説明

エレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器

【課題】エレベーター式メダル送出装置の保守点検や補修作業に役立つメダル逆流防止器を提供する。
【解決手段】エレベーター式メダル送出装置のメダルエレベーター(E)に開口するメダル透視窓(27)と合致連通し得るカム逃し入れ用長孔(36)が切り欠かれた取付ベース盤(30)と、その取付ベース盤(30)から前向き一体に張り出す軸受け壁(33)へ、水平な偏心軸(34)を介して枢着されることにより、その外周カム面が上記取付ベース盤(30)のカム逃し入れ用長孔(36)を通じて、常時後方へ張り出す板カム(31)とから成り、上記取付ベース盤(30)をメダルエレベーター(E)へ前方から取り付け固定した使用時、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)へ張り出すことになる板カム(31)の外周カム面が、そのメダル通路(P2)に沿うメダル(C)の押し上げ搬送を許すも、下方への逆流は許さないように関係設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメダルを使用する遊技機やメダル貸出し機、両替機、釣り銭機などの各種本機に内蔵設置されるエレベーター式又はリフト式メダル送出装置のメダル逆流防止器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種メダル送出装置のメダル逆流(落下)防止器としては、特開2001−216553号公報や特許第4088708号公報に見られるような下向きの先鋭な楔空間と、その内部に封入したボールとから成る機構が公知であり、メダル送出装置における保守点検や補修作業の利便に供されている。
【特許文献1】特開2001−216553号公報
【特許文献2】特許第4088708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記特許文献1を代表例に挙げて言えば、そのコイン落下防止器(17)のボール(20)はボール保持器(21)の長い縦溝(23)に収納されているため、その縦溝(23)の内底部に金属粉や塵埃などの各種異物が溜まると、ボール(20)は転動不良を生じて、コイン(2)を安定良く保持することができなくなり、耐用性に劣る。
【0004】
又、ボール(20)は僅かに1個であり、その縦溝(23)を下向きの先鋭な楔空間に保つ傾斜角度(α)も、その最適に設定し難いこととも相俟ち、ボール(20)の円周面が必らずやエスカレーター(6)の垂直中心線上において、コイン(2)と点接触しない限り、そのコイン(2)の保持力が低下する結果となる。
【0005】
更に、ボール保持器(21)の長い縦溝(23)は背後の全開状態として、エスカレーター(6)の内部と連通しており、しかもその内部をボール(20)が自由に転動するため、上記エスカレーター(6)に対するコイン落下防止器(17)の取付作業をすばやく便利に行ない難い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではエレベーター式メダル送出装置のメダルエレベーターに開口するメダル透視窓と合致連通し得るカム逃し入れ用長孔が切り欠かれた取付ベース盤と、
【0007】
その取付ベース盤から前向き一体に張り出す軸受け壁へ、水平な偏心軸を介して枢着されることにより、その外周カム面が上記取付ベース盤のカム逃し入れ用長孔を通じて、常時後方へ張り出す板カムとから成り、
【0008】
上記取付ベース盤をメダルエレベーターへ前方から取り付け固定した使用時、そのメダルエレベーターのメダル通路へ張り出すことになる板カムの外周カム面が、そのメダル通路に沿うメダルの押し上げ搬送を許すも、下方への逆流は許さないように関係設定したことを特徴とする。
【0009】
又、請求項2では板カムの偏心軸を、その板カムにおける仮想円の中心から前方へ一定距離だけ偏倚させると同時に、下方にも一定距離だけ偏倚させることにより、
【0010】
メダルエレベーターのメダル通路へ張り出す板カムを、自重力での後下がりとなる設置状態に枢着したことを特徴とする。
【0011】
請求項3では、メダルエレベーターのメダル通路へ張り出す板カムの外周カム面を、その板カムにおける仮想円の直径線よりも短かい線分だけ切り欠かれた後上がり傾斜フラット面と、その切り欠き後に残る円弧面とが交叉する水平な稜線として、その稜線をメダル(C)へ係止させるように定めたことを特徴とする。
【0012】
請求項4では、取付ベース盤を合成樹脂製として、その軸受け壁に枢着されたステンレス鋼製板カムを、上記取付ベース盤の下端部から上向きに張り出し弯曲する円弧状の弾性ストッパーにより、前上方から弾力的に受け止め規制したことを特徴とする。
【0013】
