エレベータのかご
【課題】輸送や昇降路内への搬入等の取り扱いを容易にすることができるエレベータのかごを得る。
【解決手段】かご出入口3の間口方向へかごドア5を案内するドアレール17は、かご出入口3の上部にかごドア5の移動方向に沿って配置されたレール本体18と、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部19とを有している。レール延長部19は、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体18に対して回動可能になっている。
【解決手段】かご出入口3の間口方向へかごドア5を案内するドアレール17は、かご出入口3の上部にかごドア5の移動方向に沿って配置されたレール本体18と、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部19とを有している。レール延長部19は、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体18に対して回動可能になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドアが設けられたエレベータのかごに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、かご出入口を開閉するために、かごの戸をかご出入口の間口方向へ往復移動させるようにしたエレベータのかごが知られている。かごの戸は、かご出入口の上部に設けられたハンガケースのドアレールに掛けられ、ドアレールに沿って移動される。かご出入口の下部には、かごの戸の下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居が設けられている。ハンガケース及びかご敷居のそれぞれの長さは、かごの戸の移動範囲に応じた長さとなっている。従って、ハンガケース及びかご敷居は、かご室を正面から見たときに、かご室の側面から外側へ突出している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−40666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータのかごでは、ハンガケースやかご敷居がかご室の側面から外側へ突出しているので、ハンガケースやかご敷居をかご室に組み付けた状態でかごを取り扱うと、ハンガケースやかご敷居の突出部分が邪魔になってしまう。従って、例えばかごの輸送やかごの昇降路内への搬入等を行うのに手間がかかってしまう。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、輸送や昇降路内への搬入等の取り扱いを容易にすることができるエレベータのかごを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の上部にかごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、レール本体の長さ方向端部に設けられたレール延長部とを有し、かご出入口の間口方向へかごドアを案内するドアレールを備え、レール延長部は、レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体に対して回動可能になっている。
【0007】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の下部にかごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、敷居本体の長さ方向端部に設けられた敷居延長部とを有するかご敷居を備え、敷居延長部は、敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体に対して回動可能になっている。
【0008】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の上部に配置され、かご出入口の間口方向へかごドアを案内するドアレールを備え、ドアレールは、かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、レール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体と一直線上に並んで配置されるレール延長部とを有している。
【0009】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の下部に配置され、かごドアの下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居を備え、かご敷居は、かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体と一直線上に並んで配置される敷居延長部とを有している。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るエレベータのかごでは、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部が、レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体に対して回動可能になっているので、レール延長部をレール収納位置へ変位させることにより、かご室からのドアレールの突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0011】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、敷居本体21の長さ方向端部に設けられた敷居延長部が、敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体に対して回動可能になっているので、敷居延長部を敷居収納位置へ変位させることにより、かご室からのかご敷居の突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0012】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、レール延長部がレール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体に取り付けられているときのレール延長部がレール本体と一直線上に並んで配置されるので、レール延長部をレール本体から取り外すことにより、かご室からのドアレールの突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0013】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、敷居延長部が敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体に取り付けられているときの敷居延長部が敷居本体と一直線上に並んで配置されるので、敷居延長部を敷居本体から取り外すことにより、かご室からのかご敷居の突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのかごを示す斜視図である。
【図2】図1のレール延長部及び敷居延長部がレール収納位置及び敷居収納位置にあり、かご出入口が閉じているときのかごの上部及び下部を示す正面図である。
【図3】図2のかごを示す要部平面図である。
【図4】図2のレール延長部及び敷居延長部がレール延長位置及び敷居延長位置にあり、かご出入口が開いているときのかごの上部及び下部を示す正面図である。
【図5】図4のかごを示す要部平面図である。
【図6】図2のレール延長部を示す拡大図である。
【図7】図6のレール延長部を示す斜視図である。
【図8】図4のレール延長部を示す拡大図である。
【図9】図8のレール延長部を示す斜視図である。
【図10】図2の敷居延長部を示す拡大図である。
【図11】図10の敷居延長部を示す斜視図である。
【図12】図4の敷居延長部を示す拡大図である。
【図13】図12の敷居延長部を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2によるエレベータのかごのドアレールの要部を示す斜視図である。
【図15】図14のXV-XV線に沿った断面図である。
【図16】この発明の実施の形態2によるエレベータのかごにおけるかご敷居の要部を示す斜視図である。
