説明

オレフィンモノマーの接触オリゴマー化

a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;b)一般式(I)を有する第1リガンド;(R)(R)P−X−P(R)(R)(I)[式中、Xは、式−N(R)−の架橋基であり、ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され;RからRの少なくとも3つは、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され;場合により、RからRの1つは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。]c)一般式(II)を有する第2リガンド;(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’)(II)[式中、X’は、一般式(I)の成分(b)、第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり;R1’からR4’の少なくともR1’およびR2’は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、;場合により、R3’およびR4’の、一方または両方は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、または両方共これから選択されない。]を含む触媒前躯体組成物。また本発明は、本発明の触媒前躯体組成物および付加的成分、d)共触媒を含む触媒系に関する。さらに本発明は、オレフィンモノマーの三量体化および四量体化、特にエチレンの1−ヘキセンおよびl−オクテンへの三量体化および四量体化のためのプロセスに関し,このプロセスは、少なくとも1つのエチレンモノマーを本発明の触媒系と接触させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィンモノマーのオリゴマー化のための触媒系に関する。本発明は、またオレフィンモノマーのオリゴマー化のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エチレンの1−ヘキセンおよび1−オクテンへの三量体化および四量体化など、オレフィンモノマーの効率的な接触三量体化または四量体化は、さまざまな商品的価値のオレフィン三量体および四量体の生産に関して大いに関心が持たれる分野である。特に1−ヘキセンは、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のための価値あるコモノマーであり、1−オクテンは、可塑剤アルコール、脂肪酸、合成洗剤アルコールおよび潤滑油添加物の生産における化学中間産物として、ならびにポリエチレンなどのポリマーにおける貴重なコモノマーとして貴重である。1−ヘキセンおよび1−オクテンは、在来の遷移金属オリゴマー化法によって生産することができるが、三量体化および四量体化の経路が好ましい。
【0003】
エチレンの1−ヘキセンへの三量体化に関し、いくつかの異なる触媒系が当該技術において開示されている。これら触媒の多くは、クロムをベースとしている。
【0004】
US−A−5198563(Phillips)は、オレフィンの三量体化に有用な単座アミンリガンドを含むクロムベースの触媒を開示している。
【0005】
US−A−5968866(Phillips)は、エチレンのオリゴマー化/三量体化プロセスを開示しており、このプロセスは不斉配位三座ホスファン、アルサンまたはスチバンリガンドおよび1−ヘキセンが濃縮されているα−オレフィンを生成するためのアルミノキサンを含有するクロム錯体を含む触媒を使用する。
【0006】
US5523507(Phillips)は、エチレンの1−ヘキセンへの三量体化のための、クロムの供給源、2,5−ジメチルピロールリガンドおよびアルキルアルミニウム活性剤ベースの触媒を開示している。
【0007】
Chem.Commun.2002、8、858−859(BP)は、エチレンの三量体化のための触媒として、ArPN(Me)PAr型式リガンド(Arは、オルトーメトキシ−置換アリール基を表す)のクロム錯体を開示している。
【0008】
WO02/04119(BP)は、クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源、少なくとも1つのヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビル基(極性置換基を有するが、全てのかかる極性置換基がリン、アルサンまたはスチバン基である場合を除く)に結合した少なくとも1つのリン、ヒ素またはアンチモン原子を含有するリガンド、および場合により活性剤を含むオレフィンの三量体化のための触媒を開示している。多くの実施例に使用されたリガンドは、(2−メトキシフェニルl)PN(Me)P(2−メトキシフェニル)である。
【0009】
上で述べたBP文献において開示された触媒は、C留分内の1−ヘキセンに関して良好な選択性を有するが、相対的に高い水準の副生成物(例えば、C10副生成物)の生成が一般に観察される。
【0010】
WO2005/039758(Shell)は、三量体化触媒組成および前記触媒組成を使用するオレフィンモノマーの三量体化プロセスを開示している。
【0011】
エチレンの1−オクテンへの四量体化のための触媒系が最近記述されている。これら触媒のいくつかはクロムベースである。
【0012】
WO2004/056478およびWO2004/056479(Sasol)は、触媒組成物およびオレフィンの四量体化のプロセスを開示している。WO2004/056478において開示されている触媒組成物は、遷移金属および一般式(R)A−B−C(R)(式中、AおよびCは、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、ビスマス、硫黄、セレン、および窒素を含む基から独立に選択され、BはAとCの間の結合基であり、Rは、少なくとも1つのR基が極性置換基によって置換された任意のホモまたはヘテロヒドロカルビル基から選択され、nおよびmはAおよび/またはCそれぞれの原子価および酸化状態によって決定される)を有するヘテロ原子リガンドを含む。WO2004/056479において開示されている触媒組成は、遷移金属および一般式(R’)A−B−C(R’)(式中、A、B、C、nおよびmは上で定義した通りであり、R’は、任意のホモまたはヘテロヒドロカルビル基から独立に選択される。)を有するヘテロ原子リガンドを含む。
【0013】
WO2004/056480(Sasol)は、タンデムの四量体化およびエチレンの重合について開示している。具体的には、WO2004/056480はオレフィンを重合して、別個の重合触媒と別個の四量体化触媒の存在の下、分枝ポリオレフィンを生成するプロセスを開示しており、ここで四量体化触媒は、選択率30%超において1−オクテンを生成し、生成された1−オクテンは、少なくとも部分的にポリオレフィン鎖に組み込まれる。
【0014】
上述のSasolの文献において開示された四量体化触媒は、C留分内の1−オクテンに関して良好な選択性を有しているが、ここでもまた相対的に高い水準の副生成物生成が観察される。一般に副生成物はC組成物で構成されるが、C副生成物組成物の70から80重量%だけが1−ヘキセンであり、残りのC副生成物組成物は、メチルシクロペンタンおよびメチレンシクロペンタンなどの化合物を含んでいる。商用的な用途または価値がほとんど無いこれら残存C副生成物組成の存在は、経済的観点および製品分離の観点の両方から非常に望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
驚くべきことに、本発明の触媒系およびプロセスが、エチレンからの1−ヘキセンおよび1−オクテンの選択的生成のための有効な経路を提供し、一方では副生成物、特にC10副生成物、固体(すなわち、重質ワックスおよび/またはポリエチレン)および1−ヘキセン以外のC組成物/異性体の生成の水準を低減させることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)を有する第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され;
からRの少なくとも3つは、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され;
場合により、RからRの1つは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。]
c)一般式(II)を有する第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の成分(b)、第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり;
1’からR4’の少なくともR1’およびR2’は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、;
場合により、R3’およびR4’の、一方または両方は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、または両方共これから選択されない。]
を含む触媒前躯体組成物に関する。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、本発明の触媒前躯体組成物および追加成分
d)共触媒
を含む触媒系にも関する。
【0018】
本発明は、またオレフィンモノマーのための三量体化および四量体化のプロセス、特にエチレンの1−ヘキセンおよび1−オクテンへの三量体化および四量体化に関係し、ここで前記プロセスは、三量体化および四量体化反応条件の下で、少なくとも1つのオレフィンモノマーを本発明の触媒系と接触させることを含む。
【0019】
本発明は、さらに本発明の触媒系のオレフィンモノマーの三量体化および四量体化、特にエチレンの1−ヘキセンおよび1−オクテンへの三量体化および四量体化のための使用に関する。
【0020】
(発明の詳細)
本明細書で使用する場合、「三量体化」という用語は、オレフィンモノマーの接触三量体化を意味し、3つの前記オレフィンモノマーの反応から誘導された化合物中に濃縮され生成物組成を得ることを意味する。三量体化という用語には、供給流中全てのオレフィンモノマーが同一である場合ならびに供給流が2つまたはそれ以上の異なるオレフィンモノマーを含む場合を含む。
【0021】
特にエチレンの三量体化に関して使用する場合、「三量体化」という用語は、Cアルケン、特に1−ヘキセンを生成するためのエチレンの三量体化を意味する。
【0022】
エチレンの三量体化に関して使用される場合、「三量体化選択率」という用語は、生成物組成中に生成されたC留分の量を意味する。
