説明

エレベータ乗場ドア装置及びその開閉装置

【課題】本発明は、コンパクトでかつ安価な構成でドアパネルを自閉させることができるとともに、組立・解体時の作業効率を向上させることができるエレベータ乗場ドア装置及びその開閉装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】第1及び第2ドアパネル3,4の下部における第1及び第2パネル第1側面部3b,4bと第1及び第2パネル第2側面部3c,4cとの間には、それぞれ第1及び第2パネル脚機構22,23が設けられている。第1及び第2パネル脚機構22,23は、板状のスライド側パネル24、複数のガイドシュー25、複数のスライドローラ26、及び複数の下方付勢用弾性体27を有している。第1及び第2パネル脚機構22,23は、第1及び第2ドアパネル3,4の下部の開閉移動を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各階の乗場に設けられ、ドアパネルを自閉させるオートクローザ機能を有するエレベータ乗場ドア装置及びその開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なエレベータ乗場ドア装置では、ワイヤを介してクローザおもりがドアパネルに接続されており、このクローザおもりの重量によってドアパネルが閉鎖方向に引っ張られている。そして、例えば保守作業時に、保守作業員によりドアパネルが手動で開放されてから、保守作業員により開放状態で拘束されて、その拘束が解かれると、クローザおもりからの引張力によって、開放状態のドアパネルが閉鎖方向へ移動される。ここで、このクローザおもりは、ドアパネルの開閉移動に伴って昇降されるため、おもりの昇降を案内するおもりガイド機構等を設置する必要があり、装置全体の設置領域が大きくなっていた。
これに対して、従来のエレベータのドアクローザ装置では、渦巻きばねの一端部がヘッダ(プレート部材)の閉鎖位置側の端部に固定され、その渦巻きばねの他端部が高速の戸の閉鎖位置側の端部に固定されている。この渦巻きばねは、ドアパネルが開放されたときに、開放方向に伸びて復元力を蓄える。そして、保守作業員により開放状態で拘束されたときに、その拘束が解かれると、その渦巻きばねの復元力によって、開放位置の高速の戸が閉鎖方向へ移動される。これとともに、連動手段を介して、渦巻きばねの復元力が低速の戸に伝わり、低速の戸も閉鎖方向へ移動される(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のエレベータ装置では、ドアパネルの開閉移動を導く案内レールがドアパネルの開放側から閉鎖側に下方に傾斜して配置されている。そして、保守作業員により開放状態で拘束されたときに、その拘束が解かれると、ドアパネルに作用する重力によって、開放位置のドアパネルが閉鎖方向へ移動される(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−279235号公報
【特許文献2】特開2003−104668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような従来のエレベータのドアクローザ装置では、ドアパネルが全開状態のときに、渦巻きばねがドアパネルの移動範囲全体に渡って伸びており、通常使用時の渦巻きばねの弾性疲労を十分に考慮する必要がある。これに加えて、渦巻きばねの材料や、性能の個体差(製造ばらつき)等も十分に考慮した上で、渦巻きばねの耐久性等の仕様を満足する必要があり、オートクローザ機能としての(開閉不具合に対する)高い信頼性を確保するためには、渦巻きばねへの要求仕様を厳しく設定する必要があり、製造コストが高くなっていた。
また、特許文献2に示すような従来のエレベータ装置では、ドアパネルの開閉動作に伴い、案内レールの傾斜角度に応じた量だけドアパネルが上下動される。このドアパネルの上下動に対応するように、乗場敷居の下方にドアの下部の開閉移動を案内するガイド機構が設けられ、ドアの下部が他の箇所よりも、ドアの上下方向の移動量分だけ薄くなっている。このように、ガイド機構が乗場敷居の下方に配置されているため、組立・解体時の作業効率が低下し、設置時や保守時に手間がかかってしまう。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コンパクトでかつ安価な構成でドアパネルを自閉させることができるとともに、組立・解体時の作業効率を向上させることができるエレベータ乗場ドア装置及びその開閉装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ乗場ドア装置の開閉装置は、乗場出入口を開閉するドアパネルの開閉移動を案内するとともに、ドアパネルを自閉させるものであって、昇降路の内壁の乗場出入口の上方に設けられ、かつドアパネルの開放側から閉鎖側に下方に傾斜して配置され、ドアパネルの開閉移動を案内するハンガレール、ドアパネルの上部に固定され、ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが案内レールの傾斜方向に互いに間隔をおいて設けられ、ドアパネルをハンガレールから吊り下げるドアハンガ、及び乗場敷居の上面に設けられドアパネルの開閉方向に沿うガイド溝に挿入されたガイドシューを有し、ドアパネルの下部に設けられ、ドアパネルに対して上下方向に摺動可能なパネル脚機構を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置は、ドアパネルが吊り下げられるハンガレールがドアパネルの開放側から閉鎖側に下方に傾斜して配置されており、パネル脚機構がドアパネルに対して上下方向に摺動可能になっているので、従来のクローザおもりや渦巻きばねを用いないことにより、コンパクトでかつ安価な構成でドアパネルを自閉させることができる。これとともに、ドアパネルが開放方向へ移動したときに、ドアパネルがハンガレールに沿って上方へ移動しても、パネル脚機構の高さ位置が維持され、従来のようなガイド機構を敷居部材の下方に配置する必要が無くなることにより、組立・解体時の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図2は、図1の第1及び第2ドアパネル3,4の全開状態を示す背面図である。なお、図1では、第1及び第2ドアパネル3,4の全閉状態を示す。
図において、昇降路1の各階の乗場に対応する位置には、乗場出入口2が設けられている。乗場出入口2は、第1及び第2ドアパネル(左ドア及び右ドア)3,4によって開閉される。第1及び第2ドアパネル3,4は、センターオープン式(両開き式)ドアであり、乗場出入口2の間口方向中央の鉛直中心線に対して互いに対称に開閉される。また、第1及び第2ドアパネル3,4の上端と開閉方向の両端とは、昇降路側に略L字状に折り曲げられている。この折り曲げられた各端部は、パネル上面部3a,4a、パネル第1側面部(開放側)3b,4b及びパネル第2側面部(閉鎖側)3c,4cを構成している。
【0009】
昇降路1の内壁の乗場出入口2の上方には、乗場ドア開閉機構5が設けられている。昇降路1の内壁の乗場出入口2の下方には、乗場出入口2の床部を構成する乗場敷居6が設けられている。乗場敷居6の上面には、第1及び第2ドアパネル3,4の開閉方向に沿ってガイド溝6aが設けられている。乗場ドア開閉機構5は、プレート部材7と、プレート部材7の間口方向の一端と間口方向の中央との間に配置された第1ハンガレール8と、プレート部材7の間口方向の他端と間口方向の中央との間に配置された第2ハンガレール9と、プレート部材7の上側の両方の角部近傍にそれぞれ配置された一対のプーリ10と、プーリ10同士の間に無端状に掛け渡された伝動索体11と、各プーリ10間に配置され伝動索体11の経路を案内する複数(3つ)のアイドラ12とを有している。
【0010】
プレート部材7の底面は、乗場敷居6の上面に対向している。第1及び第2ハンガレール8,9は、第1及び第2ドアパネル3,4の開放側から閉鎖側に向けて下方に傾斜している。また、第1及び第2ハンガレール8,9の断面形状は、上側に突出するように湾曲した円弧状である。さらに、プレート部材7の上端と間口方向両側の側端とには、外枠(筐体)13が取り付けられている。外枠13の下部は、乗場敷居6の間口方向両側の側端に固定されている。
【0011】
一対のプーリ10のうちの一方は、伝動索体11の張力調整用の調整機構を有しており、調整機構によってプーリ10の回転軸の略水平方向への位置調整が可能となっている。伝動索体11は、例えばワイヤーロープ及びVベルト等である。また、伝動索体11は、下側経路と上側経路との循環経路を形成している。
【0012】
