説明

オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置で使用する洗浄液にナノバブル含ませる洗浄方法

【課題】 オフセット印刷機の印刷終了時、版間でのブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を効率良く洗浄して完全に除去できる洗浄方法を提供する。
【解決手段】 洗浄効果があるナノバブルをナノバブル発生装置で薬剤など使用せず空気を取り込み、洗浄液にナノバブルを含ませる。オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置でナノバブルを含ませた洗浄液を使用して洗浄をすることによりオフセット印刷機の、ブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を効率良く洗浄して完全に除去できる。結果、洗浄回数の削減、洗浄液の削減、廃液の削減、洗浄液の影響によるブランケット、インキローラーの表面ゴムの硬度の上昇、ローラーの外径細りを削減、各機械の電力の削減ができる洗浄方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置で使用する洗浄液にナノバブル含ませる洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷ではインキカスや紙粉がブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に付着する。オフセット印刷機の使用状況、紙種、インキ種、H液種によりインキカスや紙粉の堆積が多くなる場合がある。従来の洗浄方法にはオフセット印刷機の印刷終了時、版間でブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴を灯油系洗浄液、代替フロン洗浄液、特殊なエマルジョン洗浄液を使用し各洗浄装置でブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴を洗浄する洗浄方法がある。(例えば、非特許文献1参照。)
【非特許文献1】 新聞印刷ハンドブック 改訂版 p.155 p.156 p.157 p.159 p.160
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べた従来の洗浄方法ではオフセット印刷機の使用状況、紙種、インキ種、H液種により、オフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴にインキカスや紙粉の堆積が多くなった場合、安定した洗浄効果が得られない。そのため、堆積したインキカスや紙粉が完全に除去されないことが起こる。この堆積したインキカスや紙粉はインキの転移不良の原因になり版面上の画線部の劣化を招き紙面品質の低下をもたらすため、オフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉が取り除かれるまで印刷終了時、版間で洗浄を繰り返す必要がある。または洗浄液の使用量を増やす必要がある。洗浄を繰り返すこと、洗浄液の使用量を増やすことで洗浄液の影響によりブランケット、インキローラーの表面ゴムの硬度の上昇、ローラーの外径細りが発生する。そのためブランケット、インキローラーの交換サイクルが早くなる。洗浄を繰り返すことで各機械の電力が増加する。廃液の量が増える。洗浄を繰り返す必要がない、洗浄液の使用量を増やす必要がないオフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴の洗浄方法が求められていた。
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決しようとするものであり、オフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉の洗浄を繰り返す必要がない、洗浄液の使用量を増やす必要がない洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するためにオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置に使用する洗浄液にナノバブル含ませることである。
【0006】
上記の本発明はオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクにナノバブル発生装置を取り付け薬剤など使用せず空気を使用してナノバブルを発生させ洗浄液に含ませる。オフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を、ナノバブルを含ませた洗浄液で効率良く洗浄して完全に除去することができる洗浄方法を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明のナノバブルを含ませた洗浄液は、オフセット印刷機の使用状況、紙種、インキ種、H液種によりインキカスや紙粉の堆積が多くなった場合でも安定した洗浄効果が得られるためオフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を効率良く洗浄して完全に除去することができる。そのため洗浄を繰り返す必要がなくなる。洗浄液の使用量を増やす必要がなくなる。通常の洗浄液量より削減して洗浄しても通常以上の洗浄効果がある。以上の効果でブランケット、インキローラーの表面ゴムの硬度の上昇、ローラーの外径細りを削減ができる。洗浄液の削減ができる。洗浄を繰り返す必要がなくなるので各機械の電力の削減ができる。廃液の量が削減できる。本発明のナノバブルを含ませた洗浄液はナノバブルを発生する際に薬剤など使用せず、ナノバブル発生装置で空気を使用するだけなのでランニングコスト、環境面の問題が発生しない。以上の本発明の効果でオフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を効率良く洗浄して完全に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実地形態はオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクにナノバブル発生装置を取り付ける。(多くの場合はオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクは共通で使用しているのでナノバブル発生装置は一台で済む。各洗浄装置に洗浄液タンクがある場合は各洗浄液タンクにナノバブル発生装置を取り付ける。)ナノバブル発生装置で薬剤など使用せずナノバブル発生装置で空気を取り込み、ナノバブルを発生させ、洗浄液にナノバブルを含ませ洗浄液タンクに戻す。この工程を洗浄中、繰り返しながらオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置で洗浄する。上記本実施形態の洗浄方法によればオフセット印刷機のブランケット、ダイヤ目ローラー、インキローラー、圧胴に堆積したインキカスや紙粉を効率良く洗浄して完全に除去することができる効果が得られるものである。
【0009】
オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクにナノバブル発生装置を取り付けナノバブル発生装置に洗浄液を通す。(▲1▼)ナノバブル発生装置で空気を取り込み、ナノバブルを発生させ洗浄液にナノバブル含ませる。ナノバブルを含ませた洗浄液をオフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクに戻す。(▲2▼)この工程を洗浄中、繰り返す。オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄部でナノバブルを含ませた洗浄液を使用して洗浄する。(▲3▼)〔フローチャート1〕
【実施例】
【0010】
新聞用オフセット輪転機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクにナノバブル発生装置を取り付ける。ナノバブル発生装置で空気を取り込み、ナノバブルを発生させ洗浄液にナノバブル含ませる。ナノバブルを含ませた洗浄液を新聞用オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置の洗浄液タンクに戻す。この工程を洗浄中、繰り返しながら新聞用オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置でナノバブルを含ませた洗浄液を使用して洗浄する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフセット印刷機のブランケット洗浄装置(ブラシローラー方式洗浄装置)、ダイヤ目ローラー洗浄装置、インキローラー洗浄装置、圧胴洗浄装置で使用する洗浄液にナノバブル含ませる洗浄方法。

【公開番号】特開2010−241093(P2010−241093A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103410(P2009−103410)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(509113601)株式会社高速オフセット (2)
【出願人】(508332427)
【Fターム(参考)】