説明

エレベータ

【課題】エレベータ乗りかごの積載質量が変動した場合には、その変動に応じてエレベータ乗りかご側に作用する荷重とつり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節し、巻上機の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図る。
【解決手段】エレベータにおいて、エレベータロープ5が巻き付けられる巻上機3と、エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかご6と、エレベータロープ5の他端側に連結され、エレベータ乗りかご6の質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重り7と、エレベータ乗りかご6の積載質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との差を演算する演算手段と、演算手段による演算結果に基づき、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関し、特に、巻上機に巻き付けられるエレベータロープの一端側にエレベータ乗りかごが連結され、エレベータロープの他端側につり合い重りが連結されたトラクション方式のエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、トラクション方式のエレベータの基本的構造を示す概略図である。建物等の建造物に形成されたエレベータ昇降路100の上部に機械室101が設けられ、機械室101内には巻上機102や制御盤(図示せず)が設置されている。巻上機102のプーリ102aにはエレベータロープ103が巻き付けられ、エレベータロープ103の一端側にはエレベータ乗りかご104が連結され、エレベータロープ103の他端側にはつり合い重り105が連結されている。エレベータの運転時には、巻上機102を正回転又は逆回転させることにより、エレベータ乗りかご104が昇降される。
【0003】
巻上機102の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を達成するためには、エレベータ乗りかご104側に作用する荷重とつり合い重り105側に作用する荷重とが略同じ値であることが好ましい。
【0004】
しかし、トラクション方式のエレベータは、エレベータ乗りかご104の積載質量が最大積載質量となった場合において、エレベータ乗りかご104側に作用する荷重とつり合い重り105側に作用する荷重とが略同じ値となるように設定されている。このため、エレベータ乗りかご104の積載質量(例えば、乗車するエレベータ利用者数)が少ない場合には、エレベータ乗りかご104側に作用する荷重とつり合い重り105側に作用する荷重との差が大きくなる。このため、巻上機102の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減化には限界がある。
【0005】
そこで、下記特許文献1、2に記載されたように、エレベータ乗りかご側に作用する荷重とつり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調整する機構を備えたエレベータが提案されている。
【0006】
特許文献1に記載されたエレベータは、エレベータ乗りかごとつり合い重りとに液体用タンクを設け、これらの液体用タンクをホースで繋ぎ、エレベータ乗りかごに設置したポンプを駆動させることにより2つの液体用タンクの間で液体を循環させ、エレベータ乗りかご側の荷重とつり合い重り側の荷重とが略同じ値となるように調節している。
【0007】
特許文献2に記載されたエレベータは、つり合い重りの質量を変更するカウンターウェイトチェンジャーをエレベータ昇降路の底部に設け、必要に応じてつり合い重りの質量を変更している。
【特許文献1】特開平08−301556号公報
【特許文献2】特開平07−25568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1、2に記載されたエレベータにおいては、以下の点について配慮がなされていない。
【0009】
特許文献2に記載されたエレベータでは、つり合い重りの質量を変更するカウンターチェンジャーがエレベータ昇降路の底部に設置されているため、つり合い重りが最下部に位置する場合、つまり、エレベータ乗りかごが最上階に位置する場合しか、つり合い重りの質量を変更することができない。したがって、エレベータ乗りかごが昇降する途中でエレベータ利用者が乗り降りしてエレベータ乗りかご側の荷重が変化した場合において、その変化に対応してつり合い重り側の荷重を変更することはできない。
【0010】
