説明

カバーテープ

【課題】熱可塑性樹脂製のキャリアテープに対する良好なシール性を有すると同時に、ヒートシールした状態で60〜80℃でベーキングした場合に電子部品がカバーテープに付着することがなく、且つ剥離する際にテープ切れが起こりにくいカバーテープを提供する。
【解決手段】少なくとも基材層と中間層とヒートシール層からなり、ヒートシール層を構成する酸価が1〜20mgKOH/gである熱可塑性樹脂100質量部に対して、メジアン径(D50)が50nm未満の無機フィラーを25〜50質量部、およびメジアン径(D50)が50〜300nmの無機フィラーを20〜60質量部含むことを特徴とするカバーテープ。ヒートシール層が、ガラス転移温度が45〜80℃のアクリル系樹脂にシリカ粒子であることが好ましい。中間層が直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、その融点が70〜120℃であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の包装体に使用するカバーテープに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の小型化に伴い、使用される電子部品についても小型高性能化が進み、併せて電子機器の組み立て工程においてはプリント基板上に部品を自動的に実装することが行われている。表面実装用電子部品は、電子部品の形状に合わせて収納しうるエンボス成形されたポケットが連動的に形成されたキャリアテープに収納されている。電子部品を収納後、キャリアテープの上面に蓋材としてカバーテープを重ね、加熱したシールバーでカバーテープの両端を長さ方向に連続的にヒートシールして包装体としている。カバーテープとしては、二軸延伸したポリエステルフィルムを基材に、熱可塑性樹脂のヒートシール層を積層したものなどが使用されている。
【0003】
封止樹脂等にパッケージされたIC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)、LED(発光ダイオード)などの電子部品は、封止樹脂が吸湿していると実装後のハンダ付け時の加熱工程でハンダクラックと呼ばれる封止樹脂の割れを生じることがあり、封止樹脂に含まれる水分を除去するために、ベーキング処理をする必要がある。このような電子部品の量産性の向上のためには、ベーキング温度を上げ、ベーキングの時間を短くする必要がある。最近ではカバーテープをキャリアテープにヒートシール状態で60〜80℃の環境下で24〜72時間程度のベーキング処理を行うようになってきている。一方、カバーテープには、生産性向上のためにキャリアテープに対して短時間でヒートシールするために、キャリアテープに熱接着するカバーテープの最表層であるヒートシール層には低温で軟化する熱可塑性樹脂が用いられている。そのため、従来のカバーテープでは前記条件のベーキング処理によって、ヒートシール層に収納部品が付着するという問題が生じて来ている。また、このベーキング処理によって、キャリアテープからカバーテープを剥離する際の剥離強度が上昇し、カバーテープが切れてしまう問題がある。
【0004】
ベーキング処理による部品付着の対策として、EVA系のヒートシール層にシリカ粒子を0.1〜50質量%添加することでヒートシール層の表面から微小粒子を突出させ熱可塑性樹脂と部品を接触させない方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら本方法は紙製のキャリアテープに対しては良好なシール性を示すものの、ポリスチレンやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂製のキャリアテープに対しては十分なヒートシール性を得ることが困難である。一方で、熱可塑性樹脂製のキャリアテープに対して用いるカバーテープでは、カバーテープのブロッキングを抑制する目的で、例えばポリメタクリル酸やポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などからなるヒートシール層にシリカ等の無機フィラーを添加する方法が提案されている(特許文献2,3参照)。しかしながら、これらの発明は、キャリアテープに電子部品を収納し60〜80℃の温度でベーキングした際の収納電子部品のカバーテープへの付着について考慮したものではなかった。カバーテープのベーキング時の問題については、ベーキングによってカバーテープが剥がれることを防止することを検討している例はあるが(特許文献4参照)、従来ベーキング時の収納部品のカバーテープへの付着は課題として検討されていなかった。
一方で、近年の電子部品の高速実装に伴って、キャリアテープからカバーテープを剥離する際にフィルム切れが起こるという問題があり、その対策として二軸延伸したポリエステルフィルムなどの基材とヒートシール層の間にポリプロピレンやナイロンやポリウレタンなどの耐衝撃性や引裂伝播抵抗に優れた層を設ける方法(特許文献5参照)が提案されている。しかしながらこれらの方法によっても前記のベーキング処理後にカバーテープをキャリアテープから剥離する際には、十分にフィルム切れを抑制することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−207988号公報
