説明

オーディオデータ再生装置及びオーディオデータ再生方法

【課題】オーディオデータのデコード・再生における消費電力がより低減されたオーディオデータ再生装置及びオーディオデータ再生方法を提供する。
【解決手段】リフレッシュが必要なDRAM2と、リフレッシュが不要なSRAM5と、DRAM2に格納された圧縮オーディオデータをデコードするオーディオデコーダ4と、DRAM2の動作状態を制御するCPU9と、を備え、SRAM5は、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータを格納し、CPU9は、DRAM2に格納されたオーディオデータがオーディオデコーダ4によりデコードされている際に、DRAM2の動作状態をアクセス可能なノーマルリフレッシュとなるように制御するとともに、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータがSRAM5により格納された後に、DRAM2の動作状態をアクセス不可能なセルフリフレッシュとなるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオデータ再生装置及びオーディオデータ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型のオーディオデータ再生装置においては、その携帯性を損なわないように、搭載される電池の容量が限られている。そのため、一度充電又は交換した電池の容量により再生可能な時間も限られてしまう。よって、一度充電又は交換した電池を用いて、より長い時間、オーディオデータを再生できる技術が望まれている。
そこで、従来、携帯型のオーディオデータ再生装置では、未使用のデバイスへのクロックや電力の供給を止める等の省電力制御技術が用いられている。例えば、CPU(Central Processing Unit)やオーディオデコーダは、何も処理をしない時間、アイドル状態となって、動作周波数を下げるようになっている。これら省電力制御技術を用いることにより、装置全体の消費電力を低減する。
【0003】
また、特許文献1には、携帯電話において、待ち受け処理の前後のみに、DRAMに対して電力消費の高い集中リフレッシュ処理を行い、待ち受け処理中に、アクセス領域としてSRAMのみを使用し、DRAMに対して電力消費の少ないセルフリフレッシュ処理を行うことにより、消費電力の低減を図る技術が記載されている。
【特許文献1】特開2002−222116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、圧縮されたオーディオデータをデコードしながら再生する場合、オーディオデータ再生装置に内蔵されているDRAM(Dynamic Random Access Memory)へのアクセスが頻繁に生じる。そのため、オーディオデータのデコード・再生時には、DRAMへの電力供給を止めることができない。具体的には、オーディオデータのデコード・再生時には、CPUやオーディオデコーダなどのDRAMへのアクセスを可能にする必要がある。そのため、オーディオデータのデコード・再生時には、DRAMに対してアクセス可能なノーマルリフレッシュ処理が行われる。そして、当該ノーマルリフレッシュ処理の消費電力は高い。したがって、オーディオデータのデコード・再生時では、装置全体の消費電力が高くなってしまう。
【0005】
特許文献1に記載の技術は、オーディオデータのデコード・再生処理などを行わない待ち受け処理において、DRAMに対して消費電力の少ないセルフリフレッシュ処理を行うことにより、消費電力を低減させるものである。当該セルフリフレッシュ処理中は、DRAMへのアクセスが不可能となる。そのため、特許文献1に記載の技術により、上記問題を解決することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかるオーディオデータ再生装置は、リフレッシュが必要な第1のRAMと、リフレッシュが不要な第2のRAMと、前記第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータをデコードするデコード手段と、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を制御する制御部と、を備える。そして、前記第2のRAMは、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータを格納する。また、前記制御部は、前記第1のRAMに格納されたオーディオデータが前記デコード手段によりデコードされている際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス可能な通常動作状態となるように制御するとともに、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納された後に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス不可能な省電力状態となるように制御する。
【0007】
本発明の第2の態様にかかるオーディオデータ再生方法は、リフレッシュが必要な第1のRAMと、リフレッシュが不要な第2のRAMと、前記第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータをデコードするデコード手段と、を備えるオーディオデータ再生装置のオーディオデータ再生方法であって、前記オーディオデータ再生装置は、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を制御する制御部を備え、前記第2のRAMは、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータを格納し、前記制御部は、前記第1のRAMに格納されたオーディオデータが前記デコード手段によりデコードされている際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス可能な通常動作状態となるように制御するとともに、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納された後に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス不可能な省電力状態となるように制御するものである。
