説明

オキサカルバゼピンフィルム被覆錠剤

【課題】製剤、例えばオキサカルバゼピンを含むフィルム被覆錠剤および該製剤の製造法を提供すること。
【解決手段】治療的有効量の4から12μm(中央値)の平均粒子サイズを有する細かく挽かれたオキサカルバゼピンを含む錠剤コア、および親水性透過性外部コーティングを含む、フィルム被覆錠剤を提供することにより解決する。当該製剤は、ディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、オキサカルバゼピンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキサカルバゼピンの製剤、特にフィルム被覆錠剤および該製剤の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
オキシカルバゼピンである10,11−ジヒドロ−10−オキソ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドは、(R)Tegretol[(Novartis)カルバマゼピン:5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキシアミド)]と同様に、痙攣の処置の第一選択の薬剤である。錠剤および液体投与剤形、例えば懸濁液ような既知の投与剤形は活性成分の血中の均質な濃度を確実にするのに、特に、長期間の処置にわたる定期的な反復投与の場合、適している。それにもかかわらず、例えば、生物学的利用能およびコンプライアンスに関する現存する製剤を超える開発および改善が常に望まれている。
【0003】
EP0646374は、色素を含む2層(内層および外層)でコートされたオキサカルバゼピンの製剤を記載する。外層は酸化鉄を含む。2重被覆錠剤は貯蔵における製剤の不均質着色を防止する。
【0004】
オキサカルバゼピンの既知の剤形にもかかわらず、改善された製剤の提供が常に望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
我々は、本願発明により、容易に投与剤形に加工され、オキサカルバゼピンの生物学的利用能を改善し得、コンプライアンスを増加させ得るオキサカルバゼピンの製剤を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明はその態様の一つで、メディアン(median)粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、好ましくは細かく粉砕された形のオキサカルバゼピンの製剤を提供する。
【0007】
本発明の製剤は、例えば、経口投与のための医薬製剤に一般に使用されている薬学的に許容される賦形剤を含み得る。
【0008】
本発明の好ましい態様において、製剤は
a)メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、好ましくは細かく粉砕された形の、治療的に有効な量のオキサカルバゼピンおよび顆粒の製造に適した更なる賦形剤を含む錠剤コア;そして
b)親水性透過性外部コーティング
を含むフィルム被覆錠剤の剤形であり得る。
【0009】
製剤、例えば、本発明のフィルム被覆錠剤は微粒子サイズおよび狭い粒子サイズ分散のオキサカルバゼピンを使用し、それ自体投与剤形に、例えば、錠剤のような経口投与剤形に比較的容易に製剤し得る。更に、微粒子サイズおよび狭い粒子サイズ分散はまたオキサカルバゼピンの生物学的利用能の改善にも有益であり得る。更にまた本製剤は、貯蔵安定性および色安定性のような全ての通常の要求を満たす。
【0010】
色安定性は、色素を含む2層コーティングを要求するよりむしろ色素を含む単一コーティングのみの使用により達成し得る。これは、投与剤形の製剤の工程を減少し、相対的に単純にそして効率よくする利点を有する。更に、一定の投与サイズ、例えば、300mgに対して、それより少ない量の色素、例えば酸化鉄(使用するとき)がコーティングに必要である。
【0011】
本発明は、他の態様において、メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までであるオキサカルバゼピン、および所望により他の賦形剤の中心コアへの製剤および該コアの親水性透過性外部コーティングでのコーティングの段階を含む、オキサカルバゼピンを含むフィルム被覆錠剤の製造法を提供する。
【0012】
本発明の好ましい態様において、オキサカルバゼピンをメディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までに細かく粉砕し、顆粒化工程に適した賦形剤の混合物と共に、オキサカルバゼピンを顆粒にし、慣用の錠剤形成工程を使用して、顆粒を圧縮して錠剤コアを形成させ、これらのコアに親水性透過性外部コーティングを提供することを含む、カルバゼピンを含むフィルム被覆錠剤の製造法が提供される。