【特許文献2】特開平9−201922号公報
【特許文献3】特開平10−95448号公報
【特許文献4】特開平8−244839号公報
【特許文献5】特開2000−327024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ポリスチレンやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂製のキャリアテープに対する短時間のヒートシールで良好なシール性を有すると同時に、カバーテープをキャリアテープにヒートシールした状態で60〜80℃でベーキングした場合においても収納した電子部品がカバーテープに付着することがなく、且つベーキング後にカバーテープをキャリアテープから剥離する際に、テープ切れが起こりにくい、透明性の良好なカバーテープを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、これらの課題について鋭意検討した結果として、特定の範囲の酸価を有する熱可塑性樹脂に特定の粒子径分布の無機フィラーを添加したヒートシール層とすること等によって、前記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、少なくとも基材層と中間層とヒートシール層からなり、ヒートシール層を構成する酸価が1〜20mgKOH/gである熱可塑性樹脂100質量部に対して、メジアン径(D50)が50nm未満の無機フィラーを25〜50質量部、およびメジアン径(D50)が50〜300nmの無機フィラーを20〜60質量部含むことを特徴とするカバーテープである。ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が45〜80℃のアクリル系樹脂であり、無機フィラーがシリカ粒子であることが好ましい。また、中間層を構成する樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、その融点が70〜120℃であることが好ましく、中間層を構成する樹脂はメタロセン系触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンを含有するものが好ましい。
【0008】
一方でヒートシール層は、導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子、高分子系帯電防止樹脂、帯電防止剤、イオン性液体の少なくとも一つを含有し、ヒートシール層表面の表面抵抗値が10の12乗Ω以下であることが好ましい。更に、中間層とヒートシール層間に、導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子の少なくとも一つを含有した、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂からなる電荷移動層があるカバーテープが好ましい。
本発明は、前記のカバーテープを、熱可塑性樹脂からなるキャリアテープの蓋材として用いた電子部品包装体を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、ポリスチレンやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂製のキャリアテープに対する短時間のヒートシールで良好なシール性を有すると同時に、カバーテープをキャリアテープにヒートシールした状態で60〜80℃でベーキングした場合においても収納した電子部品がカバーテープに付着することがなく、且つベーキング後にカバーテープをキャリアテープから剥離する際に、テープ切れが起こりにくい、透明性の良好なカバーテープを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のカバーテープは、少なくとも基材層と中間層とヒートシール層からなる。基材層は、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)やポリナフタレート(PEN)等からなる層である。これらの基材層としては、帯電防止処理のための帯電防止剤が塗布または練り込まれたもの、またはコロナ処理や易接着処理などを施したものを用いることが出来る。またこれらの基材層の厚みが薄すぎると、カバーテープの引張強度が低くカバーテープを剥離する際に「フィルムの破断」を発生しやすい。一方厚すぎるとカバーテープの接着性の低下を招きやすく、またコスト上昇を招くため、通常12〜25μm厚みのものを好適に用いることが出来る。
【0011】
