説明

オンラインゲーム提供システムおよびコンピュータプログラム

【課題】 課金以外のメリットを享受することが可能なオンラインゲームを提供する。
【解決手段】 ミッションの遂行を条件としてゲームコンテンツをユーザ端末に提供し、そのミッション遂行結果に基づいて、ゲームコンテンツ育成用キャラクタを成長させるための育成値を取得して、キャラクタを育成させていくシステムである。すなわち、ユーザ端末から他ユーザとの対戦希望を受信し、対戦者候補となるオンラインユーザ端末を検索し、オンラインユーザ端末にユーザ端末からの対戦要求を送信する。その対戦要求を受諾した場合に、各ユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力する。ここで、ユーザ端末およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されてバトルゲームが開始され、各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較して勝敗を決め、その勝敗結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上で複数のユーザが遊戯可能なオンラインゲームの技術に関し、特に、オンラインゲームとデータ収集とを融合させた技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光回線およびDSL回線等に代表される常時接続可能な高速通信回線の普及に伴い、オンラインゲームを利用するユーザが増加している。このオンラインゲームの利点としては、コンピュータ相手ではなく、オンライン状態となっている複数のユーザとリアルタイムに遊戯できることや、自らの都合の良い時間に他のユーザと遊戯可能な所が人気の要因となっている。
【0003】
なお、本願に関連する先行技術として、特開2002−331171号を抽出した。この文献には、以下のような技術が記載されている。
すなわち、協同してゲームを実行する他のゲーム機プレイヤを特定し、特定した他のゲーム機プレイヤ毎に通信媒体を介して通信可能状態か否かの情報を含む他のゲーム機プレイヤのゲーム実行状態情報を取得可能とし、取得した他のゲーム機プレイヤのゲーム実行状態を表示させる。これにより、オンラインゲーム実行時に、登録済みの他プレイヤの状況を常に認識することができる技術である。
【0004】
【特許文献1】特開2002−331171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在のオンラインゲームの課金手段としては、月額制が一般的となっているが、その金額設定は様々である。比較的高い金額が設定されているゲームは、やはり高い評価を得ているが、このような人気ゲームを開発するには優秀なクリエータ、多くの開発期間および多大な開発資金が必要である。反対に、開発期間や開発資金を少なくすれば、市場からの評価が低いことが多く、仮に低額であっても遊戯されにくい。つまり、オンラインゲームの普及にともなって、市場の評価もシビアとなってきており、人気ゲーム、不人気ゲームの二極化が進んでいる。
【0006】
また、オンラインゲームには、無料で遊戯可能なものもあり、この無料オンラインゲームの人気度は安定して高いものとなっている。ユーザは、課金リスクのない無料ゲームであれば、気軽に遊戯しても良いという考えによるものと推測される。ただし、無料オンラインゲームの提供者にとっては、スポンサーや安定した広告収入が得られなければ継続して運営していくことが困難となる。ただし、仮に課金以外にオンラインゲーム提供者にメリットがあり、そこから別の収益を挙げることができれば、無料もしくは非常に低額料金で質の高いオンラインゲームを提供することも可能となる。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、オンラインゲームを提供することによる直接的な課金以外のメリットを享受することが可能な情報処理の技術を提供することにある。
ここで、請求項1から請求項9に記載の発明の目的は、オンラインゲームを提供することによる直接的な課金以外のメリットを享受することが可能なシステムを提供することにある。
また、請求項10から請求項18に記載の発明の目的は、オンラインゲームを提供することによる直接的な課金以外のメリットを享受することが可能なコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所望データの探索命令および収集命令からなるミッションの遂行を条件として所定のゲームコンテンツをユーザ端末に提供するとともに、前記ミッションを遂行した結果に基づいて、ゲームコンテンツ育成用キャラクタを成長させるための育成値を付与して、育成用キャラクタを育成させていくオンラインゲーム提供システムを提供する。
すなわち、前記ユーザ端末から他ユーザとの対戦希望となる対戦要求を受信する対戦要求受信手段と、前記ユーザ端末の対戦者候補となるオンライン状態のオンラインユーザ端末を検索する対戦者検索手段と、その対戦者検索手段が対戦可能なオンラインユーザ端末を検索した場合に、当該オンラインユーザ端末に前記ユーザ端末からの対戦要求を送信する対戦要求送信手段と、その対戦要求を受信したオンラインユーザ端末が対戦要求を受諾した場合に、前記ユーザ端末とオンラインユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力するバトルステージ出力手段と、出力されたバトルステージにおいて、前記ユーザ端末およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されることをトリガーとして、バトルゲームが開始されるバトルゲーム開始手段と、前記選択された各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較する育成値データ比較手段と、その育成値データ比較手段が比較した育成値データおよび特殊条件に基づいて勝敗が付いた場合に、その勝敗結果を出力する勝敗結果出力手段と、を備えたオンラインゲーム提供システムに係る。
【0009】
(用語説明)
「ミッション」とは、システム側が所望するデータ(所望データ)をユーザ端末に探索収集させるための指令データのことである。ミッションは、例えば、スポーツ、コンピュータ、映画、音楽、旅行などの複数のカテゴリに分別されてリスト化されている場合がある。
「特殊条件」とは、キャラクタ特有の必殺技などによって、対戦相手の数値等に関係なく勝利可能としてしまう条件のことなどである。この特殊条件を得るためには、例えば、所定のミッションをクリアしていくことで、獲得可能となる。
【0010】
(作用)
ユーザは、所望データの探索によって獲得した育成値を、自らのキャラクタに反映していくことで。キャラクタを成長させていく。また、バトルステージと呼ばれる対戦専用ステージが用意されており、このバトルステージにおいて各ユーザが対戦を行う。対戦ルールは、育成値データ比較手段がキャラクタの育成値データおよび特殊条件を比較して勝敗を決定する。
すなわち、本システムでは、システム側が所望する所望データを、ゲームのルールを通じてユーザに探索収集してもらうシステムとなっている。バトルに勝利するためには、定められた情報(ミッション)を収集してくることが自らのキャラクタを成長させる近道である。このため、ユーザは、積極的に情報収集を行うことが期待される。これにより、システム側には「情報取得」という課金以外のメリットを享受することが可能となる。
【0011】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記複数の所望データからなるミッションリストが記憶された巨大データベースと、その巨大データベースから前記ユーザ端末に対して、所望データに関する最新の情報をインターネット上から探させるためのミッションリストを抽出するミッションリスト抽出手段と、抽出したミッションリストを前記ユーザ端末に送信するミッションリスト送信手段と、そのミッションリストを受信したユーザ端末が所定のミッションを実行し、ミッション結果を返信した場合にそのミッション結果を受信するミッション結果受信手段と、その受信したミッション結果と巨大データベースとの差分データを抽出する差分演算手段と、その差分演算手段によって抽出された差分データが有効なデータであるか否かを判別するフィルタリング手段と、そのフィルタリング手段によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、前記育成値データを含む特典データを算出する特典データ算出手段と、その特典データ算出手段が算出した特典データを前記ユーザ端末へ送信する特典データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
(用語説明)
「巨大データベース」とは、ユーザ端末から送信されたミッション結果が記憶された記憶手段のことである。このほか、予め記憶された有効データや辞書データなどのユーザに対してポータルサイトサービスを提供可能なデータが含まれる場合もある。また、巨大データベースには、内蔵型および外付け型があり、用途に応じて複数設置されている場合もある。
「差分演算手段」とは、巨大データベースに予め記憶された有効データに対し、ユーザ端末が検索してきたミッション結果とを差分する機能である。巨大データベースに記憶済みのデータであれば、記憶する必要はない。
「フィルタリング手段」とは、ミッションに適合するデータであるか否か、を主に検出するほか、ウィルスなどの不適合データの検出も行う場合もある。
「特典データ」とは、キャラクタ用の育成値のほか、他の請求項で特定するミッション結果を要約した要約文書データが含まれる場合もある。
【0013】
(作用)
請求項2記載の発明によれば、ミッションリスト抽出手段が所望データに関する最新の情報をインターネット上から探させるためのミッションリストを抽出し、抽出したミッションリストをユーザ端末に送信する。ユーザ端末が所定のミッションを実行し、ミッション結果を返信した場合に、ミッション結果受信手段がそのミッション結果を受信する。差分演算手段がミッション結果と巨大データベースとの差分データを抽出する。また、フィルタリング手段が抽出された差分データが有効なデータ否かを判別する。有効なデータと判別された場合には、特典データ算出手段が育成値データを含む特典データを算出し、その特典データをユーザ端末へ送信する。
ユーザ端末から送信されたミッション結果によって、ユーザ端末のキャラクタに付与可能な育成値を決定する。ユーザは、より優れたデータを提供すれば、多くの育成値が付与されるので、与えられたミッションに基づいた所望データの収集を確実に遂行させることが期待できる。
【0014】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項2記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記特典データ算出手段は、収集された情報の的確度および収集スピードに応じて算出されることを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項3記載の発明によれば、ユーザ端末に付与される特典データは、情報の的確度および収集スピードのそれぞれをスコアリングし、その合計を特典データとして算出するようにしても良い。このようにすれば、より正確かつ迅速な情報収集が期待されるため好ましい。
【0016】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記ミッション結果を所定のアルゴリズムに基づいて文書要約する文書要約手段を備え、その文書要約手段によって要約されたミッション結果を文書要約データとして前記特典データに含めたことを特徴とする。
【0017】
(用語説明)
「文書要約手段」とは、ユーザ端末からのミッション結果を、所定のアルゴリズムで要約した要約データのことである。所定のアルゴリズムとしては、例えば、XMLベースフォーマットによって、Webサイトの見出し、要約、更新時刻などのメタデータを構造化して記述したRSS(Rich Site Summary)機能を用いる場合などがある。
【0018】
(作用)
請求項4記載の発明によれば、文書要約手段がミッション結果を所定のアルゴリズムを用いて要約する。この文書要約には、人海戦術による場合と、他の請求項で特定する人工知能エンジンなどを用いた自動処理によって要約される場合とがある。すなわち、ユーザは、自らが検索して送信したミッションがどのような形になったのかを、閲覧可能となる。なお、要約されたデータは、巨大データベースに記憶されて情報データベースとして機能する。
【0019】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記フィルタリング手段によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、その有効データを有効差分データとして前記巨大データベースに記憶されることを特徴とする。
【0020】
(作用)
請求項5記載の発明によれば、有効データをデータベース化しておくことで、例えば、他の有料情報提供サービス等に利用できる。
【0021】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項4記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記文書要約手段は、人工知能エンジンによって文書要約されることを特徴とする請求項4に記載のオンラインゲーム提供システム。
【0022】
(作用)
文書要約処理に人工知能エンジンを採用することで、要約処理を合理的に実現することが可能となる。
【0023】
(請求項7)
請求項7記載の発明は、請求項2に記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、データ収集の優先度を高く設定したミッションに対して優先タグを付与する優先タグ付与手段と、その優先タグのついたミッションを実行したユーザ端末に対してゲーム用の特典を付与するゲーム用特典付与手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
(用語説明)
「優先タグ」とは、優先度[優]というマークでも良いし、[至急]、[緊急]などのマークやロゴ、また、フォント別や色別にするなど、他のミッションと比較して一目できれば良い。また、優先タグを段階的に、特急、超特急などとしてもよい。
「ゲーム用特典」とは、主にキャラクタの育成値のことである。このほか、任意の賞品や賞金などの場合もある。
【0025】
(作用)
請求項7記載の発明によれば、複数のミッションに優先順位を付与したものである。システムが優先的にデータ収集を希望する所望データには、優先タグ付与手段が優先タグを付ける。この優先タグは、システム側が任意に取り決めを行うことが可能であり、時事ニュース、災害情報およびスポーツ結果などの緊急性および速報性を有する情報に対して付与される場合、巨大データベースに足りないデータの補完に対して付与される場合、また、インターネット上に掲載されていないような貴重なデータに対して付与される場合などがある。貴重なデータとは、専門職の限られた人間のみにしか知り得ないようなデータなどである。
すなわち、システム側は、所望するデータに応じて優先タグを付与しておけば、ユーザはゲーム用特典の獲得を目当てに優先タグ付きミッションの遂行に励むことが期待される。
【0026】
(請求項8)
請求項8記載の発明は、請求項2から請求項7のいずれかに記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記ユーザ端末に送信するミッションは、複数のユーザ端末に対して同一のミッションを送信することを特徴とする。
【0027】
(作用)
複数のユーザ端末に同一のミッションを送信することで、より多くのデータが収集されてくる。これにより、取得した情報の精度向上に寄与するため好ましい。
【0028】
(請求項9)
請求項9記載の発明は、請求項2から請求項8のいずれかに記載のオンラインゲーム提供システムを限定したものであり、前記ユーザ端末が携帯端末として構成され、前記特典データ送信手段が前記携帯端末に送信した特典データ内の文書要約データを、携帯端末で受信可能な容量に圧縮する圧縮手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
(作用)
「携帯端末」とは、インターネット機能および電子メール機能を備えた携帯電話およびPDAなどに代表される移動体通信機器のことである。
【0030】
(作用)
本発明は、ユーザ端末が携帯端末である場合に対応したものであり、文書要約データを携帯端末で受信可能としている。受信時には、圧縮手段が携帯端末で受信可能な容量に圧縮している。携帯端末で文書要約データが受信可能となれば、外出先からでも文書要約データの閲覧が可能となり、利便性に優れるため好ましい。
【0031】
(請求項10)
請求項10記載の発明は、所望データの探索命令および収集命令からなるミッションの遂行を条件として所定のゲームコンテンツをユーザ端末に提供するとともに、前記ミッションを遂行した結果に基づいて、ゲームコンテンツ育成用キャラクタを成長させるための育成値を付与して、育成用キャラクタを育成させていくオンラインゲーム提供プログラムを提供する。
そのプログラムは、前記ユーザ端末から他ユーザとの対戦希望となる対戦要求を受信する対戦要求受信手順と、前記ユーザ端末の対戦者候補となるオンライン状態のオンラインユーザ端末を検索する対戦者検索手順と、その対戦者検索手順が対戦可能なオンラインユーザ端末を検索した場合に、当該オンラインユーザ端末に前記ユーザ端末からの対戦要求を送信する対戦要求送信手順と、その対戦要求を受信したオンラインユーザ端末が対戦要求を受諾した場合に、前記ユーザ端末とオンラインユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力するバトルステージ出力手順と、出力されたバトルステージにおいて、前記ユーザ端末およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されることをトリガーとして、バトルゲームが開始されるバトルゲーム開始手順と、前記選択された各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較する育成値データ比較手順と、その育成値データ比較手順が比較した育成値データおよび特殊条件に基づいて勝敗が付いた場合に、その勝敗結果を出力する勝敗結果出力手順と、を備えたコンピュータプログラムに係る。
【0032】
(請求項11)
請求項11記載の発明は、請求項10記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記複数の所望データからなるミッションリストが記憶された巨大データベースから、前記ユーザ端末に対して所望データに関する最新の情報をインターネット上から探させるためのミッションリストを抽出するミッションリスト抽出手順と、抽出したミッションリストを前記ユーザ端末に送信するミッションリスト送信手順と、そのミッションリストを受信したユーザ端末が所定のミッションを実行し、ミッション結果を返信した場合にそのミッション結果を受信するミッション結果受信手順と、その受信したミッション結果と巨大データベースとの差分データを抽出する差分演算手順と、その差分演算手順によって抽出された差分データが有効なデータであるか否かを判別するフィルタリング手順と、そのフィルタリング手順によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、前記育成値データを含む特典データを算出する特典データ算出手順と、その特典データ算出手順が算出した特典データを前記ユーザ端末へ送信する特典データ送信手順と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
(請求項12)
請求項12記載の発明は、請求項11記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記特典データ算出手順は、収集された情報の的確度および収集スピードに応じて算出されることを特徴とする。
【0034】
(請求項13)
請求項13記載の発明は、請求項11または請求項12に記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記ミッション結果を所定のアルゴリズムに基づいて文書要約する文書要約手順を備え、その文書要約手順によって要約されたミッション結果を文書要約データとして前記特典データに含めたことを特徴とする。
【0035】
(請求項14)
請求項14記載の発明は、請求項11から請求項13のいずれかに記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記フィルタリング手順によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、その有効データを有効差分データとして前記巨大データベースに記憶する有効差分データ記憶手順を備えたことを特徴とする。
【0036】
(請求項15)
請求項15記載の発明は、請求項13記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記文書要約手順は、人工知能エンジンによって文書要約されることを特徴とする。
【0037】
(請求項16)
請求項16記載の発明は、請求項11記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、データ収集の優先度を高く設定したミッションに対して優先タグを付与する優先タグ付与手順と、その優先タグのついたミッションを実行したユーザ端末に対してゲーム用の特典を付与するゲーム用特典付与手順と、を備えたことを特徴とする。
【0038】
(請求項17)
請求項17記載の発明は、請求項11から請求項16のいずれかに記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記ユーザ端末に送信するミッションは、複数のユーザ端末に対して同一のミッションを送信することを特徴とする。
【0039】
(請求項18)
請求項18記載の発明は、請求項11から請求項16のいずれかに記載のコンピュータプログラムを限定したものであり、前記ユーザ端末が携帯端末として構成されている場合に、前記特典データ送信手順が前記携帯端末に送信した特典データ内の文書要約データを、携帯端末で受信可能な容量に圧縮する圧縮手順を備えたことを特徴とする。
【0040】
請求項10から請求項18に記載のコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、MO(光磁気ディスク)、DVD−Rなどである。
また、これらの発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
【発明の効果】
【0041】
請求項1から請求項9に記載の発明によれば、オンラインゲームを提供することによる直接的な課金以外のメリットを享受することが可能なシステムを提供することができた。
請求項10から請求項18に記載の発明によれば、オンラインゲームを提供することによる直接的な課金以外のメリットを享受することが可能なコンピュータプログラムを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明を実施の形態及び図面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1から図9である。図1は、オンラインゲーム提供システムの全体構成を示す概略構成図であり、図2は、育成処理およびデータ収集処理手順を示したフローチャートであり、図3は、対戦処理を示したフローチャートであり、図4は、ユーザ端末の構成を示したブロック図であり、図5は、サーバの構成を示したブロック図であり、図6は、ミッションの例を示した図であり、図7は、格闘ゲームにおける初期ステータスおよび育成ステータスの例を示した図であり、図8は、ミッションを実行した際の検索結果の一例を示した図であり、図9は、バトルステージの画面構成を概略的に示した図である。
【0043】
(全体構成)
図1〜図3を参照して本発明の実施形態に係るオンラインゲーム提供システムについて説明する。
オンラインゲーム提供システムは、オンラインゲームを提供するサーバ10と、そのオンラインゲームをインターネット上で遊戯するユーザ端末40とから構成された育成型オンラインゲームであり、サーバ10が所望する所望データの探索命令および収集命令からなるミッションの遂行を条件としてオンラインゲームをユーザ端末40に提供し、所望データのミッションを遂行した結果に基づいて、オンラインゲーム内の育成用キャラクタを成長させるための育成値を付与して、育成用キャラクタを育成させていくシステムとなっている。なお、本実施形態のオンラインゲームは、ユーザから課金を取得しないフリー(無料)ゲームとしている。まず、全体の流れとして図2および図3に示すフローチャートを参照して説明していく。
【0044】
図2は、オンラインゲームにおけるキャラクタ育成処理およびキャラクタ育成によって得られるデータ収集処理手順を示したフローチャートである。
サーバ10は、ユーザ端末40が育成ゲームを開始するための接続要求を受信すると(S101)、巨大データベースに記憶されているミッションリストが最新のミッションリストに更新されているか否かを判別する(S102)。ミッションリストが最新であれば、ユーザ端末40に育成ゲームが開始可能となる閲覧サイトを出力する(S103)とともに、ミッションリスト送信手段が最新のミッションリストをユーザ端末40に送信する(S104)。一方、ミッションリストが最新でない場合には、ミッションリスト更新手段がミッションリストを更新する(S105)。
【0045】
ユーザ端末40は、閲覧サイト上に出力されるミッションリストを受信するとともに(S106)、ミッション実行手段が、指示された特定のミッションまたは自らが選択した所定のミッションを実行する(S107)。ミッション結果送信手段がミッションの実行結果をサーバ10に送信する(S108)。サーバ10のミッション結果受信手段が、ミッション結果を受信するとともに(S109)、差分演算手段がミッション結果である収集データと巨大データベースとの差分データを抽出する(S110)。また、フィルタリング手段が抽出された差分データが有効なデータ否かを判別する(S111)。有効なデータと判別された場合には、その有効差分データを巨大データベースに記録する(S112)。
【0046】
また、特典データ算出手段が、育成用キャラクタを育成させるための育成ポイント、およびミッションを遂行した際に収集した収集データを所定のアルゴリズムによって文書要約した文書要約データからなる特典データを算出する(S113)。特典データ送信手段が算出された特典データをユーザ端末40に送信する(S114)。ユーザ端末40の特典データ受信手段が特典データを受信する(S115)。受信した特典データのうち、育成ポイントはキャラクタの育成ポイントに割り当てられる(S116)。また、特典データのうち、文書要約データを閲覧可能となる(S117)。サーバ10は育成ポイントが反映されたキャラクタデータを取得し、取得したキャラクタデータをゲーム用データベースに記憶する(S118)。
【0047】
図2に示したように、ミッションを実行して育成ポイント(育成値)を獲得して成長したキャラクタは、他ユーザと対戦可能となる。図3は、他ユーザとの対戦処理を示したフローチャートである。
ユーザ端末40の対戦要求送信手段が、サーバ10に他ユーザとの対戦希望となる対戦要求を送信する(S201)。サーバ10の対戦要求受信手段が、その対戦要求を受信すると(S202)、対戦者検索手段がユーザ端末40の対戦者候補となるオンライン状態のオンラインユーザ端末を検索する(S203)。ここで、対戦可能なオンラインユーザ端末が検索された場合には(S204)、対戦要求送信手段がオンラインユーザ端末にユーザ端末40からの対戦要求を送信する(S205)。また、対戦可能なオンラインユーザ端末が検索されなければ、その旨をユーザ端末40に送信する(S204)。ユーザ端末40は、その結果を受信する(S206)。
【0048】
オンラインユーザ端末は、サーバ10からの対戦要求を受諾するか否かを判別し(S207)、対戦要求を受諾した場合には(S208)、バトルステージ出力手段がユーザ端末40とオンラインユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力する(S209)。各ユーザ端末は、バトルステージ画面に移行され(S210)、対戦に使用するキャラクタの選択をおこなう(S211)。
一方、オンラインユーザ端末に対戦要求が拒否された場合には、その旨をユーザ端末40に送信する(S212)。ユーザ端末40は、対戦不可であるという結果を受信する(S206)。
【0049】
出力されたバトルステージにおいて、バトルゲーム開始手段がユーザ端末40およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されたか否かを判別し(S213)、キャラクタが選択されていれば、それをトリガーとしてバトルゲームが開始される(S214)。
バトルゲームは、育成値データ比較手段が選択された各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較し(S215)、比較した育成値および特殊条件に基づいて勝敗が付いたか否かを判別し(S216)、勝敗が付いた場合に、その勝敗結果を出力する(S217)。この勝敗結果はゲーム用データベースに記録される(S218)。また、ユーザ端末40およびオンラインユーザ端末は、サーバ10から勝敗結果を受信する(S219)。そして、次のミッションへと移行して、育成ポイントを獲得して成長させ他のユーザと繰り返しバトルを繰り広げていく。
【0050】
(ユーザ端末)
図4は、ユーザ端末40の構成の一例を示したものである。
ユーザ端末40は、いわゆるクライアント型コンピュータであり、ユーザ端末40の全体の制御を行うとともに、各種演算処理を行うCPU41、各種データを書き込む際に、それらのデータを一時的に展開するRAM(メモリ)42、オペレーティングシステム、アプリケーションソフトおよび各種データが記憶される記憶部43、マウスやキーボード等の入力部44、ディスプレイ等の表示部45、インターネット100やイントラネットなどの電気通信回線に接続可能な通信部46、各種データをプリンタ等に出力可能な出力部47および各種データの入出力部である入出力ポート48を備えて構成されている。
【0051】
記録部43のアプリケーションソフトとしては、インターネット上のWebサイトを閲覧可能なWebブラウザを搭載している。ユーザ端末は、このWebブラウザを用いてサーバ10が提供するゲームサイトにアクセスし、ゲーム内で依頼されたミッションを遂行することで、データ収集を行うためのソフトウェアとなる。
【0052】
(サーバ)
図5は、サーバ10の構成を示したものである。サーバ10は、いわゆるサーバ型コンピュータであり、CPUやメインメモリ等により構成され、各種演算処理を行う演算処理部11、オペレーティングシステム、アプリケーションソフトおよびミッションリスト等の各種データが記憶される記憶手段としての巨大データベース12、オンラインゲーム用の各種データが記憶されたゲーム用データベース19、マウスやキーボード等の入力手段14、ディスプレイ等の表示手段15、インターネットやイントラネットなどの電気通信回線に接続可能な通信手段16、各種データをプリンタ等に出力可能な出力手段17および各種データの入出力部である入出力ポート13を備えて構成されている。
【0053】
「巨大データベース」とは、ユーザ端末から送信された探索結果が記憶された記憶手段のことであり、代表的にはハードディスクドライブなどである。このほか、予め記憶された有効データや辞書データなどのユーザに対してポータルサイトサービスを提供可能なデータが含まれる。また、巨大データベース12には、内蔵型および外付け型があり、用途に応じて複数設置されていても良い。
【0054】
「ゲーム用データベース」とは、オンラインゲーム用のゲームデータ等が記憶された記憶手段のことであり、代表的にはハードディスクドライブなどである。育成ゲームであれば、各ユーザの育成用キャラクタに係るステータス情報、対戦成績、対戦履歴、ミッション遂行スピード歴代ランキングおよびハイレベルミッション達成ランキングなどのゲームに関連するデータである。これらのデータは、ユーザ端末から適宜閲覧可能となっている。
なお、ゲーム用データベース19は、内蔵型としているが、サーバ10とは物理的に離れた位置に、ゲーム用サーバを設置し、当該ゲーム用サーバに格納する形態としても良い。このようにすれば、分散処理としてサーバ負荷を低減することができる。
【0055】
(ミッションリスト)
ミッションリストは、ミッションリスト作成手段が、オンラインゲーム提供者が所望する所望データを予め作成し、オンラインゲームを遊戯するユーザにキャラクタ育成時におけるルールとして記憶したものである。このミッションリストは、所定間隔、例えば数分ごとに最新のミッションリストへ更新されていき、その時点での所望データをミッションとしてリスト化している。
【0056】
ミッションの例を図6に示す。
ミッションリストは、複数のカテゴリに分別されており、スポーツ、コンピュータ、映画、音楽、旅行などの大カテゴリと、スポーツであればサッカー、プロ野球などの大カテゴリを細分化した中カテゴリと、サッカーであれば、Jリーグや海外サッカーなどのさらに細分化した小カテゴリとに分別された、いわゆるツリー構造の形態となっている。
【0057】
例えば、海外サッカーを選択すると、[No1 高原直泰の現在のゴールランキングを調査せよ!]、[No2.中村俊輔の歴代所属チームとその背番号を調査せよ!]・・・などが表示される。ミッションリストは、サーバ10からユーザ端末40にミッションとして依頼する場合とユーザに選択してもらう場合との二形態で実行可能となっている。
【0058】
サーバ10から依頼する場合は、オンラインゲームのユーザ登録時に取得したユーザ端末情報を参考にして、そのユーザの嗜好にマッチするミッションをいくつか選択する。例えば、趣味が旅行であれば、旅行カテゴリを選択して送信するなどである。
また、ユーザに選択してもらう場合には、ミッションリストを画面表示し、そこからユーザ任意で選択してもらうことになる。例えば、ユーザ端末40が[No3.中田浩二のデビュー戦の結果を詳細に調査せよ!]を選択したとすれば、ユーザ端末40は、このミッションに基づいた情報をインターネット上から収集する必要がある。
【0059】
各ミッションには、キャラクタの育成ポイントに相当するベースポイントが表示されている。これは、ミッションをクリアした場合に、付与される最低育成ポイントである。また、所定条件をクリアした場合にのみ付与されるボーナスポイントが表示されている。ボーナスポイントを得るには、図6に示すように、「5分以内」などの時間制限をクリアしなければならない。すなわち、多くの育成ポイントを得るには、ミッションの達成スピードや正確性などが必要となっている。
【0060】
(優先タグ)
また、ミッションリストには、優先タグが付与されている。優先タグとは、複数のミッションに優先順位を付与したものであり、サーバ10が優先的にデータ収集を希望するデータには、優先タグ付与手段が優先タグを付ける。優先タグとしては、図6に示すように、優先度[優]というマークでも良いし、[至急]、[緊急]などのマークやロゴ、また、フォント別や色別にするなど、他のミッションと比較して一目できれば良い。また、優先タグを段階的に、特急、超特急などとしてもよい。
【0061】
この優先タグは、オンラインゲーム提供者が任意に取り決めを行うことが可能であるが、時事ニュース、災害情報およびスポーツ結果などの緊急性および速報性を有する情報に対して付与される場合、巨大データベース12に足りないデータの補完に対して付与される場合、また、インターネット上に掲載されていないような貴重なデータに対して付与される場合などがある。貴重なデータとは、専門職の限られた人間のみにしか知り得ないようなデータなどである。すなわち、システム側は、所望するデータに応じて優先タグを付与しておけば、ユーザはゲーム用特典の獲得を目当てに優先タグ付きミッションの遂行に励むことが期待される。
図6では、スポーツ結果である[No3 中田浩二のデビュー戦結果]に優先タグを付与している。また、詳細は後述するが、優先タグの付いたミッション収集してきたユーザ端末には所定の特典が与えられる。
【0062】
(精度向上)
また、ユーザ端末40に送信するミッションは、複数のユーザ端末に対して同一のミッションを送信する。ミッションが[ペイオフ]というデータである場合、この[ペイオフ]というミッションを5人のユーザに送信する。また、[郵政民営化]というミッションでは、10人のユーザに送信する。すなわち、複数のユーザ端末に同一のミッションを送信することで、より多くのデータが収集されてくる。これにより、取得した情報の精度をあげることになるため好ましい。
【0063】
以下、格闘ゲームを例にした育成型オンラインゲームとしてさらに詳細に説明する。
この格闘ゲームは、ユーザが作成した格闘家を成長させていき、異種格闘技の世界チャンピオンを目指していくというストーリーの育成ゲームである。まず、ユーザは、ゲーム開始にあたってのユーザ登録を行い、ユーザIDおよびパスワードを取得する。ユーザ登録後、Webブラウザから格闘ゲームのURLにアクセスし、初期設定を行う。初期設定では、格闘タイプとキャラクタを選択し、名前を付ける。ここでは、格闘タイプとして「キックボクシング」を選択し、名前を「クロコプ」として説明していく。
【0064】
図7の左側に、初期設定の終了画面で表示される「クロコプ」の初期ステータスを示す。これには、ユーザがつけた[名前]、格闘タイプを示す[属性]、現在の[レベル]のほか、[スタミナ]、[パンチ力]、[キック力]、[投げ技]、[グラウンド]、[ディフェンス]、[メンタル]、[必殺技]の各ステータスと、獲得した[獲得済み育成ポイント]および利用可能な育成ポイントを示す[利用可能育成ポイント]が表示されている。現在は初期状態なので、レベル1であり必殺技もない状態である。
【0065】
初期設定が終了すると、ゲームを開始して「クロコプ」を育成させていく。育成には、前述したように数々のミッションを遂行していく必要があるため、ユーザは、ゲーム画面上に表示されたミッションリストから所定のミッションを選択する。ここでは、図6に示した[No3 中田浩二のデビュー戦結果]を選択したとする。ユーザは、インターネット上から[No3 中田浩二のデビュー戦結果]を検索する。検索結果の一例を図8に示す。
【0066】
図8に示すように、[No3 中田浩二のデビュー戦結果]として、フル出場も完敗…という結果が得られた。ユーザは、これをテキストデータまたはHTMLデータとしてダウンロードし、ミッション結果を送信するための専用サイトに所定形式でアップロードする。アップロードされたミッション結果は、サーバ10の差分演算によって、巨大データベース12に記憶されていないデータであるか否かをチェックする。また、差分演算によって抽出された差分データは、フィルタリング手段が有効であるか否かを判別する。ここでいう、フィルタリングとは、[ミッションに適合するデータであるか否か]を主に検出するほか、悪意のあるプログラムデータやウィルス検出も行われる。
【0067】
[ミッションに適合するデータであるか否か]とは、例えば、ユーザ端末40へのミッションが前述した[No3 中田浩二のデビュー戦結果]である場合、収集されてきたデータのうち、[サッカー]、[デビュー戦]、[中田浩二]、[日付データ]などの各キーワードのいずれも含まれていない場合には、ミッションとは関連性のない無効データと判断するなどである。なお、精度を高めたい場合には、検出条件に複数のキーワードを設定して絞り込めばよい。
また、このほかのフィルタリング設定の例としては、時事ニュースなどは迅速性が重要であるため、ミッション結果の中の[日付データ]を重視し、ある一定の時間が経過した場合には無効とする、というような設定としても良い。フィルタリングを通過した差分データは、有効差分データとして巨大データベース12に記憶される。また、巨大データベース12に記憶された有効差分データは、他の情報提供サービスなどの情報源として提供可能となる。
【0068】
ここでは、前述のミッション結果がフィルタリングによって有効データとして判別されたとし、ミッション遂行によるベースポイントとなる[2P]を獲得した。また、ミッション開始からミッション結果を送信するまでの時間が、図6のボーナスポイント獲得条件である10分以内をクリアしたため、プラス[10P]を獲得した。獲得した育成ポイントの合計[12P]と、この[12P]をキャラクタ「クロコプ」の各ステータスポイントに割り振った状態が図7の右側であり、[スタミナ]に[5P]、[パンチ力]に[3P]、[キック力]に[4P]とそれぞれに割り振っている。
【0069】
なお、今回のミッションでは、優先タグの付いたミッションをクリアしているので、特典(ゲーム用特典)が付与される。この特典は、賞金、賞品および育成ポイントなどであり、ユーザに選択可能な形態となっている。ユーザは、このようにしてミッションを次々に遂行していき、自らのキャラクタ「クロコプ」を成長させていき、世界チャンピオンを目指す。これらの育成データは、ゲームデータベース19に記憶されるため、時間や日にちをおいて継続的に遊戯可能となっている。
【0070】
(文書要約データ)
また、ミッションを遂行すると、サーバ10から育成ポイントが送信されてくるが、この育成ポイントのほか、Web検索によってサーバ10に送信したミッション結果が要約された形態となる、文書要約データが受信可能となっている。「文書要約データ」とは、サーバ10の文書要約手段が所定のアルゴリズムに基づいてミッション結果を文書要約したものである。ユーザは、自らが検索して送信したミッションがどのような形になったのかを、閲覧可能となっている。
【0071】
アルゴリズムとしては、例えば、XMLベースフォーマットによって、Webサイトの見出し、要約、更新時刻などのメタデータを構造化して記述したRSS(Rich Site Summary)機能を用いる場合などがある。RSSは、主にWebサイトの更新情報を公開するのに使われているが、これを文書要約データ用に改良すれば良い。また、文書要約手段が人工知能エンジンによって文書要約するようにしても良い。これは、サーバ10の巨大データベース12に記憶された有効差分データを、人工知能エンジンによって自動的に文書要約したものである。
【0072】
(携帯電話での受信)
なお、文書要約データは、ユーザ端末で閲覧されるが、携帯電話(携帯端末)から閲覧することも可能となっている。これは、特典データ送信手段が携帯電話に送信した特典データ内の文書要約データを、携帯電話で受信可能な容量に圧縮することで可能となる。文書要約データの受信時には、圧縮手段が携帯電話で受信可能な容量に圧縮している。携帯電話で文書要約データが受信可能となれば、外出先からでも文書要約データの閲覧が可能となり、利便性に優れるため好ましい。なお、受信に使用する携帯電話は、通話機能のほか、インターネット接続機能および電子メール機能を備えている必要がある。
【0073】
次に、育成したキャラクタ「クロコプ」を他のユーザのキャラクタと対戦させる。ゲーム画面上のバトルボタンを押すことによって、サーバ10に対戦要求が送信される。サーバ10の対戦者検索手段が「クロコプ」の対戦者候補となるオンライン状態のキャラクタを検索する。複数の対戦キャラクタが見つかれば、対戦を希望する任意のキャラクタを選択する。
【0074】
図9は、ユーザの「クロコプ」と、その対戦相手となった「ノゲーラ」とのバトルステージの画面である。各ユーザ端末がキャラクタ選択を完了後、バトルステージに移動してバトル開始となる。バトルゲームは、サーバ10の育成値データ比較手段が、選択された各キャラクタに係る育成ステータス(育成値データ)の強弱を比較し、攻撃と防御を交互に行うターン制バトルによって、相手のスタミナを早く“ゼロ”にしたほうが勝ちとなる。
また、キャラクタが必殺技(特殊条件)をもっていれば、所定の確率で必殺技イベントが発生し、ターン制の有無にかかわらず、相手をクリティカルヒットによって一撃で倒すことができる。そして、バトルに勝利したキャラクタに対しては、所定の育成ポイントが付与される。
【0075】
(必殺技の取得)
なお、必殺技を取得するには、ミッション遂行条件に関連して取得可能となっている。いくつかの取得条件があるが、一つは優先タグのついたミッションを五回連続成功する、もう一つは、カテゴリ(スポーツ、コンピュータ、映画・・・)の異なる優先タグのついたミッションを、三回連続成功する、などの遂行条件である。これら優先タグのついたミッションは制限がある。換言すれば、早い者勝ちとなっている。つまり、バトルに勝つためには、育成ポイントを獲得しなければならないが、より効率的に獲得するには優先タグのついたミッションを遂行することが好ましいことになる。
【0076】
この優先タグのついたミッションは、オンラインゲーム運営者が最も欲しいデータであり、また、タイムリーなデータに付与されている。すなわち、優先タグのついたミッションは、キャラクタの育成には有利な条件となる一方、オンラインゲーム運営者の所望する情報を迅速に取得できるシステムを構築している。これにより、オンラインゲームを提供することで、課金以外の「情報取得」というメリットを享受することが可能となる。
【0077】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、前述の育成型オンラインゲームに替えて、ボードゲーム型のオンラインゲームの“スゴロク”を提供するオンライゲーム提供システムについて説明していく。
【0078】
図10は、スゴロクの遊戯画面を示してものである。ここでは、ユーザ端末40のほか、オンラインユーザ二人と同時遊戯している状態である。ルールは、コマを進めるためのサイコロの代わりにミッションを遂行していき、そのミッション結果からコマを進行させることができる進行ポイントを獲得して、他のユーザよりも早く[ゴール]したユーザが勝ちとなる。
【0079】
進行ポイントは、基本的にサーバ10から与えられたミッション、またはユーザが選択したミッションに対して有効なデータであれば、より多くの進行ポイントを得られる。ただし、コマを進行させていき、停止したコマのイベントをクリアする必要がある。このイベントには、ユーザの有利、不利になる様々なイベントが用意されている。
【0080】
ユーザの有利になるイベントとしては、例えば、10コマ進む、他のユーザをスタートに戻す、他のユーザを10コマ戻す、図書券獲得などがある。ユーザの不利になるイベントとしては、例えば、10コマ戻る、スタートに戻る、他のユーザを10コマ進めるなどがある。なお、一番に[ゴール]したユーザは、特典として賞品および賞金がもらえるようになっている。
【0081】
また、このスゴロクは、リアルタイムにより進行しているので、ユーザごとに順番にコマを進めていく、という概念はない。つまり、ユーザは、より多くのミッションを迅速に遂行していくことで進行ポイントを獲得し、他のユーザよりも早くゴールを目指す、という非常にスリリングなゲーム性となっている。
【0082】
すなわち、本実施形態によれば、オンラインゲーム運営者の所望する情報を迅速に取得できるシステムを構築している。これにより、オンラインゲームを提供することで、課金以外の「情報取得」というメリットを享受することが可能となる。
【0083】
なお、上述した各実施形態においては、巨大データベース12を内蔵型の記憶装置としているが、これに限定されることはない。例えば、サーバ10とは物理的に離れた位置に設置するようにしても良い。また、説明上、巨大データベース12およびゲーム用データベース19が一つであることを前提として説明しているが、巨大データベース12およびゲーム用データベース19を複数設置することも当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】オンラインゲーム提供システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図2】育成処理およびデータ収集処理手順を示したフローチャートである。
【図3】対戦処理を示したフローチャートである。
【図4】ユーザ端末の構成を示したブロック図である。
【図5】サーバの構成を示したブロック図である。
【図6】ミッションの例を示した図である。
【図7】格闘ゲームにおける初期ステータスおよび育成ステータスの例を示した図である。
【図8】ミッションを実行した際の検索結果の一例を示した図である。
【図9】バトルステージの画面構成を概略的に示した図である。
【図10】第二実施形態のオンラインゲーム提供システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0085】
10 サーバ
11 演算処理部
12 巨大データベース
13、48 入出力ポート
14 入力手段
15 表示手段
16 通信手段
17 出力手段
19 ゲーム用データベース
40 ユーザ端末
41 CPU
42 RAM
43 記憶部
44 入力部
45 表示部
46 通信部
47 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望データの探索命令および収集命令からなるミッションの遂行を条件として所定のゲームコンテンツをユーザ端末に提供するとともに、前記ミッションを遂行した結果に基づいて、ゲームコンテンツ育成用キャラクタを成長させるための育成値を付与して、育成用キャラクタを育成させていくオンラインゲーム提供システムであって、
前記ユーザ端末から他ユーザとの対戦希望となる対戦要求を受信する対戦要求受信手段と、
前記ユーザ端末の対戦者候補となるオンライン状態のオンラインユーザ端末を検索する対戦者検索手段と、
その対戦者検索手段が対戦可能なオンラインユーザ端末を検索した場合に、当該オンラインユーザ端末に前記ユーザ端末からの対戦要求を送信する対戦要求送信手段と、
その対戦要求を受信したオンラインユーザ端末が対戦要求を受諾した場合に、前記ユーザ端末とオンラインユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力するバトルステージ出力手段と、
出力されたバトルステージにおいて、前記ユーザ端末およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されることをトリガーとして、バトルゲームが開始されるバトルゲーム開始手段と、
前記選択された各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較する育成値データ比較手段と、
その育成値データ比較手段が比較した育成値データおよび特殊条件に基づいて勝敗が付いた場合に、その勝敗結果を出力する勝敗結果出力手段と、
を備えたことを特徴とするオンラインゲーム提供システム。
【請求項2】
前記複数の所望データからなるミッションリストが記憶された巨大データベースと、
その巨大データベースから前記ユーザ端末に対して、所望データに関する最新の情報をインターネット上から探させるためのミッションリストを抽出するミッションリスト抽出手段と、
抽出したミッションリストを前記ユーザ端末に送信するミッションリスト送信手段と、
そのミッションリストを受信したユーザ端末が所定のミッションを実行し、ミッション結果を返信した場合にそのミッション結果を受信するミッション結果受信手段と、
その受信したミッション結果と巨大データベースとの差分データを抽出する差分演算手段と、
その差分演算手段によって抽出された差分データが有効なデータであるか否かを判別するフィルタリング手段と、
そのフィルタリング手段によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、前記育成値データを含む特典データを算出する特典データ算出手段と、
その特典データ算出手段が算出した特典データを前記ユーザ端末へ送信する特典データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項3】
前記特典データ算出手段は、収集された情報の的確度および収集スピードに応じて算出されることを特徴とする請求項2記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項4】
前記ミッション結果を所定のアルゴリズムに基づいて文書要約する文書要約手段を備え、その文書要約手段によって要約されたミッション結果を文書要約データとして前記特典データに含めたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項5】
前記フィルタリング手段によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、その有効データを有効差分データとして前記巨大データベースに記憶されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項6】
前記文書要約手段は、人工知能エンジンによって文書要約されることを特徴とする請求項4に記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項7】
データ収集の優先度を高く設定したミッションに対して優先タグを付与する優先タグ付与手段と、その優先タグのついたミッションを実行したユーザ端末に対してゲーム用の特典を付与するゲーム用特典付与手段と、を備えたことを特徴とする請求項2記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末に送信するミッションは、複数のユーザ端末に対して同一のミッションを送信することを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項9】
前記ユーザ端末が携帯端末として構成され、前記特典データ送信手段が前記携帯端末に送信した特典データ内の文書要約データを、携帯端末で受信可能な容量に圧縮する圧縮手段を備えたことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載のオンラインゲーム提供システム。
【請求項10】
所望データの探索命令および収集命令からなるミッションの遂行を条件として所定のゲームコンテンツをユーザ端末に提供するとともに、前記ミッションを遂行した結果に基づいて、ゲームコンテンツ育成用キャラクタを成長させるための育成値を付与して、育成用キャラクタを育成させていくオンラインゲーム提供プログラムであって、
そのプログラムは、前記ユーザ端末から他ユーザとの対戦希望となる対戦要求を受信する対戦要求受信手順と、
前記ユーザ端末の対戦者候補となるオンライン状態のオンラインユーザ端末を検索する対戦者検索手順と、
その対戦者検索手順が対戦可能なオンラインユーザ端末を検索した場合に、当該オンラインユーザ端末に前記ユーザ端末からの対戦要求を送信する対戦要求送信手順と、
その対戦要求を受信したオンラインユーザ端末が対戦要求を受諾した場合に、前記ユーザ端末とオンラインユーザ端末との対戦場所となるバトルステージ画面を出力するバトルステージ出力手順と、
出力されたバトルステージにおいて、前記ユーザ端末およびオンラインユーザ端末によって所定のキャラクタが選択されることをトリガーとして、バトルゲームが開始されるバトルゲーム開始手順と、
前記選択された各キャラクタに係る育成値データの強弱を比較する育成値データ比較手順と、
その育成値データ比較手順が比較した育成値データおよび特殊条件に基づいて勝敗が付いた場合に、その勝敗結果を出力する勝敗結果出力手順と、
を備えたコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記複数の所望データからなるミッションリストが記憶された巨大データベースから、前記ユーザ端末に対して所望データに関する最新の情報をインターネット上から探させるためのミッションリストを抽出するミッションリスト抽出手順と、
抽出したミッションリストを前記ユーザ端末に送信するミッションリスト送信手順と、
そのミッションリストを受信したユーザ端末が所定のミッションを実行し、ミッション結果を返信した場合にそのミッション結果を受信するミッション結果受信手順と、
その受信したミッション結果と巨大データベースとの差分データを抽出する差分演算手順と、
その差分演算手順によって抽出された差分データが有効なデータであるか否かを判別するフィルタリング手順と、
そのフィルタリング手順によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、前記育成値データを含む特典データを算出する特典データ算出手順と、
その特典データ算出手順が算出した特典データを前記ユーザ端末へ送信する特典データ送信手順と、
を備えたことを特徴とする請求項10記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記特典データ算出手順は、収集された情報の的確度および収集スピードに応じて算出されることを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記ミッション結果を所定のアルゴリズムに基づいて文書要約する文書要約手順を備え、その文書要約手順によって要約されたミッション結果を文書要約データとして前記特典データに含めたことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記フィルタリング手順によってミッション結果が有効データであると判別された場合に、その有効データを有効差分データとして前記巨大データベースに記憶する有効差分データ記憶手順を備えたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記文書要約手順は、人工知能エンジンによって文書要約されることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
データ収集の優先度を高く設定したミッションに対して優先タグを付与する優先タグ付与手順と、その優先タグのついたミッションを実行したユーザ端末に対してゲーム用の特典を付与するゲーム用特典付与手順と、を備えたことを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記ユーザ端末に送信するミッションは、複数のユーザ端末に対して同一のミッションを送信することを特徴とする請求項11から請求項16のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記ユーザ端末が携帯端末として構成されている場合に、前記特典データ送信手順が前記携帯端末に送信した特典データ内の文書要約データを、携帯端末で受信可能な容量に圧縮する圧縮手順を備えたことを特徴とする請求項11から請求項16のいずれかに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−333916(P2006−333916A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158990(P2005−158990)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(500135754)伊藤忠テクノサイエンス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】