説明

オーバーヘッドコンソール

【課題】見栄え良くティッシュボックスを配置できるとともに、簡易な操作によってティッシュペーパーのみを取り出すことができるオーバーヘッドコンソールを提供すること。
【解決手段】ティッシュボックス20を収納するための収納部7と、ティッシュボックス20からティッシュペーパー22を取り出すための窓12を備えるとともに、収納部7を開閉する第1ドア8と、第1ドア8に設けられ、窓12を開閉する第2ドア9とを備えるオーバーヘッドコンソール6を、車室3内部の天井壁4に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッドコンソール、詳しくは、車室内部の天井壁に配置されるオーバーヘッドコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車室には、利便性の観点からティッシュペーパーを収容するティッシュボックスが常設されることが多く、現在では、より優れた使い勝手を実現できるティッシュボックスの配置箇所が、種々検討されている。
【0003】
例えば、運転席および助手席の乗員のみならず、後部座席の乗員でもティッシュペーパーを容易に使用できるように、ティッシュボックスを車室内部の天井壁に配置することが提案されている。そのような方法として、例えば、磁石を備える蓋と、その蓋に固定される連結装置とを備える車用ティッシュホルダを用意し、その車用ティッシュホルダの蓋を、磁石の磁力によって車のボディー内部の天井部に貼設するとともに、その蓋の下方に、連結装置を介してティッシュ収容部を設け、ティッシュボックスをティッシュ収容部に収容することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、車室内部の天井壁にティッシュボックスを収容できる装置として、オーバーヘッドコンソールが知られており、例えば、車両の天井壁に取り付けられるハウジングと、そのハウジングに回転自在に支持されてハウジングの下面に形成された開口部を開閉し、全閉状態でハウジング内に収容され且つ全開状態でハウジング外に出て収容物を取り出し可能とする容器状のケースとを備え、ケースが自重で開動するオーバーヘッドコンソールが、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3119568号
【特許文献2】特開2003−175773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される車用ティッシュホルダでは、ティッシュ収容部の底部にティッシュペーパー取り出し用の孔を設けることにより、簡易にティッシュペーパーを取り出すことができる一方、その車用ティッシュホルダを用いてティッシュボックスを天井壁に配置すると、ティッシュ収容部が車室内で露出し、見栄えが良くないという不具合がある。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載されるオーバーヘッドコンソールによれば、ティッシュボックスをケースに格納し、車両の天井壁に取り付けられるハウジングに収容できるため、ティッシュボックスおよびケースを露出させることなく配置することができ、見栄えを良好とすることができる。しかし、その一方、ティッシュペーパーの使用時には、ティッシュペーパーのみを取り出すことができず、まず、ケースを開いてティッシュボックスを露出させた後、そのティッシュボックスからティッシュペーパーを取り出す必要があるため、操作が煩雑であり、使い勝手に劣る。
【0008】
本発明の目的は、見栄え良くティッシュボックスを配置できるとともに、簡易な操作によってティッシュペーパーのみを取り出すことができるオーバーヘッドコンソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のオーバーヘッドコンソールは、車室内部の天井壁に配置されるオーバーヘッドコンソールであって、ティッシュボックスを収納するための収納部と、前記ティッシュボックスからティッシュペーパーを取り出すための窓を備えるとともに、前記収納部を開閉する第1ドアと、前記第1ドアに設けられ、前記窓を開閉する第2ドアとを備えることを特徴としている。
【0010】
このようなオーバーヘッドコンソールによれば、車室内部の天井壁において、第1ドアによって開閉される収納部にティッシュボックスが収納されるため、ティッシュボックスを収納部に収納し、第1ドアを閉鎖すれば、ティッシュボックスを車室に露出させることなく配置することができ、その結果、見栄えを良好とすることができる。
【0011】