更に、請求項5では取付ベース盤の軸受け壁に枢着された板カムと、その取付ベース盤に切り欠かれたカム逃し入れ用長孔と、メダルエレベーターに開口するメダル透視窓とを、その互いに対応合致する左右一対づつとして並列設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の上記構成によれば、エレベーター式メダル送出装置のメダル送出レール側から垂直なメダルエレベーターを取りはずし分離しても、そのメダルエレベーターのメダル通路内に存在するメダルがメダル逆流防止器の板カムにより、その抜け落ちない状態に保持されるため、上記エレベーター式メダル送出装置の保守・点検や補修などの作業をすばやく便利に行なえる効果がある。
【0015】
又、請求項2の構成を採用するならば、メダル逆流防止器の板カムが仮想円の中心から前方と下方(斜め前下方)へ偏倚した偏心軸を支点として、常時自重力での後下がりとなる設置状態に保たれており、メダルエレベーターのメダル通路に沿って送り出されるメダルへ係止するようになっているため、そのメダルの逆流防止作用を一層安定良く営なませることができる。
【0016】
特に、請求項3の構成を採用するならば、板カムにおける後上がり傾斜フラット面と円弧面との交叉する水平な稜線が、メダルのフラットな片面へ係止することになるため、その逆流防止上の保持力がますます向上するほか、メダルエレベーターのメダル通路に沿って搬送されるメダルは、これを板カムの上記後上がり傾斜フラット面によって、支障なく円滑に押し上げ方向へ案内し得る効果もある。
【0017】
又、請求項4の構成を採用するならば、偏心軸を支点とする板カムの振れ動きが、塵埃やその他の異物の付着に起因して、万一不良になったとしても、その板カムへ前上方から背圧を付勢する弾性ストッパーにより、メダルに対する板カムの係止作用を支障なく働かせることができ、耐用性の向上に役立つ。
【0018】
更に、請求項5の構成を採用するならば、左右一対の板カムは別個独立に振れ動いて、メダルのフラットな片面へ重畳的に係止作用するため、万一何れか一方の板カムが動きの不良を起しても、残る他方の板カムにより補なえる効果があり、メダル逆流防止性能の信頼性と耐久性が昂まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1、2はその本発明に係るエレベーター式又はリフト式メダル送出装置の概略全体を示しており、(F)は一定角度(例えば約30度)(α)の後上がり傾斜天板(1)を有する金属製の据付け台であって、その傾斜天板(1)のフラットな表面にはメダル収容用の合成樹脂製ホッパータンク(2)が着脱自在に取り付けられている一方、同じく傾斜天板(1)の裏面には穴明き回転ディスク用駆動モーター(3)が固定設置されている。
【0020】
その駆動モーター(3)の出力軸(4)は上記傾斜天板(1)を貫通しており、これに表側から嵌め付け一体化されたメダル送出用穴明き回転ディスク(R)が、上記ホッパータンク(2)の円形な開口底面に臨むこととなる。
【0021】
茲に、穴明き回転ディスク(R)は放射対称分布型に開口分布する複数のメダル取り込み穴(5)と、そのメダル取り込み穴(5)の隣り合う相互間から裏向きに突出する複数の円弧弯曲羽根(6)とを備えており、そのメダル取り込み穴(5)へ取り込んだメダル(C)を円弧弯曲羽根(6)によって、図3の矢印(A)で示す方向へ押し進め、上記据付け台(F)の傾斜天板(1)から連続的な後上がりの円弧状に張り出すメダル送出シュート(S)へ送り出す。
【0022】
(7)はそのメダル送出シュート(S)の入口部へメダル(C)を誘導するメダル変向誘導ピン、(8)(9)は同じくメダル送出ガイドローラーとセパレートローラーとの左右一対であり、メダル送出シュート(S)の入口部を挟む位置関係に臨んでいる。
【0023】
上記メダル送出シュート(S)は図3に併せて示す如く、据付け台(F)の傾斜天板(1)へ延長状態に突き合わされた後レール板(10)と、その傾斜天板(1)と後レール板(10)との双方へ左右一対づつの固定ビス(11)(12)を介して取り付けられた左右両サイドスペーサー(13)と、その両サイドスペーサー(13)へ別個な固定ビス(14)を介して、施蓋状態に取り付けられた前レール板(15)とから成り、その組立内部に断面ほぼ長方形のメダル通路(P1)を区成している。
【0024】
その場合、両サイドスペーサー(13)には上記固定ビス(11)(12)(14)と対応するビス逃し入れ用バカ穴(16)(17)(18)が、左右方向(水平方向)への細長い楕円形として開口されており、これによってメダル通路(P1)の開口幅(W1)をメダル(C)のサイズ(直径)に応じて、広く又は狭く調整できるようになっている。尚、両サイドスペーサー(13)の板厚を調整することによって、そのメダル(C)の厚み変化に対応させることも可能である。
【0025】
又、(E)は上記メダル送出シュート(S)の上端部(出口部)へ接続金具(19)を介して、継ぎ足し状態に連通接続された垂直なメダルエレベーターであり、上記穴明き回転ディスク(R)により押し進め送出されてきたメダル(C)を、そのメダル送出シュート(S)の出口部から引き続き上方へ案内して、そのメダルエレベーター(E)の上端部から遊技機やメダル貸出し機、その他の各種本機の外部へ払い出すようになっている。(20)は上記メダルエレベーター(E)の上端部(出口部)に付属設置された払い出しメダル検知ユニットであり、そのメダル(C)の検知と払い出し枚数のカウントとを行なう。