基材層とヒートシール層の間に設ける中間層を構成する樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステルランダム共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステルランダム共重合樹脂、エチレン−1−ブテンランダム共重合樹脂などのエチレン−α−オレフィン共重合樹脂などが挙げられるが、特に柔軟性と高い剛性を持ち常温での引裂き強度が高い直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の使用が好ましい。LLDPEには、チグラー型触媒で重合されたもの(t−LLDPE)、及びメタロセン系触媒で重合されたもの(m−LLDPE)があるが、m−LLDPEは高い引き裂き強度を有しているため、この樹脂を中間層に用いたカバーテープは、特にベーキング後にキャリアテープから剥離する際にカバーテープの切れが生じにくくなる点で好ましい。
【0012】
上記のm−LLDPEは、コモノマーとして炭素数3以上のオレフィン、好ましくは炭素数3〜18の直鎖状、分岐状、芳香核で置換されたα−オレフィンとエチレンとの共重合樹脂である。直鎖状のモノオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等が挙げられる。また、分岐状モノオレフィンとしては、例えば、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン等を挙げることができる。また、芳香核で置換されたモノオレフィンとしては、スチレン等が挙げられる。これらのコモノマーは、単独または2種以上を組み合わせて、エチレンと共重合することができる。この共重合では、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等のポリエン類を共重合させてもよい。この共重合樹脂中におけるα−オレフィン含有量は、1〜20モル%であることが一般的である。
【0013】
中間層にLLDPEを用いる場合、その樹脂の融点が70℃以上120℃以下のものが好ましく、さらに好ましくは融点が80℃以上110℃以下である。融点が120℃を超える場合、カバーテープをヒートシールする際に中間層が十分に軟化しきれないため、カバーテープを剥離する時の最大値と最小値の差(レンジ)が大きくなり過ぎてしまうことがある。一方、融点が70℃未満のLLDPEではカバーテープをヒートシールする際にヒートシールの熱および圧力によって中間層がカバーテープの端部からはみ出しやすく、ヒートシールコテの汚れを引き起こすことがある。この中間層の厚みは、10〜50μmが一般的であり、好ましくは10〜40μmである。中間層の厚みが10μm未満ではカバーテープの総厚が薄いために剥離時に破断する恐れがあり、50μmを超えるとカバーテープの総厚が厚いために、ヒートシールコテの熱がヒートシール層に届きにくくなりキャリアテープにカバーテープをヒートシールする際に十分な剥離強度を得ることが困難となる場合がある。
【0014】
本発明のヒートシール層は、後述する特定の熱可塑性樹脂100質量部に対して、メジアン径(D50)が50nm未満の無機フィラーを25〜50質量部、およびメジアン径(D50)が50〜300nmの無機フィラーを20〜60質量部含む樹脂組成物からなる。
【0015】
ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂、スチレン系樹脂、およびこれらの二種以上の混合樹脂、共重合樹脂が挙げられる。そして本発明においては、ヒートシール層を構成する樹脂の酸価が1〜20mgKOH/gの範囲内であることが重要である。ヒートシール層を構成する樹脂の酸価が1mgKOH/g未満の時、60〜80℃の温度における電子部品のベーキングにおいてもカバーテープへの電子部品の付着を抑制できなくなる。また、酸価が20mgKOH/gを超えるとポリスチレン製キャリアテープに対して十分な剥離強度が得られなくなる。
【0016】
酸価が1〜20mgKOH/gである熱可塑性樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのカルボキシル基を有する化合物を共重合する方法の他、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステルを加水分解することによりカルボキシル基を生成して酸価を付与する方法の他、マレイン酸を共重合した後に加水分解する方法等により、酸価を前記の範囲に調整した樹脂を得ることができ、市販の樹脂を用いることもできる。
【0017】
ヒートシール層に用いる樹脂成分として、アクリル系樹脂はキャリアテープを構成する樹脂であるポリスチレンやポリカーボネートなどに対して低温、且つ短時間でヒートシールした際のシール性に極めて優れており、また任意の酸価の樹脂が得られるという点で好ましい。特に、ガラス転移温度が45〜80℃、より好ましくは50〜75℃のアクリル系樹脂は、無機フィラーを添加することによって60〜80℃の温度環境下での電子部品付着を生じにくく、またポリスチレンやポリカーボネート材に対するヒートシール性にも優れている。
【0018】
ヒートシール層を構成するアクリル系樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル、クロトン酸エステルなどのα,β―エチレン性不飽和モノカルボン酸の一種以上を重合した樹脂であり、これらの二種以上を共重合した樹脂であってもよい。
