説明

オーブン排気フード方法、装置及びシステム

最少のエネルギー消費で側部開放オーブン扉を開けることによる排気を捕捉する対流式又は組合せオーブン用の排気装置。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2010年1月13日出願の米国仮出願第61/294,511号の優先権及び利益を主張する国際出願であり、当該米国仮出願の内容は全体を参照として本明細書に結合される。
【0002】
オーブン用の排気システムは公知である。かかる排気システムは、清掃可能なカートリッジフィルタを含み得る排気取入れ部、例えば排気フードを備えている。基本的な排気フードでは、負圧ゾーンを作って汚染源からは直接的に離れて排出物を含んだ空気を引き込む排気ブロワを用いている。キッチンフードにおいて、排気ブロワは一般的に、フィルタを通して、室内空気も含んだ汚染物質はダクトシステムを介してキッチンの外へ引き出す。排気フード内に収納した排気ブロワ、例えば可変速ファンは室内から排出物を取り除くのに用いられ、そして典型的には汚染物資源とブロワとの間に設けたフィルタの吸い込み側に配置されている。排出物の生成される速度及び汚染源付近の排出物の生成に応じて、捕捉を達成する最低点における流量及び汚染度を最少化するように排気ブロワの速度は手動で設定され得る。
【0003】
フードは、排気システムの一定流量に変動する煙の流れを整合させるバッファとして機能する凹部を使用している。全捕捉及び汚染を達成するのに必要な排気速度は、生じる最高遷移負荷パルスによって調整される。これは、排出物(混入空気と必然的に混合される)の平均容量より排気速度を高くする必要がある。理想的には、無駄なエネルギーを避けるため、排気の供給過剰は最小限にすべきである。フードは、熱対流のためフード内に生じる排出物の破裂を一時的に捕捉すること及び捕捉するのに適度な平均排気速度(微分)時間を与えることによって機能する。
【0004】
バッファモデルに伴う一つの問題点は、外部環境が煙を追放し得、それにより排気流に周囲空気の過剰な負担を加えることにある。この結果、フードを取り巻く占有空間内に煙が注入されることになる。これらの遷移は、フード設計及び設置についての継続している問題点である。フードにおける凹部は、汚染物質が抽出される前に、浮力駆動による運動遷移を分散できるバッファゾーンを汚染源の上方に用意する。このように遷移を管理することによって、排給気の有効な捕捉ゾーンは増大できる。
【0005】
特許文献1には、後端部から変位される位置に排気取入れ部を設けたバックシェルフフードが示されている。短い傾斜部分が立ち上がりそしてフード凹部の後端部から入口に向かって浅い角度で延びている。
【0006】
特許文献2には、フードの後方部分からフードの中間部分近くに配置した入口まで延びる傾斜壁及び側部スカートを備えたバックシェルフフードが示されている。フードの正面部分には、フードの前面対後面の寸法の約15%〜約20%の範囲で延びる水平部分(バッフル)を備えている。この部分は、バッフル上方の空間内の空気を排気入口に向けそして周囲の空間から空気を水平方向に引くために向けるようにされ、それにより立ち上る煙を排気入口へ向って偏向させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,066,064号
【特許文献2】米国特許第3,941,039号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、本発明は、一つ以上のオーブンからの排出物を収容する方法を含み、該方法は、一つ以上のオーブンをキャビネット内に位置決めし、一つ以上のオーブンを、一つ以上のオーブンの前面と一致したキャビネットの前面に向かってオーブン面入口で開放している連続した空間で形成されたキャビネット吸引ゾーンで包囲し、前面のオーバーハングフード部分を位置決めして、前面のオーバーハングフード部分の周囲に沿って周囲の吸引ゾーンを形成し、前面のオーバーハングフード部分が少なくとも12インチ(30.48cm)の深さをもち、また吸引ゾーンが前面及び側面をもち、前面のオーバーハングフード部分がキャビネットに隣接し、かつキャビネットに接続され、周囲の吸引ゾーン及びキャビネット吸引ゾーンが、フード部分とキャビネットとの間の連通における連続した空間内の負圧によって作られ、連続した空間が、負圧を発生する排気ファンに接続した排気連結部と連通しており、オーブン面入口が少なくとも一つの側部入口を画定し、また一つ以上のオーブンの非ヒンジ側において一つ以上のオーブンの各々に隣接して頂部入口を画定し、オーブン面入口及び周囲の吸引ゾーンを介して一つ以上のオーブンの扉を開放することによって放出した煙を収集し、そして排気連結部を介してそれらの煙を排気することを含む。