【0023】
エチレンの三量体化に関して使用される場合、「1−ヘキセン選択率」という用語は、生成物組成中のC留分中に生成された1−ヘキセンの量を意味する。エチレンの三量体化における1−ヘキセンの全収率は、「三量体化選択率」と「1−ヘキセン選択率」を掛け合わせた積である。
【0024】
「四量体化」という用語は、オレフィンモノマーの触媒四量体化を意味し、前記オレフィンモノマーの4つの反応から誘導された化合物中に濃縮され生成物組成を得ることを意味する。四量体化という用語には、供給流中全てのオレフィンモノマーが同一である場合ならびに供給流が2つまたはそれ以上の異なるオレフィンモノマーを含む場合を含む。
【0025】
特にエチレンの四量体化に関して使用される場合、「四量体化」という用語は、Cアルケン、特に1−オクテンを生成するためのエチレンの四量体化を意味する。
【0026】
エチレンの四量体化に関して使用される場合、「四量体化選択率」という用語は、生成物組成中に生成されたC留分の量を意味する。
【0027】
エチレンの四量体化に関して使用される場合、「1−オクテン選択率」という用語は、生成物組成中のC留分中に生成された1−オクテンの量を意味する。エチレンの四量体化における1−オクテンの全収率は、「四量体化選択率」と「1−オクテン選択率」を掛け合わせた積である。
【0028】
本発明の一実施形態において、触媒前躯体組成物は以下の成分を含む。
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)第1リガンド;および
c)第2リガンド
本発明の別の実施形態において、触媒系は以下の成分を含む。
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)第1リガンド;
c)第2リガンド;および
d)共触媒
これら4つの触媒成分について、以下に詳しく説明する。
【0029】
触媒系のための成分(a)のクロム、モリブデンまたはタングステンの供給源は、クロム、モリブデンまたはタングステンの単純な無機および有機塩を含むことができる。単純な無機および有機塩の例は、ハロゲン化物、アセチルアセトネート、カルボキシレート、酸化物、硝酸塩、硫酸塩などである。さらなるクロム、モリブデンまたはタングステンの供給源は、三塩化クロムトリス−テトラヒドロフラン錯体、(ベンゼン)トリカルボニルクロム、ヘキサカルボニルクロムなどの配位および有機金属錯体を含むこともできる。触媒系のための成分(a)のクロム、モリブデンまたはタングステンの供給源は、クロム、モリブデンまたはタングステンの単純な無機および有機塩から選択されることが好ましい。
【0030】
本発明の一実施形態において、触媒系のための成分(a)のクロム、モリブデンまたはタングステンの供給源は、クロム、モリブデンまたはタングステンの単純な無機および有機塩であって、これはWO02/04119において述べられているような溶媒に可溶性である。
【0031】
クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源は、単純な無機塩、単純な有機塩、配位錯体および有機金属錯体の任意の組合せの混合物を含むことができる。
【0032】
本明細書における好ましい実施形態において、成分(a)は、クロム、特にクロム(III)の供給源である。
【0033】
本明細書において使用するための好ましいクロムの供給源は、クロムの単純な無機または有機塩およびクロムの配位または有機金属錯体である。本明細書において使用するためのより好ましいクロムの供給源は、カルボン酸の塩などの、クロムの単純な無機および有機の塩、好ましくは1個から30個の炭素原子を含有するアルカン酸の塩、脂肪族−βジケトンの塩およびβ−ケトエステルの塩(例えばクロム(III)2−エチルヘキサノエート、クロム(III)オクタノエートおよびクロム(III)アセチルアセトノエート)、および三塩化クロム、三塩化クロムトリス−テトラヒドロフラン錯体、三臭化クロム、三フッ化クロム、および三ヨウ化クロムなど、クロムのハロゲン塩である。本明細書で使用する好ましいクロム供給源の具体例は、クロム(III)アセチルアセトネートであり、同じくクロムトリス(2,4−ペンタンジオネート)、Cr(acac)、三塩化クロム、CrCl、および三塩化クロムトリス−テトラヒドロフラン錯体、CrCl(THF)が挙げられる。
【0034】
本発明の成分(b)の触媒前躯体組成物および/または触媒系の第1リガンドは、一般式(I)である。
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
式中、XおよびRからRは上で定義されている。
【0035】
架橋基Xは、式−N(R)−であり、式中Rは、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体であることが好ましい。一般に、Rは、水素あるいはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニルオキシ、アルコキシ、アミノカルボニル、カルボニルアミノ、ジアルキルアミノ、シリル基またはこれらの誘導体、およびこれら置換基のいずれかによって置換されたアルキルもしくはアリール基、またはハロゲン、またはニトロ基から成る基から選択される。Rは、アルキル、置換アルキル(NまたはOなどの少なくとも1つのヘテロ原子で複素環式に置換されたアルキル、およびヘテロ原子またはヘテロ原子団で置換されたアルキル基を含む)、シクロアルキル、置換シクロアルキル、置換環状アリール、置換アリール、アリールオキシまたは置換アリールオキシ基であることがより好ましい。R基の適切な例には、C−C15アルキル基、置換C−C15アルキル基、C−C15アルケニル基、置換C−C15アルケニル基、C−C15シクロアルキル基、置換C−C15シクロアルキル基、C−C15芳香族基、置換C−C15芳香族基、C−C15アルコキシ基および置換C−C15アルコキシが含まれる。最も好ましいR基は、C−C15アルキル基、特にC−Cアルキル基であり、これらは直鎖および分枝両方のアルキル基を含み;適切な例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、アルキル分枝ペンチル基、ヘキシル、アルキル分枝ヘキシル基、ヘプチル、アルキル分枝ヘプチル基、オクチルおよびアルキル分枝オクチル基が含まれる。
【0036】
適切な架橋基には、N(メチル)−、−N(エチル)−、−N(プロピル)−、−N(イソプロピル)−、−N(ブチル)−、−N(t−ブチル)−、−N(ペンチル)−、−N(ヘキシル)−、−N(2−エチルヘキシル)−、−N(シクロヘキシル)−、−N(1−シクロヘキシルエチル)−、−N(2−メチルシクロヘキシル)−、−N(ベンジル)−、−N(フェニル)−、−N(2−オクチル)−、−N(p−メトキシフェニル)−、−N(p−t−ブチルフェニル)−、−N((CH−N−モルホリン)−、−N(Si(CH)−、−N(CHCHCHSi(OMe)))−、−N(デシル)−および−N(アリル)−が含まれる。
【0037】
本明細書で使用する場合、「ヒドロカルビル」という用語は、炭素および水素原子だけを含む基を指す。ヒドロカルビル基は、飽和または不飽和でもよく、直鎖または分枝のアルキルでもよく、非芳香族環または芳香族環でもよい。別段の記述が無い限り、本明細書で使用する好ましいヒドロカルビル基は、1個から20個の炭素原子を含むものである。
【0038】
本明細書で使用する場合、「置換ヒドロカルビル」という用語は、官能基を含んでいる1つまたは複数の不活性ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基を指す。「官能基を含んでいる不活性ヘテロ原子」は、三量体化および四量体化のプロセスに.いかなる実質的な程度の干渉もしない官能基を意味する。
【0039】
本明細書で使用する場合、「ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1つまたは複数の炭素原子が、S、NまたはOなどのヘテロ原子で置換されたヒドロカルビル基を指す。ヘテロ原子によって置換されたヒドロカルビル基の炭素原子は、ヒドロカルビル基の内部炭素原子かまたはそれを通してヘテロヒドロカルビル基が付着している炭素原子、例えば架橋基の場合の窒素原子に付着している原子、例えば−N(OMe)などのいずれかとすることができる。本明細書で使用する場合、「置換ヘテロヒドロカルビル」という用語は、官能基を含んでいる1つまたは複数の不活性ヘテロ原子を含むヘテロヒドロカルビル基を指す。
【0040】
本明細書で使用する場合、「芳香族」という用語は、5個から14個の環原子を有し、場合によりN、OおよびSから選択される1個から3個のヘテロ原子を含む、単環式または多環式の、芳香族またはヘテロ芳香族の環を指す。芳香族基は、シクロペンタジエニル(これは、フェロセニル基を含むこともできる)、フェニル、ナフチルまたはアントラセニルなどの単環式または多環式芳香族環であることが好ましい。特段の記述が無い限り、好ましい芳香族基は、5個から10個の環原子を有する単環式または多環式芳香族環であり、より好ましい芳香族基は、フェニルおよびシクロペンタジエニルなどの、5個から6個の環原子を含む単環式芳香族環であり、最も好ましい芳香族基はフェニル基である。本明細書で使用する場合、「置換芳香族」という用語は、1つまたは複数の置換基で置換することもできる芳香族基を意味する。
【0041】
からRの芳香族基に関して使用する場合の「オルト位」という用語は、置換基がリン原子に結合している原子に関してオルトの位置にあることを意味する。
【0042】
からR基上の置換基は、炭素原子および/またはヘテロ原子を含むことができる。置換基は、極性でも非極性でもよい。適切な置換基には、ヒドロカルビル基が含まれ、これは直鎖または分枝でも、飽和または不飽和でも、芳香族または非芳香族でもよい。ヒドロカルビル置換基は、場合によりSi、S、NまたはOなどのヘテロ原子を含むこともできる。適切な芳香族ヒドロカルビル基には、好ましくはフェニルおよびC−Cアルキルフェニル基など、環中に5個から10個の炭素原子を有している、単環式および多環式芳香族基が含まれる。適切な非芳香族ヒドロカルビル置換基には、好ましくは1個から10個の炭素原子、より好ましくは1個から4個の炭素原子を有する、直鎖もしくは分枝のアルキルまたはシクロアルキル基が含まれる。
【0043】
他の適切なRからR基上の置換基には、塩化物、臭化物およびヨウ化物などのハロゲン化物、チオール、−OH、A−O−、−S−A、−CO−A、−NH、−NHA、−NA、−CO−NA、−NO、=O、(ここで、AおよびAは、独立に、好ましくは1個から10個の炭素原子、より好ましくは1個から4個の炭素原子を有する非芳香族基、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルである)が含まれる。
