説明

エンドミル

【課題】加工部材の壁面がギザギザ状とならなく、使用寿命を延長できるエンドミルを提供する。
【解決手段】本体12と、該本体の下端に一体形成されるヘッド部11とを有し、該本体の外径がヘッド部から上方へ向かって徐々に縮減され、該ヘッド部は、本体から外側へ突出する複数の刃部が設けられ、各刃部の外側に夫々本体の軸心と平行する研磨面111を形成した。また、ヘッド部における刃部の下端に湾曲端を形成し、研磨面の高さHは、本体の軸心から研磨面までの距離の5%〜50%とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に作業台に用いられるエンドミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、従来のエンドミル(80)は、ヘッド部における有効な研磨高さ(h)のエッジ(A)がエンドミル(80)の軸心と平行し、研磨を行う際、有効な研磨高さ(h)におけるエッジ(A)が常に加工部材(90)の壁面(M)と接触することにより、エンドミル(80)と加工部材(90)との接触深さが深ければ深いほど、エンドミル(80)の温度を上昇すると共に、研磨速度を降下するので、エンドミル(80)の使用寿命を短縮してしまう問題があった。
【0003】
前記問題に鑑み、その後、前記エンドミル(80)の研磨温度を低下させるために、図7に示すような新たなエンドミル(80a)が開発された。該エンドミル(80a)は、ヘッド部(B)から本体(C)まで外径が徐々に縮減し、研磨を行う場合、最も外側に位置するヘッド部(B)の一部が加工部材(90)の壁面(M)と接触する構成となっていることから、本体(C)の温度を上昇させないので、使用寿命を延長することができる。尚、前記エンドミルは、一般によく使用されるものであるため、特に特許文献又は非特許文献には記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記エンドミル(80a)によって加工部材(90)を研磨すると、加工部材(90)の壁面(M)がギザギザ状となる問題があり、更に、最も外側に位置するヘッド部(B)の一部が加工部材(90)の壁面(M)と接触するので、該部分が断裂しやすいという問題があった。
【0005】
そこで、出願されたのが本発明であって、加工部材の壁面がギザギザ状とならなく、使用寿命を延長できるエンドミルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1発明は、本体と、該本体の下端に一体形成されるヘッド部とを有し、該本体の外径がヘッド部から上方へ向かって徐々に縮減され、該ヘッド部は、本体から外側へ突出する複数の刃部が設けられ、各刃部の外側に夫々本体の軸心と平行する研磨面が形成されることを特徴とするエンドミル、を提供する。
【0007】
本願の第2発明は、前記ヘッド部における刃部の下端に湾曲端が形成されることを特徴とする本願の第1発明に記載のエンドミル、を提供する。
【0008】
本願の第3発明は、前記研磨面の高さは、本体の軸心から研磨面までの距離の5%〜50%であることを特徴とする本願の第1発明又は第2発明に記載のエンドミル、を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記の課題を解決するものであり、外径が上方へ向かって徐々に縮減する本体の下端におけるヘッド部に外側へ突出する複数の刃部が設けられ、各刃部の外側に夫々本体の軸心と平行する研磨面が形成され、ヘッド部における研磨面のみで加工部材を研磨することにより、ギザギザ面の発生を防ぐことができ、更に、本体は加工部材と接触せずに、本体の温度を抑えることにより、エンドミルの使用寿命を延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は本発明に係るエンドミルの第1実施例を示す斜視図であり、図2は本発明に係るエンドミルの第1実施例の使用状態を示す側面図であり、図3は本発明に係るエンドミルの第1実施例の側面図であり、図4は本発明に係るエンドミルの第2実施例の使用状態を示す側面図であり、図5は本発明に係るエンドミルの第1実施例におけるヘッド部の部分拡大側面図である。
【0012】
[実施例1]
図1及び図2に示すように、本発明に係るエンドミル(10)は、本体(12)と、該本体(12)の下端に一体形成されるヘッド部(11)とを有し、該本体(12)の外径がヘッド部(11)から上方へ向かって徐々に縮減され、該ヘッド部(11)は、本体(12)から外側へ突出する複数の刃部(符号なし)が設けられ、各刃部の外側に夫々本体(12)の軸心(X)と平行する研磨面(111)が形成され、各研磨面(111)の高さ(H)は、本体(12)の軸心(X)から研磨面(111)までの距離の5%〜50%である。
【0013】
更に、図3に示すように、本発明に係るエンドミル(10)のヘッド部(11)の下部における高さ(H)の範囲は研磨面(111)と称し、本体(12)の外側面と研磨面(111)との間に角度(θ)が形成され、該角度(θ)の範囲は、0°<θ<20°であり、よりよい範囲は、0°<θ<10°である。
【0014】
又、図2に示すように、本発明に係るエンドミル(10)を使用する場合、ヘッド部(11)における研磨面(111)のみで加工部材(20)を研磨し、該研磨面(111)が加工部材(20)の壁面と平行することにより、スリットを発生しなく、更に、該本体(12)は、外径がヘッド部(11)から上方へ向かって徐々に縮減されるため、加工部材(20)と接触せずに、本体(12)の温度を上昇しないことにより、エンドミル(10)の使用寿命を延長することができる。
【0015】
[実施例2]
又、図4に示すように、本発明に係るエンドミル(10a)の他の実施例は、前記実施例と殆ど等しく、異なるのは、該ヘッド部(11)はドリル状であり、前記実施例と等しいように、該ヘッド部(11)における下部の外側に本体(12)の軸心と平行する研磨面(111)が形成される。
【0016】
又、図5に示すように、本発明に係るエンドミル(10)のヘッド部(11)における刃部の下端に湾曲端が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は上記の構成を有するので、外径が上方へ向かって徐々に縮減する本体の下端におけるヘッド部に外側へ突出する複数の刃部が設けられ、各刃部の外側に夫々本体の軸心と平行する研磨面が形成され、ヘッド部における研磨面のみで加工部材を研磨することにより、ギザギザ面の発生を防ぐことができ、更に、本体は加工部材と接触せずに、本体の温度を抑えることにより、エンドミルの使用寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るエンドミルの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るエンドミルの第1実施例の使用状態を示す側面図である。
【図3】本発明に係るエンドミルの第1実施例の側面図である。
【図4】本発明に係るエンドミルの第2実施例の使用状態を示す側面図である。
【図5】本発明に係るエンドミルの第1実施例におけるヘッド部の部分拡大側面図図である。
【図6】従来のエンドミルの使用状態を示す側面図である。
【図7】従来の他のエンドミルの使用状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 エンドミル
10a エンドミル
11 ヘッド部
111 研磨面
12 本体
20 加工部材
80 エンドミル
80a エンドミル
90 加工部材
H 高さ
θ 角度
A エッジ
h 有効な研磨高さ
M 壁面
B ヘッド部
C 本体
X 軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、該本体の下端に一体形成されるヘッド部とを有し、
該本体の外径がヘッド部から上方へ向かって徐々に縮減され、
該ヘッド部は、本体から外側へ突出する複数の刃部が設けられ、
各刃部の外側に夫々本体の軸心と平行する研磨面が形成されることを特徴とする、
エンドミル。
【請求項2】
前記ヘッド部における刃部の下端に湾曲端が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のエンドミル。
【請求項3】
前記研磨面の高さは、本体の軸心から研磨面までの距離の5%〜50%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエンドミル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−181898(P2007−181898A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1805(P2006−1805)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(505280299)益壯企業有限公司 (2)
【Fターム(参考)】