【0019】
本発明のヒートシール層に添加する無機フィラーは、球状または破砕形状のタルク粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、マイカ粒子、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの無機フィラーである。特にシリカ粒子は、本願が目標とする粒子径が得られやすく、分散性が良好であり、またヒートシール層に添加した際の透明性の低下が少ないことから、より好適に用いることができる。
【0020】
無機フィラー、特にシリカ微粒子をプロピレンオキサイドで変性されたポリシロキサン、あるいはエチレンオキサイドで変性されたポリシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族オキサイド変性ポリシロキサンで表面処理することがより好ましい。無機フィラーの表面をこれらのポリシロキサンで処理することによって、ヒートシール層を構成する樹脂と無機フィラー間の密着性が強くなるために、ヒートシール層の機械的強度を向上させることができ、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に安定した剥離強度が得られやすい。
【0021】
本発明においては、前記のように樹脂成分100質量部に対して、メジアン径(D50)が50nm未満の前記の無機フィラーを25〜50質量部、およびメジアン径(D50)が50〜300nmの前記の無機フィラーを20〜60質量部含む樹脂組成物からなる。
ヒートシール層に前記の粒子径を有する無機フィラーを含有させることにより、カバーテープを巻いた時のブロッキングを抑制できるばかりでなく、キャリアテープに収納した電子部品からの水分除去を目的とした60〜80℃のベーキング処理の際に収納部品のカバーテープへの付着を抑えることが可能になる。また、粒子径の異なるフィラーを添加することによって、前記の収納部品の付着抑制効果に加えて、カバーテープの透明性の低下を抑制できるため、キャリアテープに収納した電子部品の印字や、電子部品のリード曲がり等の検査をカバーテープ越しに行うことができる。
【0022】
本発明では、ヒートシール層に導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子、高分子系帯電防止樹脂、帯電防止剤、イオン性液体の少なくとも一つを含有させることにより、ヒートシール層表面の表面抵抗値を10の12乗Ω以下とすることができる。導電性酸価錫粒子、導電性酸価亜鉛粒子、導電性酸価チタン粒子は、球状、あるいは針状のものを用いることができる。球状のものでは重量平均一次粒径が300nm以下、針状のものでは短径が300nm以下であり、好ましくは球状のものではメジアン径(D50)が200nm以下、針状のものでは短径が200nm以下である。粒子径、あるいは短径が300nmを超えるとカバーテープの透明性が低下し、キャリアテープに収納した部品をカバーテープ越しに確認することが困難になることがある。添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、100〜1000質量部、好ましくは、200質量部〜600質量部である。添加量が100質量部未満の場合、導電性粒子を添加しても10の12乗Ω以下の表面抵抗値が得られにくい。また、1000質量部を超えるとコストアップを招くだけでなく、相対的な熱可塑性樹脂の量が減少するため、ヒートシールによる十分な剥離強度を得ることが困難になる。
【0023】
カーボンナノチューブを用いる場合、添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して2〜15質量部であり、好ましくは3〜10質量部である。添加量が2質量部未満の場合カーボンナノチューブの添加による導電性付与の効果が十分ではなく、一方15質量部を越えるとコストの上昇を招くだけでなく、カバーテープの透明性の低下を招き、収納部品をカバーテープ越しに検査することが困難になることがある。導電性高分子は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどである、導電性高分子を用いる場合、その添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して2〜20質量部であり、好ましくは3〜10質量部である。添加量が2質量部未満の場合、導電性高分子の添加による導電性付与の効果が十分ではなく、一方20質量部を越えるとコストが高くなるばかりで無く、カバーテープの透明性の低下を招き、収納部品をカバーテープ越しに検査することが困難になることがある。
【0024】