第1及び第2ハンガレール8,9の昇降路側には、第1及び第2ドアハンガ(ハンガプレート)14,15が設けられている。第1及び第2ドアハンガ14,15の下端は、昇降路側へ略L字状に折り曲げられており、ハンガ下面部14a,15aが形成されている。各ハンガ下面部14a,15aは、各パネル上面部3a,4aに固定されている。即ち、第1及び第2ドアパネル3,4は、第1及び第2ドアハンガ14,15を介して、第1及び第2ハンガレール8,9から吊り下げられている。
【0013】
第1及び第2ドアハンガ14,15には、それぞれ第1及び第2つかみ部材16,17と、複数の第1及び第2ハンガローラ18,19と、複数の第1及び第2支持ローラ20,21とが取り付けられている。第1つかみ部材16の上端部は、伝動索体11の下側経路に接続されている。第2つかみ部材17の上端部は、伝動索体11の上側経路に接続されている。
【0014】
ここで、一対のプーリ10、伝動索体11及びアイドラ12は、開閉同期機構を構成しており、この開閉同期機構によって、第1及び第2ドアパネル3,4は、互いに同期して開閉される。また、第1及び第2ドアパネル3,4のうちの一方には、かごドア(図示せず)と係合可能な乗場側係合機構(図示せず)が設けられており、第1及び第2ドアパネル3,4のうちの一方のみが、かごに設けられたドア開閉駆動装置(図示せず)から開閉駆動力を受ける。そして、第1及び第2ドアパネル3,4の他方は、第1及び第2ドアパネル3,4の一方から開閉同期機構を介して開閉駆動力を受ける。
【0015】
各第1ハンガローラ18は、第1ハンガレール8の傾斜方向に間隔をおいて配置されている。各第2ハンガローラ19は、第2ハンガレール9の傾斜方向に間隔をおいて配置されている。第1及び第2ハンガローラ18,19の外周部の断面形状は、周方向中心に向けて突出するように湾曲した円弧状であり、第1及び第2ハンガレール8,9の断面形状に対応している。また、第1及び第2ハンガローラ18,19は、第1及び第2ハンガレール8,9上に転動可能に載置されている。さらに、第1及び第2ハンガローラ18,19は、第1及び第2ドアパネル3,4が開放位置のときに、第1及び第2ドアパネル3,4の自重によって、第1及び第2ハンガレール8,9上を閉鎖方向へ転動する。つまり、第1及び第2ハンガローラ18,19が第1及び第2ハンガレール8,9上を閉鎖方向へ転動することによって、開放状態の第1及び第2ドアパネル3,4が閉鎖方向へ移動する。
【0016】
各第1支持ローラ20は、第1ハンガレール8の傾斜方向に互いに間隔をおいて、各第1ハンガローラ18の下方に配置されている。各第2支持ローラ21は、第2ハンガレール9の傾斜方向に互いに間隔をおいて、各第2ハンガローラ19の下方に配置されている。即ち、各ハンガレール8,9は、それぞれ各ハンガローラ18,19と各支持ローラ20,21とによって、上下から挟み込まれている。
【0017】
ここで、第1及び第2ドアハンガ14,15の第1及び第2支持ローラ20,21の取付箇所には、上下方向に延在する長孔14b,15bがそれぞれ設けられている。この長孔14b,15bによって、第1及び第2支持ローラ20,21の取付位置が高さ方向に調整可能となっている。また、第1及び第2ドアハンガ14,15の設置時において、第1及び第2支持ローラ20,21が予め低い位置(長孔14b,15bの下端近傍)に取り付けられ、第1及び第2ハンガローラ18,19が第1及び第2ハンガレール8,9上に配置された後に、第1及び第2支持ローラ20,21の位置が高さ方向に調節される。
【0018】
第1ドアパネル3の下部におけるパネル第1側面部3bとパネル第2側面部3cとの間には、第1パネル脚機構22が設けられている。第2ドアパネル4の下部におけるパネル第1側面部4bとパネル第2側面部4cとの間には、第2パネル脚機構23が設けられている。各パネル脚機構22,23は、それぞれ板状のスライド側パネル24、複数のガイドシュー25、及び複数のスライドローラ26を有している。
【0019】
ガイドシュー25の上端部は、スライド側パネル24の下面に固定されている。ガイドシュー25の下端部は、ガイド溝6aに摺動可能に挿入されている。ガイドシュー25は、各ドアパネル3,4の開閉移動に伴って、ガイド溝6a内を摺動する。即ち、第1及び第2パネル脚機構22,23は、第1及び第2ハンガレール8,9とともに、第1及び第2ドアパネル3,4の開閉移動を案内する。
【0020】
各スライドローラ26は、スライド側パネル24の水平方向両端部に、各側面部3b,3c,4b,4cに隣接して配置されている。また、各スライドローラ26は、高さ方向に互いに間隔をおいて配置されている。つまり、スライドローラ26がスライド側パネル24の両端部にそれぞれ少なくとも2個ずつ配置されている。各側面部3b,3c,4b,4cの各スライドローラ26に隣接する箇所には、昇降路側(図中の手前方向)への各スライドローラ26の脱落を防止する抜け止め構造(図示せず)が設けられている。即ち、各スライドローラ26は、各側面部3b,3c,4b,4cに対して上下方向のみに回動する。各スライドローラ26によって、第1及び第2パネル脚機構22,23のスライド側パネル24は、第1及び第2ドアパネル3,4に対して上下方向に摺動する。
【0021】
第1及び第2ドアパネル3,4と第1及び第2パネル脚機構22,23とは、上下同期機構としての複数の下方付勢用弾性体27を介して互いに接続されている。下方付勢用弾性体27は、例えば定荷重ばね又はぜんまい式ばね等である。また、各下方付勢用弾性体27の一端部は、第1及び第2ドアパネル3,4の下部に固定されており、各下方付勢用弾性体27の他端部は、各スライド側パネル24の上面に固定されている。さらに、各下方付勢用弾性体27は、各スライド側パネル24を各ドアパネル3,4から下方に付勢する。即ち、下方付勢用弾性体27は、第1及び第2ドアパネル3,4の上下動に同期して、各スライド側パネル24を第1及び第2ドアパネル3,4の上下動に対して上下反対方向に摺動させる。なお、各スライド側パネル24には自重により下向きの力が働くため、各下方付勢用弾性体27の付勢力は、第1及び第2ドアパネル3,4に掛かる開閉方向への力よりも十分に小さくてもよく、第1及び第2ドアパネル3,4の閉鎖方向への移動を妨げないように設定されている。
【0022】
次に、動作について説明する。まず、閉鎖状態の第1及び第2ドアパネル3,4は、ドア開閉駆動装置による開放方向への駆動力を受けると、第1及び第2ハンガレール8,9に沿って開放方向へ移動するとともに上方へ移動する。第1及び第2ドアパネル3,4の上方への移動に伴い、各スライド側パネル24は、その自重と各下方付勢用弾性体27のばね力とによって、高さ位置を維持したままで、第1及び第2ドアパネル3,4に対して下方に摺動する。一方、開放状態の第1及び第2ドアパネル3,4は、ドア開閉駆動装置による閉鎖方向への駆動力を受けると、各ハンガレール8,9に沿って閉鎖方向へ移動するとともに下方へ移動する。各ドアパネル3,4の下方への移動に伴い、各スライド側パネル24は、各下方付勢用弾性体27のばね力に抗して、高さ位置を維持したままで、第1及び第2ドアパネル3,4に対して上方に摺動する。
【0023】
また、例えば保守作業時に、作業員によって第1及び第2ドアパネル3,4が開放された際に、例えば開放固定用の器具(図示せず)が第1及び第2ドアパネル3,4に取り付けられ、第1及び第2ドアパネル3,4の開放状態が拘束される。この拘束された状態の第1及び第2ドアパネル3,4には、第1及び第2ハンガレール8,9の傾斜と第1及び第2ドアパネル3,4の自重とによって、閉鎖方向への力が掛かっている。そして、第1及び第2ドアパネル3,4から開放固定用の器具が取り外され、拘束状態が解除されると、第1及び第2ドアパネル3,4は、その自重によって、第1及び第2ハンガレール8,9に沿って、閉鎖方向へ移動するとともに下方へ移動する(自閉する)。
【0024】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、第1及び第2ドアパネル3,4がそれぞれ吊り下げられる第1及び第2ハンガレール8,9が開放位置側から閉鎖位置側へ下方に傾斜して配置されており、第1及び第2パネル脚機構22,23がそれぞれ第1及び第2ドアパネル3,4に対して上下方向に摺動可能となっているので、従来のクローザおもりや付勢力の大きな渦巻きばねを用いないことにより、コンパクトでかつ安価な構成で第1及び第2ドアパネル3,4を自閉させることができる。これとともに、第1及び第2ドアパネル3,4が開放方向へ移動したときに、第1及び第2ドアパネル3,4がそれぞれ第1及び第2ハンガレール8,9に沿って上方へ移動しても、第1及び第2パネル脚機構22,23の高さ位置が維持され、従来のようなガイド機構を敷居部材の下方に配置する必要が無くなることにより、組立・解体時の作業効率を向上させることができる。
【0025】