【0044】
第1リガンドのRからR基が置換されている場合、好ましい置換基はヒドロカルビル基である。特に好ましいヒドロカルビル基は、C−Cアルキル基であり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、最も好ましくはメチルである。
【0045】
第1リガンドの一実施形態において、RからR基の3つは、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有しており、RからR基の1つは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合は、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。第1リガンドの別の実施形態において、RからR基の4つの全ては、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有している。
【0046】
第1リガンドのRからR基の少なくとも3つは、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有している。疑いを避けるために、「オルト位の少なくとも1つに極性置換基を有している」という語句は、同じリガンドにおいて、極性置換基を有するRからR基が、これらのオルト位の一方または両方の置換基で置換されていることを意味する。
【0047】
場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有している第1リガンドのRからR基に関する「場合により置換された」という用語は、オルト位の少なくとも1つの極性置換基に加えて、RからR基が1つまたは複数の置換基を含むこともあることを意味する。
【0048】
極性とは、IUPACによって、永久双極子モーメントを組み込んだ実体であると定義されている。したがって、本明細書で使用する場合、「極性置換基」は永久双極子モーメントを組み込んだ置換基を意味する。
【0049】
本明細書で使用する適切な極性置換基には、それだけには必ずしも限定されないが、場合により分枝したC−C20アルコキシ基、すなわち酸素架橋原子を通して結合しているヒドロカルビル基で置換されたRからR;場合により置換されたC−C14アリールオキシ基、すなわち酸素架橋原子を通して結合している場合により置換された芳香族基で置換されたRからR;場合により分枝したC−C20アルコキシ(C−C20)アルキル基、すなわちC−C20アルコキシ基を有するC−C20ヒドロカルビル基によって置換されたRからR;ヒドロキシル;アミノ;(ジ−)C−Cアルキルアミノ;ニトロ;C−Cアルキルスルホニル;C−Cアルキルチオ(C−C)アルキル基;サルフェート;複素環基、特に少なくとも1つのNおよび/またはO環原子を有する複素環基;およびトシル基が含まれる。
【0050】
適切な極性置換基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、フェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、トリメチルシロキシ、ジメチルアミノ、メチルスルホニル、トシル、メトキシメチル、メチルチオメチル、1,3−オキサゾリル、ヒドロキシル、アミノ、メトキシメチル、ホスフィノ、アルシノ、スチビノ、サルフェート、ニトロなどが含まれる。
【0051】
好ましくは、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有するRからR基の極性置換基は、場合により分枝したC−C20アルコキシ基、場合により置換されたC−C14アリールオキシ基、および場合により分枝したC−C20アルキル(C−C20)アルコキシ基から独立に選択される。より好ましくは、極性置換基は、場合により分枝したC−C20アルコキシ基、特に、例えば、メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシ(この中でメトキシが特に好ましい置換基である)など、場合により分枝したC−Cアルコキシ基から独立に選択され;あるいは、場合により分枝したC−C20アルコキシ基などの場合により分枝したより長いC−C20アルコキシ基、例えば、デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシまたはエイコサンオキシ基(この中でエイコサンオキシが好ましい)が、有機媒体中のリガンドの溶解性を増加するための極性置換基として好ましいこともある。
【0052】
場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有する第1リガンドのRからR基は、同一であり同じ数および同じ型式の置換基を有していることが好ましい。前記RからR基のそれぞれが、例えばo−アニシルなど、それらの2つのオルト位の1つだけに極性置換基を有していることが特に好ましい。
【0053】
からRの1つが、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、その基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない第1リガンドの第1実施形態において、前記RからR基のそれぞれが、置換または非置換ヘテロ芳香族を含めて、オルト位のいずれにも極性置換基を含んでいない、置換または非置換芳香族基から独立に選択されることが好ましい。
【0054】
前記第1実施形態の一態様において、前記RからR基は、場合により置換されたベンジル、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、トリロキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、チオフェニル、ピリジル、チオエチル、チオフェノキシ、トリメチルシリル、ジメチルヒドラジル、メチル、エチル、エテニル、プロピル、ブチル、プロペニル、プロピニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェロセニルおよびテトラヒドロフラニル基を含む基から独立に選択することもできる。第1リガンドの別の実施形態において前記RからR基は、場合により置換されたフェニル、トリル、ビフェニル、ナフチル、チオフェニルおよびエチル基を含む基から独立に選択することもできる。
【0055】
前記第1実施形態の第2態様において、前記RからR基は、オルト位のいずれにも極性置換基を含んでいないか、あるいはいかなる極性置換基も全く含んでいない、場合により置換されたフェニル基から独立に選択される。前記RからR基に存在するどの極性置換基も、電子供給性であることもできる。前記RからR基は、場合により非極性置換基を含むこともできる。
【0056】
IUPACは、非極性を永久双極子モーメントの無い実体として定義している。
【0057】
適切な非極性置換基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、2−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンタジエニル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、キシリル、メシチル、エテニル、プロペニルおよびベンジル基などであることもできる。非極性置換基は、電子供給性でないことが好ましい。
【0058】
前記第1実施形態の特定の態様において、前記RからR基は、非置換フェニル基である。
【0059】
場合により、RからR基のいずれかは、1つまたは複数のお互いに対してまたは架橋基Xに対して結合し、環式構造を形成することもできる。
【0060】
式(I)によるリガンドは、当業者に知られているかまたは発行された文献において開示されている手順を使用して調製することができる。かかる化合物の例には、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(メチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(エチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(メチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(エチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(メチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(エチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(エチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(プロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−エトキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(プロピル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−エトキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(t−ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(ブチル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メ
トキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−エトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(フェニル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−エトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−エトキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−イソプロポキシフェニル)PN(シクロヘキシル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(フェニル)P(2−イソプロポキシフェニル)、(2−エイコサノキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(2−エイコサノキシフェニル)、(2−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(2−エイコサノキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(2−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(2−エイコサノキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)PN(メチル)P(2−エイコサノキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)(2−エイコサノキシフェニル)PN(イソプロピル)P(2−エイコサノキシフェニル)などが含まれる。
