説明

オランザピンの医薬用経口崩壊錠

本発明は、1錠当たり、以下の成分を以下の重量パーセントで含む医薬用経口崩壊錠を提供する: 活性成分としての約2.5%から約 10%の量のオランザピン;約75%から約95%の量のマンニトール;約1.0%から約10%の量の崩壊剤;および総量約0.1%から約10%の1以上の賦形剤。本発明はまた、オランザピンで治療することを必要とする患者の治療法方であって、当該患者に対して上記の医薬錠剤の治療学的有効量を投与することを具備する治療方法を提供する。最終的に、本発明は、上記の適切な相対的重量パーセントで当該成分を組み合わせて含む医薬錠剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国仮出願60/674,077(2005年4月22日に出願)の恩恵を主張するものであり、その内容は引用することにより当該対象出願に組み込まれる。
【0002】
本出願に亘り、種々の出版物が、全体の引用によって参照される。これによって、それら全体におけるこれらの出版物の開示は引用により本出願に組み込まれ、本明細書において、当業者に公知の技術の状態をより十分に記載することを目的とする。
【0003】
発明の分野
本発明は、精神病性疾患の治療において有用な2-メチル-4−(4-メチル-1-ピペランジニル)-10H-チエノ[2,3-b][1,5] ベンゾジアゼピン(本明細書においてはオランザピンと称する)の医薬用経口崩壊錠に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
オランザピンは、向精神病薬であり、精神病性疾患、例えば、統合失調症、双極性障害における急性躁病、および統合失調症および双極性障害に付随した激越などの治療において有用である。その分子式、分子量および化学構造、並びにセロトニン5HT2A/2C 受容体、ドパミンD1-4 受容体、ムスカリンM1-5、ヒスタミンH1 受容体、アドレナリンα1 受容体、GABAA、BZDおよびβアドレナリン受容体に結合する選択性モノアミンアンタゴニストとしてのその薬理学的特徴は、米国特許第 5,229,382およびジプレキサ(登録商標)(オランザピン)のためのザ・2005・フィジシャン・デスク・リファレンス・ラベル・インフォメーション(the 2005 Physician Desk Reference label information for Zyprexa(登録商標))に記載されている。
【0005】
オランザピンのある錠剤は、以下に記載される通り公知である;米国特許第 5,229,382、5,919,485,および6,190,698,および米国出願公開2001/0018071 A1。上記の特許および特許出願において、オランザピンの多くの特殊な錠剤が開示される。特に、米国特許第 5,919,485 は、以下の組成の1錠に1 mg、2.5 mg、5 mg、7.5 mgおよび10 mg のオランザピンを含む錠剤を開示する:
【化1】

【0006】
これらの錠剤は、流動床乾燥を伴うハイ・シャリング水性湿潤造粒(high shear aqueous wet granulation)を含む方法を使用して製造される。
【0007】
現在、ジプレキサザイディス(Zyprexa Zydis(登録商標))、イーライ・リリー(Eli Lilly and Company)により市場に出されているオランザピンの経口崩壊錠が、統合失調症、双極性疾患および統合失調症および双極性I躁病に伴う激越の治療のために入手可能である。ジプレキサザイディス(登録商標)のためのザ・2005・フィジシャン・デスク・リファレンス・ラベル・インフォメーションに従うと、各錠剤は、オランザピンの相当して5 mg、10 mg、15 mgまたは20 mgを含む。それは数秒で口腔内で崩壊し始め、その内容物が引き続いて液体と共にまたは液体を伴わずに嚥下可能となる。ジプレキサザイディス(登録商標)はまた、以下の成分も含む:ゼラチン、マンニトール、アスパルテーム、ナトリウムメチルパラベンおよびナトリウムプロピルパラベン。
【0008】
一般的に、活性成分の経口固体投与量形態、例えば、錠剤からの吸収は、当該製剤の性質およびその製造方法により影響され得る。これは特に、活性成分、例えば、オランザピンなどが水に不溶性である場合に当てはまる(2005 Physician Desk Reference label information for Zyprexa(登録商標))。経口固体投与量形態からの胃腸管への当該活性成分の溶解は、活性成分の生体への吸収速度および程度を決定する律速因子であり得る。
【0009】
