説明

エレベータのドア制御パターン検出装置

【課題】この発明は、エレベータドアの開閉動作の制御パターンをより容易に検出させることができるエレベータのドア制御パターン検出装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】ドアハンガ3には、ドアパネル2を試験的に開閉動作させるときにドアパネル2の位置データを検出するドア位置検出器16が取り付けられている。ドア位置検出器16は、内部電源、位置検出部、及び検出器側メモリを含み、ドア制御装置10に対して非接続状態で独自にドアパネル2の位置データを検出し保持することができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータドアの開閉動作の制御パターンを検出するエレベータのドア制御パターン検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータのドアパネルやリンク機構等を残したまま、ドアモータとドア制御装置とを新設品に取り換える改修が行われている。この改修では、ドア制御装置が新設品に取り換えられるので、ドアモータの制御パターンを改めて設定する必要がある。
【0003】
そして、従来装置では、ドア制御装置は、ドア速度検出器が検出するドアパネルの移動速度と、モータ速度検出器が検出するドアモータの回転速度とに基づいて、ドアモータの制御パターンを検出させている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−302369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のドア制御システムでは、ドア速度検出器は、ドア制御装置に対してケーブルで接続されているので、ドアパネルの開閉動作中に、ケーブルが周辺装置の動作の邪魔をしないように配慮する必要があり、余分な手間がかかっていた。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エレベータドアの開閉動作の制御パターンをより容易に検出させることができるエレベータのドア制御パターン検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータのドア制御パターン検出装置は、ドアモータの動作情報を検出するモータ側検出器、エレベータドアに搭載され、エレベータドアの動作情報を検出するドア側検出器、及びモータ側検出器及びドア側検出器からの情報に基づいて、ドアモータの動作とエレベータドアの動作との関係を求めるドア制御パターン検出装置本体を備え、ドア側検出器は、ドア制御パターン検出装置本体に対して非接続の状態でエレベータドアの動作情報を独自に検出し保持することが可能であることを特徴とするエレベータのドア制御パターン検出装置。
【発明の効果】
【0008】
この発明のエレベータのドア制御パターン検出装置によれば、ドア側検出器は、ドア制御パターン検出装置本体に対して非接続の状態でエレベータドアの動作情報を独自に検出し保持することが可能であるので、周辺装置の動作がケーブルによって邪魔されることをより確実に防ぎ、エレベータドアの開閉動作の制御パターンをより容易に検出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータドア装置の要部を示す正面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図において、かごには、かご出入口を開閉するエレベータドア1が搭載されている。エレベータドア1には、一対のドアパネル2と、ドアパネル2の上部に固定されたドアハンガ3とが含まれている。ドアハンガ3には、複数のローラ4が取り付けられている。
【0010】
かご出入口の上側には、桁5が配置されている。桁5には、ハンガケース7が固定されている。ハンガケース7には、ハンガレール8が固定されている。ドアパネル2は、ドアハンガ3及びローラ4を介してハンガレール8に吊り下げられている。
【0011】
桁5の上側には、ドア制御装置(ドア制御パターン検出装置本体)10、ドアモータ11、及び減速機構12が配置されている。減速機構12は、リンク装置13によって各ドアパネル2と連結されている。ドアモータ11の軸の回転は、減速機構12によって減速されるとともに、リンク装置13によってドアパネル2に伝動される。ドアパネル2は、ドアモータ11の駆動力によってハンガレール8に沿って開閉動作される。ドアモータ11の動作は、ドア制御装置10によって制御される。
