説明

オゾン発生装置

滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置に適したオゾン発生器カートリッジ(60)である。カートリッジは、コロナ放電を与えるためのシール可能なハウジング(60)を具備する。ハウジングは、少なくとも1つの電力供給ユニットと、酸素又は空気供給部への接続のための少なくとも1つの入口とを有する。カートリッジは、シールされたハウジングの壁の外面に取着され、外面から延びた少なくとも1つのオゾン変換セル(63)の少なくとも一部を有する。変換セルは、少なくとも1つの放出口(16)につながる除染装置の送出導管(52)に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排他的ではないが、特に、改良された滅菌と、衛生化(sanitisation)と、除染との少なくとも1つの装置のためのオゾン発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチン空間や病室のような閉鎖空間(enclosed space)を、その内部の空気や表面を汚染しているバクテリアやウイルスのような潜在的に有害な微生物を壊滅させるために、許容可能な時間スケールで、素早く、かつ効果的に滅菌及び衛生化する必要がある。
【0003】
オゾンの殺菌作用は、広く知られ、認められており、また、湿潤雰囲気中のオゾンの用意が殺菌の有効性を高めることも知られている。
【0004】
しかし、殺生物剤としてのオゾンの使用に関する問題は、居住者を戻す際に環境が安全であることを確実にするための、相対的にたいへん長い後処理プロセス、プロセス中において潜在的に環境にダメージを与える化学物質の使用、環境を衛生化する際のプロセスの全般的な効果のなさ、及び装置を素早くセットアップして使用する際の簡単さの全体的な不足を含んでいる。
【0005】
本出願人の以前の出願である欧州特許第1500404号(ステリトロックス社)及び未公開の係属中の英国出願No.s0904262.3、0904264.9、0904266.4、0904269.8並びに0904272.2は、湿潤雰囲気中でオゾンの有益な効果を使用する、環境の除染の方法に関する。これらのプロセスは、滅菌環境を提供する際に有効である一方、このようなプロセスの動作は、実際には、多くの内部の構成要素が包装された物品内に設けられることを必要とする。これは、内部の部品へのアクセスが制限された、望ましくない大きさ及び重さの最終物品につながりうる。マシンのコンパクトなデザインを与え、一方、オゾン発生器のような、内部の構成要素の簡単な交換を可能にする装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、この問題の解決策を提供することを、特に、内部の構成要素への高められたアクセス性で、よりコンパクトな物品を与える、滅菌と、衛生化と、除染との少なくとも1つの装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置に適したオゾン発生器カートリッジが提供される。このカートリッジは、コロナ放電を与えるためのシール可能なハウジングを具備する。前記ハウジングは、少なくとも1つの電力供給ユニットと、酸素又は空気供給部への接続のための少なくとも1つの入口とを有する。このカートリッジは、前記シールされたハウジングの壁の外面に取着され、前記外面から延びている少なくとも1つのオゾン変換セルの少なくとも一部を有する。
【0008】
前記シールされたハウジングの壁の前記外面に取着され、前記外面から延びているオゾン変換セルの一部は、好ましくは、オゾンの生成の間に熱を発生する前記セルのこれらの構成要素、より好ましくは、少なくとも1つの電極と、誘電体と、フィンと、オゾン出口との少なくとも1つを有する。好ましくは、各オゾン変換セルは、シールされたハウジングの壁の外面から延びているブロックの形態である。好ましくは、オゾンから隔離されていなければならないオゾン発生器の構成要素、特に、変換セルにエネルギを与える電力供給部及び電気回路(electrics)が、ハウジング内に設けられ、これは、好ましくは、オゾン変換セルが延びている壁の内面に取着されている。
【0009】
好ましくは、ハウジングは、2つの対向している長壁と、エンドキャップによってシールされた2つの対向している短壁とを有する細長いボックスの一般形態である。好ましくは、前記オゾン変換セルは、前記ハウジングの前記壁からほぼ垂直に延びている。
