説明

カップリング装置

【課題】被牽引時などに後輪側回転軸が回転した場合に、湿式摩擦係合部に作動油を供給することにより冷却効果を得ることが可能なカップリング装置を提供する。
【解決手段】カップリング装置30は、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間に設けられ、作動油の粘性抵抗によって係合されるクラッチ機構部CLを備え、クラッチ機構部CLの係合により駆動源からの駆動力をドライブピニオンシャフト32に伝達可能に構成されている。そして、ドライブピニオンシャフト32の回転時に、クラッチ機構部CLの係合に用いられない作動油を、クラッチ機構部CLに供給するオイルポンプ80を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動車において、駆動源からの駆動力を後輪側回転軸に伝達可能なカップリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪駆動車においては、前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に設けられたカップリング装置(例えば電子制御カップリングなど)により、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替えたり、四輪駆動状態のとき前後のトルク配分を変更したりしている。カップリング装置は、例えば作動油の粘性抵抗によって係合される湿式摩擦係合部を備えた構成とされ、湿式摩擦係合部の係合により駆動源からの駆動力を前輪側回転軸から後輪側回転軸に伝達可能とされている。
【0003】
従来では、前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に回転数差がある場合に、湿式摩擦係合部(多板クラッチ機構)を係合させて前輪側回転軸と後輪側回転軸との回転を同期させるとともに、オイルポンプを作動させて作動油を循環させるようなカップリング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−018426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両がエンジンの停止時に後輪だけを接地させた状態で牽引(いわゆる二輪被牽引)されると、後輪側回転軸だけが回転し、前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に大きな回転数差が発生する。しかし、上記従来の技術では、被牽引時については考慮されておらず、被牽引時にも湿式摩擦係合部が係合されてしまい、カップリング装置が過大に発熱することが懸念される。
【0006】
本発明は、そのような問題点に鑑みてなされたものであり、被牽引時などに後輪側回転軸が回転した場合に、湿式摩擦係合部に作動油を供給することにより冷却効果を得ることが可能なカップリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に設けられ、作動油の粘性抵抗によって係合される湿式摩擦係合部を備え、前記湿式摩擦係合部の係合により駆動源からの駆動力を前記後輪側回転軸に伝達可能に構成されたカップリング装置であって、前記後輪側回転軸の回転時に、前記湿式摩擦係合部の係合に用いられない作動油を、当該湿式摩擦係合部に供給するオイルポンプを備えていることを特徴としている。ここで、湿式摩擦係合部は、作動油の粘性抵抗によって係合されるが、その係合にほとんど寄与せずにオイルポンプによってカップリング装置内を強制的に循環される作動油を、「湿式摩擦係合部の係合に用いられない作動油」としている。なお、オイルポンプとしては、例えばインナーロータおよびアウターロータの相対回転によりポンプ作用を行うトロコイド型のオイルポンプなどを用いることが可能である。
【0008】
上記構成のカップリング装置によれば、車両がエンジンの停止時に後輪だけを接地させた状態で牽引されると、前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に回転数差が発生するが、上記従来の技術とは異なり、後輪側回転軸の回転にともなうオイルポンプのポンプ作用により、湿式摩擦係合部の係合に用いられない作動油が湿式摩擦係合部に供給される。したがって、被牽引時などに後輪側回転軸が回転した場合に、オイルポンプによって供給される作動油によって湿式摩擦係合部を潤滑・冷却することができる。
【0009】
本発明のカップリング装置において、前記オイルポンプは、前記後輪側駆動軸に組み付けられていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、電力供給を行わなくても後輪側回転軸の回転によってオイルポンプが直接的に駆動されるので、後輪側駆動軸の回転にともなって回転する回転部材を新たに設ける必要がなくなり、構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
本発明のカップリング装置において、前記後輪側回転軸に設けられたギヤと、この前記後輪側回転軸と平行に配置されたカウンター軸に設けられたギヤとが噛合されており、前記オイルポンプは、前記カウンター軸に組み付けられていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、オイルポンプを後輪側回転軸によって直接的に駆動するのではなく、カウンター軸を介して後輪側回転軸の回転を伝達してオイルポンプを駆動するようにしている。これにより、後輪側回転軸の回転時、電力供給を行わなくてもオイルポンプを駆動することができる。また、オイルポンプの設置箇所の自由度を向上させることができる。