【0012】
ここで、ドア制御装置10及びドアモータ11は、既設のものから取り換えられた新設品であり、ドアパネル2、減速機構12、及びリンク装置13等は既設のものである。つまり、新設品のドア制御装置10には、既設の減速機構12及びリンク装置13に対応したドアモータ11の制御パターンが格納されていない状態であり、ドアパネル2を試験的に開閉動作させて、そのドアモータ11の制御パターンを求めなければならない状態である。
【0013】
ドアモータ11には、ドアモータ11の動作情報である回転回数をカウントする回転数カウンタ(モータ側検出器)15が取り付けられている。回転数カウンタ15は、ドア制御装置10に接続されている。ドア制御装置10は、回転数カウンタ15がカウントしたドアモータ11の回転回数データを順次取り込む。
【0014】
ドアハンガ3には、ドアパネル2の試験開閉動作中に、ドアパネル2の動作情報である位置データ(変位データ)を検出するドア位置検出器(ドア側検出器)16が取り付けられている。ドア位置検出器16は、ドア制御装置10に対して非接続な状態で独自にドアパネル2の位置データを検出し保持する。なお、この実施の形態では、ドア制御パターン検出装置は、ドア制御装置10、回転数カウンタ15、及びドア位置検出器16を有している。
【0015】
後に詳しく説明するが、ドア制御装置10は、ドア位置検出器16からドアパネル2の位置データを取り込み、そのドアパネル2の位置データと、ドアパネル2の試験開閉動作時に取り込まれたドアモータ11の回転回数データとに基づいて、エレベータドア1の動作とドアモータ11の動作との関係を求め、ドアモータ11を制御するためのモータ速度制御パターンを求める。
【0016】
次に、図3は、図1のドア位置検出器16を拡大して示す正面図である。図4は、図3のドア位置検出器16を示す構成図である。図において、ドア位置検出器16には、内部電源18、マグネット(電磁石)19、マグネットスイッチ21、位置検出部(動作情報検出部)22、検出器側メモリ28、検出器側タイマカウンタ29、検出器側制御部31、検出器側コネクタ32、及び検出器側入出力インタフェース33が含まれている。
【0017】
内部電源18は、ドア制御装置10の電源から独立されたドア位置検出器16内の電源である。内部電源18としては、例えばバッテリーや電池等が用いられる。
【0018】
マグネット19は、ドア位置検出器16をドアハンガ3に固定するためのものである。マグネットスイッチ21は、マグネット19の磁力を有効及び無効で切り替えるためのものである。ドア位置検出器16は、ドアハンガ3に対して着脱自在である。
【0019】
位置検出部22、検出器側メモリ28、及び検出器側タイマカウンタ29は、ドアパネル2の試験開閉動作時にドアパネル2の位置データを採取するためのものである。
【0020】
位置検出部22は、投受光部24、位置演算部25を有している。投受光部24は、ドア位置検出器16がドアハンガ3に取り付けられる際に、ハンガケース7に対向されるように配置される。投受光部24からは、ドアパネル2の位置データが採取される際にビーム24aが放射される。放射されたビーム24aはハンガケース(反射部材)7で反射される。投受光部24は、ハンガケース7で反射されたビーム24aを検出する。
【0021】
投受光部24によるビーム24aの反射波の検出結果は、位置演算部25に入力される。位置演算部25は、投受光部24によるビーム24aの反射波の検出結果に基づいて、ドアパネル2の位置データを順次求める。位置演算部25が求めたドアパネル2の位置データは、検出器側タイマカウンタ29からの時点データ毎に検出器側メモリ28に格納される。
【0022】
検出器側制御部31は、これら投受光部24、位置演算部25、及び検出器側メモリ28によるドアパネル2の位置データの取り込み動作を、マグネットスイッチ21の操作に応じて開始及び終了させる。具体的には、検出器側制御部31は、マグネット19の磁力が有効にされたときにドアパネル2の位置データの取り込み動作を開始させ、マグネット19の磁力が無効にされたときにドアパネル2の位置データの取り込み動作を終了させる。なお、ドアパネル2の試験開閉動作中のドア位置検出器16によるドアパネル2の位置データの取り込みは、ドアパネル2の全開から全閉まで(全閉から全開まで)の全移動領域で行われる。