【0026】
メダルエレベーター(E)は図1、2、4に示す如く、後レール板(21)と前レール板(22)並びにその相互間に介在する左右両サイドスペーサー(23)とから成り、これらが左右一対づつの固定ビス(24)を介して組み立てられ、上記メダル送出シュート(S)側のメダル通路(P1)と対応合致し得る断面ほぼ長方形のメダル通路(P2)を画定している。
【0027】
その場合、メダルエレベーター(E)の固定ビス(24)は前レール板(22)から両サイドスペーサー(23)のビス逃し入れ用バカ孔(25)を通じて、後レール板(21)のネジ孔(26)へ各々螺合締結されているが、その両サイドスペーサー(23)に開口するビス逃し入れ用バカ孔(25)も上記メダル送出シュート(S)側のビス逃し入れ用バカ孔(16)(17)(18)と同じく、左右方向(水平方向)への細長い楕円形として、やはりメダル通路(P2)の開口幅(W2)を広狭調整することができるようになっている。
【0028】
更に、(27)は上記メダルエレベーター(E)の前レール板(22)のみか又はその前レール板(15)と後レール板(21)との双方に、上下方向への細長い楕円形として開口分布された左右一対づつのメダル透視窓であり、ここから上記メダル通路(P2)内のメダル(C)を漏れなく透視することができる。
【0029】
尚、図示の実施形態では上記メダル送出シュート(S)とメダルエレベーター(E)との接続金具(19)を、平・底面視のチャンネル形鋼板として、その後レール板(10)(21)と密着する背後面に、上記メダル送出シュート(S)側の固定ビス(14)と螺合締結するネジ孔(28)のみならず、上記メダルエレベーター(E)側の固定ビス(24)と螺合締結するネジ孔(29)も対応形成しているが、メダル送出シュート(S)とメダルエレベーター(E)との接続金具(19)である限り、その構成は自由に選定することができる。
【0030】
次に、(M)は上記据付け台(F)の後上がりな円弧状に張り出すメダル送出シュート(S)側から、垂直のメダルエレベーター(E)を取りはずし分離した保守・点検時において、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)からメダル(C)が抜け落ちてしまうことを防ぐためのメダル逆流防止器であり、図9〜14のような合成樹脂製の取付ベース盤(30)と、これに軸支されたステンレス鋼の板カム(31)とから成る。
【0031】
即ち、メダル逆流防止器(M)の取付ベース盤(30)は正面視の左右方向(水平方向)に延在する長方形を呈し、その左右両端部には上記メダルエレベーター(E)側の固定ビス(24)を逃し入れるバカ孔(25)と対応合致し得るビス逃し入れ用連通バカ孔(32)の一対が、やはり水平方向への細長い楕円形に開口形成されている。
【0032】
(33)は同じく取付ベース盤(30)の中間部から左右一対づつ並列する2組として、前向き一体に張り出し造形された軸受け壁であり、その1組づつの向かい合う左右相互間に介在する板カム(31)の一対が、共通する1本の水平な偏心軸(34)によって、上記軸受け壁(33)へ振れ動けるように枢着されている。(35)はその偏心軸(34)の両端部を支持する左右一対の軸受ボスであり、上記取付ベース盤(30)から前向き一体に張り出している。
【0033】
又、上記取付ベース盤(30)における軸受け壁(33)同士の向かい合う左右相互間には、カム逃し入れ用長孔(36)の一対がメダルエレベーター(E)側の上記メダル透視窓(27)と対応合致し得る上下方向への細長い楕円形として開口形成されている。
【0034】
他方、上記板カム(31)の各個は側面視のほぼD字形として、仮想円の直径線よりも短かい線分だけ切り欠かれた後上がり傾斜フラット面(a)と、その切り欠き後に残る円弧面(b)とから成る外周カム面を備えており、上記仮想円の中心(O)から斜め前下方へ片寄った位置の偏心軸(34)を支点として、その外周カム面が取付ベース盤(30)のカム逃し入れ用長孔(36)から後方へ自づと張り出す常態にある一方、その板カム(31)の自重に抗して押し上げられた時だけ、同じく外周カム面が取付ベース盤(30)から前方へ退動するようになっている。
【0035】
上記板カム(31)の偏心軸(34)をメダルエレベーター(E)との関係から更に言えば、その偏心軸(34)の位置は図7に示す如く、仮想円の中心(O)から前方(メダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)から遠ざかる方向)へ一定距離(L)だけ偏倚していると同時に、下方へも一定距離(Y)だけ偏倚しているのであり、その結果として板カム(31)は偏心軸(34)の支点廻りに自重力での後下がり状態となるほか、外周カム面の後下がり傾斜フラット面(a)がメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)へ臨むことになることとも相俟って、メダル(C)の円滑な押し上げ搬送作用を営ませることができる。
【0036】
