説明

エンドセリン発現抑制剤

【課題】エンドセリン発現抑制剤の提供。
【解決手段】ローズマリー又はその抽出物を有効成分とするエンドセリン発現抑制剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エンドセリン発現抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
エンドセリンは、アミノ酸残基21個からなるペプチドであり、直接・間接的に血管性及び非血管性の平滑筋を持続的に収縮させる生理活性物質である。エンドセリンには構造の類似したファミリーペプチドとして、3種のエンドセリン(エンドセリン−1、エンドセリン−2、エンドセリン−3)がヒトを含む動物で存在していることが知られ、これらのペプチドはいずれも血管収縮作用及び昇圧作用を有することが知られている。
エンドセリンの作用増大は、末梢、腎臓及び脳の血管における持続的な血管収縮などの原因となるため、高血圧症、心筋梗塞、脳卒中、急性腎不全、レイノー症候群、アテローム硬化症、喘息、前立腺癌などの種々の疾病を引き起こすと考えられている。また、エンドセリン−1は小腸でのグルコース輸送を阻害することが報告されている(非特許文献1)。さらに、エンドセリン−1KOマウスで痛覚の閾値が低下することから、エンドセリン−1は痛覚調節に関わっていると考えられている(非特許文献2)。
【0003】
エンドセリンの生理作用は、エンドセリンがそのレセプターに結合することによって惹起されることが明らかにされている。従って、レセプターへのエンドセリンの結合を阻害する物質や、エンドセリンの発現そのものを抑制する物質は、前記のような種々の疾病の予防・治療に加え、小腸でのグルコース輸送の改善、痛覚の低下改善などに有用であると考えられる。
このため、エンドセリンの作用を抑制する物質の探索がこれまでに行われ、例えばボセンタン水和物、チアジアゾール誘導体、環状ペプチド、プロポリス組成物などがエンドセリン受容体を拮抗することが報告されている(非特許文献3、特許文献1〜3)。
【0004】
一方、ローズマリーは地中海地方原産のシソ科、常緑の小低木で、その葉や花は主に料理用、薬用、香料として幅広く利用されている。ローズマリーにはカルノシン酸、カルノソール、ロスマリン酸などのポリフェノール成分が多く含まれ、優れた抗酸化作用を有することが知られている。例えばカルノシン酸、カルノソールはヒト繊維芽細胞の過酸化水素への抵抗力を高め、アポトーシスを抑制する作用があることが報告されている(非特許文献4)。また、ローズマリーは、消臭作用、抗菌作用などを有することが知られている。
しかしながら、これまでにローズマリーが表皮細胞におけるエンドセリンの発現に対して与える影響については全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−298771号公報
【特許文献2】特開平8−225595号公報
【特許文献3】特開2004−161664号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of Physiology, 499.2, 391-402 (1997)
【非特許文献2】Neuroscience, 130, 349-358 (2005)
【非特許文献3】Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 270, 228-235 (1994)
【非特許文献4】フレグランスジャーナル, 8, 55-60 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、エンドセリン発現抑制剤を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、エンドセリンの発現を抑制する物質について研究を重ねた結果、ローズマリーに優れたンドセリン−1発現抑制作用があることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、ローズマリー又はその抽出物を有効成分とするエンドセリン発現抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエンドセリン発現抑制剤は、優れたエンドセリン−1発現抑制作用を有するため、エンドセリンの生理作用に起因する各種疾患の予防及び/又は治療、腸管でのグルコール輸送改善、痛覚低下改善等の効果を発揮する医療品、医薬部外品、化粧料、食品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】過酸化水素による表皮細胞のエンドセリン−1遺伝子発現量を示す図である。
【図2】ローズマリーエキスのエンドセリン−1発現抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、ローズマリーとはシソ科のローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)を意味する。ローズマリーの品種にはベネンデンブルー、クリーピング、マリンブルー、マジョルカピンク、トスカナブルー、レックスなどが知られているが、本発明においてはいずれの品種も使用することができる。
【0013】
ローズマリーの使用部位は、葉、茎、芽、花、枝などの地上部;根などの地下部;種子などの部分が使用可能であるが、葉及び花を用いるのが好ましい。これらは、そのまま又は乾燥粉砕して用いることができる。
【0014】
ローズマリーの抽出物としては、前記の使用部位、好ましくは葉を、そのまま或いは乾燥した後に適宜適当な大きさに切断したり、粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出物、さらに分離精製して得られるより活性の高い画分(成分)などが包含される。抽出方法は、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出などのいずれでもよい。
【0015】
抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイルなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。
本発明において、ローズマリーの抽出物は、エンドセリン−1発現抑制作用の点から、水、アルコール類、多価アルコール類及びケトン類から選ばれる1種又は2種以上の極性溶剤で抽出したものを用いるのが好ましい。また、ローズマリーの抽出物は市販品を使用することもできる。
【0016】
本発明に用いられるローズマリーの抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、さらに得られた粗精製物を公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフなどが挙げられる。
【0017】
本発明のローズマリーの抽出物は、斯くして得られる抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたもの、ペースト状に調製したものでもよい。
【0018】
本発明のローズマリーの抽出物は、後記実施例に示すように、表皮細胞を用いたin vitro 試験系においてエンドセリン−1遺伝子の発現を有意に抑制した。
ここで、エンドセリン−1は、紫外線照射によりヒト表皮細胞において過剰産生することが知られており(Photochem Photobiol. 1996 63(1):1-10)、一般的に被検物質のヒト表皮細胞におけるエンドセリン−1の産生抑制効果は、紫外線照射した細胞におけるエンドセリン−1の産生を抑制するかどうかによって評価している。一方、本発明者は、過酸化水素によってヒト表皮細胞におけるエンドセリン−1遺伝子の発現が上昇することを見出した(参考例1)。このことから、過酸化水素による曝露は紫外線照射と同等の効果をヒト表皮細胞に及ぼすと考えられ、当該in vitro 試験系におけるにおけるエンドセリン−1遺伝子の発現抑制作用を指標として、被検物質のエンドセリン発現抑制効果を評価できると考えられる。
【0019】
従って、当該ローズマリー及びその抽出物は、エンドセリン発現抑制剤や、エンドセリンの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば高血圧症、心筋梗塞、脳卒中、急性腎不全、レイノー症候群、アテローム硬化症、喘息、前立腺癌などの予防・治療剤、腸管でのグルコール輸送改善剤、痛覚低下改善剤など(以下、「エンドセリン発現抑制剤など」)として使用でき、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。
【0020】
斯かるエンドセリン発現抑制剤などは、エンドセリン発現抑制作用や、エンドセリンの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば高血圧症、心筋梗塞、脳卒中、急性腎不全、レイノー症候群、アテローム硬化症、喘息、前立腺癌などの予防・治療、腸管でのグルコール輸送改善、痛覚低下改善などの各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品、化粧品として使用することができる。そして、当該エンドセリン発現抑制剤などは、例えばエンドセリンの発現やその作用を抑制することに有用性があると考えられる各種疾病、例えば高血圧症、心筋梗塞、脳卒中、急性腎不全、レイノー症候群、アテローム硬化症、喘息、前立腺癌などの予防・治療、腸管でのグルコール輸送改善、痛覚低下改善をコンセプトとし、その旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品に応用できる。
【0021】
本発明のエンドセリン発現抑制剤などを、医薬品として使用する場合、任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、経口、経腸、経粘膜、注射等が挙げられる。経口投与のための製剤の剤型としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等が挙げられる。非経口投与としては、静脈内注射、筋肉注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
【0022】
また、斯かる製剤では、本発明のローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、薬学的に許容される担体とを組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
【0023】
これらの投与形態のうち、経口投与が好ましく、経口投与用製剤として用いる場合の該製剤中の本発明のローズマリー又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、通常、製剤全質量の0.01質量%〜100質量%であり、好ましくは、0.1質量%〜70質量%であり、さらに好ましくは、0.5質量%〜50質量%である。
【0024】
上記製剤の投与量は、患者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たりの1日の投与量は、通常、ローズマリー(抽出物の乾燥物換算)として1〜2000mg、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、50〜500mgである。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分けて投与することが好ましい。
【0025】
本発明のエンドセリン発現抑制剤などを、食品として使用する場合、その形態は、固形、半固形または液状であり得る。食品の例としては、パン類、麺類、菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品等、およびそれらの原料が挙げられる。また、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
【0026】
種々の形態の食品を調製するには、ローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】
また、食品中におけるローズマリー又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、その使用形態により異なるが、通常、0.001〜100質量%であり、0.002〜60質量%が好ましく、0.005〜40質量%がより好ましい。
【0028】
本発明のエンドセリン発現抑制剤などを医薬部外品や化粧料として用いる場合は、皮膚外用剤、洗浄剤、メイクアップ化粧料等とすることができ、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の医薬部外品や化粧料は、本発明のローズマリー及びその抽出物から選ばれる1種以上と、医薬部外品、皮膚化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤(例えば、抗炎症剤、殺菌剤、酸化防止剤、ビタミン類、脂肪代謝促進作用又は脱共役蛋白質発現促進作用が知られている薬物或いは天然物)、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
【0029】
当該医薬部外品、化粧料中の本発明のローズマリー又はその抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に0.00001〜20質量%とするのが好ましく、0.0001〜10質量%とするのがより好ましい。
【実施例】
【0030】
参考例1 過酸化水素が表皮細胞のエンドセリン-1遺伝子発現に与える影響
【0031】
1)方法
表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTM中にヒト表皮細胞(NHEK (F) 新生児包皮由来,クラボウ社)を2500個/cm2ずつ播種し、37℃にて細胞密度がサブコンフルエントになるまで培養した。PBS(−)にて洗浄後、5〜100μM H2O2を含む2.0ml PBS(−)を添加し、37℃にて1時間培養した。無処理コントロールは、PBS(−)で洗浄後、2.0ml PBS(−)を添加し、37℃にて1時間培養した。
表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTMで洗浄した後、新たに増殖用培地を2.0ml添加して培養を再開し、6,12,24時間後にそれぞれISOGEN(和光純薬工業(株))を用いて細胞の総RNAを回収し、これを鋳型としてスーパースクリプトIIIファーストストランド合成スーパーミックス(Invitrogen社)を用いてcDNAを作成した。このcDNAを用いてTaqMan(登録商標) Gene Expression Assays をプライマーおよびプローブとしてエンドセリン-1遺伝子発現量をリアルタイムPCRにより測定した(使用機器:ABI PRISM(登録商標) 7000 シークエンスディテクションシステム)。
【0032】
各試料における遺伝子発現量は標準cDNAに対する相対値として表し、更に、内部標準遺伝子としてRPLP0遺伝子の相対発現量を測定し、これにより標準化した。なお、エンドセリン-1およびRPLP0遺伝子発現量の検討に用いたTaqMan(登録商標) Gene Expression AssaysのIDはそれぞれHs00174961_m1,Hs99999902_m1である。
有意差の検定はt-検定により行い、有意水準は5%とした。多重検定を行う際にはボンフェローニ補正により有意水準を算出し、これを用いて判定した。
【0033】
2)結果
図1から明らかなように、過酸化水素によってヒト表皮細胞におけるエンドセリン−1遺伝子の発現が上昇した。なお、図1におけるエンドセリン−1遺伝子の発現変動は、無処理コントロールのエンドセリン−1遺伝子発現量を100とした場合の相対比(%)として表した。従って、当該過酸化水素負荷条件下の細胞におけるエンドセリン−1遺伝子の発現抑制作用を指標とすれば、被検物質のエンドセリン−1発現抑制効果の評価が可能であると考えられる。
【0034】
実施例1 ローズマリーエキスによるエンドセリン-1遺伝子発現抑制作用の検討
1)方法
[細胞培養]
培養ヒト表皮細胞(NHEK (F) 新生児包皮由来,クラボウ社)を表皮角化細胞増殖用培地EpiLifeTMに増殖添加剤(インスリン 0.5ml,hEGF 0.5ml,ハイドロコーチゾン 0.5ml,抗菌剤 0.5ml,BPE 2ml)を添加したもの(以下、増殖用培地)で培養した。継代には、0.025%トリプシン/0.01%EDTAを用いた。
【0035】
[過酸化水素処理]
培地を除き、PBS(−)で2回洗浄した後100μM H2O2を含むPBS(−)を2.0ml添加して37℃にて1時間培養した。無処理コントロールは、過酸化水素処理と同様にPBS(−)で洗浄後PBS(−)2.0mlを添加して37℃にて1時間培養した。
【0036】
2)評価法
6wellプレートに表皮細胞を2500個/cm2ずつ播種し、2.0mlの増殖用培地中で培養した。細胞密度がサブコンフルエントに達したことを確認した後、サンプルを添加した培地に交換した。サンプル添加培地はファルコレックスローズマリー E(一丸ファルコス株式会社製 抽出溶媒50%エタノール水溶液)を最終濃度0.00075%残渣となるように増殖用培地に添加して作成した。
サンプル添加培地で24時間培養後、上記の過酸化水素処理を行い、その後増殖用培地で洗浄した後、新たに増殖用培地を2.0ml添加して12時間培養した。サンプルの細胞毒性は細胞の形態を観察し、異常の有無で判定した。なお、溶媒コントロールとしてサンプルの代わりに50%エタノール水溶液を用いた。
培養再開後、6時間および12時間後にそれぞれISOGEN(和光純薬工業(株))を用いて細胞の総RNAを回収し、これを鋳型としてスーパースクリプトIIIファーストストランド合成スーパーミックス(Invitrogen社)を用いてcDNAを作成した。このcDNAを用いて参考例1と同様にTaqMan(登録商標)Gene Expression Assays をプライマーおよびプローブとしてエンドセリン-1遺伝子発現量をリアルタイムPCRにより比較検討した。
【0037】
3)結果
ローズマリーエキス添加時のエンドセリン−1遺伝子発現量及び50%エタノール水溶液(溶媒コントロール)添加時のエンドセリン−1遺伝子発現量を図2に示す。図2におけるエンドセリン−1遺伝子の発現変動は、無処理コントロールのエンドセリン−1遺伝子発現量を100とした場合の相対比(%)として求めた。
図2から明らかなように、ローズマリーエキスは、過酸化水素負荷条件下の表皮細胞からのエンドセリン−1遺伝子発現を有意に抑制した。このことから、ローズマリーエキスにはエンドセリン−1発現抑制効果があることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローズマリー又はその抽出物を有効成分とするエンドセリン発現抑制剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−208972(P2010−208972A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55226(P2009−55226)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】