【0023】
検出器側コネクタ32は、ドア位置検出器16がドア制御装置10に接続される際に用いられる。ドア位置検出器16は、ドアパネル2の試験開閉動作前と、ドアパネル2の試験開閉動作後とにドア制御装置10に接続される。
【0024】
ここで、位置検出部22によるドアパネル2の位置データの検出原理について説明する。ビーム24aが放射されるハンガケース7の表面には僅かにだが凸凹があるので、この凸凹によってビーム24aの行路に差が生じる。このため、ハンガケース7の表面の凸部分、凹部分、及び中間部分でそれぞれ反射されたビーム24a間には互いに位相差が生じ、それらが互いに干渉し合うので、投受光部24では明暗状の干渉縞が検出される。そして、ドア位置検出器16がハンガケース7に対して変位されないときには、投受光部24で検出される干渉縞は変化しない。これに対して、ドア位置検出器16がハンガケース7に対して変位されるときには、投受光部24で検出される干渉縞は、ドア位置検出器16のハンガケース7に対する変位に応じて変化される。位置演算部25は、投受光部24で検出される干渉縞の変化に基づいて、ドア位置検出器16のハンガケース7に対する変位量を求め、その変位量からドアパネル2の位置データを作成する。なお、ドア位置検出器16は、ハンガケース7に対して一定距離を保ったまま変位するので、投受光部24では、安定した強度のビーム24aの反射波が検出される。
【0025】
次に、図5は、図1のドア位置検出器16がドア制御装置10に接続された状態のドア装置の要部を示す正面図である。図6は、図5のドア位置検出器16とドア制御装置10とを示す構成図である。図において、ドア制御装置10には、制御装置側コネクタ35、制御装置側入出力インタフェース36、制御装置側制御部38、制御装置側タイマカウンタ(本体側タイマカウンタ)39、タイマリセット指令発生手段41、制御装置側メモリ(本体側メモリ)42、位置速度演算部45、PWM信号発生回路48、ゲート回路49、及びインバータ50が含まれている。
【0026】
制御装置側コネクタ35には、検出器側コネクタ32が接続される。ドア位置検出器16及びドア制御装置10間の信号は、検出器側入出力インタフェース33及び制御装置側入出力インタフェース36を介して送受信される。換言すると、ドア位置検出器16は、ドア制御装置10に対して直接(ケーブルレス)接続される。
【0027】
タイマリセット指令発生手段41は、検出器側タイマカウンタ29及び制御装置側タイマカウンタ39のカウントをリセットさせるためのものである。ドア制御装置10にドア位置検出器16が接続された状態で、タイマリセット指令発生手段41が操作されると、検出器側タイマカウンタ29及び制御装置側タイマカウンタ39のカウントは同期される。
【0028】
ここで、制御装置側入出力インタフェース36には、回転数カウンタ15からの信号が入力される。回転数カウンタ15がカウントしたドアモータ11の回転回数データは、制御装置側タイマカウンタ39からの時点データ毎に制御装置側メモリ42に順次格納される。つまり、ドアパネル2の試験開閉動作前に、ドア制御装置10にドア位置検出器16が接続され、その状態でタイマリセット指令発生手段41が操作されると、ドアパネル2の位置データの検出及びドアモータ11の回転回数データが同期された時点データに関連付けられることになる。なお、制御装置側メモリ42には、ドアパネル2が全移動領域を移動する間の回転回数データが格納される。
【0029】
また、ドア位置検出器16がドア制御装置10に接続されているときには、制御装置側制御部38から検出器側制御部31に対してデータ要求信号が送信される。検出器側制御部31は、データ要求信号を受信すると、検出器側メモリ28に格納されたドアパネル2の位置データ及び時点データをドア制御装置10に転送する。ドアパネル2の位置データ及び時点データは、制御装置側メモリ42に格納される。
【0030】
位置速度演算部45は、制御装置側メモリ42に格納されたドアパネル2の位置データと、ドアモータ11の回転数データと、時点データとに基づいて、モータ速度制御パターンを求める。モータ速度制御パターンは、制御装置側メモリ42に格納される。
