説明

オフロードビークル

【課題】ECUの水没を抑制し、オフロードビークルの構成を簡単にする。
【解決手段】オフロードビークルは、車両本体と、前部被覆部材と、シートと、エンジンと、噴射量制御装置とを備えている。前部被覆部材は、車両本体の前部の上方を覆っている。シートは、前部被覆部材よりも後方に配置されている。エンジンは、車両本体に取り付けられている。エンジンは、スロットルボディを有する。スロットルボディは、フューエルインジェクタを含む。噴射量制御装置は、フューエルインジェクタからの燃料噴射量を制御する。前部被覆部材の少なくとも一部はシートの座面の最下点よりも高い位置に位置している。噴射量制御装置は、被覆部材の下方であって、シートの座面の最下点よりも高い位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオフロードビークルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、不整地走行用車両としてオフロードビークルが開示されている。従来のオフロードビークルでは、通常、キャブレターを用いたエンジンが採用されている。近年、エンジン性能を向上させる観点から、燃料噴射式のエンジンをオフロードビークルに適用することも提案されている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0195019 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ECUの水没を抑制し、オフロードビークルの構成を簡単にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のオフロードビークルは、車両本体と、前部被覆部材と、シートと、エンジンと、噴射量制御装置とを備えている。前部被覆部材は、車両本体の前部の上方を覆っている。シートは、前部被覆部材よりも後方に配置されている。エンジンは、車両本体に取り付けられている。エンジンは、スロットルボディを有する。スロットルボディは、フューエルインジェクタを含む。噴射量制御装置は、フューエルインジェクタからの燃料噴射量を制御する。前部被覆部材の少なくとも一部はシートの座面の最下点よりも高い位置に位置している。噴射量制御装置は、被覆部材の下方であって、シートの座面の最下点よりも高い位置に配置されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ECUの水没を抑制し、オフロードビークルの構成を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施形態)
以下、本発明を実施したオフロードビークルの好ましい形態の一例について、図1に示すオフロードビークル1を例に挙げて説明する。但し、図1に示すオフロードビークル1は、本発明のオフロードビークルの単なる一例である。本発明は、図1に示すオフロードビークル1に限定されない。
【0007】
図1及び図2に示すように、オフロードビークル1は、車両本体10を備えている。主として図2に示すように、車両本体10は、車体フレーム11を備えている。車体フレーム11は、フレーム本体15と、フロントフレーム13と、リアフレーム14と、ルーフサポート16とを備えている。
【0008】
フレーム本体15は、前後方向において、オフロードビークル1の中央部に位置している。フレーム本体15は、2本のサイドメンバ12を備えている。サイドメンバ12は、前後方向に延びるように配置されている。2本のサイドメンバ12は、車幅方向に配列されている。2本のサイドメンバ12は、図示しないクロスメンバによって相互に固定されている。
【0009】
フロントフレーム13は、フレーム本体15の前半部分に接続されている。フロントフレーム13は、オフロードビークル1の前側部分に配置されている。フロントフレーム13には、図示しないサスペンションを介して、前輪20が回転可能に取り付けられている。前輪20は、図1に示すように、右側前輪20a及び左側前輪20bとを含んでいる。
【0010】
フロントフレーム13の上方には、前部被覆部材30が配置されている。フロントフレーム13の上方は、この前部被覆部材30によって覆われている。前部被覆部材30は、少なくともボンネット31を含んでいる。具体的には、前部被覆部材30は、ダッシュボード32と、ボンネット31とを備えている。ダッシュボード32には、メータバイザが形成されている。このメータバイザによってフロントパネル27に配置された各種メータが保護されている。
【0011】
図2に示すように、前部被覆部材30の後方には、フロントパネル27が配置されている。このフロントパネル27により、車両のフロントパネル27よりも前側の部分と後ろ側の部分とが隔離されている。すなわち、エアクリーナー70が配置された前部とキャビン25とが隔離されている。