【0010】
より好ましくは、前記オゾン発生器カートリッジをなしているハウジングは、カバーを備えた本体を有する。前記本体は、好ましくは、平らなメインパネル又は装着プレートを有し、前記メインパネル又は装着プレートは、1つの長い側壁と、前記パネル又はプレートからほぼ垂直に延びている2つの短い側壁とを有する。前記カバーは、好ましくは、ほぼL形状のパネルを有し、前記カバーの短い肢が、組み立てられたハウジングの対向している長い側壁をなしている。高レベルのオゾンに晒されてはならないオゾン発生器の構成要素は、前記カバーによって前記ハウジング内にシール可能である前記メインパネル又は装着プレートの内面に固定されている。前記オゾン変換セルの少なくとも一部が、前記メインパネル又は装着プレートの外面から延びている。
【0011】
前記構成要素は、オゾンに対して不活性である適切な材質でできていることができる。好ましくは、酸化アルミニウムのコーティングが、前記構成要素に塗布される。
【0012】
ファンのような、少なくとも1つの空気移動装置(air movement device)が、カートリッジの冷却を助けるためにハウジング内に設けられることができ、ハウジング内でホットスポットを形成するのを防ぐ。
【0013】
前記オゾン発生器カートリッジは、独立の構成要素であり、オゾン発生器カートリッジは、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置に係合されることができる。この目的のために、本発明の第2の態様は、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置を提供する。この装置は、少なくとも1つの加湿器ユニットと、オゾン発生器と、送出導管と、放出口とを具備し、前記オゾン発生器は、コロナ放電を与えるためのシール可能なハウジングを有する。前記ハウジングは、少なくとも1つの電力供給ユニットと、酸素又は空気供給部への接続のための少なくとも1つの入口とを有する。前記発生器は、前記少なくとも1つの放出口につながっている前記送出導管に前記シールされたハウジングの外面に取着され、前記外面から延びている少なくとも1つのオゾン変換セルの少なくとも一部を有する。
【0014】
好ましくは、この装置は、さらに、前記加湿器及びオゾン発生器ユニットを制御するための制御器を有する。
【0015】
より好ましくは、前記オゾン発生器は、前記放出口につながる前記送出導管から着脱可能であり、これにより、その簡単な交換を可能にする。
【0016】
好ましくは、ファンが、前記導管を通って前記放出口から出る空気及びオゾンを移動させるために、前記放出口から離れた前記送出導管の基部に設けられている。これは、オゾン変換セルの構成要素にかなりの必要な冷却与え、また、シールされたハウジングの表面による対流によって、オゾン変換セルが延びている表面の内面に装着された内部の構成要素を冷却する。さらに、この単一のファンが、オゾンの豊富な空気を加湿器ユニットに供給するために、強制的に空気を与え、装置の上部で放出のために装置の基部で空気を引き込むことによって、ターゲット領域内に高められた空気の循環を与える。
【0017】
より好ましくは、前記オゾン変換セルを支持しているオゾン発生器カートリッジの外面は、前記送出導管の壁を有する。好ましくは、前記変換セルは、前記導管のキャビティを横切って横方向に延びている。好ましい一実施の形態では、前記送出導管は、3つの硬質な側面のみを有する矩形の一般形状である。第4の側面が、オゾン発生器カートリッジによって、特に、ハウジングの本体のメインパネル又は装着プレートによって設けられる。
【0018】
前記送出導管の側面は、これらが送出口に近づくにつれて互いに向かって収束することができる。好ましくは、前記オゾン発生器ユニットによって発生されるオゾンは、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する放出口を通って放出される。ディスクの形態であるプレートが好ましい。
【0019】
好ましくは、前記加湿器は、水リザーバと、微細な霧として水滴を放出するための少なくとも1つの放出ノズルを有する。好ましくは、前記少なくとも1つの放出ノズルは、下側プレートから離れた、放出口の上側プレートに取着されている。このようにして、水滴が、放出口から放出される空気流によって支持される。
【0020】