(T)は上記板カム(31)の厚み、(X−X)は同じく板カム(31)におけるカム面のうち、その後上がり傾斜フラット面(a)と残る円弧面(b)との交叉する水平な稜線を示しており、茲に板カム(31)の厚み(T)分だけ延在する稜線(X−X)が、メダル(C)に対する板カム(31)の係止部として、上記取付ベース盤(30)のカム逃し入れ用長孔(36)から後向きに張り出しているのである。
【0037】
更に、(37)は上記板カム(31)の円弧面(b)を包囲する円弧形態として、その取付ベース盤(30)の下端部から前上方へ一体に張り出し弯曲された弾性ストッパーであり、上記板カム(31)が押し上げられて前方へ退動した時、その円弧面(b)を弾力的に受け止め規制する。
【0038】
その弾性ストッパー(37)としては図示実施形態のように、これを取付ベース盤(30)の下端部から前上方へ張り出す程、徐々に薄肉化すると共に、その張り出し先端部(上端部)を円筒形として中空化することが好ましい。そうすれば、合成樹脂からの成形品であることとも相俟って、その弾性ストッパー(37)により上記板カム(31)に効果的な弾圧力を付勢することができる。
【0039】
そして、上記メダル逆流防止器(M)は図6〜8のように、その取付ベース盤(30)のビス逃し入れ用連通バカ孔(32)からメダルエレベーター(E)側のビス逃し入れ用バカ孔(25)を経て、後レール板(21)のネジ孔(26)へ螺合締結される長い固定ビス(24)の左右一対により、そのメダルエレベーター(E)の好ましくは下端部付近(上記メダル送出シュート(S)との接続金具(19)に最も接近した高さ位置)へ取り付け一体化される。
【0040】
そのメダル逆流防止器(M)の取付状態では図17のように、板カム(31)が取付ベース盤(30)のカム逃し入れ用長孔(36)から、メダルエレベーター(E)側のメダル透視窓(27)を通じて、そのメダル通路(P2)内へ後向きに張り出し、その外周カム面の後上がり傾斜フラット面(a)がメダル通路(P2)へ仕切り状態に臨むため、上記穴明き回転ディスク(R)によりメダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)から送出されてきたメダル(C)は、引き続き垂直なメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)に沿って支障なく押し上げ搬送されることになる。
【0041】
しかも、その押し上げ搬送中のメダル(C)は図7や図18から明白なように、上記板カム(31)の外周カム面をなす後上がり傾斜フラット面(a)と円弧面(b)との交叉する水平な稜線(X−X)によって、メダルエレベーター(E)側の後レール板(21)へ弾力的に押し付けられることになるため、そのメダル(C)が下方へ逆流するおそれはない。
【0042】
その結果、メダル送出装置の保守・点検や補修などを行なう際に、そのメダル送出シュート(S)側からメダルエレベーター(E)を取りはずし分離したとしても、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)に存在するメダル(C)は、図19のように、上記板カム(31)の円弧面(b)によって下方から受け止め保持され、決して抜け出し落下するおそれがない。
【0043】
又、図7、18のようなメダル(C)の押し付け状態を解除する必要が生じた場合には、そのメダル逆流防止器(M)の弾性ストッパー(37)を前方へ引くことにより、上記板カム(31)をメダル(C)から退動させれば良い。そうすれば、メダル(C)をメダルエレベーター(E)からすばやく下方へ抜き出すことができる。
【0044】
尚、図示の実施形態ではメダルエレベーター(E)側のメダル透視窓(27)と、メダル逆流防止器(M)の板カム(31)やカム逃し入れ用長孔(36)、弾性ストッパー(37)などとを左右一対づつとして対応形成しているが、これらは1個づつや2個以上づつとして設置することもあり得る。上記板カム(31)を1個とする場合には、その厚み(T)を厚肉化することが望ましい。
【0045】
又、上記メダル逆流防止器(M)はメダルエレベーター(E)の1個所のみならず、二個所以上に取り付け使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るエレベーター式メダル送出装置の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1からホッパータンクとメダルエレベーターを取りはずした状態の拡大正面図である。
【図4】図1の4−4線に沿う拡大断面図である。
【図5】図4の接続金具を抽出して示す斜面図である。
【図6】図1のメダル送出シュートとメダルエレベーターとの接続部分を抽出して示す拡大正面図である。
【図7】図6の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】メダル逆流防止器を抽出して示す斜面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】図11の側面図である。
【図13】図11の底面図である。
【図14】図12の14−14線断面図である。
【図15】図9の板カムを抽出して示す正面図である。
【図16】図15の側面図である。