【0031】
PWM信号発生回路48は、制御装置側メモリ42に格納されたモータ速度制御パターンに基づいて、PWM(パルス幅変調)信号を作成し、そのPWM信号をゲート回路49に入力する。PWM信号がゲート回路49に入力されると、インバータ50のゲートが駆動され、モータ速度制御パターンに応じた電力がドアモータ11に給電される。
【0032】
次に、動作について説明する。図7は、図1のドア制御パターン検出装置を用いてのモータ速度制御パターンを求める手順を示すフローチャートである。図8は、図6の制御装置側メモリ42に格納された状態のドアモータ11の回転回数データとドアパネル2の位置データとを示す説明図である。
【0033】
ドア制御パターン検出装置を用いてモータ速度制御パターンを求める際には、まず、ドア位置検出器16に搭載されたバッテリーを充電するか、ドア位置検出器16に電池を装着する等して、ドア位置検出器16の電源を準備する(ステップS1)。
【0034】
その次に、ドア位置検出器16をドア制御装置10に接続し(ステップS2)、タイマリセット指令発生手段41を操作することで、検出器側タイマカウンタ29及び制御装置側タイマカウンタ39のタイムカウントをリセットさせる(ステップS3)。この時点が図8における時刻0に相当する。
【0035】
次に、ドア位置検出器16をドア制御装置10から取り外すとともに(ステップS4)、投受光部24がハンガケース7に対向するようにドア位置検出器16を所定の位置に配置する(ステップS5)。
【0036】
ドア位置検出器16を所定の位置に配置し終えたら、マグネットスイッチ21をオン状態にすることでマグネット19の磁力を有効にし、ドア位置検出器16をドアハンガ3に固定する(ステップS6)。このとき、投受光部24からビーム24aが放射され始められるとともに、位置演算部25が求めたドアパネル2の位置データが検出器側タイマカウンタ29からの時点データ毎に検出器側メモリ28に順次格納され始められる。即ち、ドア位置検出器16によるドアパネル2の位置データの取り込みが開始される。この時点が図8における時刻T1に相当する。
【0037】
次に、ドアモータ11に対して給電させ、ドアパネル2を低速で開閉動作させ始める(ステップS7)。つまり、ドアパネル2の試験開閉動作が開始される。このとき、回転数カウンタ15がカウントしたドアモータ11の回転回数データが、制御装置側タイマカウンタ39からの時点データ毎に制御装置側メモリ42に順次格納され始められる。この時点が図8における時刻T2に相当する。
【0038】
次に、ドアパネル2が全閉状態または全開状態になるかどうかがドア制御装置10によって監視される(ステップS8)。このとき、ドアパネル2の全閉状態または全開状態がドア制御装置10によって検出されると、ドアモータ11への給電が断たれるとともに、ドアモータ11の回転数データの取り込みが終了される(ステップS9)。この時点が図8における時刻T3に相当する。
【0039】
次に、マグネットスイッチ21をオフ状態にすることでマグネット19の磁力を無効にし、ドア位置検出器16をドアハンガ3から取り外す(ステップS10)。このとき、投受光部24からのビーム24aの放射が終了されるとともに、検出器側メモリ28へのドアパネル2の位置データと時点データとの格納も終了される。即ち、ドア位置検出器16によるドアパネル2の位置データの取り込みが終了される。この時点が図8における時刻T4に相当する。
【0040】
次に、ドア位置検出器16をドア制御装置10に接続する(ステップS11)。すると、制御装置側制御部38から検出器側制御部31に対して、データ要求信号が送信され、検出器側メモリ28に格納されたドアパネル2の位置データ及び時点データが、ドア制御装置10に転送され、制御装置側メモリ42に格納される(ステップS12)。
【0041】
次に、ドア制御装置10では、モータ速度制御パターンの算出に不必要な領域、即ちドアモータ11の回転数データが採取されていないT1〜T2及びT3〜T4の領域のドアパネル2の位置データが削除され(ステップS13)、残されたT2〜T3の領域のドアパネル2の位置データからドアパネル2の移動速度が算出されるとともに、ドアモータ11の回転回数データからドアモータ11の回転速度が算出される(ステップS14)。
