説明

エレベータによる自律走行車の移動システム

【課題】簡単に導入できるエレベータによる自律走行車の移動システムを提供する。
【解決手段】建物11内のエレベータ制御盤16に有線接続して中継装置31を設置し、中継装置31に無線通信ネットワーク5に接続可能な中継無線装置32と、中継SS無線装置33とを設け、自律走行車1に無線通信ネットワーク5に接続可能な走行無線装置22と、走行SS無線装置23とを設ける。自律走行車1の走行無線装置22から無線通信ネットワーク5及び中継無線装置32を介してエレベータ制御盤16に乗り場呼び信号を送信して、エレベータ籠14を待機階に移動させ、エレベータ籠14内において、走行SS無線装置23から中継SS無線装置33を介してエレベータ制御盤16に行先階指定信号を送信して、エレベータ籠14を所望の行先階に移動させる。従来のように各階に自動呼出装置を設置する必要がなく、既存の建物にも簡単に導入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行して所定の作業を行う清掃ロボット、警備ロボット等の自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータによる自律走行車の移動システムとしては、例えば特許文献1記載のように、自律走行車が走行する各階のエレベータの外側に設置された手動呼出装置を覆うように手動呼出装置の呼出しボタンをON/OFFするソレノイドを有する自動呼出装置を装着し、これら各階の自動呼出装置をネットワークを介して駆動可能に自動呼出装置駆動部に接続し、自律走行車と自動呼出装置駆動部とは無線により通信可能に接続して、自律走行車から無線送信された移動データに基づいて、自動呼出装置駆動部を介して対応する自動呼出装置のソレノイドを動作させて呼出しボタンをON/OFFさせるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−302353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示の移動システムにあっては、自動呼出装置は、自律走行車が走行する各階に設置しなければならないため、自律走行車の走行階数が多くなる程、自動呼出装置の設置及び取り外し作業に大きな負担がかかることになり、システムの導入に費用が嵩むことが懸念される。
【0005】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、安価な費用で簡単に導入できるエレベータによる自律走行車の移動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する請求項1に記載のエレベータによる自律走行車の移動システムの発明は、自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、該中継装置に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置及び中継SS無線装置と、上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置及び上記中継SS無線装置と無線接続可能な走行SS無線装置とを備え、上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することによりエレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行SS無線装置から上記中継SS無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信して該行先階指定信号を上記中継SS無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とする。
【0007】
この発明によると、建物側には、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置と、中継SS無線装置とを有する中継装置を設置して、中継装置をエレベータ制御盤に有線により接続すればよく、従来のように自律走行車が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、既存の建物にも安価で簡単に導入することができる。また、エレベータ籠内では、走行SS無線装置と中継SS無線装置との直接通信により、エレベータ制御盤に行先階指定信号を送信するので、建物が高層であっても、自律走行車を所望の階に確実に移動させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1のエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記エレベータ制御盤は、上記自律走行車が待機する階に上記エレベータ籠が位置する状態で、当該階の乗り場扉の開動作が終了すると上記中継装置から上記中継無線装置及び上記無線通信ネットワークを介して上記走行無線装置に乗り場扉開信号を送信し、上記自律走行車は、上記走行無線装置が上記扉開信号を受信すると上記エレベータ籠内への移動を開始し、該移動が完了すると上記走行SS無線装置から上記中継SS無線装置及び上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に乗車完了信号を送信し、上記エレベータ制御盤は、上記乗車完了信号を受信すると上記乗り場扉の閉動作を開始することを特徴とする。