【図17】図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータのかごを示す斜視図である。図において、かご1は、かご枠2と、かご枠2に支持され、かご出入口3が設けられたかご室4と、かご出入口3の間口方向(幅方向)へ移動することによりかご出入口3を開閉する一対のかごドア5と、かご出入口3の上部に配置され、各かごドア5を支持するハンガケース(ドア支持体)6と、かご出入口3の下部に配置されたかご敷居7とを有している。また、かご1は、水平方向について互いに対向する図示しない一対のガイドレール間に配置されている。かご枠2の上端部及び下端部には、ガイドレールにそれぞれ案内される複数のガイドシュー8が設けられている。
【0016】
かご枠2は、かご室4が載せられた下枠9と、かご室4の上方に配置された上枠10と、かご室4の幅方向両側に配置され、下枠9及び上枠10間を結ぶ一対の縦枠11とを有している。この例では、上枠10の形状が、かご室4の天井の外周を囲む額縁状とされている。
【0017】
下枠9の両端部には、各ガイドレールを把持することによりかご1の落下を防止する非常止め装置12が設けられている。また、下枠9には、かご1を吊り下げる主索(図示せず)が巻き掛けられる一対のかご吊り車13が設けられている。
【0018】
かご室4は、かご床14と、かご床14上に設けられたかご室本体15とを有している。かご室本体15は、かご室4を上方から見たときに、かご床14内に全て収まる大きさとされている。かご出入口3は、かご室本体15の正面に設けられている。従って、かご出入口3の間口方向は、かご室4の幅方向と一致している。
【0019】
ハンガケース6は、上枠10に固定された桁16と、桁16に設けられ、各かごドア5が掛けられたドアレール17とを有している。
【0020】
桁16は、かご室4の幅方向に沿って配置されている。桁16の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、桁16の長さがかご床14の幅寸法(即ち、かご室4の幅方向についてのかご床14の寸法)に収まる長さとなっている。
【0021】
ドアレール17は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置されたレール本体18と、レール本体18の長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対のレール延長部19とを有している。
【0022】
レール本体18は、取付台を介して桁16に固定されている。従って、桁16とレール本体18との間には、所定の隙間が生じている。レール本体18の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、レール本体18の長さが桁16の長さよりも短い長さとなっている。レール本体18は、かご室4の奥行き方向(即ち、かご室4の正面に垂直な方向)に沿ってハンガケース6を見たときに桁16の範囲内に収まるように配置されている。
【0023】
各レール延長部19は、かご室4の奥行き方向に沿った連結ピン20を介してレール本体18にそれぞれ取り付けられている。また、各レール延長部19は、レール本体18に対して連結ピン20を中心に回動可能になっている。各レール延長部19は、レール本体18に対する回動により、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置(図1)との間で変位される。この例では、レール収納位置にあるときのレール延長部19はレール本体18に対して垂直になっている。レール延長位置からレール収納位置へのレール延長部19の変位はレール延長部19の上方への回動により行われ、レール収納位置からレール延長位置へのレール延長部19の変位はレール延長部19の下方への回動により行われる。
【0024】
かご敷居7は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置された敷居本体21と、敷居本体21の長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対の敷居延長部22とを有している。
【0025】
敷居本体21は、かご床14の前端部に固定された床前梁14aに取り付けられている。敷居本体21の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、敷居本体21の長さがかご床14の幅寸法に収まる長さとなっている。
【0026】
各敷居延長部22は、かご室4の奥行き方向に沿った連結ピン23を介して敷居本体21にそれぞれ取り付けられている。また、各敷居延長部22は、敷居本体21に対して連結ピン23を中心に回動可能になっている。各敷居延長部22は、敷居本体21に対する回動により、敷居本体21と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体21に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で変位される。この例では、敷居収納位置にあるときの敷居延長部22は敷居本体21に対して垂直になっている。敷居延長位置から敷居収納位置への敷居延長部22の変位は敷居延長部22の上方への回動により行われ、敷居収納位置から敷居延長位置への敷居延長部22の変位は敷居延長部22の下方への回動により行われる。
【0027】
敷居本体21及び各敷居延長部22には、敷居溝24がそれぞれ設けられている。敷居本体21に設けられた敷居溝24は、かご出入口3の間口方向に沿って配置されている。各敷居延長部22にそれぞれ設けられた敷居溝24は、各敷居延長部22が敷居延長位置にあるときに、敷居本体21に設けられた敷居溝24と一直線上に並ぶ。
【0028】
各かごドア5は、ドアパネル25と、ドアパネル25の上端部に設けられ、ドアレール17に掛けられたドアハンガ26と、ドアパネル25の下端部に設けられ、敷居溝24に挿入される複数の戸の脚27とを有している。
【0029】
ドアハンガ26は、ドアパネル25に固定されたハンガ板28と、ハンガ板28に設けられ、ドアレール17上に載せられた複数のハンガローラ29と、ハンガ板28に設けられ、ハンガローラ29との間でドアレール17を挟む複数のアップスラストローラ30とを有している。各かごドア5がかご出入口3の間口方向へ移動されるときには、各ハンガローラ29及び各アップスラストローラ30がドアレール17の上面及び下面をそれぞれ転動される。
【0030】
桁16には、かご室4の幅方向について互いに離して配置されたドア駆動装置31及び従動プーリ32が設けられている。ドア駆動装置31は桁16の長さ方向一端部に配置され、従動プーリ32は桁16の長さ方向他端部に配置されている。
【0031】
ドア駆動装置31は、ドア駆動モータ33と、ドア駆動モータ33に設けられ、ドア駆動モータ33により回転される駆動プーリ34とを有している。駆動プーリ34及び従動プーリ32間には、無端状の伝達ロープ(ワイヤ)35が巻き掛けられている。伝達ロープ35は、駆動プーリ34の回転に応じて周回移動される。従動プーリ32は、伝達ロープ35の周回移動に応じて回転される。
【0032】
一方のドアハンガ26には第1のワイヤヒッチ(第1のドア接続部材)36が設けられ、他方のドアハンガ26には第2のワイヤヒッチ(第2のドア接続部材)37が設けられている。第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、伝達ロープ35にそれぞれ接続されている。第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、伝達ロープ35の周回移動により互いに逆方向へ移動される。これにより、各かごドア5が互いに逆方向へ移動され、かご出入口3が開閉される。
【0033】
図2は、図1のレール延長部19及び敷居延長部22がレール収納位置及び敷居収納位置にあり、かご出入口3が閉じているときのかご1の上部及び下部を示す正面図である。図3は、図2のかご1を示す要部平面図である。また、図4は、図2のレール延長部19及び敷居延長部22がレール延長位置及び敷居延長位置にあり、かご出入口3が開いているときのかご1の上部及び下部を示す正面図である。図5は、図4のかご1を示す要部平面図である。
【0034】
レール収納位置にあるときのレール延長部19は、図2に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってハンガケース6を見たときに桁16の範囲内に収まるように配置されている。レール延長位置にあるときのレール延長部19は、図4に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってハンガケース6を見たときにかご出入口3の間口方向外側へ桁16の範囲から突出している。
【0035】