崩壊剤は、水不溶性の活性成分、例えば、オランザピンの経口固体投与量形態からの溶解速度を増強するために使用することが可能である。崩壊剤は、経口固体投与量形態に添加され、これが含まれていないよりも迅速に溶解する小さな粒子にその内容物を崩壊または粉砕することを促進する物質または物質の混合物である。(Remington: The ScienceおよびPractice of Pharmacy、page 862(Alfonso R. Gennaro ed.、20th ed.、2000))崩壊剤として役立つ物質は、デンプン、白土、セルロース、アルギナート、ゴムおよび架橋化重合体を含む。「超崩壊剤(super disintegrats)」として知られる崩壊剤のサブグループが公知であり、一般的に固体投与量形態において低レベルで使用され、典型的には2%から4%で使用される。超崩壊剤の例は、クロスカルメロース(croscarmellose)、クロスポビドン(crospovidone)およびナトリウムデンプングルコレートである。
【0010】
更に、迅速に溶解する錠剤の製造方法が知られており、米国特許第 5,501,861、5,837,285、6,036,974および6,316,026に記載されるとおりである。米国特許第 5,501,861 は、半乾燥状態において加圧成形することにより迅速に溶解する錠剤を製造する方法を開示する。米国特許第 5,837,285 は薬物含有の迅速可溶性錠剤であって、錠剤基礎成分として水に対する迅速可能性の薬学的添加剤を含み、薬物と水に対する迅速溶解性の薬学的添加剤との混練された混合物が、湿潤状態で加圧形成に供され製造される迅速可溶性錠剤を開示する。米国特許第 5,837,285 はまた、マンニトール単独の使用が口腔溶解時間を非常に増大させ、加圧形成圧力が300kgを超える場合に張力を増大させることを開示する。
【0011】
更に、米国特許第 6,036,974 は、水可溶性または脂肪可溶性の医薬を含み成形された、崩壊および磨耗および引裂きに抵抗性のある錠剤を製造する方法および装置を開示する。特に、米国特許第 6,036,974は、活性成分と賦形剤を混合し、次に結合剤と溶媒と共に混練し湿潤ペーストにすることを開示する。成形における当該ペーストの上面および底面は粉末、例えば、滑沢剤でコートされ、続く加圧工程の間にペーストが当該装置に固着することおよび錠剤が当該形成から除去されることの可能性を避ける。米国特許第 6,316,026 は、充分に高空隙率の迅速崩壊錠剤を製造する方法および装置を開示する。
【発明の開示】
【0012】
発明の概要
本発明は、一錠あたり以下の成分を以下の重量パーセントで含む医薬用経口崩壊錠を提供する:活性成分としての約2.5%から約10%の量のオランザピン; 約75%から約95%の量のマンニトール;約1.0%から約10%の量の崩壊剤;および総量約0.1%から約10%の1以上の賦形剤。
【0013】
本発明はまた、一錠あたり以下の成分を以下の重量パーセントで含む医薬用経口崩壊錠を提供する:活性成分としての約2.5%から約10%の量のオランザピン;約86.5%から約94%の量のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート、ここで、当該ナトリウムデンプングリコレートはジャガイモデンプンから得られたポリ-α-グルコピラノースの架橋され、低置換されたカルボキシメチルエーテルであり、および粒子サイズの中央値が約35μmから約55μmの範囲である;および約0.5%の量の賦形剤。
【0014】
本発明はまたは、オランザピンの治療を必要とする患者の治療方法であって、治療学的有効量の上記の何れかの医薬用錠剤を当該患者に対して投与することを具備する治療方法を提供する。
【0015】
発明の詳細な説明
本発明は、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む医薬用経口崩壊錠を提供する:約2.5%から約10%の量の活性成分としてのオランザピン;約75%から約95%の量のマンニトール;約1.0%から約10%の量の崩壊剤;および総量約0.1%から約10%の量の1以上の賦形剤。
【0016】
本明細書において使用される「崩壊剤」は、これらが含まれていない場合よりも、当該錠剤内容物を、より迅速に溶解する、より小さな粒子に崩壊または粉砕を促進する医薬錠剤に添加される物質または物質の混合物である。崩壊剤の例は、デンプン、白土、セルロース、アルギン、ゴムおよび架橋された重合体を含む。崩壊剤はまた、クロスカルメロース、クロスポビドンおよびナトリウムデンプングリコレートも含む。
【0017】