【0009】
この発明によると、自律走行車が待機する階において自律走行車は、エレベータ制御盤からの乗り場扉開信号を受信してから、エレベータ籠内への移動を開始し、エレベータ制御盤は、自律走行車からの乗車完了信号を受信してから乗り場扉の閉動作を開始するので、自律走行車のエレベータ籠への乗車動作を安全かつ確実に実行できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記エレベータ制御盤は、上記エレベータ籠が上記所望の行先階に移動してエレベータ籠内扉の開動作が終了すると上記中継SS無線装置から上記走行SS無線装置に籠内扉開信号を送信し、上記自律走行車は、上記走行SS無線装置が上記籠内扉開信号を受信すると、上記エレベータ籠外への移動を開始し、該籠外への移動が完了すると上記走行無線装置から上記無線通信ネットワーク、上記中継無線装置及び上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に降車完了信号を送信し、上記エレベータ制御盤は、上記降車完了信号を受信すると上記エレベータ籠内扉の閉動作を開始することを特徴とする。
【0011】
この発明によると、エレベータ籠が所望の行先階に移動した後は、自律走行車は、エレベータ制御盤からの籠内扉開信号を受信してから、エレベータ籠外への移動を開始し、エレベータ制御盤は自律走行車からの乗車完了信号を受信してから、エレベータ籠内扉の閉動作を開始するので、自律走行車のエレベータ籠からの降車動作を安全かつ確実に実行することができる。
【0012】
上記目的を達成する請求項4に記載のエレベータによる自律走行車の移動システムの発明は、自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、該中継装置設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置と、上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と、エレベータ籠に設置したエレベータシャフトに露出して上記無線通信ネットワークとの間の通信を中継する無線中継器とを備え、上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することによりエレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行無線装置から上記無線中継器及び上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信して該行先階指定信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより、上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とする。
【0013】
この発明によると、建物側に、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置を有する中継装置を設置して、この中継装置をエレベータ制御盤に有線により接続するとともに、エレベータ籠にエレベータシャフトに露出して無線通信ネットワークとの間の通信を中継する無線中継器を設置すればよく、従来のように自律走行車が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、既存の建物にも安価な費用で簡単に導入することができる。また、エレベータ籠内では、無線中継器を介して無線通信ネットワークに接続して、エレベータ制御盤に行先階指定信号を送信するので、建物が高層であっても、自律走行車を所望の階に確実に移動させることができる。
【0014】
上記目的を達成する請求項5に記載のエレベータによる自律走行車の移動システムの発明は、自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、上記中継装置に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置と、上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と走行SS無線装置と、エレベータ籠内の操作パネルに装着自在に設置され、上記走行SS無線装置と無線接続可能な籠SS無線装置と、該籠SS無線装置による受信信号に基づいて上記操作パネルに設けられた対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータとを有するアダプタとを備え、上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に、上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより上記エレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行SS線装置から上記籠SS無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信することにより、上記行先階指定信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、建物側には、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置を有する中継装置を設置して、この中継装置をエレベータ制御盤に有線により接続するとともに、エレベータ籠内の操作パネルに着脱自在にアダプタを設置すればよく、従来のように自律走行車が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、既存の建物にも安価で簡単に導入することが可能となる。