説明

オートテンショナ

【課題】軸部12を有し、固定側に固定される固定体10と、軸受ブッシュ31を介して軸部12に挿通保持されるボス部22およびベルト押圧用の押圧部25を有し、ボス部22において固定体10に回動可能に支持された回動体20と、これら固定体10および回動体20間に介装され、固定体10に対し回動体20を押圧部25がベルト押圧方向に回動するように付勢する捩りコイルばね40とを備えたオートテンショナにおいて、軸受ブッシュ31が樹脂製の摺動部材でなくてもダンピング力を高められるようにし、もって、高トルク化と高ダンピング化とを両立できるようにする。
【解決手段】回動体20のボス部22に回動一体に設けられ、半径方向外面が捩りコイルばね40のコイル部41に内接可能である一方、半径方向内面が固定体10の軸部12外周面に摺接可能な少なくとも1つのダンピング部材50を備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受ブッシュを介して固定体に回動可能に支持された回動体を捻りコイルばねの捻りトルクでもってベルト押圧方向に回動付勢する一方、上記捩りトルクの反力を利用して回動体の回動に対するダンピング力を発生するようにしたオートテンショナに関し、特に、高トルク化と高ダンピング化とを両立させる対策に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のオートテンショナのとしては、特許文献1に記載されたものが知られているている。
【0003】
このものは、図6に示すように、固定体100の軸部110と回動体200のボス部210との間に介装される軸受ブッシュ300として、メタルブッシュが用いられている。そして、捩りコイルばね400の捩りトルクでもって回動体200をベルト押圧方向に回動するように付勢する一方、その捩りトルクの反力を利用し、それでもってスプリングサポート500を回動体200のボス部210外周面に押し付け、スプリングサポート500とボス部210との間に発生する摺動摩擦により回動体200の回動をダンピングするようになされている。その際に、高いダンピング力が得られるように、捩りトルクの高い捩りコイルばね400が用いられている。
【特許文献1】特開平2005−69356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のオートテンショナでは、軸受ブッシュ300として、樹脂製の摺動部材が用いられたものに比べると、ダンピング効果が少ない。
【0005】
さりとて、メタルブッシュを摺動部材に変更すれば、高ダンピング化は図れるものの、高トルク故に、ブッシュが摩耗しやすく、その結果、回動体の軸心が傾くという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、軸受ブッシュを介して回動体が固定体に回動可能に支持されるオートテンショナにおいて、固定体の軸部と回動体のボス部との間捩りコイルばねのコイル径の変化を巧く利用できる新たなダンピング部材を設けることで、軸受ブッシュとして樹脂製の摺動部材を用いることなく、高いダンピング力が得られるようにし、もって、高トルク化と高ダンピング化とを両立させられるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく、本発明では、捩りコイルばねのコイル部が縮径する方向に変化するときに、その縮径する方向のコイル部の変形により固定体の軸部に押し付けられるダンピング部材を設けるようにした。
【0008】
具体的には、本発明では、軸部を有していて固定側に固定される固定体と、上記の軸部に挿通保持されるボス部を有するとともに、伝動ベルトを押圧するための押圧部を有していて、上記のボス部において固定体に回動可能に支持された回動体と、これら固定体と回動体との間に介装されていて、固定体に対し回動体を押圧部が伝動ベルトを押圧する方向に向かって回動するように付勢する捩りコイルばねと、上記固定体の軸部と上記回動体のボス部との間に介装された軸受ブッシュとを備えたオートテンショナを前提としている。
【0009】
そして、各々、上記回動体のボス部に回動一体に設けられ、半径方向外面が上記捩りコイルばねのコイル部に内接可能である一方、半径方向内面が上記固定体の軸部外周面に摺接可能な少なくとも1つのダンピング部材とを備えるようにする。
【0010】
尚、上記の構成において、捩りコイルばねは、コイル部が拡径する方向の捩りトルクでもって回動体を回動付勢するようにしたものとすることができる。
【0011】
また、ダンピング部材を、第1のダンピング部材とし、捩りコイルばねのコイル部と回動体のボス部との間に固定体側に回り止めして配置されていて、上記捩りコイルばねの捩りトルクの反力でもって上記ボス部の外周面に押し付けられる第2のダンピング部材を備えるようにすることもできる。