本発明において好ましい崩壊剤は、ナトリウムデンプングリコレート、例えば、エクスプロタブ(Explotab(登録商標)、JRS Pharma LP、Patterson、New Jerseyから)などであり、これは、ジャガイモデンプンから得られたポリ-α−グリコピラノースの架橋され、低置換されたカルボキシメチルエーテルであり、約200μmの粒子サイズの中央値を有する。そのようなナトリウムデンプングリコレート崩壊剤は、直接的な加圧または湿潤または乾燥顆粒化技術により製造される錠剤に組み込まれた際に顕著な崩壊および溶解効率を提供する。そのようなナトリウムデンプングリコレート崩壊剤の利点は、その膨張顆粒完全性、二次的な結合がないこと、均一な粒子サイズ範囲、高いバルク密度、低い使用レベル、長い保存安定性、および製剤の最も広い範囲における互換性を維持する能力である。
【0018】
本発明に従う錠剤は、多くの適切な不活性な材料または「賦形済」を含んでもよい。本明細書において使用される場合、「賦形剤」は、ヒトおよび/または動物に使用するために適切なものであり、有害な副作用、例えば、毒性、刺激性およびアレルギー反応のない、利益/リスク比が妥当である適切なものである。当該錠剤に対して特長的な満足のいく製造および圧縮を付与するのを助けるために使用されてよい賦形剤は、希釈財(例えば、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、パウダー化された糖、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、ベントナイトおよび微結晶セルロース)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜およびラクトース、天然および合成ゴム、例えば、ナトリウムアルギナート、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス、水およびアルコール、例えば、エチルアルコール)、グリダント(glidants)および滑沢剤(たとえば、ナトリウムオレエート、ナトリウムステアレート、マグネシウムステアレート、ナトリウムベンゾエート、ナトリウムアセテート、塩化ナトリウム、など)を含む。当該錠剤に対する更なる望ましい物理的特徴を与えるのを助けるために使用される賦形剤は、着色剤(たとえば、水可溶性のフード・ドラッグおよびコスメティック・アクト(FD&C)カラー、例えば、FD&C 青色 No. 2(12%-14%)、カラー黄色 #6 FD&C 明礬レーキおよびカラー赤色#40 FD&C レーキ 35-42%)および香味料(たとえば、マンニトール、ラクトース,および合成甘味剤、例えば、プロスイート(登録商標) N&A FL パウダー(Virginia Dare Extract Co.、Inc.、Brooklyn、New Yorkから)を含む。
【0019】
一つの態様において、当該医薬用経口崩壊錠は、1以上当たり、以下の成分を以下の重量パーセンテージで含む;約2.5%から約10%の量の活性成分としてのオランザピン;約86.5%から約94%の量のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート、ここで、当該ナトリウムデンプングリコレートはジャガイモデンプンから得られたポリ-α−グルコピラノースの架橋化され、低置換されたカルボキシメチルエーテルであり、粒子サイズの中央値が約35μmから約55μm範囲を有する;および約0.5%の量の賦形剤。
【0020】
本発明の現在の好ましい態様において、当該マンニトールは、平均粒子サイズが約35μmであり、20℃で約250g/lの水可溶性である第一のマンニトールと、平均粒子サイズが約200μmの多孔性結晶粒子構造を有し、20℃で約170g/lの水可溶性である第二のマンニトールの混合物を含む。
【0021】
本明細書において使用される好ましい「第一のマンニトール」は、平均粒子サイズが約35μmであり、20℃で約250g/lの水可溶性であり、登録商標パーライトール(Pearlitol(登録商標))50C(以前はマンニトール 35、NFとして知られていた)(Roquette Freres、Lestrem、Franceから)として入手可能なマンニトールである。
【0022】
本明細書において使用される好ましい「第二のマンニトール」は、平均粒子サイズ約200μmの多孔性結晶粒子構造を有し、20℃で約170g/lの水可溶性であり、登録商標パーライトール(登録商標)200SD(Roquette Freres、Lestrem、Franceから)として入手可能なマンニトールである。
【0023】
本発明は、更に上記の医薬錠剤であって、ここで、当該混合物において、第一のマンニトールが約79%から約86%の量で存在し、当該第二のマンニトールは約7.5%から約8.25%で存在する医薬錠剤を提供する。
【0024】