また、エレベータ籠内では、走行SS無線装置とアダプタの籠SS無線装置との直接通信により、アクチュエータを介して操作パネルの所望の行先階の押しボタンを操作するので、建物が高層であっても、自律走行車を所望の階に確実に移動させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項のエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記中継装置は、上記エレベータ制御盤を有するエレベータ機械室に設置したことを特徴とする。
【0017】
この発明によると、エレベータ制御盤を有するエレベータ機械室に中継装置を設置するので、エレベータ制御盤との接続が容易になる。さらに、エレベータ機械室は、エレベータ籠が昇降する空洞のエレベータシャフトの上部に設けられているので、中継装置には中継SS無線装置を設け、自律走行車には走行SS無線装置を設けて自律走行車がエレベータ籠内に位置する状態で、中継SS無線装置と走行SS無線装置との間で直接無線通信する場合は、両者を確実に無線接続することが可能となる。
【0018】
上記目的を達成する請求項7に記載のエレベータによる自律走行車の移動システムの発明は、自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、上記自律走行車に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と、エレベータ籠に設置したエレベータシャフトに露出して、上記無線通信ネットワークとの通信を中継する無線中継器と、エレベータ籠内の操作パネルに着脱自在に設置され、上記無線中継器を介して上記無線通信ネットワークと無線接続可能な籠無線装置及び該籠無線装置による受信信号に基づいて上記操作パネルに設けられた対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータを有するアダプタとを備え、上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワーク及び上記無線中継器を介して上記籠無線装置に乗り場呼び信号を無線送信することにより上記乗り場呼び信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行無線装置から上記無線中継器、上記無線通信ネットワーク及び上記無線中継器を介して上記籠無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信することにより上記行先階指定信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、建物側に関しては、エレベータシャフトに露出してエレベータ籠に、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークとの間の通信を中継する無線中継器を設置するとともに、エレベータ籠内の操作パネルには、着脱自在にアダプタを設置すればよく、従来のように自律走行車が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、既存の建物にも安価で簡単に導入することが可能となる。また、自律走行車の走行通信装置とアダプタの籠無線装置とを無線中継器を介して無線通信ネットワークに接続して、乗り場呼び信号や行先階指定信号を送信し、これによりアクチュエータを介して操作パネルの対応する階の押しボタンを操作するので、建物が高層であっても、自律走行車を所望の階に確実に移動させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、従来のように自律走行車が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、既存の建物にも安価で簡単に導入することが可能となる。また、建物が高層であっても、自律走行車を所望の階に確実に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0022】
(第1実施の形態)
図1乃至図5は、本発明の第1実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムを示すもので、図1は全体の概略構成及び自律走行車のエレベータ籠への乗車動作を説明するための図、図2は図1に示す自律走行車の通信部の概略構成を示すブロック図、図3は移動システムによる信号の送受信を説明するための図、図4はエレベータ籠内での自律走行車の動作を説明するための図、図5は自律走行車のエレベータ籠からの降車動作を説明するための図である。
【0023】
図1において、自律走行車1はメインコントローラ2を有しており、このメインコントローラ2の制御のもとに予め設定されたプログラムに従って所定のサービス作業、例えば自律走行車1が清掃ロボットの場合には所定の清掃作業、ゴミコンテナ搬送ロボットの場合には所定のゴミコンテナ搬送作業、警備ロボットの場合には所定の警備作業を実行する。
