エレベータ及びエレベータの防煙方法
【課題】乗降の際にも昇降路に煙が流れ込みにくいエレベータ及びエレベータの防煙方法を提供する。
【解決手段】エレベータは、カゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備える。ファンの駆動を制御する制御部をさらに備え、この制御部が、火災の発生を示す信号を受信したとき、ファンを駆動させることもできる。
【解決手段】エレベータは、カゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備える。ファンの駆動を制御する制御部をさらに備え、この制御部が、火災の発生を示す信号を受信したとき、ファンを駆動させることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ及びエレベータの防煙方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内において火災が発生した場合、大量の煙が発生する。
【0003】
従来のエレベータは乗場側ドアがパッキンにて遮煙されている。従って、乗場側ドアが開放されなければ火災によって発生した煙がエレベータの昇降路に流入することはなく、煙が昇降路を通じて火災の発生していない階に流れ込むことはない。
【0004】
しかし、近時ではエレベータを避難用または消火活動用に使用することがある。この場合、乗降のためにエレベータのドアが開放されると煙は昇降路に流入する。
【0005】
この点に関し、昇降路内に水平方向にエアカーテンを設け、昇降路に流入した煙がほかの階に移動しないようにする技術が提案されている。
【0006】
しかし、この技術によっては当該エレベータを避難用又は消火活動用に使用することができなくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−37843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本実施形態は乗降の際にも昇降路に煙が流れ込みにくいエレベータ及びエレベータの防煙方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、一実施形態はカゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備えるエレベータを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】エレベータの側面図である。
【図2】カゴ室の外観斜視図である。
【図3】エレベータのカゴ室付近の側面図である。
【図4】ファンの設置場所の第1の応用例を示す図である。
【図5】ファンの設置場所の第2の応用例を示す図である。
【図6】エレベータの図5における入口付近のA−A線断面図である。
【図7】ファンの設置場所の第3の応用例を示す図である。
【図8】ファンの設置場所の第4の応用例を示す図である。
【図9】エレベータの乗場側から見た正面図である。
【図10】図9におけるB−B線断面図である。
【図11】ファンの設置場所の第5の応用例を示す図である。
【図12】エレベータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、エレベータ、及びエレベータの防煙方法の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
本実施形態のエレベータの一実施形態はカゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備える。
【0013】
図1は、本実施形態に係るエレベータ100の側面図である。図1に示すように、エレベータ100は、乗客を乗せるカゴ室101と、錘103と、カゴ室101及び錘103を吊りあげるロープ106と、ロープ106を巻き上げる巻き上げ機102と、カゴ室101が昇降する昇降路110と、乗場側ドア104と、乗場側ドア104の下方に設置されるステップ部105と、エレベータの運行を制御する制御部107と、カゴ室101の出入り口101Gを覆うエアカーテンを生成するファン201と、を備える。
【0014】
カゴ室101は、カゴ室側ドア101Aと、カゴ室側ドア101Aの昇降路110側に設置される係合装置101Bと、を備える。
【0015】
乗場側ドア104は、昇降路110側に係合装置101Bと係合する突起部104Aを備える。
【0016】
制御部107は、指示された行き先階までカゴ室101を昇降させる。行き先階にカゴ室101が到着すると、係合装置101Bと突起部104Aとが係合している状態となる。この状態にてカゴ室側ドア101Aが開閉すると乗場側ドア104が従動して開閉する。
【0017】
図2は、カゴ室101の外観斜視図である。図2においては、カゴ室側ドア101Aは省略されている。図2に示すように、エレベータ100は、カゴ室101の入口を構成する部材、すなわちカゴ室101の出入り口の上方に設置されるカゴ室幕板101Dに出入り口101Gを覆うエアカーテンを生成するファン201を備える。
【0018】
ファン201は、風流を規制するダクト201Aを備える。ファン201はダクト201Aによって出入り口101Gの横幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。ファン201は、カゴ室敷居101Cの高さに届く程度の十分な強さの風流を生成する。
【0019】
この風流によって生成されたエアカーテンによって、火災によって乗場側に発生した煙が昇降路110に流入するのを防ぐことができる。