【0013】
本発明のカップリング装置において、前記オイルポンプは、当該カップリング装置における非回転の部位に組み付けられていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、後輪側回転軸の回転時、後輪側回転軸と上記非回転の部位との間に回転数差が発生するので、前輪側駆動軸と後輪側回転軸との回転数差の有無に関係なく、オイルポンプが駆動される。これにより、後輪側回転軸の回転時には常に、オイルポンプが駆動され、湿式摩擦係合部を潤滑・冷却することが可能になる。
【0015】
本発明のカップリング装置において、前記オイルポンプは、当該カップリング装置と、左右一対の後輪間の差動を行うディファレンシャル装置との間に配置されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、後輪側回転軸の回転時、オイルポンプによって強制的に送られる作動油によって、カップリング装置とディファレンシャル装置との間で熱交換を行うことが可能になる。そして、被牽引時、湿式摩擦係合部の冷却を促進することが可能になり、湿式摩擦係合部の温度上昇を抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカップリング装置によれば、被牽引時などに後輪側回転軸が回転した場合に、オイルポンプによって供給される作動油によって湿式摩擦係合部を潤滑・冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るカップリング装置を備える四輪駆動車の一例を模式的に示す図である。
【図2】図1の四輪駆動車に備えられる電子制御カップリングおよびリヤディファレンシャルを示す断面図である。
【図3】図2の電子制御カップリングを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
まず、本発明の実施形態に係るカップリング装置を備える四輪駆動車の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るカップリング装置を備える四輪駆動車100の一例を模式的に示す図である。図1には、前輪駆動ベース(FFベース)の四輪駆動車100を例示している。
【0021】
図1に示すように、車両のフロント側(図1では上側)には、駆動源であるエンジン10が配置されている。エンジン10は、変速機構(例えば自動変速機)11に連結され、変速機構11は、フロントディファレンシャル12に連結されている。
【0022】
エンジン10の近傍のフロント側には、主駆動輪(駆動源からの駆動力がカップリング装置を介さずに直接的に伝達される駆動輪)である左右一対の前輪14,14が配置されている。左右の前輪14,14は、互いにフロントディファレンシャル12を介して連結されている。左右の前輪14,14とフロントディファレンシャル12とは、それぞれアクスルシャフト13,13により連結されている。エンジン10からの駆動力は、変速機構11で変速されてフロントディファレンシャル12に伝達され、これにより、前輪14,14が駆動されるようになっている。フロントディファレンシャル12は、左右の前輪14,14へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、フロントディファレンシャル12として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ12a,12aおよび一対のサイドギヤ12b,12bを備えたものが用いられている。
【0023】
フロントディファレンシャル12は、トランスファ15に連結されている。トランスファ15には、車両のリヤ側(図1では下側)へ向けて延びるプロペラシャフト(前輪側回転軸)16が連結されている。トランスファ15により、エンジン10の駆動力を車両のリヤ側へも取り出すことが可能となっている。
【0024】
車両のリヤ側には、従駆動輪(駆動源からの駆動力がカップリング装置を介して伝達される駆動輪)である左右一対の後輪19,19が配置されている。左右の後輪19,19は、互いにリヤディファレンシャル17を介して連結されている。左右の後輪19,19とリヤディファレンシャル17とは、それぞれアクスルシャフト18,18により連結されている。リヤディファレンシャル17は、左右の後輪19,19へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、リヤディファレンシャル17として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ17a,17aおよび一対のサイドギヤ17b,17bを備えたものが用いられている。
【0025】
プロペラシャフト16とリヤディファレンシャル17との間には、カップリング装置である電子制御カップリング30が設けられている。この実施形態では、電子制御カップリング30は、リヤディファレンシャル17の直前に配置されており、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル17とが一体的に設けられ、1つのアッシとして構成されている。
【0026】
電子制御カップリング30は、電磁石51を備えている(図2、図3参照)。そして、電磁石51の通電を制御することにより、後輪側に伝達される伝達トルクが制御される。これにより、四輪駆動車100において、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替えたり、四輪駆動状態のとき前後のトルク配分を変更したりすることが可能となっている。電磁石51は、制御装置としての4WD電子制御ユニット(4WD_ECU)200に接続されており、4WD_ECU200から必要に応じて、伝達トルクに相当する電流が電磁石51(コイル53)へ供給されるようになっている。
【0027】
4WD_ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んだ構成とされている。ROMには、各種制御プログラム、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。
【0028】
4WD_ECU200は、各種センサ等からの検出信号等に基づいて、電子制御カップリング30の電磁石51の通電制御を実行する。具体的に、電磁石51を非通電状態とした場合には、電子制御カップリング30による後輪側へのトルク伝達は行われない。このとき、四輪駆動車100は、二輪駆動状態に切り替えられる。一方、電磁石51の通電を行うと、電子制御カップリング30によって通電量に応じたトルクが後輪側へ伝達される。例えば、電磁石51に通電する電流の値(制御電流値)を大きくするほど、伝達トルクが増大されるようになっている。これにより、四輪駆動車100は、四輪駆動状態に切り替えられる。
【0029】
4WD_ECU200は、エンジン10の各種制御を行うエンジンECU300と接続されている。4WD_ECU200と、エンジンECU300とは、電子制御カップリング30の制御や、エンジン10の制御に関し必要な情報を互いに送受信可能に接続されている。なお、エンジンECU300も、4WD_ECU200と同様に、CPU、ROM、RAM等を含んだ構成とされている。
【0030】
次に、電子制御カップリング30の具体構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は、図1の四輪駆動車100に備えられる電子制御カップリング30およびリヤディファレンシャル17を示す断面図である。図3は、図2の電子制御カップリング30を示す断面図である。
【0031】
図2、図3に示すように、電子制御カップリング30のカバー31の内部と、リヤディファレンシャル17のディファレンシャルキャリヤ23の内部とに跨って、回転中心A1を中心として回転するドライブピニオンシャフト(後輪側回転軸)32が配置されている。ディファレンシャルキャリヤ23の内周には軸受(円すいころ軸受)24が装着されており、軸受24によりドライブピニオンシャフト32が回転可能に支持されている。ドライブピニオンシャフト32の一端(図2、図3では右端)には、ドライブピニオンギヤ32aが設けられており、ドライブピニオンギヤ32aが、リヤディファレンシャル17のリングギヤ17cと噛み合っている。
【0032】
ドライブピニオンシャフト32の内部には、軸方向孔32bと径方向孔32cとが形成されている。軸方向孔32bは、ドライブピニオンシャフト32の中心部に形成されており、ドライブピニオンシャフト32の他端(図2、図3では左端)から軸方向に沿って延びている。軸方向孔32bの他端は、ドライブピニオンシャフト32の他端に開口されている。軸方向孔32bの一端は、後述するオイルポンプ80と軸方向で重なり合う位置まで達している。径方向孔32cは、軸方向孔32bの一端部から径方向の外側に向かって延びている。この場合、複数(例えば4つ)の径方向孔32cが、ドライブピニオンシャフト32の中心部から放射状に延びている。径方向孔32cは、ドライブピニオンシャフト32の外周に開口されており、オイルポンプ80の吐出チャンバ86に連通可能とされている。
【0033】
電子制御カップリング30のカバー31、オイルポンプ80のポンプハウジング83、およびディファレンシャルキャリヤ23は、軸方向に並んで配設されている。これらの部材31,83,23は、一体的に設けられており、相対回転不能とされている。カバー31は、円筒状に形成されており、その内部空間には有底円筒状のフロントハウジング33が配置されている。カバー31の一端部(図2、図3では右端部)には、オイルリバーザ31bおよび連通孔31cが形成されている。オイルリバーザ31bは、オイルポンプ80の吸入チャンバ85に連通されている。また、オイルリバーザ31bは、連通孔31cを介して、フロントハウジング33とカバー31との間の空間C4に連通されている。
【0034】
フロントハウジング33は、アルミニウムなどの非磁性材料により形成されている。フロントハウジング33は、小径円筒部34と底部35と環状の接続部36と大径円筒部37とを備えている。小径円筒部34は、カバー31の開口部31aに配置され、底部35により小径円筒部34におけるカバー31の外部側端部が閉塞されている。接続部36は、小径円筒部34におけるカバー31の内部側端部から外周側に向けて張り出されている。大径円筒部37は、接続部36の外周端からディファレンシャルキャリヤ23側(図2、図3では右側)に向けて配置されている。カバー31の開口部31a側の端部内周には、軸受38aおよびオイルシール38bが固定されている。軸受38aの内輪は、フロントハウジング33の小径円筒部34の外周に装着されている。
【0035】
フロントハウジング33の小径円筒部34におけるカバー31の外部側端面には、フランジ21が取り付けられている。フロントハウジング33とフランジ21とが植込みボルト22により固定されている。植込みボルト22は、小径円筒部34に形成された雌ねじ部34aにねじ込まれている。フランジ21は、プロペラシャフト16(図1参照)に接続されている。
【0036】
カバー31の内部には、回転中心A1を中心として回転する中空のインナーシャフト40が配置されている。インナーシャフト40は、後述するクラッチ機構部(湿式摩擦係合部)CL1の係合時に回転可能となり、クラッチ機構部CL1の解放時に回転不能となる回転部材である。小径円筒部34の内周と、インナーシャフト40の小径円筒部34側の端部外周との間には、軸受41が装着されており、軸受41によりインナーシャフト40が回転可能に支持されている。インナーシャフト40内には、ドライブピニオンシャフト32の他端部(図2、図3では左端部)がスプライン嵌合されており、インナーシャフト40とドライブピニオンシャフト32とが一体的に回転する。そして、ドライブピニオンシャフト32の軸方向孔32bが、インナーシャフト40の内部空間40aに連通されている。また、インナーシャフト40の内部空間40aは、インナーシャフト40とフロントハウジング33との間の空間C3に連通されている。
【0037】
インナーシャフト40の外周側には、回転中心A1を中心として回転可能な環状のリヤハウジング42が配置されている。リヤハウジング42は、半径方向の断面形状がほぼL字形の内筒部42aと、内筒部42aの外周に固定された環状の遮断部材42bと、遮断部材42bの外周に固定された外筒部42cとにより構成されている。内筒部42aおよび外筒部42cは、例えば鉄などの磁性材料により形成され、遮断部材42bは、非磁性材料により形成されている。外筒部42cは、フロントハウジング33の内周にねじ結合され、かつ、溶接によりフロントハウジング33に相対回転不能に固定されている。このため、フロントハウジング33とリヤハウジング42とは、一体的に回転する。
【0038】
また、内筒部42aの内周と、ドライブピニオンシャフト32の外周との間には、軸受43が装着されており、軸受43によりリヤハウジング42がインナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。軸受43と、後述するポンプハウジング83との間には、軸方向の隙間を調整する円環状のシム45と、環状の皿ばね46とが配置されている。
【0039】
内筒部42aの内周とインナーシャフト40の外周との間には、シールリング(例えばXリング)47が装着されている。シールリング47により、インナーシャフト40とリヤハウジング42との間が液密にシールされる。外筒部42cの外周とフロントハウジング33の内周との間には、シールリング(例えばOリング)48が装着されている。シールリング48により、リヤハウジング42とフロントハウジング33との間が液密にシールされる。
【0040】
ディファレンシャルキャリヤ23とリヤハウジング42とポンプハウジング83とによって囲まれた空間が、電磁石収納室C1となっている。電磁石収納室C1は、周囲の空間から液密および気密にシールされている。電磁石収納室C1には、電磁石51が配置されている。電磁石51は、磁性材料により形成された環状の鉄心52と、鉄心52に巻き付けられたコイル53とを備えている。鉄心52は、カバー31に対し相対回転不能に設けられている。コイル53は、電線を介して4WD_ECU200(図1参照)に接続されている。
【0041】
フロントハウジング33とインナーシャフト40とリヤハウジング42とによって囲まれた空間が、クラッチ機構収納室C2となっている。クラッチ機構収納室C2には、クラッチ機構部CL1が配置されている。クラッチ機構部CL1は、電磁石51の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ61と、パイロットクラッチ61の係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチ71とからなる。そして、クラッチ機構収納室C2には、作動油(カップリングオイル)が流通可能となっており、クラッチ機構収納室C2に供給された作動油の粘性抵抗によってパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71が係合される。クラッチ機構収納室C2には、オイル循環経路を通じて作動油が供給されるようになっている。電子制御カップリング30の内部に形成されるオイル循環経路の詳細については後述する。
【0042】
パイロットクラッチ61は、アーマチュア62とクラッチディスク63とクラッチプレート64とを備えている。アーマチュア62は、リヤハウジング42から軸方向に所定間隔を隔てて配置されている。クラッチディスク63およびクラッチプレート64は、アーマチュア62とリヤハウジング42との間に配置されている。アーマチュア62およびクラッチディスク63は、フロントハウジング33の内周にスプライン嵌合されている。
【0043】
インナーシャフト40の外周には、環状のカム65が装着されている。カム65は、インナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。このカム65の外周には、クラッチプレート64がスプライン嵌合されている。また、カム65と、リヤハウジング42の内筒部42aとの間には、スラスト軸受66が配置されている。スラスト軸受66は、カム65に作用するスラスト荷重を受け止め、かつ、リヤハウジング42とカム65とを相対回転可能とするために配置されている。
【0044】
メインクラッチ71は、パイロットクラッチ61と、フロントハウジング33の小径円筒部34との間に配置されている。メインクラッチ71は、複数のクラッチディスク72と、複数のクラッチプレート73とを備えている。クラッチディスク72とクラッチプレート73とは交互に配置されている。クラッチディスク72は、フロントハウジング33の大径円筒部37の内周にスプライン嵌合され、クラッチプレート73は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。また、フロントハウジング33の大径円筒部37には、複数の連通孔37aが形成されている。連通孔37aは、軸方向および周方向に所定間隔おきに並んで設けられている。連通孔37aによって、クラッチ機構収納室C2と、フロントハウジング33とカバー31との間の空間C4とが互いに連通されている。つまり、クラッチ機構収納室C2は、周囲の空間から液密および気密にシールされているのではなく、連通孔37aによって周囲の空間に開放されている。
【0045】
メインクラッチ71とパイロットクラッチ61との間には、環状のピストン74が配置されている。ピストン74は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。ピストン74およびカム65の互いに相対向する側には、それぞれのカム面に対応する複数の凹部74a,65aが形成されている。ピストン74およびカム65の間には、各凹部74a,65aに嵌め入れられるように複数のボール75(図2、図3では1つのみ示す)が設けられている。
【0046】
上記構成の電子制御カップリング30の動作について説明する。
【0047】
まず、電子制御カップリング30の電磁石51に電流が供給されない場合、パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71が解放されている。このため、プロペラシャフト16からフロントハウジング33に伝達されたトルクは、インナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32には伝達されない。この場合、四輪駆動車100が二輪駆動状態となる。
【0048】
一方、電磁石51に電流が供給されると、鉄心52と外筒部42cとアーマチュア62と内筒部42aとを磁束が通過して磁気回路が形成される。このため、電磁力(磁気吸引力)により、アーマチュア62が、外筒部42cおよび内筒部42a側に移動する。すると、パイロットクラッチ61のクラッチディスク63とクラッチプレート64とが係合される。つまり、パイロットクラッチ61が係合される。これにより、フロントハウジング33のトルクが、パイロットクラッチ61を介してカム65に伝達される。
【0049】
カム65にトルクが伝達されると、カム65とピストン74とが相対回転する。すると、ボール75をカム65とピストン74の凹部65a,74aの外部に押し出すような力が作用し、カム65とピストン74とが軸方向方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。この場合、カム65は、スラスト軸受66により受け止められており、リヤハウジング42側に移動することが防止されている。このため、上記スラスト荷重により、ピストン74がメインクラッチ71側に押し付けられ、クラッチディスク72とクラッチプレート73とが係合される。この場合、パイロットクラッチ61の係合力が、カム65とボール75とピストン74とにより増幅されて、メインクラッチ71に伝達されるようになっている。メインクラッチ71が係合されると、プロペラシャフト16からフロントハウジング33に伝達されたトルクが、メインクラッチ71を介してインナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32に伝達される。これにより、四輪駆動車100が四輪駆動状態となる。この場合、電磁石51に通電される電流の値を増大きくするほど、メインクラッチ71の係合力が増大し、ドライブピニオンシャフト32へ伝達されるトルクが増大する。電磁石51に通電される電流が所定値以上になると、直結状態に近い状態でドライブピニオンシャフト32にトルクが伝達される。
【0050】
−実施形態の特徴部分−
この実施形態では、上記構成の電子制御カップリング30において、後輪側回転軸であるドライブピニオンシャフト32の回転時にクラッチ機構部(湿式摩擦係合部)CL1の係合に用いられない作動油を、クラッチ機構部CL1に供給するオイルポンプ80を備えていることを特徴としている。以下、この実施形態の特徴部分について、図2、図3を参照して詳しく説明する。
【0051】
図2、図3に示すように、オイルポンプ80は、例えばインナーロータ81およびアウターロータ82の相対回転による歯間内の容積変化によりポンプ作用を行うトロコイド型のオイルポンプとされている。具体的には、オイルポンプ80は、インナーロータ81、アウターロータ82、ポンプハウジング83等で構成されている。
【0052】
インナーロータ81は、複数個(例えば4個)の外歯を有している。インナーロータ81の中心部には、ドライブピニオンシャフト32と平行に延びるカウンターシャフト(伝達軸)84が一体回転可能にスプライン嵌合されており、インナーロータ81は、回転中心A2を中心として回転可能となっている。アウターロータ82は、インナーロータ81の外歯よりも多い個数(例えば5個)の内歯を有している。アウターロータ82は、回転中心A3を中心としてハウジング83内に回転自在に収容されている。アウターロータ82は、インナーロータ81に対して所定量だけ偏心され、アウターロータ82の内歯がインナーロータ81の外歯に噛み合う状態で設けられている。
【0053】
そして、カウンターシャフト84の回転にともなってインナーロータ81が回転されると、このインナーロータ81と噛合したアウターロータ82もポンプハウジング83内で同じ方向に回転される。このとき、インナーロータ81およびアウターロータ82の相対回転により、インナーロータ81およびアウターロータ82の歯間内容積が連続的に変化するようになっている。
【0054】
ポンプハウジング83は、カバー31とディファレンシャルキャリヤ23との間に固定されており、カバー31に対し相対回転不能とされている。ポンプハウジング83は、ハウジング本体83aと、このハウジング本体83aにボルト等によって取り付けられるハウジングカバー83bとの2分割構造となっている。ハウジング本体83aには、後述するオイル循環経路を流れる作動油を吸入する吸入チャンバ85が形成されている。吸入チャンバ85は、インナーロータ81およびアウターロータ82の歯間内容積の拡大領域において形成されている。吸入チャンバ85は、カバー31の内部に形成されたオイルリザーバ31bに連通されている。オイルリザーバ31bは、作動油が貯留される空間であり、オイルリザーバ31bを設けることによって、オイル循環経路を循環する作動油の量を増やすことができる。
【0055】
また、ハウジング本体83aとハウジングカバー83bとによって、オイル循環経路へ作動油を吐出する吐出チャンバ86が形成されている。吐出チャンバ86は、インナーロータ81およびアウターロータ82の歯間内容積の縮小領域において形成されている。吐出チャンバ86は、ドライブピニオンシャフト32に形成された径方向孔32cに連通可能となっている。つまり、ドライブピニオンシャフト32の回転にともなって径方向孔32cの開口の位置が変化するため、径方向孔32cの開口が吐出チャンバ86と重なり合ったときに両者32c,86が互いに連通されるようになっている。
【0056】
上記構成のオイルポンプ80は、後輪側回転軸であるドライブピニオンシャフト32の回転が伝達されることによって駆動される。具体的には、ドライブピニオンシャフト32の外周には、ドライブギヤ87が一体回転可能にスプライン嵌合されている。ドライブギヤ87は、オイルポンプ80のカウンターシャフト84に一体に形成されたカウンターギヤ88に噛合されている。ドライブギヤ87およびカウンターギヤ88は、ディファレンシャルキャリヤ23内に形成された内部空間23aに収容されている。なお、カウンターギヤ88をスプライン嵌合によってカウンターシャフト84に一体的に取り付ける構成としてもよい。
【0057】
そして、ドライブピニオンシャフト32が回転すると、その回転がドライブギヤ87およびカウンターギヤ88を介して伝達され、カウンターシャフト84およびインナーロータ81が一体的に回転する。すると、インナーロータ81およびアウターロータ82が相対回転して、インナーロータ81およびアウターロータ82の歯間内容積が変化し、これにともなって、オイル循環経路から作動油が吸入チャンバ85に吸入される。吸入チャンバ85に流入した作動油は、吐出チャンバ86側に送られて、吐出チャンバ86からオイル循環経路へ吐出される。
【0058】
このようなオイルポンプ80が駆動されると、作動油が、電子制御カップリング30内に形成されたオイル循環経路を循環する。電子制御カップリング30におけるオイル循環経路は、オイルポンプ80の吐出チャンバ86→ドライブピニオンシャフト32の径方向孔32cおよび軸方向孔32b→インナーシャフト40の内部空間40a→インナーシャフト40とフロントハウジング33との間の空間C3→上記クラッチ機構収納室C2→フロントハウジング33の連通孔37a→フロントハウジング33とカバー31との間の空間C4→カバー31の連通孔31cおよびオイルリザーバ31b→オイルポンプ80の吸入チャンバ85、のような経路となっている。なお、オイル循環経路の作動油が、電磁石収容室C1内やディファレンシャルキャリヤ23内へ浸入したり、カバー31の外部へ漏れ出たりしないようにするために、電子制御カップリング30内の適宜箇所に、シールリング(Oリング、Xリング等)47,48,91,92や、オイルシール38b,93,94,95が設けられている。
【0059】
そして、オイル循環経路を循環する作動油が、クラッチ機構収納室C2に配置されたクラッチ機構部CL1(パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71)に供給される。この場合、オイルポンプ80の駆動によって、クラッチ機構部CL1の係合に用いられない作動油がクラッチ機構部CL1に供給されるようになっている。ここで、クラッチ機構部CL1のパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71は、作動油の粘性抵抗によって係合されるが、その係合にほとんど寄与せずに、オイルポンプ80によって電子制御カップリング30内のオイル循環経路を強制的に循環される作動油を、「係合に用いられない作動油」としている。
【0060】
この実施形態によれば、車両がエンジン10の停止時に後輪19,19だけを接地させた状態で牽引されると、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間に回転数差が発生する。この場合、上記従来の技術とは異なり、ドライブピニオンシャフト32の回転にともなうオイルポンプ80のポンプ作用により、クラッチ機構部CL1の係合に用いられない作動油がクラッチ機構部CL1に供給される。したがって、被牽引時などにドライブピニオンシャフト32が回転した場合に、オイルポンプ80によって供給される作動油によってクラッチ機構部CL1のパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71を潤滑・冷却することができる。
【0061】
ところで、被牽引時には、クラッチ機構部CL1を係合状態としていなくても(つまり、電子制御カップリング30の電磁石51を非通電状態としていても)、作動油の粘性抵抗(引きずり抵抗)によってクラッチ機構部CL1のパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71がいわゆる半係合状態となり、クラッチ機構部CL1の温度が上昇することが懸念される。しかし、この実施形態では、ドライブピニオンシャフト32の回転時、オイル循環経路を強制的に循環される作動油によって、クラッチ機構部CL1のパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71の冷却を効率的に行うことができ、クラッチ機構部CL1の温度上昇を抑制することができる。
【0062】
また、この実施形態では、オイルポンプ80は、ドライブピニオンシャフト32と平行に設けられたカウンターシャフト84に組み付けられている。より具体的には、オイルポンプ80のインナーロータ81を駆動する駆動軸がカウンターシャフト84とされている。つまり、オイルポンプ80をドライブピニオンシャフト32によって直接的に駆動するのではなく、カウンターシャフト84を介してドライブピニオンシャフト32の回転をインナーロータ81に伝達してオイルポンプ80を駆動するようにしている。これにより、ドライブピニオンシャフト32の回転時、電力供給を行わなくてもオイルポンプ80を駆動することができる。また、オイルポンプ80の設置箇所の自由度を向上させることができる。
【0063】
また、この実施形態では、オイルポンプ80が、電子制御カップリング30における非回転の部位であるカバー31に組み付けられている。より具体的には、カバー31に一体的に固定されたポンプハウジング83内にオイルポンプ80のアウターロータ82が収容されている。したがって、後輪側回転軸であるドライブピニオンシャフト32が回転すれば、ドライブピニオンシャフト32とカバー31との間に回転数差が発生するので、前輪側駆動軸であるプロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との回転数差の有無に関係なく、オイルポンプ80が駆動される。これにより、ドライブピニオンシャフト32の回転時には常に、オイルポンプ80が駆動され、クラッチ機構部CL1を潤滑・冷却することが可能になる。
【0064】
また、この実施形態では、オイルポンプ80が電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル17との間に設けられている。これにより、ドライブピニオンシャフト32の回転時、オイル循環経路を強制的に循環される作動油によって、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル17との間で熱交換を行うことが可能になる。そして、被牽引時、クラッチ機構部CL1のパイロットクラッチ61およびメインクラッチ71の冷却を促進することが可能になり、クラッチ機構部CL1の温度上昇をより効果的に抑制することが可能になる。
【0065】
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
【0066】
上記実施形態では、オイルポンプ80をカウンターシャフト84に組み付けたが、オイルポンプ80を後輪側回転軸であるドライブピニオンシャフト32に組み付ける構成としてもよい。この場合、オイルポンプ80のインナーロータ81を駆動する駆動軸がドライブピニオンシャフト32とされる。これにより、電力供給を行わなくてもドライブピニオンシャフト32の回転によってオイルポンプ80が直接的に駆動されるので、上記実施形態のカウンターシャフト84などのような回転部材を新たに設ける必要がなくなり、構成の簡素化を図ることができる。
【0067】
また、上記実施形態では、オイルポンプ80を電子制御カップリング30の非回転の部位であるカバー31に組み付けたが、後輪側回転軸であるドライブピニオンシャフト32との間に回転数差が生じ得る箇所であれば、それ以外の箇所にオイルポンプ80を組み付けてもよい。例えば、オイルポンプ80を前輪側回転軸であるプロペラシャフト16と一体的に回転する部位に組み付ける構成としてもよい。この場合、ドライブピニオンシャフト32の回転時、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間に回転数差が生じていれば、オイルポンプ80が駆動されることになる。なお、この場合、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間の回転数差に応じてオイルポンプ80の吐出量が決まるので、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間の回転数差が小さいとき、クラッチ機構部CL1への作動油の過剰供給を抑制できる。
【0068】
また、上記実施形態では、オイルポンプ80を電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル17との間に配置したが、それ以外の箇所にオイルポンプ80を配置してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、電子制御カップリング30をプロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間に配置したが、クラッチ機構部CL1の係合により駆動源からの駆動力を後輪19,19に伝達可能な箇所であれば、それ以外の箇所に電子制御カップリング30を配置してもよい。言い換えれば、前輪側駆動軸をプロペラシャフト16以外としてもよい、あるいは、後輪側駆動軸をドライブピニオンシャフト32以外としてもよい。例えば、前輪側駆動軸をフロントプロペラシャフトとし、後輪側駆動軸をリヤプロペラシャフトとし、フロントプロペラシャフトとリヤプロペラシャフトとの間にカップリング装置を配置する構成としてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、オイルポンプの一例として、トロコイド型のオイルポンプ30を挙げたが、オイルポンプは、後輪側回転軸の回転時に駆動されるものであれば、それ以外の構成としてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、カップリング装置の一例として電子制御カップリング30を挙げたが、カップリング装置は、湿式摩擦係合部を備える構成であれば、それ以外の構成としてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、前輪駆動ベースの四輪駆動車に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、後輪駆動ベースの四輪駆動車にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、四輪駆動車において、作動油の粘性抵抗によって係合される湿式摩擦係合部を備え、湿式摩擦係合部の係合により駆動源からの駆動力を後輪側回転軸に伝達可能に構成されたカップリング装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
16 プロペラシャフト
17 リヤディファレンシャル
30 電子制御カップリング
32 ドライブピニオンシャフト
61 パイロットクラッチ
71 メインクラッチ
80 オイルポンプ
81 インナーロータ
82 アウターロータ
83 ポンプハウジング
84 カウンターシャフト
87 ドライブギヤ
88 カウンターギヤ
CL1 クラッチ機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪側回転軸と後輪側回転軸との間に設けられ、
作動油の粘性抵抗によって係合される湿式摩擦係合部を備え、前記湿式摩擦係合部の係合により駆動源からの駆動力を前記後輪側回転軸に伝達可能に構成されたカップリング装置であって、
前記後輪側回転軸の回転時に、前記湿式摩擦係合部の係合に用いられない作動油を、当該湿式摩擦係合部に供給するオイルポンプを備えていることを特徴とするカップリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカップリング装置において、
前記オイルポンプは、前記後輪側駆動軸に組み付けられていることを特徴とするカップリング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカップリング装置において、
前記後輪側回転軸に設けられたギヤと、この前記後輪側回転軸と平行に配置されたカウンター軸に設けられたギヤとが噛合されており、
前記オイルポンプは、前記カウンター軸に組み付けられていることを特徴とするカップリング装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のカップリング装置において、
前記オイルポンプは、当該カップリング装置における非回転の部位に組み付けられていることを特徴とするカップリング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のカップリング装置において、
前記オイルポンプは、当該カップリング装置と、左右一対の後輪間の差動を行うディファレンシャル装置との間に配置されていることを特徴とするカップリング装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載のカップリング装置において、
前記オイルポンプは、インナーロータおよびアウターロータの相対回転によりポンプ作用を行うトロコイド型のオイルポンプとされていることを特徴とするカップリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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