【0061】
本発明の成分(c)の触媒前躯体組成物および/または触媒系の第2リガンドは、一般式(II)である。
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
式中、X’およびR1’からR4’は、上で定義した通りである。
【0062】
第2リガンドの第1実施形態において、R1’およびR2’基は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、R3’およびR4’基は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。第2リガンドの別の実施形態において、R1’、R2’ならびにR3’およびR4’基の少なくとも1つは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、R3’またはR4’基の1つは、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。第2リガンドの別の実施形態において、R1’からR4’基の4つの全ては、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。
【0063】
3’またはR4’基の1つまたは2つを含むオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択されるR3’またはR4’基の1つまたは2つを含む第2リガンドの実施形態において、前記R3’またはR4’基は、一般式(I)の成分(b)の第1リガンドにおいて、それぞれがオルト位の少なくとも1つに極性置換基を有し、場合によって置換された芳香族基から独立に選択されたRからR基の少なくとも3つに関して定義した通りである。
【0064】
ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない第2リガンドのR1’からR4’基の少なくともR1’およびR2’は、一般式(I)の成分(b)の第1リガンドにおいて、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まないRからR基の任意の1つに関して定義した通りである。
【0065】
1’からR4’が、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない第2リガンドの一実施形態において、前記R1’からR4’は、ヘテロ芳香族を含む芳香族であり、但し、R1’からR4’基の1つ、2つまたは3つだけが、リン原子に結合している原子に隣接する原子上で任意の置換基により置換されていることができ、または3つ共置換されておらず、好ましくは、R1’からR4’基の2つ以下が、リン原子に結合している原子に隣接する原子上に置換基を有することもできる。
【0066】
本発明の別の実施形態において、第2リガンドの一方または両方のリン原子は、S、Se、NまたはOにより独立に酸化することもできる。一般に、第2リガンドのリン原子のどれも、S、Se、NまたはOによって酸化されない。
【0067】
また第2リガンドは、場合により複数の(R1’)(R2’)P−X−P(R3’)(R4’)単位を含むこともできる。かかるリガンドの限定されない例には、個々の単位が、R1’、R2’、R3’またはR4’基の1つまたは複数を介して、または架橋基Xを介してのいずれかで結合したリガンドが含まれる。一般に、第2リガンドは、複数の(R1’)(R2’)P−X−P(R3’)(R4’)単位を含まない。
【0068】
リガンドは、当業者に知られているかまたは発行された文献において開示されている手順を使用して調製することができる。
【0069】
本発明による一般式式(II)の第2リガンドの例には、(3−メトキシフェニル)PN(メチル)P(3−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(メチル)P(4−メトキシフェニル)、(3−メトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(3−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(イソプロピル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(2−エチルヘキシル)P(4−メトキシフェニル)、(3−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(3−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(3−メトキシフェニル)(フェニル)、(4−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(4−メトキシフェニル)(フェニル)、(3−メトキシフェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(1−シクロヘキシルエチル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(2−メチルシクロヘキシル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(デシル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(ペンチル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(ベンジル)P(4−メトキシフェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(フェニル)P(4−メトキシフェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(4−フルオロフェニル)PN(メチル)P(4−フルオロフェニル)、(4−ジメチルアミノ−フェニル)PN(メチル)P(4−ジメチルアミノ−フェニル)、(4−メトキシフェニル)PN(アリル)P(4−メトキシフェニル)、(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、(4−(4−メトキシフェニル)−フェニル)PN(イソプロピル)P(4−(4−メトキシフェニル)−フェニル)、(4−メトキシフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、1,2−ジ−(N(P(4−メトキシフェニル))−ベンゼン、1,4−ジ−(N(P(4−メトキシフェニル))−ベンゼン、N(CHCHN(P(4−メトキシフェニル)および1,4−ジ−(P(4−メトキシフェニル)N(メチル)P(4−メトキシフェニル))−ベンゼン。(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(フェニル)PN(ペンチル)P(フェニル)、(フェニル)PN(フェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN(p−メトキシフェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN(p−t−ブチルフェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN((CH−N−モルホリン)P(フェニル)、(フェニル)PN(Si(CH)P(フェニル)、(エチル)PN(メチル)P(エチル)、(エチル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、(エチル)(フェニル)PN(メチル)P(エチル)(フェニル)、(エチル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、(フェニル)P(=Se)N(イソプロピル)P(フェニル)、(o−エチルフェニル)(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、(o−メチルフェニル)PN(イソプロピル)P(o−メチルフェニル)(フェニル)、(フェニル)PN(ベンジル)P(フェニル)、(フェニル)PN(1−シクロヘキシル−エチル)P(フェニル)、(フェニル)PN[CHCHCHSi(OMe)]P(フェニル)、(フェニル)PN(シクロヘキシル)P(フェニル)、(フェニル)PN(2−メチルシクロヘキシル)P(フェニル)、(フェニル)PN(アリル)P(フェニル)、(2−ナフチル)PN(メチル)P(2−ナフチル)、(p−ビフェニル)PN(メチル)P(p−ビフェニル)、(p−メチルフェニル)PN(メチル)P(p−メチルフェニル)、(2−チオフェニル)PN(メチル)P(2−チオフェニル)、(m−メチルフェニル)PN(メチル)P(m−メチルフェニル)、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、(フェニル)P(=S)N(イソプロピル)P(フェニル)、1,2−ジ−(N(P(フェニル))−ベンゼン、1,4−ジ−(N(P(フェニル))−ベンゼン、N(CHCHN(P(フェニル)、1,4−ジ−(P(フェニル)N(メチル)P(フェニル))−ベンゼン、(3−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(3−エイコサノキシフェニル)、(4−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(4−エイコサノキシフェニル)、(3−エイコサノキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(3−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(3−エイコサノキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(3−エイコサノキシフェニル)(フェニル)、(4−エイコサノキシフェニル)(フェニル)PN(メチル)P(4−エイコサノキシフェニル)(フェニル)、(4−エイコサノキシフェニル)PN(メチル)P(4−エイコサノキシフェニル)(フェニル)などが含まれる。