敷居収納位置にあるときの敷居延長部22の大部分は、図2に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってかご敷居7を見たときにかご床14の幅寸法の範囲内に収まっている。敷居延長位置にあるときの敷居延長部22は、図4に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってかご敷居7を見たときにかご出入口3の間口方向外側へかご床14の幅寸法の範囲から突出している。
【0036】
レール延長部19がレール収納位置にあり、敷居延長部22が敷居収納位置にある状態では、図2及び図3に示すように、各ハンガローラ29がレール本体18のみを転動可能になっている。レール延長部19がレール延長位置にあり、敷居延長部22が敷居延長位置にある状態では、図4及び図5に示すように、各ハンガローラ29がレール本体18及び各レール延長部19を転動可能になっている。即ち、各かごドア5は、各レール延長部19がレール延長位置にあり、かつ各敷居延長部22が敷居延長位置にあるときにのみ、レール本体18及び敷居本体21の各寸法の範囲よりもかご出入口3の間口方向外側へ移動可能になっている。
【0037】
各かごドア5は、かご出入口3の中心位置Aを境界として互いに接触することによりかご出入口3を全閉し、レール本体18及び敷居本体21の各寸法の範囲よりもかご出入口3の間口方向外側へ移動されることによりかご出入口3を全開する。
【0038】
第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、駆動プーリ34及び従動プーリ32との干渉を防止するために、ドアハンガ26との接続部分よりも伝達ロープ35との接続部分がかご出入口3の間口方向内側に位置するようにクランク状に形成されている。
【0039】
図6は、図2のレール延長部19を示す拡大図である。図7は、図6のレール延長部19を示す斜視図である。また、図8は、図4のレール延長部19を示す拡大図である。図9は、図8のレール延長部19を示す斜視図である。各レール延長部19のレール本体18から離れた側の端部には、ドアストッパ38が設けられている。かご出入口3の間口方向外側へのかごドア5の移動は、ハンガ板28がドアストッパ38に当たることにより阻止される。
【0040】
レール延長部19及びレール本体18は、連結ピン20で接続されている部分で、かご室4の奥行き方向について互いに重なっている。また、レール延長部19及びレール本体18のそれぞれのかご室4の奥行き方向についての寸法(即ち、レール延長部19及びレール本体18のそれぞれの厚さ)は、互いに重なっている部分で他の部分よりも薄くなっている。これにより、レール延長部19とレール本体18との境界において、ドアレール17の厚さ方向についての段差が生じないようになっている。また、レール延長部19がレール延長位置にあるときには、図8及び図9に示すように、レール延長部19の上面がレール本体18の上面と同一平面上に配置され、レール延長部19の下面がレール本体18の下面と同一平面上に配置される。
【0041】
レール延長部19には、板状の係合部材39がスペーサ40を介して固定されている。従って、係合部材39は、レール延長部19から離して配置されている。また、係合部材39は、かご室4の奥行き方向について、桁16よりもレール延長部19に近い位置にレール延長部19と平行に配置されている。係合部材39は、レール本体18に対して連結ピン20を中心にレール延長部19と一体に回動される。
【0042】
桁16には、係合部材39と係合可能なレール用ストッパ41が固定されている。係合部材39は、レール延長部19がレール延長位置に達することによりレール用ストッパ41と係合する。レール延長部19は、係合部材39がレール用ストッパ41と係合することにより、レール延長位置に保持される。レール用ストッパ41に対する係合部材39の係合は、レール延長部19がレール収納位置に向かって回動することにより外れる。
【0043】
図10は、図2の敷居延長部22を示す拡大図である。図11は、図10の敷居延長部22を示す斜視図である。また、図12は、図4の敷居延長部22を示す拡大図である。図13は、図12の敷居延長部22を示す斜視図である。敷居本体21の長さ方向両端部には、かご室4の奥行き方向について対向する一対の突起部21aが設けられている。敷居延長部22の端部は、各突起部21a間に挿入されている。従って、かご室4の奥行き方向についての敷居本体21の寸法(即ち、敷居本体21の幅寸法)は、かご室4の奥行き方向についての敷居延長部22の寸法(即ち、敷居延長部22の幅寸法)よりも大きくなっている。敷居延長部22は、敷居延長部22の端部を各突起部21a間に挿入させた状態で、連結ピン23により敷居本体21に接続されている。また、敷居延長部22が敷居延長位置にあるときには、図12に示すように、敷居延長部22の上面が敷居本体21の上面と同一平面上に配置される。
【0044】
敷居延長部22の敷居本体21に接続された端部の下面には、敷居延長部22の長さ方向へ突出する敷居用ストッパ42が設けられている。敷居用ストッパ42は、敷居延長部22が敷居延長位置に達することにより敷居本体21の下面と係合する。敷居延長部22は、敷居用ストッパ42が敷居本体21の下面と係合することにより、敷居延長位置に保持される。敷居本体21の下面に対する敷居用ストッパ42の係合は、敷居延長部22が敷居収納位置に向かって回動することにより外れる。かご床14には、敷居用ストッパ42の変位を可能とするための切欠部43が設けられている。
【0045】
次に、かご1を輸送するときの手順について説明する。まず、かご1を輸送する前に、各レール延長部19をレール収納位置へ変位させるとともに、各敷居延長部22を敷居収納位置へ変位させて、ドアレール17及びかご敷居7をあらかじめ折りたたんでおく。この後、ドアレール17及びかご敷居7を折りたたんだ状態でかご1を車両に載せ、かご1を据付場所へ輸送する。
【0046】
この後、ドアレール17及びかご敷居7を折りたたんだ状態でかご1を据付場所の昇降路内に搬入する。昇降路内にかご1を搬入した後、各レール延長部19をレール延長位置へ変位させるとともに、各敷居延長部22を敷居延長位置へ変位させて、ドアレール17及びかご敷居7が折りたたまれた状態を昇降路内で解除する。
【0047】
このようなエレベータのかご1では、ドアレール17が、レール本体18と、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部19とを有し、レール延長部19が、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体18に対して回動可能になっているので、レール延長部19をレール収納位置へ変位させることにより、かご室4からのドアレール17の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の輸送や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0048】
また、このようなエレベータのかご1では、かご敷居7が、敷居本体21と、敷居本体21の長さ方向端部に設けられた敷居延長部22とを有し、敷居延長部22が、敷居本体21と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体21に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体21に対して回動可能になっているので、敷居延長部22を敷居収納位置へ変位させることにより、かご室4からのかご敷居7の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の輸送や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0049】
また、係合部材39がレール延長部19に固定されているとともに、係合部材39と係合するレール用ストッパ41が桁16に設けられており、係合部材39がレール用ストッパ41と係合することにより、レール延長部19がレール延長位置に保持されるので、簡単な構成でレール延長部19をレール延長位置に保持させることができる。また、レール延長部19をレール用ストッパ41と直接係合させなくてよいので、レール延長部19の上面及び下面のそれぞれをかごドア5の案内に利用することができる。
【0050】
また、敷居延長部22が敷居延長位置に達したときに敷居本体21の下面に係合する敷居用ストッパ42が敷居延長部22に設けられているので、簡単な構成で敷居延長部22を敷居延長位置に保持させることができる。
【0051】
なお、上記の例では、ドアレール17及びかご敷居7のそれぞれが折りたたみ可能になっているが、ドアレール17のみが折りたたみ可能になっていてもよいし、かご敷居7のみが折りたたみ可能になっていてもよい。
【0052】
実施の形態2.