【0013】
本発明の記載の範囲内で、前記および後記に使用する単語は下記の通り定義する:
“フィルム被覆錠剤”なる用語は、慣用の錠剤形成法を使用したオキサカルバゼピンと慣用の錠剤賦形剤の錠剤コアを形成するための圧縮および続くコアのコーティングにより製造できる、経口投与可能、1回投与量、固体投与剤形を意味する。錠剤コアは、慣用の顆粒化法、例えば、最適な顆粒の粉砕をしながらの、湿式または乾式顆粒化および続く圧縮およびコーティングを使用して製造できる。顆粒化法は、例えば、Voigt, 前掲、156-169頁に記載されている。
【0014】
顆粒の製造に適当な賦形剤は、例えば、所望により流動コンディショニング特性を有する微紛充填剤、例えばタルク、二酸化シリコン、例えば、Syloid(R)タイプ(Grace)の合成無定形無水ケイ酸、例えば、SYLOID 244 FP、例えば、Avicel(R)タイプ(FMC Corp.)、例えば、AVICEL PH101、102、105、RC581またはRC591、Emcocel(R)タイプ(Mendell Corp.)またはElcema(R)タイプ(Degussa)の微結晶性セルロース;糖、糖アルコール、澱粉または澱粉誘導体、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ジャガイモ澱粉、メイズ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、またはアミロペクチンのような炭水化物、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウムまたは三ケイ酸マグネシウム;ゼラチン、トラガカント、寒天、アルギン酸、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、特に約2.0×10から1.0×10の重合度および約1.0×10から5.0×10のおよその分子量を有するポリエチレングリコールまたは酸化エチレンホモポリマー、例えば、名称Polyox(R) (Union Carbide)として既知の賦形剤、特に約1000の平均分子量および約500から2500の重合度を有するポリビニルピロリドンまたはポビドン、およびまた寒天またはゼラチンのような結合剤;界面活性剤、例えば、アルキルスルフェートタイプ、例えば、n−ドデシル硫酸、n−テトラデシル硫酸、n−ヘキサデシル硫酸またはn−オクタデシル硫酸ナトリウム、カリウムまたはマグネシウム、アルキルエーテルスルフェートタイプ、例えば、n−ドデシルオキシエチル硫酸、n−テトラデシルオキシエチル硫酸、n−ヘキサデシルオキシエチル硫酸またはn−オクタデシルオキシエチル硫酸ナトリウム、カリウムまたはマグネシウム、またはアルカンスルホネートタイプ、例えば、n−ドデカンスルホン酸、n−テトラデカンスルホン酸、n−ヘキサデカンスルホン酸またはn−オクタデカンスルホン酸ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムのアニオン性界面活性剤、ソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレートまたはモノパルミテート、ソルビタントリステアレートまたはトリオレエートのような脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルタイプ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートまたはトリオレエートのような脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルのポリエチレン付加物、ポリオキシエチレンステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレートのようなポリエチレングリコール脂肪酸エステルの非イオン性界面活性剤、特にPluronics(R) (BWC)またはSynperonic(R) (ICI)タイプの酸化エチレン/酸化プロピレンブロックポリマーである。
【0015】
顆粒は、それ自体既知の方法で、例えば、“形成”造粒または“細分”造粒の方法で既知の湿式顆粒化法を使用して、製造し得る。
【0016】
形成顆粒の形成法は、連続的に操作し得、例えば顆粒塊への顆粒化溶液の同時の噴霧および、例えば、ドラム造粒機、パン造粒機またはディスク造粒機、流動床での、噴霧乾燥または噴霧凝固による乾燥を含むか、または例えば、流動床、バッチミキサーまたは噴霧乾燥ドラム中で非連続的に操作し得る。
【0017】