【0070】
本発明の特定の一実施形態において、触媒前躯体組成物は、
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)を有する第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され、
からRの4つの全ては、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。]および
c)一般式(II)を有する第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の成分(b)の第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり、
1’およびR2’は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、および
3’およびR4’は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。]
を含む。
【0071】
本発明の別の特定の実施形態において、触媒組成物は、
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)を有する第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され、
全てのRからRの4つの全ては、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。]および
c)一般式(II)を有する第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の成分(b)の第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり、
1’およびR2’は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、
3’およびR4’は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。]および
d)共触媒
を含む。
【0072】
本発明の別の特定の実施形態において、触媒前躯体組成物は、
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)の第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され、
からRの4つの全ては、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有し、場合により置換された芳香族基から独立に選択される。]および
c)一般式(II)の第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり、
からRの4つの全ては、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。]
を含む。
【0073】
本発明の別の特定の実施形態において、触媒系は、
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)を有する第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され、
からRの4つの全ては、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する。]および
c)一般式(II)を有する第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり、
からRの4つの全ては、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。]および
d)共触媒
を含む。
【0074】
本発明の触媒前躯体組成物および触媒系は、上で定義した2つ以上の第1リガンドおよび上で定義した2つ以上の第2リガンドを独立に含むこともできる。
【0075】
第1リガンドおよび第2リガンドは、100:1から1:100の範囲のモル比で触媒系中に存在することができる。好ましい実施形態において、第1リガンドの第2リガンドに対するモル比は約10:1から約1:10であり、より好ましくは約5:1から約1:5の範囲である。
【0076】
本発明の触媒前躯体組成物または触媒系中の第1リガンドおよび第2リガンドの比率を変えることにより、本発明のプロセスにおいて生成される三量体および四量体の比率を変えることができる。一般的原則として、触媒系中の第1リガンドの量を第2リガンドに比べて増加させることによって、反応生成組成物中の三量体の濃度が、反応生成組成物中の四量体の濃度に比べて増加し、逆もまた同様である。
【0077】
したがって、本発明の触媒系は、オレフィンモノマーの三量体化および四量体化のための調節可能なプロセスにおいて使用することができる。本明細書で使用する場合、「調節可能」という用語は、本発明の成分の量を変えることによって、本発明のプロセスによって生成される生成組成物中の三量体および四量体の量を変えることもできることを意味する。これは、オレフィンモノマーの三量体化および四量体化のための、調節可能な、連続または半連続なプロセスに関して有用なこともあり、ここで、生成物組成は、オレフィンモノマーの供給または三量体化および四量体化生成物の流れを中断することなく反応容器に供給される第1および第2リガンドの比率を変えることによって変えることができる(例えば、より高い割合の三量体からより高い割合の四量体まで変えることができ、この逆も同様である)。特に、これはとりわけエチレンの三量体化および四量体化に関する調節可能な、連続または半連続なプロセスに関して有用なこともあり、ここで、生成物組成は、オレフィンモノマーの供給または三量体化および四量体化生成物の流れを中断することなく反応容器に供給される第1および第2リガンドの比率を変えることによって変えることができる(例えば、より高い割合の1−ヘキセンからより高い割合の1−オクテンまで変えることができ、この逆も同様である)。
【0078】
クロム、モリブデンまたはタングステンの量、すなわち成分(a)、およびリガンド成分の総量、言い換えれば第1および第2リガンドの量、すなわち、成分(b)および(c)を合わせた量は、本発明の触媒前躯体組成物または触媒系中に、10000:1から1:10000、好ましくは100:1から1:100、より好ましくは10:1から1:10のモル比(成分(a)のモル:成分(b)+(c)のモル)で存在することができる。クロム、モリブデンまたはタングステンすなわち成分(a)および、リガンド成分を合わせた量すなわち成分(b)および(c)が、3:1から1:3.の範囲のモル比において存在することが最も好ましい。一般に、成分(a)と、成分(b)および(c)を合わせた量は、1.5:1から1:3の範囲のモル比において、特にほぼ等しいかまたは半分において存在する。
【0079】
共触媒、すなわち成分(d)は、原則としてクロム、モリブデンまたはタングステンの供給源すなわち成分(a)、および第1および第2リガンドすなわち成分(b)および成分(c)(すなわち触媒前躯体組成物)と、活性触媒系を作り出す任意の化合物または化合物の混合物とすることもできる。
【0080】
共触媒として使用するのに適した化合物には、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、メチルリチウムブロミドおよびメチルマグネシウムブロミドなどの有機塩、ならびに無機酸およびテトラホウ酸エーテラート、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウムなどの無機塩などが含まれる。
【0081】
特に好ましい共触媒は、有機アルミニウム化合物である。本明細書において使用するのに適した有機アルミニウム化合物は、式AlRを有する化合物であって、式中、各R基はC−C30アルキル(好ましくはC−C12アルキル)、酸素含有部分またはハロゲン化物、およびLiAlHなどの化合物などから独立に選択される。限定されない適切な有機アルミニウム化合物の例には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウムおよびアルミノキサン(アルモキサンとも呼ばれる)が含まれる。同様に有機アルミニウムの混合物も、本明細書での使用に適している。
【0082】
本明細書の好ましい実施形態において、共触媒はアルミノキサン共触媒である。これらアルミノキサン共触媒は、任意のアルミノキサン化合物またはアルミノキサン化合物の混合物を含むこともできる。アルミノキサンは、上で述べたような、または市販されているアルキルアルミニウム化合物への制御した水の添加によって調製することもできる。適切なアルミノキサンの限定されない例には、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、テトライソブチルジアルミノキサン(TIBAO)、テトラ−n−ブチルジアルミノキサンおよびテトラ−n−オクチルジアルミノキサンが含まれる。この状況において、この明細書内で使用される場合、「アルミノキサン」という用語は、水を加えることによって対応するトリアルキルアルミニウムから誘導され、2から15重量%、一般には約5重量%、但し場合によって約10重量%のアルミニウムを含むこともできる、市販のアルミノキサンを含むことに留意しなければならない。
【0083】
他の適切な共触媒には、WO02/04119、WO2004/056478およびWO2004/056479において記述された共触媒を含み、これらの開示の全てが参照により本明細書に組み込まれている。
【0084】
本発明の触媒系中の共触媒の量は、クロム、モリブデンまたはタングステンの原子当たりのアルミニウムまたはホウ素原子の比率が0.1から20,000、好ましくは1から2000、より好ましくは1から1000、最も好ましくは1から500の範囲の比率を供給するのに十分である。
【0085】