また、特許文献2に示すような従来のエレベータ装置では、かご敷居と乗場敷居との間のクリアランスが、クローザおもりを用いたエレベータ装置におけるかご敷居と乗場敷居との間のクリアランスと同等に設定されて、かごドア及び乗場ドアの2つのドアが配置される。これにより、乗場敷居とかご敷居との間の隙間寸法が、クローザおもりを用いたエレベータ装置における隙間寸法よりも広がってしまい、かごに乗降中の利用者の躓きを誘発してしまう。
これに対して、上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、特許文献2に示すようなガイド機構を乗場敷居6の下方に配置する必要が無くなることにより、乗場敷居6とかご敷居との間の隙間寸法を、クローザおもりを用いたエレベータ装置における隙間寸法と同等に設定することができる。
【0026】
なお、実施の形態1では、第1及び第2ドアパネル3,4と第1及び第2パネル脚機構22,23とが下方付勢用弾性体27によって互いに接続されていたが、この例に限るものではなく、各側面部に対する各スライドローラの摩擦係数が十分小さく、各パネル脚機構が自重だけで各ドアパネルに対して摺動可能となっていれば、下方付勢用弾性体27を省略してもよい。
【0027】
また、実施の形態1では、第1及び第2ハンガレール8、9から第1及び第2ドアハンガ14、15が外れないように、第1及び第2ハンガレール8、9の断面形状と第1及び第2ハンガローラ18、19の外周部の断面形状がそれぞれ円弧状であったが、この例に限るものではなく、これらの形状は、互いに嵌合する形状であればよく、例えば略三角形状であってもよい。ただし、この場合、異物の噛み込みを防止するために、第1及び第2ハンガレール8、9の断面形状を、頂点が上側へ突出するような略三角形状とするのが好ましい。
【0028】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図4は、図3の第1及び第2ドアパネル3,4の全開状態を示す背面図である。なお、図3では、第1及び第2ドアパネル3,4の全閉状態を示す。実施の形態2の第1及び第2ハンガレール8,9の下面には、歯状のラック面8a,9aが形成されている。また、実施の形態2の第1及び第2パネル脚機構22,23は、実施の形態1における下方付勢用弾性体27を有しておらず、第1及び第2パネル脚機構22,23には、それぞれ第1及び第2上下同期機構28,29が接続されている。
【0029】
第1及び第2上下同期機構28,29は、それぞれ第1及び第2棒状部30,31と、第1及び第2ピニオン32,33とを有している。棒状部30の下端は、スライド側パネル24の上面に固定されている。第1及び第2棒状部30,31の上端は、第1及び第2ドアハンガ14,15の中央部の近傍に配置されている。また、第1棒状部30の上端部の第1ドアパネル3の開放側(図中左側)には、歯状の第1ラック部が設けられている。さらに、第2棒状部31の上端部の第2ドアパネル4の開放側(図中右側)には、歯状の第2ラック部が設けられている。各パネル上面部3a,4a及び各ハンガ下面部14a,15aの長さ方向中央には、第1及び第2棒状部30,31の摺動用の切り欠き(摺動溝)がそれぞれ設けられている。
【0030】
第1及び第2ピニオン32,33は、第1及び第2ドアハンガ14,15に回転自在に取り付けられている。また、各ピニオン32,33は、昇降路側歯車部と、乗場側歯車部との2つの歯車部を有している。即ち、第1及び第2ピニオン32,33の表裏両面に歯車部が配置されている。昇降路側歯車部及び乗場側歯車部は、互いに一体となって回転する。第1及び第2ピニオン32,33の昇降路側歯車部は、それぞれ第1及び第2棒状部30,31のラック部に係合(噛合)されている。また、第1及び第2ピニオン32,33の乗場側歯車部は、それぞれ第1及び第2ラック面8a,9aに係合されている。
【0031】
ここで、第1及び第2ドアパネル3,4が開閉移動することによって、第1及び第2ピニオン32,33が回転し、第1及び第2棒状部30,31が第1及び第2ドアハンガ14,15に対して上下方向に摺動する。そして、第1及び第2棒状部30,31の摺動に伴って、スライド側パネル24が、高さ位置を維持したままで、第1及び第2ドアパネル3,4に対して上下方向に摺動する。即ち、第1及び第2上下同期機構28,29は、ラック・ピニオン機構であり、第1及び第2ドアパネル3,4の開閉移動と、第1及び第2パネル脚機構22,23のスライド側パネル24の摺動とを互いに同期させる。
【0032】
次に、動作について説明する。まず、閉鎖状態の第1ドアパネル3が開放方向へ移動したときに、第1ピニオン32が図の時計回りに回転し、第1棒状部30が第1ドアハンガ14に対して下方に摺動し、第1棒状部30の摺動に伴って、第1パネル脚機構22(スライド側パネル24)が第1ドアパネル3に対して下方に摺動する。一方、開放状態の第1ドアパネル3が閉鎖方向へ移動したときに、第1ピニオン32が図の反時計回りに回転し、第1棒状部30が第1ドアハンガ14に対して上方に摺動し、第1棒状部30の摺動に伴って、第1パネル脚機構22が第1ドアパネル3に対して上方に摺動する。また、第2ドアパネル4の動作は、第2ピニオン33の回転方向が第1ピニオン32の回転方向の逆になる点を除いて、第1ドアパネル3の動作と同様である。
【0033】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、第1及び第2上下同期機構28,29によって、第1及び第2ドアパネル3,4の開閉移動と第1及び第2パネル脚機構22,23のスライド側パネル24の摺動とが互いに同期するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができるとともに、より確実にスライド側パネル24を摺動させることができ、動作の不具合に対する信頼性を向上させることができる。
【0034】
ここで、実施の形態1において、各ドアパネル3,4の閉鎖方向への移動時に、各パネル脚機構22,23から第1及び第2ドアパネル3,4に、(影響は小さいものの)下方付勢用弾性体27のばね力に対する抗力とスライドローラ26の摩擦力とが作用していたが、上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、第1及び第2ドアパネル3,4の閉鎖方向への移動時に、第1及び第2ドアパネル3,4に掛かる力がスライドローラ26の摩擦力となることにより、第1及び第2ドアパネル3,4に掛かる重力成分をより効率良く利用することができ、開放状態の第1及び第2ドアパネル3,4をより円滑に閉鎖方向に移動させることができる。
【0035】
なお、実施の形態2では、第1及び第2ピニオン32,33と第1及び第2棒状部30,31とが噛合されていたが、第1及び第2支持ローラ20,21に歯車を取り付けて、その歯車と各棒状部30,31とを噛合させてもよい。
【0036】
また、実施の形態2では、第1及び第2棒状部30,31と第1及び第2ピニオン32、33とによって上下同期機構28,29が構成されていたが、この例に限る物ではなく、第1及び第2ドアパネル3、4に第1歯部と第2歯部とを有するドア側ピニオンを回動可能に固定して、そのドア側ピニオンの第1歯部と、第1及び第2ピニオン32、33(又は第1及び第2支持ローラ20,21)とをタイミングベルト等で接続し、ドア側ピニオンの第2歯部と各棒状部30,31とを噛合させることによっても、上下同期機構28,29を構成することができる。
【0037】
さらに、実施の形態1,2では、センターオープン式の第1及び第2ドアパネル3,4を用いたが、サイドオープン式(片開き式)の高速側及び低速側ドアパネルを用いてもよい。
【0038】
さらにまた、実施の形態1,2では、第1及び第2ドアパネル3,4の2枚のドアパネルを用いたが、センターオープン式の4枚以上(片側2枚以上)のドアパネルを用いてもよい。
【0039】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図5は、実施の形態3によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図6は、図5の第1及び第2ドアパネル3,4の全開状態を示す背面図である。なお、図5では、第1及び第2ドアパネル3,4の全閉状態を示す。実施の形態1の第1及び第2パネル脚機構22,23は、下方付勢用弾性体27を有していたが、実施の形態3の第1及び第2パネル脚機構22,23は、下方付勢用弾性体27を有していない。また、実施の形態1,2では、スライド側パネル24に少なくとも4つのスライドローラ26が取り付けられていたが、実施の形態3では、スライド側パネル24に2つのみスライドローラ26が取り付けられている。これらのスライドローラ26は、スライド側パネル24の長さ方向の両端の上側角部に配置されている。
【0040】