特許文献1に記載されたエレベータでは、2つの液体用タンクを繋ぐ長いホースが必要であり、ホースの絡まりを防止するための対策が難しい。さらに、エレベータ乗りかごに設置されているポンプが振動や騒音の発生源となり易く、ポンプから発生する振動や騒音がエレベータ乗りかごに乗車しているエレベータ利用者に不快感を与える場合がある。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、エレベータ乗りかごの積載質量が変動した場合には、その変動に応じてエレベータ乗りかご側に作用する荷重とつり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節し、それにより、巻上機の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、エレベータにおいて、エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節する荷重調節機構と、を備え、前記荷重調節機構は、前記エレベータ乗りかごに設けられ、調節用重りを載置可能な重り載置部と、前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記調節用重りを収容する重り収容部と、前記調節用重りを、前記重り載置部に載置される位置と前記重り収容部に収容される位置との間で出し入れする出し入れ機構と、を備えることである。
【0013】
本発明の第2の特徴は、エレベータにおいて、エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、を備え、前記荷重調節機構は、前記エレベータ乗りかごに設けられ、液体を貯留可能なタンクと、前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記タンクに液体を供給可能な液体供給部と、前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記タンクから排出される液体を受ける液体受け部と、を備えることである。
【0014】
本発明の第3の特徴は、エレベータにおいて、エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、を備え、前記荷重調節機構は、前記エレベータ乗りかご又は前記つり合い重りに連結される引張ロープと、前記引張ロープに連結され、この引張ロープを重力方向に引っ張る駆動部と、を備えることである。
【0015】
本発明の第4の特徴は、エレベータにおいて、エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、を備え、前記荷重調節機構は、前記エレベータ乗りかご又は前記つり合い重りとエレベータ昇降路の内周部との間に上下方向に設けられるリニアモータ機構であることである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エレベータ乗りかごの積載質量が変動した場合には、その変動に応じてエレベータ乗りかご側に作用する荷重とつり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節することができ、それにより、巻上機の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るエレベータは、図1に示すように、建物等の建造物に形成されたエレベータ昇降路1を有し、エレベータ昇降路1の上部に機械室2が設けられている。機械室2内には、巻上機3と制御盤4とが設置されている。
【0019】
巻上機3にはプーリ3aが設けられ、プーリ3aにはエレベータロープ5が巻き付けられている。エレベータロープ5の両端はエレベータ昇降路1内に位置して下向きに吊り下げられ、下向きに吊り下げられたエレベータロープ5の一端側にはエレベータ乗りかご6が連結され、エレベータロープ5の他端側にはつり合い重り7が連結されている。つり合い重り7の質量は、エレベータ乗りかご6の質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との加算値と略同等に設定されている。
【0020】
エレベータ乗りかご6には、エレベータ乗りかご6への積載質量を検知する積載質量センサ8が設けられ、この積載質量センサ8はテールコード9を介して制御盤4に接続されている。
【0021】
制御盤4は、プログラムや固定データを格納したROMと、積載質量センサ8からの信号やエレベータ呼びの信号等が入力されるRAMと、RAMに入力された信号やROMに格納された固定データを用いてROMに格納されたプログラムに従った演算処理を行うCPUとを備えている。制御盤4においては各種の演算処理が行われ、その演算処理の一つとして、エレベータ乗りかご6の積載質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との差を演算する処理が、演算手段として実行される。
【0022】
このエレベータには、演算手段による演算結果に基づき、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重を調節する荷重調節機構10が設けられている。
【0023】
