説明

カッターヘッド

【課題】 既製杭や電柱、交通信号機、交通標識など様々な柱状物を、岩盤など難掘削地盤に効率的且つ迅速に打設可能とする新たな掘削技術を提供する。
【解決手段】 供給管路23が縦貫したセンターシャフト2の基端20に連結機構21を設け、同先端25に先端噴射口26を形成し、同センターシャフト2周囲には、周壁に複数のチップ4,4,……を植設した錐状カッター3,3,……の合計複数本を配すると共に、各錐状カッター3,3,……のカッター軸32,32,……両端夫々を、該センターシャフト2周壁から突設した各ホルダー5,5,……間に回転自在に軸着した上、当該センターシャフト2周壁には複数本の周壁噴射口24,24,……を穿設してなるカッターヘッド1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基礎工事用機械などを利用した掘削技術に関連するものであり、特に地中に掘削液を供給しながら、掘削穴を構築可能な先端掘削ヘッドを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
ビルディングや住宅などの各種建築物、橋梁、鉄塔、電柱、交通信号機、交通標識、その他の各種構造物などの基礎工事は、個々の設置場所や地盤性状、耐久力などの諸条件に応じて既製杭工法、場所打杭工法、連続壁工法、地盤改良工法など様々な工法の中から適切なものを選択、施工しなければならないが、いずれの場合にも、最も効率的な掘削技術の選択が不可欠であり、岩盤、砂礫、砂、粘性土(シルト)、粘土、腐植土などの様々な地質や地層に応じてアースオーガやアースドリル、カッターヘッドなどを適宜使用すべきであって、特に、岩盤、砂礫、砂などの地層を掘削する場合には、掘削用ビッドの過熱や振動、騒音などの発生を抑える目的から、オーガヘッドの先端から掘削液を噴出させながら掘削するのが一般的なものとなっているが、粘性土(シルト)、粘土、腐植土などの地層下に、岩盤、砂礫、砂などの地層が存在している場所などは、その地質に適したオーガヘッドやカッターヘッドなどを始めから使用するか、または、その都度ヘッドを交換して掘削しなければならず、例えば、電柱の設置工事などのように、地質に関わらず所定の根入れ長さを確保するよう規定されている場合などには、硬い地盤を深く掘削しなければならず、比較的小径の穴にも関わらず、施工に手間取り、工事を迅速に進めることができず、ライフラインの施工や復旧に長時間を要してしまうことがあるなど、掘削技術の改良が待望されている。
【0003】
(従来の技術)
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)ないし(4)に提案されているものに代表されるように、推進管内を貫いた回転軸先端に、テーパコーンや円錐型周壁面に複数のチップを設けた複数のローラカッターの各基端軸を、各先ローラカッター先端がわ中心が、当該回転軸中心の延長線上に交叉する姿勢に軸支してなるカッターヘッドを設け、岩盤などの固い地盤を効率的に掘削できるようにしたものや、同特許文献1(5)および(6)などに見られるような、掘削穴の内径に一致する外径に設定した円錐形の外周壁に、螺旋帯状の突起を巻き付けてなる外郭形状としたオーガヘッドを設け、軟弱地盤を効率的に切削可能としたもの、また、同特許文献1(7)のように、複数本を並設した各オーガ軸の周囲に、隣り合うもの同士の回転奇跡の一部が互いに重なり合うケーシングを装着し、掘削中の各オーガ軸の耐久性を高めて掘削精度を高めたものなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)ないし(4)に示されているような推進管内に回転軸を縦貫状に配するものは、掘削後に該推進管を、生コンクリート充填用の型枠用隔壁シールドとして地中に残し、回転軸およびその先端のカッターヘッドを地上に引き上げながらか、または、地上に引き上げた後かの何れかの工程段階で、当該隔壁シールド中に生コンクリートを充填して基礎杭を形成するという工法には有効であるが、例えば、既製杭や電柱などの既製柱状物を埋設するような、所謂既製杭工法には不向きであるという欠点があり、特許文献1(5)および(6)の円錐形の外周壁に、螺旋帯状の突起を巻き付けてなる外郭形状のオーガヘッドは、軟弱地盤には有効であるが、岩盤、砂礫、砂などの地質には不向きであり、効率的な掘削ができなくなるという致命的な欠点を有しており、また、後者の特許文献1(7)に代表する並設多軸型のアースオーガは、各オーガ軸の強度を高めて効率的な掘削を実現できるものの、円柱形状のボーリングには適さず、特に電柱の設置などには利用できないという致命的な欠点があった。
【0005】
また、本願出願人は、特許文献1(8)のように、冷却水を収納する密閉状容器の略中心部に管状回転軸を串刺し状に一体化し、該回転軸内の管路が、同容器内に連通し、該容器には冷却水供給口と圧縮空気供給口とを設け、当該管状回転軸下端には、先端にオーガヘッドを取り付けた中空の掘削管を連結し、当該管状回転軸上端に駆動軸を連結し、回転するオーガヘッドから冷却水を噴出して長尺工作物の埋設穴を掘削するようにした埋設施工装置を既に開発済みであるけれども、こうした施工装置の性能を一段と高めて難掘削地盤も効率的に掘削可能な掘削用ヘッドの開発を必要としている。