【0008】
本発明においては、リフレッシュが必要な第1のRAMと、リフレッシュが不要な第2のRAMと、第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータをデコードするデコード手段と、第1のRAMのリフレッシュ動作状態を制御する制御部と、を備え、第2のRAMは、デコード手段によりデコードされたオーディオデータを格納し、制御部は、第1のRAMに格納されたオーディオデータがデコード手段によりデコードされている際に、第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス可能な通常動作状態となるように制御するとともに、デコード手段によりデコードされたオーディオデータが第2のRAMにより格納された後に、第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス不可能な省電力状態となるように制御する。
【0009】
これにより、第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータは、デコード手段によりデコードされた後、第2のRAMに格納される。そのため、第2のRAMにデコード後のオーディオデータが格納された後は、第1のRAMへのアクセスがなくなる。そして、第2のRAMにデコード後のオーディオデータが格納された後、制御部により、第1のRAMのリフレッシュ動作状態が省電力状態に遷移されるので、第1のRAMにアクセスがない間、第1のRAMのリフレッシュ動作状態を省電力状態にすることができる。従って、オーディオデータのデコード・再生におけるオーディオデータ再生装置の消費電力をより低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、オーディオデータのデコード・再生におけるオーディオデータ再生装置の消費電力をより低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1に、本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置100の一例を示す。オーディオデータ再生装置100は、図1に示すように、フラッシュメモリ1、外部メモリ2(第1のRAM(Random Access Memory))、プロセッサLSI3を有している。
また、プロセッサLSI3は、オーディオデコーダ(デコード手段)4、内蔵メモリ5(第2のRAM)、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(転送手段)6、PCM(Pulse Code Modulation)コントローラ(出力手段)7、クロック・電源コントローラ8、CPU(制御部)9を有している。そして、プロセッサLSI3は、オーディオデータ再生装置100全体を制御する。
【0012】
フラッシュメモリ1は、圧縮されたオーディオデータを格納している。
外部メモリ2は、リフレッシュが必要なDRAMを備えている。以下、外部メモリ2をDRAM2と称する。ここで、リフレッシュとは、DRAM2の記憶を保持する動作である。具体的には、DRAM2のメモリセルはコンデンサ及びトランジスタにより構成される。そのため、時間経過とともにコンデンサの電荷が減少して、記憶データが消失してしまうのを防ぐため、充電を繰り返す必要がある。このように、繰り返し充電を行う動作をリフレッシュという。
DRAM2のリフレッシュ動作状態(以下、単に、動作状態と称する。)は、CPU9により制御される。DRAM2の動作状態としては、消費電力の多いノーマルリフレッシュ(通常動作状態)と、消費電力の少ないセルフリフレッシュ(省電力状態)とがある。動作状態がノーマルリフレッシュである場合には、DRAM2に対するアクセスが可能である。また、動作状態がセルフリフレッシュである場合には、DRAM2に対するアクセスが不可能である。
また、DRAM2には、フラッシュメモリ1に格納されているオーディオデータが展開される。具体的には、フラッシュメモリ1に格納されている圧縮オーディオデータがDRAM2に一時的に格納され、オーディオデコーダ4にデコード処理される。
【0013】
オーディオデコーダ4は、DRAM2に格納されたオーディオデータをデコードする。具体的には、オーディオデコーダ4は、DRAM2のS番地に格納されているオーディオデータをデコードし、内蔵メモリ5に出力する。
また、オーディオデコーダ4は、DMAコントローラ6に、内蔵メモリ5に格納されているオーディオデータをPCMコントローラ7に転送するように指示するとともに、CPU9に通知を行う。
また、オーディオデコーダ4は、DMAコントローラ6から完了通知(後述)が通知された際に、CPU9に再生完了通知を行う。
【0014】
内蔵メモリ5は、リフレッシュが不要なSRAMを備えている。以下、内蔵メモリ5をSRAM5と称する。SRAM5は、オーディオデコーダ4によりデコード処理されたオーディオデータをD番地に格納する。
【0015】
DMAコントローラ6は、SRAM5に格納されたオーディオデータをPCMコントローラ7に転送する。
また、DMAコントローラ6は、SRAM5からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送が完了した際に、オーディオデコーダ4に完了通知を行う。
【0016】
PCMコントローラ7は、SRAM5に格納されたオーディオデータをPCMデータとして、外部に出力する。
【0017】
クロック・電源コントローラ8は、使用されていないデバイスへ供給するクロック及び電力を低減する制御を行う。例えば、クロック・電源コントローラ8は、CPU9がアイドル状態の場合に、CPU9に供給するクロックを低減したり、CPU9に供給する電力を低減したりする。
【0018】
CPU9は、DRAM2に格納されたオーディオデータがオーディオデコーダ4によりデコードされている際に、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御するとともに、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータがSRAM5により格納された後に、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御する。
