説明

オフセットキャンセル回路

【課題】ホール素子のオフセットキャンセル回路において、ホール素子の中点電圧のずれによる出力信号の誤差を低減する。
【解決手段】コンデンサC1,C2と、ホール素子10に流れる電流が切り替わるように外部から電圧を印加し、その状態毎にホール素子10の出力電圧がコンデンサC1,C2のいずれかに印加され、コンデンサC1,C2が並列に接続された状態でコンデンサC1,C2に充電された電荷をコンデンサC3,C4に再分配して得られる電圧Voがオペアンプへ供給されるオフセットキャンセル回路において、コンデンサC3,C4へ供給され、電圧Voの基準となる基準電圧Vrerを発生させる基準電圧発生回20bを備え、基準電圧発生回路20bは、ホール素子10の中点電圧Vmに等しい基準電圧Vrefを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホール素子の出力等の調整に用いられるオフセットキャンセル回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やゲーム機器などに搭載されるバイブレーション機能において、振動素子の位置を検出するためにホール素子を用いた位置検出回路が用いられている。
【0003】
ホール素子の等価回路は、図8に示すように、抵抗R1〜R4のブリッジ回路として表され、電源電圧Vccを印加する端子や出力信号を取り出す端子の組み合わせに応じて、ホール素子の出力信号は各抵抗のバラツキの影響を受けてオフセット成分を含むことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のオフセット成分に対応するため、図9に示すように、ホール素子10、増幅回路12及び平均化回路14を含むオフセットキャンセル回路100が用いられている。オフセットキャンセル回路100では、スイッチング素子S1〜S19のオン/オフを制御して、ホール素子10に流れる電流が90°異なるように電圧を印加し、充電時にはそれぞれの状態においてコンデンサC1及びC2を充電し、出力時にはコンデンサC1及びC2の充電電圧を加算して平均化する。ホール素子10に流れる電流を90°変化させると、ホール素子10の出力電圧のオフセットは逆方向に発生するので、ホール素子10の出力電圧のオフセット値がキャンセルされる。
【0005】
ところで、ホール素子10の持つ印加電圧依存性により、ホール素子10から出力される中点電圧Vmは印加電圧の1/2からやや外れる。例えば、ホール素子10へ3Vの電圧を加えて用いた場合、5%/Vの印加電圧依存性であるなら中点電圧Vmは約1.4Vになる。
【0006】
ここで、図10に示すように、コンデンサC1,C2に寄生容量Cpがあり、ホール素子10にオフセットがなくコンデンサC1,C2の両端に中点電圧Vmが充電電圧として加えられるとすると、充電時に2つの寄生容量Cpに蓄えられる電荷Q1は
Q1=Vm×Cp×2
となる。一方、オフセットキャンセル回路100を出力状態に切り替えたときには、電荷Q1が寄生容量Cp,コンデンサC3,C4に再配分される。このとき、基準電圧発生回路14bの発生する基準電圧Vrefに応じて、オペアンプ14aへ入力される電圧Voは、
Q1=(Vo−Vref)×C4+Vo×Cp×2+(Vo−Vref)×C3
を満たす値となる。ここで、寄生容量Cpが0.5pF、コンデンサC3が1pF、コンデンサC4が20pFであるとし、ホール素子10の中点電圧Vmが1.4Vである場合に、基準電圧発生回路14bの基準電圧Vrefが1.5Vであるとするとオペアンプ14aへ入力される電圧Vo=1.495Vとなる。したがって、オペアンプ14aからは基準電圧Vrefと電圧Voとの差に応じた出力電圧が出力される。この差5mVは、およそ10ガウス程度の誤差となる。
【0007】
本発明は、上記のように寄生容量Cpによって生ずる出力電圧の誤差を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様は、ホール素子のオフセットキャンセル回路であって、複数のサンプリングコンデンサと、前記ホール素子に流れる電流が切り替わるように外部から電圧を印加し、その状態毎に前記ホール素子の出力電圧が前記複数のサンプリングコンデンサのいずれかに印加されるようにオン/オフ制御される第1のスイッチング素子群と、前記複数のサンプリングコンデンサが並列に接続された状態で前記複数のサンプリングコンデンサに充電された電荷を前記サンプリングコンデンサとは別のコンデンサに再分配して得られる出力電圧がオペアンプへ供給されるようにオン/オフ制御される第2のスイッチング素子群と、前記別のコンデンサへ供給され、前記出力電圧の基準となる第1の基準電圧を発生させる基準電圧発生回路と、を備え、前記基準電圧発生回路は、前記ホール素子の中点電圧に等しい前記第1の基準電圧を発生させることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記基準電圧は、前記オペアンプの入力端子の1つに供給されることが好適である。また、前記別のコンデンサは、前記オペアンプの入力端子間に接続され、その一端に前記第1の基準電圧が供給されていることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ホール素子の中点電圧のずれによる出力信号の誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の作用を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の作用を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の作用を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の充電状態における状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるオフセットキャンセル回路の出力状態における状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における基準値の変更の様子を示す図である。
【図8】ホール素子の等価回路を示す図である。
【図9】従来のオフセットキャンセル回路の構成を示す図である。
【図10】寄生容量を有する場合のオフセットキャンセル回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、ホール素子のオフセットキャンセル回路200の基本構成を示す。ホール素子のオフセットキャンセル回路200は、ホール素子10、増幅回路12及び平均化回路20を含んで構成される。
【0013】
ホール素子10は、抵抗R1〜R4のブリッジ回路として表すことができる。抵抗R1〜R4には、抵抗R1〜R4の接続点A〜Dを電源電圧Vcc,接地又は出力へ切り替えるスイッチング素子S1〜S8が接続される。
【0014】
増幅回路12は、オペアンプ12a,12bを含んで構成される。オペアンプ12aは、非反転入力端子(+)に入力される電圧を増幅して出力する。オペアンプ12bは、非反転入力端子(+)に入力される電圧を増幅して出力する。
【0015】
平均化回路20は、スイッチング素子S9〜S22、コンデンサC1〜C4、オペアンプ20a及び基準電圧発生回路20bを含んで構成される。
【0016】
スイッチング素子S9〜S19は、オペアンプ12a,12bの出力端子、コンデンサC1〜C4の端子、オペアンプ20aの入力端子のいずれかを相互に接続する。スイッチング素子S9〜S12及びS19は、コンデンサC1及びC2が並列に接続された状態でコンデンサC1及びC2に充電された電荷に応じた出力電圧が出力されるようにオン/オフ制御される。すなわち、スイッチング素子S9〜S12及びS19は、コンデンサC1及びC2を並列に接続すると共に、出力用のコンデンサC3に接続し、コンデンサC3の端子電圧がオペアンプ20aに入力されるようにオン/オフ制御される。スイッチング素子S13〜S16は、ホール素子10に流れる電流が切り替わるように外部から電圧を印加した場合に、その状態毎にホール素子10の出力電圧がコンデンサC1及びC2のいずれかに印加されるようにオン/オフ制御される。すなわち、スイッチング素子S13〜S16をオン/オフ制御することによって、ホール素子10の出力電圧によってコンデンサC1及びC2のいずれかが充電される。スイッチング素子S17は、コンデンサC3の充電電荷を放電するために用いられる。スイッチング素子S18は、オペアンプ14aの入力端と出力端とを接続するために用いられる。スイッチング素子S9〜S19は、P型及びN型を問わず同程度の素子容量とすることが好ましい。
【0017】
平均化回路20に設けられた基準電圧発生回路20bは、抵抗R5、R6、R7、R8及びスイッチング素子S20、S21、S22を含んで構成される。基準電圧発生回路20bは、スイッチング素子S19に接続されるコンデンサC3の一端を抵抗R5とR6の接続点の電圧Vref2または抵抗R7とR8の接続点の電圧Vref3を供給するとともに、コンデンサC3の他端にVref1を供給する。オペアンプ20aは、基準電圧発生回路20bから供給される電圧を基準として、コンデンサC1、C2に蓄えられていた電荷量に応じた出力電圧Voutを生成する。
