説明

カウンタートップとその成形金型及び製造方法

【課題】 接着工程を行わなくてもサイドカバー7付きのカウンタートップ1を得られるようにする。
【解決手段】 本発明は、人工大理石よりなるカウンタートップ1に関する。このカウンタートップ1は、幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体2と、プレート本体2の前端縁から下方に延びるフロントカバー3と、プレート本体2の後端縁から上方に延びるバックカバー4と、を一体に備える。また、プレート本体2の左右両端縁から下方に延びてフロントカバー3と同じレベルの下端面を有する左右一対のサイドカバー7が、プレート本体2、フロントカバー3及びバックカバー4に一体に形成され、プレート本体2の裏面における幅方向中途部に、サイドカバー7と同じ側面形状の中間リブ8が一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧台やシステムキッチン等のキャビネットに用いるカウンタートップと、その成型金型及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面化粧台やシステムキッチン等のキャビネットに用いるカウンタートップとして、幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体と、プレート本体の前端縁から下方に延びるフロントカバーと、プレート本体の後端縁から上方に延びるバックガードとを一体に備えた人工大理石により構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、かかる従来のカウンタートップにおいて、側面から見た場合の見掛け厚さを増大させるため、プレート本体とバックガードの左右両側を、フロントカバーと同じレベルの下端面を有するサイドカバーで閉塞した構造のものがある。
【0003】
このサイドカバー付きのカウンタートップの製造方法としては、例えば特許文献2に記載されているように、所定の幅寸法に成形されたプレート本体の左右両端部の裏面に、当該カウンタートップと同じ樹脂素材よりなるサイドカバーを接着剤で取り付けるのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−215513号公報(第1図)
【特許文献2】特開2001−95636公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の製造方法では、サイドカバーをプレート本体に後付けする接着工程を要する分だけ、加工手間がかかって製造コストが高くなるという欠点がある。
特に、プレス機能のない成形金型でプレート本体を成形した場合には、プレート本体の左右両端部の裏面が厳密な平坦面でないことが多いので、その裏面を研磨仕上げした上でサイドカバーを接着する必要があり、カウンタートップの製造に非常に手間がかかるものであった。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、接着工程を行わなくてもサイドカバー付きのカウンタートップを得られるようにして、当該カウンタートップの製造コストを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカウンタートップは、幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体と、前記プレート本体の前端縁から下方に延びるフロントカバーと、前記プレート本体の後端縁から上方又は下方に延びるバックカバーと、を一体に備えた人工大理石よりなるカウンタートップであって、前記プレート本体の左右両端縁から下方に延びて前記フロントカバーと同じレベルの下端面を有する左右一対のサイドカバーが、前記プレート本体、前記フロントカバー及び前記バックカバーに一体に形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のカウンタートップによれば、上記左右一対のサイドカバーがプレート本体、フロントカバー及びバックカバーに一体に形成されているので、接着工程を行わなくてもサイドカバー付きのカウンタートップが得られる。
従って、プレート本体の裏面を研磨仕上げしたり、その上でサイドカバーを接着したりする必要がなくなるので、サイドカバー付きのカウンタートップを極めて容易に製造でき、カウンタートップの製造コストを低減することができる。
【0009】
本発明のカウンタートップは、更に、前記プレート本体の裏面における幅方向中途部に、前記サイドカバーと同じ側面形状の中間リブが一体に形成されていることを特徴とする。
この場合、カウンタートップにおける中間リブの対応部分を前後方向に沿って切断することにより、幅寸法が異なる別のカウンタートップが得られる。このため、中間リブを予め所定ピッチで配置しておくことにより、所望の間口寸法のカウンタートップを製作することができる。
【0010】
本発明のカウンタートップの成形金型は、接離自在な上下型を備えたカウンタートップの成形金型であって、前記上下型の接合によって形成される1つのキャビティが、前記カウンタートップにおける次の(a)〜(e)の各部材の成形空間を有することを特徴とする。
(a) 幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体
(b) プレート本体の前端縁から下方に延びるフロントカバー
【0011】
(c) プレート本体の後端縁から上方又は下方に延びるバックカバー
(d) プレート本体の左右両端縁から下方に延びて前記フロントカバーと同じレベルの下端面を有するサイドカバー
(e) プレート本体の裏面における幅方向中途部に配置された、前記サイドカバーと同じ側面形状の中間リブ
【0012】
本発明の成形金型によれば、1つのキャビティが上記(d)の成形空間を有するので、当該キャビティに素材樹脂を充填して硬化させることにより、左右一対のサイドカバーがプレート本体、フロントカバー及びバックカバーに一体に形成された樹脂成形体を得ることができ、接着工程を行わなくてもサイドカバー付きのカウンタートップを製造することができる。
また、本発明の成形金型によれば、1つのキャビティが上記(e)の成形空間を有するので、例えば次のような製造方法を採用することができる。
【0013】
すなわち、上記成形金型を用いた本発明のカウンタートップの製造方法は、前記キャビティの内部に素材樹脂を充填して硬化させるステップと、硬化済みの前記素材樹脂である樹脂成形体を前記キャビティから取り出すステップと、取り出された前記樹脂成形体における前記中間リブの対応部分を前後方向に沿って切断して所望幅の前記カウンタートップを得るステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
この製造方法によれば、取り出された樹脂成形体における中間リブの対応部分を前後方向に沿って切断して所望幅のカウンタートップを得るようにしたので、一種類の成形金型を用いて、幅方向寸法の異なる複数種類のサイドカバー付きカウンタートップを製造することができる。
このため、幅寸法の異なる複数種類のカウンタートップの製造に必要な成形金型の設備投資を最小限に抑えることができる。
【0015】
また、上記成形金型を用いた本発明の別のカウンタートップの製造方法は、前記中間リブの成形空間よりも幅方向外側には素材樹脂が回らないように前記キャビティに当該素材樹脂を充填して硬化させるステップと、硬化済みの前記素材樹脂である樹脂成形体を前記キャビティから取り出して前記カウンタートップを得るステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
この製造方法によれば、中間リブの成形空間よりも幅方向外側には素材樹脂が回らないように前記キャビティに当該素材樹脂を充填して硬化させるようにしたので、一種類の成形金型を用いて、幅方向寸法の異なる複数種類のサイドカバー付きカウンタートップを製造することができる。
このため、幅寸法の異なる複数種類のカウンタートップの製造に必要な成形金型の設備投資を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の通り、本発明によれば、接着工程を行わなくてもサイドカバー付きのカウンタートップが得られるので、当該カウンタートップの製造コストを低減することができる。
また、本発明によれば、カウンタートップにおける中間リブの対応部分を前後方向に沿って切断することにより、幅寸法が異なる別のカウンタートップが得られので、中間リブを予め所定ピッチで配置しておくことにより、所望の間口寸法のカウンタートップを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係るカウンタートップの斜視図である。
【図2】上記カウンタートップの取付構造を示す正面断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態に係るカウンタートップの底面図であり、(b)はそのカウンタートップを上下反転させた場合の斜視図である。
【図4】カウンタートップの成形金型の平面図である。
【図5】(a)は図4のA−A線断面図であり、(b)は図4のB−B線又はC−C線断面図である。
【図6】(a)は第3実施形態に係るカウンタートップの底面図であり、(b)はそのカウンタートップを上下反転させた場合の斜視図である。
【図7】(a)は第4実施形態に係るカウンタートップの底面図であり、(b)はそのカウンタートップを上下反転させた場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るカウンタートップ1の斜視図である。
図1に示すように、このカウンタートップ1は、幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体2と、このプレート本体2の前端縁から下方に延びるフロントカバー3と、プレート本体2の後端縁から上方に延びるバックカバー4と、を一体に備えた人工大理石により構成されている。
【0020】
なお、この第1実施形態のカウンタートップ1は、後述する中間リブ8付きである第2実施形態に係るカウンタートップ1(図3参照)を、その中間リブ8に沿って切断することによって得られたものである。
上記人工大理石は、エポキシ、ポリエステル又はアクリル等の熱硬化性樹脂にガラス繊維その他の配合材料を混合した素材樹脂を硬化させることにより、所定の強度と重量を確保した樹脂成形体よりなり、この樹脂成形体に対する加熱成形は、後述する成形金型20のキャビティ23に素材樹脂を充填することによって行われる。
【0021】
プレート本体2は、平面視ほぼ長方形状の平板部材よりなり、フロントカバー3は、プレート本体2の前端縁に沿って連続した所定高さのフランジ部材よりなる。
また、バックカバー4は、プレート本体2の後端縁に沿って連続した所定高さのフランジ部材よりなり、このバックカバー4の上端縁には、そこから更に後方に突出する上部フランジ5が一体に形成されている。
【0022】
本実施形態のカウンタートップ1は、左右方向に長い長円形のボウル部6をプレート本体2の中央部に備えており、このボウル部6も、成形金型20による樹脂成形の際に一体に形成される。
また、本実施形態のカウンタートップ1は、プレート本体2の左右両端縁から下方に延びるサイドカバー7を備えている。このサイドカバー7は、フロントカバー3と同じレベルの下端面を有しており、プレート本体2、フロントカバー3及びバックカバー4に対して一体に形成されている。
【0023】
図2は、カウンタートップ1の取付構造を示す正面断面図である。
図2に示すように、この場合の取付構造では、サイドカバー7の下端面がキャビネット13の側壁14の上端面にシール部材15を介して突き合わせ状に上載されている。
プレート本体2の裏面には取付桟16が固定されており、この取付桟16は、プレート本体2の前後方向(図2の紙面貫通方向)に沿って長い木製の角材よりなる。
【0024】
取付桟16の下面には、正面視L型の取付金具17の一方片が当接し、木製の側壁14の上端部内面に、取付金具17の他方片が当接している。
そして、上記取付金具17の各片に形成されたねじ孔に木ねじ18をそれぞれ挿通し、この各木ねじ18を取付桟16及び側壁14にそれぞれねじ込むことにより、カウンタートップ1が取付金具17を介してキャビネット13の側壁14に固定されている。
【0025】
本実施形態のカウンタートップ1によれば、左右一対のサイドカバー7がプレート本体2及びバックカバー4に一体に形成されているので、従来のように別部材のサイドカバーを後から接着する接着工程を行わなくても、サイドカバー7付きのカウンタートップ1が得られる。
従って、プレート本体2の裏面を研磨仕上げしたり、その上で別部材のサイドカバーを接着したりする必要がないので、サイドカバー7付きのカウンタートップ1を容易に製造でき、カウンタートップ1の製造コストを低減することができる。
【0026】
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態に係るカウンタートップ1を示しており、図3(a)は、当該カウンタートップ1の底面図である。また、図3(b)は、当該カウンタートップ1を上下反転させた場合の斜視図である。
図3に示すように、本実施形態のカウンタートップ1は、前後方向(図3(a)の上下方向)に長い複数本(図例では合計6本)の中間リブ8を一体に備えている。
【0027】
この複数の中間リブ8は、プレート本体2の裏面における幅方向中途部に所定間隔おきに配置されており、サイドカバー7と同じ側面形状に形成されている。従って、各中間リブ8の下端面は、フロントカバー3やサイドカバー7の下端面と面一に連続している。
図3の例では、左側の3本の中間リブ8が、左側のサイドカバー7とボウル部6との間で幅方向に等間隔で配置されており、右側の3本の中間リブ8も、右側のサイドカバー7とボウル部6との間で幅方向に等間隔で配置されている。
【0028】
従って、図3に示すカウンタートップ1において、例えば任意の中間リブ8の対応部分を前後方向に沿って切断することにより、幅寸法が異なる別のカウンタートップ1を製作することができ、中間リブ8を予め所定ピッチ(例えば、7.5cmピッチ)で配置しておくことにより、所望の間口寸法のカウンタートップ1を製作することができる。。
なお、この場合のカウンタートップ1の切断作業は、中間リブ8の厚さ方向の中心線に沿って当該中間リブ8を切断したり、或いは、中間リブ8自体は切断せず、中間リブ8の根元縁に沿ってプレート本体2を切断したりして行うことができる。
【0029】
〔カウンタートップの成形金型〕
図4は、カウンタートップ1の成形金型の平面図である。また、図5(a)は、図4のA−A線断面図であり、図5(b)は図4のB−B線又はC−C線断面図である。なお、図4の成形金型の平面図では、下型22のキャビティ形状を破線で示している。
図4及び図5に示すように、この成形金型20は、接離自在な鋼製の上下型21,22を備え、この上下型21,22の接合によって形成される1つのキャビティ23が、カウンタートップ1を構成する各部材の成形空間を有している。
【0030】
具体的には、上記成型金型20のキャビティ23は、プレート本体2の成形空間2A、フロントカバー3の成形空間3A、バックカバー4の成形空間4A、サイドカバー7の成形空間7A及び中間リブ8の成形空間8Aを連通状態で備えている。
なお、本実施形態では、プレート本体2がボウル部6を一体に有することから、プレート本体2の成形空間2Aには、当該ボウル部6用の成型空間が含まれている。
【0031】
〔カウンタートップの製造方法(1)〕
上記成形金型20を用いたカウンタートップ1の製造方法の1つは、例えば次の通りである。
すなわち、上下型21,22の接合によって形成されるキャビティ23の内部に、所定配合の素材樹脂を充填して加熱することにより、当該素材樹脂を硬化させる。その後、硬化済みの素材樹脂である樹脂成形体24(図5参照)をキャビティ23から取り出すことにより、すべての中間リブ8が揃った最大幅のカウンタートップ1が得られる。
【0032】
そこで、最大幅未満のカウンタートップ1を製作する場合には、取り出された樹脂成形体24における任意の中間リブ8の対応部分を前後方向に沿って切断すればよい。
この場合、樹脂成形体24の各中間リブ8がサイドカバー7と同じ側面形状になっているので、上記のように中間リブ8の対応部分を前後方向に沿って切断すれば、その切断された中間リブ8が、切断後の樹脂成形体24のサイドカバー7を構成することになる。
【0033】
従って、キャビネット13の間口幅に対応する中間リブ8を選択し、この中間リブ8の対応部分を前後方向に沿って切断することにより、複数種類のキャビネット13に適合する所望幅のカウンタートップ1を製作することができる。
もっとも、最大幅のカウンタートップ1が必要である場合には、成形金型20から脱型した樹脂成形体24を切断せずに、そのままキャビネット13の構成部材として採用すればよい。
【0034】
このように、上記製造方法(1)によれば、取り出された樹脂成形体24における中間リブ8の対応部分を前後方向に沿って切断し、所望幅のカウンタートップ1を製作するようにしたので、一種類の成形金型20を用いて、幅方向寸法の異なる複数種類のサイドカバー7付きカウンタートップ1を製造することができる。
このため、幅寸法の異なる複数種類のカウンタートップ1の製造に必要な成形金型20の設備投資を、最小限に抑えることができる。
【0035】
〔カウンタートップの製造方法(2)〕
また、前記成形金型20を用いた別のカウンタートップ1の製造方法としては、キャビティ23における必要な成型空間にだけ素材樹脂を充填する方法もある。
すなわち、例えば、図4に示す成形金型20において、最小幅のカウンタートップ1を成形する場合、中間リブ8の成形空間8Aを含む最小の充填範囲w1を、図示しないスペーサによって幅方向外側の非充填範囲w2と区画することにより、非充填範囲w2に素材樹脂が回らないようにする。
【0036】
そして、この状態で、充填範囲w1に含まれるキャビティ23の成形空間に素材樹脂を充填して硬化させ、硬化済みの素材樹脂である樹脂成形体24をキャビティ23から取り出すことにより、所望幅のカウンタートップ1を製作する。
【0037】
このように、上記製造方法(2)によれば、中間リブ8の成形空間8Aよりも幅方向外側には素材樹脂が回らないようにキャビティ23に当該素材樹脂を充填して硬化させるので、一種類の成形金型20を用いて、幅方向寸法の異なる複数種類のサイドカバー7付きカウンタートップ1を製造することができる。
このため、上記製造方法(2)においても、幅寸法の異なる複数種類のカウンタートップ1の製造に必要な成形金型20の設備投資を、最小限に抑えることができる。
【0038】
〔第3実施形態〕
図6は、第3実施形態に係るカウンタートップ1を示し、図6(a)は、当該カウンタートップ1の底面図である。また、図6(b)は、当該カウンタートップ1を上下反転させた場合の斜視図である。
本実施形態のカウンタートップ1が第2実施形態のそれと異なる点は、プレート本体2の後部に段差9が形成されている点にあり、その他の構成は第2実施形態の場合と同様である。
【0039】
従って、第3実施形態のカウンタートップ1においても、第2実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
また、第3実施形態のカウンタートップ1は、上記段差9に対応するようにキャビティ23の形状を変更することにより、図4に示す成形金型20と同じ構成の成形金型を用いて製造することができる。
【0040】
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態に係るカウンタートップ1を示し、図7(a)は、当該カウンタートップ1の底面図である。また、図7(b)は、当該カウンタートップ1を上下反転させた場合の斜視図である。
本実施形態のカウンタートップ1が第2実施形態のそれと異なる点は、プレート本体2の後端縁から上方に延びるバックカバー4だけでなく、更にその後端縁から下方に延びるバックカバー10が一体に形成されている点にあり、その他の構成は第2実施形態の場合と同様である。
【0041】
従って、第4実施形態のカウンタートップ1においても、第2実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
また、第4実施形態のカウンタートップ1は、上記バックカバー10に対応するようにキャビティ23の形状を変更することにより、図4に示す成形金型20と同じ構成の成形金型を用いて製造することができる。
なお、上記バックカバー10の下端面は、フロントカバー3、サイドカバー7及び中間リブ8の下端面と面一状に連続している。
【0042】
〔その他の変形例〕
上記実施形態はすべて例示であり本発明の権利範囲を制限するものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での種々の変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、プレート本体2がボウル部6を一体に有する場合を例示したが、ボウル部6用の取付リブをプレート本体2に一体に形成しておき、その取付リブにボウル部6を後付けすることにしてもよい。
【0043】
また、上記取付リブには、ボウル部6以外の例えばステンレス製のシンクを後付けすることにしてもよい。更に、本発明のカウンタートップ1は、必ずしもプレート本体2がボウル部6やシンクを備えている必要はなく、プレート本体2の上面が単純な平面状であってもよい。
また、上記実施形態では、プレート本体2の裏面に中間リブ8を複数本形成しているが、この中間リブ8は単一であってもよい。
【0044】
更に、上記実施形態では、バックカバー4がプレート本体2の後端縁から上方に延びる形式のカウンタートップ1を例示したが、例えば対面式キッチンに使用するカウンタートップも本発明の対象に含まれる。この場合のカウンタートップでは、バックカバー4が、プレート本体2の後端縁から下方に一体に延びる、フロントカバー3と同形状のフランジ部材から構成されることになる。
【符号の説明】
【0045】
1 カウンタートップ
2 プレート本体
3 フロントカバー
4 バックカバー
5 上部フランジ
6 ボウル部
7 サイドカバー
8 中間リブ
20 成型金型
21 上型
22 下型
23 キャビティ
24 樹脂成形体
2A 成型空間(プレート本体に対応)
3A 成型空間(フロントカバー)
4A 成型空間(バックカバーに対応)
7A 成型空間(サイドカバーに対応)
8A 成型空間(中間リブに対応)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体と、
前記プレート本体の前端縁から下方に延びるフロントカバーと、
前記プレート本体の後端縁から上方又は下方に延びるバックカバーと、を一体に備えた人工大理石よりなるカウンタートップであって、
前記プレート本体の左右両端縁から下方に延びて前記フロントカバーと同じレベルの下端面を有する左右一対のサイドカバーが、前記プレート本体、前記フロントカバー及び前記バックカバーに一体に形成されているとともに、前記プレート本体の裏面における幅方向中途部に、前記サイドカバーと同じ側面形状の中間リブが一体に形成されていることを特徴とするカウンタートップ。
【請求項2】
接離自在な上下型を備えたカウンタートップの成形金型であって、
前記上下型の接合によって形成される1つのキャビティが、前記カウンタートップにおける次の(a)〜(e)の各部材の成形空間を有することを特徴とするカウンタートップの成形金型。
(a) 幅方向寸法が前後方向寸法よりも大きいプレート本体
(b) プレート本体の前端縁から下方に延びるフロントカバー
(c) プレート本体の後端縁から上方又は下方に延びるバックカバー
(d) プレート本体の左右両端縁から下方に延びて前記フロントカバーと同じレベルの下端面を有するサイドカバー
(e) プレート本体の裏面における幅方向中途部に配置された、前記サイドカバーと同じ側面形状の中間リブ
【請求項3】
請求項2に記載の成形金型を用いたカウンタートップの製造方法であって、
前記キャビティの内部に素材樹脂を充填して硬化させるステップと、
硬化済みの前記素材樹脂である樹脂成形体を前記キャビティから取り出すステップと、
取り出された前記樹脂成形体における前記中間リブの対応部分を前後方向に沿って切断して所望幅の前記カウンタートップを得るステップと、
を含むことを特徴とするカウンタートップの製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の成形金型を用いたカウンタートップの製造方法であって、
前記中間リブの成形空間よりも幅方向外側には素材樹脂が回らないように前記キャビティに当該素材樹脂を充填して硬化させるステップと、
硬化済みの前記素材樹脂である樹脂成形体を前記キャビティから取り出して前記カウンタートップを得るステップと、
を含むことを特徴とするカウンタートップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−229551(P2011−229551A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99699(P2010−99699)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000108661)タカラスタンダード株式会社 (51)
【Fターム(参考)】