【0012】
さらに、ダンピング部材が、複数である場合には、それら複数のダンピング部材は、周方向に等間隔又は不等間隔に配置されているものとすることができる。
【0013】
また、回動体のボス部に、該ボス部を半径方向に貫通する貫通孔を設け、その貫通孔内にダンピング部材を半径方向に移動可能に保持させるようにしてもよい。
【0014】
その場合、ダンピング部材を、貫通孔を貫通して半径方向に延びるブロック部と、このブロック部を上記貫通孔に貫通した状態に保持するようにボス部に係合する保持部とを有するものとすることができる。
【0015】
保持部の一例としては、ブロック部の半径方向外端から周方向両側にそれぞれ延びてボス部を挟持する1対のアーム部とすることが挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、軸受ブッシュを介して回動体が固定体に回動可能に支持されるオートテンショナにおいて、回動体をベルト押圧方向に向かって回動するように付勢する捩りコイルばねのコイル部が、回動体の回動方向に応じて縮径する方向に変形するとき、そのコイル部の変形を利用して、回動体のボス部に回動一体に設けられた新たなダンピング部材を固定体の軸部に摺接させ、これにより、新たなダンピング力を発生させることができるので、上記の軸受ブッシュとして樹脂製の摺動部材を用いることなくダンピング力を高めることができ、よって、高トルク化と高ダンピング化とを両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示しており、このオートテンショナは、自動車用エンジンの出力の一部を1本の伝動ベルトを介して複数の補機に伝達するようにしたサーペンタインレイアウトのベルト伝動装置において伝動ベルトに所定の張力を付与するために使用される。
【0019】
このオートテンショナは、固定側としてのエンジンに固定される固定体10と、この固定体10に回動軸心P回りに回動可能に支持された回動体20とを備えている。
【0020】
上記の固定体10は、有底筒状のカップ部11と、このカップ部11の底壁部中央から回動軸心Pに沿って延びるようにように設けられた軸部12とを有する。軸部12の先端は、カップ部11の開口部よりも外方に突出している。カップ部11の周壁部における底壁部近傍部位には、該周壁部を半径方向に貫通する固定側係止孔13が設けられている。また、カップ部11の底壁部における周壁部近傍部位には、該底壁部を貫通する回り止め孔14が設けられている。
【0021】
一方、上記の回動体20は、有底筒状のカップ部21と、このカップ部21の底壁部中央に設けられていて、固定体10の軸部12上に外嵌合されたボス部22とを有する。ボス部22の固定体側部分は、カップ部21の開口部よりも外方に突出している。また、ボス部22の外周面は、径が先端側に向かって漸次小さくなる断面テーパ状に形成されている。このボス部22と、固定体10の軸部12との間には、軸部12によりボス部22を回動軸心P回りに回転可能に保持するための2つのメタルブッシュ31,31が軸方向に並ぶように配置されており、これにより、回動体20は、回動軸心P回りに回動可能に固定体10に支持されている。このメタルブッシュ31は、樹脂製の摺動部材と比べると摺動抵抗が小さいのでダンピング効果は小さいが、摺動部材の場合とは異なり、高トルク化に伴う偏摩耗が少ないという利点がある。これらメタルブッシュ31,31は、それぞれ、軸部12の両端部近傍部位に配置されている。また、カップ部21の周壁部における周方向の一部の部位は、切り欠かれた状態の回動側係止凹部23に形成されている。
【0022】
上記回動体20のボス部22における固定体10とは反対側の開口部からは、該固定体10の軸部12の先端が軸方向外方に突出しており、この先端には、ボス部22を軸部12から抜けないように抜止めするためのフロントプレート32が取り付けられている。このフロントプレート32と、ボス部22との間には、樹脂製のスラストワッシャ33が介装されている。
【0023】
また、回動体20は、カップ部21の外周から半径方向外方に突出するように設けられたアーム24を有する。このアーム24の先端には、ベルト押圧部としてのテンションプーリ25が回動軸心Pに平行な軸心Qの回りに回転可能に保持されている。具体的には、アーム24の先端には、軸方向に貫通するボルト孔26が設けられている。このボルト孔26には、フランジ付六角ボルト27の軸部が挿通されており、その軸部先端にはナット28が螺着されている。ボルト27のフランジ部とアーム部24との間に、内外輪間に複数の転動子を有するベアリング34がその内輪において挟持されている。そして、テンションプーリ25は、そのベアリング34の外輪上に圧入固定されている。
【0024】