図14は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかごのドアレール17の要部を示す斜視図である。また、図15は、図14のXV-XV線に沿った断面図である。図において、ドアレール17は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置されたレール本体51と、レール本体51の長さ方向両端部に着脱可能にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対(図では、一方のみを示している)のレール延長部52とを有している。即ち、ドアレール17は、レール本体51と各レール延長部52とに分割可能になっている。
【0053】
レール本体51は、かご出入口3の間口方向に沿って配置されたレール本体基部51aと、レール本体基部51aの長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、かご室4の奥行き方向についてのレール本体基部51aの寸法(即ち、レール本体基部51aの厚さ)よりも薄い厚さを持つレール本体薄肉部51bとを有している。これにより、レール本体51の長さ方向両端部には、レール本体基部51aとレール本体薄肉部51bとの境界に形成された段差が設けられている。
【0054】
レール延長部52は、レール延長部基部52aと、レール延長部基部52aの長さ方向一端部に設けられ、レール延長部基部52aの厚さよりも薄い厚さを持つレール延長部薄肉部52bとを有している。これにより、レール延長部52の長さ方向一端部には、レール延長部基部52aとレール延長部薄肉部52bとの境界に形成された段差が設けられている。
【0055】
レール延長部52は、かご室4の奥行き方向についてレール延長部薄肉部52bをレール本体薄肉部51bに重ねた状態で、レール本体51に取り付けられる。レール本体薄肉部51bのレール延長部薄肉部52bが重ねられる面には、レール本体51の長さ方向に沿ったレール用凸部53が設けられている。レール延長部薄肉部52bのレール本体薄肉部51bが重ねられる面には、図15に示すように、レール用凸部53が嵌るレール用嵌合溝(レール用凹部)54が設けられている。レール延長部薄肉部52bは、レール用嵌合溝54にレール用凸部53を嵌めた状態でレール本体薄肉部51bに重ねられる。レール本体51に取り付けられた状態では、レール延長部52がレール本体51と一直線上に並んで配置される。
【0056】
レール本体51及びレール延長部52は、桁16に固定された取付台55に対して、複数の取付ボルト56によりまとめて取り付けられる。レール本体薄肉部51bには複数のねじ通し穴(貫通孔)57が設けられ、レール延長部薄肉部52bには複数のねじ通し穴(貫通孔)58が設けられている。ねじ通し穴57及びねじ通し穴58のそれぞれの位置は、レール用凸部53がレール用嵌合溝54に嵌ることにより互いに重なる位置となる。
【0057】
取付台55には、ねじ通し穴58及びねじ通し穴57の順に通された取付ボルト56が螺合される。レール本体51及びレール延長部52は、取付台55に螺合された取付ボルト56を締め付けることにより、取付台55にまとめて取り付けられる。また、レール本体51及びレール延長部52は、取付ボルト56を取付台55から外すことにより、取付台55から外される。取付台55に対するレール本体51及びレール延長部52の着脱は、工具59を用いて行われる。取付ボルト56としては、例えば六角穴付きボルト等が用いられる。また、工具59としては、例えば六角レンチ等が用いられる。
【0058】
図16は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかごにおけるかご敷居7の要部を示す斜視図である。また、図17は、図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。図において、かご敷居7は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置された敷居本体61と、敷居本体61の長さ方向両端部に着脱可能にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対(図では、一方のみを示している)の敷居延長部62とを有している。即ち、かご敷居7は、敷居本体61と各敷居延長部62とに分割可能になっている。
【0059】
敷居本体61の長さ方向両端部の上面には、敷居延長部62の長さ方向一端部が嵌る敷居用凹部63が敷居本体61の長さ方向に沿って設けられている。敷居用凹部63は、敷居本体61の長さ方向端部で開放されている。敷居延長部62は、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌った状態で、敷居本体61に取り付けられる。敷居本体61に取り付けられている状態(即ち、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌っている状態)では、敷居延長部62が敷居本体61と一直線上に並んで配置される。
【0060】
敷居本体61及び敷居延長部62は、床前梁14aに対して、複数の取付ボルト56によりまとめて取り付けられる。敷居用凹部63の底面には、敷居本体61を貫通する複数のねじ通し穴64が設けられている。敷居延長部62の長さ方向一端部における敷居溝24の底面には、図17に示すように、敷居延長部62を貫通する複数のねじ通し穴65が設けられている。ねじ通し穴64及びねじ通し穴65のそれぞれの位置は、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌ることにより互いに重なる位置となる。
【0061】
床前梁14aには、ねじ通し穴65及びねじ通し穴64の順に通された取付ボルト56が螺合される。敷居本体61及び敷居延長部62は、床前梁14aに螺合された取付ボルト56を締め付けることにより、床前梁14aにまとめて取り付けられる。また、敷居本体61及び敷居延長部62は、取付ボルト56を床前梁14aから外すことにより、床前梁14aから外される。床前梁14aに対する敷居本体61及び敷居延長部62の着脱は、工具59を用いて行われる。取付ボルト56としては、例えば六角穴付きボルト等が用いられる。また、工具59としては、例えば六角レンチ等が用いられる。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0062】
このようなエレベータのかご1では、レール延長部52がレール本体51の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体51に取り付けられているときのレール延長部52がレール本体51と一直線上に並んで配置されるので、レール延長部52をレール本体51から取り外すことにより、かご室4からのドアレール17の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の運搬や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0063】
また、このようなエレベータのかご1では、敷居延長部62が敷居本体61の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体61に取り付けられているときの敷居延長部62が敷居本体61と一直線上に並んで配置されるので、敷居延長部62を敷居本体61から取り外すことにより、かご室4からのかご敷居7の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の運搬や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0064】
なお、上記の例では、ドアレール17及びかご敷居7のそれぞれが分割可能になっているが、ドアレール17のみが分割可能になっていてもよいし、かご敷居7のみが分割可能になっていてもよい。
【0065】
また、各上記実施の形態では、レール本体18,51の長さ方向両端部のそれぞれにレール延長部19,52が設けられているが、レール本体18,51の長さ方向一端部のみにレール延長部19,52を設けてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 かご、3 かご出入口、4 かご室、5 かごドア、7 かご敷居、17 ドアレール、18,51 レール本体、19,52 レール延長部、21,61 敷居本体、22,62 敷居延長部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドアが設けられたエレベータのかごに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、かご出入口を開閉するために、かごの戸をかご出入口の間口方向へ往復移動させるようにしたエレベータのかごが知られている。かごの戸は、かご出入口の上部に設けられたハンガケースのドアレールに掛けられ、ドアレールに沿って移動される。かご出入口の下部には、かごの戸の下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居が設けられている。ハンガケース及びかご敷居のそれぞれの長さは、かごの戸の移動範囲に応じた長さとなっている。従って、ハンガケース及びかご敷居は、かご室を正面から見たときに、かご室の側面から外側へ突出している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−40666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータのかごでは、ハンガケースやかご敷居がかご室の側面から外側へ突出しているので、ハンガケースやかご敷居をかご室に組み付けた状態でかごを取り扱うと、ハンガケースやかご敷居の突出部分が邪魔になってしまう。従って、例えばかごの輸送やかごの昇降路内への搬入等を行うのに手間がかかってしまう。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、輸送や昇降路内への搬入等の取り扱いを容易にすることができるエレベータのかごを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の上部にかごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、レール本体の長さ方向端部に設けられたレール延長部とを有し、かご出入口の間口方向へかごドアを案内するドアレールを備え、レール延長部は、レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体に対して回動可能になっている。