高分子系帯電防止剤は、ポリスチレンスルホン酸、四級アンモニウム塩基を側鎖に有するアクリル系樹脂などである。高分子系帯電防止樹脂を用いる場合、その添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して20〜100質量部であり、好ましくは30〜60質量部である。添加量が20質量部未満の場合、高分子系帯電防止樹脂の添加による導電性付与の効果が十分ではなく、一方100質量部を越えるとコストの上昇を招くだけでなく、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック製キャリアテープへのヒートシールによる十分な剥離強度を得ることが困難になりやすい。帯電防止剤は、非イオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系などの各種帯電防止剤を使用することができる。帯電防止樹脂を用いる場合、その添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部であり、好ましくは1〜3質量部である。添加量が0.5質量部未満の場合、高分子系帯電防止樹脂の添加による導電性付与の効果が十分ではなく、一方5質量部を越えるとポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック製キャリアテープへのヒートシールによる十分な剥離強度を得ることが困難になり、またカバーテープを剥離する際に剥離強度のバラツキが大きくなりやすい。イオン性液体は、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系などの各種を使用することができる。イオン性を用いる場合、その添加量はヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。添加量が0.5質量部未満の場合、イオン性液体の添加による導電性付与の効果が十分ではなく、一方10質量部を越えるとコストの上昇を招くだけでなく、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック製キャリアテープへのヒートシールによる十分な剥離強度を得ることが困難になりやすい。
【0025】
本発明のカバーテープのヒートシール層の乾燥後の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、更に好ましくは0.15〜0.5μmの範囲である。ヒートシール層の厚さが0.1μm未満の時、ヒートシール層が十分な剥離強度を示さないことがある。一方、ヒートシール層の厚さが5μmを越える場合には、コストの上昇を招き易く、またカバーテープを剥離する際に剥離強度のバラツキを生じやすい。
【0026】
本発明では、中間層とヒートシール層の間に電荷移動層を設けることもできる。電荷移動層は、導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子の少なくとも一つを含有した、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂からなる。アクリル系樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステルなどの一種以上を重合した樹脂であり、これらの二種以上を共重合した樹脂であってもよい。エステル系樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのジアルコールを縮重合した樹脂であり、これらの二種以上を共重合した樹脂で有っても良い。またジカルボン酸と、ポリエチレングリコールを縮重合したポリエチレンエラストマーを使用することもできる。オレフィン系樹脂は、エチレン成分を50質量%以上含む、エチレンとアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルを共重合した樹脂、およびスチレンーブタジエンの共重合物を水素添加したオレフィン成分を50質量%以上含む樹脂を好適に使用することができる。
【0027】
電荷移動層で用いる前記の導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子は、ヒートシール層と同様の種類のものを、同様の添加量用いることができる。電荷移動層の厚みは、0.2〜2μmが好ましく、0.5〜1.5μmがより好ましい。電荷移動層の厚みが0.2μm未満の時、電荷移動層による静電気拡散効果が十分に発現しないことがある。一方、電荷移動層の厚みが2μmを超えるとコストの上昇を招き、またカバーテープの透明性の低下を生じやすい。
【0028】
本発明のカバーテープを作成する方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を用いることができる。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレンイミンなどのアンカーコート剤を基材層の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に塗布しておき、中間層となるm−LLDPEを主成分とする樹脂組成物をTダイから押出し、アンカーコート剤の塗布面にコーティングすることで、基材層と中間層から成る二層フィルムとする。さらに中間層の表面に、本発明のヒートシール層を構成する樹脂組成物を例えばグラビアコーター、リバースコーター、キスコーター、エアナイフコーター、メイヤーバーコーター、ディップコーター等によりコーティングすることで目的とするカバーテープを得ることが出来る。この場合、塗工する前に、中間層表面をコロナ処理やオゾン処理することが好ましく、特にコロナ処理することが好ましい。