【0012】
リアフレーム14は、フレーム本体15の後方部分に取り付けられている。リアフレーム14は、オフロードビークル1の後側部分に配置されている。リアフレーム14には、図示しないサスペンションを介して、後輪21が回転可能に取り付けられている。後輪21は、図1に示すように、右側後輪21a及び左側後輪21bを含んでいる。図2に示すように、リアフレーム14の上には、荷台22が配置されている。
【0013】
図2に示すように、ルーフサポート16は、側面視ループ状に形成されている。ルーフサポート16は、フロントフレーム13とリアフレーム14との間に配置されている。ルーフサポート16は、図1に示すように、右側ルーフサポート16aと左側ルーフサポート16bとを含んでいる。これらルーフサポート16a及び16bは、フレーム本体15と、フロントフレーム13及びリアフレーム14とに対してそれぞれ固定されている。
【0014】
図2に示すように、フロントフレーム13とリアフレーム14との間には、ライダーが乗車するキャビン25が区画形成されている。キャビン25には、シート35が配置されている。図1に示すように、シート35は、右側シート35aと左側シート35bとを含んでいる。右側シート35aと左側シート35bとは車幅方向に配列されている。
【0015】
キャビン25のシート35よりも前側部分には、足載せ部29が配置されている。足載せ部29は、シート35の座面36よりも低い位置に位置している。
【0016】
主として図1に示すように、右側シート35aと左側シート35bとの間には、トンネル部37が形成されている。図2に示すように、トンネル部37は、足載せ部29から上方に膨出するように形成されている。トンネル部37の頂部は、足載せ部29よりも高い位置に位置している。また、図2に示すように、トンネル部37の頂部はシート35の座面36よりも高い位置に位置している。
【0017】
トンネル部37のシート35よりも前側の部分には、シフトレバー38が配置されている。シフトレバー38は、レバー本体38aと、シフトノブ38bとを備えている。シフトノブ38bは、レバー本体38aの先端に取り付けられている。このシフトレバー38は、オフロードビークル1において、パーキング、ニュートラル、前進及び後進いずれかに切り換え操作するためのものである。
【0018】
キャビン25において、左側シート35bの前方には、ステアリング26が配置されている。
【0019】
図3に示すように、車体フレーム11には、エンジンユニット40が懸架されている。エンジンユニット40は、車体フレーム11に対してラバー部材を介して取り付けられている。言い換えれば、エンジンユニット40は、所謂ラバーマウントされている。
【0020】
エンジンユニット40は、図7に示すように、燃料噴射式のエンジン41と、変速機構60と、遠心クラッチ55とを備えている。本実施形態では、エンジン41は水冷式の単気筒エンジンである。但し、本発明において、エンジンは、単気筒エンジンでなくてもよい。エンジンは、例えば並列多気筒エンジン、V型多気筒エンジンまたは水平対向多気筒エンジンであってもよい。また、エンジンは空冷式であってもよい。
【0021】
エンジン41は、図3に示すように、クランクケース42と、シリンダボディ46と、シリンダヘッド48とを備えている。図7に示すように、クランクケース42の内部には、クランクシャフト43が配置されている。クランクシャフト43は、車幅方向に延びている。クランクシャフト43には、コンロッド44の基端部が接続されている。コンロッド44の先端部にはピストン45が接続されている。
【0022】
シリンダボディ46の内部には、シリンダ47が形成されている。ピストン45は、このシリンダ47内に配置されている。
【0023】
シリンダヘッド48は、シリンダボディ46の先端部に取り付けられている。このシリンダヘッド48と、シリンダボディ46とにより、燃焼室49が区画形成されている。また、シリンダヘッド48には、それぞれ燃焼室49に開口する吸気ポート50と排気ポート51とが形成されている。吸気ポート50には、吸気弁52が配置されている。この吸気弁52が、吸気カム67により駆動さることによって、吸気ポート50が開閉される。一方、排気ポート51には、排気弁53が配置されている。この排気弁53が、排気カム68により駆動されることにより、排気ポート51が開閉される。
【0024】
吸気ポート50には、スロットルボディ54が接続されている。図7に示すように、スロットルボディ54は、フューエルインジェクタ54aと、スロットル弁54bとを備えている。このスロットルボディ54により、後述するエアクリーナー70から供給された空気と、フューエルインジェクタ54aから噴射される燃料とが混合され、混合気が形成される。この混合気が、吸気ポート50を介して、燃焼室49に供給される。一方、排気ポート51は、図示しないエギゾーストパイプ及びエギゾーストマフラーに接続されている。これにより、エンジンユニット40からの排気は、エギゾーストパイプ及びエギゾーストマフラーを介して車外に排出される。
【0025】
なお、図3に示すように、スロットルボディ54には、圧力センサ54cが取り付けられている。この圧力センサ54cによって、図7に示す吸気ポート50内の圧力が検出される。
【0026】
図3に示すように、シリンダヘッド48の内部には、ブリーザ室56が形成されている。このブリーザ室56は、ブリーザホース57によってアキュムレーター65aに接続されている。これにより、エンジンユニット40内のブリーザーガスは、ブリーザ室56において気液分離される。気液分離後のブリーザーガスは、アキュムレーター65aを経由して燃焼室49に供給され、燃焼室49において再燃焼される。
【0027】
図3に示すクランクケース42の内部には、図7に示すように、遠心クラッチ55が配置されている。遠心クラッチ55は、クランクシャフト43の左側端部に接続されている。具体的には、遠心クラッチ55は、インナ55aと、アウタ55bとを備えている。インナ55aは、クランクシャフト43に対して回転不能に接続されている。一方、アウタ55bはクランクシャフト43に対して回転可能である。クランクシャフト43の回転速度が大きくなると、インナ55aに加わる遠心力もそれだけ大きくなる。これにより、インナ55aとアウタ55bとが接続され、遠心クラッチ55がつながる。一方、クランクシャフト43の回転速度が遅くなると、インナ55aに働く遠心力も小さくなる。これにより、インナ55aとアウタ55bとが離れ、遠心クラッチ55が切断される。
【0028】
図7に示すように、図3に示すクランクケース42の内部には、変速機構60が配置されている。本実施形態において、変速機構60は、ベルト式の無段変速機構(CVT:Continuously Variable Transmission)である。但し、本発明において、変速機構は、ベルト式の無段変速機構でなくてもよい。変速機構は、ベルト式以外の無段変速機構であってもよい。例えば、変速機構は、トロコイダル式の無段変速機構であってもよい。また、変速機構は複数の変速ギア対を有する有段式の変速機構であってもよい。
【0029】
図7に示すように、変速機構60は、プライマリシーブ61と、セカンダリシーブ62とを備えている。プライマリシーブ61は、クランクシャフト43の左側端部に配置されている。プライマリシーブ61は、遠心クラッチ55のアウタ55bに対して回転不能である。一方、プライマリシーブ61は、クランクシャフト43に対して回転可能である。このため、クランクシャフト43の回転が遅く、遠心クラッチ55が繋がっていないときは、プライマリシーブ61は回転しない。それに対して、クランクシャフト43の回転速度が速く、遠心クラッチ55が接続されているときは、プライマリシーブ61は、クランクシャフト43とともに回転する。
【0030】
セカンダリシーブ62は、プライマリシーブ61の前方に配置されている。セカンダリシーブ62は、セカンダリ軸64に対して回転不能に取り付けられている。プライマリシーブ61とセカンダリシーブ62との間には、断面略V字状のベルト63が巻き掛けられている。このベルト63により、プライマリシーブ61の回転が、セカンダリシーブ62及びセカンダリ軸64に伝達される。セカンダリ軸64は、図示しない動力伝達機構を介して、前輪20及び後輪21に接続されている。これにより、セカンダリ軸64の回転が前輪20及び後輪21に伝達される。
【0031】
図3に示すように、スロットルボディ54は、第2の吸気管65に接続されている。第2の吸気管65は、スロットルボディ54とエアクリーナー70との間に配置されている。スロットルボディ54と第2の吸気管65とは、第1の吸気管58により接続されている。第1の吸気管58の前側端部58aは、第2の吸気管65の内部にまで延びている。これにより、後述するアキュムレーター65aとスロットルボディ54との間の距離が調節されている。
【0032】
第2の吸気管65の後ろ側部分は、第2の吸気管65の前側部分よりも太く形成されている。言い換えれば、第2の吸気管65の後ろ側部分の単位長さ当たりの容積は、第2の吸気管65の前側部分の単位長さ当たりの容積よりも大きい。この第2の吸気管65の後ろ側部分は、アキュムレーター65aを構成している。一方、第2の吸気管65の前側部分は、接続部65bを構成している。接続部65bの先端部は、第3の吸気管66を介して、吸気系部品としてのエアクリーナー70に接続されている。
【0033】
本実施形態のように、エアクリーナー70とエンジンユニット40との間にアキュムレーター65aを配置することにより、エアクリーナー70から供給される空気の吸気効率を向上させることができる。これにより、エンジンユニット40の性能を向上させることができる。具体的には、エンジンユニット40の高速域におけるレスポンスを向上させることができる。
【0034】
なお、アキュムレーター65aのエンジンユニット40側端部には、吸気温センサ79が配置されている。この吸気温センサ79によって、エンジンユニット40への吸気の温度が検出される。具体的には、吸気温センサ79は、アキュムレーター65a内の温度を検出する。吸気温センサ79は、検出した温度を吸気の温度として、後述するECU80に出力する。
【0035】
第2の吸気管65は、ブロー成形により一体に形成されている。図3に示すように、第2の吸気管65の接続部65bの前方端部には、固定部65dが形成されている。この固定部65dにおいて、第2の吸気管65は、フロントフレーム13に対して固定されている。一方、第2の吸気管65の後方端部は、リアフレーム14に対して、懸架部材69によってつり下げられている。このため、エンジンユニット40が多少揺動または振動しても、第2の吸気管65や第1の吸気管58に大きな力が加わらないようになっている。特に、本実施形態のように、エンジンユニット40が所謂ラバーマウントされている場合には、エンジンユニット40が揺動または振動しやすい。このため、この構成は、特に有用である。
【0036】
なお、懸架部材69の材料は、特に限定されない。懸架部材69は、弾性部材により構成されていてもよい。具体的には、懸架部材69は、ゴムにより形成されていてもよい。
【0037】
エアクリーナー70は、前部被覆部材30の下方に配置されている。エアクリーナー70は、フロントフレーム13に対して固定されている。エアクリーナー70には、空気を吸入するための吸入口71が形成されている。吸入口71は、エアクリーナー70の上部に形成されている。吸入口71は、後方に向かって開口している。吸入口71には、吸気パイプ72が取り付けられている。吸気パイプ72は、吸入口71から後方に向かって斜め下方に延びている。
【0038】
なお、本実施形態では、吸気系部品として、エアクリーナー70が配置されている例について説明する。但し、本発明は、この構成に限定されない。エアクリーナー70に替えて、エアチャンバを配置してもよい。
【0039】
図3に示すように、フロントフレーム13は、門型フレーム13aを備えている。図5に示すように、門型フレーム13aは、門型フレーム本体13bと、アーチ部13cとを備えている。
【0040】
図3及び図4に示すように、門型フレーム13aのアーチ部13cには、挙動検出センサとしての傾斜角検出センサ83が取り付けられている。この傾斜角検出センサ83は、車両本体10の挙動を検出するためのセンサである。具体的には、傾斜角検出センサ83は、車両本体10の傾斜角を検出するセンサである。この傾斜角検出センサ83により、車両本体10が水平に対してどれだけ傾いているかが検出される。
【0041】
また、図4に示すように、オフロードビークル1には、噴射量制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)80が配置されている。図8に示すように、ECU80には、吸気温センサ79、圧力センサ54c、傾斜角センサ83や、図示しないスロットルポジションセンサ及びアクセルポジションセンサなどが接続されている。また、ECU80には、フューエルインジェクタ54aが接続されている。
【0042】
噴射量制御装置としてのECU80は、吸気温センサ79、圧力センサ54c、傾斜角センサ83や、図示しないスロットルポジションセンサ及びアクセルポジションセンサなどから出力される信号に基づいて、フューエルインジェクタ54aからの燃料噴射量を制御する。
【0043】
図5に示すように、ECU80は、前部被覆部材30の下方に配置されている。前部被覆部材30は、前方に向かって斜め下方に延びている。ECU80は、その前部被覆部材30の後方端部の下方に配置されている。より具体的に説明すると、傾斜角検出センサ83は、ボンネット31の後方端部の下方に配置されている。
【0044】
また、高さ方向に関しては、ECU80は、シート35の座面36の最下点よりも高い位置に配置されている。なお、図3及び図5に示す直線H1はシート35の座面36の最下点を通る水平な直線である。
【0045】
図4及び図5に示すように、エアクリーナー70は、車両本体10の車幅方向のほぼ中心部に配置されている。バッテリーボックス75は、エアクリーナー70の右側に配置されている。バッテリーボックス75の内部は、半密閉空間に形成されている。バッテリーボックス75の内部には、ECU80と、バッテリー76と、リレーアッシー77とが配置されている。
【0046】
ECU80は、バッテリーボックス75の内壁面に取り付けられている。ECU80のコネクタ81は、水平方向を向いている。
【0047】
一方、エアクリーナーの左側には、レギュレター78が配置されている。このように、レギュレター78とバッテリーボックス75との間には、エアクリーナー70が配置されている。言い換えれば、レギュレター78とバッテリーボックス75とエアクリーナー70とは、前部被覆部材30の後方端部の下方において、車幅方向に配列されている。
【0048】
以上説明したように、噴射量制御装置としてのECU80は、図5に示すように、シート35の座面36の最下点よりも高い位置に配置されている。このため、ECU80を座面36の最下点よりも高い位置に配置することによって、たとえ座面36の高さまでオフロードビークル1が水没した場合であっても、ECU80が水没することを効果的に抑制することができる。このため、例えばECU80に対して完全な防水加工を施す必要がない。言い換えれば、ECU80を防水するための重厚なパッケージングを要さない。このため、オフロードビークル1の構成をシンプルにすることもできる。
【0049】
また、ECU80は、前部被覆部材30の下方に配置されている。このため、オフロードビークル1の走行中に前方から飛散する水や泥などから傾斜角検出センサ83を保護することができる。
【0050】
本実施形態では、前部被覆部材30は、前方に向かって斜め下方に延びている。そして、ECU80は、前部被覆部材30の後方端部の下方に配置されている。このため、ECU80の取り付け位置がより高い位置となっている。従って、ECU80の水没をさらに効果的に抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、ECU80は、コネクタ81の接続方向が水平方向となるように配置されている。
【0052】
例えば、コネクタ81の接続方向が上向きである場合、コネクタ81と配線との接続作業は容易となる。しかしながら、バッテリーボックス75内に水などが進入した場合、コネクタ81にも水などが進入するおそれがある。
【0053】
例えば、コネクタ81の接続方向が下向きである場合、コネクタ81に水が進入するおそれが少ない。しかしながら、コネクタ81と配線との接続作業が困難となる。
【0054】
それに対して本実施形態のように、コネクタ81の接続方向が水平方向であれば、コネクタ81への水の進入が抑制されると共に、コネクタ81と配線との接続作業も比較的容易となる。
【0055】
また、本実施形態では、図4に示すように、ECU80と共に、エアクリーナー70及びレギュレター78も前部被覆部材30の後方端部の下方に配置されている。このため、エアクリーナー70及びレギュレター78の水没も抑制することができる。
【0056】
本実施形態では、ECU80が、バッテリーボックス75内に配置されている。従って、下方からの泥はねなどからECU80を含むECU80を保護することができる。よって、下方からの泥はねなどからECU80を保護するためのインナーフェンダー等を別途に設ける必要がない。
【0057】
図4に示すように、本実施形態では、ECU80がバッテリーボックス75内に配置される一方、レギュレター78は、バッテリーボックス75外に配置されている。このため、ECU80に対するレギュレター78の発熱の影響を小さくすることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、ECU80が収納されたバッテリーボックス75とレギュレター78との間にエアクリーナー70が配置されている。このため、ECU80に対するレギュレター78の発熱の影響をより小さくすることができる。
【0059】
(変形例)
また、挙動検出センサは、例えば、オフロードビークルの前後方向及び車幅方向のうちの少なくとも一方の傾斜角を検出するものであってもよい。また、挙動検出センサは、例えば、オフロードビークルの前後方向又は車幅方向の傾斜角を検出するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施形態のオフロードビークルの平面図である。
【図2】第1の実施形態のオフロードビークルの左側面図である。
【図3】第1の実施形態のオフロードビークルの一部を拡大した左側面図である。
【図4】第1の実施形態のオフロードビークルの前部の一部を拡大した概略平面図である。
【図5】第1の実施形態のオフロードビークルのダッシュボード近傍の部分を拡大した概略正面図である。
【図6】第1の実施形態における挙動検出センサの平面図である。
【図7】第1の実施形態におけるエンジンユニットの構成を表す概念図である。
【図8】第1の実施形態におけるオフロードビークルの制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1 オフロードビークル
10 車両本体
25 キャビン
30 前部被覆部材
31 ボンネット
35 シート
36 座面
41 エンジン
54 スロットルボディ
54a フューエルインジェクタ
70 エアクリーナー(吸気系部品、エアチャンバ)
75 バッテリーボックス
76 バッテリー
78 レギュレター
80 ECU(噴射量制御装置)
81 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体と、
前記車両本体の前部の上方を覆う前部被覆部材と、
前記前部被覆部材よりも後方に配置されたシートと、
前記車両本体に取り付けられ、フューエルインジェクタを含むスロットルボディを有するエンジンと、
前記フューエルインジェクタからの燃料噴射量を制御する噴射量制御装置と、
を備え、
前記前部被覆部材の少なくとも一部は前記シートの座面の最下点よりも高い位置に位置し、
前記噴射量制御装置は、前記前部被覆部材の下方であって、前記シートの座面の最下点よりも高い位置に配置されているオフロードビークル。
【請求項2】
請求項1に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記前部被覆部材は、前方に向かって斜め下方に延びており、
前記噴射量制御装置は、前記前部被覆部材の後方端部の下方に配置されているオフロードビークル。
【請求項3】
請求項1に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記前部被覆部材の下方に配置されたバッテリーボックスと、
前記バッテリーボックス内に配置されたバッテリーと、
をさらに備え、
前記噴射量制御装置は、前記バッテリーボックス内に配置されているオフロードビークル。
【請求項4】
請求項3に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記バッテリーボックス外に配置され、前記バッテリーに接続されたレギュレターをさらに備えているオフロードビークル。
【請求項5】
請求項4に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記バッテリーボックスと前記レギュレターとの間に配置され、前記スロットルボディに空気を供給する吸気系部品をさらに備えているオフロードビークル。
【請求項6】
請求項5に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記前部被覆部材は、前方に向かって斜め下方に延びており、
前記バッテリーボックス、前記レギュレター及び前記吸気系部品は、前記前部被覆部材の後方端部の下方において、車幅方向に配列されているオフロードビークル。
【請求項7】
請求項5に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記吸気系部品はエアチャンバであるオフロードビークル。
【請求項8】
請求項5に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記吸気系部品はエアクリーナーであるオフロードビークル。
【請求項9】
請求項3に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記噴射量制御装置は、前記フューエルインジェクタと接続されるコネクタを有し、
前記噴射量制御装置は、前記コネクタの接続方向が水平方向となるように、前記バッテリーボックスの内側壁に取り付けられているオフロードビークル。
【請求項10】
請求項1に記載されたオフロードビークルにおいて、
平面視において、前記車両本体の前後方向における中央部には、前記シートが配置されたキャビンが形成されており、
前記噴射量制御装置は、前記キャビンよりも前側に配置されているオフロードビークル。
【請求項11】
請求項1に記載されたオフロードビークルにおいて、
前記前部被覆部材には、ボンネットが少なくとも含まれているオフロードビークル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−12916(P2010−12916A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174206(P2008−174206)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】