【0007】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の下部にかごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、敷居本体の長さ方向端部に設けられた敷居延長部とを有するかご敷居を備え、敷居延長部は、敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体に対して回動可能になっている。
【0008】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の上部に配置され、かご出入口の間口方向へかごドアを案内するドアレールを備え、ドアレールは、かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、レール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体と一直線上に並んで配置されるレール延長部とを有している。
【0009】
また、この発明に係るエレベータのかごは、かご出入口が設けられたかご室、かご出入口の間口方向へ移動することによりかご出入口を開閉するかごドア、及びかご出入口の下部に配置され、かごドアの下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居を備え、かご敷居は、かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体と一直線上に並んで配置される敷居延長部とを有している。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るエレベータのかごでは、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部が、レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体に対して回動可能になっているので、レール延長部をレール収納位置へ変位させることにより、かご室からのドアレールの突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0011】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、敷居本体21の長さ方向端部に設けられた敷居延長部が、敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体に対して回動可能になっているので、敷居延長部を敷居収納位置へ変位させることにより、かご室からのかご敷居の突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0012】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、レール延長部がレール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体に取り付けられているときのレール延長部がレール本体と一直線上に並んで配置されるので、レール延長部をレール本体から取り外すことにより、かご室からのドアレールの突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【0013】
また、この発明に係るエレベータのかごでは、敷居延長部が敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体に取り付けられているときの敷居延長部が敷居本体と一直線上に並んで配置されるので、敷居延長部を敷居本体から取り外すことにより、かご室からのかご敷居の突出量を小さくすることができ、かご全体をコンパクトにすることができる。従って、かごの取り扱いを容易にすることができ、例えばかごの輸送や昇降路内へのかごの搬入等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのかごを示す斜視図である。
【図2】図1のレール延長部及び敷居延長部がレール収納位置及び敷居収納位置にあり、かご出入口が閉じているときのかごの上部及び下部を示す正面図である。
【図3】図2のかごを示す要部平面図である。
【図4】図2のレール延長部及び敷居延長部がレール延長位置及び敷居延長位置にあり、かご出入口が開いているときのかごの上部及び下部を示す正面図である。
【図5】図4のかごを示す要部平面図である。
【図6】図2のレール延長部を示す拡大図である。
【図7】図6のレール延長部を示す斜視図である。
【図8】図4のレール延長部を示す拡大図である。
【図9】図8のレール延長部を示す斜視図である。
【図10】図2の敷居延長部を示す拡大図である。
【図11】図10の敷居延長部を示す斜視図である。
【図12】図4の敷居延長部を示す拡大図である。
【図13】図12の敷居延長部を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2によるエレベータのかごのドアレールの要部を示す斜視図である。
【図15】図14のXV-XV線に沿った断面図である。
【図16】この発明の実施の形態2によるエレベータのかごにおけるかご敷居の要部を示す斜視図である。
【図17】図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータのかごを示す斜視図である。図において、かご1は、かご枠2と、かご枠2に支持され、かご出入口3が設けられたかご室4と、かご出入口3の間口方向(幅方向)へ移動することによりかご出入口3を開閉する一対のかごドア5と、かご出入口3の上部に配置され、各かごドア5を支持するハンガケース(ドア支持体)6と、かご出入口3の下部に配置されたかご敷居7とを有している。また、かご1は、水平方向について互いに対向する図示しない一対のガイドレール間に配置されている。かご枠2の上端部及び下端部には、ガイドレールにそれぞれ案内される複数のガイドシュー8が設けられている。
【0016】
かご枠2は、かご室4が載せられた下枠9と、かご室4の上方に配置された上枠10と、かご室4の幅方向両側に配置され、下枠9及び上枠10間を結ぶ一対の縦枠11とを有している。この例では、上枠10の形状が、かご室4の天井の外周を囲む額縁状とされている。
【0017】
下枠9の両端部には、各ガイドレールを把持することによりかご1の落下を防止する非常止め装置12が設けられている。また、下枠9には、かご1を吊り下げる主索(図示せず)が巻き掛けられる一対のかご吊り車13が設けられている。
【0018】
かご室4は、かご床14と、かご床14上に設けられたかご室本体15とを有している。かご室本体15は、かご室4を上方から見たときに、かご床14内に全て収まる大きさとされている。かご出入口3は、かご室本体15の正面に設けられている。従って、かご出入口3の間口方向は、かご室4の幅方向と一致している。
【0019】
ハンガケース6は、上枠10に固定された桁16と、桁16に設けられ、各かごドア5が掛けられたドアレール17とを有している。
【0020】
桁16は、かご室4の幅方向に沿って配置されている。桁16の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、桁16の長さがかご床14の幅寸法(即ち、かご室4の幅方向についてのかご床14の寸法)に収まる長さとなっている。
【0021】
ドアレール17は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置されたレール本体18と、レール本体18の長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対のレール延長部19とを有している。
【0022】
レール本体18は、取付台を介して桁16に固定されている。従って、桁16とレール本体18との間には、所定の隙間が生じている。レール本体18の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、レール本体18の長さが桁16の長さよりも短い長さとなっている。レール本体18は、かご室4の奥行き方向(即ち、かご室4の正面に垂直な方向)に沿ってハンガケース6を見たときに桁16の範囲内に収まるように配置されている。
【0023】