全開状態の第1及び第2ドアパネル3,4の外枠13側と外枠13との間(第1及び第2ドアパネル3,4の収納領域)には、乗場敷居6の上面から間隔をおいて、固定側下部スライドレール34が設けられている。固定側下部スライドレール34は、第1及び第2ドアパネル3,4の開閉方向に沿って配置されている。各固定側下部スライドレール34には、それぞれ可動側下部スライドレール35が摺動可能に設けられている。可動側下部スライドレール35の一端部は、スライド側パネル24に固定されている。第1ドアパネル3のパネル第1側面部3bの下端と、第2ドアパネル4のパネル第2側面部4bの下端とには、それぞれ可動側下部スライドレール35の摺動用の切り欠きが設けられている。各可動側下部スライドレール35は、各固定側下部スライドレール34に沿って摺動する。
【0041】
つまり、固定側下部スライドレール34及び可動側下部スライドレール35は、上下同期機構を構成しており、スライド側パネル24の上下方向への変位は、固定側下部スライドレール34及び可動側下部スライドレール35によって規制され、これによって、第1及び第2ドアパネル3,4の開放移動時に、スライド側パネル24の高さ位置が維持される。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0042】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、固定側下部スライドレール34及び可動側下部スライドレール35によってスライド側パネル24の高さ位置が維持されるので、実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を得ることができるとともに、実施の形態2よりも簡素な構成でスライド側パネル24の高さ位置を維持することができる。
【0043】
なお、実施の形態1〜3では、摺動材としてスライドローラ26を用いたが、摺動材は、スライドローラ26に限るものではなく、摩擦係数が十分に小さい材料であり、パネル脚機構の摺動を阻害しない材料であればよい。
【0044】
また、実施の形態1〜3では、3つのアイドラ12を用いて伝動索体11の経路を各ハンガレール8,9の傾斜方向に沿わせたが、第1及び第2ハンガレール8,9の傾斜角度が十分小さい場合には、アイドラ12を省略し、伝動索体11の経路を水平としてもよい。この他に、第1及び第2ドアハンガ14,15における第1及び第2つかみ部材16,17の取付位置を上下方向に変位可能とすることによって、アイドラ12を省略し、伝動索体11の経路を水平としてもよい。
【0045】
さらに、実施の形態1〜3では、第1つかみ部材16の上端部が伝動索体11の下側経路に接続され、第2つかみ部材17の上端部が伝動索体11の上側経路に接続されていたが、第1つかみ部材16の上端部が伝動索体11の上側経路に接続され、第2つかみ部材17の上端部が伝動索体11の下側経路に接続されてもよい。
【0046】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。図7は、実施の形態4によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図8は、図7の高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態を示す背面図である。なお、図7では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態を示す。まず、実施の形態1〜3では、センターオープン式ドアである第1及び第2ドアパネル3,4を用いたが、実施の形態4では、サイドオープン式(片開き式)ドアである高速側及び低速側ドアパネル50,51を用いる。
【0047】
高速側及び低速側ドアパネル50,51は、実施の形態1〜3における第1及び第2ドアパネル3,4と同様に、それぞれパネル上面部50a,51a、パネル第1側面部50b,51b及びパネル第2側面部50c,51cを有している。また、実施の形態1〜3では、第1及び第2ハンガレール8,9を用いたが、実施の形態4では、高速側及び低速側ハンガレール52,53を用いる。高速側及び低速側ハンガレール52,53は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開放側から閉鎖側に下方に向けて傾斜して、互いに平行に配置されている。また、高速側及び低速側ハンガレール52,53の長さ方向両端部同士は、支持ピン55によって連結されている。
【0048】
高速側ドアパネル50は、高速側ドアハンガ56を介して、高速側ハンガレール52から吊り下げられている。低速側ドアパネル51は、低速側ドアハンガ57を介して、低速側ハンガレール53から吊り下げられている。高速側及び低速側ドアハンガ56,57の構造は、それぞれ実施の形態3における第1及び第2ドアハンガ14,15の構造と同様である。
【0049】
高速側ドアパネル50の下部におけるパネル第1側面部50bとパネル第2側面部50cとの間には、高速側パネル脚機構58が設けられている。低速側ドアパネル51の下部におけるパネル第1側面部51bとパネル第2側面部51cとの間には、低速側パネル脚機構59が設けられている。高速側及び低速側パネル脚機構58,59の構造は、それぞれ実施の形態3における第1及び第2パネル脚機構22,23の構造とほぼ同様である。
【0050】
ここで、高速側ドアパネル50の開閉移動量は、低速側ドアパネル51の開閉移動量の約2倍となっており、開閉移動に伴う高速側ドアパネル50の上下移動量も、低速側ドアパネル51の上下移動量の約2倍となる。このため、高速側パネル脚機構58のスライド側パネル24の高さ寸法は、低速側パネル脚機構59のスライド側パネル24の高さ寸法よりも大きくなっている。また、高速側パネル脚機構58のスライドローラ26は、低速側パネル脚機構59のスライドローラ26よりも高い位置に配置されている。つまり、高速側パネル脚機構58のスライド側パネル24の摺動範囲は、低速側パネル脚機構59のスライド側パネル24の摺動範囲よりも大きくなっている。
【0051】
高速側パネル脚機構58は、スライド側パネル24の上面から上方に突出する複数の突出部58aをさらに有している。各突出部58aの上端には、可動側傾斜スライドレール60が固定されている。低速側ドアパネル51の第2側面部51cには、固定側傾斜スライドレール61が取り付けられている。可動側傾斜スライドレール60は、固定側傾斜スライドレール61に沿って摺動可能となっている。可動側傾斜スライドレール60及び固定側傾斜スライドレール61は、高速側及び低速側ハンガレール52,53の傾斜角度と同一の傾斜角度で、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開放側から閉鎖側に上方(高速側及び低速側ハンガレール52,53の逆向き)に傾斜して配置されている。可動側傾斜スライドレール60及び固定側傾斜スライドレール61によって、高速側パネル脚機構58のスライド側パネル24の上下方向への変位が規制されている。
【0052】
全開状態の各ドアパネル50,51の外枠13側と各外枠13との間(各ドアパネル50,51の収納領域)には、乗場敷居6の上面から間隔をおいて、固定側水平スライドレール62が設けられている。低速側パネル脚機構59のスライド側パネル24には、固定側水平スライドレール62に沿って摺動可能な可動側水平スライドレール63が設けられている。固定側水平スライドレール62及び可動側水平スライドレール63によって、低速側パネル脚機構59のスライド側パネル24の上下方向への変位が規制されている。
【0053】
高速側ドアパネル50のパネル第2側面部50c、低速側ドアパネル51の第1側面部51b及び第2側面部51cの各スライドレール60〜63に対応する箇所には、各スライドレール60〜63の摺動用の切り欠きがそれぞれ設けられている。可動側傾斜スライドレール60及び固定側傾斜スライドレール61と、固定側水平スライドレール62及び可動側水平スライドレール63とは、それぞれ上下動同期機構を構成している。従って、各パネル脚機構58,59は、高さ位置を維持したまま各ドアパネル50,51の下部の開閉移動を案内する。
【0054】
ここで、図9は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態のときの連動機構64を示す背面図である。図10は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態のときの連動機構64を示す背面図である。なお、図9,10では、各ドアパネル50,51、各ハンガレール52,53、及び各ローラ18〜21を省略して示す。各ドアハンガ56,57は、各ドアハンガ56,57の上方に設けられた連動機構64によって、互いに接続されている。連動機構64は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の一方が受けた開閉駆動力を他方に伝えて、高速側及び低速側ドアパネル50,51を互いに連動(同期)させて開閉移動させる。
【0055】
また、連動機構64は、プーリ取付板(構造体)65、一対のプーリ(滑車)66,67、伝動索体68、把持部材69を有している。プーリ取付板65は、低速側ドアハンガ57の上部に取り付けられている。また、プーリ取付板65は、全閉状態における低速側ドアハンガ57の上方から、全閉状態における高速側ドアハンガ56の上方まで延長された延長部65aを有している。延長部65aは、高速側及び低速側ハンガレール52,53の傾斜方向に沿って傾斜して配置されている。
【0056】
プーリ66は、延長部65aの先端の近傍に回転自在に取り付けられている。プーリ67は、プーリ取付板65の上端部の戸袋側に回動自在に取り付けられている。伝動索体68は、プーリ66,67間に架け渡されている。伝動索体68の両端部68a,68bは、互いに間隔をおいて、プレート部材7の長さ方向の中間部に固定されている。把持部材69の上端部は、伝動索体68に接続されている。把持部材69の下端部は、高速側ドアハンガ56に固定されている。つまり、連動機構64は、動滑車機構となっており、動滑車の原理により、高速側ドアパネル50の移動量が低速側ドアパネル51の移動量の倍となる。他の構成は、実施の形態3と同様である。
【0057】
次に、連動機構64の動作について説明する。各ドアパネル50,51が全閉状態のときに、ドア開閉駆動装置(図示せず)からの開放側への駆動力によって、高速側ドアパネル50及び高速側ドアハンガ56が開放側に移動される。このときに、伝動索体68の把持部材69との接続箇所が開放側に引っ張られ、伝動索体68の両端部68a,68bが固定されていることにより、各プーリ66,67が回動される。そして、伝動索体68の把持部材69との接続箇所が開放側に引っ張られていることにより、プーリ取付板65及び各プーリ66,67も開放側に移動され、これに伴い、低速側ドアパネル51及び低速側ドアハンガ57が開放側に移動され、各ドアパネル50,51が全開状態となる。
【0058】
また、各ドアパネル50,51が全開状態のときに、ドア開閉駆動装置(図示せず)からの閉鎖側への駆動力によって、高速側ドアパネル50及び高速側ドアハンガ56が閉鎖側に移動される。このときに、伝動索体68の把持部材69との接続箇所が閉鎖側に引っ張られ、伝動索体68の両端部68a,68bが固定されていることにより、各プーリ66,67が回動される。そして、伝動索体68の把持部材69との接続箇所が閉鎖側に引っ張られていることにより、プーリ取付板65及び各プーリ66,67も閉鎖側に移動され、これに伴い、低速側ドアパネル51及び低速側ドアハンガ57が閉鎖側に移動され、各ドアパネル50,51が全閉状態となる。
【0059】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、高速側及び低速側パネル脚機構58,59が高さ位置を維持したまま高速側ドアパネル50及び低速側ドアパネル51の下部の開閉移動を案内するので、サイドオープン式のドアパネルであっても実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0060】
なお、実施の形態4では、連動機構64が各ドアハンガ57,58の上方に設けられていたが、各ドアハンガ57,58の奥側(高速側ドアハンガ56のプレート部材7側)のスペースに設けられてよい。
【0061】
また、実施の形態4では、延長部65aが高速側及び低速側ハンガレール52,53の傾斜方向に沿って傾斜して配置されていたが、延長部65aは、水平に配置されていてもよい。この場合、プーリ取付板65及び把持部材69に(例えば長孔・貫通部材等による)スライド機構を設けて、プーリ取付板65が低速側ドアハンガ57に対して上下方向に摺動可能とし、把持部材69が高速側ハンガレール52に対して上下方向に摺動可能とすればよい。このような構成にすることによって、各ドアハンガ57,58の上方のスペース効率を、実施の形態4のものよりも向上させることができる。
【0062】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。図11は、実施の形態5によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図12は、図11の高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態を示す背面図である。なお、図11では、各ドアパネル50,51の全閉状態を示す。また、図11,12では、連動機構64を省略して示す。実施の形態5の高速側パネル脚機構58には、第3上下同期機構70が接続されている。第3上下同期機構70は、プレート部材7の昇降路側(図中手前側)に設けられた上部水平ガイドレール71、下端がスライド側パネル24の上面に接続された棒状部72、及び複数のガイドローラ73を有している。
【0063】
上部水平ガイドレール71は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉方向に沿って配置されている。また、上部水平ガイドレール71の断面形状は、略L字状である。また、上部水平ガイドレール71は、乗場・昇降路方向に向けられた鉛直面と、その鉛直面に水平方向に直交する水平面とを有している。棒状部72の上端は、上部水平ガイドレール71に隣接して配置されており、上部水平ガイドレール71の鉛直面に対向している。また、棒状部72の上端は、略T字状になっており、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉方向の両側に突出している。各ガイドローラ73は、棒状部72の上端の突出箇所に、回転自在に取り付けられている。また、ガイドローラ73は、上部水平ガイドレール71の水平面上に転動可能に載置されている。
【0064】
つまり、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉移動に伴って、ガイドローラ73が上部水平ガイドレール71の水平面上を転動し、棒状部72を介して、高速側パネル脚機構58のスライド側パネル24の高さ位置が維持される。他の構成及び動作は、実施の形態4と同様である。
【0065】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、上部水平ガイドレール71を用いた場合であっても、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、実施の形態5では、第3上下同期機構70が高速側パネル脚機構58に接続されていたが、この第3上下同期機構70は、センターオープン式の第1及び第2ドアパネル3,4における第1及び第2パネル脚機構22,23に接続されていてもよい。つまり、第3上下同期機構70は、センターオープン式ドアにも適用することができる。
【0067】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。図13は、実施の形態6によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図14は、図13の高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態を示す背面図である。なお、図13では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態を示す。また、図13,14では、連動機構64を省略して示す。まず、実施の形態4では、高速側ハンガレール52が傾斜していたが、実施の形態6では、高速側ハンガレール52が水平となっている。また、実施の形態6の低速側ハンガレール53の傾斜角度は、実施の形態4の低速側ハンガレール53の傾斜角度の2倍に設定されている。
【0068】
さらに、実施の形態6の高速側ドアパネル50の下端は、昇降路1側に略L字状に折り曲げられており、下面部50dが形成されている。下面部50dには、実施の形態1における複数のガイドシュー25が取り付けられている。即ち、実施の形態6では、実施の形態4,5における高速側パネル脚機構58を用いていない。なお、実施の形態6では、実施の形態4における連動機構64の把持部材69が高速側ドアハンガ56に対して上下方向に摺動可能になっている。他の構成は実施の形態4と同様である。
【0069】
次に、動作について説明する。開放状態の低速側ドアパネル51には、その自重と、低速側ハンガレール53の傾斜とによって、閉鎖方向への力が掛かっており、閉鎖方向へ移動する。このときに、低速側ドアパネル51に掛かる力は、連動機構64を介して、高速側ドアパネル50に伝わり、高速側ドアパネル50は、低速側ドアパネル51に連動して閉鎖方向へ移動する。他の動作は、実施の形態4と同様である。
【0070】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、低速側ハンガレール53のみを傾斜させた場合であっても、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4,5における高速側パネル脚機構58を用いていないので、実施の形態4,5のものよりも部品点数を削減することができ、実施の形態4,5のものよりも安価な構成とすることができる。
【0071】
なお、実施の形態6では、高速側ハンガレール52が水平となっており、低速側ハンガレール53が傾斜していたが、高速側ハンガレール52が傾斜し、低速側ハンガレール53が水平となっていてもよい。
【0072】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7について説明する。図15は、実施の形態7によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。図16は、図15の高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態を示す背面図である。なお、図15では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態を示す。また、図15,16では、連動機構64を省略して示す。
【0073】
実施の形態4では、高速側ドアハンガ56にスライドローラ26及び支持ローラ20が設けられており、プレート部材7に高速側ハンガレール52が設けられていたが、実施の形態7では、これらのものが設けられておらず、高速側ドアハンガ56に可動側支持スライドレール74が固定されている。可動側支持スライドレール74は、低速側ドアハンガ57に固定された固定側支持スライドレール75に沿って摺動可能となっている。可動側及び固定側支持スライドレール74,75は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉方向に沿って配置されている。高速側ドアパネル50は、可動側支持スライドレール74及び固定側支持スライドレール75を介して、低速側ドアハンガ57から支持されている。
【0074】
高速側パネル脚機構58のスライド側パネル24には、第1可動側下部スライドレール76が固定されている。低速側パネル脚機構59のスライド側パネル24には、第2可動側下部スライドレール77が固定されている。全開状態の高速側及び低速側ドアパネル50,51の外枠13側と外枠13との間(高速側及び低速側ドアパネル50,51の収納領域)には、乗場敷居6の上面から間隔をおいて、固定側下部スライドレール78が固定されている。第1可動側下部スライドレール76は、第2可動側下部スライドレール77に沿って摺動可能となっている。第2可動側下部スライドレール77は、固定側下部スライドレール78に沿って摺動可能となっている。
【0075】
つまり、高速側及び低速側パネル脚機構58,59のスライド側パネル24は、各下部スライドレール76〜78によって、上下方向への変位を規制されている。また、各支持スライドレール74,75と、各下部スライドレール76〜78とは、それぞれ上下同期機構を構成している。なお、実施の形態7では、実施の形態4における連動機構64の延長部65aが水平に配置されている。他の構成は、実施の形態4と同様である。
【0076】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、各下部スライドレール76〜78によって、高速側及び低速側パネル脚機構58,59のスライド側パネル24の上下方向への変位が規制されているので、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。これとともに、実施の形態4における高速側ハンガレール52の代わりに、高速側ドアパネル50の移動量の半分(プレート部材7の横幅の2/3)となる可動側及び固定側支持スライドレール74,75を用いるため、実施の形態4のものよりもコンパクトでかつ軽量な構成とすることができる。また、高速側及び低速側ドアパネル50,51と、高速側及び低速側パネル脚機構58,59とにそれぞれ共通の部材を用いることができ、生産性が向上し、実施の形態4のものよりもさらに安価な構成とすることができる。
【0077】
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8について説明する。図17は、実施の形態8によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す平面図である。図18は、図17の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す背面図である。図19は、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全開状態での図17の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す平面図である。図20は、ドアパネルの全開状態での図17の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す背面図である。なお、図17,18では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態での高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す。また、図17〜20では、高速側及び低速側ドアハンガ56,57よりも下方の構造と連動機構64とを省略して示す。
【0078】
実施の形態4では、高速側及び低速側ハンガレール52,53が高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉方向に対して傾斜して配置されていたが、実施の形態8では、高速側及び低速側ハンガレール52,53が高速側及び低速側ドアパネル50,51の開閉方向に沿って水平に配置されている。また、実施の形態8では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の下部に高速側及び低速側パネル脚機構58,59が設けられておらず、高速側及び低速側ドアパネル50,51の下面部には、実施の形態1における複数のガイドシュー25が取り付けられている。
【0079】
高速側ドアハンガ56は、開放側に突出する高速側ハンガ突出部56cを有している。低速側ドアハンガ57は、閉鎖側に突出する低速側ハンガ突出部57cを有している。各ドアパネル50,51が乗場出入口2を閉鎖している状態において、高速側ハンガ突出部56c及び低速側ハンガ突出部57cは、互いに対向している。また、この状態において、低速側ハンガ突出部57cの閉鎖側の側端は、高速側ハンガ突出部56cへ向けて折り曲げられており、低速側ハンガ折り曲げ部57dが形成されている。
【0080】
高速側及び低速側ドアパネル50,51が乗場出入口2を閉鎖している状態において、高速側ハンガ突出部56cには、閉鎖用弾性体としての渦巻きばね79の内周側の端部が固定されており、渦巻きばね79の外周側の端部は、低速側ハンガ折り曲げ部57dに固定されている。渦巻きばね79は、高速側及び低速側ドアパネル50,51が全閉位置から開放方向へ変位することに伴い、伸びて復元力を蓄える。この渦巻きばね79の復元力(ばね力)は、全開状態の高速側ドアパネル50に、閉鎖方向への駆動力として作用する。即ち、高速側ドアパネル50が開放状態のときに、渦巻きばね79は、高速側ドアパネル50を閉鎖方向に付勢する。
【0081】
また、渦巻きばね79の復元力は、連動機構64を介して、低速側ドアパネル51にも伝わる。そして、全開状態の高速側及び低速側ドアパネル50,51は、渦巻きばね79の復元力によって、互いに連動して閉鎖方向へ移動される。なお、実施の形態8では、実施の形態4における連動機構64の延長部65aが水平に配置されている。他の構成及び動作は実施の形態4と同様である。
【0082】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、特許文献1における渦巻きばねのドア開放時の伸び量よりも、渦巻きばね79の伸び量が約半分に減少し、渦巻きばね79に掛かる負荷と、渦巻きばね79の動作量とが減少することにより、渦巻きばね79の耐久性を向上させることができ、要求寿命を満足する渦巻きばね79をより安価に製造可能となり、特許文献1のものよりも安価な構成とすることができる。これとともに、渦巻きばね79に掛かる負荷と、渦巻きばね79の動作量とが減少することにより、特許文献1のものよりも、動作不具合に対する信頼性を向上させることができる。また、特許文献2のような傾斜形のハンガレールを用いないことにより、組立・解体時の作業効率を向上させることができる。
【0083】
実施の形態9.
次に、この発明の実施の形態9について説明する。図21は、実施の形態9によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す平面図である。図22は、図21の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す背面図である。図23は、ドアパネルの全開状態での図21の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す平面図である。図24は、ドアパネルの全開状態での図21の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す背面図である。なお、図21,22は、ドアパネルの全閉状態での高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す。また、図21〜24では、高速側及び低速側ドアハンガ56,57よりも下方の構造と連動機構64とを省略して示す。
【0084】
実施の形態8では、低速側ハンガレール53が水平となっていたが、実施の形態9では、低速側ハンガレール53が低速側ドアパネル51の開放側から閉鎖側に下方に傾斜している。また、実施の形態9では、低速側ドアパネル51の下部に、実施の形態4と同様の低速側パネル脚機構59が設けられている。なお、実施の形態9では、実施の形態4における連動機構64の把持部材69が高速側ドアハンガ56に対して上下方向に摺動可能になっている。他の構成は、実施の形態4と同様である。
【0085】
上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、開放状態の高速側ドアパネル50が渦巻きばね79の復元力によって閉鎖方向へ移動し、開放状態の低速側ドアパネル51が自重によって閉鎖方向へ移動するので、渦巻きばね79に掛かる負荷を低減させることができ、実施の形態8よりも、渦巻きばね79の長寿命化を図ることができる。これとともに、低速側ハンガレール53の傾斜角度を、実施の形態4の低速側ハンガレール53の傾斜角度よりも小さくすることができ、低速側ドアパネル51の上下動の移動量を低減させることができる。
【0086】
実施の形態10.
次に、この発明の実施の形態10について説明する。図25は、実施の形態10によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す背面図である。図26は、ドアパネルの全開状態での図25の高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す背面図である。なお、図25では、高速側及び低速側ドアパネル50,51の全閉状態での高速側及び低速側ドアハンガ56,57を示す。また、図25,26では、高速側及び低速側ドアパネル50,51及び乗場敷居6を省略して示す。まず、実施の形態10の高速側ドアハンガ56には、実施の形態7と同様の可動側支持スライドレール74が固定されている。可動側支持スライドレール74は、高速側ドアハンガ56に固定された固定側支持スライドレール75に沿って摺動可能となっている。なお、実施の形態10では、実施の形態4における連動機構64の延長部65aが水平に配置されている。他の構成は、実施の形態9と同様である。
【0087】
ここで、実施の形態9のものでは、高速側ドアハンガ56と低速側ドアハンガ57との移動方向が互いにずれていたため、渦巻きばね79が斜め方向に伸びていたが、上記のようなエレベータ乗場ドア装置の開閉装置では、高速側ドアハンガ56と低速側ドアハンガ57との相対的な移動方向が一致するので、渦巻きばね79の伸び方向を水平とすることができ、低速側ハンガレール53の傾斜角度の影響を受けることなく、渦巻きばね79の引張り力を設定することができる。
【0088】
なお、実施の形態4〜10では、2枚の高速側ドアパネル50と低速側ドアパネル51を用いたが、この例に限るものではなく、例えば、サイドオープン式ドアの1枚戸、及びサイドオープン式ドアの3枚戸等、1枚又は3枚以上のドアパネルを用いてもよい。
【0089】
また、実施の形態8〜10では、渦巻きばね79を高速側ドアハンガ56と低速側ドアハンガ57との間に設置したが、高速側ドアパネル50と低速側ドアパネル51との間に渦巻きばね79を設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図2】図1の第1及び第2ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図4】図3の第1及び第2ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図5】この発明の実施の形態3によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図6】図5の第1及び第2ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図7】この発明の実施の形態4によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図8】図7の高速側及び低速側ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図9】高速側及び低速側ドアパネルの全閉状態のときの連動機構を示す背面図である。
【図10】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態のときの連動機構を示す背面図である。
【図11】この発明の実施の形態5によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図12】図11の高速側及び低速側ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図13】この発明の実施の形態6によるエレベータ乗場ドア装置を示す背面図である。
【図14】図13の高速側及び低速側ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図15】この発明の実施の形態7によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す背面図である。
【図16】図15の高速側及び低速側ドアパネルの全開状態を示す背面図である。
【図17】この発明の実施の形態8によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す平面図である。
【図18】図17の高速側及び低速側ドアハンガを示す背面図である。
【図19】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態での図17の高速側及び低速側ドアハンガを示す平面図である。
【図20】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態での図17の高速側及び低速側ドアハンガを示す背面図である。
【図21】この発明の実施の形態9によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す平面図である。
【図22】図21の高速側及び低速側ドアハンガを示す背面図である。
【図23】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態での図21の高速側及び低速側ドアハンガを示す平面図である。
【図24】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態での図21の高速側及び低速側ドアハンガを示す背面図である。
【図25】この発明の実施の形態10によるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置の一部を示す背面図である。
【図26】高速側及び低速側ドアパネルの全開状態での図25の高速側及び低速側ドアハンガを示す背面図である。
【符号の説明】
【0091】
1 昇降路、2 乗場出入口、3 第1ドアパネル、3a パネル上面部、3b パネル第1側面部、3c パネル第2側面部、4 第2ドアパネル、4a パネル上面部、4b パネル第1側面部、4c パネル第2側面部、6 乗場敷居、6a ガイド溝、7 プレート部材、8 第1ハンガレール、9 第2ハンガレール、8a,9a ラック面、14 第1ドアハンガ、15 第2ドアハンガ、18 第1ハンガローラ、19 第2ハンガローラ、22 第1パネル脚機構、23 第2パネル脚機構、24 スライド側パネル、25 ガイドシュー、26 スライドローラ、28 第1上下同期機構、29 第2上下同期機構、30 第1棒状部、31 第2棒状部、32 第1ピニオン、33 第2ピニオン、34 固定側下部スライドレール、35 可動側下部スライドレール、50 高速側ドアパネル、50a パネル上面部、50b パネル第1側面部、50c パネル第2側面部、51 低速側ドアパネル、51a パネル上面部、51b パネル第1側面部、51c パネル第2側面部、52 高速側ハンガレール、53 低速側ハンガレール、56 高速側ドアハンガ、57 低速側ドアハンガ、58 高速側パネル脚機構、59 低速側パネル脚機構、60 可動側傾斜スライドレール、60 固定側傾斜スライドレール、62 固定側水平スライドレール、63 可動側水平スライドレール、64 連動機構、70 第3上下同期機構、71 上部水平ガイドレール、72 棒状部、73 ガイドローラ、74 可動側支持スライドレール、75 固定側支持スライドレール、76 第1可動側下部スライドレール、77 第2可動側下部スライドレール、78 固定側下部スライドレール、79 渦巻きばね(閉鎖用弾性体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場出入口を開閉するドアパネルの開閉移動を案内するとともに、上記ドアパネルを自閉させるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置であって、