また、このようなオーバーヘッドコンソールによれば、第1ドアに設けられる窓が、第2ドアによって開閉されるため、ティッシュペーパーの非使用時には、第2ドアで窓を閉鎖することによって、良好な見栄えを維持することができ、一方、ティッシュペーパーの使用時には、窓を開放することによって、その窓を通して簡易にティッシュペーパーのみを取り出すことができ、優れた使い勝手を実現することができる。
【0012】
また、本発明のオーバーヘッドコンソールでは、前記収納部には、前記ティッシュボックスのティッシュペーパー取出口と前記窓とが前記第1ドアの厚み方向において重なるように、前記ティッシュボックスを位置決めするための位置決め部材が、備えられていることが好適である。
【0013】
このようなオーバーヘッドコンソールによれば、位置決め部材によって、窓に対してティッシュボックスのティッシュペーパー取出口が位置合わせされるため、より簡易かつ確実に、窓を通して、ティッシュボックスからティッシュペーパーのみを取り出すことができる。
【0014】
また、本発明のオーバーヘッドコンソールでは、前記第2ドアがスライド式ドアであり、前記第2ドアにおいて、前記ティッシュボックスと対向する表面には、スライド方向に沿って複数の凸部が形成されていることが好適である。
【0015】
このようなオーバーヘッドコンソールによれば、第2ドアがスライド式ドアであるため、第2ドアを形成するときにヒンジ等を設ける必要がなく、より一層優れた見栄えを実現することができる。
【0016】
また、このようなオーバーヘッドコンソールでは、第2ドアにおいてティッシュボックスと対向する表面には、スライド方向に沿って複数の凸部が形成されている。
【0017】
そのため、第2ドアをスライドさせ、第1ドアに設けられる窓を開放および閉鎖するときには、ティッシュペーパーが、凸部によってティッシュボックス側へ押圧される。
【0018】
その結果、第1ドアに設けられる窓を開放するときには、ティッシュペーパーがティッシュボックスと第2ドアとの間に挟みこまれることを抑制することができ、さらに、第1ドアに設けられる窓を閉鎖するときには、ティッシュペーパーが第1ドアと第2ドアとの間に挟みこまれることを抑制することもできる。
【0019】
また、本発明のオーバーヘッドコンソールでは、前記凸部が、前記第2ドアの閉鎖位置から開放位置に向かうに従って、前記第2ドアの前記表面側から前記表面に対する裏面側へ傾斜するガイド面を備えることが好適である。
【0020】
このようなオーバーヘッドコンソールでは、第1ドアに設けられる窓を開放するときに、ティッシュペーパーが、凸部に設けられたガイド面によって、より効果的に、ティッシュボックス側へ押圧される。
【0021】
その結果、第2ドアを閉鎖位置から開放位置にスライドさせ、窓を開放するときに、ティッシュペーパーがティッシュボックスと第2ドアとの間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【0022】
また、本発明のオーバーヘッドコンソールでは、前記凸部が、前記第2ドアの開放位置から閉鎖位置に向かうに従って、前記第2ドアの前記表面側から前記表面に対する裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備えることも好適である。
【0023】
このようなオーバーヘッドコンソールでは、第1ドアに設けられる窓を閉鎖するときに、ティッシュペーパーが、凸部に設けられたガイド面によって、より効果的に、ティッシュボックス側へ押圧される。
【0024】
その結果、第2ドアを開放位置から閉鎖位置にスライドさせ、窓を閉鎖するときに、ティッシュペーパーが第1ドアと第2ドアとの間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のオーバーヘッドコンソールによれば、車室内部の天井壁において、ティッシュボックスを収納部に収納し、第1ドアを閉鎖することにより、ティッシュボックスを車室に露出させることなく配置することができ、その結果、見栄えを良好とすることができる。
【0026】
また、本発明のオーバーヘッドコンソールによれば、ティッシュペーパーの非使用時には、第2ドアで窓を閉鎖することによって、良好な見栄えを維持することができ、一方、ティッシュペーパーの使用時には、窓を開放することによって、窓を通して簡易にティッシュペーパーのみを取り出すことができ、優れた使い勝手を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のオーバーヘッドコンソールの一実施形態が採用される車室内部を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すオーバーヘッドコンソールの前後方向に沿う概略断面図である。