【特許文献1】(1)特開2002−115489号公報 (2)特開2002−227593号公報 (3)特開2008−88702号公報 (4)特開2009−293256号公報 (5)特開平5−106223号公報 (6)特開2005−61192号公報 (7)特開2007−191885号公報 (8)特開2009−162019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種カッターヘッド、オーガヘッドおよび多軸型アースオーガなどは、何れも岩盤、砂礫、砂などの難掘削地質への既製杭や電柱、交通信号機、交通標識などの打設には不向きであり、例えば自然災害や交通事故などによって倒壊した電柱や信号機などを逸早く復旧しなければならないような事態で、その地盤が難掘削地質であった場合、早期の復旧がかなり難しいものになってしまうことが多く、建設土木業界や電力業界、通信業界、および交通信号機・標識業界などは、従前から、近隣の各種ライフラインや道路交通などの復旧にかなりの時間を費やすことになっていたという事情に鑑み、それら業界に深く係るもの一人として、こうした事態をこのまま放置する訳にはいかなかった。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、既製杭や電柱、交通信号機、交通標識など様々な柱状物を、難掘削地盤に効率的且つ迅速に打設可能とする新たな掘削技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のカッターヘッドを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のカッターヘッドは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状カッターの合計複数本を、各錐状カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとした構成を要旨とするカッターヘッドである。
【0009】
この基本的な構成からなるカッターヘッドは、その表現を変えて示すならば、供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状カッターの合計複数本を、各錐状カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状カッターのカッター軸両端端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設し、当該センターシャフトが、該中空掘削軸を通じて掘削液供給源から供給される掘削液を、先端噴射口および各周壁噴射口から噴出させながら、回転駆動源、中空掘削軸に従動して一定方向に回転しながら地中に打ち込まれると、各錐状カッターが、センターシャフト回りを公転し、掘削穴内周壁に接触するチップの摩擦で、センターシャフトとは逆方向に自転し、地中を掘削、攪拌可能としてなるものとした構成からなるカッターヘッドとなる。
【0010】
より具体的には、供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの先端寄りの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状小カッターの合計複数本を、各錐状小カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、同センターシャフトの基端寄りの周囲には、各錐状小カッター間に配する如く、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状大カッターの合計複数本を、各錐状大カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状小カッターおよび各錐状大カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状小カッターおよび各錐状大カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとしたカッターヘッドとなる。
【0011】
これを換言すると、供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの先端寄りの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状小カッターの合計複数本を、各錐状小カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、同センターシャフトの基端寄りの周囲には、各錐状小カッター間に配する如く、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状大カッターの合計複数本を、各錐状大カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉し、各錐状小カッターと同じ角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状小カッターおよび各錐状大カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状小カッターおよび各錐状大カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとした構成からなるカッターヘッドとなる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明のカッターヘッドによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、センターシャフトの回転に伴い、同センターシャフトの周囲に公転する各錐状カッターが、各チップの掘削穴内周壁との接触摩擦によって同センターシャフトとは逆方向に自転するものとなり、しかも供給管路を通じて供給される掘削液を、掘削中に渡って各周壁噴射口および先端噴射口から連続的に放出するものとなるから、掘削穴内の当該カッターヘッド周囲地層を効果的に泥土化し、各錐状カッターおよび各チップの回転、掘削で生じる摩擦抵抗を大幅に低減且つ冷却して、熔損や摩耗への耐久性を格段に高めると共に、卓越した掘削、攪拌性能を発揮するものとなり、従前までであれば、岩盤、砂礫、砂などの難掘削地質に既製杭や電柱などを打設する工事には非常に手を焼いていたが、こうした障害を一挙に解消し、ライフラインの敷設や復旧工事などの作業性を格段に高め、安全且つ迅速に施工できるものになるという秀れた特徴が得られるものである。
【0013】
加えて、センターシャフトの先端寄りの周囲に錐状小カッターの合計複数本を配し、センターシャフトの基端寄りの周囲に各錐状小カッター間に配する如く錐状大カッターの合計複数本を配してなるカッターヘッドは、各錐状カッターをセンターシャフトの周囲に分散状に配してあり、しかもセンターシャフトの先端寄に小径の錐状小カッターを配してあるから掘削抵抗を大幅に低減することができ、一段と効率的で効率的な難掘削地層へのボーリングを実現化できるものになるという効果を発揮するものとなる。
【0014】
さらに、各錐状小カッターおよび各錐状大カッターの取り付け姿勢を一定角度に揃えたカッターヘッドは、その掘削抵抗を大幅に低減し、岩盤やコンクリートなどへの掘削も効率的に行うことができる上、耐摩耗性および耐久強度を格段に高めたものとすることができる。
【0015】
そして、各錐状小カッターの基端間に、各錐状大カッターの先端が、隣り合うよう配設してなるカッターヘッドは、センターシャフト先端寄りの配置となる各錐状小カッターと、センターシャフト基端寄りの配置となる各錐状大カッターとの、外郭形状の連続性を格段に高めたものとして、カッターヘッド先端がわの掘削泥土や砂、礫、砕石などを一層円滑に、同カッターヘッド基端がわへ排出可能なものとなる。
【0016】
また、センターシャフトが、その先端噴射口に、先端ビット装着用の着脱機構を設けてなるカッターヘッドは、先端噴射口からの掘削液送出による掘削に加えて、例えば深打ち用ビットなどを装着し、先端における掘削性能を大幅に高めることができ、しかも地質や地層の変化などに応じて先端ビットを脱着、交換することができる上、摩耗や変形、破損を生じた先端ビットを簡単に交換できるという特徴が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
センターシャフトは、当該カッターヘッドの中心軸部分を形成し、その基端を中空掘削軸先端に連結可能とすると共に、その内部に基端から先端に連通する掘削液用の供給管路を確保し、且つ、複数本の錐状カッターを支持する各ホルダーを一体的に支持する上、各ホルダー間に支持された錐状カッターの周壁に向けて掘削液を供給可能とする複数の周壁噴射口を形成可能とする機能を果たすものであり、回転駆動源、中空掘削軸からの回転駆動力を受けて、硬い岩盤を掘削するに充分な耐久強度を有し、その基端に、中空掘削軸先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、同基端から先端に供給管路が縦貫し、該先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成した上、同センターシャフト周囲には、均衡する周回り角度毎に、各錐状カッターを適宜角度姿勢で回転自在に軸着可能とする複数のホルダーを突設してなるものとしなければならない。
【0018】
連結機構は、中空掘削軸先端にセンターシャフト基端を同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする機能を担うものであり、掘削中に渡って安全、確実な一体化状態に維持できるよう、充分な強度をもって連結可能なものとしなければならず、例えば、後述する実施例に示すように、センターシャフト基端を六角ボルト頭部のように、水平断面が六角形状に形成し、中空掘削軸先端に、六角形状の同心穴を形成して同心状に嵌脱自在なものとし、直径方向に貫通する連結用ピンなどを用いて強固に連結可能なものとするのが望ましく、同センターシャフト基端の水平断面形状は、六角形以外の三角形状や四角形状、五角形状、七角形状、八角形状、+字型、星型などの様々な多角形状や異形状のものとすることが可能である。
【0019】
供給管路は、掘削液供給源から中空掘削軸を通じてセンターシャフト基端に供給される掘削液を、同センターシャフトの先端まで供給可能とし、同センターシャフトの各周壁噴射口および先端噴射口から送出可能とする機能を分担するものであり、各周壁噴射口および先端噴射口以外の連結機構などから掘削液が大量に漏出したりしない程度の精度で形成されたものとすべきであって、後述する実施例に示すように、センターシャフトの軸心に同心状または平行な直線状に縦貫するよう形成したものとするのが望ましい。
【0020】
周壁噴射口は、センターシャフト内の供給管路から分岐し、各錐状カッター夫々の周壁に向けて掘削液を供給、放出可能とする機能を担うものであり、センターシャフトの基端から先端の間の少なくとも一箇所に開口したものとしなければならず、センターシャフトの中途箇所であれば、錐状カッターの周壁に対峙する配置以外の箇所に穿設したものとすることも可能であるが、各錐状カッターの略全体に充分な量の掘削液を供給可能とするには、後述する実施例に示すように、各錐状カッターの基端寄り、および先端寄りの各周壁に対峙するよう開口してなるものとすることができる。
【0021】
先端噴射口は、センターシャフトの先端から同心方向および/または所定角度方向に向けて掘削液を放出可能とするものであり、掘削液放出用の噴射ノズルとすることができる外、後述する実施例にも示しているように、掘削液放出用ノズルとしての機能を残したまま、例えば、トリプルコーンビットなどの深打ち用ビットのような先端ビットを装着可能とする着脱機構を設け、深打ち用ビットの中央から掘削液を放出可能なものとすることもできる。
【0022】
錐状カッターは、センターシャフト周囲の岩盤、砂礫、砂などの難掘削地質を効率的に掘削可能とする機能を果たし、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設してなり、当該センターシャフト周囲の均衡する周回り角度毎に配し、先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、それ自体(錐状カッター)の軸心回りに回転自在に軸着してなるものとし、掘削液の供給を受けていれば、硬い岩盤の掘削にも容易に摩耗、変形しない程度に充分な耐久強度を有するものとしなければならず、センターシャフト周壁から枝別れ状に突設したホルダー間に、該錐状カッター両端を軸着したものとすべきであり、周壁にタングステンカーバイド粒子硬装材などを塗装するなどして、さらに耐摩耗性を高めたものとすることができ、後述する実施例に示すように、中心支軸およびベアリングを介して軸支するようにし、さらに、当該センターシャフト先端がわに複数本の錐状小カッターを配し、同センターシャフト基端がわに複数本の錐状大カッターを配したものとすることが可能であり、こうした構造によるものの場合には、各錐状大カッターを各錐状小カッターと同じ角度姿勢で軸着したものとし、各錐状小カッターの基端間に、各錐状大カッターの先端を隣り合うような配置具合に配設するものとする。
【0023】
チップは、錐状カッターの周壁に点在して地中を掘削、攪拌する機能を分担するものであり、錐状カッターの周壁に等間隔を隔てて点在状に突出するよう植設してなるものとする外、錐状カッターの周壁にドリルのような螺旋状に配列する如く点在状に植設してなるものなどとすることが可能であり、錐状カッターの周壁に一体化したものとすることができる外、基部にボルト状のネジを設け、錐状カッター周壁に穿設したネジ穴に着脱可能に螺着してなるものなどのように着脱交換可能なものとすることができ、その材質は炭化タングステンやその合金などの超硬合金製、または、それと同等以上の耐久強度を有する素材製のものとするのが望ましいと云えるが、それ以外の合金工具鋼、高速度工具鋼、ステンレス鋼その他の硬質で靱性、耐摩耗性に秀れた素材製のものとすることもでき、さらには、窒化チタンや炭窒化チタンなどの硬質物質をコーティングしてなるものとすることも勿論可能である。
【0024】
ホルダーは、センターシャフトの周囲に、各錐状カッターの先端および基端を回転自在に軸着可能とする機能を担うものであり、錐状カッターの先端がわを支持するものは、同錐状カッターの先端直径よりも外がわに突出しない寸法、形状に設定し、また、同錐状カッターの基端がわを支持するものは、同錐状カッターの基端直径よりも外がわに突出しない寸法、形状に設定し、何れも充分な強度をもって各錐状カッターを支持するものとしなければならず、各錐状カッターを脱着不能に組み込んでなるものとすることができる他に、後述する実施例にも示してあるように、各錐状カッターの中心支軸両端がわに各種ベアリングなどを介在し、沈みプラグなどを用いて着脱可能に軸着してなるものとすることもできる。
【0025】
回転駆動源は、中空掘削軸先端に連結した当該カッターヘッドセンターシャフトの基端を、掘削可能なトルクおよび速度で回転駆動可能とする機能を果たすものであり、各種クローラ式クレーン本体やアースドリル専用機、トラック搭載クレーンなど各種移動式クレーンなどに吊下可能で、油圧ポンプ、電気モーター、または、エンジンなどの各種駆動源からの出力を回転駆動力として、中空掘削軸基端に伝達可能とするものとしなければならず、例えば、クローラドリル、ドリルジャンボ、ボーリングマシン、立杭開削機、トンネルボーリングマシン、自由断面掘削機、圧入方式小口径推進機、パイルドライバ、低騒音・低振動アースオーガ、またはアースドリルなどの各種建設機械に組み込まれているものとすることが可能であり、例えば、前記特許文献1(8)に記載した埋設施工装置などとしても良いことは云うまでもない。
【0026】
掘削液供給源は、当該カッターヘッドの供給管路に掘削液を圧送可能とする機能を担うものであり、掘削中のカッターヘッドの各周壁噴射口および先端噴射口から、充分な量の掘削液を放出可能な性能を有するものとしなければならず、各種建設機械やトラックなどの輸送車両に搭載可能な掘削液タンクおよび給液ポンプ、耐圧ホースやパイプなどの供給管路などとすることができ、これもまた、前記特許文献1(8)に記載した、本願発明者が既に提案済みである埋設施工装置とすることが可能である。
【0027】
掘削液は、当該カッターヘッドの各周壁噴射口および先端噴射口から地中に送出すると、それらは冷却液となってカッターヘッドを冷却すると共に、掘削穴中の土砂や砕石の流動性を高めて、カッターヘッドの各可動部分に詰まったり、堆積したりする弊害を阻止し、円滑且つ効率的に掘削可能とする機能を果たすものであり、水、またはベントナイトや粘土、ポリマー、水、炭化水素などを主成分とする各種溶液、もしくは、気液混合流体などとすることが可能であり、施工内容に応じて埋め戻し用のスラリーやセメントミルクなどに置き換えることもできる。
【0028】
中空掘削軸は、回転駆動源および掘削液供給源をカッターヘッドセンターシャフトの基端に脱着自在に接続可能とするものであり、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結して掘削液供給源に接続し、内部管路を通じて掘削液をカッターヘッドに供給可能なものとしなければならず、各種建設機械やトラックなどの輸送車両などに搭載したクレーンなどに、鉛直姿勢に吊下したものとすることができる外、水平姿勢や傾斜姿勢に姿勢変更自在なアーム状のブーム先端に直接的に接続したものか、あるいはブーム先端の回転軸それ自体かの何れかとしたものや、あるいは、トンネルボーリングマシンのように水平状の駆動源回転軸に直接的に接続したものか、もしくは、駆動源回転軸それ自体かの何れかとしたものなどとすることもできる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0029】
図1のカッターヘッドの断面図、図2のカッターヘッドの平面図、図3の図1中のA−A線部分の断面図、図4の図1中のB−B線部分の断面図、図5の図1中のC−C線部分の断面図、図6の先端ビットを組み込むカッターヘッドの断面図、図7の先端ビットを有するカッターヘッドの断面図、図8のカッターヘッドの斜視図、および、図9の中空掘削軸に連結したカッターヘッドの斜視図に示す事例は、供給管路23が縦貫したセンターシャフト2の基端20に連結機構21を設け、同先端25に先端噴射口26を形成し、同センターシャフト2周囲には、周壁に複数のチップ4,4,……を植設した錐状カッター3,3,……の合計複数本を配すると共に、各錐状カッター3,3,……のカッター軸32,32,……両端夫々を、該センターシャフト2周壁から突設した各ホルダー5,5,……間に回転自在に軸着した上、当該センターシャフト2周壁には複数本の周壁噴射口24,24,……を穿設してなるものとした、この発明のカッターヘッドにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0030】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のカッターヘッド1は、中心に供給管路23が縦貫してなるパイプ型センターシャフト2を有し、図1および図3中に示すように、同センターシャフト2の基端20が、連結機構21を形成するよう、断面形正六角形状の肉厚管状に形成してあり、直径方向に貫通する図示しない連結ピン用の連結孔22を穿設してあり、図9に示すように、回転駆動源6に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源7に接続した中空掘削軸8の先端80に形成したソケット部80に着脱自在に連結可能なものとしてあり、図1に示すように、当該センターシャフト2の先端25に、供給管路23に通じる先端噴射口26を開口したものとしている。
【0031】
図6ないし図9に示すように、当該センターシャフト2の先端25は、例えば深打ち用ビットであるトリプルコーンビットなどの先端ビット27装着用となる雌ネジを同心円筒内周壁に加工してなる着脱機構28を設けたものとすることが可能であり、図1および図2に示すように、同センターシャフト2の先端25寄りの周囲には、均衡する周回り角度(120°)毎に、縦断面上下反転台形状で、その中心からの傾斜角度βを9°に設定した周壁31に複数のチップ4,4,……を均等分散配置するよう植設した錐状小カッター30,30,30の合計3本を、各錐状小カッター30,30,30先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト2先端25がわ軸心の延長線に交叉する所定角度α(12°)姿勢で、同センターシャフト2周壁に非接触となるよう配し、さらに、同センターシャフト2の基端20寄りの周囲には、各錐状小カッター30,30,30間に配する如く、均衡する周回り角度(120°)毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁36に複数のチップ4,4,……を植設した錐状大カッター35,35,35の合計3本を、各錐状大カッター35,35,35先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト2先端25がわ軸心の延長線に交叉し、各錐状小カッター30,30,30と同じ角度α(12°)姿勢で、同センターシャフト2周壁に非接触となるよう配し、各錐状小カッター30,30,30および各錐状大カッター35,35,35の遠心がわ配置となる周壁の、当該センターシャフト2に対する傾斜角度θを21°に設定するよう、夫々の錐状小カッター30,30,30および各錐状大カッター35,35,35の各カッター軸両端夫々を、該センターシャフト2周壁から突設した各ホルダー5,5,……間に、回転自在に軸着してある。
【0032】
各錐状小カッター30,30,30および各錐状大カッター35,35,35の中心には夫々、中心支軸32,32,……、ベアリング33,33,……ならびに沈みプラグ34,34,……が組み込まれて各ホルダー5,5,……間に対して、着脱自在に装着したものとしてあり、特に、各錐状小カッター30,30,30の先端を支持する各ホルダー5,5,5は、図1に示すように、先端噴射口26を一体化したものや、図6に示すように、先端ビット27装着用の着脱機構28を兼ねるものとすることが可能であり、さらに、図1ないし図8に示すように、当該カッターヘッド1は、各錐状小カッター30,30,30の基端間に、各錐状大カッター35,35,35の先端が、隣り合うよう配設してなるものとし、また、図1、図6および図7に示すように、当該センターシャフト2周壁の各錐状小カッター30,30,30および各錐状大カッター35,35,35夫々の各先端がわと、基端がわとに対峙する周壁には夫々、供給管路23に通じる周壁噴射口24,24,……を穿設してなるものとしている。
【0033】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のカッターヘッド1は、図9に示すように、例えば、回転駆動源6に従動回転可能に吊下、連結し、図示しない掘削液タンクや掘削液(70)供給用のポンプ、圧縮空気供給用のコンプレッサーなどの掘削液供給源7を搭載した建設用車両の、クレーン(図示せず)に吊下された中空掘削軸8の先端ソケット部80に対し、図6ないし図8に示す、センターシャフト2基端20の連結機構21を嵌合装着し、連結孔22に連結ピン(図示せず)を貫通して同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み、掘削開始可能な状態とすることができる。
【0034】
図7ないし図9に示すように、当該センターシャフト20が、該中空掘削軸8を通じて掘削液供給源7から供給される掘削液70を、先端噴射口26および各周壁噴射口24,24,……から噴出させながら、回転駆動源6、中空掘削軸8に従動して(図8中の矢印に示すように)一定方向に回転しながら、例えば、予め支持層面に穿設した小径の先導孔(図示せず)に倣って打ち込まれると、各錐状小カッター30,30,30および各錐状大カッター35,35,35が、センターシャフト20回りを公転し、掘削穴内周壁に接触する各チップ4,4,……の摩擦で、センターシャフト20とは逆方向に自転し、地中を掘削、攪拌可能なものとなり、図6ないし図9に示すように、当該センターシャフト2先端25に深打ち用ビットであるトリプルコーンビットなどの先端ビット27を装着したものは、より硬い岩盤などにも一段と効率的に掘削することが可能となる。
【0035】
(結 び)
叙述の如く、この発明のカッターヘッドは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの各種カッターヘッド、オーガヘッドおよび多軸型アースオーガ技術などに比較して大幅に耐摩耗性、耐久強度を高め、メンテナンス性に秀れ、維持管理コストを低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、掘削性能を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは難掘削地質への掘削作業に長時間を要していたが、この課題を解決できずに当惑していた建設土木業界、電力業界、通信業界、および、交通信号機・標識業界はもとより、ライフラインの敷設や復旧工事に要する時間の大幅な短縮を願う一般家庭や一般企業などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面は、この発明のカッターヘッドの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】カッターヘッドを示す断面図である。
【図2】カッターヘッドを示す平面図である。
【図3】図1中のA−A線部分を示す断面図である。
【図4】図1中のB−B線部分を示す断面図である。
【図5】図1中のC−C線部分を示す断面図である。
【図6】先端ビットを組み込むカッターヘッドを示す断面図である。
【図7】先端ビットを有するカッターヘッドを示す断面図である。
【図8】カッターヘッドを示す斜視図である。
【図9】中空掘削軸に連結したカッターヘッドを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 カッターヘッド
2 センターシャフト
20 同 基端
21 同 連結機構
22 同 連結孔
23 同 供給管路
24 同 周壁噴射口
25 同 先端
26 同 先端噴射口
27 同 先端ビット
28 同 着脱機構
3 錐状カッター
30 同 錐状小カッター
31 同 周壁
32 同 中心支軸
33 同 ベアリング
34 同 沈みプラグ
35 同 錐状大カッター
36 同 周壁
β 錐状カッター周壁面の傾斜角度
α 錐状カッターの姿勢角度
θ センターシャフトに対する錐状カッター周壁面の傾斜角度
4 チップ
5 ホルダー
6 回転駆動源
7 掘削液供給源
70 同 掘削液
8 中空掘削軸
80 同 先端(ソケット部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状カッターの合計複数本を、各錐状カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとしたことを特徴とするカッターヘッド。
【請求項2】
供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状カッターの合計複数本を、各錐状カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状カッターのカッター軸両端端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設し、当該センターシャフトが、該中空掘削軸を通じて掘削液供給源から供給される掘削液を、先端噴射口および各周壁噴射口から噴出させながら、回転駆動源、中空掘削軸に従動して一定方向に回転しながら地中に打ち込まれると、各錐状カッターが、センターシャフト回りを公転し、掘削穴内周壁に接触するチップの摩擦で、センターシャフトとは逆方向に自転し、地中を掘削、攪拌可能としてなるものとしたことを特徴とするカッターヘッド。
【請求項3】
供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの先端寄りの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状小カッターの合計複数本を、各錐状小カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、同センターシャフトの基端寄りの周囲には、各錐状小カッター間に配する如く、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状大カッターの合計複数本を、各錐状大カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状小カッターおよび各錐状大カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状小カッターおよび各錐状大カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとしたことを特徴とするカッターヘッド。
【請求項4】
供給管路が縦貫してなるセンターシャフトの基端に、回転駆動源に従動回転可能に吊下、連結し、掘削液供給源に接続した中空掘削軸の先端に対し、同心状、回転不能且つ脱着自在に組み込み可能とする連結機構を設け、当該センターシャフトの先端に、供給管路に通じる先端噴射口を形成すると共に、同センターシャフトの先端寄りの周囲には、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状小カッターの合計複数本を、各錐状小カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉する所定角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、同センターシャフトの基端寄りの周囲には、各錐状小カッター間に配する如く、均衡する周回り角度毎に、縦断面上下反転台形状で、周壁に複数のチップを植設した錐状大カッターの合計複数本を、各錐状大カッター先端がわ軸心の延長線が、当該センターシャフト先端がわ軸心、またはその延長線に交叉し、各錐状小カッターと同じ角度姿勢で、同センターシャフト周壁に非接触となるよう配し、各錐状小カッターおよび各錐状大カッターのカッター軸両端夫々を、該センターシャフト周壁から突設した各ホルダー間に、回転自在に軸着した上、当該センターシャフト周壁の各錐状小カッターおよび各錐状大カッター夫々の周壁に対峙する複数箇所には、供給管路から分岐した複数本の周壁噴射口を穿設してなるものとしたことを特徴とするカッターヘッド。
【請求項5】
各錐状小カッターの基端間に、各錐状大カッターの先端が、隣り合うよう配設してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載のカッターヘッド。
【請求項6】
センターシャフトが、その先端噴射口に、先端ビット装着用の着脱機構を設けてなる、請求項1ないし5何れか一項記載のカッターヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−236560(P2011−236560A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106037(P2010−106037)
【出願日】平成22年5月1日(2010.5.1)
【出願人】(508009460)張山電氣株式会社 (2)
【Fターム(参考)】