説明

エレベータ向け監視装置

【課題】人の行動をキーに検索することができるエレベータ向け監視装置を提供する。
【解決手段】エレベータ向け監視装置は、監視領域を撮影して得られる映像を蓄積し且つ必要な部分の映像を表示するエレベータ向け監視装置において、上記映像に時刻情報を付加して蓄積する映像蓄積手段と、エレベータの運行データに時刻情報を付加して蓄積する運行データ蓄積手段と、人の行動に関する検索条件を入力する検索条件入力手段と、上記入力された人検索条件をエレベータの運行に関する検索条件に変換する検索条件変換手段と、上記運行検索条件に該当する運行が行われていた時刻を上記運行データ蓄積手段から抽出する運行データ抽出手段と、抽出された時刻の映像を抽出する映像抽出手段と、抽出した映像を運行データと合わせて表示する映像・運行データ表示手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの防犯監視等に用いられる、エレベー向け監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの映像監視装置は、エレベータの動作状態変化があった時にエレベータのかご室内の映像データをこの時の動作状態と組み合わせて記録する監視映像記録手段を備えた。そして、起動、停止、扉開閉などのエレベータの運行状態をキーに検索を行い、該当する映像を再生する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−3104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、エレベータの運行状態と乗降する複数の人の行動とは1:1に対応しないので、ある乗車階から乗ってある降車階で降りた人のように人の行動をキーに検索することができず、人の行動を追跡するような検索は非常に効率が悪いという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、人の行動をキーに検索することができるエレベータ向け監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ向け監視装置は、監視領域を撮影して得られる映像を蓄積し且つ必要な部分の映像を表示するエレベータ向け監視装置において、上記映像に時刻情報を付加して蓄積する映像蓄積手段と、エレベータの運行データに時刻情報を付加して蓄積する運行データ蓄積手段と、人の行動に関する検索条件を入力する検索条件入力手段と、上記入力された人検索条件をエレベータの運行に関する検索条件に変換する検索条件変換手段と、上記運行検索条件に該当する運行が行われていた時刻を上記運行データ蓄積手段から抽出する運行データ抽出手段と、抽出された時刻の映像を抽出する映像抽出手段と、抽出した映像を運行データと合わせて表示する映像・運行データ表示手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータ向け監視装置の効果は、エレベータの乗りカゴ内の映像が時刻が付加されて蓄積され、エレベータの運行状態も時刻が付加されて蓄積され、人の行動に関する検索条件を運行状態に関する検索条件に変換し、運行状態に関する検索条件を満たす運行状態のときの時刻を抽出し、抽出した時刻での映像を抽出するので、監視映像から人の行動に基づいた検索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。図2は、モニタに表示された人の行動に関する検索条件を入力するための画像である。図3は、モニタに表示された運行データおよび映像データである。
この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置1は、例えばエレベータの乗りカゴ2内の乗客の様子をカメラ3で撮影して得られた映像に時刻情報を付加して蓄積する映像蓄積手段11、エレベータ制御装置4から得られるエレベータの運行データに時刻情報を付加して蓄積する運行データ蓄積手段12、モニタ5、キーボード6、マウス7などのマンマシンインターフェースを操作して人の行動に関する検索条件(以下、「人検索条件」と称す)を入力する検索条件入力手段13、入力された人検索条件からエレベータの運行に関する検索条件(以下、「運行検索条件」と称す)に変換する検索条件変換手段14、運行検索条件に該当する運行が行われていた時刻を運行データ蓄積手段12から抽出する運行データ抽出手段15、抽出された時刻の映像を抽出する映像抽出手段16、抽出した映像を運行データと合わせて表示する映像・運行データ表示手段17を有する。
【0009】
検索条件入力手段13により検索対象の人物の行動を入力し、検索条件変換手段14により人物の行動ベースの検索条件をエレベータの運行ベースの検索条件に変換する。
変換された運行ベースの検索条件に該当する運行データを運行データ蓄積手段12より抽出する。
抽出された運行データに該当する映像を映像蓄積手段11から抽出する。
抽出された運行データと映像データとを関連付けて表示する。
【0010】
エレベータの運行状態は、各階床での扉開、各階床での扉閉、UP運転、DOWN運転、各階床での乗場呼び、および、各階床でのかご呼びで表すことができる。
そして、運行データ蓄積手段12には、エレベータの各運行状態が時刻が付加されて蓄積されている。例えば、1月1日の午後0時0分0秒に3Fで乗場呼び、午後0時0分10秒に3Fで扉開、午後0時0分13秒にDOWN運転、午後0時0分15秒に1Fで扉開、午後0時0分20秒に1Fで扉閉というように蓄積される。
人の行動は、乗りカゴ2に乗車する乗車階と乗りカゴ2から降車する降車階で表すことができる。
【0011】
検索条件入力手段13は、モニタ5に図2のように、乗車階を入力するためにエレベータが運行されている全ての階床および特にはしていしない場合に選択する「*」の欄を表示する。また、検索条件入力手段13は、モニタ5に降車階を入力するためにエレベータが運行されている全ての階床および特にはしていしない場合に選択する「*」の欄を表示する。
また、検索条件入力手段13は、モニタ5に日付および時間帯を入力するために、日付、時間帯の開始時刻および終了時刻を入力する欄を表示する。
例えば、1月1日、午前11時から午後1時までで乗車階を3階、降車階を1階とする場合、図2のように入力する。
検索条件入力手段13は、入力された乗車階、降車階、日付および時間帯から、人検索条件を生成する。すなわち、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、乗車階から降車階に行った人」という人検索条件を生成する。例えば、「1月1日、午前11時から午後1時の間で、3階から1階に行った人」が人検索条件になる。
【0012】
検索条件変換手段14は、人検索条件を運行検索条件に変換する。変換する手順は、まず「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」はそのまま「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」とする。次に、「乗車階」と「降車階」とを用いて、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)降車階で扉閉、および、(4)降車階で扉閉の運行状態を生成する。最後に、これらをまとめて、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)降車階で扉閉、および、(4)降車階で扉閉がこの順番で行われる」を運行検索条件とする。
例えば、人検索条件が「1月1日、午前11時から午後1時の間で、3階から1階に行った人」の場合、運行検索条件は「1月1日、午前11時から午後1時の間で、(1)3階の乗場呼び、(2)3階で扉開、(3)1階で扉閉、および、(4)1階で扉閉がこの順番で行われる」となる。
【0013】
運行データ抽出手段15は、運行データ蓄積手段12に蓄積されている時刻付き運行データを運行検索条件で検索し、該当する時刻付き運行データがある場合抽出開始時刻として乗車階での扉開の時刻と抽出終了時刻として降車階での扉閉の時刻を抽出する。例えば、上述の例では3Fでの扉開の時刻として午後0時0分10秒、1Fでの扉閉の時刻として午後0時0分20秒を抽出する。
【0014】
映像抽出手段16は、運行データ抽出手段15により抽出された抽出開始時刻と抽出終了時刻との間の映像蓄積手段11に蓄積されている映像を抽出する。
映像・運行データ表示手段17は、図3に示すように、モニタ5の左半分に運行状態を表示し、右半分に映像を表示する。そして、表示を開始すると、乗りカゴ2を示す図形が3階に対応する位置に停止しており、そのときに撮影された映像が表示される。次に、再生を開始すると運行状態を示す乗りカゴ2の図形は3階に対応する位置から1階に対応する位置まで移動し、1階に対応する位置で停止する。一方、映像も再生される。
【0015】
この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置1は、エレベータの乗りカゴ2内の映像が時刻が付加されて蓄積され、エレベータの運行状態も時刻が付加されて蓄積され、人の行動に関する検索条件を運行状態に関する検索条件に変換し、運行状態に関する検索条件を満たす運行状態のときの時刻を抽出し、抽出した時刻での映像を抽出するので、監視映像から人の行動に基づいた検索を行うことができる。
【0016】
なお、上述の検索条件変換手段14は、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、乗車階から降車階に行った人」という人検索条件を、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)降車階で扉閉、および、(4)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換したが、運行状態の1つであるDOWN運転またはUP運転を追加して、「「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)DOWN運転、(4)降車階で扉閉、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換しても良い。このようにDOWN運転またはUP運転を追加することにより、乗車階から降車階に直接行った人に関する映像を検索することができる。
【0017】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態2に係るエレベータ向け監視装置1Bは、図示しないドアを人が通過したときに信号を発する光電センサを備える。
また、この発明の実施の形態2に係るエレベータ向け監視装置1Bは、この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置1と運行データ蓄積手段12B、検索条件変換手段14Bおよび運行データ抽出手段15Bが異なり、それ以外は同様であるので、同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る運行データ蓄積手段12Bは、この発明の実施の形態1に係る運行データ蓄積手段12と蓄積する運行データが異なり、それ以外は同様である。そして、蓄積する運行データでの運行状態として、各階床での扉開、各階床での扉閉、UP運転、DOWN運転、各階床での乗場呼び、および、各階床でのかご呼びに加えて、各階床でのドアの通過である。この各階床でのドアの通過は人が光電センサを遮ることにより発せられる信号から得られる。
例えば、1月1日の午後0時0分0秒に3Fで乗場呼び、午後0時0分10秒に3Fで扉開、午後0時0分11秒に3Fのドアを通過、午後0時0分13秒にDOWN運転、午後0時0分15秒に1Fで扉開、午後0時0分16秒に1Fのドアを通過、午後0時0分20秒に1Fで扉閉というように蓄積される。
【0018】
この発明の実施の形態2に係る検索条件変換手段14Bは、人検索条件を運行検索条件に変換する。変換する手順は、まず「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」はそのまま「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」とする。次に、「乗車階」と「降車階」とを用いて、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階でドア通過、(3)降車階でドア通過、および、(4)降車階で扉閉の運行状態を生成する。最後に、これらをまとめて、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階でドア通過、(3)降車階でドア通過、および、(4)降車階で扉閉がこの順番で行われる」を運行検索条件とする。
例えば、人検索条件が「1月1日、午前11時から午後1時の間で、3階から1階に行った人」の場合、運行検索条件は「1月1日、午前11時から午後1時の間で、(1)3階の乗場呼び、(2)3階でドア通過、(3)1階でドア通過、および、(4)1階で扉閉がこの順番で行われる」となる。
【0019】
この発明の実施の形態2に係る運行データ抽出手段15Bは、運行データ蓄積手段12Bに蓄積されている時刻付き運行データを運行検索条件で検索し、該当する時刻付き運行データがある場合抽出開始時刻として乗車階でドア通過の時刻と抽出終了時刻として降車階での扉閉の時刻を抽出する。例えば、上述の例では3Fでドア通過の時刻として午後0時0分11秒、1Fでの扉閉の時刻として午後0時0分20秒を抽出する。
【0020】
この発明の実施の形態2に係るエレベータ向け監視装置1Bは、エレベータの乗りカゴ2内の映像が時刻が付加されて蓄積され、エレベータの運行状態も時刻が付加されて蓄積され、人の行動に関する検索条件を運行状態に関する検索条件に変換し、運行状態に関する検索条件を満たす運行状態のときの時刻を抽出し、抽出した時刻での映像を抽出するので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を行うことができる。
特に、人の乗降を光電センサを遮ることにより乗りカゴ2に人が乗り降りしたことを運行状態に追加したので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を確実に行うことができる。
【0021】
なお、上述の検索条件変換手段14Bは、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、乗車階から降車階に行った人」という人検索条件を、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階でドア通過、(3)降車階でドア通過、および、(4)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換したが、運行状態の1つであるDOWN運転またはUP運転を追加して、「「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階でドア通過、(3)DOWN運転、(4)降車階でドア通過、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換しても良い。このようにDOWN運転またはUP運転を追加することにより、乗車階から降車階に直接行った人に関する映像を検索することができる。
【0022】
また、人がドアを通過することを人が光電センサを遮ることにより検知しているが、乗りカゴ2の重量を量る秤装置により人の乗り降りを検知して運行状態としても良い。この場合は、乗車階で重量変化および降車階で重量変化を運行状態とする。
【0023】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態3に係るエレベータ向け監視装置1Cは、図示しないドアを人が何れの方向に通過したことを検知するために2個の光電センサを備える。
また、この発明の実施の形態3に係るエレベータ向け監視装置1Cは、この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置1と運行データ蓄積手段12C、検索条件変換手段14Cおよび運行データ抽出手段15Cが異なり、それ以外は同様であるので、同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明の実施の形態3に係る運行データ蓄積手段12Cは、この発明の実施の形態1に係る運行データ蓄積手段12と蓄積する運行データが異なり、それ以外は同様である。そして、蓄積する運行データでの運行状態として、各階床での扉開、各階床での扉閉、UP運転、DOWN運転、各階床での乗場呼び、および、各階床でのかご呼びに加えて、各階床での乗車、各階床での降車である。この各階床での乗車および各階床での降車は人が何れの光電センサを先に遮ったかを検知することにより得られる。
例えば、1月1日の午後0時0分0秒に3Fで乗場呼び、午後0時0分10秒に3Fで扉開、午後0時0分11秒に3Fで乗車、午後0時0分13秒にDOWN運転、午後0時0分15秒に1Fで扉開、午後0時0分16秒に1Fで降車、午後0時0分20秒に1Fで扉閉というように蓄積される。
【0024】
この発明の実施の形態3に係る検索条件変換手段14Cは、人検索条件を運行検索条件に変換する。変換する手順は、まず「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」はそのまま「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」とする。次に、「乗車階」と「降車階」とを用いて、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)乗車階で乗車、(4)降車階で降車、および、(5)降車階で扉閉の運行状態を生成する。最後に、これらをまとめて、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)乗車階で乗車、(4)降車階で降車、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」を運行検索条件とする。
例えば、人検索条件が「1月1日、午前11時から午後1時の間で、3階から1階に行った人」の場合、運行検索条件は「1月1日、午前11時から午後1時の間で、(1)3階の乗場呼び、(2)3階で扉開、(3)3階で乗車、(4)1階で降車、および、(5)1階で扉閉がこの順番で行われる」となる。
【0025】
この発明の実施の形態3に係る運行データ抽出手段15Cは、運行データ蓄積手段12Cに蓄積されている時刻付き運行データを運行検索条件で検索し、該当する時刻付き運行データがある場合抽出開始時刻として乗車階で扉開の時刻と抽出終了時刻として降車階での扉閉の時刻を抽出する。例えば、上述の例では3Fで扉開の時刻として午後0時0分10秒、1Fでの扉閉の時刻として午後0時0分20秒を抽出する。
【0026】
この発明の実施の形態3に係るエレベータ向け監視装置1Cは、エレベータの乗りカゴ2内の映像が時刻が付加されて蓄積され、エレベータの運行状態も時刻が付加されて蓄積され、人の行動に関する検索条件を運行状態に関する検索条件に変換し、運行状態に関する検索条件を満たす運行状態のときの時刻を抽出し、抽出した時刻での映像を抽出するので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を行うことができる。
特に、人の乗降を2個の光電センサを遮ることにより乗りカゴ2に人が乗り降りしたことを運行状態に追加したので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を確実に行うことができる。
【0027】
なお、上述の検索条件変換手段14Cは、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、乗車階から降車階に行った人」という人検索条件を、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)乗車階で乗車、(4)降車階で降車、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換したが、運行状態の1つであるDOWN運転またはUP運転を追加して、「「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)乗車階で乗車、(4)DOWN運転、(5)降車階で降車、および、(6)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換しても良い。このようにDOWN運転またはUP運転を追加することにより、乗車階から降車階に直接行った人に関する映像を検索することができる。
【0028】
また、人が乗降することを人が2個の光電センサの何れを早く遮ることから検知しているが、乗りカゴ2の重量を量る秤装置により人の乗り降りを検知して運行状態としても良い。この場合は、乗車階で重量変化および降車階で重量変化を運行状態とする。
また、かご内の映像を画像処理して人がドアを通過した際の方向を検知しても良い。
【0029】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態4に係るエレベータ向け監視装置1Dは、乗りカゴ2内に人がいることを検知するための図示しない人感センサを備える。
また、この発明の実施の形態4に係るエレベータ向け監視装置1Dは、この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置1と運行データ蓄積手段12D、検索条件変換手段14Dおよび運行データ抽出手段15Dが異なり、それ以外は同様であるので、同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明の実施の形態4に係る運行データ蓄積手段12Dは、この発明の実施の形態1に係る運行データ蓄積手段12と蓄積する運行データが異なり、それ以外は同様である。そして、蓄積する運行データでの運行状態として、各階床での扉開、各階床での扉閉、UP運転、DOWN運転、各階床での乗場呼び、および、各階床でのかご呼びに加えて、かご内に人が乗車中である。このかご内に人が乗車中は人感センサがかご内の人を検知することにより得られる。
例えば、1月1日の午後0時0分0秒に3Fで乗場呼び、午後0時0分10秒に3Fで扉開、午後0時0分11秒から午後0時0分16秒の間でかご内に人が乗車中、午後0時0分13秒にDOWN運転、午後0時0分15秒に1Fで扉開、午後0時0分20秒に1Fで扉閉というように蓄積される。
【0030】
この発明の実施の形態4に係る検索条件変換手段14Dは、人検索条件を運行検索条件に変換する。変換する手順は、まず「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」はそのまま「某月某日、開始時刻から終了時刻の間」とする。次に、「乗車階」と「降車階」とを用いて、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)かご内に人が乗車中、(4)降車階で扉開、および、(5)降車階で扉閉の運行状態を生成する。最後に、これらをまとめて、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)かご内に人が乗車中、(4)降車階で扉開、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」を運行検索条件とする。
例えば、人検索条件が「1月1日、午前11時から午後1時の間で、3階から1階に行った人」の場合、運行検索条件は「1月1日、午前11時から午後1時の間で、(1)3階の乗場呼び、(2)3階で扉開、(3)かご内に人が乗車中、(4)1階で扉開、および、(5)1階で扉閉がこの順番で行われる」となる。
【0031】
この発明の実施の形態4に係る運行データ抽出手段15Dは、運行データ蓄積手段12Dに蓄積されている時刻付き運行データを運行検索条件で検索し、該当する時刻付き運行データがある場合抽出開始時刻として乗車階で扉開の時刻と抽出終了時刻として降車階での扉閉の時刻を抽出する。例えば、上述の例では3Fで扉開の時刻として午後0時0分10秒、1Fでの扉閉の時刻として午後0時0分20秒を抽出する。
【0032】
この発明の実施の形態4に係るエレベータ向け監視装置1Dは、エレベータの乗りカゴ2内の映像が時刻が付加されて蓄積され、エレベータの運行状態も時刻が付加されて蓄積され、人の行動に関する検索条件を運行状態に関する検索条件に変換し、運行状態に関する検索条件を満たす運行状態のときの時刻を抽出し、抽出した時刻での映像を抽出するので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を行うことができる。
特に、人がかご内にいることを人感センサにより検知することにより、かご内に人が乗車中を運行状態に追加したので、蓄積された監視映像から人の行動に基づいた検索を確実に行うことができる。
【0033】
なお、上述の検索条件変換手段14Dは、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、乗車階から降車階に行った人」という人検索条件を、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)かご内に人が乗車中、(4)降車階で扉開、および、(5)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換したが、運行状態の1つであるDOWN運転またはUP運転を追加して、「某月某日、開始時刻から終了時刻の間で、(1)乗車階の乗場呼び、(2)乗車階で扉開、(3)かご内に人が乗車中、(4)DOWN運転、(5)降車階で扉開、および、(6)降車階で扉閉がこの順番で行われる」という運行検索条件に変換しても良い。このようにDOWN運転またはUP運転を追加することにより、乗車階から降車階に直接行った人に関する映像を検索することができる。
【0034】
また、乗りカゴ2内に人がいることを人感センサにより検知しているが、乗りカゴ2の重量を量る秤装置によりかご内に人がいることを検知して運行状態としても良い。
また、かご内の映像を画像処理してかご内に人がいることを検知しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】モニタに表示された人の行動に関する検索条件を入力するための画像である。
【図3】モニタに表示された運行データおよび映像データである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態3に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態4に係るエレベータ向け監視装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1、1B、1C、1D エレベータ向け監視装置、2 乗りカゴ、3 カメラ、4 エレベータ制御装置、5 モニタ、6 キーボード、7 マウス、11 映像蓄積手段、12、12B、12C、12D 運行データ蓄積手段、13 検索条件入力手段、14、14B、14C、14D 検索条件変換手段、15、15B、15C、15D 運行データ抽出手段、16 映像抽出手段、17 映像・運行データ表示手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域を撮影して得られる映像を蓄積し且つ必要な部分の映像を表示するエレベータ向け監視装置において、
上記映像に時刻情報を付加して蓄積する映像蓄積手段と、
エレベータの運行データに時刻情報を付加して蓄積する運行データ蓄積手段と、
人の行動に関する検索条件を入力する検索条件入力手段と、
上記入力された人検索条件をエレベータの運行に関する検索条件に変換する検索条件変換手段と、
上記運行検索条件に該当する運行が行われていた時刻を上記運行データ蓄積手段から抽出する運行データ抽出手段と、
抽出された時刻の映像を抽出する映像抽出手段と、
抽出した映像を運行データと合わせて表示する映像・運行データ表示手段と、
を有することを特徴とするエレベータ向け監視装置。
【請求項2】
上記人の行動に関する検索条件を乗車階から乗車して降車階で降車したとするとき、上記エレベータの運行に関する検索条件は上記乗車階で扉開、上記降車階で扉開、上記降車階で扉閉が順に発生したとなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ向け監視装置。
【請求項3】
上記人の行動に関する検索条件を乗車階から乗車して降車階で降車したとするとき、上記エレベータの運行に関する検索条件は上記乗車階でドア通過、上記降車階でドアを通過、上記降車階で扉閉が順に発生したとなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ向け監視装置。
【請求項4】
上記人の行動に関する検索条件を乗車階から乗車して降車階で降車したとするとき、上記エレベータの運行に関する検索条件は上記乗車階で扉開、上記乗車階で乗車、上記降車階で降車、上記降車階で扉閉が順に発生したとなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ向け監視装置。
【請求項5】
上記人の行動に関する検索条件を乗車階から乗車して降車階で降車したとするとき、上記エレベータの運行に関する検索条件は上記乗車階で扉開、上記エレベータのかご内に人が乗車中、上記降車階で扉開、上記降車階で扉閉が順に発生したとなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ向け監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−269721(P2009−269721A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122121(P2008−122121)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】