【0020】
図3は、エレベータ100のカゴ室101付近の側面図である。図3に示すように、エレベータ100は、カゴ室101のカゴ室幕板101Dに設置される廂101D1の上部にファン201を備える。ファン201は風流を矢印に示すように昇降路110の内側のカゴ室101の上部から停止階のフロア301Bに向けて放出し、煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する。
【0021】
図4は、ファン201の設置場所の第1の応用例を示す図である。図4に示すように、エレベータ100は、カゴ室101のカゴ室幕板101Dに設置される、吹き出し孔101D2を有する廂101D1の上部にファン201を備える。
【0022】
ファン201は吹き出し孔101D2から停止階のフロア301Bに向けて風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する。
【0023】
この応用例によれば、カゴ室101の上部が乗客からの見栄えが良くなるという効果がる。
【0024】
図5は、ファン201の設置場所の第2の応用例を示す図である。図6は、エレベータ100の図5における入口付近のA−A線断面図である。
【0025】
図5及び図6に示すように、エレベータ100は、ファン201としてカゴ室101の入口を構成する部材、すなわち入口横枠101Fに横方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する縦型ファン202を備える。
【0026】
縦型ファン202は、風流を規制するダクトを備える。縦型ファン202はダクトによって出入り口の縦幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。縦型ファン202は防煙に十分な強さの風流を生成する。
【0027】
縦型ファン202は矢印に示すようにカゴ室101から乗場601側に向けて横方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0028】
図7は、ファン201の設置場所の第3の応用例を示す図である。図7に示すように、エレベータ100は、ファン201として、カゴ室101の入口を構成する部材、すなわちカゴ室101のカゴ室敷居101Cの下方に上側に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する下方ファン203を備える。
【0029】
下方ファン203は矢印に示すようにカゴ室101のカゴ室敷居101Cとステップ部105の間から乗場601側に向けて上方向、すなわち乗場天井301A方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0030】
図8は、ファン201の設置場所の第4の応用例を示す図である。図8に示すように、エレベータ100は、ファン201として、乗場入口を構成する部材、すなわち乗場天井301Aにフロア301B方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する乗場天井ファン204を備える。
【0031】
乗場天井301Aは通風孔301A1を備え、乗場天井ファン204は通風孔301A1から風流を放出する。
【0032】
乗場天井ファン204は矢印に示すように乗場天井301Aからフロア301Bに向けて下方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0033】
図9は、エレベータ100の乗場側から見た正面図である。図10は図9におけるB−B線断面図である。
【0034】
図9及び図10に示すように、エレベータ100は、乗場側横板602の一方に乗場呼びボタン603及び乗場表示装置604と、乗場入口を構成する部材、すなわち一対の乗場側横板602の乗場側ドア104の部分にファン201として横方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する乗場縦型ファン205を備える。
【0035】
乗場縦型ファン205は、風流を規制するダクトを備える。乗場縦型ファン205はダクトによって出入り口の縦幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。乗場縦型ファン205は防煙に十分な強さの風流を生成する。
【0036】
乗場縦型ファン205は矢印に示すようにカゴ室101から乗場601側に向けて横方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0037】
図11は、ファン201の設置場所の第5の応用例を示す図である。図11に示すように、エレベータ100は、ファン201としてカゴ室天井101Hに停止階のフロア301B方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成するカゴ室天井ファン206を備える。
【0038】
カゴ室天井ファン206は矢印に示すようにカゴ室天井101Hからフロア301Bに向けて下方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0039】
図12は、エレベータ100の構成を示すブロック図である。図12に示すように、エレベータ100は、制御部であるCPU801と、記憶装置であるメモリ802と、巻き上げ機102と、通信インターフェース803と、乗場呼びボタン603と、乗場表示装置604と、カゴ室内行き先ボタン805と、カゴ室内表示装置807と、ファン201と、を備える。