本発明は更に、上記の医薬錠剤であって、ここで、当該賦形剤が香味剤単独または着色剤と共に含まれる医薬錠剤を提供する。
【0025】
上記の状態の場合、着色剤は、例えば、水可溶性のフード・ドラッグ&コスメティック・アクト(FD&C)カラー、例えば、FD&C青色No.2(12%−14%)、カラー黄色#6 FD&C 明礬レーキ、およびカラー赤色#40 FD&Cレーキ35−42%)および/または香味剤、例えば、マンニトールおよびプロスイート(Prosweet(登録商標) N&A FL パウダーを含む人口甘味剤が使用されて当該錠剤に対して更なる望ましい物理的特徴を与えるのを助けてもよい。(Remington: The ScienceおよびPractice of Pharmacy、pages 862および863(Alfonso R. Gennaro ed.、20th ed.、2000))。 現在、好ましい着色剤は、FD&C 青色 No. 2(12%-14%)、カラー黄色 #6 FD&C 明礬レーキおよびカラー赤色 #40 FD&C レーキ35-42%である。現在好ましい香味剤は、プロスイート(登録商標) N&A FL パウダーである。
【0026】
本発明の一つの態様において、当該医薬錠剤は、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む:約2.5%の量のオランザピン;約85.55%の量の第一のマンニトール;約8.25%の量の第二のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および約0.7%の量の賦形剤。
【0027】
本発明のもう一つの態様において、当該医薬錠剤は、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む:約5%の量のオランザピン;約83.4%の量の第一のマンニトール;約8%の量の第二のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および約0.6%の量の賦形剤。
【0028】
更に本発明のもう一つの態様において、当該医薬錠剤は、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む:約7.5%の量のオランザピン;約81.15%の量の第一のマンニトール;約7.75%の量の第二のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および約0.6%の量の賦形剤。
【0029】
更なる本発明のもう一つの態様において、当該医薬錠剤は、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む:約10%の量のオランザピン;約79%の量の第一のマンニトール;約7.5%の量の第二のマンニトール;約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および約0.5%の量の賦形剤。
【0030】
本発明はまた、オランザピンでの治療を必要とする患者を治療する方法であって、当該患者に治療学的有効量の上記の何れかの医薬錠剤を投与することを具備する方法を提供する。
【0031】
「オランザピンでの治療を必要とする患者」は、これに限定するものではないが、中枢神経系障害、特に、精神障害、例えば、統合失調症、双極性障害、統合失調症および双極性I躁病に関連する激越に罹患する患者、または、双極性障害における維持療法を必要とする患者を含む。
【0032】
上記何れかの医薬錠剤の「治療学的有効量」は、典型的には成人患者に対して1日当たり約0.25 mgのオランザピンから1日当たり約50 mg オランザピンの投与量、好ましくは1日当たり約1 mgのオランザピンから1日当たり約30 mgのオランザピンおよび最も好ましくは1日当たり約5 mgのオランザピンから1日当たり約20 mgのオランザピンを提供する本発明の錠剤の投与回数および投与頻度である。典型的な単位投与量形態は、1日当たり5 mgのオランザピン、1日当たり10 mgのオランザピン、1日当たり15 mgのオランザピンまたは1日当たり20 mgのオランザピンである。
【0033】
「当該患者への投与」は、典型的には、1日1回または1日当たり複数回の効果的な経口投与である。上述の医薬錠剤は、単独で投与されても、または併用のリチウムまたはバルプロエート療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0034】
本発明はまた、何れかの上述の医薬錠剤の製造方法、当該錠剤を製造するためにその成分を適切な相対的な重量パーセントで組み合わせること、本明細書のより十分に記載されている通りの慣習的な錠剤化方法を使用することを提供する。本発明に従う錠剤は、それらが容易に且つ迅速に高いバッチから矛盾のないバッチで製造され得る特徴を有している。