好ましくは、前記加湿器、水リザーバ、オゾン発生器、制御器及び導管は、ケーシング又は閉鎖容器内に設けられ、前記ケーシング又は閉鎖容器は、ケーシングの意図された上面から延びている放出口を有する。前記ケーシング又は閉鎖容器は、炭化水素放出ユニットとUV触媒との少なくとも一方と、適切なセンサと、ファンと、酸素供給部と、水リザーバとの少なくとも1つのような、装置の動作の最適化のためのさらなる構成要素を含むことができることが理解されるべきである。フレーム構造体が、閉鎖容器内の構成要素を支持するために設けられることができる。
【0021】
本発明が、添付図面を参照して、単なる例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る滅菌及び除染装置の外面を上方から見た平面図である。
【図2】図2は、図1に示される装置の外面の側面図である。
【図3】図3は、図1に示される装置の外面の後面図である。
【図4】図4は、装置の所定の内部の構成要素の拡大された斜視図であり、特に、放出口アセンブリと一緒に、本発明の一実施の形態に係るオゾン発生器カートリッジを示す図である。
【図5】図5は、一緒に組み立てられて示された、図4の構成要素の斜視図である。
【図6】図6は、図1に示される滅菌及び除染装置の内部の構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して、本発明の一実施の形態に係る滅菌及び除染装置1の一例が示される。この装置は、本体10及び着脱可能な制御パネル12を有する移動式の閉鎖容器(enclosure)1を有する。図示される実施の形態では、制御パネルは、着脱可能なレクターン(lectern)の好ましい形態であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、制御パネルは、閉鎖容器のどこか他のところに、又は閉鎖容器から離れて設けられることができることが理解されるべきである。
【0024】
本体10は、ホイール14と、ハンドル15とを有する。本体10は、除染プロセスを実行するために必要とされる装置の構成要素(特に、図6参照)、特に、加湿器ユニット及びオゾン発生器ユニットを収容している。本体はまた、炭素−炭素二重結合を含む炭化水素を供給するためと、副産物の除去を助けるためとの少なくとも一方のために、触媒40と炭化水素発生器ユニットとの少なくとも一方を含むことができる。放出口アセンブリ16が、必要な物質を雰囲気中に放出するために、本体の上部から延びている。また、マイクロプロセッサが、出口アセンブリからの放出を制御するために、ユニット内に設けられている。
【0025】
加湿器ユニットは、一般的に、加湿器と、恒湿センサと、温度センサと、水リザーバ90とを有する。加湿器は、放出口アセンブリ16から水滴を放出する。水滴は、雰囲気中の蒸気の割合を高めるために、5ミクロン(マイクロメートル)未満の、好ましくは2ないし3ミクロン(マイクロメートル)の直径を有する。オゾン発生器ユニットは、オゾン発生器60と、オゾン検出センサと、オゾン発生器に酸素を供給するための酸素供給部66とを有する。全てのこれら構成要素が、本体10を形成しているハウジング内に、又はハウジングに収容されている−図6参照。適切なフレーム構造体が、さまざまな構成要素を支持するために設けられることができる。
【0026】
マシンのパッケージング内に収容される多くの内部の構成要素が、かさばり重い装置につながりえ、あまりユーザフレンドリでない装置となりうることが理解されるべきである。さらに、制限されたスペース中の構成要素の配置が、個々の構成要素のメンテナンス及び交換をより困難にする。本発明は、少ない部品で済み、構成要素によって占められる全体のスペースを減らし、また、オゾン発生器のより簡単なメンテナンス及び交換を与える着脱可能なオゾン発生器カートリッジ60を提供する。
【0027】