具体的には、CPU9は、オーディオデコーダ4から、SRAM5に格納されているオーディオデータをPCMコントローラ7に転送するように指示した旨の通知がされた場合に、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御する。
また、CPU9は、オーディオデコーダ4から、再生完了通知がされた場合に、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御する。
また、CPU9は、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータがSRAM5により格納されて、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御した後、DMAコントローラ6によるオーディオデータのSRAM5からPCMコントローラ7への転送が完了して、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御するまでの間、アイドル状態に遷移する。
【0019】
次に、従来のオーディオデータ再生装置におけるオーディオデータ再生方法について図2、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、DRAMの動作状態は初期においてノーマルリフレッシュとなっている(ステップS0)。
まず、CPUは、フラッシュメモリから圧縮されたオーディオデータをDRAMのS番地にコピーする(ステップS1)。
次に、CPUは、オーディオデコーダにDRAMに格納したオーディオデータのデコードを指示する(ステップS2)。次いで、CPUは、アイドル状態に遷移する(ステップS3)。
【0020】
次に、オーディオデコーダは、DRAMのS番地に格納されたオーディオデータをデコードしてDRAMのD番地に格納する(ステップS4)。
次に、オーディオデコーダは、DRAMのD番地に格納されたオーディオデータをPCMコントローラに転送するように、DMAコントローラに指示する(ステップS5)。次いで、オーディオデコーダは、アイドル状態に遷移する(ステップS6)。
【0021】
次に、DMAコントローラは、DRAMのD番地に格納されたオーディオデータをPCMコントローラに転送する(ステップS7)。
次に、DRAMのD番地からPCMコントローラへのオーディオデータの転送が完了した際に、DMAコントローラは、完了通知をオーディオデコーダに通知する(ステップS8)。
【0022】
次に、オーディオデコーダは、オーディオデータの再生完了通知をCPUに通知する(ステップS9)。
次に、オーディオデコーダから再生完了通知がされた際に、CPUは、アイドル状態から通常状態に遷移し(ステップS10)、ステップS1に戻る。
【0023】
次に、本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置100におけるオーディオデータ再生方法について図4、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、DRAM2の動作状態は初期においてノーマルリフレッシュとなっている(ステップS100)。
まず、CPU9は、フラッシュメモリ1から圧縮されたオーディオデータをDRAM2のS番地にコピーする(ステップS101)。
次に、CPU9は、オーディオデコーダ4にDRAM2に格納したオーディオデータのデコードを指示する(ステップS102)。
【0024】
次に、オーディオデコーダ4は、DRAM2のS番地に格納されたオーディオデータをデコードしてSRAM5のD番地に格納する(ステップS103)。
次に、オーディオデコーダ4は、SRAM5のD番地に格納されたオーディオデータをPCMコントローラ7に転送するように、DMAコントローラ6に指示するとともに、その旨をCPU9に通知する(ステップS104)。次いで、オーディオデコーダ4は、アイドル状態に遷移する(ステップS105)。
【0025】
CPU9は、オーディオデコーダ4からステップS104の通知がされると、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御する(ステップS106)。次いで、CPU9は、アイドル状態に遷移する(ステップS107)。
また、DRAM2の動作状態は、ステップS106の制御により、セルフリフレッシュとなる(ステップS108)。
【0026】
一方、DMAコントローラ6は、SRAM5のD番地に格納されたオーディオデータをPCMコントローラ7に転送する(ステップS109)。
次に、SRAM5のD番地からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送が完了した際に、DMAコントローラ6は、完了通知をオーディオデコーダ4に通知する(ステップS110)。
【0027】
次に、オーディオデコーダ4は、アイドル状態から通常状態に遷移し(ステップS111)、オーディオデータの再生完了通知をCPU9に通知する(ステップS112)。
次に、オーディオデコーダ4から再生完了通知がされた際に、CPU9は、アイドル状態から通常状態に遷移し(ステップS113)、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御する(ステップS114)。
次に、DRAM2の動作状態は、ステップS114の制御により、ノーマルリフレッシュとなり(ステップS115)、ステップS101に戻る。
【0028】
次に、本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置100における消費電流と再生時間との関係について、図6に示すグラフを参照しながら説明する。
まず、図6に示す時刻t1において、オーディオデコーダ4からCPU9に再生完了通知がされる。これにより、CPU9は、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御する。次に、時刻t2において、オーディオデコーダ4からCPU9に、SRAM5からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送をDMAコントローラ6に指示した旨の通知がなされる。これにより、CPU9は、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御する。次に、時刻t3において、オーディオデコーダ4からCPU9に再生完了通知がされる。これにより、CPU9は、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御する。