【0035】
試験の詳細
例 1 − オランザピン医薬用経口崩壊錠(5 mg/錠)
精製水、USP(0.742 kg)およびエチルアルコール、USP 160 プルーフ、(3.712 kg)を、ステンレススチールコンテナ内でスパーテルで2分間混合する。次に、その精製水およびエチルアルコールの混合物を当該コンテナ内にきつく閉じ、更なる蒸発を防止し、後の使用のために取っておく。当該乾燥成分、即ち、一部分のマンニトール 35、NF(4.403 kg(錠剤の総重量の約 14.83%))、オランザピン(0.742 kg(約 2.5%))、ナトリウムデンプングリコレート(Explotab(登録商標))(0.891 kg(約 3%))、プロスイート(登録商標) N&A FL パウダー(0.148 kg(約 0.5%))、カラー赤色 #40 FD&C レーキ 35-42%(0.059 kg(約 0.2%))およびマンニトール、NF(Pearlitol(登録商標) 200SD)(2.450 kg(about 8.25%))を順に、別々に、#16ワイヤーステンレススクリーンまたは相当するものに通し、増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに添加する。当該乾燥成分を5分間増圧バーで1200RPMで混合する。残りのマンニトール 35、NF(21.0 kg(約 70.72%))を乾燥混合した成分に対して、残りのマンニトール35、NFを#16ワイヤーステンレススチールスクリーンまたは相当するものに通して添加し、増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに順に添加する。当該乾燥成分と残りのマンニトール35、NFを10分間1200RPMで増圧バーを用いて混合する。当該ツイン・シェル・ブレンダーの増圧バーポートにタイゴン(Tygon(登録商標))・マスター・フレックス・チュービング(Sant Gobain Performance Plastics, Akron,Ohioからのもの)を備えたポンプを使用し、前もって調製した純水およびエチルアルコールの混合物を、次に、当該混合した乾燥成分に添加する。当該湿潤混合物を増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダー中で増圧バーを用いて1200RPMで30秒間混合する。当該湿潤混合した混合物を粉砕機(Vector Model 820 Automated triturate Machine(登録商標) from Vector Corporation、Marion、Iowa)に添加し、当該湿潤混合した混合物を湿潤形成錠剤形態に、形成圧力約6.3kg/cm2または約90psiで形成する。当該湿潤形成錠剤形態を、次に50°F単位で熱風乾燥オーブンにおいて、当該錠剤形態が乾燥により水分終点1%から2%までのロスを示すまで乾燥する
表1は、1錠当たり5mgのオランザピンを含有する医薬用経口崩壊錠を製造するための上記の詳細な方法と組み合わせて使用される処方を提供する。
【表1】

【0036】
例 2 - オランザピンの医薬用経口崩壊錠(10 mg/錠)
純水、USP(0.742kg)およびエチルアルコール、USP 160 プルーフ、(3.712kg)を、ステンレススチールコンテナ中で2分間スパーテルで混合する。純水およびエチルアルコールのその混合物を次に当該コンテナにきつく閉じ込め、更なる蒸発を防止し、後の使用まで取り置く。乾燥成分、即ち、マンニトール 35、NF(4.765kg(錠剤の総重量の約16.05%))、オランザピン(1.485kg(約5%))、ナトリウムデンプングリコレート(Explotab(登録商標))(0.891kg(約3%))、プロスイート(登録商標) N&A FL パウダー(0.148kg(約0.5%))、カラー黄色#6 FD&C 明礬レーキ(0.030kg(約0.1%))、およびマンニトール、NF(Pearlitol(登録商標)200SD)(2.375kg(約8%))を、順に、別々に#16ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものに通して、増圧バーを有する2キュービック・フット・ツイン・シェル・Vブレンダーに順に添加する。当該乾燥成分を5分間、増圧バーで1200RPMで混合する。残りのマンニトール35、NF(20.0kg(約67.35%))を当該乾燥混合成分に対して当該残りのマンニトール35、NFを#16ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものに通し、増圧バーを有する2キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに添加する。当該乾燥成分と当該残りのマンニトール35、NFは、10分間増圧バーで1200RPMで混合する。当該ツイン・シェル・ブレンダーの増圧バーポートにタイゴン(Tygon(登録商標))・マスター・フレックス・チュービングを装備したポンプを使用して、前もって調製された純水およびエチルアルコールの混合物を次に、当該混合乾燥成分に添加する。その湿潤混合物を増圧バーを有する2キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダー内で1200RPMで増圧バーで30秒間混合する。当該湿潤混合した混合物を粉砕機(Vector Model 820 Automated triturate Machine(登録商標))に投入し、当該湿潤混合した混合物を、約6.3kg/cm2または約90psiの形成圧力により湿潤形成錠剤形態を形成する。当該湿潤錠剤形態を次に50°Fで熱風乾燥オーブンにおいて当該錠剤形態が乾燥により水分終点1%から2%までのロスを示すまで乾燥する。
【0037】
表2は、1錠当たり10mgのオランザピンを含有する医薬用経口崩壊錠を製造する上述の詳細な方法に関連して使用する処方を提供する。
【表2】

【0038】
例3 オランザピン医薬用経口崩壊錠(15mg/錠)
純水、USP(0.742kg)およびエチルアルコール、USP160プルーフ、(3.712kg)をステンレス・スチール・コンテナ中で2分間スパーテルで混合する。その純水およびエチルアルコールの混合物を次に、当該コンテナ中にきつく閉じ込め、更なる蒸発を防止する。当該乾燥成分、即ち、一部分のマンニトール35、NF(4.097kg(1錠の総重量の約13.8%))、オランザピン(2.227kg(約7.5%))、ナトリウムデンプングリコレート(Explotab(登録商標))(0.891kg(約3%))、プロスイート(登録商標)N&A FL パウダー(0.148kg(約0.5%))、FD&C青色No.2レーキ(12から14%)(0.030kg(約0.1%))、およびマンニトール、NF(Pealitol(登録商標)200SD)(2.301kg(約7.75%))を、順に、別々に、#16・ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものを通して、順に増圧バーを有する2キューブ・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに投入する。当該乾燥成分を、増圧バーで1200RPMで5分間混合する。残りのマンニトール35、NF(20.0kg(約67.35%))を、当該乾燥混合した成分に、当該残りのマンニトール35、NFを#16・ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものに通して、増圧バーを有する2キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに投入することにより添加する。当該乾燥成分と残りのマンニトール35、NFを増圧バーで1200RPMで10分間混合する。タイゴン(Tygon(登録商標))・マスター・フレックス・チュービングをツイン・シェル・ブレンダーの増圧バーポートに装備するポンプを使用して、以前に作った純水とエチレンアルコールの混合物を次に当該混合した乾燥成分に添加する。その湿潤混合物を増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダー中で増圧バーで1200RPMで30秒間混合する。その湿潤混合した混合物を粉砕機(Vector Model 820 Automated triturate Machine(登録商標))に入れ、当該湿潤混合した混合物を湿潤形成錠剤形態に形成圧力約6.3kg/cm2または約90psiにより形成する。当該湿潤形成錠剤形態を、次に、50°Fで熱風乾燥オーブン中で、当該錠剤形態が乾燥により水分終点1%から2%までのロスを示すまで乾燥する
表3は、1錠当たり15mgのオランザピンを含有する医薬用経口崩壊錠を製造する上述した詳細な方法と組み合わせ使用する処方を提供する。
【表3】

【0039】
例4 オランザピン医薬用経口崩壊錠(20mg/錠)