特に、添付図面の図4並びに図5は、本発明の一実施の形態に係るオゾン発生器カートリッジを示している。オゾン発生器カートリッジ60は、カバー61を備えた細身の本体62を含むハウジングを有する。本体は、平らな装着プレート62aを有し、この平らな装着プレート62aは、1つの長い側壁62bと、プレートからほぼ垂直に延びている2つの短い側壁62cとを有する。カバー61が、ほぼL形状のパネルを有し、カバーの短い肢(limb)61aが、組み立てられたハウジングの対向している長い側壁をなしている。本体の装着プレートの意図された内面が、オゾン発生器の構成要素を有し、これら構成要素は、特に、高圧電力供給ユニット(HT PSUs)64及びプリント回路基板(PCBs)は、これに取着された、又はこれと一体的に形成された高レベルのオゾンに晒されるべきでない。これら構成要素は、カバー61によりハウジング内にシール可能である。適切な固定手段(図示されない)が、カートリッジの本体にカバーを固定するために設けられている。ハウジングもまた、オゾンの生成のための酸素(又は空気)の取り入れのための少なくとも1つの入口65と、これへの電力供給部の接続部とを有する。オゾン発生器の構成要素が、ハウジングの内部から離れて、装着プレート62aの外面から延びており、これは、オゾンの経路から隔離されている必要はなく、特に、図示される例では、オゾン変換セルのブロック63が、オゾン放出口(図示されない)と共に、オゾンの生成のための電気放出を維持するために、電極、誘電体及びフィンを有する。カートリッジにもまた、発生器を通ってまわりへと出る酸素及びオゾンを送出するための適切な導管が設けられている。
【0028】
完全なオゾン発生器カートリッジは、空気の除染装置内の送出又はランチチューブ(launch tube)52の第4の側面を形成している(図5並びに図6参照)。オゾン変換セルのブロック63は、ハウジング内にシールされるオゾン発生器の他の構成要素に対してチューブ52を横切って横方向に延びているが、ランチチューブ52の壁に接して位置決めされている。共通のファン50が、ランチチューブ52の基部に設けられ、チューブの基部に取着されたブラケット51により支持されている。チューブの上端が、360度の高容積の空気の出口を有する放出口16につながっている。放出口アセンブリは、好ましくは、ディスクの形態である1対の収束しているプレート(converging plate)72、74を有し、これらプレートの間にオゾンを含む空気が放出される。水放出ノズル80が、加湿アプリケーションの有効性及び雰囲気への最小のシステムのメンテナンスを与えるようために、必要な滅菌及び導電性を与える特定の定則にフィルタされた水を取り入れるように、上部プレート74の上面に取着されている。少なくとも1つの水リザーバ90が、コンプレッサ(図示されない)に水を送出し、続いて、放出ノズルに高圧水(少なくとも50バール)を送出する。カバー又はキャップ82が、水放出ノズルを覆って係合され、カバーは、排出収集ノズルに水を導くように外形を合わせられている。また、メッシュ又は金網(gauze)78が、異物の侵入を防ぐように、収束しているプレートの間に設けられている。
【0029】
オゾン発生器カートリッジに入り通って出る酸素及びオゾンの流れを決定する導管(図示されない)は、好ましくは、変換セル63の上に、オゾン発生器の上部に向かってオゾンのバルクを解放するように配置されている。
【0030】
オゾン発生器、送出チューブ及び放出口アセンブリの構成体は、必要な空気流を形成するだけでなく、オゾン発生器に冷却空気流を与えるために、及び送出チューブ内のオゾンの混合を助けるために使用されることができる単一ファンである。これは、コロナ放電オゾン発生器に供給される電気エネルギの85%ないし95%が、除去されなければならない熱を生成するので、重要である。従って、装置の構成要素を冷却する能力、一方、装置を通って出る空気を同時に移動させる能力は、明らかに経済的であり、重さの利益を有する。オゾン発生器カートリッジの装着プレートが、装着プレートの内面に装着されたハウジングの内部の構成要素の冷却を効果的にするために、放射体として機能する。
【0031】
除染装置1が炭化水素放出ユニットを含むのであれば、炭化水素放出ユニットもまた、マシンの本体10内に収容される。炭化水素放出ユニットは、放出口を通って炭化水素を放出するための手段と一緒に、環状オレフィンを含む、2次のシス又はトランスのオレフィンのような、炭素−炭素二重結合を有する炭化水素を含むタンク又は容器の形態の炭化水素供給部を含む。
【0032】
本体10の内部の近くには、着脱可能な、好ましくはロック可能な、側面パネル又はふたが設けられている。本体10はまた、装置1を制御するマイクロプロセッサの形態の制御ユニットの一部を含み、これは、少なくとも1つの滅菌及び除染ルーチンをプレセットされることができる。制御ユニットは、着脱可能なレクターン12に位置された制御器及びユーザインターフェースを含み、これらにより、ユーザが、装置の動作を遠隔制御するために、本体に無線で命令を入力することができる。