【図17】メダルエレベーターのメダル通路に沿うメダルの押し上げ搬送状態を示す断面図である。
【図18】図17に続くメダルの押し上げ搬送状態を示す断面図である。
【図19】メダルの落下防止状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
(1)・傾斜天板
(2)・ホッパータンク
(3)・駆動モーター
(4)・モーター出力軸
(5)・メダル取り込み穴
(6)・円弧弯曲羽根
(7)・メダル変向誘導ピン
(8)・メダル送出ガイドローラー
(9)・セパレートローラー
(10)(21)・後レール板
(11)(12)(14)(24)・固定ビス
(13)(23)・サイドスペーサー
(15)(22)・前レール板
(16)(17)(18)(25)・バカ孔
(19)・接続金具
(20)・メダル検知ユニット
(26)(28)(29)・ネジ孔
(27)・メダル透視窓
(30)・取付ベース盤
(31)・板カム
(32)・連通バカ孔
(33)・軸受け壁
(34)・偏心軸
(35)・軸受ボス
(36)・カム逃し入れ用長孔
(37)・弾性ストッパー
(C)・メダル
(E)・メダルエレベーター
(F)・据付け台
(O)・仮想円の中心
(R)・穴明き回転ディスク
(S)・メダル送出シュート
(P1)(P2)・メダル通路
(W1)(W2)・開口幅
(a)・後上がり傾斜フラット面
(b)・円弧面
(X−X)・水平な稜線(メダル係止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーター式メダル送出装置のメダルエレベーター(E)に開口するメダル透視窓(27)と合致連通し得るカム逃し入れ用長孔(36)が切り欠かれた取付ベース盤(30)と、
その取付ベース盤(30)から前向き一体に張り出す軸受け壁(33)へ、水平な偏心軸(34)を介して枢着されることにより、その外周カム面が上記取付ベース盤(30)のカム逃し入れ用長孔(36)を通じて、常時後方へ張り出す板カム(31)とから成り、
上記取付ベース盤(30)をメダルエレベーター(E)へ前方から取り付け固定した使用時、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)へ張り出すことになる板カム(31)の外周カム面が、そのメダル通路(P2)に沿うメダル(C)の押し上げ搬送を許すも、下方への逆流は許さないように関係設定したことを特徴とするエレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器
【請求項2】
板カム(31)の偏心軸(34)を、その板カム(31)における仮想円の中心(O)から前方へ一定距離(L)だけ偏倚させると同時に、下方にも一定距離(Y)だけ偏倚させることにより、
メダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)へ張り出す板カム(31)を、自重力での後下がりとなる設置状態に枢着したことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器。
【請求項3】
メダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)へ張り出す板カム(31)の外周カム面を、その板カム(31)における仮想円の直径線よりも短かい線分だけ切り欠かれた後上がり傾斜フラット面(a)と、その切り欠き後に残る円弧面(b)とが交叉する水平な稜線(X−X)として、その稜線(X−X)をメダル(C)へ係止させるように定めたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器。
【請求項4】
取付ベース盤(30)を合成樹脂製として、その軸受け壁(33)に枢着されたステンレス鋼製板カム(31)を、上記取付ベース盤(30)の下端部から上向きに張り出し弯曲する円弧状の弾性ストッパー(37)により、前上方から弾力的に受け止め規制したことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器。
【請求項5】
取付ベース盤(30)の軸受け壁(33)に枢着された板カム(31)と、その取付ベース盤(30)に切り欠かれたカム逃し入れ用長孔(36)と、メダルエレベーター(E)に開口するメダル透視窓(27)とを、その互いに対応合致する左右一対づつとして並列設置したことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置のメダル逆流防止器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−33167(P2010−33167A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192431(P2008−192431)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(506154421)松下金属工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】