上記の固定体10と回動体20との間には、捩りコイルばね40が介装されている。この捩りコイルばね40は、左巻きのコイル部41と、このコイル部41両端からそれぞれ半径方向外方に突出する固定側タング42および回動側タング43とを有する。固定側タング42は、固定体10の固定側係止孔13に係止されていて周方向の移動が規制されている。回動側タング43は、回動体20の回動側係止凹部23に係止されていて周方向の移動が規制されている。また、この捩りコイルばね40は、軸方向に圧縮されかつコイル部41が縮径方向に捩られた状態で介装されている。よって、この捩りコイルばね40の軸方向の伸長力により回動体20のボス部22がスラストワッシャ33に圧接せしめられており、また、この捩りコイルばね40の捩りトルクにより、回動体20は、図2の反時計回り方向に回動付勢されている。
【0025】
上記捩りコイルばね40のコイル部41と回動体20のボス部22との間には、樹脂製の摺動材からなるスプリングサポート35が介装されている。このスプリングサポート35は、ボス部22上に外嵌合状態に配置された円筒部35aと、この円筒部35aの固定体側開口縁に周設された外向きフランジ状の鍔部35bとを有する。鍔部35bにおける円筒部35aとは反対側の面には、固定体10の回り止め孔14に嵌入して該固定体10に対しスプリングサポート35を回り止めする突起35cが設けられている。また、円筒部35aは、ボス部22の軸長に比べて極めて短寸であり、該ボス部22の固定体10側端部のみを覆うようになっている。そして、回動体20の回動時に、捩りコイルばね40の捩りトルクの反力によりコイル部41における周方向の一部がスプリングサポート35の円筒部35aを半径方向内方に押圧し、この押圧された円筒部35aの部分が回動体20のボス部22に押し付けられることで、円筒部35aの内周面とボス部22の外周面との間に摺動摩擦が生じ、この摺動摩擦が回動体20に回動に対するダンピング力の一部となるようになっている。その際に、スプリングサポート35を押圧する捩りコイルばね40の部位は、一般に、コイル部41の固定タング42側の1巻き目(詳しくは、固定側タング42からコイル部41の巻き方向に略90°離れた部位)であるので、円筒部35aがボス部22の固定体10側端部のみに摺接可能であるにも拘わらず、円筒部がボス部22の過半部分に摺接可能な場合と比べても、遜色のない程度のダンピング力を発生することができる。
【0026】
そして、本実施形態では、各々、上記回動体20のボス部22を半径方向に移動可能に設けられていて、半径方向外面が捩りコイルばね40のコイル部41に内接可能である一方、半径方向内面が固定体10の軸部12外周面に摺接可能な2つのダンピング部材50,50を備えている。
【0027】
具体的には、上記2つのダンピング部材50,50は、径方向に対向する状態に配置されている。また、回動体20のボス部22は、各々、該ボス部22の周壁を半径方向に貫通する2つの貫通孔22a,22aを有しており、さらに、ボス部22の外周には、各貫通孔22a毎に該貫通孔22aの延びる方向に直交する径方向において互いに平行な1対の係合面22b,22bが形成されている。ここでは、2つの貫通孔22a,22a間において相対応する2つの係合面22b,22bは共通化されていて1つの平面をなしている。そして、各ダンピング部材50は、対応する貫通孔22aに半径方向に移動可能に保持されている。
【0028】
各ダンピング部材50は、貫通孔22aを貫通して半径方向に延びる本体部としてのブロック部51と、図3〜図5に示すように、ブロック部51を貫通孔22aに貫通した状態に保持するようにボス部22に係合する保持部としての1対のアーム部52,52を有する。
【0029】
ここで、図3〜図5に基づき、ダンピング部材50について詳しく説明する。ブロック部51は断面略矩形状をなしている。半径方向外方側の端面は、回動体20のボス部22の外周面と略同じ曲率半径の断面円弧状をなしており、半径方向内方側の端面は、固定体10の軸部12の外周面と略同じ曲率半径の断面円弧状をなしている。
【0030】
一方、アーム部52,52は、それぞれ、ブロック部51の半径方向外方端部から回動体20のボス部22外周面に沿って時計回り方向および反時計回り方向にそれぞれ断面円弧状に延びていて、両アーム部52,52間にボス部22を挟み込むようになっている。各アーム部52の外周面は、捩りコイルばね40のコイル部41の内径の1/2を曲率半径とする断面円弧状に形成されていて、該コイル部41に内周側から周方向の略全体において接触している。各アーム部52の内周面は、回動体20のボス部22の外径の1/2よりも少しだけ大きい曲率半径の断面円弧状をなしていて、該ボス部22との間に半径方向の隙間が形成されている。また、各アーム部52の端部内周側には、対応するボス部22の係合面22bに面接触状態で圧接する圧接部52aが設けられている。また、一方のダンピング部材50の各アーム部52の端部と、この端部に対応する他方のダンピング部材50の各アーム部52の端部との間には、それぞれ、両ダンピング部材50,50の半径方向内方への移動を妨げないように若干の隙間が確保されている。