【0033】
装置1は、内蔵バッテリを含むことができるか、主電源供給部に接続可能であることができるかの少なくとも一方であることができる。好ましくは、本体10は、主供給部に接続されることができ、レクターン12は、バッテリで動作され、レクターンがその中にドッキングされたとき、本体から充電される。
【0034】
装置1はまた、代表的には、安全センサのような、他の安全に関する特徴部分、及びシステムの故障が生じたときのスタートアップを防ぐ又はシャットダウンを開始するソフトウェアのルーチンを含む。
【0035】
使用の際、装置1全体が、滅菌されるか除菌されるかの少なくとも一方である領域に動かされるレクターン12に接続された本体10を有する。このユニットが、正確に位置決めされ、そして、レクターンが、そのホイールにレクターンを持ち上げて傾けることによって、本体から分離される。そして、レクターンが、部屋から出るよう動かされて、除染される領域へのアクセスを与えるドア又は他の開口を横切って配置される。これは、その領域に人が入るのを防ぐために、警告及びボラードとして機能する。さらに、レクターンは、本体内の構成要素の動作が、部屋の内部の本体を制御するマイクロプロセッサに無線接続されたユーザインターフェースによって、部屋の外部から遠隔制御されることを可能にする。装置の動作中、レクターンの上部にある表示ユニットが、除染プロセスが実行され、領域が非占有のままであるべきであることを職員に知らせるように、視覚的な警告を表示することができる。レクターンはまた、除染が完了したとき、視覚的又は聴覚的なメッセージを与えることができ、部屋が非占有であることができることをユーザに知らせる。他の適切な日付及び情報が、ユーザによるアクセスのために記憶されることができる。
【0036】
装置の動作中、領域がシールされ、本体に位置された制御ユニットが、相対湿度をチェックするような適切な初期の安全チェックを受ける。安全チェックに合格しなければ、装置1は動作せず、本体とレクターンとの一方又は両方にあることができる警告灯を使用して適切な表示を出力する。プロセスの動作中、安全チェックが継続的になされ、システムの故障が発生したときには、システムが安全モードをデフォルトで実行する。
【0037】
制御器は、装置によって与えられる状況を監視し続け、計算された相対湿度レベルがいったん達成されると、制御器がオゾン発生器を駆動させ、オゾンが発生される。代わって、オゾンが、必要な相対湿度レベルの生成に先立って、又は同時に発生されることができる。発生されたオゾンが、放出口16を通過する放出する湿潤な空気流に供給される。制御器は、オゾン発生器が動作している適切な表示を与え、オゾン検出センサによって周囲のオゾンレベルを監視する。
【0038】
検出されるオゾンと水蒸気との両方の濃度が変更されることができる。しかし、代表的な設定は、25ppmv/vのオゾン及び13.6トル(約1813.185パスカル)である。プレセットされたオゾン及び水蒸気のレベルが割り当てられた間隔内で検出されると、制御器は、ドエルタイム(“dwell time”)として知られたタイミングフェーズに入る。
【0039】
ドエルタイムはまた、リモートユーザインターフェースを使用して、例えば、1時間に変更されることができ、与えられる除染/滅菌の程度及びタイプによって決まる。例えば、クロストリジウム・ディフィシルのような、スポア又はかびによる汚染は、一般的に、リステリア菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のような、バクテリアによる汚染よりも長いドエルタイムを必要とする。
【0040】
ドエルタイムの間、オゾンの濃度及び相対湿度は、連続して監視される。オゾンのレベルが所定の閾値よりも下に下がれば、オゾン放出ユニットは、オゾンのレベルを補給するように再活性化される。湿度が計算された値よりも下に下がれば、加湿器ユニットは、水蒸気のレベルを回復するように再活性化される。
【0041】
再び、再活性化期間の間、オゾンの濃度又は相対湿度は、例えば10分である設定時間間隔内で、上で述べられた所定の最小値に達しなければ、制御器は、滅菌及び除染ルーチンを強制終了して、適切な表示を出力する。
【0042】
ドエルタイムが経過した後、制御器は、さまざまな供給ユニットをシャットダウンして、炭化水素が供給されるのであれば、周囲環境に炭化水素を放出するように、炭化水素放出ユニットを動作させる。炭化水素は、オゾンの分解を加速するように、残留オゾンと優先的に反応し、これにより、処理される領域により早くユーザが再び入れるようにする。
【0043】
オゾン検出センサが、オゾンの濃度のレベルが所定の値未満、例えば0.2ppm未満であることを検出したとき、制御器は、炭化水素の供給を止めて、滅菌及び除染ルーチンが完了したことを示す表示を出力する。再び、これは、レクターンの、好ましくは、マシンの本体のユーザ表示を可視化する。滅菌及び除染される領域のサイズによって決まるが、0.2ppmのオゾンのレベルは、通常、3ないし4分未満で達成される。
【0044】
オゾン検出センサが、炭化水素の取り入れに続いて、例えば、10分である所定の時間間隔内で、オゾンの所定の安全レベルが達せられたことを示さなければ、制御器は、室内の潜在的に危険なオゾンのレベルの表示警告を出力する。制御器は、部屋が再占有される可能性があることをアナウンスする前に、オゾンの標準的な半減期を過ぎる時間間隔を与えるようにプログラムされることができる。
【0045】
上に説明された装置は、人工的な高レベルの非凝縮の湿度を生成して、高濃度のオゾンを適所に発生させる方法を利用している。この装置の材料は、オゾンの腐食作用及び高湿度、並びに炭化水素の溶解作用に対して耐性がある。
【0046】
このように、早く、かつ効果的で、分離でき、移動式である領域の除染のための装置を提供することが可能である。本方法は、有害な副産物から環境への影響なく、領域の99.99%よりよい有効な滅菌と除染との少なくとも一方を提供することができる。かくして、汚染領域の迅速な再使用が実現されることができる。上述の方法は、リステリア菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のようなバクテリアを含むさまざまな種の病原菌を死に至らしめることが証明されている。放出口アセンブリの収束しているプレートの特定の構成体は、放出される空気が、部屋の内部の空気を湿らせるように水滴が置かれることができるプラットフォームの形態であることを可能にする。この収束している構成体なしでは、放出口から出る空気流は、床及び周囲の表面に落ちている水滴を防ぐのに不十分である。さらに、スペーサ部材及びカバープレートは、水蒸気の凝縮を再び導きうる吐出された空気の層を減少させる。
【0047】
本発明に係る装置は、1時間以内程度で病室の雰囲気と表面との両方の除染を容易にすることができる。この装置は、空き部屋へと動かされることができ、簡単なタッチスクリーン制御パッドを使用して最小の訓練で管理スタッフによって部屋の外部から駆動されることができる。プロセス全体が、最小の管理を必要とし、また、インテリジェント制御システムが、絶えず部屋の状況を監視し、除染が完了したとき、又は問題に直面したとき、スタッフに警報を発する。
【0048】
上に説明された実施の形態は、単なる例によって与えられ、他の変更が、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされることは、当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナ放電を与えるためのシール可能なハウジングを具備するオゾン発生器カートリッジであって、
前記ハウジングは、少なくとも1つの電力供給ユニットと、酸素又は空気供給部への接続のための少なくとも1つの入口とを有し、
このカートリッジは、前記ハウジングの壁の外面に取着され、前記外面から延びている少なくとも1つのオゾン変換セルの少なくとも一部を有するオゾン発生器カートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングの前記壁の外面に取着され、前記外面から延びている前記オゾン変換セルは、少なくとも1つの対の電極と、誘電体とを有する請求項1のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項3】
前記オゾン発生器の前記少なくとも1つの電力供給ユニットは、前記オゾン変換セルが外部に取着される前記壁の内面に取着されている請求項1又は2のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項4】
少なくとも1つのプリント回路基板が、前記オゾン変換セルが外部に取着される壁の内面に取着されているか、前記内面と一体的に形成されている請求項3のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項5】
