説明

エレベータの敷居装置

【課題】本発明は、敷居溝の下端が貫通している場合でも、物が敷居溝を通して昇降路内に落下するのを防止するとともに、敷居溝でのつまずきを防止することを目的とするものである。
【解決手段】敷居溝内には、断面コ字状の第1の可動部材26が設けられている。可動部材26は、敷居溝11aの上端の開口部を塞ぐ上昇位置と、上昇位置よりも下方で敷居溝の底面を形成する下降位置との間で上下動可能になっている。上昇位置では、可動部材26の上面が敷居部材8,9の上面と面一となっている。可動部材26は、かごドア21の全開時に上昇位置に位置し、全閉時に下降位置に位置するように、かごドア21の開閉動作に連動して変位される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場出入口やかご出入口の床部に設けられているエレベータの敷居装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの敷居装置では、かご床の前面に複数のかご敷居支持部材が互いに間隔をおいて固定されている。これらのかご敷居支持部材上には、3本の角材が互いに平行に並べられ固定されている。そして、互いに隣接する角材間の隙間が敷居溝として利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−72364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータの敷居装置では、角材間の隙間を敷居溝として利用しているので、かご敷居支持部材が設けられている部分以外では敷居溝の下端が貫通しており、角材間の隙間に落ちた小物類がそのまま昇降路に落下し、昇降路内の機器を破損させる恐れがあった。また、身障者や高齢者が敷居溝でつまずく恐れがあった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、敷居溝の下端が貫通している場合でも、物が敷居溝を通して昇降路内に落下するのを防止することができるとともに、敷居溝でのつまずきを防止することができるエレベータの敷居装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータの敷居装置は、出入口の床部に設けられ、下端が貫通した敷居溝が設けられている敷居本体、敷居溝の上端の開口部を塞ぐ上昇位置と、上昇位置よりも下方で敷居溝の底面を形成する下降位置との間で上下動可能に敷居溝内に設けられている可動部材、及びエレベータドアの全開時に可動部材が上昇位置に位置し、全閉時に可動部材が下降位置に位置するように、エレベータドアの開閉動作に連動して可動部材を変位させる変位機構を備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータの敷居装置は、敷居溝内に可動部材が設けられているため、敷居溝の下端が貫通している場合でも、敷居溝の下端が可動部材によって塞がれ、物が敷居溝を通して昇降路内に落下するのを防止することができる。また、エレベータドアの全開時には、可動部材が上昇位置に変位されるので、身障者や高齢者が敷居溝でつまずくのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータの敷居装置の敷居本体の取付構造を示す分解斜視図である。
【図2】実施の形態1の敷居装置の全戸開時の状態を示す正面図である。
【図3】図2の敷居装置の全戸閉時の状態を示す正面図である。
【図4】図2の要部を拡大して示す構成図である。
【図5】図3の要部を拡大して示す構成図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるエレベータの敷居装置の要部の全戸開時の状態を示す構成図である。
【図9】図8の敷居装置の要部の全戸閉時の状態を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるエレベータの敷居装置を示す分解斜視図である。
【図11】図10の敷居装置の断面図である。
【図12】この発明の実施の形態4によるエレベータの敷居装置の断面図である。
【図13】この発明の実施の形態5によるエレベータの敷居装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータの敷居装置の敷居本体の取付構造を示す分解斜視図である。図において、かごの床枠1上には、耐水ベニヤ板2が固定されている。耐水ベニヤ板2の上面には、タイル3が接合されている。
【0010】
かご出入口の下部、即ち床枠1の前面には、断面L字形の複数の取付部材12が固定されている。取付部材12は、かご出入口の幅方向(図2の左右方向)に互いに間隔をおいて配置されている。また、各取付部材12は、ボルト5及びナット6により床枠1に固定されている。
【0011】
取付部材12上には、敷居本体25が固定されている。即ち、敷居本体25は、かご出入口の床部に設けられている。また、敷居本体25は、互いに平行に配置された角材状の複数(ここでは3本)の敷居部材7,8,9により構成されている。各敷居部材7,8,9は、複数本のボルト10により取付部材12に固定されている。各ボルト10は、取付部材12を貫通して敷居部材7,8,9のねじ穴に螺着されている。互いに隣接する敷居部材7,8,9間には、下端が貫通した敷居溝11a,11bが形成されている。
【0012】
図2は実施の形態1の敷居装置の全戸開時の状態を示す正面図、図3は図2の敷居装置の全戸閉時の状態を示す正面図、図4は図2の要部を拡大して示す構成図、図5は図3の要部を拡大して示す構成図、図6は図4のVI−VI線に沿う断面図、図7は図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【0013】
図において、かご出入口は、エレベータドアである第1のかごドア21及び第2のかごドア22により開閉される。各かごドア21,22の下端部には、複数の戸の脚23が固定されている。また、各かごドア21,22の下端部の戸当たり側端部(反戸袋側端部)には、押下部材としての回転自在のローラ(コロ)24が設けられている。
【0014】
敷居溝11a内には、断面コ字状の第1の可動部材26が設けられている。敷居溝11b内には、断面コ字状の第2の可動部材27が設けられている。可動部材26,27は、敷居溝11a,11bの上端の開口部を塞ぐ上昇位置(図2、4、6)と、上昇位置よりも下方で敷居溝11a,11bの底面を形成する下降位置(図3、5、7)との間で上下動可能になっている。上昇位置では、可動部材26,27の上面が敷居部材7,8,9の上面と面一となっている。
【0015】
第1の可動部材26は、かご出入口幅の第1のかごドア21が移動する範囲に設けられている。第2の可動部材27は、かご出入口幅の第2のかごドア22が移動する範囲に設けられている。かご出入口幅の戸の脚23が走行しない部分では、敷居溝11a,11b内に固定された固定塞ぎ部材28により敷居溝11a,11bが塞がれている。また、可動部材26,27の長さ方向の両端部には、傾斜面26a,27aが設けられている。
【0016】
敷居部材7,8,9の下面には、断面L字形の複数の軸支持部材29が複数の皿ねじ30により固定されている。軸支持部材29には、複数の回動軸31が支持されている。各回動軸31は、かご出入口の幅方向に直角かつ水平に配置されている。
【0017】
各回動軸31には、回動軸31を中心として回動可能なレバー(リンク)32が支持されている。即ち、レバー32は、敷居本体25に対して回動可能に支持されている。各レバー32の上端部は、第1又は第2の可動部材26,27に回動可能に連結されている。可動部材26,27には、レバー32が連結された複数のピン33が設けられている。各ピン33は、回動軸31に平行に配置されている。
【0018】
この例では、各可動部材26,27に2本のレバー32が連結されている。また、レバー32は、各可動部材26,27の長さ方向の両端部近傍に連結されている。各レバー32の下端部、即ち回動軸31に対して可動部材26,27とは反対側には、錘34が連結されている。
【0019】
実施の形態1の変位機構35は、ローラ24、軸支持部材29、皿ねじ30、回動軸31、レバー32、ピン33及び錘34を有している。変位機構35は、かごドア21,22の全開時に可動部材26,27が上昇位置に位置し、全閉時に可動部材26,27が下降位置に位置するように、かごドア21,22の開閉動作に連動して可動部材26,27を変位させる。
【0020】
具体的には、かごドア21,22の閉鎖動作時には、ローラ24が傾斜面26a,27aに沿って可動部材26,27上に乗り上げて可動部材26,27を下降位置に押し下げる。このとき、レバー32が所定角度だけ回動され上下方向に対して傾斜され、その分だけ錘34が持ち上げられる。
【0021】
また、かごドア21,22の全開時には、錘34の自重によりレバー32が逆方向へ回動されるとともに、可動部材26,27が上昇位置に変位される。可動部材26,27が上昇位置にあるとき、レバー32は上下方向に平行である。
【0022】
このようなエレベータの敷居装置では、敷居溝11a,11b内に可動部材26,27が設けられているため、分割された敷居部材7,8,9を用い、敷居溝11a,11bの下端が貫通していても、敷居溝11a,11bの下端が可動部材26,27によって塞がれ、物が敷居溝11a,11bを通して昇降路内に落下するのを防止することができる。
【0023】
また、かごの走行時に空気が敷居溝11a,11b内を通り抜けることがなく、風切り音が発生したり、敷居溝11a,11bから風が吹き上げたりするのを防止することもできる。
【0024】
さらに、かごドア21,22の全開時には、可動部材26,27が上昇位置に変位されるので、身障者や高齢者が敷居溝11a,11bでつまずくのを防止することができる。また、敷居本体25上を台車が通過しても台車が揺れ難いため、台車上の荷物の振動を低減することができる。このため、例えば、テーブルワゴン車でコーヒーなどを運ぶ場合に、コーヒーがカップから溢れるのを防止することができる。
【0025】
また、かごドア21,22の閉鎖動作時には、可動部材26,27が下降位置に押し下げられるので、敷居溝11a,11bへの戸の脚23の進入は許容され、敷居溝11a,11bの機能が阻害されることはない。
【0026】
さらに、可動部材26,27に傾斜面26a,27aを設け、かごドア21,22にローラ24を設けたので、かごドア21,22の閉鎖動作時に可動部材26,27をスムーズに押し下げることができる。
【0027】
さらにまた、かごドア21,22の全開時には、錘34の自重により可動部材26,27が上昇位置に変位されるので、モータ等の駆動源を用いずに可動部材26,27を上昇させることができ、コストを低減することができる。
【0028】
また、可動部材26,27が上昇位置にあるときには、レバー32が垂直であるため、乗客の足等により可動部材26,27に対して上方から荷重がかかっても、可動部材26,27が押し下げられることがない。
【0029】
実施の形態2.