各レール延長部19は、かご室4の奥行き方向に沿った連結ピン20を介してレール本体18にそれぞれ取り付けられている。また、各レール延長部19は、レール本体18に対して連結ピン20を中心に回動可能になっている。各レール延長部19は、レール本体18に対する回動により、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置(図1)との間で変位される。この例では、レール収納位置にあるときのレール延長部19はレール本体18に対して垂直になっている。レール延長位置からレール収納位置へのレール延長部19の変位はレール延長部19の上方への回動により行われ、レール収納位置からレール延長位置へのレール延長部19の変位はレール延長部19の下方への回動により行われる。
【0024】
かご敷居7は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置された敷居本体21と、敷居本体21の長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対の敷居延長部22とを有している。
【0025】
敷居本体21は、かご床14の前端部に固定された床前梁14aに取り付けられている。敷居本体21の長さは、各かごドア5が移動される範囲よりも短い長さとなっている。この例では、敷居本体21の長さがかご床14の幅寸法に収まる長さとなっている。
【0026】
各敷居延長部22は、かご室4の奥行き方向に沿った連結ピン23を介して敷居本体21にそれぞれ取り付けられている。また、各敷居延長部22は、敷居本体21に対して連結ピン23を中心に回動可能になっている。各敷居延長部22は、敷居本体21に対する回動により、敷居本体21と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体21に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で変位される。この例では、敷居収納位置にあるときの敷居延長部22は敷居本体21に対して垂直になっている。敷居延長位置から敷居収納位置への敷居延長部22の変位は敷居延長部22の上方への回動により行われ、敷居収納位置から敷居延長位置への敷居延長部22の変位は敷居延長部22の下方への回動により行われる。
【0027】
敷居本体21及び各敷居延長部22には、敷居溝24がそれぞれ設けられている。敷居本体21に設けられた敷居溝24は、かご出入口3の間口方向に沿って配置されている。各敷居延長部22にそれぞれ設けられた敷居溝24は、各敷居延長部22が敷居延長位置にあるときに、敷居本体21に設けられた敷居溝24と一直線上に並ぶ。
【0028】
各かごドア5は、ドアパネル25と、ドアパネル25の上端部に設けられ、ドアレール17に掛けられたドアハンガ26と、ドアパネル25の下端部に設けられ、敷居溝24に挿入される複数の戸の脚27とを有している。
【0029】
ドアハンガ26は、ドアパネル25に固定されたハンガ板28と、ハンガ板28に設けられ、ドアレール17上に載せられた複数のハンガローラ29と、ハンガ板28に設けられ、ハンガローラ29との間でドアレール17を挟む複数のアップスラストローラ30とを有している。各かごドア5がかご出入口3の間口方向へ移動されるときには、各ハンガローラ29及び各アップスラストローラ30がドアレール17の上面及び下面をそれぞれ転動される。
【0030】
桁16には、かご室4の幅方向について互いに離して配置されたドア駆動装置31及び従動プーリ32が設けられている。ドア駆動装置31は桁16の長さ方向一端部に配置され、従動プーリ32は桁16の長さ方向他端部に配置されている。
【0031】
ドア駆動装置31は、ドア駆動モータ33と、ドア駆動モータ33に設けられ、ドア駆動モータ33により回転される駆動プーリ34とを有している。駆動プーリ34及び従動プーリ32間には、無端状の伝達ロープ(ワイヤ)35が巻き掛けられている。伝達ロープ35は、駆動プーリ34の回転に応じて周回移動される。従動プーリ32は、伝達ロープ35の周回移動に応じて回転される。
【0032】
一方のドアハンガ26には第1のワイヤヒッチ(第1のドア接続部材)36が設けられ、他方のドアハンガ26には第2のワイヤヒッチ(第2のドア接続部材)37が設けられている。第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、伝達ロープ35にそれぞれ接続されている。第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、伝達ロープ35の周回移動により互いに逆方向へ移動される。これにより、各かごドア5が互いに逆方向へ移動され、かご出入口3が開閉される。
【0033】
図2は、図1のレール延長部19及び敷居延長部22がレール収納位置及び敷居収納位置にあり、かご出入口3が閉じているときのかご1の上部及び下部を示す正面図である。図3は、図2のかご1を示す要部平面図である。また、図4は、図2のレール延長部19及び敷居延長部22がレール延長位置及び敷居延長位置にあり、かご出入口3が開いているときのかご1の上部及び下部を示す正面図である。図5は、図4のかご1を示す要部平面図である。
【0034】
レール収納位置にあるときのレール延長部19は、図2に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってハンガケース6を見たときに桁16の範囲内に収まるように配置されている。レール延長位置にあるときのレール延長部19は、図4に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってハンガケース6を見たときにかご出入口3の間口方向外側へ桁16の範囲から突出している。
【0035】
敷居収納位置にあるときの敷居延長部22の大部分は、図2に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってかご敷居7を見たときにかご床14の幅寸法の範囲内に収まっている。敷居延長位置にあるときの敷居延長部22は、図4に示すように、かご室4の奥行き方向に沿ってかご敷居7を見たときにかご出入口3の間口方向外側へかご床14の幅寸法の範囲から突出している。
【0036】
レール延長部19がレール収納位置にあり、敷居延長部22が敷居収納位置にある状態では、図2及び図3に示すように、各ハンガローラ29がレール本体18のみを転動可能になっている。レール延長部19がレール延長位置にあり、敷居延長部22が敷居延長位置にある状態では、図4及び図5に示すように、各ハンガローラ29がレール本体18及び各レール延長部19を転動可能になっている。即ち、各かごドア5は、各レール延長部19がレール延長位置にあり、かつ各敷居延長部22が敷居延長位置にあるときにのみ、レール本体18及び敷居本体21の各寸法の範囲よりもかご出入口3の間口方向外側へ移動可能になっている。
【0037】
各かごドア5は、かご出入口3の中心位置Aを境界として互いに接触することによりかご出入口3を全閉し、レール本体18及び敷居本体21の各寸法の範囲よりもかご出入口3の間口方向外側へ移動されることによりかご出入口3を全開する。
【0038】
第1及び第2のワイヤヒッチ36,37は、駆動プーリ34及び従動プーリ32との干渉を防止するために、ドアハンガ26との接続部分よりも伝達ロープ35との接続部分がかご出入口3の間口方向内側に位置するようにクランク状に形成されている。
【0039】
図6は、図2のレール延長部19を示す拡大図である。図7は、図6のレール延長部19を示す斜視図である。また、図8は、図4のレール延長部19を示す拡大図である。図9は、図8のレール延長部19を示す斜視図である。各レール延長部19のレール本体18から離れた側の端部には、ドアストッパ38が設けられている。かご出入口3の間口方向外側へのかごドア5の移動は、ハンガ板28がドアストッパ38に当たることにより阻止される。
【0040】
レール延長部19及びレール本体18は、連結ピン20で接続されている部分で、かご室4の奥行き方向について互いに重なっている。また、レール延長部19及びレール本体18のそれぞれのかご室4の奥行き方向についての寸法(即ち、レール延長部19及びレール本体18のそれぞれの厚さ)は、互いに重なっている部分で他の部分よりも薄くなっている。これにより、レール延長部19とレール本体18との境界において、ドアレール17の厚さ方向についての段差が生じないようになっている。また、レール延長部19がレール延長位置にあるときには、図8及び図9に示すように、レール延長部19の上面がレール本体18の上面と同一平面上に配置され、レール延長部19の下面がレール本体18の下面と同一平面上に配置される。
【0041】
レール延長部19には、板状の係合部材39がスペーサ40を介して固定されている。従って、係合部材39は、レール延長部19から離して配置されている。また、係合部材39は、かご室4の奥行き方向について、桁16よりもレール延長部19に近い位置にレール延長部19と平行に配置されている。係合部材39は、レール本体18に対して連結ピン20を中心にレール延長部19と一体に回動される。
【0042】
桁16には、係合部材39と係合可能なレール用ストッパ41が固定されている。係合部材39は、レール延長部19がレール延長位置に達することによりレール用ストッパ41と係合する。レール延長部19は、係合部材39がレール用ストッパ41と係合することにより、レール延長位置に保持される。レール用ストッパ41に対する係合部材39の係合は、レール延長部19がレール収納位置に向かって回動することにより外れる。
【0043】