【図3】図2に示すオーバーヘッドコンソールの一使用態様を示す概略図であって、(a)は、収納部を開放して、ティッシュボックスを収納部に収納する態様、(b)は、収納部を閉鎖する態様、(c)は、窓を開放して、ティッシュペーパーを取り出す態様、(d)は、窓を閉鎖して、ティッシュボックスおよびティッシュペーパーを収納部に収納する態様をそれぞれ示す。
【図4】本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(第2ドアに複数の凸部が形成される形態)を示す要部概略断面図である。
【図5】本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備える形態)を示す要部概略断面図である。
【図6】本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備える形態)を示す要部概略断面図である。
【図7】本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面と、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面とを備える形態)を示す要部概略断面図である。
【図8】本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(第2ドアがヒンジ式ドアである形態)を示す要部概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明のオーバーヘッドコンソールの一実施形態が採用される車室内部を示す概略構成図、図2は、図1に示すオーバーヘッドコンソールの前後方向に沿う概略断面図である。
【0029】
図1において、車両1は、車体ボディ2を備えている。
【0030】
車体ボディ2は、詳しくは図示しないが、例えば、外板パネル、内板パネルなどを備えており、車両1の基本フレームを形成するとともに、車室3を区画している。
【0031】
車室3は、前後方向両側、車幅方向両側および上下方向両側を車体ボディ2によって区画されることにより形成されており、例えば、乗室、荷室などとして、区画されている。
【0032】
そして、このような車室3内部の上側には、天井壁4が、形成されている。
【0033】
天井壁4は、車室3の内壁部材として、車体ボディ2の内板パネルを被覆するように形成されている。
【0034】
また、天井壁4には、その前後方向略中央部、かつ、車幅方向略中央部において、開口部5(図2参照)が、形成されている。
【0035】
開口部5は、図2に示すように、天井壁4を上下方向に貫通する矩形孔として形成されている。なお、詳しくは後述するが、開口部5には、第1ドア8(後述)が嵌合される。
【0036】
そして、このような天井壁4には、オーバーヘッドコンソール6が、配置されている。
【0037】
オーバーヘッドコンソール6は、ティッシュボックス20を収納するための収納部7と、その収納部7を開閉する第1ドア8と、第1ドア8に設けられる第2ドア9とを備えている。
【0038】
オーバーヘッドコンソール6において、収納部7は、ティッシュボックス20を収納するため、ティッシュボックス20の長手方向、幅方向および高さ方向の長さよりも長い長方箱として形成され、その長手方向が前後方向に沿うように配置されている。また、収納部7は、その下側面が、開放されている。
【0039】
このような収納部7は、天井壁4の上部に埋設されるとともに、その下端縁(開放側の端縁)が天井壁4に連続するように、設けられている。これにより、収納部7は、収納空間11を区画している。
【0040】
収納空間11は、下側が開放されており、天井壁4の開口部5を介して車室3内部に連通している。
【0041】
第1ドア8は、天井壁4の開口部5と略同一の大きさの略矩形平板形状に形成されている。
【0042】
このような第1ドア8は、天井壁4の開口部5に配置され、天井壁4における開口部5の端面に設けられるヒンジ部材16を介して、天井壁4に揺動可能に支持されている。これによって、第1ドア8は、天井壁4に対して上下方向に揺動し、開口部5(収納部7)を開閉する。
【0043】
また、第1ドア8には、ティッシュボックス20を位置決めするための位置決め部材としてのリブ13が、複数(4つ)設けられている。
【0044】
リブ13は、収納部7に収納したティッシュボックス20の下面の四隅に対応する位置に設けられており、各リブ13は、略四角柱状に形成され、第1ドア8の上側面(収納空間11側面)から上方へ向かって、立設されている。
【0045】
各リブ13には、その前後方向内側および車幅方向内側の、上側の頂角部分において、切欠部14が設けられている。
【0046】
切欠部14は、各リブ13の内側を矩形状に切り欠くことにより形成されており、この切欠部14により、各リブ13は、その上面視、前後方向内側からの側面視、および、車幅方向内側からの側面視において略L字状となる階段形状に形成されている。