不連続的に行い得、顆粒塊が最初に顆粒溶液と湿潤凝集物を形成し、この凝集物を次いで所望の粒子サイズの顆粒に粉砕または形成させ、次いで顆粒を乾燥する、細分顆粒の製造法が好ましい。顆粒化段階の適当な装置は、例えば、Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、Collette、Aeschbach、Alexanderwerk、Ytron、Wyss & Probst、Werner & Pfleiderer、HKD、Loser、Fuji、Nica、CalevaおよびGablerの装置を含む、遊星歯車式ミキサー、低および高剪断ミキサー、押し出し成形機およびスフェロニザー(spheroniser)を含む湿式顆粒化装置である。
【0018】
顆粒化塊は、粉砕した、好ましくは挽いたオキサカルバゼピンおよび上記の賦形剤、例えば、AVICELタイプの微結晶性セルロースのような微紛充填剤を含む。AVICES PH 102が特に適している。使用する方法に依存して、顆粒化塊は予備混合の形であり得るか、または1個またはそれ以上の賦形剤へのオキサカルバゼピンの混合、または賦形剤のオキサカルバゼピンへの混合により得られ得る。湿潤顆粒は、好ましくは、例えば、トレー乾燥または流動床により、記載の方法で乾燥する。
【0019】
別の変法により、錠剤コアは、活性成分を賦形剤と圧縮して相対的に大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これを挽くことにより粉砕し、粉砕物質を圧縮して錠剤コアを形成する、いわゆる緻密化(compacting)または乾燥顆粒化法を使用して製造する。
【0020】
緻密化法に適当な賦形剤は、慣用の直接圧縮法で適当なもの、例えば、澱粉、例えば、ジャガイモ、小麦およびメイズ澱粉、微結晶性セルロース、例えば、商標Avicel(R)、Filtrak(R)、Heweten(R)またはPharmacel(R)で入手可能な商品、高分散二酸化シリコン、例えば、Aerosil(R)、マンニトール、ラクトース、およびまたポリエチレングリコール、特に分子量4000から6000を有するもの、架橋ポリビニルピロリドン(Polyplasdon(R) XLまたはKollidon(R) CL)、架橋カルボキシメチルセルロース(Acdisol(R) CMC-XL)、カルボキシメチルセルロース[Nymcel(R)、例えばZSB-10、(Nyma)]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば品質HPMC 603、カルボキシメチル澱粉[Explotab(R) (Mendell)またはPrimojel(R) (Scholtens)]、微結晶性セルロース、例えばAvicel(R) PH102、リン酸二カルシウム、例えばEmcompress(R)またはタルクのような乾燥結合剤である。少量の、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑剤の添加はまた有利である。
【0021】
錠剤コアを形成するための圧縮は、慣用の錠剤成形機、例えば、EK-0 Korsch腸溶性錠剤成形機または回転錠剤成形機で行い得る。錠剤コアは、例えば、球状、卵型、長方形、筒状等の種々の形、およびオキサカルバゼピンの量に依存して、種々のサイズであり得る。
【0022】
オキサカルバゼピンは既知である。その製造法および抗痙攣剤としての治療的使用は、本明細書に引用して包含させるGerman Auslengeschrift2011087に記載されている。本活性成分の製造の商業的に有利な方法は、本明細書に引用して包含させる欧州特許第0028028号に記載されている。商品として入手可能な剤形は、経口投与のために、例えば、300および600mgの活性成分を含む錠剤が提供される。投与剤形は、商標(R)Trileptal(Novartis)として既知であり、デンマーク、フィンランド、オーストリアおよびベルギーのような多くの国で導入されている。
オキサカルバゼピンのメディアン粒子サイズは約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmであり、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである。好ましい処理の形において、オキサカルバゼピンのメディアン粒子サイズは約4から12μm、典型的に6から8μmであり、40μmふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである。
【0023】
