説明

エレベータのスライドドア装置

【課題】障害物の誤検出の要因となる、ごみ、汚れ、埃等による検出ビームの遮断を抑制することができるエレベータのスライドドア装置を提供する。
【解決手段】スライドドアの戸当り端上部及びスライドドアが全閉したときに戸当り端が近接する敷居の戸当り近接部の一方に設けられ、スライドドアの閉動作中に、戸当り端上部及び戸当り近接部の他方に向けて、斜め方向に光を照射する発光装置と、戸当り端上部及び戸当り近接部の他方に設けられ、発光装置が照射する光を受け、出入口の障害物を検出するための検出ビームを発光装置との間で形成する受光装置と、戸当り近接部に設けられた発光装置及び受光装置の一方の上方で敷居に設けられ、検出ビームの経路を開放した状態で、戸当り近接位置に設けられた発光装置の光出射部及び受光装置の光入射部の一方を水平投影面上で上方から遮蔽した遮蔽体と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータのスライドドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのスライドドア装置においては、発光側の光電管が、支持体を介して、カゴ出入口に取り付けられている。また、受光側の光電管が、敷居に取り付けられている。ここで、敷居には、開口部が形成されている。この開口部内に、受光側の光電管が配置される。そして、開口部には、ガラス材で形成されたカバーが取り付けられている。かかる構成のスライドドア装置においては、受光側の光電管が、カバーを介して、発光側の光電管が発した光を受け、検出ビームが形成される。そして、障害物が検出ビーム間に存在すると、受光側の光電管に到達する光量が減少する。これにより、障害物を検出することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−227781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のものにおいては、カバー上に、ごみや汚れが付着したり、埃が堆積しやすい。即ち、ごみ、汚れ、埃等により検出ビームが遮断され、受光側の光電管に到達する光量が減少し、障害物を誤検出してしまうという問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、障害物の誤検出の要因となる、ごみ、汚れ、埃等による検出ビームの遮断を抑制することができるエレベータのスライドドア装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのスライドドア装置は、エレベータの出入口に設けられたスライドドアと、前記出入口の下縁部に設けられ、前記スライドドアの下部を開閉方向に案内する敷居と、前記スライドドアの戸当り端上部及び前記スライドドアが全閉したときに前記戸当り端が近接する前記敷居の戸当り近接部の一方に設けられ、前記スライドドアの閉動作中に、前記戸当り端上部及び前記戸当り近接部の他方に向けて、斜め方向に光を照射する発光装置と、前記戸当り端上部及び前記戸当り近接部の他方に設けられ、前記発光装置が照射する光を受け、前記出入口の障害物を検出するための検出ビームを前記発光装置との間で形成する受光装置と、前記戸当り近接部に設けられた前記発光装置及び前記受光装置の一方の上方で前記敷居に設けられ、前記検出ビームの経路を開放した状態で、前記戸当り近接位置に設けられた前記発光装置の光出射部及び前記受光装置の光入射部の一方を水平投影面上で上方から遮蔽した遮蔽体と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、障害物の誤検出の要因となる、ごみ、汚れ、埃等による検出ビームの遮断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置の横断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置に利用される受光装置の詳細図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。
【図6】この発明の実施の形態3におけるエレベータのスライドドア装置に利用される発光装置の詳細図である。
【図7】この発明の実施の形態4におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。