【0009】
この方法において、煙の収集は、一つ以上のオーブンの一つ以上の状態に応じてファンコントローラ又はダンパによって排気の流れを制御することを含み得る。キャビネットは、通常一定の横断面をもち得、フード部分は、二つの対向する側面のオーバーハング部分及び一つの前面のオーバーハング部分を画定している三つの側部においてキャビネットより大きい。前面のオーバーハング部分は、側面のオーバーハング部分のいずれよりも深くし得る。フード部分は、下向きの少なくとも一つのカーテンジェットを備え得る。煙は、フード部分の下方面に沿ってバッフルプレートによって垂直方向の入口レジスタへ向かってそして連続した空間内へ向けられ得る。バッフルプレートはフード部分の前面側に向かって低く、フード部分の背面側に向かって高い。オーブン面入口の幅は調整可能であってもよい。オーブン面入口は各々L字型を成し得、そして水平部分と垂直部分とを備えている。一つ以上のオーブンは二つのオーブンであってもよい。
【0010】
実施形態によれば、本発明は、キャビネットを備え、該キャビネットがキャビネットの前面において正面を向いた入口レジスタに開放しているキャビネットプレナム(物質が充満した空間)を画定し、キャビネットが支持ベイを備え、支持ベイがそれぞれの支持ベイ開口においてキャビネットの前面で開放し、キャビネットの頂部においてフード部分がキャビネットプレナムと連通したフードプレナムを備え、キャビネットプレナム及びフードプレナムが、フィルタを備えた排気出口と連通し、フード部分が、キャビネットの深さの少なくとも20%の前部オーバーハングを備え、キャビネットの前面をオーバーハングし、前部オーバーハングが、キャビネットの前面に位置しかつフードプレナムと流体連通した凹部を画定し、前面の入口レジスタが、水平レジスタ及び支持ベイ開口各々の直近の第1の垂直レジスタを備えている排気装置を包含する。前部のオーバーハングの深さは、少なくとも12インチ(30.48cm)であり得る。これらの凹部は、煙をキャビネットの頂部に向けてそしてフードプレナムに開放した入口へ案内するように位置されるバッフルプレートを背端部に備え得る。正面レジスタはL字型の開口を形成し得る。装置は、支持ベイ開口の各々に隣接しかつ第1の垂直レジスタに対向した第2の垂直レジスタを備え得る。第1の垂直レジスタは第2の垂直レジスタより大きくてもよい。支持ベイは、下方及び上方支持ベイを含む二つの支持ベイであり得、下方支持ベイに隣接した水平レジスタは上方支持ベイに隣接した水平レジスタより面積が大きい。垂直及び水平レジスタの幅は調整可能であり得る。
【0011】
実施形態によれば、本発明は、凹部をもつ排気フード部分及び凹部の内面を備え、凹部の背端部の下方に支持されたバッフルプレートを備え、バッフルプレートの縁部と凹部の下向き内面との間に隙間を画定し、背端部とバッフルプレートとの間にプレナム空間に開放している排気入口を備え、バッフルプレートが入口へのアクセスをもたらすように可動であり、隙間が排気フード部分の少なくとも三つの側部を包囲している排気装置を包含する。
【0012】
隙間はフード部分の四側部を包囲して全周入口を形成し得る。実施形態によれば、本発明は、オーブンの状態に関連する少なくとも一つの信号をデジタルコントローラで受信すること、少なくとも一つの信号に応じて最初に排気流を増大するように制御すること、その後オーブンの扉が閉じられたことを表す少なくとも別の信号に応じて排気流を減少するように制御することを含む排気流を制御する方法を包含する。少なくとも一つの信号は画像信号を含み得る。少なくとも一つの信号はオーブンからのデータ信号を含み得る。少なくとも一つの信号は近接センサからの信号を含み得る。少なくとも別の信号は画像信号を含み得る。少なくとも別の信号はオーブンからのデータ信号を含み得る。少なくとも別の信号は近接センサからの信号を含み得る。制御操作はファン速度及びダンパの両方を関連させて調整することを含み得る。いずれの制御操作も扉の開放又は閉事象の確率論的推定を行うことを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態による一対のオーブン、例えば対流式オーブン又は組合せ(蒸気/対流の組合せ)オーブンからの排出物を排出するように構成した排気機器の正面図。