既知の粒子サイズ分析法、例えば、光、例えば、光散乱法または濁度法、例えば、Andreassenピペットを使用したピペット分析、沈降量り、光沈降量りまたは遠心力場での沈降、例えば、コールターカウンターを使用した、パルス法、または重力または遠心力による分類は、メディアン粒子サイズの測定に適している。これらの方法は、取り分け、Voigt, 前掲、64-79頁に記載されている。
【0024】
所望の粒子サイズのオキサカルバゼピン粒子、例えば結晶を製造するために、慣用の粉砕および脱凝集法、例えば、エアージェットミルまたはインパクトミル、ボールミル、バイブレーションミル、モーターミルまたはピンミル中での粉砕を使用し得る。
【0025】
親水性透過性外部コーティングb)は、水および腸液を透過し、膨張可能であり、これらの液体中で可溶性か少なくともある程度溶解する、フィルム形成物質を含む。
【0026】
水透過性フィルム形成物質は、例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンおよびポリビニルアセテートと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの親水性混合物、セラックとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物、ポリビニルアセテートまたはそれとポリビニルピロリドンのコポリマー、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性セルロース誘導体と水不溶性エチルセルロースの混合物である。
【0027】
コーティング組成物は、望ましい場合、タルク、または二酸化シリコン、例えば、Syloid(R)タイプ(Grace)、例えばSYLOID 244 FPの合成無定形ケイ酸、または湿潤剤、例えば、ソルベートまたは可塑剤、例えば前記ポリエチレングリコールのような更なる賦形剤との混合物として使用し得る。
【0028】
弾性フィルム様物質は、特に親水性の部分的にエーテル化したセルロース誘導体である。
【0029】
親水性の部分的にエーテル化したセルロース誘導体は、例えば、1より高く、3より低い平均モル置換(MS)度、および約100から5000の平均重合度を有するセルロースの低級アルキルエーテルである。
【0030】
置換の程度は、グルコース単位当たりの低級アルコキシ基によるヒドロキシ基の置換の測定値である。平均モル置換(MS)度は平均化値であり、ポリマー中のグルコース単位当たりの低級アルコキシ基の数を示す。
【0031】
平均重合(DP)度はまた平均化値であり、セルロースポリマー中のグルコース単位の平均数を示す。
【0032】
セルロースの低級アルキルエーテルは、例えば、セルロース鎖を形成するグルコース単位のヒドロキシメチル基(1級ヒドロキシ基)および適当な場合、第2および第3の2級ヒドロキシ基をC−Cアルキル基、特にメチルまたはエチルで、または置換C−Cアルキル基、例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−n−プロピル、カルボキシメチルまたは2−カルボキシエチルで置換されているセルロース誘導体である。
【0033】
セルロースの適当な低級アルキルエーテルは、グルコース単位のヒドロキシメチル基(1級ヒドロキシ基)を記載のC−Cアルキル基で、または置換C−Cアルキル基で、および第2の、および適当な場合、第3の2級ヒドロキシ基をメチルまたはエチル基で置換されているセルロース誘導体である。セルロースの適当な低級アルキルエーテルは、特にメチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(塩形、例えば、ナトリウム塩形)またはメチルカルボキシメチルセルロース(また塩形、例えば、ナトリウム塩形)である。
【0034】
セルロースの好ましい低級アルキルエーテルは、例えば、Aquacoat(R)タイプ(FMC Corp.)のエチルセルロース(DP:約150から1000、MS:約1.2から1.8)、ヒドロキシエチルセルロース(DP:約120から1200、MS:約1.2から2.5)およびヒドロキシプロピルセルロース(DP:約200から3000、MS:約1.0から3.0)である。
【0035】
水透過性フィルム形成物質はまたセルロースアセテートトリメリテート(CAT)およびメタクリル酸/メタクリレート1:1または1:2コポリマー、例えば、EUDRAGIT LおよびS、例えばEUDRAGIT L 12.5またはS 12.5も含む。
【0036】
フィルム形成物質は、再分散可能セルロースアセテートフタレート−CAP−(Aquateric(R):FMC)の、ポリビニルアセテートフタレート−PVAP−(Coateric(R):Colorcon)の、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート−HPMCP−(Aquacoat(R) HP50またはHP55:Shin-Etsu)の、または、特にC−Cアルキル基により部分的にエステル化されたアクリル酸/メタクリル酸コポリマーの水性分酸の形で噴霧し得る。