【0029】
他の方法として、中間層をTダイキャスト法、あるいはインフレーション法などで製膜しておき、二軸延伸PETフィルムと、それぞれのフィルムをポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィンなどのアンカーコート剤を介して接着するドライラミネート法により目的とするカバーテープを得ることもできる。
【0030】
更に他の方法としてサンドラミネート法によっても、目的とするカバーテープを得ることが出来る。即ち、中間層1を構成するフィルムをTダイキャスト法、あるいはインフレーション法などで製膜する。次にこの中間層フィルムと基材層フィルムとの間に、溶融したm−LLDPEを主成分とする樹脂組成物を供給して中間層2を形成し、基材層/中間層2/中間層1の構成の積層フィルムを作成する。その中間層1側の面上に、前記と同様の方法でヒートシール層を形成してカバーテープを得る方法である。この方法の場合も、前記の方法と同様に、基材層フィルムの積層する側の面にアンカーコート剤をコーティングしたものを用いるのが一般的である。
【0031】
前記の工程に加えて、必要に応じて、少なくともカバーテープの片面に帯電防止処理を行うことが出来る。帯電防止剤として、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、ベタイン系などの界面活性剤型帯電防止剤や、高分子型帯電防止剤及び導電剤などをグラビアロールを用いたロールコーターやリップコーター、スプレー等により塗布することが出来る。また、これらの帯電防止剤を均一に塗布するために、帯電防止処理を行う前に、フィルム表面をコロナ放電処理やオゾン処理することが好ましく、特にコロナ放電処理が好ましい。
【0032】
カバーテープは、電子部品の収納容器であるキャリアテープの蓋材として用いる。キャリアテープとは、電子部品を収納するための窪みを有した幅8mmから100mm程度の帯状物である。カバーテープを蓋材としてヒートシールする場合、キャリアテープ材質としては、特に限定されず、市販のものを用いることができ、例えばポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等を使用することができる。キャリアテープは、やカーボンナノチューブを樹脂中に練り込むことにより、導電性を付与したもの、帯電防止剤や導電フィラーが練り込まれたもの、あるいは表面に界面活性剤型の帯電防止剤やポリピロール、ポリチオフェンなどの導電物をアクリルなどの有機バインダーに分散した塗工液を塗布し、帯電防止性を付与したものも用いることが出来る。
【0033】
本発明の電子部品包装体は、例えば、キャリアテープの電子部品収納部に電子部品等を収納した後にカバーテープを蓋材とし、カバーテープの長手方向の両縁部を連続的にシールして包装し、リールに巻き取ることで得られる。この形態に包装することで電子部品等は保管、搬送される。電子部品等を収納した電子部品包装体は、キャリアテープの長手方向の縁部に設けられた送り用の孔で搬送しながら断続的にカバーテープを引き剥がし、ピックアップ装置により電子部品等の存在、向き、位置を確認しながら取り出すことができる。
【0034】
更に、カバーテープを引き剥がす際には、剥離強度があまりに小さいとキャリアテープから剥がれてしまい、収納部品が脱落してしまう恐れがあり、あまりに大きいとキャリアテープとの剥離が困難になると共にカバーテープ剥離作業時に破断が発生する恐れがあるため、120〜220℃でヒートシールした場合0.05〜1N/mmの剥離強度を有するものが好ましい。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例のカバーテープの原料として、以下の樹脂及び導電材を用いた。
(中間層樹脂)
(a)-1: m−LLDPE:LL−UL(フタムラ化学社製),厚み40μm,融点102℃
(a)-2: m−LLDPE:UL−1(タマポリ社製),厚み40μm,融点108℃
(a)-3: t−LLDPE:GA807(住友化学社製),厚み40μm,融点117℃
(a)-4: m−LLDPE:HR543(KFフィルム社製),厚み40μm,融点123℃
なお、中間層の融点についてはJIS K7122の方法に準じて、測定した値である。
【0036】
(電荷移動層樹脂)
(b)-1: 樹脂組成物1:RMd−142(ソルベックス社製),ポリエステル樹脂,ポリエステル樹脂100質量部に対してアンチモンドープ酸化錫200質量部を含有
(b)-2: 樹脂組成物2:AT−161SE−20(ユニチカ社製),マレイン酸変性エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、樹脂100質量部に対して導電性酸化錫160質量部を含有