触媒前躯体組成物の3つの触媒成分、(a)、(b)および(c)、ならびに触媒系の第4の成分(d)は、同時にまたは活性触媒を提供するよう任意の順序で逐次一緒に加えることもできる。触媒前躯体組成物の3つの触媒成分、(a)、(b)および(c)、ならびに触媒系の第4の成分(d)は、任意の適切な溶媒の存在の下で接触させることもできる。適切な溶媒は当業者に知られており、適切な溶媒は、飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、ハロゲン化炭化水素およびイオン液体など、共触媒成分と反応しない不活性な溶媒を含むこともできる。一般的な溶媒には、これだけには限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが含まれる。他の適切な溶媒の例は、炭化水素溶媒およびジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどの極性溶媒など、WO02/04119において開示された溶媒である。
【0086】
本発明の一実施形態において、触媒系は、共触媒成分(d)を、本発明の触媒前躯体組成物に加えることによって形成される。
【0087】
本発明の触媒系は、オレフィンモノマーの存在下(すなわち、「in−situ」)または不在下において調製することもできる。本発明の触媒前躯体組成物の3つの成分、(a)、(b)および(c)、ならびに触媒系の第4の成分(d)は、オレフィンモノマーの不在下で完全に合わせることもでき、またはオレフィンモノマーを、触媒系の成分が接触する前に、触媒系の成分と同時に含めることもでき、あるいは触媒の成分を接触させる工程の任意の時点において含めることもできる。
【0088】
本発明の触媒系を形成する別のプロセスは、成分(a)および(b)の第1溶液、ならびに場合により成分(d)を、成分(a)および(c)の第2溶液、ならびに場合により成分(d)と組み合わせて(ここで、必要な場合には、成分(a)、(b)、(c)および(d)の追加の量を合わせた溶液にさらに加えることともできる)所望の触媒系を形成することを含む。上述の第1および第2溶液ならびに追加成分の組合せは、in−situでまたはオレフィンモノマーの不在下で行うこともできる。
【0089】
触媒前躯体組成物の3つの成分、(a)、(b)および(c)、ならびに触媒系の第4の成分(d)は、−100から200℃、好ましくは0から150℃、より好ましくは20から100℃の温度範囲で組み合わせることもできる。
【0090】
本発明の触媒系は、支持物質上に担持されていてもまたは担持されていなくてもよい。適切な支持物質の例は、WO02/04119、WO2004/056478およびWO2004/056479において見出すことができる。
【0091】
本発明の三量体化および四量体化プロセスにおいて使用するのに適したオレフィンモノマーは、任意のオレフィンモノマーとすることができ、これは三量体または四量体に転換することができる。適切なオレフィンモノマーは、これだけには限定されないが、エチレン、プロピレン、場合により分枝したC−C24、好ましくはC−C20のα−オレフィン、場合により分枝したC−C29、好ましくはC−C20の、内部オレフィン、場合により分枝したC−C24、好ましくはC−C20の、ビニリデンオレフィン、場合により分枝したC−C24、好ましくはC−C20の、環式オレフィン、および場合により分枝したC−C24、好ましくはC−C20の、ジエン、ならびに場合により分枝したC−C24、好ましくはC−C20の、官能化オレフィンが含まれる。適切なオレフィンモノマーの例には、これだけには限定されないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセンおよび1−エイコセンなどの直鎖α−オレフィン;4−メチルペント−1−エンおよび1−エチル−1−ヘキセンなどの分枝α−オレフィン;2−ブテンなどの直鎖および分枝の内部オレフィン;スチレン;シクロヘキセン;ノルボルネンなどが含まれる。
【0092】
オレフィンモノマーの混合物も、同様に本発明のプロセスにおいて使用することができる。
【0093】
本発明のプロセスの三量体化および四量体化において使用するのに好ましいオレフィンモノマーは、プロピレンおよびエチレンである。特に好ましいのは、エチレンである。
【0094】
本発明の触媒系およびプロセスは、エチレンの1−ヘキセンおよび1−オクテンへの同時三量体化および四量体化に関して特に有用である。
【0095】
本発明の三量体化および四量体化プロセスは、三量体化および四量体化の当業者に知られているか、または例えばWO02/04119、WO2004/056478およびWO2004/056479において開示されているなどの、発行された文献において開示されている一連のプロセスの条件の下で行うことができる。
【0096】
同時三量体化および四量体化反応は、溶液相、スラリー相、気相またはバルク相中で行うことができる。
【0097】
同時三量体化および四量体化が、溶液またはスラリー相中で行われる場合、三量体化および四量体化条件の下で実質的に不活性な希釈剤または溶媒を使用することもできる。適切な希釈剤または溶媒は、脂肪族および芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびオレフィンであり、WO02/04119、WO2004/056478およびWO2004/056479において開示されているなどの、三量体化および四量体化条件の下で実質的に不活性な希釈剤または溶媒を使用することもできる。
【0098】
本発明の三量体化および四量体化プロセスは、当業者によく知られているいくつかの適切な反応容器の任意の1つにおいて行うこともできる。一般に、本発明の三量体化および四量体化プロセスは、バッチ式、半連続式または連続式で行われる。
【0099】
本発明の三量体化および四量体化プロセスは、三量体化および四量体化の当業者によく知られている広範囲な反応条件の下で行うこともできる。一般に、温度は−100℃から200℃、好ましくは0℃から150℃、より好ましくは20℃から100℃の範囲である。これらの下で本発明のプロセスを行うこともできる圧力範囲は、重要ではなく、反応容器の制限によって変えることもでき、一般に反応圧力は大気圧未満から約500バールの範囲である。圧力は、0から100バールであることが好ましく、1から50バールであることがより好ましい。
【0100】
本発明の一実施形態に、オレフィンモノマーの三量体化および四量体化プロセスがあり、このプロセスは、少なくとも1つのオレフィンモノマーを、三量体化および四量体化反応条件の下で、本発明の触媒系と接触させることを含み、プロセスは連続式または半連続式であり、触媒成分の比率、特に第1リガンドおよび第2リガンドの比率は、工程中に変化する。第1リガンドおよび第2リガンドの比率の変動は、首尾一貫した生成物組成を保証するための連続的調節をプロセスに対して行うために実施することができ、または生成される生成物組成を変えるためにプロセスに対して実施することができる。この実施形態の好ましい変形は、エチレンの三量体化および四量体化のためのプロセスであって、このプロセスはエチレンを三量体化および四量体化反応条件の下で、本発明の触媒系と接触させることを含み、プロセスは連続式または半連続式であり、触媒成分の比率、特に第1リガンドおよび第2リガンドの比率は、工程中に変化する。
【0101】
生成物、反応物質および触媒の分離は、蒸留、ろ過、遠心分離、液体/液体分離、抽出などの当業者に知られた任意の技法により行うことができる。
【0102】
反応容器、溶媒、分離技法などに関する詳細を含む、適切な反応条件のさらなる詳細は、WO02/04119において見出すことができる。
【0103】
オレフィンモノマーの接触三量体化および四量体化のために、本発明の触媒系およびプロセスを使用すると、別の三量体化および四量体化プロセスの生成物組成の組合せに比較して、副生成物の生成が減少した簡略化されたオレフィンモノマーの三量体化および四量体化プロセスが提供される。特に、エチレンの1−ヘキセンおよび1−オクテンへの接触三量体化および四量体化に本発明の触媒系およびプロセスを使用すると、反応中に生成された他の全ての生成物を超え、1−ヘキセンおよび1−オクテンの非常に高い選択率を有するプロセスが提供される。
【0104】
本発明における1−ヘキセンおよび1−オクテンの全収率は、第1リガンドすなわち成分(b)、および第2リガンドリガンドすなわち成分(c)の比率に依存する。
【0105】
本発明のプロセスの三量体化および四量体化選択率(すなわち、全生成組成物中の、オレフィンモノマーの三量体および四量体の量)は、全生成組成物の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。本発明の触媒系を使用する、エチレンの三量体化および四量体化のための三量体化および四量体化選択率(すなわち、全生成組成物中の、CおよびC留分の三量体および四量体の量)は、全生成組成物の少なくとも87重量%、好ましくは少なくとも88重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。
【0106】
本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化によって生成される1−ヘキセンの量は、一般に全生成組成物の10重量%から90重量%、好ましくは15重量%から85重量%、より好ましくは20重量%から80重量%の範囲である。本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化によって生成される1−オクテンの量は、一般に全生成組成物の10重量%から90重量%、好ましくは15重量%から85重量%、より好ましくは20重量%ら80重量%である。本発明の一態様において、本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化によって生成される1−オクテンの量は、10重量%から30重量%の範囲である。
【0107】
本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化における1−ヘキセンの選択率(すなわち、生成組成物のC留分中に存在する1−ヘキセンの量)は、生成物組成のC留分のおそらく少なくとも少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、より一層好ましくは少なくとも90重量%および最も好ましくは少なくとも95重量%である。
【0108】
本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化における1−オクテンの選択率(すなわち、生成組成物のC留分中に存在する1−オクテンの量)は、生成組成物のC留分の好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、より一層好ましくは少なくとも90重量%そして最も好ましくは少なくとも95重量%である。
【0109】
実際には、1−ヘキセンと1−オクテンを合わせた収率は、一般に全生成組成物の少なくとも88重量%である。
【0110】