【図8】この発明の実施の形態4におけるエレベータのスライドドア装置に利用される発光装置及び受光装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。
図1において、1はエレベータのカゴ出入口である。このカゴ出入口1は、昇降路内を昇降するカゴに形成される。2はカゴドアである。これらのカゴドア2は、カゴ出入口1に設けられる。このカゴドア2は、両開き構造である。即ち、両カゴドア2が左右にスライドすることで、カゴ出入口1を開閉する構成となっている。3はカゴの敷居である。このカゴの敷居3は、カゴドア2の下部を開閉方向に案内する機能を備える。これにより、カゴドア2が円滑に開閉するようになっている。
【0011】
4は発光装置である。両カゴドア2の戸当り端上部に設けられる。これらの発光装置4は、発光ダイオード(LED)、ランプ、レーザダイオード等、光出射部としての光源を備える。これらの光源は、カゴドア2の閉動作中に、両カゴドア2が全閉したときに戸当り端が近接するカゴの敷居3中央の戸当り近接部に向けて、斜め下方に光を照射する機能を備える。この発光装置4は、カゴドア2の全閉直前に、カゴドア2の戸当り端より引っ込むようになっている。
【0012】
5は受光装置である。これらの受光装置5は、カゴの敷居3中央の戸当り近接部に形成された切り欠き部に埋め込まれる。具体的には、受光装置5は、発光装置4と互いに相対するように配置される。これらの受光装置5は、発光装置4が照射する光を受ける機能を備える。
【0013】
即ち、受光装置5は、カゴ出入口1の障害物を検出するための検出ビーム6を発光装置4との間で形成する機能を備える。これらの検出ビーム6は、互いに交差するように形成されることになる。そして、これらの検出ビーム6の遮断の有無を受光装置5で検出し、カゴ出入口1の障害物を検出する。
【0014】
図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置の横断面図である。
図2において、7はカゴ床である。カゴ出入口1は、このカゴ床7縁部を下縁部にして形成される。8は乗場床である。乗場出入口は、この乗場床8縁部を下縁部にして形成される。そして、カゴ出入口1と乗場出入口とで、カゴ床7と乗場床8とを区切っている。
【0015】
この乗場床8には、乗場の敷居9が設けられている。この乗場の敷居9に、乗場ドア10の下部が開閉方向に案内される。この乗場ドア10は、カゴドア2と連動して開閉するようになっている。即ち、カゴドア2と乗場ドア10とが同時に開閉することで、カゴ出入口1と乗場出入口が同時に開閉するようになっている。本実施の形態では、カゴ出入口1側だけに、発光装置4と受光装置5を設けることで、障害物検出コストの低減が図られている。
【0016】
図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置に利用される受光装置の詳細図である。
図3に示すように、受光装置5は、遮蔽体11、基板12、受光素子13、結像レンズ14、敷居用透過体15を備える。
【0017】
遮蔽体11は、カゴの敷居3の中央に埋め込まれる。この遮蔽体11は、対応する発光装置4が設けられたカゴドア2の戸当り側に開口している。基板12は、遮蔽体11内に設けられる。受光素子13は、基板12上面に設けられる。この受光素子13は、フォトダイオード、CCDやCOMSのイメージセンサ等からなり、受光装置5の光入射部となる。即ち、受光素子13は、鉛直上向きではなく、発光装置4方向に斜め上向きに配置される。この受光素子13は、基板12に駆動され、受光量に応じた電気信号を出力する機能を備える。この出力した電気信号は、基板12によって処理される。
【0018】
かかる構成により、受光素子13は、遮蔽体11の開口部により、発光装置4との間の検出ビーム6の経路が開放されている。また、受光素子13は、遮蔽体11の上面により、水平投影面上で上方から遮蔽されている。
【0019】
結像レンズ14は、受光素子13の対応する発光装置4側に近接して設けられる。この結像レンズ14は、発光装置4の光出射部を受光素子13上に結像する機能を備える。即ち、受光素子13側で、発光装置4の光出射部を見かけ上小さくし、検出ビーム6を細くする機能を備える。
【0020】
敷居用透過体15は、透明なアクリル、ガラス、樹脂等、発光装置4が照射する光を透過する性質を有した垂直面を備える。この敷居用透過体15の垂直面は、法線が水平方向に向くようになっている。この敷居用透過体15の垂直面は、結像レンズ14よりも対応する発光装置4側で、遮蔽体11の開口部を塞いでいる。これにより、受光素子13は、カゴドア2の戸当り側から密閉される。
【0021】
この敷居用透過体15の垂直面は、発光装置4が照射する光のみを透過するものが利用される場合もある。これにより、照明や日光等の外乱光を除去することができる。例えば、発光装置4が近赤外波の発光ダイオードの場合、敷居用透過体15として、赤外光のみを透過し、可視光を透過しない材質が選択される。この場合、蛍光灯やメタルハライドランプ等の一般的な照明光の入射を除去することができる。
【0022】
図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのスライドドア装置の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1で、カゴドア2の閉動作が開始され、ステップS2に進む。ステップS2では、発光装置4の光出射部が発光を開始するとともに、受光装置5が、発光装置4の照射する光による受光量をモニターする。
【0023】
このとき、遮蔽体11の上面には、ごみや汚れが付着したり、埃が堆積したりする。しかし、遮蔽体11の上面は、検出ビーム6の経路にはない。従って、検出ビーム6の経路が安定して確保されている。そして、検出ビーム6の経路が確保された状態で、ステップS3に進む。ステップS3では、受光装置5での受光量が一定値以下か否かが判断される。受光装置5での受光量が一定値よりも大きい場合は、カゴドア2の閉動作が継続され、ステップS4に進む。
【0024】
ステップS4では、カゴドア2の開放量が一定値以下であるか否かが判断される。ドアの開放量が一定よりも大きい場合は、ステップS3に戻る。これに対し、カゴドア2の開放量が一定値以下の場合は、ステップS5に進む。ステップS5では、発光装置4の光出射部からの発光が停止され、動作が終了する。なお、発光装置4は、カゴドア2の全閉直前に、カゴドア2の戸当り端より引っ込むように移動される。
【0025】
これに対し、ステップ3で受光装置5での受光量が一定値よりも大きければ、ステップS6に進む。ステップS6では、検出ビーム6が障害物によって遮断されたものと判断され、カゴドア2の閉動作が反転される。その後、ステップS1に戻り、上記動作が繰り返される。
【0026】
以上で説明した実施の形態1によれば、遮蔽体11は、検出ビーム6の経路を開放した状態で、カゴの敷居3中央の戸当り近接部に設けられた受光装置5の光入射部を水平投影面上で上方から遮蔽している。このため、ごみ、汚れ、埃等による検出ビーム6の遮断を抑制することができる。これにより、障害物検出の誤動作のない安定したスライドドア装置を実現することができる。
【0027】
また、カゴドア2の移動に伴って発光装置4も移動することにより、検出ビーム6がカゴ出入口1を間口方向、即ち、カゴドア2の開閉方向に走査することになる。このため、カゴ出入口1の障害物検出範囲を広く確保することができる。さらに、受光装置5は、カゴの敷居3に埋め込まれている。このため、カゴ床7に接している障害物についても検出することができる。
【0028】
加えて、敷居用透過体15は、発光装置4が照射する光を透過する垂直面で、カゴの敷居3中央の戸当り近接部に設けられた受光素子13をカゴドア2の戸当り側から密閉している。このため、敷居用透過体15の開口部から受光素子13側に向けて、埃等が舞い込むことを防止することができる。
【0029】
また、結像レンズ14は、発光装置4の光出射部を受光素子13に結像する。このため、紐のような細い障害物でも検出することができる。
【0030】
なお、高速カゴドアと低速カゴドアの組み合わせが2組あり、それぞれが左右逆方向に動作する4枚扉構造のスライドドアでも、高速カゴドアに発光装置4を設けることで、上記同様の効果を得ることができる。
【0031】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
実施の形態1においては、両開き式のカゴドア2が設けられていた。一方、実施の形態2においては、片開き式のカゴドアが設けられている。実施の形態2においては、高速カゴドア16と低速カゴドア17とがカゴ出入口1に設けられる。高速カゴドア16は、低速カゴドア17よりも高速に移動できるようになっている。そして、高速カゴドア16と低速カゴドア17とが同方向にカゴの敷居3に案内され、カゴ出入口1が開閉される。
【0033】
実施の形態2においては、発光装置4は、高速カゴドア16の戸当り端上部に設けられる。一方、受光装置5は、高速カゴドア16が全閉したときに高速カゴドア16の戸当り端が近接するカゴの敷居3一端の戸当り近接部を切り欠いて埋め込まれる。
【0034】
以上で説明した実施の形態2によれば、一対の発光装置4と受光装置5のみでカゴ出入口1の障害物検出範囲を広く確保することができる。即ち、障害物の検出ミスが少ないスライドドア装置を実現することができる。
【0035】
なお、高速カゴドア、中速カゴドア、低速カゴドアの3枚構造のスライドドアでも、同様の設置で、上記同様の効果を得ることができる。
【0036】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3におけるエレベータのスライドドア装置に利用される発光装置4の詳細図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
実施の形態1の発光装置4には、一つの発光素子が設けられていた。一方、実施の形態3の発光装置4には、複数の発光素子18〜22がカゴドア2の開閉方向に直列に並んで設けられる。これらの発光素子18〜22は、受光装置5に向けて順々に光を照射し、同時に光を照射しないように構成される。具体的には、まず、カゴドア2の戸袋側に配置された発光素子18が光を照射する。その後、発光素子19、20、21の順に光を照射する。最後に、発光素子22が光を照射する。
【0038】
ここで、図6の左側には、発光素子18が照射する光によって形成される検出ビーム23が示される。また、図6の右側には、発光素子20が照射する光によって形成される検出ビーム24が示される。図6に示すように、各発光素子18〜22が受光装置5に向けて照射した光によって形成される検出ビーム23、24等は、出射角度が異なることになる。即ち、各発光素子18〜22が光を照射しているタイミング毎に、障害物検出位置が異なることになる。
【0039】
なお、発光素子の数は、5個に限定されず、発光装置4に許容される大きさ、消費電力、必要な検出範囲等に基づいた適当数に決定される。
【0040】
以上で説明した実施の形態3によれば、複数の発光素子18〜22が、受光装置5に向けて順々に光を照射する。このため、カゴ出入口1の障害物検出範囲を広く確保することができる。即ち、障害物の検出ミスが少ないスライドドア装置を実現することができる。
【0041】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4におけるエレベータのスライドドア装置をカゴ内から見た場合の正面図である。図8はこの発明の実施の形態4におけるエレベータのスライドドア装置に利用される発光装置及び受光装置の詳細図である。なお、実施の形態3と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
実施の形態4においては、発光装置4と受光装置5の配置が実施の形態3と反対となる。即ち、発光装置4が、カゴの敷居3中央の戸当り近接部に埋め込まれる。一方、受光装置5が、カゴドア2の戸当り端上部に設けられる。これにより、検出ビーム25の向きも斜め上方に変わる。
【0043】
具体的には、発光装置4は、遮蔽体26、発光素子27〜31、敷居用透過体32を備える。遮蔽体26は、カゴの敷居3中央の戸当り近接部に埋め込まれる。この遮蔽体26は、対応する受光装置5が設けられたカゴドア2の戸当り側に開口している。
【0044】
発光素子27〜31は、遮蔽体26内で、カゴドア2の開閉方向に並んで設けられる。敷居用透過体32は、発光素子27〜31よりも対応する発光装置4側で、遮蔽体26の開口部を塞いでいる。この敷居用透過体32は、透明なアクリル、ガラス、樹脂等、発光装置4が照射する光を透過する性質を有する。
【0045】
受光装置5は、筐体33、基板34、受光素子35、結像レンズ36、ドア用透過体37を備える。筐体33は、カゴドア2の戸当り端上部に設けられる。この筐体33は、鉛直下向きに開口している。基板34は、筐体33内に設けられる。
【0046】
受光素子35は、基板34下面に設けられる。結像レンズ36は、受光素子35の対応する発光装置4側に近接して設けられる。ドア用透過体37は、透明なアクリル、ガラス、樹脂等、発光装置4が照射する光を透過する性質を有する。ドア用透過体37は、結像レンズ36よりも対応する発光装置4側で、筐体33の開口部を塞いでいる。これにより、受光素子35は、下方から密閉される。
【0047】