一般に、オーディオデータのデコード・再生において、CPU9やオーディオデコーダ4が動作している時間(図6のt1とt2の間の時間に相当)よりも、DMAコントローラ6がオーディオデータをPCMコントローラ7に転送している時間(図6のt2とt3の間の時間に相当)の方が長い。そのため、本発明の実施の形態においては、DRAM2の動作状態がノーマルリフレッシュである時間よりも、セルフリフレッシュである時間の方が長くなる。したがって、本発明の実施の形態のように、DMAコントローラ6の動作時にDRAM2の動作状態をセルフリフレッシュ(省電力状態)に遷移させることは、消費電力削減に大きな効果をもたらす。
【0029】
以上に説明した本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置100及びオーディオデータ再生方法では、リフレッシュが必要なDRAM2と、リフレッシュが不要なSRAM5と、DRAM2に格納された圧縮オーディオデータをデコードするオーディオデコーダ4と、DRAM2の動作状態を制御するCPU9と、を備える。そして、SRAM5は、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータを格納する。また、CPU9は、DRAM2に格納されたオーディオデータがオーディオデコーダ4によりデコードされている際に、DRAM2の動作状態をアクセス可能なノーマルリフレッシュとなるように制御するとともに、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータがSRAM5により格納された後に、DRAM2の動作状態をアクセス不可能なセルフリフレッシュとなるように制御する。
【0030】
これにより、DRAM2に格納された圧縮オーディオデータは、オーディオデコーダ4によりデコードされた後、SRAM5に格納される。そのため、SRAM5にデコード後のオーディオデータが格納された後は、DRAM2へのアクセスがなくなる。そして、SRAM5にデコード後のオーディオデータが格納された後、CPU9により、DRAM2の動作状態がセルフリフレッシュに遷移されるので、DRAM2にアクセスがない間、DRAM2の動作状態を省電力状態(セルフリフレッシュ)にすることができる。従って、オーディオデータのデコード・再生におけるオーディオデータ再生装置100の消費電力をより低減することができる。
【0031】
また、オーディオデータを外部に出力するPCMコントローラ7と、SRAM5に格納されたオーディオデータをPCMコントローラ7に転送するDMAコントローラ6と、を備え、CPU9は、DMAコントローラ6によるオーディオデータのSRAM5からPCMコントローラ7への転送が完了した際に、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御する。
これにより、SRAM5からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送が完了して、再度、DRAM2に圧縮オーディオデータが格納されてデコード処理されることになった場合に、DRAM2へのアクセスを可能とすることができる。
【0032】
また、CPU9は、オーディオデコーダ4によりデコードされたオーディオデータがSRAM5により格納されて、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御した後、DMAコントローラ6によるオーディオデータのSRAM5からPCMコントローラ7への転送が完了して、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御するまでの間、アイドル状態となっている。
これにより、CPU9は、DRAM2の動作状態を制御していない間、アイドル状態となっているので、CPU9における消費電力を低減することができる。
【0033】
また、オーディオデコーダ4は、デコードしたオーディオデータをSRAM5に格納させた後、DMAコントローラ6にSRAM5に格納されたオーディオデータをPCMコントローラ7に転送するように指示するとともに、CPU9に通知を行う。
これにより、CPU9は、当該通知により、DRAM2へのアクセスがなくなったことを感知して、DRAM2の動作状態をセルフリフレッシュとなるように制御することができる。
【0034】
また、DMAコントローラ6は、SRAM5からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送が完了した際に、オーディオデコーダ4に完了通知を行い、オーディオデコーダ4は、完了通知が通知された場合に、CPU9に再生完了通知を行う。
これにより、CPU9は、当該再生完了通知により、SRAM5からPCMコントローラ7へのオーディオデータの転送が完了したことを感知して、DRAM2の動作状態をノーマルリフレッシュとなるように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】従来のオーディオデータ再生装置におけるオーディオデータ再生方法を示すフローチャートである。
【図3】従来のオーディオデータ再生装置におけるオーディオデータ再生方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置におけるオーディオデータ再生方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置におけるオーディオデータ再生方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態にかかるオーディオデータ再生装置における消費電流と再生時間との関係を模式的に表すグラフである。
【符号の説明】
【0036】
2 DRAM(第1のRAM)
4 オーディオデコーダ(デコード手段)
5 SRAM(第2のRAM)
6 DMAコントローラ(転送手段)
7 PCMコントローラ(出力手段)
9 CPU(制御部)
100 オーディオデータ再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフレッシュが必要な第1のRAMと、
リフレッシュが不要な第2のRAMと、
前記第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータをデコードするデコード手段と、
前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を制御する制御部と、
を備え、
前記第2のRAMは、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータを格納し、
前記制御部は、前記第1のRAMに格納されたオーディオデータが前記デコード手段によりデコードされている際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス可能な通常動作状態となるように制御するとともに、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納された後に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス不可能な省電力状態となるように制御するオーディオデータ再生装置。
【請求項2】
オーディオデータを外部に出力する出力手段と、
前記第2のRAMに格納されたオーディオデータを前記出力手段に転送する転送手段と、
を備え、
前記制御部は、前記転送手段によるオーディオデータの前記第2のRAMから前記出力手段への転送が完了した際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記通常動作状態となるように制御する請求項1に記載のオーディオデータ再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納されて、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記省電力状態となるように制御した後、前記転送手段によるオーディオデータの前記第2のRAMから前記出力手段への転送が完了して、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記通常動作状態となるように制御するまでの間、アイドル状態となっている請求項2に記載のオーディオデータ再生装置。
【請求項4】
前記デコード手段は、デコードしたオーディオデータを前記第2のRAMに格納させた後、前記転送手段に前記第2のRAMに格納されたオーディオデータを前記出力手段に転送するように指示するとともに、前記制御部に通知を行う請求項2又は3に記載のオーディオデータ再生装置。
【請求項5】
前記転送手段は、前記第2のRAMから前記出力手段へのオーディオデータの転送が完了した際に、前記デコード手段に完了通知を行い、前記デコード手段は、前記完了通知が通知された場合に、前記制御部に再生完了通知を行う請求項2乃至4の何れか一項に記載のオーディオデータ再生装置。
【請求項6】
リフレッシュが必要な第1のRAMと、
リフレッシュが不要な第2のRAMと、
前記第1のRAMに格納された圧縮オーディオデータをデコードするデコード手段と、
を備えるオーディオデータ再生装置のオーディオデータ再生方法であって、
前記オーディオデータ再生装置は、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を制御する制御部を備え、
前記第2のRAMは、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータを格納し、
前記制御部は、前記第1のRAMに格納されたオーディオデータが前記デコード手段によりデコードされている際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス可能な通常動作状態となるように制御するとともに、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納された後に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態をアクセス不可能な省電力状態となるように制御するオーディオデータ再生方法。
【請求項7】
前記オーディオデータ再生装置は、
オーディオデータを外部に出力する出力手段と、
前記第2のRAMに格納されたオーディオデータを前記出力手段に転送する転送手段と、
を備え、
前記制御部は、前記転送手段によるオーディオデータの前記第2のRAMから前記出力手段への転送が完了した際に、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記通常動作状態となるように制御する請求項6に記載のオーディオデータ再生方法。
【請求項8】
前記制御部は、前記デコード手段によりデコードされたオーディオデータが前記第2のRAMにより格納されて、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記省電力状態となるように制御した後、前記転送手段によるオーディオデータの前記第2のRAMから前記出力手段への転送が完了して、前記第1のRAMのリフレッシュ動作状態を前記通常動作状態となるように制御するまでの間、アイドル状態となっている請求項7に記載のオーディオデータ再生方法。
【請求項9】
前記デコード手段は、デコードしたオーディオデータを前記第2のRAMに格納させた後、前記転送手段に前記第2のRAMに格納されたオーディオデータを前記出力手段に転送するように指示するとともに、前記制御部に通知を行う請求項7又は8に記載のオーディオデータ再生方法。
【請求項10】
前記転送手段は、前記第2のRAMから前記出力手段へのオーディオデータの転送が完了した際に、前記デコード手段に完了通知を行い、前記デコード手段は、前記完了通知が通知された場合に、前記制御部に再生完了通知を行う請求項7乃至9の何れか一項に記載のオーディオデータ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−104271(P2009−104271A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273385(P2007−273385)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】