【0037】
また適当なのは、EUDRAGIT L 30 Dまたは水分散EEUDRAGIT L 100-55のタイプのメチルおよび/またはエチルで部分的にエステル化されたアクリル酸/メタクリル酸1:1コポリマーである。
【0038】
フィルム形成物質は、例えば、可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、例えばCitroflex(R) (Pfizer)、トリアセチン、種々のフタレート、例えば、ジエチルまたはジブチルフタレート、Myvacet(R)タイプ(Eastman)の混合モノ−またはジ−グリセライド、例えばMYVACET 9-40、例えば、分子量約6000から8000を有する前記のポリエチレングリコール、およびまたPluronic(R)(BASF)またはSynperonic(R) (ICI)タイプの酸化エチレン/酸化ポリエチレンブロックコポリマー、微紛成形放出剤、例えば、三ケイ酸マグネシウム、澱粉またはSYLOIDタイプの合成無定形ケイ酸、例えば、SYLOID 244 FPのような更なる賦形剤を含み得る。
【0039】
親水性透過性外部コーティングb)は、白色色素、例えば、二酸化チタン色素を、好ましくは酸化鉄色素と組み合わせて含む。酸化鉄は、第二鉄または第一鉄酸化物、好ましくは所望により水和形のFeであり得る。酸化鉄を使用するとき、コーティングに使用する量は、特定の投与剤形の大きさに依存する。好ましくは、用いる酸化鉄の量は、投与剤形、例えば錠剤当たり約0.1mgから投与剤形、例えば錠剤当たり1.6mg、より好ましくは、投与剤形、例えば錠剤当たり約0.3mgから投与剤形、例えば錠剤当たり0.9mgである。
【0040】
錠剤コアをそれ自体既知の方法で、慣用のコーティング法を使用して、親水性透過性コーティング組成物で被覆し得る。
【0041】
例えば、コーティング組成物を所望の量の割合で水に溶解または懸濁させる。所望により、ポリエチレングリコールのような賦形剤を添加する。溶液または懸濁液を、他の賦形剤、例えば、タルクまたは二酸化シリコン、例えばSYLOID 244 FPと共に、例えば、Aeromatic、Glatt、WursterまたはHuttlin(ボールコーター)システムを使用して、例えば、流動床内でのまたは名称Accela Cotaにより既知の方法に従ったコーティングパン内での噴霧コーティング、または浸漬コーティングで既知の方法を使用して、錠剤コアに噴霧する。
【0042】
好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(セルロースHPMC)および色素を含む水性分散剤を噴霧する。
【0043】
製剤、例えば、本発明のフィルム被覆錠剤は、その抗痙攣作用により有用であり、例えば、癲癇、痙攣重積状態、脳血管疾病、頭損傷およびアルコール中毒の発症の結果の、発作のコントロール、予防または処置への単剤治療または補助的療法として有用である。
【0044】
オキサカルバゼピンの正確な用量および投与する特定の製剤は、種々の因子、例えば、処置する状態、処置の所望の期間およびオキサカルバゼピンの放出速度に依存する。例えば、必要なオキサカルバゼピンの量およびその放出速度は、治療効果に関する許容されるレベルで、特定の活性剤濃度が血漿中にどれくらい長く残るかを測定する、インビトロまたはインビボ法で測定し得る。
【0045】
単剤治療の好ましいレジメは、150から600mg、例えば、300mg一日2回を含む。1200から2400mg/日が耐容性であり得る。補助的療法の好ましいレジメは300mg/日の出発投与量を含む。600から2400mg/日が耐容性であり得る。
【0046】
以下の実施例は本発明を説明する。
【実施例】
【0047】
実施例1
製剤
【表1】

【0048】
TRILEPTAL、セルロースHPM 603(結合剤)およびAvicel PH 102(結合剤、充填剤、崩壊促進賦形剤)を、ミキサー、好ましくは高速ミキサー(DIOSNA、LOEDIGE、FIELDER、GLATT等)中で混合する。混合物に顆粒化液として水を加え、ミキサー、好ましくは高速ミキサー中で、適当な堅さが達成されるまで練る。あるいは、結合剤セルロースHPMを顆粒化液である水にその前に溶解し得る。湿潤顆粒を適当な装置(ALEXANDER Reibschnitzler、QUADRO-COMILL)を使用して顆粒化し、流動床(AEROMATIC、GRATT)で乾燥させる。Avicel PH 102、Aerosil 200(流動調節剤)およびポリビニルピロリドンPXL(崩壊剤)を乾燥顆粒に添加し、粉砕し、粉砕機(FREWITT、QUADRO-COMILL、FITZMILL)中で混合する。最後に、ステアリン酸マグネシウム(滑剤)を添加し、混合する(STOECKLINコンテナーミキサー、VRIECOミキサー)、あるいは、滑剤を直接粉砕物質に添加し得る。最終混合物を圧縮し、TRILEPTAL錠剤を形成する(偏心圧縮、回転圧縮:KILIAN、KORSCH、FETTE、MANESTY)。
【0049】
セルロースHPM 603(フィルム形成物)、酸化鉄黄色17268(色素)、PEG 8000(フィルム形成物用可塑剤)、タルク(抗粘着剤、被覆剤)および二酸化チタン(被覆剤)から成る液体製剤での、回転コーティングパン(ACCELA-COTA、GLATT、DRIACOATER、DUMOULIN)中の錠剤のコーティング。あるいは、例えば、コーティング法に流動床またはエアサスペンション装置を使用することも可能である(AEROMATIC、GLATT、FREUND、HUETTLIN)。
【0050】
実施例2
【表2】

【0051】
オキサカルバゼピン、セルロースHPM 603およびAvicel PH 102を、遊星歯車式ミキサー(Aeschbach)中で混合する。アルコールを添加し、その後遊星歯車式ミキサー中で所望の堅さが達成されるまで練る。その後、実施例1に従った方法に従い、被覆錠剤を提供する。
【0052】
実施例3
【表3】

実施例1と同じ方法を製剤に使用し、被覆錠剤を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、オキサカルバゼピンを含む製剤。
【請求項2】
メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、オキサカルバゼピンを含むフィルム被覆錠剤。
【請求項3】
a) メディアン粒子サイズ約4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までである、好ましくは細かく粉砕された形の、治療的に有効な量のオキサカルバゼピンおよび顆粒の製造に適した更なる賦形剤を含む錠剤コア;そして
b)親水性透過性外部コーティング
を含む、フィルム被覆錠剤。
【請求項4】
a) メディアン粒子サイズ約6から8μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が2%までである、好ましくは細かく粉砕された形の、治療的に有効な量のオキサカルバゼピンおよび乾燥顆粒の製造に適した更なる賦形剤を含む錠剤コア
を含む、請求項3記載のフィルム被覆錠剤。
【請求項5】
成分b)としての親水性透過性外部コーティングが白色色素、酸化鉄色素および所望により更なる色素を含む、請求項3または4のいずれかに記載のフィルム被覆錠剤。
【請求項6】
メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までであるオキサカルバゼピン、および所望により他の賦形剤の中心コアへの製剤および該コアの親水性透過性外部コーティングでのコーティングを含む、オキサカルバゼピンを含むフィルム被覆錠剤の製造法。
【請求項7】
オキサカルバゼピンをメディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までに細かく粉砕し、顆粒化工程に適した賦形剤の混合物と共に、活性成分を顆粒にし、慣用の錠剤形成工程を使用して顆粒を圧縮して錠剤コアを形成させ、これらのコアに親水性透過性外部コーティングを提供することを含む、請求項3記載のフィルム被覆錠剤の製造法。
【請求項8】
細かく挽いたオキサカルバゼピンを顆粒化工程に適した賦形剤の混合物と共に湿潤顆粒に成形し、慣用の錠剤形成工程を使用して湿潤顆粒を圧縮して錠剤コアを形成させる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmのメディアン粒子サイズを有するオキサカルバゼピン。
【請求項10】
メディアン粒子サイズ約2から12μm、好ましくは4から12μm、より好ましくは4から10μmを有し、40μmのふるいで最大残渣が5%まで、例えば2%までであるオキサカルバゼピン。

【公開番号】特開2010−132694(P2010−132694A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41778(P2010−41778)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【分割の表示】特願2005−346338(P2005−346338)の分割
【原出願日】平成10年2月12日(1998.2.12)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】