以上で説明した実施の形態4によれば、ドア用透過体37は、発光装置4が照射する光を透過する水平面で、カゴドア2の戸当り端上部に設けられた受光装置5を下方から密閉している。このため、より確実に、ごみ、汚れ、埃等による検出ビーム25の遮断を抑制することができる。
【0048】
なお、実施の形態1〜4においては、例えば、図2に示すように、カゴ出入口1側に、発光装置4、受光装置5が設けられる。しかし、発光装置4、発光装置5は、乗場出入口側に設けられる場合もある。具体的には、乗場ドア10に発光装置4が設けられるとともに、乗場の敷居9に受光装置5が設けられる場合もある。また、乗場の敷居9に発光装置4が設けられるとともに、乗場ドア10に受光装置5が設けられる場合もある。
【0049】
さらに、カゴ側及び乗場側の双方に、発光装置4と受光装置5とが設けられる場合もある。即ち、エレベータの出入口に設けられたスライドドアと敷居に、上記のように発光装置4と受光装置5とを設ければ、ごみ、汚れ、埃等による検出ビーム6等の遮断を抑制することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 カゴ出入口、 2 カゴドア、 3 カゴの敷居、 4 発光装置、
5 受光装置、 6 検出ビーム、 7 カゴ床、 8 乗場床、 9 乗場の敷居、
10 乗場ドア、 11 遮蔽体、 12 基板、 13 受光素子、
14 結像レンズ、 15 敷居用透過体、 16 高速カゴドア、
17 低速カゴドア、 18〜22 発光素子、 23〜25 検出ビーム、
26 遮蔽体、 27〜31 発光素子、 32 敷居用透過体、 33 筐体、
34 基板、 35 受光素子、 36 結像レンズ、 37 ドア用透過体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの出入口に設けられたスライドドアと、
前記出入口の下縁部に設けられ、前記スライドドアの下部を開閉方向に案内する敷居と、
前記スライドドアの戸当り端上部及び前記スライドドアが全閉したときに前記戸当り端が近接する前記敷居の戸当り近接部の一方に設けられ、前記スライドドアの閉動作中に、前記戸当り端上部及び前記戸当り近接部の他方に向けて、斜め方向に光を照射する発光装置と、
前記戸当り端上部及び前記戸当り近接部の他方に設けられ、前記発光装置が照射する光を受け、前記出入口の障害物を検出するための検出ビームを前記発光装置との間で形成する受光装置と、
前記戸当り近接部に設けられた前記発光装置及び前記受光装置の一方の上方で前記敷居に設けられ、前記検出ビームの経路を開放した状態で、前記戸当り近接位置に設けられた前記発光装置の光出射部及び前記受光装置の光入射部の一方を水平投影面上で上方から遮蔽した遮蔽体と、
を備えたことを特徴とするエレベータのスライドドア装置。
【請求項2】
前記発光装置が照射する光を透過する垂直面で、前記戸当り近接部に設けられた前記発光装置の光出射部及び前記受光装置の光入射部の一方を前記スライドドアの戸当り端側から密閉した敷居用透過体、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータのスライドドア装置。
【請求項3】
前記発光装置が照射する光を透過する水平面で、前記戸当り端上部に設けられた前記発光装置及び前記受光装置の他方を下方から密閉したドア用透過体、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのスライドドア装置。
【請求項4】
前記受光装置は、
受光素子と、
前記受光素子の前記発光装置側に近接して設けられ、前記発光装置の光出射部を前記受光素子に結像する結像レンズと、
からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータのスライドドア装置。
【請求項5】
前記発光装置は、前記スライドドアの開閉方向に並んで設けられ、前記受光装置に向けて順々に光を照射する複数の発光素子からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータのスライドドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−37613(P2011−37613A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188931(P2009−188931)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】