【0031】
したがって、本実施形態によれば、軸部12を有していて自動車用エンジン側に固定される固定体10と、メタルブッシュ31,31を介して上記の軸部12に挿通保持されるボス部22を有するとともに、伝動ベルトを押圧するためのテンションプーリ25を有していて、上記ボス部22において固定体10に回動可能に支持された回動体20と、これら固定体10および回動体20間に介装されていて、固定体10に対し回動体20をテンションプーリ25が伝動ベルトを押圧する方向に向かって回動するように付勢する捩りコイルばね40とを備えたオートテンショナにおいて、各々、回動体20のボス部22に回動一体に設けられていて、半径方向外面が捩りコイルばね40のコイル部41に内接可能である一方、半径方向内面が固定体10の軸部12外周面に摺接可能な2つのダンピング部材50,50を備えるようにしたので、回動体20の回動に応じて捩りコイルばね40のコイル部41が縮径する方向に変化したとき、回動体20と一体となって回動する2つのダンピング部材50,50をコイル部41により半径方向内方に押圧して固定体10の軸部12外周面に摺接させ、これにより、新たなダンピング力を発生させることができるので、メタルブッシュ31を樹脂製の摺動部材に換えることなく、ダンピング力を高めることができ、よって、高トルク化と高ダンピング化とを両立させることができる。
【0032】
特に、捩りコイルばね40を、コイル部41が拡径する方向の捩りトルクでもって回動体20を回動付勢するように介装していて、伝動ベルトの張力が増加して回動体20が反ベルト押圧方向に回動するときに上記ダンピング力を発生させるようにしているので、ベルト張力増加時には緩やかにその増加分を吸収する一方、ベルト張力低下時には速やかに伝動ベルトを押圧してベルト張力を回復することができる。
【0033】
また、捩りコイルばね40のコイル部41と回動体20のボス部22との間に、固定体10側に回り止めされていて、上記捩りコイルばね40の捩りトルクの反力でもってボス部22の外周面に押し付けられることでダンピング力を発生するスプリングサポート35については、ボス部22に上記ダンピング部材50を新たに設けたにも拘わらず、ボス部22の固定体側端部近傍に配置することができるので、スプリングサポート35により得られるダンピング力やダンピング特性についても略維持することができる。
【0034】
また、ダンピング部材50を、2つとし、これら2つのダンピング部材50,50を周方向に等間隔に配置するようにしているので、各ダンピング部材50にそれぞれ加わるコイル部41の押圧力(図2に白抜きの矢印で示す)を互いに相殺することができ、捩りコイルばね40に偏った荷重が加わるという事態を回避することができる。
【0035】
さらに、上記のダンピング部材50を、ボス部22の貫通孔22aを半径方向に移動可能に貫通するブロック部51と、このブロック部51の半径方向外端から周方向両側にそれぞれ延びる1対のアーム部52,52からなるものとし、そのアーム部52,52により、ダンピング部材50をボス部22に組み付けられた状態に保持することができるので、新たな部材を追加するにも拘わらず、オートテンショナの組付作業性を良好に維持することができる。また、1対のアーム部52,52は、ボス部22の貫通孔22a周りを覆っているので、異物の侵入を防ぐ働きもする。
【0036】
尚、上記の実施形態では、ダンピング部材50のブロック部51に、該ブロック部51をボス部22に組み付けられた状態に保持するための保持部を、ボス部22を径方向に挟持する1対のアーム部52,52により構成しているが、そのような保持部の構成としては特に限定されるものではなく、適宜設計することができるし、さらに、オートテンショナの組付作業において特に必要がなければ省略することもできる。
【0037】
また、上記の実施形態では、ダンピング部材50のブロック部51の断面形状を略矩形状にするとともに、ボス部22に同じく略矩形状の貫通孔22aを設けるようにしているが、それらの形状は任意に設計することができる。
【0038】
また、上記の実施形態では、ダンピング部材50を2つ使用するようにしているが、使用個数は任意であり、3つ以上であってもよいし、逆に、必要とされるダンピング力が十分に得られるのであれば1つであってもよい。
【0039】
また、上記の実施形態では、2つのダンピング部材50,50を回動軸心Pを中心とする回転対称位置(周方向に等間隔)に配置するようにしているが、ダンピング部材50が2つ以上の場合には、必要とされるダンピング特性などによっては、非対称位置(周方向に不等間隔)に配置するようにしてもよい。
【0040】
また、上記の実施形態では、捩りコイルばね40を、コイル部41が拡径する方向の捩りトルクでもって回動体20を回動付勢するようにしているが、コイル部41が縮径する方向の捩りトルクでもって回動体20を回動付勢するようにしてもよい。但し、その場合には、回動体20がベルト押圧方向に回動するときのダンピング力が高くなることになる。
【0041】
さらに、上記の実施形態では、ダンピング部材50とともに、スプリングサポート35を併用するようにしているが、不要である場合には省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るオートテンショナの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】ダンピング部材を示す軸心側から見た正面図である。
【図4】ダンピング部材を示す軸方向に見た平面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】従来のオートテンショナの全体構成を示す図1相当図である。
【符号の説明】
【0043】
10 固定体
12 軸部
20 回動体
22 ボス部
22a 貫通孔
25 テンションプーリ(押圧部)
31 メタルブッシュ(軸受ブッシュ)
35 スプリングサポート(第2のダンピング部材)
40 捩りコイルばね
41 コイル部
50 ダンピング部材
51 ブロック部(本体部)
52 アーム部(保持部)
P 回動軸心(軸心)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を有し、固定側に固定される固定体と、
上記軸部に挿通保持されるボス部と、伝動ベルトを押圧するための押圧部とを有し、上記ボス部において上記固定体に回動可能に支持された回動体と、
上記固定体と上記回動体との間に介装され、固定体に対し回動体を押圧部が伝動ベルトを押圧する方向に向かって回動するように付勢する捩りコイルばねと、
上記固定体の軸部と上記回動体のボス部との間に介装された軸受ブッシュと、
各々、上記回動体のボス部に回動一体に設けられ、半径方向外面が上記捩りコイルばねのコイル部に内接可能である一方、半径方向内面が上記固定体の軸部外周面に摺接可能な少なくとも1つのダンピング部材とを備えていることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項2】
請求項1に記載のオートテンショナにおいて、
捩りコイルばねは、コイル部が拡径する方向の捩りトルクでもって回動体を回動付勢していることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項3】
請求項1に記載のオートテンショナにおいて、
ダンピング部材は、第1のダンピング部材であり、
捩りコイルばねのコイル部と回動体のボス部との間に固定体側に回り止めして配置され、上記捩りコイルばねの捩りトルクの反力でもって上記ボス部の外周面に押し付けられる第2のダンピング部材を備えていることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項4】
請求項1に記載のオートテンショナにおいて、
ダンピング部材は、複数とされ、
上記複数のダンピング部材は、周方向に等間隔に配置されていることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項5】
請求項1に記載のオートテンショナにおいて、
ダンピング部材は、複数とされ、
上記複数のダンピング部材は、周方向に不等間隔に配置されていることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項6】
請求項1に記載のオートテンショナにおいて、
回動体のボス部は、該ボス部を半径方向に貫通する貫通孔を有し、
ダンピング部材は、上記貫通孔に半径方向に移動可能に嵌挿されていることを特徴とするオートテンショナ。
【請求項7】
請求項6に記載のオートテンショナにおいて、
ダンピング部材は、貫通孔に半径方向に移動可能に嵌挿された本体部と、該本体部を上記貫通孔に嵌挿された状態に保持するようにボス部に係合する保持部とを有することを特徴とするオートテンショナ。
【請求項8】
請求項7に記載のオートテンショナにおいて、
ダンピング部材の保持部は、本体部の半径方向外端から周方向両側にそれぞれ延びてボス部を挟持する1対のアーム部からなることを特徴とするオートテンショナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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