本発明の別の実施形態において、本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化のオレフィン生成組成物は、一般に1−ヘキセンと1−オクテンの合わせた総含有量が、全生成組成物の88から98重量%、好ましくは90から98重量%およびより好ましくは92から98重量%の範囲である生成組成物を含み、ここで1−ヘキセンの含有量は、全生成組成物の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%および最も好ましくは少なくとも20重量%であり、1−オクテン含有量は、全生成組成物の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%および最も好ましくは少なくとも20重量%である。
【0111】
本発明のさらなる実施形態において、本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化のオレフィン生成組成物は、1−ヘキセンおよび1−オクテン以外の化合物の総含有量を、全生成物組成の多くても12重量%、好ましくは多くても10重量%およびより好ましくは多くても8重量%含み、ここで1−ヘキセン含有量は、全生成組成物の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%および最も好ましくは少なくとも20重量%であり、1−オクテン含有量は、全生成組成物の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%および最も好ましくは少なくとも20重量%である。一般に、本発明の触媒系を使用するエチレンの三量体化および四量体化のオレフィン生成組成物は、1−ヘキセンおよび1−オクテン以外の化合物の総含有量を、全生成物組成の2から12重量%、好ましくは2から10重量%およびより好ましくは2から8重量%の範囲で含み、ここで1−ヘキセン含有量は、全生成物組成の少なくとも10重量%であり、1−オクテンの含有量は、全生成物組成の少なくとも10重量%である。一般に、生成組成物は、多くても2.0重量%の1−ヘキセン以外のC化合物、多くても1.0重量%の1−オクテン以外のC化合物、多くても5.0重量%のC10化合物および12個またはそれ以上の炭素原子を含む多くても2.0重量%の炭化水素を含む。本発明の触媒系およびプロセスは、以下の限定されない実施例により説明する。
【実施例】
【0112】
一般的手順および特徴付け
調製に使用した全ての化学薬品はAldrichから購入し、特に言及の無い限り、さらなる精製無しで使用した。
【0113】
触媒系を用いた全ての操作は、窒素雰囲気下で行った。全ての溶媒は、標準的手順で乾燥した。無水トルエン(純度99.8%)は、4Åモレキュラーシーブ上で乾燥した(最終水分含有量は約3ppm)。無水ヘプタン(純度99.8%)は、4Åモレキュラーシーブを通すことで乾燥した(最終水分含有量は約1ppm)。
【0114】
エチレン(純度99.5%)は、水分および酸素含有量を1ppm未満まで減少させるために、4ÅモレキュラーシーブおよびBTS触媒(BASF)を充填したカラムで精製した。
【0115】
得られたオリゴマーは、オリゴマー分布を評価するために、以下のクロマトグラフィー条件でHP5890シリーズII装置を用いてガスクロマトグラフィー(GC)により特徴付けした。
【0116】
カラム:HP−1(架橋メチルシロキサン)、フィルム厚さ=0.25μm、内径=0.25mm、長さ60mm(Hewlett Packard製);注入温度:325℃;検出温度:325℃;初期温度:40℃で10分間;温度プログラム速度:10.0℃/分;最終温度:325℃で41.5分間;内部標準:n−ヘキシルベンゼン。C−C30オレフィンの収率が、GC分析によって得られた。
【0117】
「三量体化選択率」、「四量体化選択率」、「1−ヘキセン選択率」および「1−オクテン選択率」は、全てGC分析により決定した。
【0118】
主に重質ワックスおよびポリエチレンより成る「固体」の量は、容器壁および付属品から分離し、その後ガラスフィルター(P3)上トルエンで洗浄し真空乾燥した後、計量により決定した。
【0119】
「総生成物」の量は、大部分がGC分析から導かれたオレフィン生成物の量および固体の量の合計である。
【0120】
NMRデータは、Varian300MHzまたは400MHzを使用し、室温において得られた。
【0121】
触媒系
本発明の触媒系は、リガンドA、B、CおよびDの個別のまたは任意の組合せ、ならびにクロム供給源を含む触媒前躯体組成物から調製した。これらの組成物を以下に説明する。
【0122】
クロム供給源
三塩化クロムトリス(テトラヒドロフラン)錯体、すなわち、CrCl(THF)およびクロムトリス(2,4−ペンタンジオネート)、クロムトリス(アセチルアセトネート)とも呼ばれる、すなわち、Cr(acac)が、エチレンの同時三量体化および四量体化におけるクロム供給源として使用される。
【0123】
リガンドA(比較)
(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)(フェニル)リガンドを、最初に80mlのテトラヒドロフラン(THF)中に、0.42gリチウム(60mmol)の懸濁液を形成し、これに(2−メトキシフェニル)P(フェニル)9.66g(30mmol)を、アルゴン雰囲気下、0℃において加えることにより調製した。混合物を4時間撹拌し、この時間の後にメタノール5mlのアリコートを加えた。トルエン60mlを混合物に加え、その後溶液を、40mlの水で2回抽出した。抽出したトルエン溶液を、次いで約20mlの容積に濃縮し、これにより懸濁液が形成された。濃縮されたトルエン溶液をろ過し、CCl4.6gをトルエンのろ液に加え、次いでこれを90℃において2時間撹拌した。反応から発生したHC1ガスを、アルカリ浴中で「トラップ」した。次いで混合物を室温に冷却し、窒素で駆逐して、溶液中に存在する残存HClの全てを除去した。
【0124】
室温において、トリメチルアミン5mlのアリコットを、濃縮したトルエン溶液に加えて数分間放置し、その後2MのHNMe6ml(12mmol)を1回に数滴ずつ加えた。懸濁液をろ過し、20mlのトルエンで洗浄した。トルエンのろ液とトルエンの洗浄部分を合わせた。合わせたトルエン部分を蒸発して乾燥し、メタノール30mlを加えた。メタノール溶液を−35℃において一夜放置し、ここで白色の(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)(フェニル)沈殿が溶液中に形成された。次いで沈殿したリガンドを分離した。
【0125】
沈殿したリガンドは2つの異性体、すなわちラセミ異性体(リガンドのRRおよび/またはSS鏡像異性体)およびメソ異性体(リガンドのRS鏡像異性体)で構成されていた。2つの異性体の割合は、2つの異なる異性体にそれぞれ対応する63.18ppmおよび64.8ppmにおけるピークを用いて、31P NMRにより決定した。(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)(フェニル)の1つのサンプルを実施例において使用した。このサンプルは、92/8の重量比率を有する、ラセミおよびメソ異性体の両方の混合物で構成され、Aとして指定された。
【0126】
組成物A’
CrCl(THF)と1:1のモル比の(2−メトキシフェニル)(フェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)(フェニル)を、等モルのCrC1(THF)とリガンド成分Aの混合物をトルエン中で50℃において1時間撹拌することで調製し、その後溶媒を真空下で蒸発させ、残留物をペンタンで洗浄した。
【0127】
リガンドB(第1リガンド)
(2−メトキシフェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)リガンドを、最初に20mlジエチルエーテル中、1.59g(5mmol)の(2−メトキシフェニル)PNEt溶液を形成することによって調製した。この溶液に、ジエチルエーテル中の1MHC1溶液10ml(10mmol HC1)を、不活性雰囲気下室温において加えた。この様にして形成された懸濁液を一夜撹拌した。真空下で、生成物からジエチルエーテルを除去し、無水トルエン20mlを加えた。得られた溶液をろ過し、トルエンをろ液から真空下で除去して、白色の固体(2−メトキシフェニル)PCl生成物を得た。
【0128】
乾燥ジクロロメタン20ml中のトリエチルアミン0.51g(5mmol)の溶液を、(2−メトキシフェニル)PCl生成物に加えた。得られた混合物に、THE中の2M HNMe溶液1.25ml(2.5mmol)を加え、一夜撹拌した。得られた溶液から真空下で溶媒を除去し、乾燥トルエン20mlを加えた。次いで混合物をろ過した。トルエンを真空下ろ液から除去し、残留物にメタノール10mlを加えて懸濁液を生成し、これを再度ろ過し、白色固体の(2−メトキシフェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)を残し、これを分離した。
【0129】
組成物B’
CrCl(THF)と1:1のモル比の(2−メトキシフェニル)PN(CH)P(2−メトキシフェニル)を、組成物A’と同様に調製した。
【0130】
リガンドC(第2リガンド)
(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)リガンドを、以下のプロセスで調製した。0℃において、窒素雰囲気下、トリエチルアミン15mlを、乾燥ジクロロメタン80ml中の(フェニル)PCl6.3gに加えた。得られた混合物に、イソプロピルアミン0.844gを加え、室温において一夜撹拌した。得られた溶液から溶媒を真空下で除去し、無水トルエン50mlを加えた。次いで混合物を小さなシリカの層上でろ過した。トルエンを真空下でろ液から除去し、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)生成物を白色固体として分離した。エタノールからの再結晶により、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)を白色結晶として得た。
【0131】
リガンドD(第2リガンド)
(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)リガンドを、以下のプロセスで調製した。窒素雰囲気下、トリメチルアミン12mlを、無水トルエン10ml中のイソプロピルアミン3.39gに加えた。得られた混合物に、(フェニル)PCl5.15mlをゆっくりと加え、室温において一夜撹拌した。沈殿物をろ過により除去した。溶媒を得られた溶液から真空下で除去した。蒸留残渣にペンタンを加えた。次いで溶媒を、ペンタン溶液から真空下で除去し、(フェニル)PNH(イソプロピル)を無色のオイルとして得、これを室温において静置して結晶化した。
【0132】
窒素雰囲気下、トリメチルアミン3mlを、無水ジクロロメタン5ml中の分離した(フェニル)PNH(イソプロピル)0.9gに加えた。得られた混合物に、(2−メトキシフェニル)PCl1.1gを加え、室温において1週間撹拌した。得られた反応混合物に、無水トルエン5−10mlを加えた。沈殿物を遠心分離で除去した。溶媒を得られた溶液から真空下で除去した。得られた混合物を最初ペンタンで洗浄し、次いでメタノールを撹拌しながら加えて、白色の固体を得た。白色の固体をペンタンで洗浄し、真空下で乾燥した。収量−(フェニル)PN(イソプロピル)P(2−メトキシフェニル)、0.7g。
【0133】
共触媒
以下の実験に使用した共触媒は、メチル基の約25%がイソブチル基と置き換った修飾メチルアルミノキサン(MMAO);ヘプタン中のMMAO−3A([Al]=6.42重量%)、これはAKZONOBEL Chemicals B.V.、Amersfoort、オランダから市販されている;トルエン中のメチルアミノキサン(MAO)、[Al]=5.20重量%、Crompton GmbH、Bergkamen、ドイツから供給される、
から選択した。
【0134】
実施例1−11
バッチ式オートクレーブ中における同時三量体化および四量体化反応のための触媒系
Braun MB 200−G乾燥ボックス中で、リガンドAまたはB(すなわち、表1で表示された組成物A’またはB’)のCrCl1:1錯体および(存在する場合には)リガンド成分CまたはDの表1に表示される相対量をガラス瓶に入れた。トルエン中のMAO溶液3mmol(1.6g、MAO溶液)を、その後通常無水トルエン4gを加えることによって触媒前躯体組成物を触媒溶液へと転換し、最後に瓶をセプタムキャップで封じた。
【0135】
別なプロセスとして、クロムトリス(acac)および表1に表示された通りのリガンド成分A、B、C、およびDの相対量をガラス瓶に入れ、ここに無水トルエン(通常4g)を加えて触媒前躯体溶液を得た。最終的に、瓶をセプタムキャップで封じた。
【0136】
これら触媒溶液または触媒前躯体溶液(クロムトリス(acac)溶液は、触媒前躯体溶液として導入し、オートクレーブ中のin−situにおいて事前投薬したMAOまたはMMAOによって活性化される)、またはこれら溶液の部分をエチレンの同時三量体化および四量体化反応において使用した。
【0137】
1.0リットルバッチ式オートクレーブにおけるエチレンの同時三量体化および四量体化反応
同時三量体化および四量体化実験は、加熱/冷却浴によるジャケット冷却と、タービン/ガス撹拌機およびバッフルを備えた1.0リットルのスチール製オートクレーブ(例えばJulaboのモデルATS−2)中で行った。
【0138】
反応容器は、トルエン250ml、MAO(0.6g溶液)を導入して排気し、その後0.4−0.5MPaの窒素圧下70℃で30分間撹拌した。反応内容物を、オートクレーブ低部のタップを介して取り出した。反応容器を約0.4kPaに排気し、約250mlのトルエンまたはヘプタンを装填して40℃に加熱し、エチレンで15バールに加圧した。
【0139】
撹拌の間に、トルエンの助けを借りてMAO溶液を反応容器に加え、200:1の総体的Al/Cr原子比を得(注入した溶液の全容積は約25mlであり;トルエンで8mlに希釈したMAO溶液を注入し、注入システムは約8mlのトルエンで2回すすいだ)、800rpmでの撹拌を30分間継続した。
【0140】
上で記述した通りに調製したCr触媒系を、注入システムを使用してトルエンの助けを借りて撹拌している反応容器に導入した(注入した溶液の全容積は約25mlであり;トルエンで8mlに希釈した触媒溶液を注入し、注入システムは約8mlのトルエンで2回すすいだ)。反応容器の初期装填量は約300mlであった。
【0141】
約5分間の導入期間後に、触媒系の添加は、発熱(一般に約5−10℃)をもたらし、発熱は1分間以内に最高に達し、その後表1に示すように温度40℃、圧力15または30バールが確立された。
【0142】
エチレンの所望容積が消耗された後、室温へ急速に冷却(約5分間以内)することで同時三量体化および四量体化を停止し、その後エチレンを放出し、生成混合物をオートクレーブ低部のタップを使用して回収ボトルにデカンティングした。混合物を空気に曝すことによって、触媒の急速な非活性化がもたらされる。
【0143】
内部標準通りに、n−ヘキシルベンゼン(0.5−3.5g)を粗製生成物に加えた後、C−C30オレフィンの量と、C、CおよびC10オレフィンの純度をガスクロマトグラフィーで決定した。実験データを表1に示す。
【0144】
エチレン圧力が30バール未満の実験の場合は、上述の1.0リットルと同様の備えをした、トルエンの総量150ml、MAO溶液およびCr触媒系を装填した0.5−リットルのスチール製オートクレーブを使用した。約200:1のAl/Cr比率を維持し、最終αオレフィン濃度が15バールで行われた実験の濃度と同様にするためには、Cr触媒系、MAO溶液、溶媒の量およびエチレンの消費量は、対応する1.0−リットル実験に使用された量の一般に半分であった。
【0145】
実験データを、以下の表1に示す。
【0146】
【表1】



【0147】
表1から、本発明によるCr[III]触媒組成物の使用は、低固体形成(実施例1から4に関して、総生成物量の0.7重量%以下)、低C10形成(実施例1から4に関して、総生成物量の4.5重量%以下)および低C12からC19の形成(実施例1から4に関して、総生成物量の1.6重量%以下)の状態において、高純度の1−ヘキセンおよび1−オクテン混合物の良好な収率(実施例1から4に関して、総生成物量の少なくとも92.5重量%)をもたらすことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源;
b)一般式(I)を有する第1リガンド;
(R)(R)P−X−P(R)(R) (I)
[式中、
Xは、式−N(R)−の架橋基であり、
ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ヘテロヒドロカルビル基、置換ヘテロヒドロカルビル基、シリル基またはこれらの誘導体から選択され;
からRの少なくとも3つは、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され;
場合により、RからRの1つは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない。]
c)一般式(II)を有する第2リガンド;
(R1’)(R2’)P−X’−P(R3’)(R4’) (II)
[式中、
X’は、一般式(I)の成分(b)、第1リガンドのXに関して定義した通りの架橋基であり;
1’からR4’の少なくともR1’およびR2’は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まず、;
3’およびR4’の、一方または両方は、オルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択され、または両方共これから選択されない。]
を含む触媒前躯体組成物。
【請求項2】
が、C−C15アルキル基、置換C−C15アルキル基、C−C15アルケニル基、置換C−C15アルケニル基、C−C15シクロアルキル基、置換C−C15シクロアルキル基、C−C15芳香族基、置換C−C15芳香族基、C−C15アルコキシ基および置換C−C15アルコキシ基、好ましくはC−C15アルキル基から選択される、請求項1に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項3】
からRの4つの全てが、それぞれがオルト位の少なくとも1つにおいて極性置換基を有する、場合により置換された芳香族基から独立に選択される、請求項1または2のいずれか一項に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項4】
からRの少なくとも3つがo−アニシルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項5】
1’およびR2’が、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項6】
1’からR4’の4つの全てが、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルおよび置換ヘテロヒドロカルビル基から独立に選択され、但し、基が芳香族の場合、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項7】
少なくともR1’およびR2’が、オルト位のいずれにも極性置換基を含まない非置換または置換芳香族基から独立に選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項8】
クロム、モリブデンまたはタングステンの供給源、(a)が、クロムの供給源である、請求項1から7のいずれかに記載の触媒前躯体組成物。
【請求項9】
クロムの供給源が、クロムトリス(2,4−ペンタンジオネート)、Cr(acac)、三塩化クロム、CrCl、および三塩化クロムトリス−テトラヒドロフラン錯体、CrCl(THF)から選択される、請求項8に記載の触媒前躯体組成物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の触媒前躯体組成物を含み、成分(d)の共触媒を付加的に含む触媒系。
【請求項11】
共触媒、成分(d)が、メチルアルミノキサンおよび修飾メチルアルミノキサンから選択される、請求項9に記載の触媒系。
【請求項12】
少なくとも1つのオレフィンモノマーを、三量体化および四量体化反応条件の下で、請求項10または11のいずれ一項に記載の触媒系と接触させることを含む、オレフィンモノマーの三量体化および四量体化プロセス。
【請求項13】
オレフィンモノマーの三量体化および四量体化のための、請求項10または11のいずれか一項に記載の触媒系の使用。
【請求項14】
1−ヘキセン含有量が全生成組成物の少なくとも10重量%であり、1−オクテン含有量が全生成組成物の少なくとも10重量%である、1−ヘキセンと1−オクテンの合わせた総含有量を全生成組成物の88から98重量%の範囲で含むオレフィン組成物。

【公表番号】特表2009−516580(P2009−516580A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540625(P2008−540625)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068652
【国際公開番号】WO2007/057455
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】