図10は、図2の敷居延長部22を示す拡大図である。図11は、図10の敷居延長部22を示す斜視図である。また、図12は、図4の敷居延長部22を示す拡大図である。図13は、図12の敷居延長部22を示す斜視図である。敷居本体21の長さ方向両端部には、かご室4の奥行き方向について対向する一対の突起部21aが設けられている。敷居延長部22の端部は、各突起部21a間に挿入されている。従って、かご室4の奥行き方向についての敷居本体21の寸法(即ち、敷居本体21の幅寸法)は、かご室4の奥行き方向についての敷居延長部22の寸法(即ち、敷居延長部22の幅寸法)よりも大きくなっている。敷居延長部22は、敷居延長部22の端部を各突起部21a間に挿入させた状態で、連結ピン23により敷居本体21に接続されている。また、敷居延長部22が敷居延長位置にあるときには、図12に示すように、敷居延長部22の上面が敷居本体21の上面と同一平面上に配置される。
【0044】
敷居延長部22の敷居本体21に接続された端部の下面には、敷居延長部22の長さ方向へ突出する敷居用ストッパ42が設けられている。敷居用ストッパ42は、敷居延長部22が敷居延長位置に達することにより敷居本体21の下面と係合する。敷居延長部22は、敷居用ストッパ42が敷居本体21の下面と係合することにより、敷居延長位置に保持される。敷居本体21の下面に対する敷居用ストッパ42の係合は、敷居延長部22が敷居収納位置に向かって回動することにより外れる。かご床14には、敷居用ストッパ42の変位を可能とするための切欠部43が設けられている。
【0045】
次に、かご1を輸送するときの手順について説明する。まず、かご1を輸送する前に、各レール延長部19をレール収納位置へ変位させるとともに、各敷居延長部22を敷居収納位置へ変位させて、ドアレール17及びかご敷居7をあらかじめ折りたたんでおく。この後、ドアレール17及びかご敷居7を折りたたんだ状態でかご1を車両に載せ、かご1を据付場所へ輸送する。
【0046】
この後、ドアレール17及びかご敷居7を折りたたんだ状態でかご1を据付場所の昇降路内に搬入する。昇降路内にかご1を搬入した後、各レール延長部19をレール延長位置へ変位させるとともに、各敷居延長部22を敷居延長位置へ変位させて、ドアレール17及びかご敷居7が折りたたまれた状態を昇降路内で解除する。
【0047】
このようなエレベータのかご1では、ドアレール17が、レール本体18と、レール本体18の長さ方向端部に設けられたレール延長部19とを有し、レール延長部19が、レール本体18と一直線上に並ぶレール延長位置と、レール本体18に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間でレール本体18に対して回動可能になっているので、レール延長部19をレール収納位置へ変位させることにより、かご室4からのドアレール17の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の輸送や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0048】
また、このようなエレベータのかご1では、かご敷居7が、敷居本体21と、敷居本体21の長さ方向端部に設けられた敷居延長部22とを有し、敷居延長部22が、敷居本体21と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、敷居本体21に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で敷居本体21に対して回動可能になっているので、敷居延長部22を敷居収納位置へ変位させることにより、かご室4からのかご敷居7の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の輸送や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0049】
また、係合部材39がレール延長部19に固定されているとともに、係合部材39と係合するレール用ストッパ41が桁16に設けられており、係合部材39がレール用ストッパ41と係合することにより、レール延長部19がレール延長位置に保持されるので、簡単な構成でレール延長部19をレール延長位置に保持させることができる。また、レール延長部19をレール用ストッパ41と直接係合させなくてよいので、レール延長部19の上面及び下面のそれぞれをかごドア5の案内に利用することができる。
【0050】
また、敷居延長部22が敷居延長位置に達したときに敷居本体21の下面に係合する敷居用ストッパ42が敷居延長部22に設けられているので、簡単な構成で敷居延長部22を敷居延長位置に保持させることができる。
【0051】
なお、上記の例では、ドアレール17及びかご敷居7のそれぞれが折りたたみ可能になっているが、ドアレール17のみが折りたたみ可能になっていてもよいし、かご敷居7のみが折りたたみ可能になっていてもよい。
【0052】
実施の形態2.
図14は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかごのドアレール17の要部を示す斜視図である。また、図15は、図14のXV-XV線に沿った断面図である。図において、ドアレール17は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置されたレール本体51と、レール本体51の長さ方向両端部に着脱可能にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対(図では、一方のみを示している)のレール延長部52とを有している。即ち、ドアレール17は、レール本体51と各レール延長部52とに分割可能になっている。
【0053】
レール本体51は、かご出入口3の間口方向に沿って配置されたレール本体基部51aと、レール本体基部51aの長さ方向両端部にそれぞれ設けられ、かご室4の奥行き方向についてのレール本体基部51aの寸法(即ち、レール本体基部51aの厚さ)よりも薄い厚さを持つレール本体薄肉部51bとを有している。これにより、レール本体51の長さ方向両端部には、レール本体基部51aとレール本体薄肉部51bとの境界に形成された段差が設けられている。
【0054】
レール延長部52は、レール延長部基部52aと、レール延長部基部52aの長さ方向一端部に設けられ、レール延長部基部52aの厚さよりも薄い厚さを持つレール延長部薄肉部52bとを有している。これにより、レール延長部52の長さ方向一端部には、レール延長部基部52aとレール延長部薄肉部52bとの境界に形成された段差が設けられている。
【0055】
レール延長部52は、かご室4の奥行き方向についてレール延長部薄肉部52bをレール本体薄肉部51bに重ねた状態で、レール本体51に取り付けられる。レール本体薄肉部51bのレール延長部薄肉部52bが重ねられる面には、レール本体51の長さ方向に沿ったレール用凸部53が設けられている。レール延長部薄肉部52bのレール本体薄肉部51bが重ねられる面には、図15に示すように、レール用凸部53が嵌るレール用嵌合溝(レール用凹部)54が設けられている。レール延長部薄肉部52bは、レール用嵌合溝54にレール用凸部53を嵌めた状態でレール本体薄肉部51bに重ねられる。レール本体51に取り付けられた状態では、レール延長部52がレール本体51と一直線上に並んで配置される。
【0056】
レール本体51及びレール延長部52は、桁16に固定された取付台55に対して、複数の取付ボルト56によりまとめて取り付けられる。レール本体薄肉部51bには複数のねじ通し穴(貫通孔)57が設けられ、レール延長部薄肉部52bには複数のねじ通し穴(貫通孔)58が設けられている。ねじ通し穴57及びねじ通し穴58のそれぞれの位置は、レール用凸部53がレール用嵌合溝54に嵌ることにより互いに重なる位置となる。
【0057】
取付台55には、ねじ通し穴58及びねじ通し穴57の順に通された取付ボルト56が螺合される。レール本体51及びレール延長部52は、取付台55に螺合された取付ボルト56を締め付けることにより、取付台55にまとめて取り付けられる。また、レール本体51及びレール延長部52は、取付ボルト56を取付台55から外すことにより、取付台55から外される。取付台55に対するレール本体51及びレール延長部52の着脱は、工具59を用いて行われる。取付ボルト56としては、例えば六角穴付きボルト等が用いられる。また、工具59としては、例えば六角レンチ等が用いられる。
【0058】
図16は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかごにおけるかご敷居7の要部を示す斜視図である。また、図17は、図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。図において、かご敷居7は、各かごドア5の移動方向(即ち、かご出入口3の間口方向)に沿って配置された敷居本体61と、敷居本体61の長さ方向両端部に着脱可能にそれぞれ設けられ、所定の長さを持つ一対(図では、一方のみを示している)の敷居延長部62とを有している。即ち、かご敷居7は、敷居本体61と各敷居延長部62とに分割可能になっている。
【0059】
敷居本体61の長さ方向両端部の上面には、敷居延長部62の長さ方向一端部が嵌る敷居用凹部63が敷居本体61の長さ方向に沿って設けられている。敷居用凹部63は、敷居本体61の長さ方向端部で開放されている。敷居延長部62は、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌った状態で、敷居本体61に取り付けられる。敷居本体61に取り付けられている状態(即ち、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌っている状態)では、敷居延長部62が敷居本体61と一直線上に並んで配置される。