前記オゾン変換セルは、前記ハウジングの前記壁からほぼ垂直に延びている請求項1ないし4のいずれか1のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項6】
前記ハウジングは、カバーを備えた本体を有する請求項1ないし5のいずれか1のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項7】
前記本体は、ほぼ平らなメインパネル又は装着プレートを有し、前記メインパネル又は装着プレートは、1つの長い側壁と、前記パネルからほぼ垂直に延びている2つの短い側壁とを有し、
前記カバーは、ほぼL形状のパネルを有し、前記カバーの短い肢が、組み立てられたハウジングの対向している長い側壁をなしている請求項7のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項8】
高レベルのオゾンに晒されてはならない前記オゾン発生器の構成要素は、前記カバーによって前記ハウジング内にシール可能であるメインパネル又は装着プレートの内面に固定され、前記オゾン変換セルは、前記メインパネル又は装着プレートの外面から延びている請求項7のオゾン発生器カートリッジ。
【請求項9】
少なくとも1つの加湿器ユニットと、
オゾン発生器と、
送出導管と、
放出口とを具備し、
前記オゾン発生器は、コロナ放電を与えるためのシール可能なハウジングを有し、
前記ハウジングは、少なくとも1つの電力供給ユニットと、酸素又は空気供給部への接続のための少なくとも1つの入口とを有し、
前記発生器は、前記少なくとも1つの放出口につながっている前記送出導管にシールされたハウジングの外面に取着され、前記外面から延びている少なくとも1つのオゾン変換セルの少なくとも一部を有する、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置。
【請求項10】
前記オゾン発生器は、その交換を可能にするように、前記送出導管から着脱可能である請求項9の装置。
【請求項11】
前記オゾン変換セルを支持している前記オゾン発生器の外面は、前記送出導管の壁を有する請求項9又は10の装置。
【請求項12】
前記送出導管は、3つの硬質な側面を有する矩形の形状であり、第4の側面が、前記オゾン発生器によって与えられる請求項11の装置。
【請求項13】
ファンが、前記導管を通って前記放出口から出る空気及びオゾンを移動させるために、前記放出口から離れた前記送出導管の基部に設けられている請求項9ないし12のいずれか1の装置。
【請求項14】
前記オゾン発生器により発生されるオゾンは、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する放出口を通って放出される請求項9ないし13のいずれか1の装置。
【請求項15】
前記加湿器、オゾン発生器及び導管は、前記ハウジングの意図された上面から延びている放出口を備えたハウジング内に設けられている請求項9ないし14のいずれか1の装置。
【請求項16】
添付図面の図6を参照してここに実質的に記載された装置。
【請求項17】
添付図面の図4並びに図5を参照してここに実質的に記載されたオゾン発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−503813(P2013−503813A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528442(P2012−528442)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001693
【国際公開番号】WO2011/027135
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511222319)ステリトロックス・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Steritrox Limited
【住所又は居所原語表記】The Old Stables, Upper End, Birlingham, Pershore, Worcestershire, WR10 3AA, United Kingdom
【Fターム(参考)】