説明

エレベータの保守装置

【課題】操作性を考慮した場所に設備し、落下等による破損を防ぐ構造のエレベータの保守装置を提供する。
【解決手段】エレベータの乗り場ドアを支える三方枠5と、三方枠5近傍に設置される乗り場釦1と、乗り場釦1の収納箱内に設置される保守コネクタ2と、エレベータの情報を読出す保守装置6と、保守コネクタ2と保守装置6の中間に配置し一方は保守コネクタ2に接続し、一方は赤外線等の光学系の通信手段にて保守装置6に接続し、保守装置6とエレベータの情報を変換する変換装置4とからなるエレベータの保守装置において、変換装置4の保守コネクタ2側のケーブル3の寸法は保守コネクタ2から三方枠5までの寸法以上で、かつ、保守コネクタ2の床面からの寸法以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機の保守を行う場合のエレベータの保守装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機の保守装置としては、昇降機と保守装置とは通信線で接続して使用するのが一般的であり、その通信線は作業の効率を考えできるだけ長い線を使用するのが一般的である(特許文献1参照)。これは、一般に保守装置はパソコン等の装置を使用しているため長時間にわたる作業を行った場合短い線では作業者の疲労が重なることとなるため、床面までケーブルが届くようにして保守装置を床面に置いて作業するためである。昨今、一般的な電子機器は小型化され、通信手段は有線の通信手段(代表的なものとしてはRS−232Cなど)から無線通信となってきている。特に、赤外線通信は一般的である。しかし、エレベータにおいては赤外線通信の手段は無く従来の有線手段しかないのが一般的である。この状況で赤外線の通信を行うためには変換装置が必要となる。
【特許文献1】特開平07−157226号(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
保守装置はパソコンからPDAや携帯電話などの小型軽量のものが採用された場合、操作性が従来のパソコンとは異なり床面設置による操作ではできなくなってきた。また、赤外線通信などの通信を行うためには、変換装置が必要となるがその変換装置は保守装置の操作性を考慮し専門技術者が疲れない位置に設置する必要があり、従来の床面に設置して行うことはできなくなった。つまり、専門技術者が立って操作できる位置に変換装置を設置することが必要である。また、変換装置は電子機器で構成されるため立って操作される位置に設置する場合、落下等による破損を考慮する必要がある。また、設置方法に置いても保守作業時しか使用しないものであるため仮設設置が基本となるため建物に傷をつけない構造が望ましく、マグナットなどを用いてエレベータの三方枠や乗り場ドアに設置することが望ましい。
【0004】
本発明は、上記問題を解決し操作性を考慮した場所に設置し、落下等による破損を防ぐ構造のエレベータの保守装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータの乗り場ドアを支える三方枠と、前記三方枠近傍に設置される乗り場釦と、前記乗り場釦の収納箱内に設置される保守コネクタと、前記エレベータの情報を読出す保守装置と、前記保守コネクタと前記保守装置の中間に配置し一方は前記保守コネクタに接続し、一方は赤外線等の光学系の通信手段にて前記保守装置に接続し、前記保守装置と前記エレベータの情報を変換する変換装置とからなるエレベータの保守装置において、前記変換装置の前記保守コネクタ側のケーブル寸法は前記保守コネクタから前記三方枠までの寸法以上で、かつ、前記保守コネクタの床面からの寸法以下である構造とする。
【発明の効果】
【0006】
ケーブル寸法を保守コネクタから三方枠までの寸法以上で、かつ、保守コネクタの床面からの寸法以下とすることにより、変換装置を三方枠または乗り場ドアにマグネット等により仮設置可能となり操作性が向上するとともに壁面等に傷をつけずに設置できる。また、変換装置がもし落下しても床面に接触しないケーブル寸法であるので変換装置の破損を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態を図1により説明する。図1は本発明の実施の形態を示す構造図である。
【0008】
図において、1は乗り場釦、2は保守コネクタ、3はケーブル、4は変換装置、5は三方枠、6は保守装置である。乗り場釦1の収納されている保守コネクタ2の床面からの寸法を寸法Vとし、保守コネクタ2から三方枠5までの寸法を寸法Hとした場合、変換装置4から保守コネクタ2までのケーブル3の寸法を寸法Lとすると、寸法H<寸法L<寸法Hとする。これにより、変換装置4は三方枠5に図示しないマグネットなどにより仮設置が可能となる。また、乗り場釦1は操作性を考慮された寸法で設置されているので保守装置6も同様に操作性のよいところで操作が可能になる。また、寸法Vより寸法Lは短くしてあるので、万一マグネットが外れたりして変換装置4が落下しても、変換装置は床面に接触せずに保守コネクタ2に接続されたままケーブル3にて宙吊り状態となるため変換装置は破損しないことになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態を示す構造図
【符号の説明】
【0010】
1 乗り場釦
2 保守コネクタ
3 通信ケーブル
4 変換装置
5 三方枠
6 保守装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗り場ドアを支える三方枠と、前記三方枠近傍に設置される乗り場釦と、前記乗り場釦の収納箱内に設置される保守コネクタと、前記エレベータの情報を読出す保守装置と、前記保守コネクタと前記保守装置の中間に配置し一方は前記保守コネクタに接続し、一方は赤外線等の光学系の通信手段にて前記保守装置に接続し、前記保守装置と前記エレベータの情報を変換する変換装置とからなるエレベータの保守装置において、前記変換装置の前記保守コネクタ側のケーブル寸法は前記保守コネクタから前記三方枠までの寸法以上で、かつ、前記保守コネクタの床面からの寸法以下であることを特徴とするエレベータの保守装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−213426(P2006−213426A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25334(P2005−25334)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】