【0060】
敷居本体61及び敷居延長部62は、床前梁14aに対して、複数の取付ボルト56によりまとめて取り付けられる。敷居用凹部63の底面には、敷居本体61を貫通する複数のねじ通し穴64が設けられている。敷居延長部62の長さ方向一端部における敷居溝24の底面には、図17に示すように、敷居延長部62を貫通する複数のねじ通し穴65が設けられている。ねじ通し穴64及びねじ通し穴65のそれぞれの位置は、敷居延長部62の長さ方向一端部が敷居用凹部63に嵌ることにより互いに重なる位置となる。
【0061】
床前梁14aには、ねじ通し穴65及びねじ通し穴64の順に通された取付ボルト56が螺合される。敷居本体61及び敷居延長部62は、床前梁14aに螺合された取付ボルト56を締め付けることにより、床前梁14aにまとめて取り付けられる。また、敷居本体61及び敷居延長部62は、取付ボルト56を床前梁14aから外すことにより、床前梁14aから外される。床前梁14aに対する敷居本体61及び敷居延長部62の着脱は、工具59を用いて行われる。取付ボルト56としては、例えば六角穴付きボルト等が用いられる。また、工具59としては、例えば六角レンチ等が用いられる。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0062】
このようなエレベータのかご1では、レール延長部52がレール本体51の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、レール本体51に取り付けられているときのレール延長部52がレール本体51と一直線上に並んで配置されるので、レール延長部52をレール本体51から取り外すことにより、かご室4からのドアレール17の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の運搬や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0063】
また、このようなエレベータのかご1では、敷居延長部62が敷居本体61の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、敷居本体61に取り付けられているときの敷居延長部62が敷居本体61と一直線上に並んで配置されるので、敷居延長部62を敷居本体61から取り外すことにより、かご室4からのかご敷居7の突出量を小さくすることができ、かご1全体をコンパクトにすることができる。従って、かご1の取り扱いを容易にすることができ、例えばかご1の運搬や昇降路内へのかご1の搬入等を容易に行うことができる。
【0064】
なお、上記の例では、ドアレール17及びかご敷居7のそれぞれが分割可能になっているが、ドアレール17のみが分割可能になっていてもよいし、かご敷居7のみが分割可能になっていてもよい。
【0065】
また、各上記実施の形態では、レール本体18,51の長さ方向両端部のそれぞれにレール延長部19,52が設けられているが、レール本体18,51の長さ方向一端部のみにレール延長部19,52を設けてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 かご、3 かご出入口、4 かご室、5 かごドア、7 かご敷居、17 ドアレール、18,51 レール本体、19,52 レール延長部、21,61 敷居本体、22,62 敷居延長部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の上部に上記かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、上記レール本体の長さ方向端部に設けられたレール延長部とを有し、上記かご出入口の間口方向へ上記かごドアを案内するドアレール
を備え、
上記レール延長部は、上記レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、上記レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間で上記レール本体に対して回動可能になっていることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項2】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の下部に上記かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、上記敷居本体の長さ方向端部に設けられた敷居延長部とを有するかご敷居
を備え、
上記敷居延長部は、上記敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、上記敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で上記敷居本体に対して回動可能になっていることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項3】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の上部に配置され、上記かご出入口の間口方向へ上記かごドアを案内するドアレール
を備え、
上記ドアレールは、上記かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、上記レール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、上記レール本体と一直線上に並んで配置されるレール延長部とを有していることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項4】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の下部に配置され、上記かごドアの下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居
を備え、
上記かご敷居は、上記かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、上記敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、上記敷居本体と一直線上に並んで配置される敷居延長部とを有していることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項1】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の上部に上記かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、上記レール本体の長さ方向端部に設けられたレール延長部とを有し、上記かご出入口の間口方向へ上記かごドアを案内するドアレール
を備え、
上記レール延長部は、上記レール本体と一直線上に並ぶレール延長位置と、上記レール本体に沿った直線に対して交差するレール収納位置との間で上記レール本体に対して回動可能になっていることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項2】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の下部に上記かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、上記敷居本体の長さ方向端部に設けられた敷居延長部とを有するかご敷居
を備え、
上記敷居延長部は、上記敷居本体と一直線上に並ぶ敷居延長位置と、上記敷居本体に沿った直線に対して交差する敷居収納位置との間で上記敷居本体に対して回動可能になっていることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項3】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の上部に配置され、上記かご出入口の間口方向へ上記かごドアを案内するドアレール
を備え、
上記ドアレールは、上記かごドアの移動方向に沿って配置されたレール本体と、上記レール本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、上記レール本体と一直線上に並んで配置されるレール延長部とを有していることを特徴とするエレベータのかご。
【請求項4】
かご出入口が設けられたかご室、
上記かご出入口の間口方向へ移動することにより上記かご出入口を開閉するかごドア、及び
上記かご出入口の下部に配置され、上記かごドアの下端部が挿入される敷居溝が設けられたかご敷居
を備え、
上記かご敷居は、上記かごドアの移動方向に沿って配置された敷居本体と、上記敷居本体の長さ方向端部に着脱可能に設けられ、上記敷居本体と一直線上に並んで配置される敷居延長部とを有していることを特徴とするエレベータのかご。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−251838(P2011−251838A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128507(P2010−128507)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]