【0047】
そして、ティッシュボックス20は、ティッシュペーパー取出口21が第2ドア9(後述)へ向く状態で、各切欠部14にティッシュボックス20の四隅が嵌合されることにより、第1ドア8に載置される。
【0048】
これにより、ティッシュボックス20は、そのティッシュペーパー取出口21と第1ドア8に設けられる窓12(後述)とが第1ドア8の上下方向(厚み方向)において重なるように位置決めされ、前後方向および車幅方向への動きが規制される。
【0049】
なお、ティッシュボックス20は、各リブ13の切欠部14に嵌合されているので、第2ドア9と上下方向(厚み方向)に間隔が隔てられており、そのため、後述するように第2ドア9は、ティッシュボックス20に干渉することなくスライドされる。
【0050】
また、第1ドア8は、その前後方向略中央部、かつ、車幅方向略中央部おいて、ティッシュボックス20からティッシュペーパー22を取り出すための窓12を備えている。
【0051】
窓12は、第1ドア8を上下方向(厚み方向)に貫通する略矩形状の開口部として形成され、第1ドア8の前後方向に沿って、配置されている。なお、第1ドア8には、図示しないが、必要により、第1ドア8を揺動するための、把手が形成されている。
【0052】
第2ドア9は、第1ドア8の窓12よりも前後方向および車幅方向においてわずかに大きい略矩形平板形状に形成されている。
【0053】
第2ドア9は、スライド式ドアであり、収納部7において、窓12に対応するように、第1ドア8の上側面(収納空間11側面)上に配置されるとともに、第1ドア8における窓12の車幅方向両側において前後方向に沿って設けられる図示しないスライドレールに、スライド可能に支持されている。
【0054】
これによって、第2ドア9は、スライドレール(図示せず)によって案内されながら、窓12の前側(閉鎖位置側)から後側(開放位置側)に向かってスライドして、窓12を開放し、また、窓12の後側(開放位置側)から前側(閉鎖位置側)に向かってスライドして、窓12を閉鎖する。
【0055】
また、第2ドア9は、その前側端部に、把手17を備えている。
【0056】
把手17は、第2ドア9の下側面(車室3側面)において、第2ドア9に連続して形成されており、車室3内部に向かって突出している。
【0057】
このような把手17が押動されることにより、第2ドア9が、窓12の閉鎖位置側から開放位置側に向かうようにスライドされて、窓12が開放され、また、窓12の開放位置側から閉鎖位置側に向かうようにスライドされて、窓12が閉鎖される。
【0058】
図3は、図2に示すオーバーヘッドコンソールの一使用態様を示す概略図である。
【0059】
以下において、オーバーヘッドコンソール6の一使用態様について、図3を参照して説明する。
【0060】
まず、ティッシュボックス20を収納部7に収納するには、図3(a)に示すように、ヒンジ部材16を介して、天井壁4に対して第1ドア8を下方向に揺動させ、開口部5(収納部7)を開放する。次いで、ティッシュボックス20を、矢印で示すように、各切欠部14に嵌合するように、リブ13に載置する。
【0061】
次いで、図3(b)に示すように、ヒンジ部材16を介して、天井壁4に対して第1ドア8を上方向に揺動させ、第1ドア8を開口部5に嵌合させることにより、開口部5(収納部7)を閉鎖する。
【0062】
これにより、ティッシュボックス20がリブ13とともに収納部7に備えられ、その収納空間11内において、ティッシュボックス20が、そのティッシュペーパー取出口21と第1ドア8の窓12とが第1ドア8の上下方向(厚み方向)において重なるように、配置される。なお、図3(b)において、第1ドア8の窓12は、第2ドア9によって閉鎖されている。
【0063】
次いで、ティッシュペーパー22を取り出すには、図3(c)に示すように、第2ドア9を、窓12の閉鎖位置側から開放位置側へとスライドさせ、窓12を開放する。
【0064】
すなわち、第2ドア9の把手17を、窓12の閉鎖位置側から開放位置側に向かって押動し、スライドレール(図示せず)に沿って、第2ドア9を閉鎖位置側から開放位置側へ向かうようにスライドさせる。そして、把手17を第1ドア8の端縁(窓12の後側の端縁)に当接させることにより、第2ドア9のそれ以上のスライドを規制する。これにより、窓12が開放される。
【0065】
そして、窓12およびティッシュペーパー取出口21を介して、ティッシュペーパー22を、車室3内に引き出す。
【0066】
すなわち、このオーバーヘッドコンソール6では、第1ドア8の窓12と、ティッシュボックス20のティッシュペーパー取出口21とは、第1ドア8の上下方向において重なっている。そのため、このオーバーヘッドコンソール6によれば、図3(c)にも示すように、車室3内から、窓12およびティッシュペーパー取出口21を介して、ティッシュペーパー22を容易に取り出すことができる。
【0067】
その後、図3(d)に示すように、第2ドア9を、スライドレール(図示せず)に沿って窓12の開放位置側から閉鎖位置側に向かうようにスライドさせ、そして、把手17を第1ドア8の端縁(窓12の前側の端縁)に当接させることにより、第2ドア9のそれ以上のスライドを規制すれば、窓12を閉鎖して、ティッシュボックス20およびティッシュペーパー22を、車室3から見えなくすることができる。
【0068】
このようなオーバーヘッドコンソール6によれば、車室3内部の天井壁4において、第1ドア8によって開閉される収納部7にティッシュボックス20が収納されるため、ティッシュボックス20を収納部7に収納し、第1ドア8を閉鎖すれば、ティッシュボックス20を車室3に露出させることなく配置することができ、その結果、見栄えを良好とすることができる。
【0069】
また、このようなオーバーヘッドコンソール6によれば、第1ドア8に設けられる窓12が、第2ドア9によって開閉されるため、ティッシュペーパー22の非使用時には、第2ドア9で窓12を閉鎖することによって、良好な見栄えを維持することができ、一方、ティッシュペーパー22の使用時には、窓12を開放することによって、その窓12を通して簡易にティッシュペーパー22のみを取り出すことができ、優れた使い勝手を実現することができる。
【0070】
また、このようなオーバーヘッドコンソール6によれば、リブ13によって、窓12に対してティッシュボックス20のティッシュペーパー取出口21が位置合わせされるため、より簡易かつ確実に、窓12を通して、ティッシュボックス20からティッシュペーパー22のみを取り出すことができる。
【0071】
さらには、このようなオーバーヘッドコンソール6によれば、第2ドア9がスライド式ドアであるため、第2ドア9を形成するときにヒンジ等を設ける必要がなく、より一層優れた見栄えを実現することができる。
【0072】
図4は、本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(第2ドアに複数の凸部が形成される形態)を示す要部概略断面図である。
【0073】
なお、上記した各部に対応する部材については、以下の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】
上記した説明(図2参照)では、第2ドア9を、単に平板形状としたが、例えば、図4に示すように、第2ドア9のティッシュボックス20と対向する表面(収納空間11側面)に、その第2ドア9のスライド方向に沿って、複数の凸部を形成することもできる。
【0075】
図4では、第2ドア9においてティッシュボックス20と対向する表面(収納空間11側面)には、スライド方向に沿って複数(4つ)の凸部25が形成されている。
【0076】
各凸部25は、例えば、その車幅方向長さが第2ドア9の車幅方向長さと略同一の突起として、第2ドア9と一体的に形成されている。
【0077】
このような凸部25は、前後方向に沿う断面視において、開放位置側および閉鎖位置側に対称な矩形状の突起として形成されており、互いに所定間隔を隔てて、前後方向(スライド方向)に沿って整列配置されている。
【0078】
このような第2ドア9も、上記と同様に、スライドレール(図示せず)によって案内されながら、窓12の閉鎖位置側から開放位置側に向かってスライドすることにより窓12を開放し、また、開放位置側から閉鎖位置側に向かってスライドすることにより、窓12を閉鎖する。
【0079】
そして、このようなオーバーヘッドコンソール6において、第2ドア9をスライドさせ、第1ドア8に設けられる窓12を開放および閉鎖するときには、ティッシュペーパー取出口21から下方へ少し出ているティッシュペーパー22が、凸部25によってティッシュボックス20側へ押圧される。
【0080】
その結果、第1ドア8に設けられる窓12を開放するときには、ティッシュペーパー22がティッシュボックス20と第2ドア9との間に挟みこまれることを抑制することができる。さらに、第1ドア8に設けられる窓12を閉鎖するときには、ティッシュペーパー22が第1ドア8と第2ドア9との間に挟みこまれることを抑制することもできる。
【0081】
図5は、本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備える形態)を示す要部概略断面図である。
【0082】
上記した説明(図4参照)では、各凸部25を、前後方向に沿う断面視において、開放位置側および閉鎖位置側に対称な矩形状としたが、凸部25の形状としては、これに限定されず、例えば、図5に示すように、凸部25に、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備えることもできる。
【0083】
図5において、各凸部25は、窓12の閉鎖位置側の端部が第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)に垂直に形成されるとともに、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って、第2ドア9の表面側(収納空間11側)から、その表面に対する裏面側(車室3側)へ向かって傾斜するガイド面26を備えている。
【0084】
ガイド面26は、凸部25の開放位置側において、ガイド面26と第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)とのなす角が鈍角となるように、設けられている。
【0085】
このようなオーバーヘッドコンソール6では、第1ドア8に設けられる窓12を開放するときに、ティッシュペーパー22が、凸部25に設けられたガイド面26によって、より効果的に、ティッシュボックス20側へ押圧される(矢印参照)。
【0086】
すなわち、第2ドア9を、窓12の閉鎖位置側から開放位置側へ向かってスライドさせるときに、第2ドア9の表面に接触するティッシュペーパー22が、ガイド面26に沿って凸部25の上側(ティッシュボックス20側)へ案内される。そのため、このようなオーバーヘッドコンソール6では、ティッシュペーパー22が第2ドア9とともに開放位置側へ引き込まれることが、抑制される。
【0087】
その結果、第2ドア9を閉鎖位置から開放位置にスライドさせ、窓を開放するときに、ティッシュペーパー22がティッシュボックス20と第2ドア9との間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【0088】
図6は、本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備える形態)を示す要部概略断面図である。
【0089】
上記した説明(図5参照)では、各凸部25に、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面26を備えたが、例えば、図6に示すように、凸部25に、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面27を備えることもできる。
【0090】
図6において、各凸部25は、その開放位置側の端部が第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)に垂直に形成されるとともに、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って、第2ドア9の表面側(収納空間11側)から、その表面に対する裏面側(車室3側)へ向かって傾斜するガイド面27を備えている。
【0091】
ガイド面27は、凸部25の閉鎖位置側において、ガイド面27と第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)とのなす角が鈍角となるように、設けられている。
【0092】
このようなオーバーヘッドコンソール6では、第1ドア8に設けられる窓12を閉鎖するときに、ティッシュペーパー22が、凸部25に設けられたガイド面27によって、より効果的に、ティッシュボックス20側へ押圧される(矢印参照)。
【0093】
すなわち、第2ドア9を、窓12の開放位置側から閉鎖位置側へ向かってスライドさせるときに、第2ドア9の表面に接触するティッシュペーパー22が、ガイド面27に沿って凸部25の上側(ティッシュボックス20側)へ案内される。そのため、このようなオーバーヘッドコンソール6では、ティッシュペーパー22が第2ドア9とともに閉鎖位置側へ引き込まれることが、抑制される。
【0094】
その結果、第2ドア9を開放位置から閉鎖位置にスライドさせ、窓12を閉鎖するときに、ティッシュペーパー22が第1ドア8と第2ドア9との間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【0095】
図7は、本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(凸部が、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面と、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面とを備える形態)を示す要部概略断面図である。
【0096】
上記した説明では、各凸部25に、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面26を備える(図5参照)か、あるいは、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面27を備えた(図6参照)が、例えば、図7に示すように、凸部25に、閉鎖位置から開放位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面28と、開放位置から閉鎖位置に向かうに従って表面側から裏面側へ向かって傾斜するガイド面29との両方を備えることもできる。
【0097】
図7において、各凸部25は、第2ドア9の閉鎖位置から開放位置に向かうに従って、第2ドア9の表面側から、その表面に対する裏面側へ向かって傾斜する第1ガイド面28を備えるとともに、第2ドア9の開放位置から閉鎖位置に向かうに従って、第2ドア9の表面側から、その表面に対する裏面側へ向かって傾斜する第2ガイド面29を備えている。
【0098】
このような凸部25は、前後方向に沿う断面視において、開放位置側および閉鎖位置側に対称な略二等辺三角形状に形成されている。
【0099】
ガイド面28は、凸部25の開放位置側において、ガイド面28と第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)とのなす角が鈍角となるように、設けられている。
【0100】
ガイド面29は、凸部25の閉鎖位置側において、ガイド面27と第2ドア9の表面(凸部25が形成される部分を除く)とのなす角が鈍角となるように、設けられている。
【0101】
このようなオーバーヘッドコンソール6では、第1ドア8に設けられる窓12を開放するときに、ティッシュペーパー22が、凸部25に設けられた第1ガイド面29によって、より効果的に、ティッシュボックス20側へ押圧される。
【0102】
その結果、第2ドア9を閉鎖位置から開放位置にスライドさせ、窓を開放するときに、ティッシュペーパー22がティッシュボックス20と第2ドア9との間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【0103】
さらに、このようなオーバーヘッドコンソール6では、第1ドア8に設けられる窓12を閉鎖するときに、ティッシュペーパー22が、凸部25に設けられた第2ガイド面29によって、より効果的に、ティッシュボックス20側へ押圧される。
【0104】
その結果、第2ドア9を開放位置から閉鎖位置にスライドさせ、窓12を閉鎖するときに、ティッシュペーパー22が第1ドア8と第2ドア9との間に挟みこまれることを、より効果的に抑制することができる。
【0105】
図8は、本発明のオーバーヘッドコンソールの他の実施形態(第2ドアがヒンジ式ドアである形態)を示す要部概略断面図である。なお、図2〜図7では、第2ドア9の前後方向に沿う断面図を示したが、図8においては、第2ドア9の車幅方向に沿う断面図を示す。また、上記した各部に対応する部材については、図8において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0106】
上記した説明では、第2ドア9をスライド式ドアとしたが、第2ドア9としては、これに限定されず、例えば、図8に示すように、ヒンジ式ドアとすることもできる。
【0107】
この実施形態において、オーバーヘッドコンソール6は、図8(a)に示すように、ティッシュボックス20を収納するための収納部7と、その収納部7を開閉する第1ドア8と、第1ドア8に設けられる第2ドア9とを備えている。
【0108】
図8(a)において、第2ドア9は、前後方向長さ、車幅方向長さおよび上下方向長さにおいて窓12と略同一の大きさの、略矩形平板形状に形成されている。
【0109】
このような第2ドア9は、第1ドア8の窓12に配置され、第1ドア8における窓12の端面に設けられるヒンジ部材30を介して、第1ドア8に車幅方向に揺動可能に支持されている。これによって、第2ドア9は、第1ドア8に対して揺動し、窓12を開閉する。
【0110】
また、この実施形態では、第2ドア9が、把手31を備えている。
【0111】
把手31は、ヒンジ部材30が配置される側の車幅方向反対側の、第2ドア9の下側面において、第2ドア9に連続して形成されており、車室3内部に向かって突出している。
【0112】
また、この実施形態では、第1ドア8が、把手固定孔32を備えている。
【0113】
把手固定孔32は、第1ドア8の下側面において、車幅方向にヒンジ部材30を中心として把手31と対称となる位置に、第1ドア8を下側から上下方向途中まで切り欠く凹部として形成されている。また、把手固定孔32は、把手31を嵌合可能とするように、把手31と略同一の大きさで形成されている。
【0114】
そして、この実施形態において、ティッシュペーパー22を取り出すには、図8(b)に示すように、ヒンジ部材30を介して、第2ドア9を第1ドア8に対して車幅方向一方向に揺動させ、窓12を開放する。そして、第2ドア9を第1ドア8の裏面に当接させるとともに、把手31を把手固定孔32に嵌合させ、これにより、窓12が開放される。
【0115】
そして、窓12およびティッシュペーパー取出口21を介して、ティッシュペーパー22を、車室3内に引き出す。
【0116】
このオーバーヘッドコンソール6でも、第1ドア8の窓12と、ティッシュボックス20のティッシュペーパー取出口21とは、第1ドア8の上下方向において重なっている。そのため、このオーバーヘッドコンソール6によれば、図8(b)にも示すように、車室3内から、窓12およびティッシュペーパー取出口21を介して、ティッシュペーパー22を容易に取り出すことができる。
【0117】
その後、図8(a)に示すように、ヒンジ部材30を介して、第1ドア8に対して第2ドア9を車幅方向他方向に揺動させ、第2ドア9を窓12に嵌合させる。これにより、窓12を閉鎖して、ティッシュボックス20およびティッシュペーパー22を、収納部7に収納することができる。
【0118】
このようなオーバーヘッドコンソール6においても、車室3内部の天井壁4において、第1ドア8によって開閉される収納部7にティッシュボックス20が収納されるため、ティッシュボックス20を収納部7に収納し、第1ドア8を閉鎖すれば、ティッシュボックス20を車室3に露出させることなく配置することができ、その結果、見栄えを良好とすることができる。
【0119】
また、このようなオーバーヘッドコンソールにおいても、第1ドア8に設けられる窓12が、第2ドア9によって開閉されるため、ティッシュペーパー22の非使用時には、第2ドア9で窓12を閉鎖することによって、良好な見栄えを維持することができる。また、一方、ティッシュペーパー22の使用時には、窓12を開放することによって、その窓を通して簡易にティッシュペーパー22のみを取り出すことができ、優れた使い勝手を実現することができる。
【符号の説明】
【0120】
3 車室
4 天井壁
5 開口部
6 オーバーヘッドコンソール
7 収納部
8 第1ドア
9 第2ドア
11 収納空間
12 窓
13 リブ
14 切欠部
16 ヒンジ部材
17 把手
20 ティッシュボックス
21 ティッシュペーパー取出口
22 ティッシュペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内部の天井壁に配置されるオーバーヘッドコンソールであって、
ティッシュボックスを収納するための収納部と、
前記ティッシュボックスからティッシュペーパーを取り出すための窓を備えるとともに、前記収納部を開閉する第1ドアと、
前記第1ドアに設けられ、前記窓を開閉する第2ドアと
を備えることを特徴とする、オーバーヘッドコンソール。
【請求項2】
前記収納部には、前記ティッシュボックスのティッシュペーパー取出口と前記窓とが前記第1ドアの厚み方向において重なるように、前記ティッシュボックスを位置決めするための位置決め部材が、備えられていることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項3】
前記第2ドアがスライド式ドアであり、
前記第2ドアにおいて、前記ティッシュボックスと対向する表面には、スライド方向に沿って複数の凸部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項4】
前記凸部が、前記第2ドアの閉鎖位置から開放位置に向かうに従って、前記第2ドアの前記表面側から前記表面に対する裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備えることを特徴とする、請求項3に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項5】
前記凸部が、前記第2ドアの開放位置から閉鎖位置に向かうに従って、前記第2ドアの前記表面側から前記表面に対する裏面側へ向かって傾斜するガイド面を備えることを特徴とする、請求項3に記載のオーバーヘッドコンソール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−148351(P2011−148351A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9818(P2010−9818)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】