次に、図8はこの発明の実施の形態2によるエレベータの敷居装置の要部の全戸開時の状態を示す構成図、図9は図8の敷居装置の要部の全戸閉時の状態を示す構成図である。実施の形態2は、実施の形態1の錘34の代わりに引張ばね40を用いたものであり、他の構成は実施の形態1と同様である。
【0030】
図において、敷居部材7,8,9の下面には、複数本のボルト41により断面L字形のばね止め部材42が固定されている。引張ばね40は、ばね止め部材42とレバー32の下端部との間に接続されており、可動部材26,27を上昇させる方向へレバー32を付勢する。
【0031】
また、敷居部材7,8,9の下面には、複数本のボルト43によりストッパ44が固定されている。ストッパ44は、レバー32に当接することにより、可動部材26,27を上昇させる方向へのレバー32の回動範囲を規制する。これにより、図の反時計方向へのレバー32の回動は、図8に示す垂直位置までに規制され、可動部材26,27の上方への変位も上昇位置までに規制される。ストッパ44のレバー32との当接面には、ゴムパッド等の緩衝材44aが設けられている。
【0032】
実施の形態2の変位機構45は、ローラ24、軸支持部材29、皿ねじ30、回動軸31、レバー32、ピン33、引張ばね40、ボルト41、ばね止め部材42、ボルト43及びストッパ44を有している。変位機構45は、かごドア21,22の全開時に可動部材26,27が上昇位置に位置し、全閉時に可動部材26,27が下降位置に位置するように、かごドア21,22の開閉動作に連動して可動部材26,27を変位させる。
【0033】
具体的には、かごドア21,22の閉鎖動作時には、ローラ24が傾斜面26a,27aに沿って可動部材26,27上に乗り上げて可動部材26,27を下降位置に押し下げる。このとき、レバー32が所定角度だけ回動され上下方向に対して傾斜され、その分だけ引張ばね40が引張される。
【0034】
また、かごドア21,22の全開時には、引張ばね40の復元力によりレバー32が逆方向へ回動されるとともに、可動部材26,27が上昇位置に変位される。可動部材26,27が上昇位置にあるとき、レバー32は上下方向に平行である。
【0035】
このような構成によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0036】
なお、変位機構の具体的な構成は実施の形態1、2の構成に限定されるものではない。例えば、押下部材は、傾斜面26a,27aに沿って摺動するシューであってもよい。また、専用の押下部材を設けず、閉鎖動作時に前側に位置する戸の脚23により可動部材26,27を押し下げるようにしてもよい。さらに、可動部材26,27に傾斜面26a,27aを設けず、傾斜面を設けた押下部材をエレベータドア側に取り付けて可動部材26,27の端部に当接させるようにしてもよい。
【0037】
また、実施の形態1、2では、角材状の敷居部材7,8,9を組み合わせた敷居本体25を用いたが、実施の形態1、2の構成は、下端が貫通した敷居溝を有する敷居本体であればあらゆるタイプの敷居本体に適用でき、必ずしも敷居本体が分割されていなくてもよい。
【0038】
実施の形態3.
次に、図10はこの発明の実施の形態3によるエレベータの敷居装置を示す分解斜視図、図11は図10の敷居装置の断面図である。図において、床枠1の前面には、断面L字形の取付部材4が固定されている。取付部材4は、水平な平板状の敷居支持部4aと、床枠1の前面に接合され固定された複数の固定部4bとを有している。敷居支持部4aは、かご出入口の幅方向全体に渡って連続して設けられている。
【0039】
各固定部4bは、敷居支持部4aの床枠1側の端部を下方へ直角に折り曲げて形成されている。また、各固定部4bは、ボルト5及びナット6により床枠1に固定されている。この例では、固定部4bは、かご出入口の幅方向に互いに間隔をおいて設けられているが、かご出入口の幅方向全体に渡って連続して設けてもよい。
【0040】
敷居支持部4a上には、敷居部材7,8,9が互いに間隔をおいて平行に固定されている。各敷居部材7,8,9は、複数本のボルト10により敷居支持部4aに固定されている。各ボルト10は、敷居支持部4aを貫通して敷居部材7,8,9のねじ穴に螺着されている。互いに隣接する敷居部材7,8,9間には、敷居溝11a,11bが形成されている。
【0041】
このようなエレベータの敷居装置では、敷居支持部4aがかご出入口の幅方向全体に渡って連続して設けられた平板状であるため、分割された敷居部材7,8,9を用いても、敷居溝11a,11bの下端が敷居支持部4aによって塞がれ、物が敷居溝11a,11bを通して昇降路内に落下するのを防止することができる。
【0042】
また、かごの走行時に空気が敷居溝11a,11b内を通り抜けることがなく、風切り音が発生したり、敷居溝11a,11bから風が吹き上げたりするのを防止することもできる。
【0043】
実施の形態4.
次に、図12はこの発明の実施の形態4によるエレベータの敷居装置の断面図である。図において、かご出入口の幅方向に互いに間隔をおいて配置された取付部材12上には、敷居支持板13が支持され固定されている。敷居支持板13は、かご出入口の幅方向に沿って連続して設けられた平板である。この例では、敷居支持板13は、かご出入口の幅方向全体に渡って連続して設けられている。
【0044】
敷居部材7,8,9は、敷居支持板13上に固定されている。また、各ボルト10は、取付部材12及び敷居支持板13を貫通して敷居部材7,8,9のねじ穴に螺着されている。他の構成は、実施の形態3と同様である。
【0045】
このようなエレベータの敷居装置では、敷居支持板13がかご出入口の幅方向に沿って連続して設けられているため、分割された敷居部材7,8,9を用いても、敷居溝11a,11bの下端が敷居支持板13によって塞がれ、物が敷居溝11a,11bを通して昇降路内に落下するのを防止することができる。
【0046】
また、かごの走行時に空気が敷居溝11a,11b内を通り抜けることがなく、風切り音が発生したり、敷居溝11a,11bから風が吹き上げたりするのを防止することもできる。
【0047】
なお、実施の形態4では、かご出入口の幅方向全体に渡って敷居支持板13を設けたが、必ずしも全体をカバーしなくてもよく、場合によっては部分的に省略してもよい。
【0048】
実施の形態5.
次に、図13はこの発明の実施の形態5によるエレベータの敷居装置の断面図である。かご出入口の幅方向に互いに間隔をおいて配置された取付部材12上には、角材状の複数(ここでは3本)の敷居部材14,15,16が互いに平行に固定されている。各敷居部材14,15,16は、複数本のボルト10により取付部材12に固定されている。各ボルト10は、取付部材12を貫通して敷居部材14,15,16のねじ穴に螺着されている。互いに隣接する敷居部材14,15,16間には、敷居溝11a,11bが形成されている。
【0049】
敷居部材14,15の側面には、水平に突出した突出部14a,15aが設けられている。突出部14a,15aは、かご出入口の幅方向に沿って連続して設けられ、敷居溝11a,11bの底面を塞いでいる。この例では、突出部14a,15aは、かご出入口の幅方向全体に渡って連続して設けられている。他の構成は、実施の形態3と同様である。
【0050】
このようなエレベータの敷居装置では、突出部14a,15aがかご出入口の幅方向に沿って連続して設けられているため、分割された敷居部材14,15,16を用いても、敷居溝11a,11bの下端が突出部14a,15aによって塞がれ、物が敷居溝11a,11bを通して昇降路内に落下するのを防止することができる。
【0051】
また、かごの走行時に空気が敷居溝11a,11b内を通り抜けることがなく、風切り音が発生したり、敷居溝11a,11bから風が吹き上げたりするのを防止することもできる。
【0052】
なお、実施の形態5では、かご出入口の幅方向全体に渡って突出部14a,15aを設けたが、必ずしも全体をカバーしなくてもよく、場合によっては部分的に省略してもよい。
また、突出部14a,15aは、敷居部材14,15の全長に渡って設けても、かご出入口に対応する部分のみに設けてもよい。
【0053】
