウイング・エッジの出現を回避するような物質特性を有することができる。該保護手段70が非常に剛質の材料を有していたとしたら、該手段は垂直の又は垂直に近いエッジを有し得る。このような保護手段70を被着させた後では、有機エレクトロルミネッセント層50の堆積の間において、保護手段70の側部に空隙又は空洞が生じるであろう。これを防止するために、保護手段70は、斯様なシャドウイング・エッジを回避するような材料特性を有さなければならない。好ましい実施例において、該材料特性は粘度である。従って、当該保護手段を形成する材料は、基板電極20上で流れるであろう。かくして、シャドウイング・エッジは存在しないであろう。保護手段70は、好ましくは、2段階被着手順を可能にするような、上昇された温度での粘度を有するものとする。第1ステップにおいて、非導電性接着剤等の当該保護手段を形成する材料が基板電極20に塗布される。該接着剤の粘度により、該保護手段70の材料は上記基板電極上を外方に向かって流れるであろう。好ましくは、該保護手段70の材料は、規定された厚さを持つ丘状の形状の保護手段70を形成するために、該材料がゆっくりと流れるのを可能にするような材料特性を有するものとする。次いで、該保護手段の及び/又は該保護手段の材料の温度が上昇されて、粘度が低下され、かくして非常に滑らかな形状の堆積物を形成する。次いで、該堆積物は、最終的に保護手段70を形成すべく、硬化すべきである。基板電極20上を、シャドウイング・エッジが形成されないように流れるという、該保護手段の能力及び/又は材料特性は、開示されたエレクトロルミネッセント装置10の製造を可能にする。
【0079】
本発明を更に説明するために、図12には、従来技術に開示された方法により作製されたエレクトロルミネッセント装置の断面図が示される。米国特許出願公開第2005/142974号には、カウンタ電極を電気的に分離されたセグメントに分割するために、セパレータ230を使用することが開示されている。図12が示すように、基板200上に基板電極層210が堆積される。この基板電極層210上には、逆テーパ形状(逆先細り形状)を持つセパレータ230が堆積される。層を堆積するために、真空蒸着法を使用することができる。言われているように、真空蒸着法は、矢印220により示されているように、堆積すべき物質が蒸発源から基板電極層210への直線経路を辿るような堆積技術である。セパレータ230は逆テーパ形状を有しているので、これらセパレータはシャドウイング・エッジ(影効果を生じるエッジ)240も有している。当該物質の堆積220は基板層200に対して概ね直角に行われるので、上記シャドウイング・エッジ240は基板電極層210の一部を遮蔽する。従って、当該物質が堆積層260を形成することができない、遮蔽された領域250が生じる。このような遮蔽された領域250を防止するために、本発明は、前記保護手段70がシャドウイング・エッジの出現を回避するのに適した形状を有することを開示するものである。斯かる保護手段70の形状は、物質の堆積220の間に、遮蔽された領域250が生じないことを保証する。従って、前記エレクトロルミネッセント積層部及び/又はカウンタ電極の堆積の間に、連続した層が形成される。カウンタ電極30の複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメント110、110'、110"への分離は、保護手段70自体によりなされるのではない。本発明においては、分割部80、80'が、さもなければ構造化されない、連続的に被着されたカウンタ電極及び/又はエレクトロルミネッセント積層部に侵入されねばならない。
【実施例1】
【0080】
実験例において、前記保護手段は二液型エポキシ接着剤(UHU plus schnellfest、硬化時間5分)から形成された。バインダ及び硬化剤は1:1の所定比で混合され、次いで室温でITO被覆ガラス基板に閉じたループ状に塗布された。次いで、該基板はホットプレート上で15分間60℃まで加熱された。この加熱は、先ず上記接着剤が滑らか丘の形状となるように流れ、次いで急速に硬化するのを可能にした。この手順は、グローブボックス内において乾燥窒素雰囲気(1ppm未満の水分)で実行された。次いで、該硬化された保護手段を備える基板は、真空チェンバ内に導入され、前記有機層及びカウンタ電極が堆積された。次いで、上記閉じたループの保護手段上のカウンタ電極及び有機層をスカルペル(メス)により除去することにより前記分割部が形成された。該完成した装置は、次いで、該装置の前記保護手段の位置に2つの孔を有するガラス製覆い蓋によりカプセル封止された。該覆い蓋はUV硬化接着剤により取り付けられた。水分のゲッタが、上記基板及び蓋により形成される空洞内に配置された。最後のステップにおいて、導電性接着剤(Chemtronics Inc.のサーキットワーク導電性エポキシCW200)が前記覆い蓋の孔を介して前記保護手段の2つの位置におけるカウンタ電極に供給され、小さな黄銅バネを備える2つの黄銅板が二液型エポキシにより上記覆い蓋に取り付けられて、該覆い蓋の孔を、前記黄銅バネが前記導電性接着剤に埋め込まれるようにして閉じた。全接着剤の硬化(約1時間)の後、電源のプラスのリード線を前記基板電極が露出された当該基板のリムに接続すると共に、マイナスのリード線を上記覆い蓋上の黄銅板の一方又は両方に接続することにより、当該OLEDは高信頼度で駆動された。前記エレクトロルミネッセント積層部及びアルミニウムから形成されたカウンタ電極は、上記保護手段を亀裂又は孔を伴わずに覆った。該保護手段の位置では、光の放出はなかった。
【実施例2】
【0081】
第2の実験例において、前記接着剤のバインダはTiO粒子と混合されて、白色の物質を得た。当該手順の残りの部分は、正確に上述したもののように継続された。全接着剤を硬化した(約1時間)後、電源のプラスのリード線を前記基板電極が露出された当該基板のリムに接続すると共に、マイナスのリード線を上記覆い蓋上の黄銅板の一方又は両方に接続することにより、当該OLEDは高信頼度で駆動された。前記エレクトロルミネッセント積層部及びアルミニウムから形成されたカウンタ電極は、上記保護手段を亀裂又は孔を伴わずに覆った。該保護手段の位置では、前記接着剤に埋め込まれたTiO粒子により当該基板内を案内される光の散乱により、光の放出が存在した。
【0082】
上述した実施例は、一例として、前記積層部内に有機エレクトロルミネッセント層50を有する。他の実施例では、本発明の範囲内において、前記エレクトロルミネッセント積層部は、有機エレクトロルミネッセント層50に加えて、ホール輸送層、ホール阻止層、電子輸送層、電子阻止層、電荷注入層、他の導電層等の層を有することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 エレクトロルミネッセント装置
20 基板電極
30 カウンタ電極
31 カウンタ電極セグメント
40 基板
50 有機エレクトロルミネッセント層
60 接触手段
70 保護手段
80、80' 分割部
90 カプセル封止手段
92 気密貫通接続部
93、93' 接続手段
94 絶縁リム
95 カプセル封止手段の上部
96 カプセル封止手段の側部
97 気密貫通接続部92のための絶縁手段
100 接触領域
101 接触領域のための絶縁境界
110、110'、110" カウンタ電極セグメント
170 ゲッタ
180 散乱手段
190 分割部幅
195 保護幅
200 基板層
210 基板電極層
220 物質の堆積
230 セパレータ
240 シャドウイング・エッジ
250 遮蔽された領域
260 堆積された層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
該基板上に設けられる、基板電極、カウンタ電極及び前記基板電極と前記カウンタ電極との間に配置された少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部と、
前記エレクトロルミネッセント積層部を少なくともカプセル封止するカプセル封止手段と、
少なくとも前記カウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントに分割する少なくとも1つの分割部と、
前記分割部の下に設けられる、前記基板電極上に前記分割部を超えて、シャドーイング・エッジの出現を回避するのに適した形状で配置される非導電性の保護手段と、
を有するエレクトロルミネッセント装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレクトロルミネッセント装置において、前記保護手段が、非導電性接着剤及び/又はフォトレジスト及び/又はラッカ及び/又はペンキ及び/又は再融解ガラスフリットから形成されるガラスの層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のエレクトロルミネッセント装置において、当該エレクトロルミネッセント装置が、前記カウンタ電極の少なくとも1つのカウンタ電極セグメントを電源に電気的に接触させるための少なくとも1つの接触手段を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエレクトロルミネッセント装置において、前記接触手段が導電性接着剤及び/又は導電性ラッカ及び/又は導電性ペンキを有することを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のエレクトロルミネッセント装置において、前記接触手段が完全に前記保護手段の上方に配置されることを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエレクトロルミネッセント装置において、前記接触手段が、少なくとも1つのカウンタ電極セグメントに対して機械的接触を確立する機械的接触エレメント及び/又は導電性接着剤を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載のエレクトロルミネッセント装置において、前記カプセル封止手段が前記接触手段に電気的に接続されることを特徴とするエレクトロルミネッセント装置。
【請求項8】
エレクトロルミネッセント装置のカウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントにセグメント化する方法であって、前記エレクトロルミネッセント装置は、
基板と、
該基板上に設けられる、基板電極、カウンタ電極及び前記基板電極と前記カウンタ電極との間に配置された少なくとも1つの有機エレクトロルミネッセント層を備えるエレクトロルミネッセント積層部と、
を有し、
カプセル封止手段が少なくとも前記エレクトロルミネッセント積層部をカプセル封止し、当該方法が、
a.少なくとも1つの非導電性の保護手段を前記基板電極に被着するステップと、
b.前記基板電極及び前記被着された保護手段上に、少なくとも1つの連続した層の前記エレクトロルミネッセント積層部を堆積するステップと、
c.前記エレクトロルミネッセント積層部上に1つの連続したカウンタ電極を堆積するステップと、
d.前記保護手段の経路の上方において前記連続するカウンタ電極内に少なくとも1つの分割部を侵入させて、前記カウンタ電極を複数の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントにセグメント化するステップであって、前記保護手段が前記分割部を超えているようなステップと、
を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記分割部が前記カウンタ電極内に、好ましくはナイフ及び/又はメスである機械的ツール、及び/又はレーザにより侵入されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の方法において、前記カウンタ電極セグメントが前記カプセル封止手段に、前記電気的に分離されたカウンタ電極セグメントの各々上に接触手段を被着させることにより接続されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記接触手段を被着させるステップが前記保護手段の上方において実行され、該保護手段が前記接触手段を超えていることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載のエレクトロルミネッセント装置の基板電極を、さもなければ構造化されないカウンタ電極のセグメント化に使用される分割部から保護するために少なくとも1つの非導電性保護手段を使用する方法。
【請求項13】
請求項1に記載のエレクトロルミネッセント装置の電気的に分離されたカウンタ電極セグメントに接触させるために導電性接着剤を使用する方法。
【請求項14】
基板電極上のシャドウイング・エッジの出現を回避する物質特性であって、粘度、より好ましくは上昇された温度での粘度である物質特性を有する保護手段。
【請求項15】
請求項1に記載のエレクトロルミネッセント装置において前記基板電極として使用されるべき、上部に少なくとも1つの保護手段を備える1つの連続した電極のみにより覆われた基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−517089(P2012−517089A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548817(P2011−548817)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050368
【国際公開番号】WO2010/089681
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】