【0018】
以下、オフセットキャンセル回路200の動作について説明する。オフセットキャンセル回路200は、以下に示す第1状態、第2状態及び出力状態を切り替えることによってホール素子10の出力電圧のオフセット値をキャンセルして出力する。
【0019】
まず、図2に示すように、スイッチング素子S1〜S22をオン/オフ制御することによって、オフセットキャンセル回路200を第1の状態とする。スイッチング素子S1をオン及びスイッチング素子S6をオフすることによって抵抗R1,R3の接続点Aに電源電圧Vccを印加し、スイッチング素子S2をオン及びスイッチング素子S8をオフすることによって抵抗R2,R4の接続点Bを接地し、スイッチング素子S7をオン及びスイッチング素子S4をオフすることによって抵抗R1,R2の接続点Cをオペアンプ12bの非反転入力端子(+)に接続し、スイッチング素子S5をオン及びスイッチング素子S3をオフすることによって抵抗R3,R4の接続点Dにオペアンプ12aの非反転入力端子(+)に接続する。また、スイッチング素子S9〜S19のうちスイッチング素子S14,S16をオンし、その他をオフすることによって、オペアンプ12aの出力をコンデンサC1の正端子,オペアンプ12bの出力をコンデンサC1の負端子に接続し、オペアンプ12a,12bの出力電圧によってコンデンサC1を充電する状態とする。このとき、基準電圧発生回路20bに備えられるスイッチング素子S20〜S22の状態は限定されず、どのような状態であってもよい。この状態を第1の状態とする。
【0020】
次に、図3に示すように、スイッチング素子S1〜S19をオン/オフ制御することによって、オフセットキャンセル回路200を第2の状態とする。スイッチング素子S6をオン及びスイッチング素子S1をオフすることによって抵抗R1,R3の接続点Aをオペアンプ12aの非反転入力端子(+)に接続し、スイッチング素子S8をオン及びスイッチング素子S2をオフすることによって抵抗R2,R4の接続点Bをオペアンプ12bの非反転入力端子(+)に接続し、スイッチング素子S4をオン及びスイッチング素子S7をオフすることによって抵抗R1,R2の接続点Cを接地し、スイッチング素子S3をオン及びスイッチング素子S5をオフすることによって抵抗R3,R4の接続点Dに電源電圧Vccを印加する。また、スイッチング素子S9〜S19のうちスイッチング素子S15,S16をオンし、その他をオフすることによって、オペアンプ12aの出力をコンデンサC2の負端子,オペアンプ12bの出力をコンデンサC2の正端子に接続し、オペアンプ12a,12bの出力電圧によってコンデンサC2を充電する状態とする。このとき、基準電圧発生回路20bに備えられるスイッチング素子S20をオンし、S21とS22のうちいずれか一方をオンする。これによって、コンデンサC3のスイッチング素子S19に接続される端子の電圧を、Vref2またはVref3に設定する。この状態を第2の状態とする。
【0021】
このようにホール素子10に流す電流の方向を変えるように電圧を印加して第1及び第2の状態を切り替え、ホール素子10の4端子について2方向(90°)のホール電圧V1及びV2でコンデンサC1及びC2をそれぞれ充電する。
【0022】
充電電圧V1は、第1の状態におけるホール電圧Vhallにオフセット電圧Voffが加算された値となる。すなわち、充電電圧V1=Vhall+Voffである。ホール素子10に流れる電流を90°変化させると、ホール素子10のオフセット電圧Voffは逆方向に発生するので、充電電圧V2は、第2の状態におけるホール電圧Vhallからオフセット電圧Voffを減算した値となる。すなわち、充電電圧V2=Vhall−Voffである。
【0023】
出力状態では、図4に示すように、スイッチング素子S13〜S16はオフして、オペアンプ12a,12bとコンデンサC1及びC2とは遮断する。また、スイッチング素子S11,S12,S19をオンし、スイッチング素子S18をオフすることによって、コンデンサC4を介してコンデンサC1及びC2の正端子を共通にオペアンプ20aの入力端子の一端に接続する。また、スイッチング素子S9,S10をオンすることによって、コンデンサC1及びC2の負端子を共通にオペアンプ20aの入力端子の他端に接続する。オペアンプ20aの他端は、基準電圧発生回路20bによって発生させたVref1とされる。このとき、基準電圧発生回路20bに備えられるスイッチング素子S20をオフして、コンデンサC3に蓄えられる電荷が消去されないようにする。コンデンサC3のスイッチング素子S17もオフ状態とする。
【0024】
オフセットキャンセル回路200を出力状態とすることによって、コンデンサC1及びC2が並列に接続され、コンデンサC1及びC2に蓄えられていた電荷がコンデンサC1,C2及びC3に再分配されて充電電圧V1及びV2が平均化される。これにより、ホール素子10の出力電圧のオフセット値がキャンセルされて出力電圧Voutとして出力される。
【0025】
ここで、コンデンサC1,C2に寄生容量Cpがある場合、第1の状態及び第2の状態は図5(a)及び図5(b)の等価回路で表される。なお、簡易的にホール電圧Vhallにオフセット電圧Voffはないものとすると、第1の状態及び第2の状態ではそれぞれコンデンサC1,C2の両端にホール素子10の中点電圧Vmが印加される。
【0026】
したがって、第1の状態及び第2の状態である充電時に2つの寄生容量Cpに蓄えられる合計の電荷Q1は数式(1)で表される。
【0027】
Q1=Vm×Cp×2・・・(1)
【0028】
一方、オフセットキャンセル回路200を出力状態に切り替えたときには、図6の等価回路で示すように、電荷Q1が寄生容量Cp,コンデンサC3,C4に再配分される。このとき、コンデンサC3,C4の接続点の電圧Vo’及び基準電圧発生回路20bの発生する基準電圧Vref1に応じて、オペアンプ20aへ入力される電圧Voは数式(2)を満たす値となる。
【0029】
Q1=(Vo’−Vo)×C4+Vo’×Cp×2+(Vo’−Vref1)×C3+(Vo’−Vref1)(C1+C2)・・・(2)
【0030】
本実施の形態では、基準電圧発生回路20bに含まれる抵抗要素R5,R6,R7及びR8を、基準電圧Vrefがホール素子10から出力される中点電圧Vmと等しくなるように設定する。例えば、ホール素子10へ印加電圧Vccとして3Vの電圧を加えて用いた場合、5%/Vのずれが発生するなら中点電圧Vmは1.4Vになる。この場合、例えば、抵抗要素R5,R6,R7及びR8は、それぞれ13kΩ、3kΩ、3kΩ及び11kΩとすれば基準電圧Vrefを1.4Vに設定することができる。
【0031】
なお、抵抗要素R5,R6,R7及びR8は、予め測定されたホール素子10の中点電圧Vmに応じて設定してもよいし、ホール素子10の中点電圧Vmに応じて抵抗要素R5,R6,R7及びR8のいずれかを自動調整する回路を設けてもよい。
【0032】
このように、基準電圧Vref1を中点電圧Vmに一致させることによって、オペアンプ14aのオートゼロの動作によりVo=Vo’となることと、数式(2)の関係からオペアンプ20aへ入力される電圧Vo’=Vm=Vref1となる。したがって、オフセットキャンセル回路200の出力電圧Voutへの寄生容量Cpの影響は回避され、ホール素子10の中点電圧Vmのずれによる出力電圧Voutに含まれる誤差を低減することができる。
【0033】
また、本実施の形態では、第2の状態において、コンデンサC3の一端の電圧を、Vref2またはVref3のいずれかに設定できるように、切り替える構成を備える。スイッチング素子S20、S21をオンするとVref2に設定され、スイッチング素子S20、S22をオンするとVref3に設定される。この構成を備えることによって、オペアンプ20aの入力端子の一端に重畳させるオフセット電圧を変化させることができる。これによって、第3の状態において、2値信号で出力される出力電圧Voutのハイとローの切り替わるタイミングを変更することができる。
【0034】
例えば、ホール素子10からサイン波の信号が出力される場合、図7の一点鎖線で示されるように、サイン波とVrefとは交点Y及びY’にて交差する。スイッチング素子S21をオンしてオペアンプ20aの入力端子の一端にオフセット電圧を重畳させると、サイン波がシフトする。サイン波が高い値から低い値に変化する領域に注目すると、スイッチング素子S21をオンしたサイン波(点線)は、点Yよりも遅れた点XにてVrefと交差する。同様に、スイッチング素子22をオンした場合、スイッチング素子S21をオンした場合とは逆の方向にサイン波がシフトする。サイン波が高い値から低い値に変化する領域に注目すると、スイッチング素子S22をオンしたサイン波(点線)は、点Yよりも進んだ点ZにてVrefと交差する。
【0035】
サイン波が高い値から低い値に変化する領域において、スイッチング素子S21をオンすることによって、元のサイン波とVref1との交点を遅らせることができ、スイッチング素子S22をオンすることによって、元のサイン波とVref1との交点を進めることができる。サイン波が低い値から高い値に変化する領域においても同様に、スイッチング素子S21をオンすることによって、元のサイン波とVref1との交点を進めることができ、スイッチング素子S22をオンすることによって、元のサイン波とVref1との交点を遅らせることができる。
【0036】
元のサイン波とVref1との交点の進み量及び遅れ量は、オペアンプ20aの入力端子の一端に重畳させるオフセット電圧、つまり抵抗R5、R6、R7、R8の比率によって設定することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 ホール素子、12 増幅回路、12a,12b オペアンプ、14 平均化回路、14a オペアンプ、14b 基準電圧発生回路、20 平均化回路、20a オペアンプ、20b 基準電圧発生回路、100,200 オフセットキャンセル回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホール素子のオフセットキャンセル回路であって、
複数のサンプリングコンデンサと、
前記ホール素子に流れる電流が切り替わるように外部から電圧を印加し、その状態毎に前記ホール素子の出力電圧が前記複数のサンプリングコンデンサのいずれかに印加されるようにオン/オフ制御される第1のスイッチング素子群と、
前記複数のサンプリングコンデンサが並列に接続された状態で前記複数のサンプリングコンデンサに充電された電荷を前記サンプリングコンデンサとは別のコンデンサに再分配して得られる出力電圧がオペアンプへ供給されるようにオン/オフ制御される第2のスイッチング素子群と、
前記別のコンデンサへ供給され、前記出力電圧の基準となる第1の基準電圧を発生させる基準電圧発生回路と、
を備え、
前記基準電圧発生回路は、前記ホール素子の中点電圧に等しい前記第1の基準電圧を発生させることを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項2】
請求項1に記載のオフセットキャンセル回路であって、
前記第1の基準電圧は、前記オペアンプの入力端子の1つに供給されることを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のオフセットキャンセル回路であって、
前記別のコンデンサは、前記オペアンプの入力端子間に接続され、その一端に前記第1の基準電圧が供給されていることを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項4】
請求項3に記載のオフセットキャンセル回路であって、
前記基準電圧発生回路は、前記第1の基準電圧とは異なる第2の基準電圧を発生させ、前記別のコンデンサの他端に前記第2の基準電圧を供給することを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項5】
請求項4に記載のオフセットキャンセル回路であって、
前記基準電圧発生回路は、前記第1の基準電圧及び前記第2の基準電圧と異なる第3の基準電圧を生成し、前記別のコンデンサの他端に前記第2の基準電圧又は前記第3の基準電圧を選択的に供給することを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項6】
ホール素子のオフセットキャンセル回路であって、
複数のサンプリングコンデンサと、
前記ホール素子に流れる電流が切り替わるように外部から電圧を印加し、その状態毎に前記ホール素子の出力電圧が前記複数のサンプリングコンデンサのいずれかに印加されるようにオン/オフ制御される第1のスイッチング素子群と、
前記複数のサンプリングコンデンサが並列に接続された状態で前記複数のサンプリングコンデンサに充電された電荷を前記サンプリングコンデンサとは別のコンデンサに再分配して得られる出力電圧がオペアンプへ供給されるようにオン/オフ制御される第2のスイッチング素子群と、
前記別のコンデンサへ供給され、前記出力電圧の基準となる第1の基準電圧及び第2の基準電圧を発生させ、前記別のコンデンサの一端に前記第1の基準電圧を供給し、前記別のコンデンサの他端に前記第2の基準電圧を供給する基準電圧発生回路と、を備えることを特徴とするオフセットキャンセル回路。
【請求項7】
請求項6に記載のオフセットキャンセル回路であって、
前記基準電圧発生回路は、前記第1の基準電圧及び前記第2の基準電圧と異なる第3の基準電圧を生成し、前記別のコンデンサの他端に前記第2の基準電圧又は前記第3の基準電圧を選択的に供給することを特徴とするオフセットキャンセル回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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