【0024】
また、建物11に設けられたエレベータ12は、空洞のエレベータシャフト13内で複数の階に亘って移動可能なエレベータ籠14と、エレベータシャフト13の上部のエレベータ機械室15に設けられたエレベータ12の全体の動作を制御するエレベータ制御盤16と、エレベータ籠14が停止する各階に設けられた図示しない手動呼出装置と、エレベータ籠14内に設けられた行先階指定用の複数の押しボタンを備える操作パネル17とを有しており、各階の手動呼出装置の操作に基づいて、エレベータ籠14を対応する呼出階に昇降させ、操作パネル17の操作に基づいて、エレベータ籠14を対応する行先階に昇降させる。さらに、建物11の監視センタ41内には、エレベータ制御盤16に接続されてエレベータ監視盤42を設ける。
【0025】
本実施の形態では、自律走行車1にメインコントローラ2によって制御可能に通信部21を設け、エレベータ機械室15にはエレベータ制御盤16に有線により接続して中継装置31を設置する。
【0026】
通信部21は、図2に示すように、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク5に無線接続可能な走行無線装置22と、走行SS無線装置23と、メインコントローラ2の制御のもとに走行無線装置22及び走行SS無線装置23の動作を制御するコントローラ24とを有する。
【0027】
また、中継装置31は、図1に示すように無線通信ネットワーク5に無線接続可能な中継無線装置32と、走行SS無線装置23と無線接続可能な中継SS無線装置33と、エレベータ制御盤16の制御のもとに中継無線装置32及び中継SS無線装置33の動作を制御するコントローラ34とを有する。
【0028】
なお、走行無線装置22及び中継無線装置32の各々は、例えば、NTTドコモグループが提供する「FOMA」を利用する無線装置とし、走行SS無線装置23及び中継SS無線装置33の各々は、SS方式で無線通信するものとする。
【0029】
本実施の形態では、監視センタ41内のエレベータ監視盤42に、専用運転切換えスイッチ43、及びランプやブザー等の異常報知器44を設け、専用運転切換えスイッチ43の操作により、一般利用者による運転モードと自律走行車1による運転モードとを切換えるようにし、その運転モード信号を、図3に示すようにエレベータ制御盤16から中継装置31に送信して、自律走行車1による運転モードでは中継装置31を有効にする。
【0030】
そして、自律走行車1による運転モードでは、図3に示すように、自律走行車1の動作に応じて、走行無線装置22から無線通信ネットワーク5を介して中継無線装置32に乗り場呼び信号及び降車完了信号を送信して、これらの信号を中継装置31からエレベータ制御盤16に供給するとともに、走行SS無線装置23から中継SS無線装置33に乗車完了信号及び行先階指定信号を直接無線送信して、これらの信号を中継装置31からエレベータ制御盤16に供給する。
【0031】
また、エレベータ12の動作に応じて、エレベータ制御盤16から中継装置31に乗り場扉開信号及び籠内扉開信号を送信して、乗り場扉開信号を中継無線装置32から無線通信ネットワーク5を介して走行無線装置22に送信し、籠内扉開信号を中継SS無線装置33から走行SS無線装置23に直接無線送信する。
【0032】
さらに、エレベータ制御盤16は、自律走行車1の動作に応じて中継装置31に動作完了信号を送信して、該動作完了信号を中継無線装置32から無線通信ネットワーク5を介して走行無線装置22に送信する。また、中継装置31は、通信異常、機器の異常、タイムオーバ、例えば、自律走行車1がエレベータ籠14を呼んでから乗車完了するまでの時間、自律走行車1がエレベータ籠14に乗車してから行先階で降車するまでの時間、自律走行車1の作業時間等の異常を検知すると、エレベータ制御盤16に異常信号を送信し、エレベータ監視盤42に設けられた異常報知器44を動作させる。
【0033】
なお、上記構成において、通信部21の電源は自律走行車1に搭載されているバッテリを利用し、中継装置31の電源は建物11に配線されている電源を利用する。
【0034】
以下、本実施の形態のエレベータによる自律走行車の移動システムの動作を説明する。
【0035】
先ず、図1に示すように、自律走行車1を現在位置する階の乗り場扉(図示せず)の前で停止させて、自律走行車1からエレベータ籠14を呼び出す。このエレベータ籠14の呼出し処理においては、自律走行車1の走行無線装置22から、自律走行車1が現在位置する待機階の乗り場呼び信号を無線通信ネットワーク5を介して中継装置31の中継無線装置32に送信し、この中継無線装置32で受信した乗り場呼び信号を、中継装置31からエレベータ制御盤16に送信する。これにより、エレベータ制御盤16は、エレベータ籠14を自律走行車1の待機階に昇降させる。
【0036】
しかる後、エレベータ籠14が自律走行車1の待機階に停止して、乗り場扉が開となったら、エレベータ制御盤16から中継装置31に乗り場扉開信号を送信して、この乗り場扉開信号を中継無線装置32から無線通信ネットワーク5を介して走行無線装置22に送信する。
【0037】
自律走行車1は、中継装置31からの乗り場扉開信号を受信すると、エレベータ籠14内への移動を開始する。なお、エレベータ籠14に設けられている籠内扉(図示せず)は、停止階の乗り場扉とほぼ同時に開閉する。
【0038】
その後、図4に示すように、自律走行車1は、エレベータ籠14内への移動を完了すると、走行SS無線装置23から中継装置31の中継SS無線装置33に乗車完了信号を直接無線送信する。そして、中継装置31は、中継SS無線装置33が自律走行車1からの乗車完了信号を受信すると、該乗車完了信号をエレベータ制御盤16に送信する。これにより、エレベータ制御盤16は、乗り場扉の閉動作を開始する。なお、エレベータ籠14内への自律走行車1の乗車完了は、例えば、自律走行車1において、搭載されている車輪回転角計測用のエンコーダの出力に基づいて移動距離を算出して検出する。
【0039】
自律走行車1は、乗車完了信号を送信したら、次に、所望の行先階を示す行先階指定信号を走行SS無線装置23から中継装置31の中継SS無線装置33に直接無線送信して、この行先階指定信号を、中継装置31を介してエレベータ制御盤16に送信する。これにより、エレベータ制御盤16は、指定された行先階へのエレベータ籠14の昇降を開始する。
【0040】
その後、エレベータ制御盤16は、エレベータ籠14を指定された行先階へ移動させ、籠内扉が開となったら、図5に示すように、中継装置31に籠内扉開信号を送信して、該籠内扉開信号を中継SS無線装置33から走行SS無線装置23に直接無線送信する。そして、自律走行車1は、籠内扉開信号を受信するとエレベータ籠14外への移動を開始し、所定距離移動してエレベータ籠14外への移動が完了すると移動を停止して、走行無線装置22から無線通信ネットワーク5を介して中継装置31の中継無線装置32に降車完了信号を送信する。
【0041】
中継装置31は、降車完了信号を受信すると、該降車完了信号をエレベータ制御盤16に送信し、これによりエレベータ制御盤16は籠内扉の閉動作を開始する。なお、自律走行車1のエレベータ籠14からの降車完了は、例えば、乗車の場合と同様に、自律走行車1において、搭載されている車輪回転角計測用のエンコーダの出力に基づいて所定の移動距離を算出して検出する。
【0042】
エレベータ制御盤16は、自律走行車1からの降車完了信号を受信すると、中継装置31に動作完了信号を送信して、この動作完了信号を中継無線装置32から無線通信ネットワーク5を介して走行無線装置22に送信する。自律走行車1は、この中継装置31からの動作完了信号を受信することにより、メインコントローラ2の制御のもとに、当該降車階に対して予め設定されたプログラムに従って所定のサービス作業を開始する。
【0043】
なお、エレベータ籠14に対して自律走行車1を前進移動させて乗降させる場合には、エレベータ籠14に乗車した後、エレベータ籠14から降車するまでの間に、エレベータ籠14内で自律走行車1を180度方向転換させる。この方向転換は、自律走行車1に搭載されているジャイロで確認する。
【0044】
このように、本実施の形態においては、建物11側に、エレベータ機械室15に中継装置31を設置して、該中継装置31をエレベータ制御盤16に有線により接続すればよく、従来のように自律走行車1が走行する各階に自動呼出装置を設置する必要がないので、建物11及びエレベータ12において改造する部分を非常に少なくすることができる。従って、既存の建物にも安価で簡単に導入することができる。
【0045】
また、自律走行車1がエレベータ籠14の外に位置する状態では、無線通信ネットワーク5を介して、自律走行車1に設けた走行無線装置22と、中継装置31に設けた中継無線装置32との間で、所要の信号を無線により送受信し、自律走行車1がエレベータ籠14内に位置する状態では、自律走行車1に設けた走行SS無線装置23と、中継装置31に設けた中継SS無線装置33との間で、所要の信号をSS方式により直接送受信するようにしたので、自律走行車1と中継装置31との間での無線通信を常に確実に行うことができる。従って、建物11が高層であっても、エレベータ12を利用して、自律走行車1を所望に階に確実に移動できる信頼性に優れた移動システムを実現することができる。
【0046】
(第2実施の形態)
図6は、本発明の第2実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【0047】
本実施の形態の移動システムは、第1実施の形態において、自律走行車1側の走行SS無線装置23を省略し、かつ中継装置31側の中継SS無線装置33を省略する。また、エレベータ籠14には、エレベータシャフト13に露出して、無線通信ネットワーク5との間の通信を中継する無線中継器51を設置する。
【0048】
このように本実施の形態では、自律走行車1がエレベータ籠14の外に位置する状態では無線通信ネットワーク5を介して、自律走行車1の走行無線装置22と、中継装置31の中継無線装置32との間で無線中継器51を介することなく、第1実施の形態と同様、自律走行車1及びエレベータ12の動作に応じて、乗り場呼び信号、乗り場扉開信号、降車完了信号、動作完了信号の送受信を行う。
【0049】
これに対し、自律走行車1がエレベータ籠14内に位置する状態では、無線中継器51及び無線通信ネットワーク5を介して、自律走行車1の走行無線装置22と、中継装置31の中継無線装置32との間で、第1実施の形態で説明した乗車完了信号、行先階指定信号、籠内扉開信号の送受信を行う。その他の動作は、第1実施の形態と同様である。
【0050】
本実施の形態によれば、自律走行車1及び中継装置31に無線通信ネットワーク5に接続可能な走行無線装置22及び中継無線装置32を設け、エレベータ籠14には、無線通信ネットワーク5との間の通信を中継する無線中継器51を設置すればよく、より安価で簡単に導入することが可能となる。また、無線中継器51は、エレベータシャフト13に露出して設置しているので、自律走行車1がエレベータ籠14内に位置する状態でも、無線中継器51を介して無線通信ネットワーク5に確実に無線接続することが可能となる。
【0051】
従って、第1実施の形態と同様に、建物11が高層であっても、エレベータ12を利用して、自律走行車1を所望の階に確実に移動できる信頼性に優れた移動システムを実現することができる。
【0052】
(第3実施の形態)
図7は、本発明の第3実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【0053】
本実施の形態の移動システムは、第1実施の形態において、中継装置31の中継SS無線装置33を省略する。また、エレベータ籠14内の操作パネル17には、着脱自在にアダプタ61を設ける。アダプタ61には、自律走行車1の走行SS無線装置23からSS方式により無線送信される行先階指定信号を受信可能な籠SS無線装置62と、この籠SS無線装置62で受信した行先階指定信号に基づいてエレベータ籠14内の操作パネル17の中から対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータ63とを設ける。なお、アダプタ61の電源はエレベータ籠14内に配線されている建物11の電源を利用する。
【0054】
このようにして、本実施の形態では、自律走行車1がエレベータ籠14の外に位置する状態では、無線通信ネットワーク5を介して自律走行車1の走行無線装置22と、中継装置31の中継無線装置32との間で、第1実施の形態と同様に自律走行車1及びエレベータ12の動作に応じて、乗り場呼び信号、乗り場扉開信号、降車完了信号、動作完了信号の送受信を行う。
【0055】
これに対し、自律走行車1がエレベータ籠14への乗車を完了した場合は、走行SS無線装置23から行先階指定信号を送信し、その行先階指定信号を籠SS無線装置62で受信して、その受信した行先階指定信号に基づいて、アクチュエータ63を介して操作パネル17の対応する行先階の押しボタンを操作することにより、エレベータ籠14を所望の行先階に移動させる。
【0056】
なお、自律走行車1は、エレベータ籠14から降車する際は、自律走行車1に搭載されている障害物センサにより、籠内扉及び乗り場扉の開状態を検知して、エレベータ籠14から外部への移動を開始する。その他の動作は、第1実施の形態と同様である。
【0057】
本実施の形態によれば、第1実施の形態において、中継装置31に中継SS無線装置33を設ける代わりに、エレベータ籠14内の操作パネル17に、着脱自在にアダプタ61を設置すればよいので、既存の建物にも安価で簡単に導入することができる。また、エレベータ籠14内では、走行SS無線装置23とアダプタ61の籠SS無線装置62とのSS方式による直接通信により、アクチュエータ63を介して操作パネル17の行先階の押しボタンを操作するので、自律走行車1を所望の階に確実に移動させることができる。
【0058】
(第4実施の形態)
図8は、本発明の第4実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【0059】
本実施の形態の移動システムは、第2実施の形態において、中継装置31を省略する。また、エレベータ籠14内の操作パネル17には、着脱自在にアダプタ71を設ける。アダプタ71には、無線中継器51を介して無線通信ネットワーク5に接続可能に籠無線装置72を設け、この籠無線装置72で受信した行先階指定信号に基づいてエレベータ籠14内の操作パネル17の中から対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータ73を設ける。なお、アダプタ71の電源はエレベータ籠14内に配線されている建物11の電源を利用する。
【0060】
このように本実施の形態では、自律走行車1が待機する階では、走行無線装置22から無線通信ネットワーク5及び無線中継器51を介して、アダプタ71の籠無線装置72に乗り場呼び信号を送信し、その乗り場呼び信号を籠無線装置72で受信して、その受信した乗り場呼び信号に基づいて、アクチュエータ73を介して操作パネル17の対応する乗り場階の押しボタンを操作することにより、エレベータ籠14を所望の乗り場階に移動させる。
【0061】
また、自律走行車1がエレベータ籠14への乗車を完了した場合は、走行無線装置22から、無線中継器51、無線通信ネットワーク5及び無線中継器51を介して、アダプタ71の籠無線装置72に行先階指定信号を送信し、その行先階指定信号を籠無線装置72で受信して、その受信した行先階指定信号に基づいて、アクチュエータ73を介して操作パネル17の対応する行先階の押しボタンを操作することにより、エレベータ籠14を所望の行先階に移動させる。
【0062】
なお、自律走行車1は、エレベータ籠14に対する乗降の際は、自律走行車1に搭載されている障害物センサにより、籠内扉及び乗り場扉の開状態を検知して、乗降のための移動を開始する。
【0063】
本実施の形態によれば、エレベータシャフト13に露出してエレベータ籠14に、無線通信ネットワーク5との間の通信を中継する無線中継器51を設置するとともに、エレベータ籠14内の操作パネル17には、着脱自在にアダプタ71を設置すればよいので、既存の建物にも安価で簡単に導入することが可能となる。また、自律走行車1の走行無線装置22とアダプタ71の籠無線装置72とを、無線中継器51を介して無線通信ネットワーク5に接続して、乗り場呼び信号や行先階指定信号を送信し、これによりアクチュエータ73を介して操作パネル17の対応する階の押しボタンを操作するので、自律走行車1を所望の階に確実に移動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成及び自律走行車のエレベータ籠への乗車動作を説明する図である。
【図2】図1に示す自律走行車の通信部の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施の形態の移動システムによる信号の送受信を説明する図である。
【図4】第1実施の形態の移動システムによるエレベータ籠内での自律走行車の動作を説明する図である。
【図5】第1実施の形態の移動システムによる自律走行車のエレベータ籠からの降車動作を説明する図である。
【図6】第2実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【図7】第3実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【図8】第4実施の形態に係るエレベータによる自律走行車の移動システムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 自律走行車
5 無線通信ネットワーク
11 建物
12 エレベータ
13 エレベータシャフト
14 エレベータ籠
15 エレベータ機械室
16 エレベータ制御盤
17 操作パネル
22 走行無線装置
23 走行SS無線装置
31 中継装置
32 中継無線装置
33 中継SS無線装置
51 無線中継器
61 アダプタ
62 籠SS無線装置
63 アクチュエータ
71 アダプタ
72 籠無線装置
73 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、
上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、
該中継装置に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置及び中継SS無線装置と、
上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置及び上記中継SS無線装置と無線接続可能な走行SS無線装置とを備え、
上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することによりエレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、
上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行SS無線装置から上記中継SS無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信して該行先階指定信号を上記中継SS無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とするエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項2】
上記エレベータ制御盤は、上記自律走行車が待機する階に上記エレベータ籠が位置する状態で、当該階の乗り場扉の開動作が終了すると上記中継装置から上記中継無線装置及び上記無線通信ネットワークを介して上記走行無線装置に乗り場扉開信号を送信し、
上記自律走行車は、上記走行無線装置が上記扉開信号を受信すると上記エレベータ籠内への移動を開始し、該移動が完了すると上記走行SS無線装置から上記中継SS無線装置及び上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に乗車完了信号を送信し、
上記エレベータ制御盤は、上記乗車完了信号を受信すると上記乗り場扉の閉動作を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項3】
上記エレベータ制御盤は、上記エレベータ籠が上記所望の行先階に移動してエレベータ籠内扉の開動作が終了すると上記中継SS無線装置から上記走行SS無線装置に籠内扉開信号を送信し、
上記自律走行車は、上記走行SS無線装置が上記籠内扉開信号を受信すると、上記エレベータ籠外への移動を開始し、該籠外への移動が完了すると上記走行無線装置から上記無線通信ネットワーク、上記中継無線装置及び上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に降車完了信号を送信し、
上記エレベータ制御盤は、上記降車完了信号を受信すると上記エレベータ籠内扉の閉動作を開始する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項4】
自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、
上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、
該中継装置設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置と、
上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と、
エレベータ籠に設置したエレベータシャフトに露出して上記無線通信ネットワークとの間の通信を中継する無線中継器とを備え、
上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することによりエレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、
上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行無線装置から上記無線中継器及び上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信して該行先階指定信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより、上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とするエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項5】
自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、
上記建物に設置した上記エレベータを制御するためのエレベータ制御盤に有線により接続する中継装置と、
上記中継装置に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な中継無線装置と、
上記自律走行車に設けた上記無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と走行SS無線装置と、
エレベータ籠内の操作パネルに装着自在に設置され、上記走行SS無線装置と無線接続可能な籠SS無線装置と、該籠SS無線装置による受信信号に基づいて上記操作パネルに設けられた対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータとを有するアダプタとを備え、
上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワークを介して上記中継無線装置に、上記自律走行車が待機する階の乗り場呼び信号を送信して該乗り場呼び信号を上記中継無線装置から上記中継装置を介して上記エレベータ制御盤に送信することにより上記エレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、
上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行SS線装置から上記籠SS無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信することにより、上記行先階指定信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とするエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項6】
上記中継装置は、上記エレベータ制御盤を有するエレベータ機械室に設置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエレベータによる自律走行車の移動システム。
【請求項7】
自律走行車をエレベータにより建物の所望の階に移動させるエレベータによる自律走行車の移動システムにおいて、
上記自律走行車に設けた携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワークに無線接続可能な走行無線装置と、
エレベータ籠に設置したエレベータシャフトに露出して、上記無線通信ネットワークとの通信を中継する無線中継器と、
エレベータ籠内の操作パネルに着脱自在に設置され、上記無線中継器を介して上記無線通信ネットワークと無線接続可能な籠無線装置及び該籠無線装置による受信信号に基づいて上記操作パネルに設けられた対応する階の押しボタンを操作するアクチュエータを有するアダプタとを備え、
上記自律走行車が待機する階において、上記走行無線装置から上記無線通信ネットワーク及び上記無線中継器を介して上記籠無線装置に乗り場呼び信号を無線送信することにより上記乗り場呼び信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を上記自律走行車が待機する階に移動させ、
上記自律走行車が上記エレベータ籠内に乗車した状態で、上記走行無線装置から上記無線中継器、上記無線通信ネットワーク及び上記無線中継器を介して上記籠無線装置に所望の行先階を表す行先階指定信号を無線送信することにより上記行先階指定信号に基づいて上記アクチュエータにより上記操作パネルの対応する階の押しボタンを操作して上記エレベータ籠を所望の行先階に移動させることを特徴とするエレベータによる自律走行車の移動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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