【図2】本発明の実施形態による一対のオーブン、例えば対流式オーブン又は組合せ(蒸気/対流の組合せ)オーブンからの排出物を排出するように構成した排気機器の部分概略斜視図。
【図3】本発明の実施形態による流れの特徴を示している図2の排気機器の概略斜視図。
【図4】本発明の実施形態による一対のオーブン、例えば対流式オーブン又は組合せ(蒸気/対流の組合せ)オーブンからの排出物を排出するように構成した排気機器の部分概略側面図。
【図5】本発明の実施形態による流れの特徴を示している一対のオーブン、例えば対流式オーブン又は組合せ(蒸気/対流の組合せ)オーブンからの排出物を排出するように構成した排気機器の正面図。
【図6】本発明の実施形態による周囲入口を備えたキャノピー(天蓋)フードを示す斜視図。
【図7】本発明の実施形態のいずれにも用いられ得る制御システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
多数のオーブン上で用いられる排気フードは、オーブンからの特にオーブンを開いてアクセスする際の調理排出物及び煙を捕捉するように構成され得る。図1〜図5にて垂直に積み重ねた構成では、各オーブンを全ての側部において取巻く垂直及び水平入口を備えたオーブン(1つ、2つ又はそれ以上)用の棚を設けたキャビネットが示されている。一つの入口は、複数のオーブンの柱状体をオーバーハングするフードの凹部をベント(通風)するように頂部に配置される。フード部分は、図のように構成し得る垂直及び水平噴流を有している。煙は排気システムに吸引され、そして処理システム又は何らかの適切な配置により立ち去る。システムはまた、かかるオーブンで発生され得る熱及び/又は蒸気を捕捉し得る。入口は、オーブンの扉を開けた際に煙を最も多く放出するオーブンの一部がオーブンヒンジから離れて位置するオーブンの側部であるので、該側部において大きくされ得る。フードは、同様にヒンジから離れたオーブンの側に広いオーバーハングを備えることができる。
【0015】
排気気流背後の総排気気流駆動装置は、任意の時点においてオーブンがどのように作動されているか関数であるように制御され得る。単一オーブンの場合、気流は、オフ状態、遊び状態、及び扉が開閉されると考えられる調理状態である単一のオーブン動作状態の関数であり得る。オペレータが扉を開くことのできる遊び状態が存在し得るが、この状態では通常、オーブンは排出物すなわち煙を放出せず、調理が行われていないので、単に熱及び/又は湿気のみが放出されることになる。
【0016】
単一オーブンにおける排気気流のレベルに関して、オーブンがオフの状態では気流は要求されない。遊び(例えば準備)動作中には、オーブンは、オーブンのサーモスタット設定点に維持するのに必要なエネルギーを消費しており、この状態の下では、オーブンから熱及び/又は湿気を捕捉するために最低排気気流が用いられる。オーブンの扉が閉じられている調理中には、食品を加熱しオーブンの温度を維持するために機器へのエネルギー投入量は増加し、対流式オーブンの場合、空気循環(外気)ファンを駆動するために付加的なエネルギーが提供される。この調理状態では、オーブンは、熱及び湿気に加えて調理過程から油脂分や煙をベント(通風)し得る。この状態では、オーブンが遊び状態にある場合より高い排気気流が設けられ得る。最大量の排出物が放出される条件は、調理中或いはオーブン扉が開かれる調理サイクルの終了時であり、この場合、熱、煙、湿気及び油脂分の排出物はオーブンベントから通気されるだけでなく、扉の開放作用によりオーブンから物理的に導出される。この状態は、オーブン扉が閉じられている調理状態と比較して捕捉するのに何回も排気気流を必要とする。従って、単一オーブンの場合、オーブンに対して、オフ状態、扉が閉じられている遊び状態、扉が開かれている遊び状態、扉が閉じられている調理状態、及びオーブンに食品が装填されている場合を除き、扉を開放している遊び状態が通常直面しない扉が開かれている調理状態の5種類の可能な制御状態が存在する。排気は、オーブン扉を開けようとしている人を検知する近接スイッチに応じて実施される。
【0017】