昇降路の内壁の上記乗場出入口の上方に設けられ、かつ上記ドアパネルの開放側から閉鎖側に下方に傾斜して配置され、上記ドアパネルの開閉移動を案内するハンガレール、
上記ドアパネルの上部に固定され、上記ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが上記案内レールの傾斜方向に互いに間隔をおいて設けられ、上記ドアパネルを上記ハンガレールから吊り下げるドアハンガ、及び
乗場敷居の上面に設けられ上記ドアパネルの開閉方向に沿うガイド溝に挿入されたガイドシューを有し、上記ドアパネルの下部に設けられ、上記ドアパネルに対して上下方向に摺動可能なパネル脚機構
を備えていることを特徴とするエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項2】
上記ドアパネルは、パネル第1側面部とパネル第2側面部とを有しており、
上記パネル脚機構は、上記パネル第1側面部と上記パネル第2側面部との間に配置されたスライド側パネルと、スライド側パネルに設けられ上記パネル第1側面部及び上記パネル第2側面部に沿って回動可能な複数のスライドローラをさらに有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項3】
上記パネル脚機構に接続され、上記ドアパネルの上下動に同期して、上記パネル脚機構を上記ドアパネルの上下動に対して上下反対方向に摺動させる上下同期機構
をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項4】
上記ハンガレールには、上記ドアパネルの開閉方向に沿うラック面が設けられており、
上記上下同期機構は、上記ドアパネルの開閉移動に伴って上記ラック面上を回動するピニオンと、下端部が上記パネル脚機構に接続され上端部が上記ピニオンと係合し上記ピニオンの上記回動によって昇降される棒状部とを有していることを特徴とする請求項3記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項5】
上記上下同期機構は、上記昇降路の内壁の上記乗場出入口近傍に固定され上記ドアパネルの開閉方向に沿う固定側スライドレールと、上記パネル脚機構に接続され固定側スライドレールに沿って摺動可能な可動側スライドレールとを有していることを特徴とする請求項3記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項6】
上記上下同期機構は、上記乗場出入口の上方に設けられ上記ドアパネルの開閉方向に沿うガイドレールと、下端が上記パネル脚機構に接続され上端が上記ガイドレールに隣接する棒状部と、上記棒状部の上端に設けられ上記ガイドレール上を回動可能なガイドローラとを有していることを特徴とする請求項3記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項7】
上記ドアパネルは、互いに反対方向に開閉移動する両開き式の第1及び第2ドアパネルによって構成されており、
上記ドアハンガは、上記第1ドアパネルの上部に固定された第1ドアハンガと、上記第2ドアパネルの上部に固定された第2ドアハンガとを有しており、
上記ハンガレールは、上記第1ドアハンガを介して上記第1ドアプレートが吊り下げられる第1ハンガレールと、上記第2ドアハンガを介して上記第2ドアプレートが吊り下げられる第2ハンガレールとを有していることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項8】
上記ドアパネルは、互いに同一方向に開閉移動する片開き式の高速側及び低速側ドアパネルによって構成されており、
上記ドアハンガは、上記高速側ドアパネルの上部に固定された高速側ドアハンガと、上記低速側ドアパネルの上部に固定された低速側ドアハンガとを有しており、
上記ハンガレールは、上記高速側ドアハンガを介して上記高速側ドアプレートが吊り下げられる高速側ハンガレールと、上記低速側ドアハンガを介して上記低速側ドアプレートが吊り下げられる低速側ハンガレールとのいずれか一方又は両方を有していることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエレベータ乗場ドアの開閉装置。
【請求項9】
上記ドアパネルは、互いに同一方向に開閉移動する片開き式の高速側及び低速側ドアパネルによって構成されており、
上記ドアハンガであり、上記低速側ドアパネルの上端部に固定された低速側ドアハンガと、
上記高速側ドアパネルの上端部に固定された高速側ドアハンガと、
上記ハンガレールであり、上記低速側ドアハンガを介して上記低速側ドアプレートが吊り下げられる低速側ハンガレールと、
上記低速側ドアハンガに固定され、上記各ドアパネルの開閉方向に沿う固定側支持スライドレールと、
上記高速側ドアハンガに固定され、上記固定側支持スライドレールに沿って摺動可能であり、上記低速側ドアハンガから上記低速側ドアパネルを支持する可動側支持スライドレールと
をさらに備えていることを特徴とする請求項5記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項10】
上記各ドアパネルが全閉状態のときに、一端部が上記高速側ドアハンガの低速側ドアハンガ側に固定され、他端部が上記低速側ドアハンガの高速側ドアハンガ側に固定され、上記各ドアパネルが開放状態のときに、上記高速側ドアパネルを閉鎖方向に付勢する閉鎖用弾性体
をさらに備えていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項11】
乗場出入口を開閉する片開き式の高速側ドアパネル及び低速側ドアパネルの開閉移動を案内するとともに、上記各ドアパネルを自閉させるエレベータ乗場ドア装置の開閉装置であって、
昇降路の内壁の上記乗場出入口の上方に、上記各ドアパネルの開閉方向に沿って設けられ、上記各ドアパネルの上部の開閉移動を案内する高速側及び低速側ハンガレール、及び
上記高速側ドアパネルの上部に固定され、上記高速側ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが設けられ、上記高速側ドアパネルを上記高速側ハンガレールから吊り下げる高速側ドアハンガ、
上記低速側ドアパネルの上部に固定され、上記低速側ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが設けられ、上記低速側ドアパネルを上記低速側ハンガレールから吊り下げる低速側ドアハンガ、及び
上記各ドアパネルが全閉状態のときに、一端部が上記高速側ドアハンガの低速側ドアハンガ側に固定され、他端部が上記低速側ドアハンガの高速側ドアハンガ側に固定され、上記各ドアパネルが開放状態のときに、上記高速側ドアパネルを閉鎖方向に付勢する閉鎖用弾性体
を備えていることを特徴とするエレベータ乗場ドア装置の開閉装置。
【請求項12】
乗場出入口を開閉するドアパネル、
昇降路の内壁の上記乗場出入口の上方に設けられ、かつ上記ドアパネルの開放側から閉鎖側に下方に傾斜して配置され、上記ドアパネルの上部の開閉移動を案内するハンガレール、
上記ドアパネルの上部に固定され、上記ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが上記案内レールの傾斜方向に互いに間隔をおいて設けられ、上記ドアパネルを上記ハンガレールから吊り下げるドアハンガ、及び
乗場敷居の上面に設けられ上記ドアパネルの開閉方向に沿うガイド溝に挿入されたガイドシューを有し、上記ドアパネルの下部に設けられ、上記ドアパネルに対して上下方向に摺動可能であり、上記ドアパネルの下部の開閉移動を案内するパネル脚機構
を備えていることを特徴とするエレベータ乗場ドア装置。
【請求項13】
乗場出入口を開閉する片開き式の高速側ドアパネル及び低速側ドアパネル、
昇降路の内壁の上記乗場出入口の上方に、上記各ドアパネルの開閉方向に沿って設けられ、上記各ドアパネルの上部の開閉移動を案内する高速側及び低速側ハンガレール、及び
上記高速側ドアパネルの上部に固定され、上記高速側ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが設けられ、上記高速側ドアパネルを上記高速側ハンガレールから吊り下げる高速側ドアハンガ、
上記低速側ドアパネルの上部に固定され、上記低速側ハンガレール上を回転可能な複数のハンガローラが設けられ、上記低速側ドアパネルを上記低速側ハンガレールから吊り下げる低速側ドアハンガ、及び
上記各ドアパネルが全閉状態のときに、一端部が上記高速側ドアハンガの低速側ドアハンガ側に固定され、他端部が上記低速側ドアハンガの高速側ドアハンガ側に固定され、上記各ドアパネルが開放状態のときに、上記高速側ドアパネルを閉鎖方向に付勢する閉鎖用弾性体
を備えていることを特徴とするエレベータ乗場ドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−285296(P2008−285296A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133079(P2007−133079)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】