(電荷移動層中に配合する導電材)
(C) 導電性フィラー1:パストラン(三井金属鉱業社製),球状アンチモンドープ酸化錫,メジアン径(D50)20nm
【0037】
(ヒートシール層の樹脂)
(d)-1: アクリル樹脂1:ダイヤナールBR-116(三菱レイヨン社製),ガラス転移温度50℃、酸価7mgKOH/g
(d)-2: アクリル樹脂2:ダイヤナールBR-106(三菱レイヨン社製),ガラス転移温度50℃、酸価3.5mgKOH/g
(d)-3: アクリル樹脂3:ダイヤナール BR−77(三菱レイヨン社製),ガラス転移温度80℃、酸価18.5mgKOH/g
(d)-4: アクリル樹脂4:ダイヤナールBR-84(三菱レイヨン社製),ガラス転移温度105℃,酸価6.5mgKOH/g
(d)-5: アクリル樹脂5:ダイヤナールBR-107(三菱レイヨン社製),ガラス転移温度 50℃,酸価0mgKOH/g
(d)-6: アクリル樹脂6:ARUFON UC−3000(東亜合成社製),ガラス転移温度65℃、酸価74mgKOH/g
(ヒートシール層に添加する無機フィラー)
(e)-1: 無機フィラー:NanoBYK3650(ビックケミージャパン社製),シリカフィラー,メジアン径(D50)20nm
(e)-2: 無機フィラー:MEK−ST−ZL(日産化学社製),シリカフィラー,メジアン径(D50)100nm
(e)-3: 無機フィラー:MEK−ST−2040(日産化学社製),シリカフィラー,メジアン径(D50)200nm
(ヒートシール層に添加する導電フィラー)
(f): 導電性フィラー:FSS-10M(石原産業社製),針状アンチモンドープ酸化錫,メジアン径(D50)平均長径2μm、平均短径0.1μm
【0038】
(実施例1)
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に、グラビア法によってポリエステル系のアンカーコート剤を塗工した後、メタロセン触媒にて重合した前記[(a)−1:m−LLDPE]からなる厚み40μmのフィルムをドライラミネーション法により積層し、二軸延伸ポリエステル層とm−LLDPE層からなる積層フィルムを得た。このフィルムのm−LLDPE面にコロナ処理を施した。導電性酸化錫を含有したポリエステル樹脂エマルジョン[(b)−1:樹脂組成物]100質量部に対して、アンチモンドープ酸化錫分散水溶液[導電性フィラー(c)]50質量部を添加した混合物を作成し、該混合物をグラビア法にて前記積層フィルムのコロナ処理側の面に乾燥厚みが0.2μm厚みになるように塗工し、電荷移動層とした。さらに、その電荷移動層の塗工面上に、ヒートシール層としてメタクリル酸ブチルとメタクリル酸メチルのランダム共重合樹脂[(d)−1:アクリル樹脂]100質量部と、[(e)−1:無機フィラー]50質量部、[(e)−2:無機フィラー]20質量部を2−ブタノンに溶解した溶液を、乾燥後の厚みが0.6μmになるように塗工することにより、帯電防止能を有するキャリアテープ用カバーテープを得た。
【0039】
(実施例2〜11、比較例1〜5)
中間層、電荷移動層またはヒートシール層の原料として、表1または表2に記載した樹脂または樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてカバーテープを作成した。
【0040】
(評価方法)
各実施例及び各比較例で作製した電子部品のキャリアテープ用カバーテープについて下記に示す評価を行った。これらの結果を表1及び表2にまとめて示した。
(1)曇価
JIS K 7105:1998の測定法Aに準じて、積分球式測定装置を用いて曇価を測定した。結果を表1から表2の曇価の欄に示す。
(2)ベーキング耐性
水平に張ったカバーテープのヒートシール層面上に電子部品(スタンレー社製LED:1.6mm×0.8mm)を50個載せ、80℃環境下に24時間投入した。80℃環境から取り出した後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に1時間放置し、同じく温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でカバーテープを逆さにし、電子部品がカバーテープに付着した個数を数えた。カバーテープに付着した部品の数が0〜5個の範囲にあるものを「優」とし、6〜10個の範囲にあるものを「良」とし、10個を超えるものを「不良」として表記した。
(3)シール性
テーピング機(渋谷工業社、ETM−480)を使用し、シールヘッド幅0.5mm×2、シールヘッド長32mm、シール圧力0.1MPa、送り長4mm、シール時間0.1秒×8回にてシールコテ温度140℃から190℃まで10℃間隔で5.5mm幅のカバーテープを8mm幅のポリカーボネート製キャリアテープ(電気化学工業社製)、及びポリスチレン製キャリアテープ(電気化学工業社製)にヒートシールした。温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間放置後、同じく温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて毎分300mmの速度、剥離角度180°でカバーテープを剥離した。140℃および190℃のシールコテ温度でヒートシールした時の平均剥離強度が0.3〜0.9Nの範囲にあるものを「優」とし、140℃あるいは190℃のいずれかのシールコテ温度でヒートシールした時の平均剥離強度が0.3〜0.9Nの範囲にあるものを「良」とし、上記以外の平均剥離強度のものを「不良」として表記した。