二つのオーブンが互いに積み重ねられる場合、潜在的に10種類の可能な制御状態が存在し、これら制御状態の全ては、オーブンからの排出物、熱、煙及び湿気を適切に捕捉するために異なる排気気流が設けられる。しかし、二つを積み重ねたオーブンでは、下側オーブンは上側オーブンに比較して5種類のオーブン制御状態のいずれでも相当高い排気気流となる。下側オーブンと上側オーブンとの間で要求されるこの気流の差は、主として、オーブンと吸引装置との間隔増大の関数である。
【0018】
オーブン状態を管理するのに用いることのできる特殊な制御機構に関して、最も直接的アプローチは、直接オーブンからそのオーブンの動作状態を表す信号を得ることにある。オフ動作状態は、オーブン信号のないことによって推測できる。その他の可能な制御フィードバック装置は、循環ファンが作動されている時を検知する電流スイッチを対流式オーブンの循環ファンに設けることを含み、この装置は、オーブンの制御スキームに依存して調理状態と遊び状態との間で区別できる。組合せオーブン(又は空洞内に湿気を導入する別のオーブン)の場合には、オーブンベント又はフードの排気プレナムに設けた湿度センサは、オーブンが動作している時を検知し得る。ドライ(対流式)オーブンの場合には、サーモスタットによって、オーブンが調理状態対遊び状態にある場合の平均値を決めることができ得る。調理過程に関連して、調理中に十分な量の煙が生じる場合には光学煙センサが利用され得る。
【0019】
図1〜図5を参照すると、排気機器100はフード部分102を有し、フード部分は、水平ジェット(符号104において、紙面に向かう方向に、Xを含む円として象徴的に示す)及びその周囲部108に沿った垂直ジェット106を発生する。代わりの実施形態では、フード部分102は垂直ジェットだけ或いは水平ジェットだけを備えてもよい。
【0020】
キャビネット110はオーブン112を包囲し、オーブン112は、棚1の頂部入口114、棚2の頂部入口120並びにそれぞれの第1及び第2の棚に対する第1及び第2の側部入口116、118を画定する。代わりの実施形態では、棚1の頂部入口114は除去され、例示した実施形態では、棚2の頂部入口120は棚1の頂部入口114より大きい。さらに別の代わりの実施形態では、頂部入口114、120は同じサイズである。フード入口122はバッフルプレート128の下に配置される。
【0021】
オーブン112は、例えば、対流式オーブン、マイクロ波又はそれらの組合せ、蒸気−対流式組合せオーブン或いは通常のオーブンである。実施形態では、オーブンは、チェーングリル、ラボラトリー(研究室)キャビネット、或いは煙を放出するその他装置のような他を起点とする排出物によって置き換えることができる。特殊な実施形態では、装置は、脈動する煙を放出し、すなわち煙は、側部開放“扉”オーブンに関して一側において他側より一層強く放出する。図示したオーブン112は右側にヒンジを備え、左側から開放しているが、いずれの側でも開放できる。実施形態では、すべての入口の吸引は、綾影線で示した面において直線ft当たり10〜60cfmの面速度を発生する。
【0022】
図3に最もよく見られ得るように、空気は、吸引プレナム202を通って引き込まれ、そして蛇行矢印210で示すように、排気カラー204を通って放出される。排気カラー204は排気システム(図示していない)に連結され得る。フード部分102は、垂直及び水平ジェットを形成する気流を分配するプレナム442を画定する前面境界線の周りに二重壁(図5に示す二重壁間にプレナム442を備える)を有する。また図3に明瞭なように、空気は、矢印265で示すようにキャビネット110を介して側部及び頂部入口114、116、118、120を通って引き込まれる。フード部分102で捕捉した煙はバッフルプレート128内へそして水平入口内へ流れ込む。本実施形態では、バッフルプレート128は、その周囲には隙間がなく、そして全ての煙及び空気は入口領域122を介して引き込まれる。代わりの実施形態では、入口領域122は除去され、バッフルプレート128の三つの側部の周りに隙間が形成されて、U字形チャンネルを形成し、このチャンネルを通ってフード部分102背後の吸引プレナム内へ空気が引き込まれる。
【0023】
図4に示すように、フィルタプレナム260の入口におけるフィルタ250は、空気及び煙を、フィルタ250を通してから排気カラー204を介して出ていかせる前に設けられ得る。ファン270は、フード部分102の前方部分を形成している二重壁間の空間を加圧して存在する場合にジェット104及び/又は106を発生するように設けられ得る。
【0024】
周囲入口を備えたフード形態(入口領域122が除去され、バッフルプレート128の三つの側部の周りに隙間が形成される実施形態)は、他の形態、例えばキャノピー(天蓋)又はバックシェルフフードにおいて用いられ得る。かかる実施形態では、周囲部は、単に三つの側部よりむしろキャノピー(天蓋)フードを包囲し得る。例えば、図6に示すように、キャノピー(天蓋)フードはバッフルプレート314を備え、バッフルプレート314は、バッフルプレート314の縁部とフード部分320の内面との間に隙間流れ322を画定している。バッフルプレート314はまた、バッフルプレート314とフード部分320の内面との間にプレナム空間324を画定している。矢印316は、フードの下から隙間流れ322で画定した周囲入口内へプレナム324を介してそして排気カラー312から出ていく空気の流れを比喩的に表している。バックシェルフフードに対する図6の実施形態の変形例は、フード320の四つよりむしろ三つの側部に隙間流れ322を備える。さらに別の変形例では、コーナー又は対向側部において合致する隣接した側部に二つの隙間流れが設けられる。図6の特徴は、本明細書に記載した任意の実施形態と種々組合され得る。
【0025】
ブランク402は、入口114、116、118、120の寸法及び形状を画定するのに用いられ得る。種々の異なる寸法のオーブンに対して調整するために種々の可変寸法のブランクのキットが設けられ得、すなわちブランクは種々の可変寸法のシャッターであり得る。代わりに、隣接した入口114〜118は、調整可能な入口ルーバーによって設けられるような調整可能な流量範囲を有し得る。これらは、流れを調整する即ち隙間の寸法を調整するのに用いられ得る。入口面積はまた単に開放面積であり得る。入口面積はまた、符号403で示すように例えば別のブランクによってオーブンの下方に画定され得る。前記の別のブランクはまた前述のように調整可能であり得る。
【0026】
キャビネット110は調整可能な棚412を備え得る。フード部分102は、オーブンのヒンジ側416におけるよりオーブンが開放している側部414において広いオーバーハングを形成するように寸法決めされ得る。空気ガイド446(図4)は、煙及び空気の流れをフィルタ250の入口へ向けるように実施形態において設けられ得る。この空気ガイドは実施形態において除去されてもよい。
【0027】
実施形態では側面のオーバーハング414、416はフード部分102の全幅の5〜30%である。実施形態では前方のオーバーハングはフード部分102の全深さの20〜50%であり得る。実施形態では前方のオーバーハング444はフード部分の深さの30〜40%である。実施形態では、前方のオーバーハング444は18〜3インチ(45.72〜76.2cm)である。
【0028】
図7には、本発明の任意の実施形態において用いられ得る制御システムを示す。コントローラ505は、一つ以上のダンパ510及びファン速度コントローラ512、或いはその他の流量調整装置(図示していない)を制御するのに設けられ得る。コントローラ505は、オーブン112、オーブン112による表示又は電力消費を受ける一つ以上の電力センサ504、オーブン112に近づく人の存在を検知するように設けた一つ以上の近接センサ502、及び/又はオーブン112に近づく人の存在を検知するように設けた一つ以上の画像形成装置506からの信号(デジタルメッセージ、アナログ信号など)を受信し得る。オーブンからの信号は、遮断までの残り時間を表すタイマにおける経過時間量のような状態情報を提供し得る。一つ以上のダンパ510は、排気カラーを通過する空気の流れを制御するように位置決めした単一ダンパに相当し得る。
【符号の説明】
【0029】
100:排気機器
102:フード部分
104:水平ジェット
106:垂直ジェット
108:周囲部
110:キャビネット
112:オーブン
114:頂部入口
116:側部入口
118:側部入口
120:頂部入口
122:フード入口
128:バッフルプレート
202:吸引プレナム
204:排気カラー
210:蛇行矢印
250:フィルタ
260:フィルタプレナム
270:ファン
312:排気カラー
314:バッフルプレート
316:矢印
320:フード部分
322:流れ隙間
324:プレナム
402:ブランク
412:調整可能な棚
414:側面のオーバーハング
416:側面のオーバーハング
442:プレナム
444:前方のオーバーハング
446:空気ガイド
502:近接センサ
504:電力センサ
505:コントローラ
506:画像形成装置
510:ダンパ
512:ファン速度コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のオーブンから排出物を収容する方法であって、
一つ以上のオーブンをキャビネット内に位置決めし、一つ以上のオーブンを、一つ以上のオーブンの前面と一致したキャビネットの前面に向かってオーブン面入口で開放している連続した空間で形成されたキャビネット吸引ゾーンで包囲すること、
前面のオーバーハングフード部分を位置決めして、前面のオーバーハングフード部分の周囲に沿って周囲の吸引ゾーンを形成すること、
前面のオーバーハングフード部分が少なくとも12インチ(30.48cm)の深さを有し、また吸引ゾーンが前面及び側面を有すること、
前面のオーバーハングフード部分がキャビネットに隣接し、かつキャビネットに接続され、周囲の吸引ゾーン及びキャビネット吸引ゾーンが、フード部分とキャビネットとの間の連通における連続した空間内の負圧によって作成されること、
連続した空間が、負圧を発生する排気ファンに接続した排気連結部と連通していること、
オープン面入口が少なくとも一つの側部入口を画定し、また一つ以上のオーブンの非ヒンジ側において一つ以上のオーブンの各々に隣接して頂部入口を画定すること、
オーブン面入口及び周囲の吸引ゾーンを介して一つ以上のオーブンの扉を開放することによって放出した煙を収集し、排気連結部を介してそれらの煙を排気すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
煙の収集が、一つ以上のオーブンの一つ以上の状態に応じてファンコントローラ又はダンパによって排気の流れを制御することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
キャビネットが、通常一定の横断面を有し、フード部分が、二つの対向する側面のオーバーハング部分及び一つの前面のオーバーハング部分を画定している三つの側部においてキャビネットより大きいことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前面のオーバーハング部分が、側面のオーバーハング部分のいずれよりも深いことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
フード部分が、下向きの少なくとも一つのカーテンジェットを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
煙が、フード部分の下方面に沿ってバッフルプレートによって垂直入口レジスタへ向かってそして連続した空間内へ向けられることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
バッフルプレートが、フード部分の前面側に向かって低く、フード部分の背面側に向かって高いことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
オーブン面入口の幅が調整可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
オーブン面入口が各々L字型を成し、そして水平部分と垂直部分とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
一つ以上のオーブンが二つのオーブンであることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
キャビネットを備え、該キャビネットがキャビネットの前面で前方に向いた入口レジスタに開放しているキャビネットプレナムを画定し、
キャビネットが支持ベイを備え、支持ベイがそれぞれの支持ベイ開口部においてキャビネットの前面で開放し、
キャビネットの頂部においてフード部分がキャビネットプレナムと連通したフードプレナムを備え、
キャビネットプレナム及びフードプレナムが、フィルタを備えた排気出口と連通し、
フード部分が、キャビネットの深さの少なくとも20%の前部オーバーハングを備え、キャビネットの前面をオーバーハングし、
前部オーバーハングが、キャビネットの前面に位置しかつフードプレナムと流体連通した凹部を画定し、
前面入口レジスタが、水平レジスタ及び支持ベイ開口部の各々の直近の第1の垂直レジスタを備えていること
を特徴とする排気装置。
【請求項12】
前部オーバーハングの深さが、少なくとも12インチ(30.48cm)であることを特徴とする請求項11記載の排気装置。
【請求項13】
前記凹部が、煙をキャビネットの頂部に向けてそしてフードプレナムに開放した入口へ案内するように位置されるバッフルプレートをその背端部に備えることを特徴とする請求項11及び12記載の排気装置。
【請求項14】
前面レジスタがL字型の開口部を形成することを特徴とする請求項13記載の排気装置。
【請求項15】
さらに、支持ベイ開口部の各々に隣接し、かつ第1の垂直レジスタに対向した第2の垂直レジスタを備えることを特徴とする請求項14記載の排気装置。
【請求項16】
第1の垂直レジスタが第2の垂直レジスタより大きいことを特徴とする請求項15記載の排気装置。
【請求項17】
支持ベイが、下方及び上方支持ベイを含む二つの支持ベイであり、下方支持ベイに隣接した水平レジスタが上方支持ベイに隣接した水平レジスタより面積が大きいことを特徴とする請求項15又は16記載の排気装置。
【請求項18】
垂直及び水平レジスタの幅が調整可能であることを特徴とする請求項17記載の排気装置。
【請求項19】
凹部をもつ排気フード部分及び凹部の内面を備え、
凹部の背端部の下方に支持されたバッフルプレートを備え、バッフルプレートの縁部と凹部の下向き内面との間に隙間を画定し、
背端部とバッフルプレートとの間のプレナム空間に開放している排気入口を備え、
バッフルプレートが入口へのアクセスをもたらすように可動であり、
隙間がフード部分の少なくとも三つの側部を包囲していること
を特徴とする排気装置。
【請求項20】
隙間が、フード部分の四側部を包囲して全周入口を形成することを特徴とする請求項19記載の排気装置。
【請求項21】
オーブンの状態に関連する少なくとも一つの信号をデジタルコントローラで受信すること、
少なくとも一つの信号に応じて最初に排気流を増大するように制御すること、
その後オーブンの扉が閉じられたことを表す少なくとも別の信号に応じて排気流を減少するように制御すること
を特徴とする排気流の制御方法。
【請求項22】
少なくとも一つの信号が画像信号を含むことを特徴とする請求項21記載の排気流の制御方法。
【請求項23】
少なくとも一つの信号がオーブンからのデータ信号を含むことを特徴とする請求項21又は22記載の排気流の制御方法。
【請求項24】
少なくとも一つの信号が近接センサからの信号を含むことを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の排気流の制御方法。
【請求項25】
少なくとも別の信号が画像信号を含むことを特徴とする請求項21〜24のいずれかに記載の排気流の制御方法。
【請求項26】
少なくとも別の信号がオーブンからのデータ信号を含むことを特徴とする請求項21〜25のいずれかに記載の排気流の制御方法。
【請求項27】
少なくとも別の信号が近接センサからの信号を含むことを特徴とする請求項21〜26のいずれかに記載の排気流の制御方法。
【請求項28】
制御操作がファン速度及びダンパの両方を関連させて調整することを含むことを特徴とする請求項21〜27のいずれかに記載の排気流の制御方法。
【請求項29】
いずれの制御操作も扉の開放又は閉事象の確率論的推定を行うことを含むことを特徴とする請求項21〜28のいずれかに記載の排気流の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−517452(P2013−517452A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549085(P2012−549085)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021167
【国際公開番号】WO2011/088230
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508058169)オーワイ ハルトン グループ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】