純水、USP(0.742kg)およびエチルアルコール、USP160プルーフ(3.712kg)を、ステンレス・スチール・コンテナ中で2分間スパーテルで混合する。その純水とエチルアルコールの混合物を、次に、当該コンテナにきつく閉じ込め、更なる蒸発を予防し、後の使用のために取り置く。当該乾燥成分、即ち、一部分のマンニトール35、NF(4.46kg(錠剤の総重量の約15.02%))、オランザピン(2.969kg(約10%))、ナトリウムデンプングリコレート(Explotab(登録商標))(0.891kg(約3%))、プロスイート(登録商標)N&A パウダー(0.148kg(約0.5%))、およびマンニトール、NF(Pearlitol(登録商標)200SD)(2.226kg(約7.5%))を順番に、別々に、#16・ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものに通し、増圧バーを伴う2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに順に添加する。当該乾燥成分を5分間1200RPMで圧縮バーで混合する。残りのマンニトール35、NF(19.0kg(約63.99%))を乾燥混合した成分に対して、当該残りのマンニトール35、NFを#16ワイヤー・ステンレス・スチール・スクリーンまたは相当するものを通し、増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーに入れることにより添加する。当該残りのマンニトール35、NFを含む乾燥成分を、増圧バーで1200RPMで10分間混合する。当該ツイン・シェル・ブレンダーの増圧バーポートにタイゴン(Tygon(登録商標))・マスター・フレックス・チュービングを装備するポンプを使用して、以前に作った純水とエチルアルコールの混合物を、次に、当該混合した乾燥成分に添加する。その湿潤混合物を、増圧バーを有する2・キュービック・フット・ツイン・シェル・V・ブレンダーで30秒間1200RPMで当該増圧バーで混合する。その湿潤混合された混合物を粉砕機(Vector Model 820 Automated triturate Machine(登録商標))に入れ、当該湿潤混合された混合物を、約6.3kg/cm2または約90psiの形成圧力により湿潤形成錠剤形態に形成する。当該湿潤形成錠剤形態を次に、熱風乾燥オーブンで50°Fで当該錠剤形態が乾燥により水分終点1%から2%までのロスを示すまで乾燥する。
【0040】
表4は、1錠当たり20mgのオランザピンを含有する経口崩壊医薬錠剤を製造する上述の詳細な方法と組み合わせて使用される処方を提供する。
【表4】

【0041】
オランザピンの上記の錠剤は、2%未満の脆砕性、20秒以下の崩壊時間を有する。
【0042】
オランザピンの錠剤の5 mg、10 mg、15 mgおよび20 mgのそれぞれの安定性は、25℃±2℃/60%RH±5%RHで、24時間に亘り、当該粉砕物の化学的分析により試験した。更に、または代替的に、安定性を、24ヶ月の貯蔵に相当する40℃/75%RHで12週間の促進した状況で試験してもよい。安定性は、オランザピンのHPLCアッセイおよび総不純物の有機HPLCアッセイにより検証される。オランザピンの5mg、10mg、15mgおよび20mg錠剤は、試験期間を通して安定であることが明らかにされている。
【0043】
オランザピンの上記錠剤は、空隙率約34%を有するという特徴を有する。空隙率(%)は、以下のように測定できる:
100 X 錠剤の体積−−(錠剤の重量)/(成分の真の密度)
錠剤の体積
ここで、当該「錠剤の体積」は0.1887 mLであり、当該「錠剤の重量」は0.204 gであり、当該「成分の真の密度」は1.636 g/mLである。
【0044】
オランザピンの上記錠剤は、また、約1060-1100mg/mlの密度と、約0.12%の落下衝撃強度(falling impact strength)を有する。密度は、メスシリンダーに錠剤を注ぐこと、当該サンプルの総重量より錠剤の占める体積を割ることにより測定することにより得られてよい。落下衝撃強度は、30cmの高さから錠剤をガラスプレートに落下し、破壊の%程度を測定することにより得られてよい。
【0045】
オランザピンの上記錠剤は、更に、約1−6kpの硬度(粉砕強度)で平均硬度が約3kp(1kp=1kgf)を有することを特徴とする。硬度は標準的な硬度テスター、例えば、Dr. Schleuniger(登録商標)タブレットハードネステスター(Dr. Schleuniger Pharmatron AG、Solothum、Switzerland)などを使用して測定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む医薬用経口崩壊錠:
a)約2.5%から約10%の量の活性成分としてのオランザピン;
b)約75% から約95%の量のマンニトール;