(4)低温シール性
前記(3)シール性と同条件において、ポリカーボネート製キャリアテープに対し160℃でヒートシールを行い0.4N以上の剥離強度が得られたものについては「優」、0.2N以上〜0.4N未満の剥離強度のものについては「良」、0.2N未満の剥離強度のものについては「不良」とした。
(5)ベーキング処理後の切れ耐性
前記(3)シール性と同条件において、ポリスチレン製キャリアテープに対し剥離強度が0.5N、1.0N、1.5Nに成るようにヒートシールを行い、80℃環境下に24時間投入した。取り出し後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間放置しカバーテープをシールしたキャリアテープを550mmの長さで切り取り、両面粘着テープを貼った垂直な壁にキャリアテープのポケット底部を貼り付けた。貼り付けてあるキャリアテープの上部からカバーテープを50mm剥がし、カバーテープをクリップで挟み、このクリップに質量1000gの重りを取り付けた。その後、重りを自然落下させた時に、初期剥離強度が1.5Nでもカバーテープが切れなかったものを「優」、初期剥離強度1.0Nでカバーテープが切なかったものを「良」、剥離強度が1.0Nで切れが観察されたものを「不良」として表記した。また、シール温度が220℃で剥離強度が1.0Nに満たなかったものについては「未評価」として表記した。
(6)表面抵抗値
三菱化学社のハイレスタUPMCP−HT450を使用しJIS K6911の方法にて、雰囲気温度23℃、雰囲気湿度50%RH、印加電圧10Vでヒートシール層の表面抵抗値を測定した。結果を表1から表2の表面抵抗値の欄に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のカバーテープは、電子部品の他に、各種小型電気部品にも適応できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材層と中間層とヒートシール層からなり、ヒートシール層を構成する酸価が1〜20mgKOH/gである熱可塑性樹脂100質量部に対して、メジアン径(D50)が50nm未満の無機フィラーを25〜50質量部、およびメジアン径(D50)が50〜300nmの無機フィラーを20〜60質量部含むことを特徴とするカバーテープ。
【請求項2】
ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が45〜80℃のアクリル系樹脂であり、無機フィラーがシリカ粒子であることを特徴とする、請求項1に記載のカバーテープ。
【請求項3】
中間層を構成する樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、その融点が70〜120℃である請求項1または請求項2に記載のカバーテープ。
【請求項4】
中間層を構成する樹脂がメタロセン系触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンを含有する請求項3に記載のカバーテープ。
【請求項5】
ヒートシール層が、導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子、高分子系帯電防止樹脂、帯電防止剤、イオン性液体の少なくとも一つを含有し、ヒートシール層表面の表面抵抗値が10の12乗Ω以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のカバーテープ。
【請求項6】
中間層とヒートシール層間に、導電性酸化錫粒子、導電性酸化亜鉛粒子、導電性酸化チタン粒子、カーボンナノチューブ、導電性高分子の少なくとも一つを含有した、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂からなる電荷移動層があることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカバーテープ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のカバーテープを、熱可塑性樹脂からなるキャリアテープの蓋材として用いた電子部品包装体。

【公開番号】特開2011−225263(P2011−225263A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98573(P2010−98573)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】