【0040】
制御部107であるCPU801は乗場呼びボタン603及び乗場表示装置604からの入力信号に基づいて巻き上げ機102を制御し、エレベータ100の運行を行う。また、制御部は乗場表示装置604及びカゴ室内表示装置807に情報を表示する。
【0041】
通信インターフェース803は火災報知器810からの火災発生を示す旨の信号を受信し制御部107に伝達する。
【0042】
制御部107は火災発生を示す旨の信号を受信するとファン201を駆動させる。
【0043】
以上述べたように、本実施形態のエレベータ100は、カゴ室101と、錘103と、カゴ室101及び錘103を吊りあげるロープ106と、ロープ106を巻き上げる巻き上げ機102と、カゴ室101が昇降する昇降路110と、乗場側ドア104と、カゴ室101の入口に乗場側601に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファン201と、を備える。
【0044】
従って、エレベータ100は乗降の際にも昇降路に煙が流れ込みにくいという効果がある。
【0045】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
101:カゴ室
102:巻き上げ機
104:乗場側ドア
105:ステップ部
107:制御部
201:ファン
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ及びエレベータの防煙方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内において火災が発生した場合、大量の煙が発生する。
【0003】
従来のエレベータは乗場側ドアがパッキンにて遮煙されている。従って、乗場側ドアが開放されなければ火災によって発生した煙がエレベータの昇降路に流入することはなく、煙が昇降路を通じて火災の発生していない階に流れ込むことはない。
【0004】
しかし、近時ではエレベータを避難用または消火活動用に使用することがある。この場合、乗降のためにエレベータのドアが開放されると煙は昇降路に流入する。
【0005】
この点に関し、昇降路内に水平方向にエアカーテンを設け、昇降路に流入した煙がほかの階に移動しないようにする技術が提案されている。
【0006】
しかし、この技術によっては当該エレベータを避難用又は消火活動用に使用することができなくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−37843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本実施形態は乗降の際にも昇降路に煙が流れ込みにくいエレベータ及びエレベータの防煙方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、一実施形態はカゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備えるエレベータを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】エレベータの側面図である。
【図2】カゴ室の外観斜視図である。
【図3】エレベータのカゴ室付近の側面図である。
【図4】ファンの設置場所の第1の応用例を示す図である。
【図5】ファンの設置場所の第2の応用例を示す図である。
【図6】エレベータの図5における入口付近のA−A線断面図である。
【図7】ファンの設置場所の第3の応用例を示す図である。
【図8】ファンの設置場所の第4の応用例を示す図である。
【図9】エレベータの乗場側から見た正面図である。
【図10】図9におけるB−B線断面図である。
【図11】ファンの設置場所の第5の応用例を示す図である。
【図12】エレベータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、エレベータ、及びエレベータの防煙方法の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
本実施形態のエレベータの一実施形態はカゴ室と、錘と、カゴ室及び錘を吊りあげるロープと、ロープを巻き上げる巻き上げ機と、カゴ室が昇降する昇降路と、乗場側ドアと、カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、を備える。
【0013】
図1は、本実施形態に係るエレベータ100の側面図である。図1に示すように、エレベータ100は、乗客を乗せるカゴ室101と、錘103と、カゴ室101及び錘103を吊りあげるロープ106と、ロープ106を巻き上げる巻き上げ機102と、カゴ室101が昇降する昇降路110と、乗場側ドア104と、乗場側ドア104の下方に設置されるステップ部105と、エレベータの運行を制御する制御部107と、カゴ室101の出入り口101Gを覆うエアカーテンを生成するファン201と、を備える。
【0014】
カゴ室101は、カゴ室側ドア101Aと、カゴ室側ドア101Aの昇降路110側に設置される係合装置101Bと、を備える。
【0015】
乗場側ドア104は、昇降路110側に係合装置101Bと係合する突起部104Aを備える。
【0016】
制御部107は、指示された行き先階までカゴ室101を昇降させる。行き先階にカゴ室101が到着すると、係合装置101Bと突起部104Aとが係合している状態となる。この状態にてカゴ室側ドア101Aが開閉すると乗場側ドア104が従動して開閉する。
【0017】
図2は、カゴ室101の外観斜視図である。図2においては、カゴ室側ドア101Aは省略されている。図2に示すように、エレベータ100は、カゴ室101の入口を構成する部材、すなわちカゴ室101の出入り口の上方に設置されるカゴ室幕板101Dに出入り口101Gを覆うエアカーテンを生成するファン201を備える。
【0018】
ファン201は、風流を規制するダクト201Aを備える。ファン201はダクト201Aによって出入り口101Gの横幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。ファン201は、カゴ室敷居101Cの高さに届く程度の十分な強さの風流を生成する。
【0019】
この風流によって生成されたエアカーテンによって、火災によって乗場側に発生した煙が昇降路110に流入するのを防ぐことができる。
【0020】
図3は、エレベータ100のカゴ室101付近の側面図である。図3に示すように、エレベータ100は、カゴ室101のカゴ室幕板101Dに設置される廂101D1の上部にファン201を備える。ファン201は風流を矢印に示すように昇降路110の内側のカゴ室101の上部から停止階のフロア301Bに向けて放出し、煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する。
【0021】
図4は、ファン201の設置場所の第1の応用例を示す図である。図4に示すように、エレベータ100は、カゴ室101のカゴ室幕板101Dに設置される、吹き出し孔101D2を有する廂101D1の上部にファン201を備える。
【0022】
ファン201は吹き出し孔101D2から停止階のフロア301Bに向けて風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する。
【0023】
この応用例によれば、カゴ室101の上部が乗客からの見栄えが良くなるという効果がる。
【0024】
図5は、ファン201の設置場所の第2の応用例を示す図である。図6は、エレベータ100の図5における入口付近のA−A線断面図である。
【0025】
図5及び図6に示すように、エレベータ100は、ファン201としてカゴ室101の入口を構成する部材、すなわち入口横枠101Fに横方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する縦型ファン202を備える。
【0026】
縦型ファン202は、風流を規制するダクトを備える。縦型ファン202はダクトによって出入り口の縦幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。縦型ファン202は防煙に十分な強さの風流を生成する。
【0027】
縦型ファン202は矢印に示すようにカゴ室101から乗場601側に向けて横方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0028】
図7は、ファン201の設置場所の第3の応用例を示す図である。図7に示すように、エレベータ100は、ファン201として、カゴ室101の入口を構成する部材、すなわちカゴ室101のカゴ室敷居101Cの下方に上側に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する下方ファン203を備える。
【0029】
下方ファン203は矢印に示すようにカゴ室101のカゴ室敷居101Cとステップ部105の間から乗場601側に向けて上方向、すなわち乗場天井301A方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0030】
図8は、ファン201の設置場所の第4の応用例を示す図である。図8に示すように、エレベータ100は、ファン201として、乗場入口を構成する部材、すなわち乗場天井301Aにフロア301B方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する乗場天井ファン204を備える。
【0031】
乗場天井301Aは通風孔301A1を備え、乗場天井ファン204は通風孔301A1から風流を放出する。
【0032】
乗場天井ファン204は矢印に示すように乗場天井301Aからフロア301Bに向けて下方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0033】
図9は、エレベータ100の乗場側から見た正面図である。図10は図9におけるB−B線断面図である。
【0034】
図9及び図10に示すように、エレベータ100は、乗場側横板602の一方に乗場呼びボタン603及び乗場表示装置604と、乗場入口を構成する部材、すなわち一対の乗場側横板602の乗場側ドア104の部分にファン201として横方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成する乗場縦型ファン205を備える。
【0035】
乗場縦型ファン205は、風流を規制するダクトを備える。乗場縦型ファン205はダクトによって出入り口の縦幅と同じかそれ以上の幅の風流を生成する。乗場縦型ファン205は防煙に十分な強さの風流を生成する。
【0036】
乗場縦型ファン205は矢印に示すようにカゴ室101から乗場601側に向けて横方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0037】
図11は、ファン201の設置場所の第5の応用例を示す図である。図11に示すように、エレベータ100は、ファン201としてカゴ室天井101Hに停止階のフロア301B方向に風流を生成することにより煙が昇降路110に流入することを防ぐエアカーテンを生成するカゴ室天井ファン206を備える。
【0038】
カゴ室天井ファン206は矢印に示すようにカゴ室天井101Hからフロア301Bに向けて下方向に風流を生成する。従って、このエアカーテンによって煙が昇降路110に流入することを防ぐことができる。
【0039】
図12は、エレベータ100の構成を示すブロック図である。図12に示すように、エレベータ100は、制御部であるCPU801と、記憶装置であるメモリ802と、巻き上げ機102と、通信インターフェース803と、乗場呼びボタン603と、乗場表示装置604と、カゴ室内行き先ボタン805と、カゴ室内表示装置807と、ファン201と、を備える。
【0040】
制御部107であるCPU801は乗場呼びボタン603及び乗場表示装置604からの入力信号に基づいて巻き上げ機102を制御し、エレベータ100の運行を行う。また、制御部は乗場表示装置604及びカゴ室内表示装置807に情報を表示する。
【0041】
通信インターフェース803は火災報知器810からの火災発生を示す旨の信号を受信し制御部107に伝達する。
【0042】
制御部107は火災発生を示す旨の信号を受信するとファン201を駆動させる。
【0043】
以上述べたように、本実施形態のエレベータ100は、カゴ室101と、錘103と、カゴ室101及び錘103を吊りあげるロープ106と、ロープ106を巻き上げる巻き上げ機102と、カゴ室101が昇降する昇降路110と、乗場側ドア104と、カゴ室101の入口に乗場側601に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファン201と、を備える。
【0044】
従って、エレベータ100は乗降の際にも昇降路に煙が流れ込みにくいという効果がある。
【0045】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
101:カゴ室
102:巻き上げ機
104:乗場側ドア
105:ステップ部
107:制御部
201:ファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カゴ室と、
錘と、
前記カゴ室及び前記錘を吊りあげるロープと、
前記ロープを巻き上げる巻き上げ機と、
前記カゴ室が昇降する昇降路と、
乗場側ドアと、
前記カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、
を備えるエレベータ。
【請求項2】
前記ファンは、
前記カゴ室の入口を構成する部材に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】
前記ファンは、
前記乗場入口を構成する部材に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項4】
前記ファンは、
前記カゴ室の天井に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項5】
ファンの駆動を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
火災の発生を示す信号を受信したとき、前記ファンを駆動させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータ。
【請求項6】
エレベータのカゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンを設置し、
制御部が、火災の発生を示す信号を受信したとき、前記ファンを駆動させるエレベータの防煙方法。
【請求項1】
カゴ室と、
錘と、
前記カゴ室及び前記錘を吊りあげるロープと、
前記ロープを巻き上げる巻き上げ機と、
前記カゴ室が昇降する昇降路と、
乗場側ドアと、
前記カゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンと、
を備えるエレベータ。
【請求項2】
前記ファンは、
前記カゴ室の入口を構成する部材に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】
前記ファンは、
前記乗場入口を構成する部材に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項4】
前記ファンは、
前記カゴ室の天井に設置される請求項1記載のエレベータ。
【請求項5】
ファンの駆動を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
火災の発生を示す信号を受信したとき、前記ファンを駆動させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータ。
【請求項6】
エレベータのカゴ室の入口に乗場側に発生した煙を遮断するエアカーテンを生成するファンを設置し、
制御部が、火災の発生を示す信号を受信したとき、前記ファンを駆動させるエレベータの防煙方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−107766(P2013−107766A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256195(P2011−256195)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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