【0042】
次に、ドアパネル2の全移動領域におけるドアパネル2の移動速度とドアモータ11の回転速度との速度比が求められ、その速度比と、所望のドア速度パターンとに基づいて、モータ速度制御パターンが求められ、そのモータ速度制御パターンが制御装置側メモリ42に格納される(ステップS15)。
【0043】
この後、ドアモータ11は、回転数カウンタ15から入力されるドアモータ11の回転数データと、制御装置側メモリ42に格納されたモータ速度制御パターンとに基づいて、ドア制御装置10によって制御される。また、ドアモータ11の制御には、ドアパネル2の位置データは必要ないので、ドア制御装置10からドア位置検出器16を撤去する(ステップS16)。
【0044】
このようなエレベータのドア制御パターン検出装置では、ドア位置検出器16は、内部電源18、位置検出部22、及び検出器側メモリ28を含み、ドア制御装置10に対して非接続な状態で独自にドアパネル2の位置データを検出し保持するので、周辺装置の動作がケーブルによって邪魔されることをより確実に防ぐことができ、ドアモータ11の制御パターンをより容易に検出させることができる。
【0045】
また、このようなエレベータのドア制御パターン検出装置では、内部電源18は、バッテリーまたは電池であるので、他の機器の据え付け作業中に充電したり、乾電池を交換したりすることでドア位置検出器16を使用可能とすることができ、利便性を向上させることができる。
【0046】
さらに、従来装置では、ドアパネル2に穴をあけ、ボルト等でドア用速度検出器をドアパネル2に固定する必要があったが、この実施の形態1のようなドア制御システムでは、ドア位置検出器16は、マグネット19及びマグネットスイッチ21を含むので、より容易にドア位置検出器16をドアハンガ3に着脱することができ、より容易にドアモータ11の速度制御パターンを求めることができる。また、ドア位置検出器16は、ドアハンガ3により容易に着脱することができるので、1つのドア位置検出器16を複数の改修作業により容易に用いることができる。
【0047】
さらにまた、このようなエレベータの制御システムでは、ドア位置検出器16は、マグネットスイッチ21の操作に応じてドアパネル2の位置データの取り込み動作を開始及び終了させる検出器側制御部31を含むので、ドア位置検出器16をドアハンガ3に固定する同時にドアパネル2の移動速度データの取り込みを開始させることができ、利便性を向上させることができる。また、ドア位置検出器16をドアハンガ3から取り外す同時にドアパネル2の移動速度データの取り込みを終了させることができるので、不必要に内部電源18が消耗されることをより確実に防ぐことができる。
【0048】
また、このようなエレベータのドア制御パターン検出装置では、ドア制御装置10にドア位置検出器16が接続された状態で、タイマリセット指令発生手段41が操作されると、検出器側タイマカウンタ29及び制御装置側タイマカウンタ39のカウントが同期されるので、ドアパネル2の位置データとドアモータ11の回転数データとを同期された時点データに関連付けさせることができ、ドアパネル2の位置データとドアモータ11の回転数データとをより容易に比較することができ、ドアモータ11の制御パターンをより容易に検出させることができる。
【0049】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるドア装置の要部を示す側面図である。図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。実施の形態1では、ドア位置検出器16は、投受光部24がハンガケース7と対向するようにドアハンガ3に取り付けられていたが、この実施の形態では、ドア位置検出器16は、投受光部24が乗場敷居55と対向するようにドアパネル2の裏面(乗場側面)に取り付けられる。このとき、かご57は、着床位置よりも下に位置されている。
【0050】
このように、ドア位置検出器16の取り付け場所は、ドアハンガ3に限定されることなくドアパネル2でもよい。つまり、ドア位置検出器16は、ドアパネル2の開閉動作時にドアパネル2とともに変位される場所に取り付けられればよい。また、投受光部24からのビーム24aの放射対象は、ハンガケース7に限定されることなく、乗場敷居55でもよい。
【0051】
実施の形態3.