荷重調節機構10は、エレベータ乗りかご6の床面の下側に設けられて調節用重り11が載置可能な重り載置部12と、建物におけるエレベータ乗りかご6が停止する各階床毎に設けられて調節用重り11を収容する重り収容部13と、調節用重り11を重り載置部12に載置される位置と重り収容部13に収容される位置との間で出し入れする出し入れ機構14とを備えている。重り載置部12には、重り載置部12に載置された調節用重り11の質量(個数)を検知する重り質量センサ15が設けられている。
【0024】
出し入れ機構14は、重り収容部13に設置されて調節用重り11を保持可能であり、モータ駆動により往復動可能な複数の重りサーバ16と、重り載置部12に設置されて調節用重り11を保持可能であり、モータ駆動部により往復動可能な複数の重りサーバ17とを有している。重りサーバ16の往復動方向は重り載置部12に接離する方向であり、重りサーバ17の往復動方向は重り収容部13に接離する方向である。調節用重り11は、板状に形成され、重りサーバ16から重りサーバ17へ、又は、重りサーバ17から重りサーバ16へ受け渡し可能に重りサーバ16、17に保持されている。各階床の重り収容部13に設置されている複数の重りサーバ16は、図3に示すように、往復動方向と直交する水平方向に配列されている。重り載置部12に載置されている複数の重りサーバ17も同様に、往復動方向と直交する水平方向に配列されている。
【0025】
重りサーバ16、17のモータ駆動部は制御盤4に接続され、重りサーバ16、17の往復動は制御盤4から送信される制御信号により行われる。制御盤4から重りサーバ16への制御信号の送信は、信号線18を介して行われる。制御盤4から重りサーバ17への制御信号の送信、及び、重り質量センサ15から制御盤4への検知信号の送信は、テールコード9を介して行われる。重りサーバ16、17は、調節用重り11を把持可能、及び、把持状態を解除可能なクランプを備えている。重り載置部12と重り収容部13とには、重りサーバ16、17が往復動する際の浮き上がりを防止するための抑え板19が設けられている。
【0026】
このような構成において、巻上機3の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を達成するためには、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値であることが好ましい。なお、つり合い重り7の質量は、エレベータ乗りかご6の質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との加算値と略同等に設定されている。このため、エレベータ乗りかご6内の積載質量が最大積載質量に達しない場合は、エレベータ乗りかご6の重り載置部12に調節用重り11を載置し、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節している。
【0027】
以下、重り収容部13に収容されている調節用重り11を重り載置部12に搬送し、及び、重り載置部12に載置されている調節用重り11を重り収容部13に搬送する工程について説明する。
【0028】
積載質量センサ8は、エレベータ乗りかご6内の積載質量を検知しており、検知結果はテールコード9を介して制御盤4に送信される。制御盤4では、積載質量センサ8が検知したエレベータ乗りかご6内の積載質量と、エレベータ乗りかご6の最大積載質量との差が演算される。なお、この演算は、エレベータ乗りかご6が建物の各階床に停止し、エレベータ利用者の乗り降りが終了した後に行われる。
【0029】
エレベータ乗りかご6内の積載質量と、エレベータ乗りかご6の最大積載質量との差が演算されると、その演算結果に基づき、その差を最小にするために必要な調節用重り11の質量が演算される。さらに、演算された調節用重り11の質量と、重り質量センサ15が検知する既に重り載置部12に載置されている調節用重り11の質量との差から、重り収容部13から重り載置部12へ搬送し、又は、重り載置部12から重り収容部13へ搬送する調節用重り11の数が演算される。演算された数の調節用重り11が重り収容部13から重り載置部12へ搬送され、又は、重り載置部12から重り収容部13へ搬送される。これらの調節用重り11の搬送は、重りサーバ16から重りサーバ17へ調節用重り11を受け渡し、又は、重りサーバ17から重りサーバ16へ調節用重り11を受け渡すことにより行われる。
【0030】
重り収容部13から重り載置部12へ調節用重り11を搬送する場合、つまり、重りサーバ16から重りサーバ17へ調節用重り11を受け渡す場合を例に挙げ、図2に基づいて説明する。重り収容部13から重り載置部12への調節用重り11の搬送は、エレベータ乗りかご6が停止した階床においてエレベータ乗りかご6から降車したエレベータ利用者の数が乗車したエレベータ利用者の数より多く、エレベータ乗りかご6の積載質量が減少した場合に行われる。
【0031】
重り収容部13内には複数の重りサーバ16が設置され、それらの重りサーバ16の全て又は一部に調節用重り11が保持されている。制御盤4では、調節用重り11の受け渡しが行われる重り収容部13の重りサーバ16と重り載置部12の重りサーバ17とが指定される。指定される重りサーバ16、17の数は1つには限らず、2つ以上の場合もある。
【0032】
図2(a)は、調節用重り11の受け渡しが行われる前の状態を示している。なお、重り載置部12は、調節用重り11が載置されていない状態を示している。
【0033】
図2(b)は、指定された重りサーバ16、17が、調節用重り11を受け渡し可能な位置に移動した状態を示している。指定された重りサーバ16は重り載置部12に近付く位置に移動し、指定された重りサーバ17は重り収容部13に近付く位置に移動し、受け渡される調節用重り11が、対向する2つの重りサーバ16、17に保持された状態となる。図2(b)に示すように、受け渡される調節用重り11が対向する2つの重りサーバ16、17に保持された状態となった後、重りサーバ16のクランプは調節用重り11の把持状態を解除され、重りサーバ17のクランプは調節用重り11を把持する。
【0034】
図2(c)は、調節用重り11を受け渡した重りサーバ16が重り収容部13内の元の位置に戻り、調節用重り11を受け渡された重りサーバ17が重り載置部12内の重り載置位置まで移動した状態を示している。調節用重り11を受け渡された重りサーバ17が重り載置位置まで移動した後、エレベータ乗りかご6は目的とする階床に向けて昇降する。
【0035】
一方、エレベータ乗りかご6が停止した階床において、エレベータ乗りかご6に乗車するエレベータ利用者の数が降車するエレベータ利用者の数より多く、エレベータ乗りかご6の積載質量が増加した場合には、重り載置部12に載置されている重りサーバ17に保持されている調節用重り11が重りサーバ16へ受け渡され、受け渡された調節用重り11が重り収容部13へ収容される。
【0036】
このエレベータによれば、各階床でのエレベータ利用者の乗り降りによりエレベータ乗りかご6の積載質量が変動した場合には、その変動に応じて重り載置部12と重り収容部13との間で調節用重り11を出し入れし、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節することができる。これに伴い、巻上機3の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることができる。さらに、巻上機3の小型化に伴い、機械室2の省スペース化を達成することができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るエレベータを、図4及び図5に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態及びこれ以降の他の実施の形態において、第1の実施の形態において説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
【0038】
第2の実施の形態に係るエレベータには、第1の実施の形態で説明したエレベータの構成に加え、重り収容部13に収容されている調節用重り11の数(質量)を検知するセンサ21と、センサ21の検知結果に基づき、調節用重り11を或る階床の重り収容部13から他の階床の重り収容部13へ循環させる重り循環機構22とが設けられている。センサ21は、図示しない信号線を介して制御盤4に接続され、各階床の重り収容部13に収容されている調節用重り11の数の検知結果を制御盤4に送信する。
【0039】
重り循環機構22は、第1コンベア22aと第2コンベア22bとにより構成されている。
【0040】
第1コンベア22aは、各階床の重り収容部13において、複数の重りサーバ16を上下二段に位置させて循環させる構造である。複数の重りサーバ16は、上段側と下段側との位置においては配列方向に沿って水平移動し、配列方向の両端側において上段側から下段側へ、又は、下段側から上段側へ移動する。
【0041】
第2コンベア22bは、エレベータ昇降路1の内壁面に沿って配置され、上下一対のスプロケット23a、23bと、スプロケット23a、23bに掛け渡されたチェーン24とを有している。チェーン24には複数の底板25が固定され、各底板25上には、重りサーバ16との間で調節用重り11を受け渡し可能な重りサーバ26が取付けられている。個々の重りサーバ26は、重り収容部13に接離する方向に往復動可能に設けられている。重りサーバ26には、制御盤4に接続されて駆動されるモータ駆動部が設けられている。また、第1コンベア22aと第2コンベア22bとには、制御盤4から送信される制御信号により駆動される駆動部(図示せず)が連結されている。
【0042】
このような構成において、エレベータ利用者の移動方向が下階側から上階側へ、又は、上階側から下階側へと片寄る時間帯が発生する。例えば、朝の時間帯においては、下階側から上階側へ向かうエレベータ利用者が多くなる。すると、エレベータ乗りかご6が下階側に位置する場合には、重り載置部12に載置される調節用重り11の数は少なく、上階側から下階側へ下降する場合に重り載置部12に載置される調節用重り11の数が増える。そして、上階側から下階側へ運ばれた調節用重り11は、エレベータ乗りかご6に多数のエレベータ利用者が乗車する下階側の重り収容部13に収容される。このようなエレベータの運転が繰り返されると、下階側の重り収容部13では調節用重り11が増え、上階側の重り収容部13では調節用重り11が不足する。
【0043】
そこで、この第2の実施の形態のエレベータでは、各階床の重り収容部13に収容されている調節用重り11の数をセンサ21で検知し、その検知結果に応じて重り循環機構22を駆動させ、収容されている調節用重り11の数が多い階床の重り収容部13から、収容されている調節用重り11の数が少ない階床の重り収容部13へ調節用重り11を循環させている。
【0044】
第1コンベア22aにより循環移動される重りサーバ16から、第2コンベア22bにより昇降される重りサーバ26へ調節用重り11を受け渡す場合を、図5に基づいて説明する。
【0045】
図5(a)は、調節用重り11の受け渡しが行われる前の状態を示している。なお、この受け渡しは、重り収容部13内に位置する複数の重りサーバ16のうち、第2コンベア22bに対向する一端側に位置する重りサーバ16において行われる。
【0046】
図5(b)は、重りサーバ26と調節用重り11を保持した重りサーバ16とが調節用重り11を受け渡し可能な位置に移動した状態を示している。重りサーバ16は第2コンベア22bに近付く位置に移動し、重りサーバ23は重り収容部13に近付く位置に移動し、受け渡される調節用重り11が対向する2つの重りサーバ16、26に保持された状態となる。図5(b)に示すように、受け渡される調節用重り11が対向する2つの重りサーバ16、26に保持された状態となった後、重りサーバ16のクランプは調節用重り11の把持状態を解除され、重りサーバ26のクランプは調節用重り11を把持する。
【0047】
図5(c)は、調節用重り11を受け渡した重りサーバ16が重り収容部13内の元の位置に戻り、調節用重り11を受け渡された重りサーバ26が底板25上の元の位置に戻った状態を示している。調節用重り11を保持した重りサーバ26が図5(c)に示す元の位置に戻った後、第2コンベア22bが駆動され、重りサーバ26は底板25と共に保持した調節用重り11を収容する重り収容部13がある階床に向けて上昇又は下降する。
【0048】
したがって、この第2の実施の形態のエレベータによれば、各階床の重り収容部13に収容される調節用重り11の数をバランス良く維持することができる。これにより、或る階床の重り収容部13において調節用重り11が不足するという事態の発生や、或る階床の重り収容部13において調節用重り11が満杯となってそれ以上収容することができなくなるという事態の発生を防止することができ、エレベータ乗りかご6の積載質量が変動した場合には、その変動に応じてエレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とを略同じ値とする調節を常時確実に行うことができる。
【0049】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るエレベータを、図6及び図7に基づいて説明する。
【0050】
第3の実施の形態のエレベータには、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重を調節する荷重調節機構31が設けられている。
【0051】
荷重調節機構31は、エレベータ乗りかご6の床面の下側に設けられて液体である水を貯留可能なタンク32と、エレベータが設置される建物におけるエレベータ乗りかご6が停止する各階床毎に設けられて液体である水をタンク32に供給可能な液体供給部である注水器33と、エレベータが設置される建物におけるエレベータ乗りかご6が停止する各階床毎に設けられてタンク32から排出される液体である水を受ける液体受け部である排水器34とを備えている。注水器33と排水器34とはそれぞれポンプを内蔵し、ポンプを駆動させることによりタンク32への注水、又は、タンク32からの排水が行われる。ポンプは制御盤4から送信される制御信号により駆動され、タンク32にはタンク32内に存在する水の質量を検知するセンサ(図示せず)が設けられている。
【0052】
タンク32には、注水器33が接続可能な注水口35と、排水器34が接続可能な排水口36とが設けられている。注水器33と排水器34とには、制御盤4から送信される制御信号により駆動されるアクチュエータによって伸縮される接続パイプ33a、34aが設けられている。接続パイプ33aを伸ばすことにより注水器33が注水口35に接続され、接続パイプ34aを伸ばすことにより排水器34が排水口36に接続される。なお、注水口35と排水口36とには、接続パイプ33a、34aが接続された場合に開弁し、接続パイプ33a、34aの接続が解除された場合に閉弁する弁が設けられている。
【0053】
このような構成において、第3の実施の形態のエレベータでは、積載質量センサ8の検知結果に基づき、エレベータ乗りかご6内の積載質量と最大積載質量との差が演算され、ここに、演算手段が実行される。さらには、既にタンク32内に注水されている水の質量から、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とを略同じ値とするためには、タンク32内に注水又はタンク32から排水する水の質量がどの程度であるが演算される。この演算結果に基づき、タンク32内への注水、又は、タンク32からの排水が行われ、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節している。
【0054】
タンク32内への注水、及び、タンク32内からの排水について、図7に基づいて説明する。
【0055】
図7(a)は、タンク32内への注水が行われる前の状態を示している。
【0056】
図7(b)は、タンク32内への注水が行われている状態を示している。エレベータ乗りかご6が或る階床に停止した場合に、エレベータ乗りかご6への積載質量を検知する積載質量センサ8の検知結果に基づいて、エレベータ乗りかご6の積載質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との差が演算される。さらに、既にタンク32内に注水されている水の質量から、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とを略同じ値とするためには、タンク32内に注水又はタンク32から排水する水の質量がどの程度であるが演算される。そして、或る一定の質量の水を注水することが必要であると演算された場合は、タンク32内への注水が開始される。この注水に際しては、注水器33の接続パイプ33aがタンク32側へ伸ばされ、注水口35に接続される。接続パイプ33aが注水口35に接続された後に注水器33のポンプが駆動され、タンク32内に注水される。演算された一定の質量の水の注水が終了すると、注水口35への接続パイプ33aの接続が解除され、伸びていた接続パイプ33aが元の位置に戻される。タンク32内への注水が終了した後、エレベータ乗りかご6は目的とする階床に向けて昇降する。
【0057】
図7(c)は、タンク32内から排水が行われている状態を示している。エレベータ乗りかご6が或る階床に停止した場合に、エレベータ乗りかご6への積載質量を検知する積載質量センサ8の検知結果に基づいて、エレベータ乗りかご6の積載質量とエレベータ乗りかご6の最大積載質量との差が演算される。さらに、既にタンク32内に注水されている水の質量から、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とを略同じ値とするためには、タンク32内に注水又はタンク32から排水する水の質量がどの程度であるが演算される。そして、或る一定の質量の水を排水することが必要であると演算された場合は、タンク32内からの排水が開始される。この排水に際しては、排水器34の接続パイプ34aがタンク32側へ伸ばされ、排水口36に接続される。接続パイプ34aが排水口36に接続された後に排水器34のポンプが駆動され、タンク32内から排水される。演算された一定の質量の水の排水が終了すると、排水口36への接続パイプ34aの接続が解除され、伸びていた接続パイプ34aが元の位置に戻される。タンク32内からの排水が終了した後、エレベータ乗りかご6は目的とする階床に向けて昇降する。
【0058】
このエレベータによれば、各階床でのエレベータ利用者の乗り降りによりエレベータ乗りかご6の積載質量が変動した場合には、その変動に応じてタンク32内への注水又はタンク32内からの排水を行い、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節することができる。これに伴い、巻上機3の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることができる。さらに、巻上機3の小型化に伴い、機械室2の省スペース化を達成することができる。荷重調節機構31は、可動部として接続パイプ33a、34aが設けられているだけであるため可動部の数が少なくなり、メンテナンス性が良く、信頼性を高めることができる。
【0059】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係るエレベータを、図8に基づいて説明する。
【0060】
第4の実施の形態のエレベータでは、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重を調節させる荷重調節機構41が設けられている。
【0061】
荷重調節機構41は、一端側がエレベータ乗りかご6に連結される引張ロープ42と、引張ロープ42の他端側に連結されてエレベータ乗りかご6に下向き(重力方向)の荷重を作用させる向きに引張ロープ42を引っ張る駆動部である巻胴モータ43とを備えている。巻胴モータ43は、エレベータ昇降路1の底部に設置されている。巻胴モータ43は制御盤4に接続され、制御盤4から送信される制御信号に基づいて駆動される。
【0062】
このような構成において、第4の実施の形態のエレベータでは、積載質量センサ8の検知結果に基づき、エレベータ乗りかご6内の積載質量が最大積載質量に達しているか否かが判断され、達していない場合には積載質量と最大積載質量との差が検出される。そして、検出された差に応じて制御信号が制御盤4から巻胴モータ43へ送信され、巻胴モータ43が駆動される。巻胴モータ43は、積載質量と最大積載質量との差に相当する下向きの荷重を引張ロープ42を介してエレベータ乗りかご6に加え、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節される。
【0063】
このエレベータによれば、各階床でのエレベータ利用者の乗り降りによりエレベータ乗りかご6の積載質量が変動した場合には、その変動に応じて巻胴モータ43を駆動させ、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節することができる。これに伴い、巻上機3の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることができる。さらに、巻上機3の小型化に伴い、機械室2の省スペース化を達成することができる。また、荷重調節機構41が巻胴モータ43と引張ロープ42とから構成されるため、簡単な構造の荷重調節機構41を得ることができる。
【0064】
なお、この実施の形態の荷重調節機構41は、エレベータ乗りかご6に下向きの荷重を作用させる構造であるが、つり合い重り7に上向きの荷重を作用させる構造の荷重調節機構、又は、つり合い重りに下向きの荷重を作用させる構造の荷重調節機構を設けてもよい。つり合い重りに下向きの荷重を作用させる構造の荷重調節機構を設けた場合は、つり合い重り7の質量をエレベータ乗りかご6の質量と同じ質量とすることができ、つり合い重り7の軽量化を図ることができる。
【0065】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係るエレベータを、図9に基づいて説明する。
【0066】
第5の実施の形態のエレベータでは、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるようにエレベータ乗りかご6側に作用する荷重を増減させる荷重調節機構としてリニアモータ機構51が設けられている。
【0067】
リニアモータ機構51は、S極とN極との磁石を交互に配列して形成され、エレベータロープ5の端部に連結されたつり合い重り52と、エレベータ昇降路1内の壁面に上下方向に沿って複数の電磁石を配列されたリニアモータ駆動部53とを備えている。リニアモータ駆動部53は制御盤4に接続され、各電磁石は制御盤4から送信される制御信号によりN極とS極とを交互に切替えられる。
【0068】
このような構成において、第5の実施の形態のエレベータでは、積載質量センサ8の検知結果に基づき、エレベータ乗りかご6内の積載質量が最大積載質量に達しているか否かが判断され、達していない場合には積載質量と最大積載質量との差が検出される。そして、検出された差に応じて制御信号が制御盤4からリニアモータ駆動部53に送信される。これにより、リニアモータ駆動部53はつり合い重り52に対して、積載質量と最大積載質量との差に相当する上向きに作用する荷重を加え、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節される。
【0069】
このエレベータによれば、各階床でのエレベータ利用者の乗り降りによりエレベータ乗りかご6の積載質量が変動した場合には、その変動に応じてリニアモータ駆動部53を駆動させ、エレベータ乗りかご6側に作用する荷重とつり合い重り7側に作用する荷重とが略同じ値となるように適宜調節することができる。これに伴い、巻上機3の小型化、エレベータ運転時の消費電力の低減等を図ることができる。さらに、巻上機3の小型化に伴い、機械室2の省スペース化を達成することができる。
【0070】
なお、この実施の形態のリニアモータ機構51は、つり合い重り52に対して上向きに作用する荷重を加える構造であるが、エレベータ乗りかご6に対して下向きに作用する荷重を加えるリニアモータ機構を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエレベータの概略構造を示す正面図である。
【図2】図1に示すエレベータにおける重り収容部から重り載置部へ調節用重りを搬送する工程を示す説明図である。
【図3】図1に示すエレベータにおける重り収容部内で重りサーバーの配列状態を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るエレベータにおける重り循環機構を示す正面図である。
【図5】図4に示す重り循環機構における第1コンベアから第2コンベアへの調節用重りの受け渡しを示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るエレベータの概略構造を示す正面図である。
【図7】図6に示すエレベータにおけるタンク内への注水、及び、タンク内からの排水について説明する説明図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るエレベータの概略構造を示す正面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るエレベータの概略構造を示す正面図である。
【図10】従来例のトラクション方式のエレベータの概略構造を示す正面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 エレベータ昇降路
3 巻上機
5 エレベータロープ
10 荷重調節機構
11 調節用重り
12 重り載置部
13 重り収容部
14 出し入れ機構
21 センサ
22 重り循環機構
31 荷重調節機構
32 タンク
33 液体供給部
34 液体受け部
41 荷重調節機構
42 引張ロープ
43 駆動部
51 荷重調節機構、リニアモータ機構
52 つり合い重り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、
前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、
前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、
前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、
を備え、
前記荷重調節機構は、
前記エレベータ乗りかごに設けられ、調節用重りを載置可能な重り載置部と、
前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記調節用重りを収容する重り収容部と、
前記調節用重りを、前記重り載置部に載置される位置と前記重り収容部に収容される位置との間で出し入れする出し入れ機構と、
を備えることを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記重り収容部に収容されている前記調節用重りの質量を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づき、前記調節用重りを或る階床の前記重り収容部から他の階床の前記重り収容部へ循環させる重り循環機構と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】
エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、
前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、
前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、
前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、
を備え、
前記荷重調節機構は、
前記エレベータ乗りかごに設けられ、液体を貯留可能なタンクと、
前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記タンクに液体を供給可能な液体供給部と、
前記エレベータが設置される建造物における前記エレベータ乗りかごが停止する各階床毎に設けられ、前記タンクから排出される液体を受ける液体受け部と、
を備えることを特徴とするエレベータ。
【請求項4】
エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、
前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、
前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、
前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、
を備え、
前記荷重調節機構は、
前記エレベータ乗りかご又は前記つり合い重りに連結される引張ロープと、
前記引張ロープに連結され、この引張ロープを重力方向に引っ張る駆動部と、
を備えることを特徴とするエレベータ。
【請求項5】
エレベータロープが巻き付けられる巻上機と、
前記エレベータロープの一端側に連結されるエレベータ乗りかごと、
前記エレベータロープの他端側に連結され、前記エレベータ乗りかごの質量とこのエレベータ乗りかごの最大積載質量との加算値と略同等の質量を有するつり合い重りと、
前記エレベータ乗りかごの積載質量と前記エレベータ乗りかごの最大積載質量との差を演算する演算手段と、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記エレベータ乗りかご側に作用する荷重と前記つり合い重り側に作用する荷重とが略同じ値となるように調節可能な荷重調節機構と、
を備え、
前記荷重調節機構は、
前記エレベータ乗りかご又は前記つり合い重りとエレベータ昇降路の内周部との間に上下方向に設けられるリニアモータ機構であることを特徴とするエレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−68997(P2008−68997A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251214(P2006−251214)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】