c)約1.0% から約10%の量の崩壊剤;および
d)約0.1% to約10%の総量の1以上の賦形剤。
【請求項2】
1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含む請求項1に記載の医薬用錠剤:
a)約2.5% から約10%の量の活性成分としてのオランザピン;
b)約86.5% to約94%の量のマンニトール;
c)約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;ここで、前記ナトリウムデンプングリコレートは、ジャガイモデンプンから得られたポリ-α-グリコピラノースの架橋され、低置換されたカルボキシメチルエーテルであり、および粒子サイズの中央値が約35 μm から約55 μmの範囲を有する;および
d)約0.5%の量の賦形剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医薬用錠剤であって、前記マンニトールが、平均粒子サイズが約35 μmであり、水可溶性が20℃で約 250g/l である第一のマンニトールと、平均粒子サイズが約 200 μmであり、多孔性結晶粒子構造を有し、水可溶性が20℃で約 170 g/l である第二のマンニトールとの混合物を含む医薬用錠剤。
【請求項4】
請求項3に記載の医薬用錠剤であって、前記混合物において第一のマンニトールが約 79%から約 86%で存在し、第二のマンニトールが約 7.5 %から約 8.25 %で存在する医薬用錠剤。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の医薬用錠剤であって、前記賦形剤が香味剤を単独で、または着色剤と共に含有する医薬用錠剤。
【請求項6】
請求項2に記載の医薬用錠剤であって、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含有する医薬用錠剤:
a)約2.5%の量のオランザピン;
b)約85.55%の量の第一のマンニトール;
c)約8.25%の量の第二のマンニトール;
d)約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および
e)約0.7%の量の賦形剤。
【請求項7】
請求項2に記載の医薬用錠剤であって、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含有する医薬用錠剤:
a)約5%の量のオランザピン;
b)約83.4%の量の第一のマンニトール;
c)約8%の量の第二のマンニトール;
d)約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および
e)約0.6%の量の賦形剤。
【請求項8】
請求項2に記載の医薬用錠剤であって、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含有する医薬用錠剤:
a)約7.5%の量のオランザピン;
b)約81.15%の量の第一のマンニトール;
c)約7.75%の量の第二のマンニトール;
d)約3%の量のナトリウムデンプングリコレート; および
e)約0.6%の量の賦形剤。
【請求項9】
請求項2に記載の医薬用錠剤であって、1錠当たり以下の成分を以下の重量パーセントで含有する医薬用錠剤:
a)約10%の量のオランザピン;
b)約79%の量の第一のマンニトール;
d)約7.5%の量の第二のマンニトール;
d)約3%の量のナトリウムデンプングリコレート;および
e)約0.5%の量の賦形剤。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の医薬用錠剤の治療的に有効な用量を患者に投与することを具備するオランザピンでの治療を必要とする患者の治療方法。
【請求項11】
請求項1から9に記載の相対的な重量パーセントで当該成分を含む請求項1から9の何れか1項に記載の医薬用錠剤の製造方法。

【公表番号】特表2008−536922(P2008−536922A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507712(P2008−507712)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/013516
【国際公開番号】WO2006/115770
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(502439348)テバ・ファーマシューティカルズ・ユーエスエー・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】