実施の形態1では、ドア制御装置10及びドアモータ11が既に新設品に取り換えられた後について説明したが、ドア制御装置10及びドアモータ11が新設品に取り換えられる前に、ドア制御装置10にモータ速度制御パターンを求めさせてもよい。
【0052】
具体的には、既設のドア制御装置及びドアモータが設置されている状態で、既設ドアモータに取り付けられた回転数カウンタからの信号を分配して、設置前のドア制御装置10の制御装置側入出力インタフェース36に入力させるようにする。そして、実施の形態1と同様に低速でドアパネル2を開閉動作させ、ドア位置検出器16にドアパネル2の変位を取り込ませるとともに、その回転数カウンタからの回転数データを制御装置側メモリ42に格納させる。この後、設置前のドア制御装置10にドア位置検出器16を直接接続し、そのドア制御装置10にモータ速度制御パターンを求めさせる。
【0053】
なお、実施の形態1〜3では、実施の形態1〜3では、エレベータドア1の動作情報として、ドアパネル2の位置データが検出されると説明したが、エレベータドアの動作情報は、ドアパネルの位置データに限定されず、エレベータドアの変位速度や変位加速度等でもよい。同様に、ドアモータの動作情報は、回転回数データに限定されず、回転速度等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータドア装置の要部を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のドア位置検出器を拡大して示す正面図である。
【図4】図3のドア位置検出器を示す構成図である。
【図5】図1のドア位置検出器がドア制御装置に接続された状態のドア装置の要部を示す正面図である。
【図6】図5のドア位置検出器とドア制御装置とを示す構成図である。
【図7】図1のドア制御パターン検出装置を用いてのモータ速度制御パターンを求める手順を示すフローチャートである。
【図8】図6の制御装置側メモリに格納された状態のドアモータの回転回数データとドアパネルの位置データとを示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるドア装置の要部を示す側面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 エレベータドア、10 ドア制御装置(ドア制御パターン検出装置本体)、11 ドアモータ、15 回転数カウンタ(モータ側検出器)、16 ドア位置検出器(ドア側検出器)、18 内部電源、19 マグネット、21 マグネットスイッチ、22 位置検出部(動作情報検出部)、28 検出器側メモリ、29 検出器側タイマカウンタ、31 検出器側制御部、39 制御装置側タイマカウンタ(本体側タイマカウンタ)、41 タイマリセット指令発生手段、42 制御装置側メモリ(本体側メモリ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアモータの動作情報を検出するモータ側検出器、
エレベータドアに搭載され、上記エレベータドアの動作情報を検出するドア側検出器、及び
上記モータ側検出器及び上記ドア側検出器からの情報に基づいて、上記ドアモータの動作と上記エレベータドアの動作との関係を求めるドア制御パターン検出装置本体
を備え、
上記ドア側検出器は、上記ドア制御パターン検出装置本体に対して非接続の状態で上記エレベータドアの動作情報を独自に検出し保持することが可能であることを特徴とするエレベータのドア制御パターン検出装置。
【請求項2】
上記ドア側検出器は、上記エレベータドアの動作情報を検出する動作情報検出部、上記動作情報検出部からの情報を格納する検出器側メモリ、及び内部電源を含むことを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御パターン検出装置。
【請求項3】
上記ドア側検出器は、上記エレベータドアに対して固定されるためのマグネット、及び上記マグネットの磁力の有効及び無効を切り替えるためのマグネットスイッチをさらに含むことを特徴とする請求項2記載のエレベータのドア制御パターン検出装置。
【請求項4】
上記ドア側検出器は、上記マグネットの磁力が有効にされた際に、上記動作情報検出部の検出動作を開始させるとともに上記検出器側メモリへの情報の格納を開始させ、上記マグネットの磁力が無効にされた際に、上記動作情報検出部の検出動作を終了させるとともに上記検出器側メモリへの情報の格納を終了させる検出器側制御部をさらに含むことを特徴とする請求項3記載のエレベータのドア制御パターン検出装置。
【請求項5】
上記ドア側検出器には、上記エレベータドアの動作情報を検出する動作情報検出部、時点データを発する検出器側タイマカウンタ、及び上記動作情報検出部からの上記エレベータドアの動作情報と上記検出器側タイマカウンタからの時点データとが関連付けられて格納される検出器側メモリが含まれており、
上記ドア制御パターン検出装置本体には、時点データを発する本体側タイマカウンタ、及び上記モータ側検出器からの上記ドアモータの動作情報と上記本体側タイマカウンタからの時点データとが関連付けられて格納される本体側メモリが含まれており、
上記検出器側タイマカウンタと上記本体側タイマカウンタとは、上記ドア側検出器が上記ドア制御パターン検出装置本体に接続された際に互いに同期することができることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータのドア制御パターン検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate