説明

オーダエントリシステム、注文管理制御装置及びコンピュータプログラム

【課題】正確な配膳待ち時間を顧客に報知する。
【解決手段】単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得し(ステップS2)、調理開始待ち時間を取得して調理開始時刻を決定し(ステップS3、4)、調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間に対応する時間帯におけるシフト人数と合計調理時間とに基づいて、調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間以内に入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定し(ステップS5、6)、終了すると判定された場合、調理開始待ち時間に調理が終了するに際して要する時間を加算して配膳待ち時間を取得し(ステップS7)、終了しないと判定された場合、終了する分の時間を合計調理時間から減算して新たな合計調理時間とし、調理開始待ち時間に調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間を加算して新たな調理開始待ち時間とし新たな調理開始時刻を決定し(ステップS10〜12)、再度判定するようにした(ステップS5、6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレストラン等の店舗で使用されるオーダエントリシステム、注文管理制御装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストラン等で使用されているオーダエントリシステムは、注文情報の入力を受け付ける注文端末として、注文担当店員が携帯して使用するハンディターミナルや接客フロアのテーブルに配置されて顧客が使用する卓上注文端末を備えており、入力された注文情報は無線送信されて注文管理制御装置としてのオーダステーションが受信し、受信した注文情報をオーダステーションからキッチンプリンタに送信し、この注文情報をキッチンプリンタで印字発行して、注文内容をキッチンの調理人に知らせている。
【0003】
また、特許文献1には、注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目が配膳されるまでの配膳待ち時間を店舗の入り口等に設置された表示装置に表示させる技術が開示されている。この技術により顧客は配膳待ち時間を知ることができるので、顧客に対するサービス向上が期待できる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−296823公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された技術では、注文を受け付けた時刻と注文が配膳された時刻とに基づき注文毎の配膳待ち時間を算出しておき、この注文毎の配膳待ち時間の平均値を配膳待ち時間として表示装置に表示させている。しかしながら、レストラン等の飲食店では、キッチンの調理人のシフト人数は時間帯毎に変更されるため、同一のメニュー品目であっても、時間帯によって調理に要する時間は大きく異なってしまい、場合によっては、表示装置に表示された配膳待ち時間よりも実際の配膳待ち時間の方が極めて長くなり、顧客に対して不満を与えてしまうことになる。
【0006】
本発明の目的は、正確な配膳待ち時間を顧客に報知することができるオーダエントリシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のオーダエントリシステムは、注文情報の入力を受け付ける注文端末と、前記注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置と、接客フロアのテーブルに配置されて前記注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置とを備え、前記注文管理制御装置は、メニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させ、所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させ、また、前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得し、前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定し、そして、前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得し、前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定し、前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得し、前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をし、さらに、前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を前記表示装置に表示させるために送信出力するようにした。
【0008】
本発明の注文管理制御装置は、注文情報の入力を受け付ける注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置において、メニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させ、所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させ、また、前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得し、前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定し、そして、前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得し、前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定し、前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得し、前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をし、さらに、前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を、接客フロアのテーブルに配置されて当該注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置に表示させるために送信出力するようにした。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムは、注文情報の入力を受け付ける注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータにメニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させる機能と、所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させる機能と、前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得する機能と、前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定する機能と、前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得する機能と、前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定する機能と、前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得する機能と、前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をする機能と、前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を、接客フロアのテーブルに配置されて当該注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置に表示させるために送信出力する機能と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、注文情報に係るメニュー品目についての配膳待ち時間が、時間帯別のキッチンの調理人のシフト人数が反映されて算出されるので、シフト変更に対応した正確な配膳待ち時間を取得することができ、この配膳待ち時間を接客フロアのテーブルに配置された表示装置に表示することで、正確な配膳待ち時間を顧客に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の一形態を図1ないし図9に基づいて説明する。
【0012】
図1は、オーダエントリシステム1の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。オーダエントリシステム1は、注文担当店員が個々に携帯して注文情報を入力する注文端末としてのハンディターミナル2と、接客フロアの各テーブルに配置されて顧客が注文情報を入力する注文端末であって、情報を顧客に向けて表示する表示装置としての卓上注文端末3と、天井などに設置されてハンディターミナル2及び卓上注文端末3との無線通信を可能とする無線通信ユニット4と、注文メニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票(図示せず)を印字発行するキッチンプリンタ5と、チェックアウトカウンタに設置される会計装置であるPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末6と、システム全体を制御する注文管理制御装置としてのオーダステーション7と、を備えており、無線通信ユニット4とキッチンプリンタ5とPOS端末6とを通信回線8によってオーダステーション7に接続することにより構成されている。
【0013】
ハンディターミナル2には、各種操作キーを配設したキーボード21と、入力された注文情報の内容等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)20とが設けられている。特に図示しないが、キーボード21に配設された操作キーとしては、「0」から「9」まで数字を入力するためのテンキー、所望のメニュー品目を指定するために予めメニュー品目がプリセットされたメニューキー等が含まれている。注文担当店員は、キーボード21を操作して、接客フロアのテーブルに予め付与されているテーブル番号や顧客が口頭で告げた注文についてハンディターミナル2に入力する。ハンディターミナル2に入力されたテーブル番号や注文情報は無線通信ユニット4を介してオーダステーション7に対して送信される。
【0014】
卓上注文端末3には、接客フロアのテーブルに配置されて顧客に向けて情報が表示されるLCD30及び操作キー31が設けられている。LCD30には注文内容、金額、配膳待ち時間等の各種情報が表示され、操作キー31としては、「0」から「9」まで数字を入力するためのテンキーや入力した数字をクリアするためのクリアキー等が設けられている。なお、卓上注文端末3には、メニュー品目がその品番と共に一覧表示されたメニュー表Mが挿し込まれるスリットSが形成されている。そして、顧客は、注文担当店員に注文を告げるほかに、卓上注文端末3の操作キー31のテンキーを操作して所望するメニュー品目の品番入力をすることによっても注文をすることができる。卓上注文端末3には配置されたテーブルのテーブル番号が予め設定されており、卓上注文端末3に入力された注文情報は、このテーブル番号とともに無線通信ユニット4を介してオーダステーション7に対して送信される。
【0015】
オーダステーション7には、各種操作キーを配設したキーボード40と情報が表示されるLCD41とが設けられている。特に図示しないが、キーボード40に配設された操作キーとしては、「0」から「9」まで数字を入力するためのテンキーが含まれている。
【0016】
なお、オーダエントリシステム1を構成する無線通信ユニット4、キッチンプリンタ5、及びPOS端末6については、その構造及び機能は従来のものと何ら変わるものではないためその説明は省略する。
【0017】
図2は、ハンディターミナル2に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。ハンディターミナル2には、制御部22が備えられており、この制御部22が各部を駆動制御する。制御部22は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)23にバスライン24を介して、CPU23を動作させるコンピュータプログラム等の固定的データを予め格納するROM(Read Only Memory)25と各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)26とが接続されて構成されている。ROM25には、各種メニュー品目のメニュー品目名及び当該メニュー品目の価格を記憶保持する商品データファイル(図示せず)も格納されている。このような制御部22には、バスライン24を介してキーボード21、LCD20、及び無線通信ユニット4との間で無線通信するための無線通信装置29が接続されている。
【0018】
図3は、卓上注文端末3に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。卓上注文端末3には制御部32が備えられており、この制御部32が各部を駆動制御する。制御部32は、各部を集中的に制御するCPU33にバスライン34を介して、制御部32を動作させるコンピュータプログラム等の固定的データを予め格納するROM35と各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能するRAM36と、が接続されて構成されている。ROM35には、各種メニュー品目のメニュー品目名及び当該メニュー品目の価格を記憶保持する商品データファイル(図示せず)も格納されている。このような制御部32には、バスライン34を介して操作キー31、LCD30、及び無線通信ユニット4との間で無線通信するための無線通信装置39が接続されている。無線通信装置39により、卓上注文端末3は、オーダステーション7との間でのデータの送受信を可能にしている。
【0019】
図4は、オーダステーション7に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。オーダステーション7には、制御部42が備えられており、この制御部42が各部を駆動制御する。制御部42は、各部を集中的に制御するCPU43にバスライン44を介して、CPU43を動作させるコンピュータプログラム等の固定的データを予め格納するROM45と各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能するRAM46とが接続されて構成されている。このような制御部42には、バスライン44を介してキーボード40、LCD41、及び通信回線8を介して各装置と通信するためのライン通信装置49が接続されている。
【0020】
また、オーダステーション7のRAM46内には、注文情報を記憶するための顧客注文情報ファイルF1が設けられている。この顧客注文情報ファイルF1には、伝票番号毎に、テーブル番号、人数、注文メニュー品目、注文数量、注文情報が入力された入力時刻等が記憶される。この顧客注文情報ファイルF1に記憶された内容は、該当する伝票番号についての会計処理がPOS端末6で終了するまで保持される。
【0021】
さらに、オーダステーション7のRAM46内には、後述する時間ファイルF2、メニューテーブルT1、シフトテーブルT2が設けられており、メニューテーブル1及びシフトテーブルT2については、キーボード40の所定の操作によって、設定内容のLCD41への表示や設定内容の入力及び変更を行うことができる。
【0022】
図5は、時間ファイルF2を示す模式図である。時間ファイルF2は、注文情報の入力時刻の順に記憶されるテーブル番号fに対応させて、各テーブル番号から特定されるテーブルにおける配膳待ち時間hを記憶するものである。ここで、配膳待ち時間hは、ハンディターミナル2等に入力された注文情報に係るメニュー品目について配膳までに要する時間である。
【0023】
図6は、メニューテーブルT1を示す模式図である。メニューテーブルT1は、メニュー表Mに一覧表示されているメニュー品目について、品番aに対応させて、メニュー品目bとそのメニュー品目についてキッチンの調理人一人が調理を完了するに際して要する単品調理時間cとを記憶するものであり、設定内容はオーダエントリシステム1の使用前に予め入力される。なお、単品調理時間cは、例えば経験則等から求められる。
【0024】
図7は、シフトテーブルT2を示す模式図である。シフトテーブルT2は、店舗の営業時間を所定の時間で区切った時間帯dに対応させて、それぞれの時間帯におけるキッチンの調理人のシフト人数eを記憶するものであり、メニューテーブルT1と同様に設定内容はオーダエントリシステム1の使用前に予め入力される。なお、本実施の形態では時間帯dは30分毎に区切られた例を示しているが、これに限られないことは言うまでもない。
【0025】
図8は、配膳待ち時間を算出する際に実行される処理の流れを示すフローチャートである。オーダステーション7の制御部42は、ハンディターミナル2又は卓上注文端末3に入力された注文情報を受信すると(ステップS1のY)、テーブル番号に基づいて伝票番号毎に入力時刻やメニュー品目等の注文情報を顧客注文情報ファイルF1に記憶させる。なお、入力された注文情報に係るメニュー品目を以下、入力メニュー品目と称する。
【0026】
次に、制御部42は、メニューテーブルT1のメニュー品目bと単品調理時間cとを参照して、入力メニュー品目に含まれる各メニュー品目について単品調理時間を足し合わせて合計した調理時間(以下、合計調理時間と称する)を取得する(ステップS2)。図6に示したメニューテーブルT1を参照して具体的に説明すると、入力メニュー品目に含まれるメニュー品目bがA、B、C、及びDの場合、それぞれ単品調理時間cは2分、2分、5分、及び4分なので、入力メニュー品目の合計調理時間は13分となる。
【0027】
そして、制御部42は、入力メニュー品目について注文情報が入力されてから(入力時刻)から調理が開始されるまでに要する時間(以下、調理開始待ち時間と称する)を取得する(ステップS3)。つまり、制御部42は、時間ファイルF2に記憶された他のテーブルにおける配膳待ち時間hを参照して最長の配膳待ち時間を取得し、取得した配膳待ち時間を調理開始待ち時間とする。そして、次に、制御部42は、この調理開始待ち時間に基づいて入力メニュー品目についての調理開始時刻を決定する(ステップS4)。図5に示した時間ファイルF2を参照して具体的に説明すると、入力時刻10:43である場合、ステップS3として、最長の配膳待ち時間12分を取得してこれを調理開始待ち時間12分とし、ステップS4として、入力時刻10:43に調理開始待ち時間12分を加算して調理開始時刻10:55分を得る。
【0028】
次に、制御部42は、シフトテーブルT2を検索して、時間帯dとシフト人数eとを参照して、調理開始時刻からシフト人数が最初に変更する時刻(以下、シフト変更時刻と称する)までの時間(以下、作業時間と称する)に対応する時間帯におけるシフト人数を取得し、この作業時間に取得したシフト人数を乗じた時間を算出する(ステップS5)。このようにして、ステップS5では、調理開始時刻からシフト変更時刻までのシフト人数全員分の作業時間(以下、合計作業時間と称する)が算出される。図7に示したシフトテーブルT2を参照して具体的に説明すると、例えば、調理開始時刻10:55の場合、調理開始時刻からシフト変更時刻11:00までの時間5分を作業時間5分として、対応する時間帯におけるシフト人数2人を乗じて合計作業時間10分を取得する。つまり作業時間5分をシフト人数2人で作業することから実質的な作業時間(合計作業時間)が10分であるということになる。そして、合計作業時間を取得した制御部42は、ステップS2で算出された合計調理時間がこの合計作業時間以下であるか否かを判断する(ステップS6)。ここに、合計調理時間と取得したシフト人数とに基づいて、調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間以内に、入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定する手段の機能が実行される。
【0029】
そして、ステップS6で、合計調理時間が合計作業時間以下であると判断された場合(ステップS6のY)、つまり、調理が終了すると判定された場合、制御部42は、合計調理時間を対応する時間帯におけるシフト人数で割った時間を算出することで、入力メニュー品目についてその時間帯におけるシフト人数で調理終了に要する時間を取得し、この時間をステップS3で取得された調理開始待ち時間に加算することで配膳待ち時間を算出する(ステップS7)。具体的に説明すると、例えば、調理開始待ち時間12分、合計調理時間4分、及び、合計作業時間10分の場合、ステップS6で合計調理時間4分が合計作業時間10分以下であるので、ステップS7として、合計調理時間4分をシフト人数2人で割った時間2分が調理開始待ち時間12分に加算されて配膳待ち時間14分が取得される。ここに、調理開始待ち時間に調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を配膳待ち時間として取得する手段の機能が実行される。
【0030】
ステップS7で配膳待ち時間が取得されると、制御部42は、この配膳待ち時間に係る情報を、テーブル番号に対応させて時間ファイルF2に記憶させ(ステップS8)、テーブル番号と共に配膳待ち時間に係る情報を卓上注文端末3のLCD30に表示させるために送信出力する(ステップS9)。そして、送信出力された配膳待ち時間の情報は、無線通信ユニット4を介して、テーブル番号から特定される卓上注文端末3へ送信される。
【0031】
一方で、ステップS6で、合計調理時間が合計作業時間を超過していると判断された場合(ステップS6のN)、つまり、調理が終了しないと判定された場合、最初のシフト変更時刻以降の時間帯でのシフト人数も参照して配膳待ち時間が算出されることになる。まず、制御部42は、合計調理時間から合計作業時間を減算して得られた時間を新たな合計調理時間として取得し(ステップS10)、調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間(作業時間)を調理開始待ち時間に加算して得られた時間を新たな調理開始待ち時間として取得する(ステップS11)。そして、ステップ11で得られた新たな調理開始待ち時間と入力時刻とから新たな調理開始時刻を決定し(ステップS12)、再び合計調理時間が合計作業時間以下であるか否かを判断する(ステップS5、6)。ここに、調理開始時刻からシフト変更時刻までに調理が終了する分の時間を合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、調理開始待ち時間に調理開始時刻からシフト変更時刻までの時間(作業時間)を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度判定をする手段の機能が実行される。
【0032】
ここで、図7に示したシフトテーブルT2を参照して具体的に説明すると、例えば、入力時刻10:43、調理開始待ち時間12分、及び、合計調理時間13分の場合、調理開始時刻10:55、合計作業時間10分(作業時間5分×シフト人数2人)となり、ステップS6での判定の結果、合計調理時間13分が合計作業時間10分を超過しているので、ステップS10として、合計調理時間13分から合計作業時間10分を減算した時間3分を新たな合計調理時間3分として取得する。そして、ステップS11として、調理開始時刻10:55からシフト変更時刻11:00までの作業時間5分を調理開始待ち時間12分に加算した時間17分を新たな調理開始待ち時間17分として取得し、ステップS12として入力時刻10:43に新たな開始待ち時間17分を加算して新たな調理開始時刻11:00を決定する。そして、再びステップS5へ進み、ステップS5として、新たな調理開始時刻11:00からシフト変更時刻11:30までの作業時間30分にその時間帯におけるシフト人数3人を乗じた合計作業時間90分を算出し、ステップS6での判定の結果、新たな合計調理時間3分が合計作業時間90分以下であるので、ステップS7として、合計調理時間3分をその時間帯におけるシフト人数3人で割った時間1分を新たな調理開始待ち時間17分に加算することで、配膳待ち時間18分を算出する。
【0033】
また、別の例で具体的に説明すると、例えば、単品調理時間の合計として合計調理時間124分の場合(他は上記条件のままとする)、ステップS6での判定の結果、合計調理時間124分が合計作業時間10分を超過しているので、ステップS10として、合計調理時間124分が合計作業時間10分から超過した時間114分を新たな合計調理時間114分として取得する。そして、ステップS11として、調理開始時刻10:55からシフト変更時刻11:00までの作業時間5分を、調理開始待ち時間12分に加算して、得られた時間17分を新たな調理開始待ち時間17分として取得し、ステップS12として、入力時刻10:43に新たな開始待ち時間17分を加算して新たな調理開始時刻11:00を決定する。そして、再びステップS5へ進み、ステップS5として、新たな調理開始時刻11:00からシフト変更時刻11:30までの作業時間30分にその時間帯におけるシフト人数3人を乗じた合計作業時間90分を算出し、ステップS6の判定の結果、なお、合計調理時間114分が合計作業時間90分を24分超過しているので、再びステップS10に進むことになる。ステップS10として、合計調理時間114分から合計作業時間90分を減算した24分を新たな合計調理時間24分として取得する。そしてステップS11として、調理開始時刻11:00からシフト変更時刻11:30までの作業時間30分を調理開始待ち時間17分に加算して新たな調理開始待ち時間47分を取得し、ステップS12として新たな調理開始時刻11:30を得る。そして、ステップ5として、この調理開始時刻11:30からシフト変更時刻12:00までの時間30分にその時間帯におけるシフト人数6人を乗じた作業時間180分を算出し、ステップS6の判定の結果、合計調理時間20分は作業時間180分以下であるので、ステップS7として、合計調理時間24分をその時間帯におけるシフト人数6人で割った時間4分を新たな調理開始待ち時間47分に加算することで、配膳待ち時間51分を算出する。このように、ステップS6で合計調理時間が合計作業時間以下であると判断されて、調理終了すると判定されるまで、ステップS10〜12までの処理は繰り返される。
【0034】
図9は、配膳待ち時間が表示された卓上注文端末3のLCD30を示す平面図である。卓上注文端末3の制御部32は、オーダステーション7から送信された配膳待ち時間についての情報を受信すると、図9に示すように、配膳待ち時間30aをLCD30に表示させる。顧客は、テーブルに配置された卓上注文端末3のLCD30に表示された配膳待ち時間を見ることで、注文したメニュー品目が配膳されるまで時間を認識することができる。
【0035】
以上説明したように本実施の形態によれば、入力メニュー品目についての配膳待ち時間が、時間帯別のキッチンの調理人のシフト人数が反映されて算出されるので、シフト変更に対応した正確な配膳待ち時間を取得することができ、これを卓上注文端末3のLCD30に表示させることで、正確な配膳待ち時間を顧客に対して報知することができる。
【0036】
そして、顧客は、自分がした注文についてのメニュー品目がいつ配膳されるのかを正確に知ることができるので配膳待ちに際してのストレスを感じることなくなり、顧客に対するサービス向上への寄与が期待できる。また、店舗としては、配膳待ち時間内にメニュー品目が配膳できない場合には、その時間帯におけるシフトに問題があることになるので、従業員の管理、査定にも役立てることができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、配膳待ち時間が表示される表示装置として卓上注文端末3を例に示したが、これに限られず、例えば、操作キー31等の入力部がなく注文情報が入力されない卓上表示器等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施の形態のオーダエントリシステムの全体構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】ハンディターミナルに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】卓上注文端末に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】オーダステーションに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図5】時間ファイルを示す模式図である。
【図6】メニューテーブルを示す模式図である。
【図7】シフトテーブルを示す模式図である。
【図8】配膳待ち時間を算出する際に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】配膳待ち時間が表示された卓上注文端末のLCDを示す正面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…オーダエントリシステム、2…注文端末(ハンディターミナル)、3…表示装置(卓上注文端末)、7…注文管理制御装置(オーダステーション)、T1…メニューテーブル、T2…シフトテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文情報の入力を受け付ける注文端末と、
前記注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置と、
接客フロアのテーブルに配置されて前記注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置と、
を備え、
前記注文管理制御装置は、
メニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させる手段と、
所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させる手段と、
前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得する手段と、
前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定する手段と、
前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得する手段と、
前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得する手段と、
前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をする手段と、
前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を前記表示装置に表示させるために送信出力する手段と、
を備えるオーダエントリシステム。
【請求項2】
注文情報の入力を受け付ける注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置において、
メニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させる手段と、
所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させる手段と、
前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得する手段と、
前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定する手段と、
前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得する手段と、
前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得する手段と、
前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をする手段と、
前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を、接客フロアのテーブルに配置されて当該注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置に表示させるために送信出力する手段と、
を備えることを特徴とする注文管理制御装置。
【請求項3】
注文情報の入力を受け付ける注文端末に入力された注文情報を受信する注文管理制御装置のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、
メニュー品目別に調理に要する単品調理時間をメニューテーブルに記憶させる機能と、
所定の時刻で区切られた時間帯別にキッチンの調理人のシフト人数をシフトテーブルに記憶させる機能と、
前記メニューテーブルを検索して、前記注文端末に入力された注文情報に係るメニュー品目である入力メニュー品目について、前記単品調理時間に基づいて合計調理時間を取得する機能と、
前記入力メニュー品目について、注文情報が入力されてから調理が開始されるまでに要する調理開始待ち時間を取得して、調理が開始される調理開始時刻を決定する機能と、
前記シフトテーブルを検索して、前記調理開始時刻から前記シフト人数が最初に変更するシフト変更時刻までの時間に対応する前記時間帯における前記シフト人数を取得する機能と、
前記合計調理時間と前記取得した前記シフト人数とに基づいて、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間以内に、前記入力メニュー品目に係る調理が終了するか否かを判定する機能と、
前記判定の結果、前記調理が終了すると判定された場合、前記調理開始待ち時間に前記調理が終了するに際して要する時間を加算した時間を前記入力メニュー品目の配膳までに要する配膳待ち時間として取得する機能と、
前記判定の結果、前記調理が終了しないと判定された場合、前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までに前記調理が終了する分の時間を前記合計調理時間から減算した時間を新たな合計調理時間として取得し、前記調理開始待ち時間に前記調理開始時刻から前記シフト変更時刻までの時間を加算した時間を新たな調理開始待ち時間として取得して新たな調理開始時刻を決定し、再度前記判定をする機能と、
前記取得した前記配膳待ち時間に係る情報を、接客フロアのテーブルに配置されて当該注文管理制御装置から送信出力される情報を受信して受信した情報を顧客に向けて表示する表示装置に表示させるために送信出力する機能と、
を実行させるコンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate