説明

カテーテル及びその製造方法

【課題】カテーテル表面を平滑にし、補強線材の位置ズレを防止し、カテーテル内に気泡が残ることを防止し、保形性と可撓性を両立させる。
【解決手段】補強線材8を有するカテーテルにおいて、内層6と、この内層6の外周に積層される中間層7と、この中間層7に沿って螺旋状に巻き付けられる補強線材8と、これら中間層7及び補強線材8の外周に積層される外層9とを備え、補強線材8を中間層7に食い込むように配置し、カテーテルを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強線材を有するカテーテル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば血栓の吸引、閉塞状態又は狭窄状態にある血管の通路確保、血管造影剤の注入などに際して用いられる。たとえば特許文献1には、内層側の樹脂層の外周に、補強線材を網目状に巻き付け、外層側の樹脂層を補強線材に被覆することにより、内層側の樹脂層と外層側の樹脂層との間に補強線材が介在されるカテーテルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−317986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし乍ら、従来のカテーテルでは、内層と外層の間に外径が大きな補強線材を挟み込んで配置しているため、外層の表面において該補強線材の配置箇所のみが他の表面部分よりも補強線材の外径分だけ膨らんで部分的に突出し、それによりカテーテルの表面全体に凹凸ができてしまう。
特に、網目の交差部では、補強線材同士が互いに重なり合うとともに補強線材は剛性が高いことから重なっても潰れて変形することがほとんど無いため、各交差部の厚さ寸法が他の部分に比べ更に厚くなって部分的に突出し、それによりカテーテル表面全体の凹凸が大きくなるという問題もあった。
【0005】
補強線材を有するカテーテルの製造において内層の外周面に対し補強線材を巻き付ける際に、該補強線材が滑って巻き付けピッチが位置ズレし易く、この位置ズレによってピッチが広くなった箇所の耐圧強度が低下するという問題があった。
特に、網目の交差部では、補強線材同士が互いに重なり合うため、一方の補強線材の上に他方の補強線材を重ねて巻き付ける際に、これら補強線材の表面同士が滑って巻き付けピッチが位置ズレし易いという問題もあった。
【0006】
また内層の外周面に沿って補強線材を巻き付けた後、その上に外層の樹脂層を被覆するため、外層を積層する際に、内層の外周面と補強線材との間に空気を巻き込んで気泡が残り易くなり、それによって内層と外層の接着力が弱まり剥離し易くなるばかりでなく、外層が透明又は半透明の材料で形成される場合には、不規則に残った気泡が目立って商品価値を著しく低下させるという問題があった。
【0007】
特に網目の交差部では、補強線材同士が互いに接触しているため、外層を積層する際に、これらの交差部に空気を巻き込んで気泡が更に残り易くなり、外層が透明又は半透明の材料で形成される場合には、不規則に残った気泡が更に多く目立つようになるという問題もあった。
【0008】
本発明は、内層と外層の間に補強線材を挟み込むことによる不具合を解消できるとともに、カテーテル表面を平滑にすること、補強線材の位置ズレを防止すること、カテーテル内に気泡が残ることを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために本発明は、内層と、この内層の外周に積層される中間層と、この中間層に沿って螺旋状に巻き付けられる補強線材と、これら中間層及び補強線材の外周に積層される外層とを備え、補強線材を中間層に食い込むように配置したことを特徴とする。
【0010】
前述した特徴に加えて、前記外層を軟質の樹脂で成形し、前記中間層を前記外層よりも固化時に硬質となる樹脂で成形したことを特徴とする。
【0011】
前述した特徴に加えて、前記内層と前記中間層の間に第2の補強線材を挟み込むように配置したことを特徴とする。
【0012】
また、その製造方法として、内層の外周に中間層を溶融状態で積層し、この中間層が固化する前に補強線材を螺旋状に巻き付けることで該中間層に食い込ませ、その後、これら中間層及び補強線材の外周に外層を積層したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前述した特徴を有する本発明は、内外層間に補強線材を挟み込むことによる不具合を解消できるとともに、中間層に補強線材が食い込むように配置され、補強線材が補強線材のように断面外径が大きくても中間層の肉厚寸法が全体的に変化しないので、外層の表面に補強線材の有無による凹凸ができず、カテーテル表面を平滑にすることができる。
さらに、中間層に補強線材が食い込むように配置され、中間層で補強線材の移動が抑制されるので、補強線材の巻き付け時における位置ズレを防止することができる。
それにより、補強線材の巻き付けピッチを均等にすることができ、部分的に耐圧強度が低下することを防止できる。
また、中間層に補強線材が食い込むように配置され、内層と補強線材との間に空気を巻き込むことがないので、カテーテル内に気泡が残ることを防止することができる。
それにより、層間に残った気泡による内層と外層の剥離を確実に防止でき、しかも外層が透明又は半透明の材料で形成しても、気泡が目立つことがなく商品価値を高く維持することができる。
【0014】
さらに、中間層を内層及び外層の樹脂よりも固化時に硬質となる樹脂で成形することにより、カテーテルのキンクや折れを防止するとともにカテーテルの内圧変化に伴って中間層が形状変化せず、カテーテルを曲げようとした時には、補強線材と共同してカテーテル全体が潰れ変形することなく屈曲可能となるので、保形性と可撓性を両立させることができる。
【0015】
また、内層と中間層の間に第2の補強線材として、補強線材よりも外径の細いもの使用した場合には、内層と中間層の間に挟み込んでも外層の表面において該第2の補強線材の配置箇所のみが他の表面部分よりも大きく突出しないので、カテーテル表面を略平滑にすることができる。
さらに、中間層の積層で第2の補強線材が位置決めされるので、これら第2の補強線材と補強線材の交差部における両者の巻き付けピッチの位置ズレを防止することができるとともに、第2の補強線材と補強線材の交差部における空気の巻き込みがないので、カテーテル内に気泡が残ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るカテーテルの全体構成を示す平面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係るカテーテル本体の部分切欠した外観斜視図であり、図2(b)は、本発明の実施形態に係るカテーテル本体の部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカテーテルの全体構成を示す平面図である。本発明の実施形態に係るカテーテル1は、カテーテル本体2と、このカテーテル本体2の基端に装着されたハブ3とで構成されている。カテーテル本体2は可撓性を有する管状の部材から構成されており、その基端から先端にかけて内部に管腔4が形成されている。管腔4は、ガイドワイヤ用内腔として機能するものであり、カテーテル1の血管への挿入時には、管腔4内にガイドワイヤ5が挿通される。また管腔4は、薬液や塞栓物質、造影剤などの通路として用いることもできる。ハブ3は、管腔4へのガイドワイヤ5の挿入口、管腔4への薬液や塞栓物質、造影剤などの注入口として機能し、またカテーテル1を操作するための把持部としても機能する。
【0018】
図2(a)は、本発明の実施形態に係るカテーテル本体の部分切欠した外観斜視図であり、図2(b)は、本発明の実施形態に係るカテーテル本体の部分拡大縦断面図である。本実施形態のカテーテル本体2は、内層6と、この内層6の外周に積層される中間層7と、この中間層7に沿って螺旋状に巻き付けられる補強線材8と、これら中間層7及び補強線材8の外周に積層される外層9とを備えている。
【0019】
内層6は、主成分としてたとえば熱可塑性樹脂に、適度に柔らかくするための可塑剤、劣化を防ぐための安定剤、その他の滑剤や充填剤や加工助剤や改良材などが所定比率で添加されたものを用い、例えば押出成形機により溶融状態で成形し、それを冷却することで円筒状に固化される。
【0020】
内層6は、補強線材8の内周を被覆し、補強線材8を配設するためのコアとなるとともに管腔4を形成するものである。内層6としては、前記した外層9と同様の構成材料を用いることが可能であるが、低摩擦材料で構成されていることが好ましい。これにより、内層6の内面は、摩擦が低減する。これにより、管腔4に挿通されたガイドワイヤ5との摺動抵抗が低減され、先行するガイドワイヤ5に沿ってカテーテル1を血管内へ挿入する操作や、カテーテル1からガイドワイヤ5を抜去する操作をより容易かつ円滑に行うことができる。
【0021】
内層6を構成する低摩擦材料としては、内層6の内面の摩擦を低減できるものであればいかなるものでもよく、例えば、フッ素系樹脂、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。この中でも、フッ素系樹脂がより好ましい。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられ、この中でも、ポリテトラフルオロエチレンがより好ましい。
【0022】
内層6の厚さとしては、特に限定されないが、たとえば、50μm以下であるのが好ましく、40μm以下であるのがより好ましい。内層6の厚さが、前述の上限値を越えると、カテーテル本体2の細径化に不利である。
【0023】
外層9は、主成分としてたとえば熱可塑性樹脂に、適度に柔らかくするための可塑剤、劣化を防ぐための安定剤、その他の滑剤や充填剤や加工助剤や改良材などが所定比率で添加されたものを用い、例えば押出成形機により溶融状態で成形し、それを冷却することで透明又は半透明若しくは不透明な円筒状に固化される。
【0024】
外層9の構成材料としては、可撓性を有するものが用いられ、例えば、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、フッ素系エラストマー等の各種可撓性を有する樹脂や、シリコーンゴム、ラテックスゴム等のゴム材料、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
【0025】
外層9の厚さとしては、特に限定されないが、通常、0.05〜0.15mm程度であるのが好ましく、0.06〜0.12mm程度であるのがより好ましい。外層9が、前述の下限値より薄いと、押し込み性およびトルク伝達性が十分に発揮されない場合がある。一方、外層9が、前述の上限値より厚いと、カテーテル本体2の細径化に不利である。なお、本実施形態では、外層9の厚さは、カテーテル本体2の基端から先端までほぼ均一であるが、カテーテル本体2の先端方向に向かって漸減する構成であってもよい。これにより、カテーテル1の剛性(曲げ剛性)も連続的に減少する。このため、カテーテル本体2は、追従性および耐キンク性が向上する。
【0026】
中間層7は、軟質熱可塑性樹脂、或いは内層6及び外層9の軟質樹脂と相溶性のある樹脂を用い、例えば押出成形機により溶融状態で成形し、それを冷却することで円筒状に固化される。さらに、中間層7は、その固化時に外層9の軟質熱可塑性樹脂よりも硬質となるように可塑剤の添加量を減らした半硬質樹脂又は硬質樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
中間層7の構成材料としては、可撓性を有するものが用いられ、例えば、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、フッ素系エラストマー等の各種可撓性を有する樹脂や、シリコーンゴム、ラテックスゴム等のゴム材料、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
【0028】
中間層7の厚さとしては、補強線材8の厚みよりも厚いことが好ましく、通常、0.03〜0.08mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.06mm程度であるのがより好ましい。
【0029】
補強線材8としては、金属部材または非金属部材のうちの、少なくとも一方で構成されたものが挙げられる。金属部材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金、プラチナ、イリジウム、タングステン等のうちの、1種または2種以上を組合わせて用いることができる。一方、非金属部材を構成する材料としては、例えば、カーボン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のうちの、1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
【0030】
特に、補強線材8を、タングステン、プラチナ、イリジウムやこれらを含む合金等のX線不透過性材料で構成することが好ましい。これにより、後述する領域42についての説明箇所でも詳細に述べるように、カテーテル本体2の先端近傍(本実施形態では、領域42)で補強線材8の巻きピッチを先端部のみ小さくすることにより、この補強線材8の先端部をX線不透過マーカーとして機能させることができる。
【0031】
また、補強線材8は、その横断面形状が図示のような円形のものに限らず、偏平形状、すなわちリボン状(帯状)のものであってもよい。補強線材8は、その横断面形状が円形のものである場合、直径10〜100μm程度のものが好ましく、30〜60μm程度のものがより好ましい。また、補強線材8が、リボン状のものである場合、幅0.1〜1.0mm程度、厚さ0.04〜0.05mm程度のものが好ましい。このような補強線材8を配置することにより、比較的薄い厚さで十分な補強効果が得られる。このため、このような補強線材8を有するカテーテル本体2は、細径化に有利である。
【0032】
補強線材8は、中間層7の外周面7aに沿って複数本の補強線材8を螺旋状に巻き付けることで、それぞれが中間層7に食い込むように配置している。
【0033】
さらに必要に応じて、内層6と中間層7の間には、第2の補強線材10を挟み込むように配置することが好ましい。第2の補強線材10としては、補強線材8の外径よりも細い補強線材、又は上述した補強線材8と同様な線材などが使用される。具体的には外層9よりも固化時に硬質となる半硬質樹脂からなる中間層7に、補強線材8として外径の太い補強線材が食い込むように配置され、内層6と中間層7の間には、補強線材8の外径よりも細い第2の補強線材10が補強線材8の傾斜角度と逆向きになるように螺旋状に巻き付けられる場合を示すものである。
【0034】
そして、このようなカテーテル1の製造方法の一例としては、押出成形機により内層6が押出成形され、これを冷却して固化された後、該内層6の外周に中間層7を押出成形により溶融状態で積層し、該中間層7が固化する前に補強線材8を螺旋状に巻き付けることで該中間層7に食い込ませ、その後、これら中間層7及び補強線材8の外周に外層9を押出成形により積層して覆い、それによりこれら内層6、中間層7及び外層9の層間を接着または融着して一体化させる。
【0035】
次に、斯かるカテーテル1の具体的な製造方法及について説明する。
先ず、内層6となる軟質樹脂が押出成形機(図示しない)によって押出成形され、これを冷却して内層6を固化させた後に、該内層6の外周面6aに沿って第2の補強線材10を所定張力で螺旋状に巻き付ける。
【0036】
その後、内層6の外周面6a及び第2の補強線材10を覆うように、中間層7となる半硬質樹脂が押出成形機によって溶融状態で押出成形され、それが固化する前に補強線材8を、巻き付け装置(図示しない)によって所定張力で螺旋状に巻き付ける。それにより溶融状態の中間層7内に補強線材8が内層6へ向けて食い込み、この食い込みによって中間層7の外周面7aには凹溝7bが形成される。
【0037】
これに続いて、中間層7を冷却して固化させた後に、これら中間層7の外周面7a、凹溝7b及び補強線材8を覆うように、外層9となる軟質樹脂が押出成形機によって押出成形され、これを冷却して外層9が固化され、カテーテル本体2が完成する。
【0038】
本実施形態のカテーテル1によると、中間層7に補強線材8が食い込むように配置されるため、補強線材8が補強線材のように断面外径が大きくても中間層7の肉厚寸法が全体的に変化せず、それにより外層の表面に補強線材8による凹凸を防ぐことができるので、カテーテル表面を平滑にすることができる。
さらに、中間層7に補強線材8が食い込むことで、中間層7に補強線材8が移動不能に配置されるため、補強線材の巻き付け時における位置ズレを防止することができる。
また、中間層7に補強線材8が食い込むことで、内層6と補強線材8との間に空気を巻き込むことがないため、カテーテル内に気泡が残ることを防止することができる。
【0039】
本実施形態のカテーテル1によると、補強線材8が配置される箇所は潰れ難く、また内層6と外層9の間には半硬質樹脂からなる中間層7が配置されるため、カテーテルのキンクや折れを防止するとともに、カテーテルの内圧が変化しても、中間層7が縮径したり拡径するなど形状が変化せず、またカテーテルを曲げようと力が作用した時には、補強線材8と共同して内層6と外層9が潰れ変形することなく屈曲可能となるので、保形性と可撓性を両立させることができる。
【0040】
さらに、内層6と中間層7の間に第2の補強線材10を挟み込んでも、補強線材8よりも小径なものであれば、外層9の表面において該第2の補強線材10の配置箇所のみが他の表面部分よりも大きく突出しないので、カテーテル表面を略平滑にすることができる。
【0041】
また、第2の補強線材10は、その後の中間層7の積層で位置決めされるので、これら第2の補強線材10と補強線材8の交差部において両者の巻き付けピッチが位置ズレすることがないとともに、第2の補強線材10と補強線材8の交差部において空気の巻き込みがないので、カテーテル内に気泡が残ることもない。
しかも、この第2の補強線材10が補強線材8とバランスするので、カテーテル1の伸びや捻れを防止することができる。
【0042】
なお、前示実施形態では、内層6と中間層7の間に第2の補強線材10を補強線材8の傾斜角度と逆向きになるように螺旋状に巻き付けられる場合を示したが、これに限定されず、内層6と中間層7の間に第2の補強線材10として補強線材8とほぼ同じ外径のものを螺旋状に巻き付けても良い。この場合には、内層6と中間層7の間に第2の中間層を溶融状態で積層し、この第2の中間層が固化する前に第2の補強線材10を巻き付けることで該第2の中間層に食い込ませることが好ましい。さらに、第2の補強線材10をカテーテルの軸方向へ延びるように周方向へ等間隔ごとに複数配置しても良い。また、図示例に限定されず、必要に応じて内層6の内側に、カテーテル内を通る流体に合わせた原材料からなる最内層(図示しない)を設けたり、外層9の外側に保護用の最外層(図示しない)を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…カテーテル、2…カテーテル本体、6…内層、7…中間層、8…補強線材、9…外層、10…第2の補強線材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層と、この内層の外周に積層される中間層と、この中間層に沿って螺旋状に巻き付けられる補強線材と、これら中間層及び補強線材の外周に積層される外層とを備え、
前記補強線材を前記中間層に食い込むように配置したことを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記外層を軟質の樹脂で成形し、前記中間層を前記外層よりも固化時に硬質となる樹脂で成形した請求項1記載のカテーテル。
【請求項3】
前記内層と前記中間層の間に第2の補強線材を挟み込むように配置した請求項1又は2記載のカテーテル。
【請求項4】
内層の外周に中間層を溶融状態で積層し、この中間層が固化する前に補強線材を螺旋状に巻き付けることで前記中間層に食い込ませ、その後、これら中間層及び補強線材の外周に外層を積層したことを特徴とするカテーテルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−22367(P2013−22367A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162097(P2011−162097)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(393015324)株式会社グツドマン (56)
【Fターム(参考)】