説明

カチオン可染ポリエステル太細糸及びその製造方法並びにその太細糸を用いた織編物

【課題】太細パターンのコントラストが小さく、かつ沸水収縮率が比較的低いカチオン可染ポリエステル太細糸を提供し、またこの太細糸を用いた織編物を提供する。
【解決手段】5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエステルからなり、沸水収縮率が15〜35%、DS×√DE(DS:破断強度(cN/dtex)、DE:破断伸度(%))が13以上、1%以上10%未満のU%ピークが50個/m以上、10%以上のU%ピークが10個/m未満の要件を備えたカチオン可染ポリエステル太細糸であって、2000〜2700m/分の紡速で得た未延伸糸をローラーでの延伸と熱板での延伸熱セットして得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン可染ポリエステル太細糸及びその製造方法並びにそのカチオン可染ポリエステル太細糸を用いた織編物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリエチレンテレート繊維の太細糸、即ち繊維の長手方向に繊度が変化する太細糸は、いわゆる部分的異収縮混繊糸となることから、この太細糸から得られる布帛は、特異な風合を呈し、また、染色により繊維の太部と細部に濃淡差を生じミックス調の外観を呈することは知られている。
【0003】
一方、ポリエチレンテレート繊維の染色性を向上されるために、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等を共重合して鮮明性の高いカチオン染料に染色可能とする方法は、よく知られており、カチオン染料に染色可能でかつ太細を有するポリエチレンテレート主体のポリエステル繊維からなるカチオン可染ポリエステル太細糸も知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
しかしながら、従来より知られているこれらのカチオン可染ポリエステル太細糸は、太細パターンのコントラストが大きく、かつ沸水収縮率が高く風合が硬くなり易いという問題点を有する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−235239号公報
【特許文献2】特開2002−235240号公報
【特許文献1】特開2003−306830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、太細パターンのコントラストが小さく、かつ沸水収縮率が比較的低いカチオン可染ポリエステル太細糸を提供し、また織編物に太細部での濃淡コントラストが小さいミックス調の外観とソフトな風合いを与えるカチオン可染ポリエステル太細糸並びにこのカチオン可染ポリエステル太細糸を用いた織編物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨は下記のとおりである。
第1の発明は、エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルからなる太細糸であって、下記の要件(a)〜(c)を備えたことを特徴とするカチオン可染ポリエステル太細糸にある。
(a) 15≦BWS≦35
(但し、BWSは沸水処理時の収縮率(%)を示す)
(b) 13≦DS×√DE
(但し、DSは破断強度(cN/dtex)、DEは破断伸度(%)を示す)
(c) 1%以上10%未満のU%ピークが50個/m以上、10%以上のU%ピークが10個/m未満
第2の発明は、エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルを、2,000〜2,700m/分の紡糸速度で紡糸して未延伸糸とし、下記の条件(イ)、(ロ)で加熱ローラーを用いて延伸し、下記の条件(ハ)、(ニ)で延伸熱セットすることを特徴とするカチオン可染ポリエステル太細糸の製造方法にある。
(イ) (Tg+20℃)≦HR1 ≦(Tg+50℃)
(但し、HR1は第1段延伸域での引取りローラーの表面温度(℃)、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を示す)
(ロ) MDR×0.40≦DR1≦MDR×0.55
(但し、DR1は第1段延伸域での延伸倍率、MDRは予熱温度80〜85℃で測定した最大延伸倍率を示す)
(ハ) (Tg+30℃)≦HP≦Tc
(但し、HPは第2段延伸域での熱板の表面温度(℃)、Tcはポリマーの結晶化温度(℃)を示す)
(ニ) 1.0<DR2<1.20
(但し、DR2は第2段延伸域での延伸倍率を示す)