さらに、実施の形態5では、敷居部材14,15に突出部14a,15aを設けたが、互いに隣接する敷居部材14,15,16の少なくともいずれか一方に設けられていればよく、例えば、中間に位置する敷居部材15の両側面に突出部を設け、敷居部材14,16には突出部を設けない構成としてもよい。また、例えば、互いに隣接する敷居部材14,15,16の両方から突出部を突出させて敷居溝11a,11bの幅方向の中間で突き合わせるようにしてもよい。
【0054】
また、実施の形態1〜5では、2枚戸片開き式のドア装置にこの発明を適用した例を示したが、エレベータドアの枚数は1枚又は3枚以上であってもよく、中央開き式であってもよい。
さらに、実施の形態1〜5では、かご出入口の敷居装置を示したが、乗場出入口の敷居装置にもこの発明は適用できる。
【符号の説明】
【0055】
4,12 取付部材、4a 敷居支持部、7,8,9,14,15,16 敷居部材、11a,11b 敷居溝、13 敷居支持板、14a,15a 突出部、21 第1のかごドア(エレベータドア)、22 第2のかごドア(エレベータドア)、24 ローラ、25 敷居本体、26 第1の可動部材、27 第2の可動部材、31 回動軸、32 レバー、34 錘、35,45 変位機構、40 引張ばね、44 ストッパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口の床部に設けられ、下端が貫通した敷居溝が設けられている敷居本体、
前記敷居溝の上端の開口部を塞ぐ上昇位置と、前記上昇位置よりも下方で前記敷居溝の底面を形成する下降位置との間で上下動可能に前記敷居溝内に設けられている可動部材、及び
エレベータドアの全開時に前記可動部材が前記上昇位置に位置し、全閉時に前記可動部材が前記下降位置に位置するように、前記エレベータドアの開閉動作に連動して前記可動部材を変位させる変位機構
を備えていることを特徴とするエレベータの敷居装置。
【請求項2】
前記可動部材の端部には傾斜面が設けられており、
前記変位機構は、前記エレベータドアに設けられ、前記エレベータドアの閉鎖動作時に前記傾斜面に沿って前記可動部材上に乗り上げて前記可動部材を押し下げる押下部材を有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータの敷居装置。
【請求項3】
前記変位機構は、
前記可動部材に連結され、前記敷居本体に対して回動軸を中心として回動可能なレバーと、
前記回動軸に対して前記可動部材とは反対側に連結されている錘と
を有しており、
前記エレベータドアの閉鎖動作時には、前記可動部材が下降位置に押し下げられるとともに、前記レバーが所定角度だけ回動され、
前記エレベータドアの全開時には、前記錘の自重により前記レバーが逆方向へ回動されるとともに、前記可動部材が上昇位置に変位されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの敷居装置。
【請求項4】
前記変位機構は、
前記可動部材に連結され、前記敷居本体に対して回動軸を中心として回動可能なレバーと、
前記可動部材を上昇させる方向へ前記レバーを付勢するばねと
を有しており、
前記エレベータドアの閉鎖動作時には、前記可動部材が下降位置に押し下げられるとともに、前記レバーが所定角度だけ回動され、
前記エレベータドアの全開時には、前記ばねにより前記レバーが逆方向へ回動されるとともに、前記可動部材が上昇位置に変位されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの敷居装置。
【請求項5】
前記変位機構は、前記可動部材を上昇させる方向への前記レバーの回動範囲を規制するストッパをさらに有していることを特徴とする請求項4記載のエレベータの敷居装置。
【請求項6】
出入口の幅方向全体に渡って連続して設けられる平板状の敷居支持部を有し、前記出入口の下部に固定される取付部材、及び
前記敷居支持部上に互いに間隔をおいて平行に固定され、互いの間に敷居溝を形成する角材状の複数の敷居部材
を備えていることを特徴とするエレベータの敷居装置。
【請求項7】
出入口の幅方向に互いに間隔をおいて前記出入口の下部に固定される複数の取付部材、
前記出入口の幅方向に沿って連続して設けられるとともに、前記取付部材に固定される平板である敷居支持板、及び
前記敷居支持板上に互いに間隔をおいて平行に固定され、互いの間に敷居溝を形成する角材状の複数の敷居部材
を備えていることを特徴とするエレベータの敷居装置。
【請求項8】
出入口の幅方向に互いに間隔をおいて前記出入口の下部に固定される複数の取付部材、及び
前記取付部材に互いに平行に固定され、互いの間に敷居溝を形成する角材状の複数の敷居部材
を備え、
互いに隣接する前記敷居部材の少なくともいずれか一方には、水平に突出して前記敷居溝の底面を塞ぐ突出部が、前記出入口の幅方向に沿って連続して設けられていることを特徴とするエレベータの敷居装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−11903(P2011−11903A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159711(P2009−159711)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】