第3の発明は、前記のカチオン可染ポリエステル太細糸を少なくとも一部に含む繊維製品にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、そのカチオン可染ポリエステル太細糸は、従来のカチオン可染ポリエステル太細糸と比較すると、カチオン染料で染色したときの太細部での濃淡のコントラストが小さく、沸水収縮率も比較的低いため、そのカチオン可染ポリエステル太細糸を用いた織編物を染色工程等で沸水処理したときに、濃淡のコントラストの小さいミックス調の外観とソフトな風合の織編物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸を構成するポリマーは、エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルである。5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が0.5モル%未満では、カチオン染料による良好な染色性が得られず、1.5モル%を超えると、ポリマーの重合工程において溶融粘度が大きくなり、ポリマーの極限粘度[η]、即ち重合度が上がらず、最終的に繊維のタフネス指標であるDS×√DEの値が不十分となり、製糸工程、後加工工程での安定性不良となる。
【0010】
また、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸を構成するポリマーには、5−ナトリウムスルホイソフタル酸と共にアジピン酸が共重合されるが、アジピン酸の共重合によりポリマーのTgが低下するため低温での染色性が向上する。アジピン酸の共重合量が3モル%未満では、低温可染性の向上効果が小さく、10モル%を超えると、融点の低下による耐熱性の低下により後加工工程通過性等の問題が発生しやすくなる。
【0011】
本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸は、BWSが15〜35%であるという要件(a)を備える。BWSが15%より低いと、染色工程等で熱水処理したときに形成される捲縮の発現が小さくなり、最終的な織編物での風合が生糸ライクに近くなり易く。逆に、BWSが35%を超えると、収縮が高すぎて織編物の風合が硬くなり易くなる。
【0012】
本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸は、DS×√DEが13以上であるという要件(b)を備える。DS×√DEは、繊維のタフネスを表す値であり、繊維の製糸工程或いは後加工工程の安定性に影響する値である。単に破断強度DSが高いだけで破断伸度DEが著しく低い糸は、DS×√DEが低くなり、特にこの値が13未満であると、製糸工程、後加工工程での安定性不良となる可能性が高いだけでなく、最終製品の強力不足の可能性も高くなる。DS×√DEは高ければ高い程よいが、一般のポリエステル繊維では上限は26位である。
【0013】
また、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸は、1%以上10%未満のU%ピークが50個/m以上、10%以上のU%ピークが10個/m未満のフィラメント糸であるという要件(c)を備える。U%が1%以上のピークは、繊維での太部(低配向部)の存在を示し、このうち10%以上のピークはより太い部分を示す。10%以上のU%ピークが10個/m以上存在すると、染色後の太細糸での濃淡パターンのコントラストが大きくなり、かつ沸水収縮率が高く風合が硬くなり易い。一方、1%以上10%のピークが50個/m未満では、太細の周期が小さ過ぎることになり、染色工程等で熱水処理したときに形成される捲縮の発現が小さくなり、最終的な織編物の風合が生糸ライクに近いものになり易い。
【0014】
本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸をその全部或いは一部に用いてなる織編物は、少なくともカチオン可染ポリエステル太細糸の存在部位において濃淡コントラストの穏やかなミックス調の外観とソフトな風合いを与えるものである。
【0015】
次に、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸の製造方法について説明する。
まず、エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルを、2,000〜2,700m/分、好ましくは2,200〜2,500m/分の範囲の紡糸速度で紡糸して未延伸糸とする。紡糸速度が2,000m/分未満では、延伸糸の強伸度特性の著しい低下、大きなループの発生等が問題となり、紡糸速度が2,700m/分を超えると、分子配向が高くなりすぎるため太細部での濃淡コントラトが著しく小さくなり、染色工程等で熱水処理したときに形成される捲縮の発現が小さくなり、最終的な織編物の風合が生糸ライクに近いものになり易い。
【0016】
次に、この未延伸糸を用いての延伸工程としては、加熱ローラーで延伸し、その後熱板で延伸熱セットする工程を採る必要があり、加熱された摩擦抵抗ピンを使用する延伸方法では、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸が得られない。更に具体的な延伸条件について説明すると、未延伸糸を、室温の給糸ローラーと(Tg+20℃)〜(Tg+50)℃に加熱された引取ローラーから構成される一対のローラー間で、延伸倍率が1.0より大きく、かつ予熱温度80〜85℃で測定した最大延伸倍率(MDR)の0.40〜0.55倍の延伸倍率で延伸することにより、この延伸は引取ローラー上で延伸状態が微小に変動する不均一延伸となる。この結果、太部と細部が糸の長手方向に高度に分散した太細フィラメントが形成される。
【0017】
引き続いて、この太細フィラメントを、(Tg+30℃)以上、Tc以下の温度の熱板を用いて、延伸倍率が1.0を超え1.20未満であるような延伸熱セット、即ち緊張下での熱処理を施すことにより、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸を得る。かかる延伸条件の範囲を外れた条件で延伸及び熱セットを行った場合には、本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸を得ることができない。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の各特性値の評価は、下記の方法で行った。
【0019】
[沸水収縮率(BWS)]
1dtexあたり0.034cNの張力下で試長1mの10回巻カセを準備し、1dtexあたり0.034cNの荷重を負荷して初期カセ長(L0)を測定し、そのカセを無荷重状態で沸騰水中に30分間浸漬した後、再び荷重をかけて測定カセ長(L1)を測定して次式より算出した。
BWS(%)=[(L0−L1)/L0]×100
【0020】
[破断強度(DS)及び破断伸度(DE)]
島津製作所社製オ−トグラフSD−100C特形を用いて、試長200mm、引張速度200mm/分で応力−伸長曲線を測定し、繊維の破断点での強度及び伸度を求めた。
【0021】
[U%ピークの頻度]
計測器工業社製イブネステスタKET−80Cを用い、糸速8m/分、記録紙速度25cm/分で測定した糸斑チャートを用いて算出した。
【0022】
[ポリマーのTg及びTc]
セイコー電子工業社製示差走査熱量測定機DSC220を用い、昇温速度10℃/分で測定した。
【0023】
[ポリマーの極限粘度]
試料をフェノール/テトラクロロエタン(50/50)混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計により25℃において測定した。
【0024】
[染色性]
測定原糸サンプルと比較対照サンプル(5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2.0モル%共重合した極限粘度が0.53のポリエチレンテレフタレートからなり、55dtex/24フィラメントで、破断強度3.2cN/dtex、破断伸度30%のカチオン可染糸)の編地を同浴で下記条件で染色し、染色編地のL値を分光側光器(Gretag MacBeth Color−Eye 7000A)で 測定した。
分散染色;
分散染料;Color Index Disperse Blue 130
染料濃度;5%対繊維重量(owf)
浴比;1:50
染色温度及び時間;90℃×30分
カチオン染色;
カチオン染料;Color Index Basic Blue 117
染料濃度;5%owf
浴比;1:50
染色温度及び時間;90℃×30分
【0025】
[風合い]
分散染色又はカチオン染色した編地を10人でハンドリングで柔らかさを評価し、各人10段階で1〜10点(数字が小さいほど風合がソフト)で判定し、その平均点を表した。平均点が3.0以下はソフトな風合、7.0以上をハードな風合とした。
【0026】
[太細パターンのコントラスト]
分散染色又はカチオン染色した編地を10人で目視判定を行い、太細パターンの濃淡コントラストを各人10段階で1〜10点(数字が大きいほどコントラストが大きい)で判定し、その平均点を表した。平均点が3.0以下はコントラストが小さい、7.0以上をコントラストが大きいとした。
【0027】
(実施例1)
カルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸(共重合成分1)1.0モル%及びアジピン酸(共重合成分2)5.0モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートポリマー(極限粘度0.64、Tg64℃、Tc150℃)を、孔径0.20mm、孔数72の紡糸口金を用いて紡糸温度278℃で溶融紡糸し、2300m/分で巻取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸のMDRは2.78であった。この未延伸糸を下記の延伸条件で延伸・熱セットして166dtex/72フィラメント(f)の太細糸を得た。
第1段延伸域での引取りローラーの表面温度(HR1):103℃
第1段延伸域での延伸倍率(DR1):1.39(=MDR×0.50)
第2段延伸域での熱板の表面温度(HP):117℃
第2段延伸域での延伸倍率(DR2):1.08
【0028】
得られた太細糸のBWS、DS、DE、DS×√DE、1%以上10%未満のU%ピークの頻度、10%以上のU%ピークの頻度を表1に示した。さらに、この太細糸にて筒編地を作成し、分散染料又はカチオン染料で常圧染色を実施した結果、太細パターンのコントラストは比較例1によるものと比較して小さく、かつ比較対照としたカチオン可染糸と比較して良好な染色性が得られた。編地のL値を測定した結果を表1に示した。なお、比較対照としたカチオン可染糸の編地のL値は、分散染色で39.4、カチオン染色で27.5であった。
【0029】
(実施例2〜4)
紡糸速度、延伸工程での第1段延伸での引取りローラー温度及び延伸倍率、第2段延伸での熱板の温度及び延伸倍率を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして166dtex/72fの太細糸を得た。得られた太細糸のBWS、DS、DE、DS×√DE、1%以上10%未満のU%ピークの頻度、10%以上のU%ピークの頻度を表1に示した。さらに、この太細糸にて筒編地を作成し、分散染料又はカチオン染料で常圧染色を実施した結果、いずれも太細パターンのコントラストは比較例1によるものと比較して小さく、かつ比較対照としたカチオン可染糸と比較して、良好な濃染性が得られ、また風合いもソフトであった。編地のL値を測定した結果を表1に示した。
【0030】
(比較例1)
5−ナトリウムスルホイソフタル酸(共重合成分1)2.0モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートポリマー(極限粘度0.58、Tg77℃、Tc150℃)を、孔径0.25mm、孔数36の紡糸口金を用いて紡糸温度285℃で溶融紡糸し、油剤を付与した後、2110m/分の速度で引き取り、引き続き、一対のローラー間でエアー圧40kPaでエアー交絡処理を施しながら2100m/分で巻取り、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は、MDRが3.20で、交絡部を1m当たり40ケ有するものであった。この未延伸糸を表1の条件で熱ピンを用いて加熱延伸し、110dtex/36fのカチオン可染太細糸を得た。
【0031】
得られた太細糸のBWS、DS、DE、DS×√DE、1%以上10%未満のU%ピークの頻度、10%以上のU%ピークの頻度を表1に示した。さらに、この太細糸にて筒編地を作成し、分散染料又はカチオン染料で染色を実施した結果、太細パターンのコントラストは実施例1によるものと比較して非常に大きかった。また、この筒編地の風合については、BWSが高いことが影響し硬いものであった。
【0032】
(比較例2)
延伸温度を表1に示したように変更した以外は,実施例1と同様にして166dtex/72fの太細糸を得た。得られた太細糸のBWS、DS、DE、DS×√DE、1%以上10%未満のU%ピークの頻度、10%以上のU%ピークの頻度を表1に示したが、得られた太細糸は、強伸度特性が著しく低く、実用上使用不可能なレベルのものであった。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸は、従来のカチオン可染ポリエステル太細糸と比較すると、カチオン染料で染色したときの太細部での濃淡のコントラストが小さく、沸水収縮率も比較的低いため、織編物とし、染色したときに、濃淡のコントラストの小さいミックス調の外観とソフトな風合の織編物が得られることから、カチオン可染ポリエステル太細糸は衣料用織編物の素材として、また本発明のカチオン可染ポリエステル太細糸を用いた織編物が衣料用素材として、有用なるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルからなる太細糸であって、下記の要件(a)〜(c)を備えたことを特徴とするカチオン可染ポリエステル太細糸。
(a) 15≦BWS≦35
(但し、BWSは沸水処理時の収縮率(%)を示す)
(b) 13≦DS×√DE
(但し、DSは破断強度(cN/dtex)、DEは破断伸度(%)を示す)
(c) 1%以上10%未満のU%ピークが50個/m以上、10%以上のU%ピークが10個/m未満
【請求項2】
エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.5〜1.5モル%、アジピン酸3〜10モル%が共重合されたポリエステルを、2,000〜2,700m/分の紡糸速度で紡糸して未延伸糸とし、下記の条件(イ)、(ロ)で加熱ローラーを用いて延伸し、下記の条件(ハ)、(ニ)で延伸熱セットすることを特徴とするカチオン可染ポリエステル太細糸の製造方法。
(イ) (Tg+20℃)≦HR1 ≦(Tg+50℃)
(但し、HR1は第1段延伸域での引取りローラーの表面温度(℃)、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を示す)
(ロ) MDR×0.40≦DR1≦MDR×0.55
(但し、DR1は第1段延伸域での延伸倍率、MDRは予熱温度80〜85℃で測定した最大延伸倍率を示す)
(ハ) (Tg+30℃)≦HP≦Tc
(但し、HPは第2段延伸域での熱板の表面温度(℃)、Tcはポリマーの結晶化温度(℃)を示す)
(ニ) 1.0<DR2<1.20
(但し、DR2は第2段延伸域での延伸倍率を示す)
【請求項3】
請求項1に記載したカチオン可染ポリエステル太細糸を少なくとも一部に含む織編物。

【公開番号】特開2006−200064(P2006−200064A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12381(P2005−12381)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【出願人】(301067416)三菱レイヨン・テキスタイル株式会社 (102)
【Fターム(参考)】