カバー装置及び電子機器
【課題】カバーが電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすくかつ電源ボタン等の外観を綺麗に見せることができる技術を提供すること。
【解決手段】メインユニット本体201に着脱可能なフロントカバー202に、当該メインユニット201に設けられた第1の電源ボタン204を押圧可能な第2の電源ボタン206が設けられている。したがって、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも外れた状態でも、第1の電源ボタン204(または第2の電源ボタン206)を押しやすく、また、そのどちらの状態でもメインユニット200の外観が綺麗になる。
【解決手段】メインユニット本体201に着脱可能なフロントカバー202に、当該メインユニット201に設けられた第1の電源ボタン204を押圧可能な第2の電源ボタン206が設けられている。したがって、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも外れた状態でも、第1の電源ボタン204(または第2の電源ボタン206)を押しやすく、また、そのどちらの状態でもメインユニット200の外観が綺麗になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載されるカバー装置及び当該電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な電子機器のほとんどには電源スイッチ用の押しボタンが設けられている。パーソナルコンピュータ等、あるいはテレビの電子機器に搭載された電源スイッチ用の押しボタンは、ユーザが見えやすいように、その内部からLED(Light Emitting Diode)等により発光するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、最近の電子機器のうち、例えば携帯電話や、パーソナルコンピュータの周辺機器等では、製品の外観をユーザの好みの色や模様にするために、着せ替えパネルや装飾板が商品として市場に流通している。このような着せ替えパネル等は、機器本体の損傷を防ぐためのカバーとしても機能する(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−62559号公報(段落[0013]、図1)
【特許文献2】特開平10−322426号公報(段落[0015]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、機器本体の外観上に、上記したような電源スイッチ用の押しボタン(以下、電源ボタンという。)が設けられる場合、その電源ボタンを露出させるために上記カバーに穴が開けられることが考えられる。しかしながら、その場合、機器本体の表面からの電源ボタンの高さを最適に設定しないと、例えば電源ボタンの高さが低すぎる場合、カバーが機器本体に装着されたときに、電源ボタンがカバー内に埋もれてしまう。これでは、ユーザが電源ボタンを押しにくくなる。また、カバーが機器本体に装着されたときに電源ボタンの高さが最適であっても、カバーが外されたときには、カバー自体の厚みによっては機器本体から電源ボタンが突出している状態となる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、カバーが電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすくかつ電源ボタン等の外観を綺麗に見せることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るカバー装置は、第1の電源ボタンを有する電子機器本体に装着可能なカバー板と、前記カバー板に設けられ、前記電子機器本体に前記カバー板が装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンとを具備する。
【0008】
本発明では、カバー板に第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンが設けられているので、カバー装置が電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすく、また、そのどちらの状態でも電子機器の外観が綺麗になる。
【0009】
本発明のカバー装置は、必ずしも上記特許文献2のような「着せ替え」を前提としているわけではない。カバー装置が電子機器本体に装着された状態でも外された状態でもどちらの状態においても、ユーザが電子機器を使用することができる、ということをむしろ趣旨としている。
【0010】
例えば、第1の電源ボタンと第2の電源ボタンとで、形状、模様または色彩等の形態が異なれば、ユーザは、さらに美観を楽しむことができる。
【0011】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有する。これにより、ユーザにより第2の電源ボタンが押されて、突起部の表面が第1の電源ボタンに当接しても、第1の電源ボタンに傷が付きにくい。
【0012】
本発明において、前記突起部は、可視光を透過する材料で構成される。本発明では、突起部は、第1の電源ボタンを傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。例えば、電子機器本体の第1の電源ボタン付近に発光素子が設けられていれば、突起部によりその光が集められる。したがって、第2の電源ボタンを効率良く光らせることができる。
【0013】
「透過」とは、入射光の100%近くまで透過する必要はなく、その透過率は、突起部の形状や材料により適宜設定される。
【0014】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、外観上露出する露出面と、前記突起部から前記露出面に前記可視光を導く導光部とを有する。導光部により可視光が均一に導かれるため、露出面の光のムラを抑えることができ、露出面の美観が向上する。
【0015】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、外観上露出する露出面と、前記露出面と反対側に設けられ前記可視光を吸収する部位を有する反対面と、前記反対面に設けられ前記可視光を透過する透過部とを有する表面部材と、前記反対面に接合され、前記突起部から前記可視光を導き、前記透過部を介して前記表面部材に前記可視光を入射させる導光体とを有する。導光体により可視光が均一に導かれ、その光の一部が反対面の吸収する部位で吸収され、一部が透過部から表面部材に入射する。これにより、第2の電源ボタンから外部への光の漏れを抑えつつ、露出面の光のムラを抑えることができる。
【0016】
本発明に係る電子機器は、第1の電源ボタンを有する本体と、前記本体に装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンを有するカバーとを具備する。
【0017】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有する。その場合、電子機器は、前記本体に内蔵され、前記本体の内側から前記第1の電源ボタンに可視光を照射する発光素子をさらに具備し、前記第1の電源ボタンは、前記照射された前記可視光を透過する第1の材料で構成され、前記突起部は、前記第1の電源ボタンから出射された前記可視光を透過する第2の材料で構成される。突起部は、第1の電源ボタンを傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。これにより、第1の電源ボタンから出射された可視光が突起部により集められ、第2の電源ボタンを効率良く光らせることができる。第1の材料と第2の材料は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、カバーが電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすくかつ電源ボタン等の外観を綺麗に見せることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、このパーソナルコンピュータ100は、第1のユニットとしてのメインユニット200と、第2のユニットとしてのアクセスユニット300と、これらメインユニット200とアクセスユニット300とを接続するためのケーブル400とを有する。このパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200とアクセスユニット300とが物理的に分離し、メインユニット200とアクセスユニット300とがケーブル400を介して電気的に接続されている。
【0022】
メインユニット200は、CPUなどが搭載されたデータ処理部としてのマザーボード210と、ハードディスクドライブ装置221〜224(図示されていないが主として4台)と、パーソナルコンピュータ100を構成する各部に電力を供給するための電源供給部230と、パーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための第1の電源スイッチ240とを有する。
【0023】
マザーボード210には、第1の電源スイッチ240と後述するアクセスユニット300側の第2の電源スイッチとを同一の機能とするための、つまり第2の電源スイッチもパーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための電源スイッチとして機能させるためのシステム電源コントロール回路211を有する。
【0024】
電源供給部230は、メインユニット200の各部ばかりでなく、ケーブル400を介してアクセスユニット300の各部へも電力を供給している。
【0025】
図1及び図13に示すように、アクセスユニット300は、CDやDVDなどの光学的記録媒体が着脱自在で光学的記録媒体からのデータの読み出し及び光学的記録媒体へのデータの書き込みを行うためのドライブ装置としての光ディスクドライブ装置311、312(図示されていないが2台)と、IEEE1394ポート320と、USBポート331〜334(図示されていないが4個)と、各種の可搬タイプのフラッシュメモリカードからのデータの読み出し及びフラッシュメモリカードへのデータの書き込みを行うためのマルチカードリーダ340(ドライブ装置の一つ)と、PCMCIAカードからのデータの読み出し及びPCMCIAカードへのデータの書き込みを行うためのPCMCIAカードバス350(ドライブ装置の一つ)と、マイク端子362及びヘッドホン端子361と、パーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための第2の電源スイッチ370とを有する。
【0026】
光ディスクドライブ装置311、312はSATA/PATAコントローラ313を介して、IEEE1394ポート320は1394コントローラ321を介して、USBポート331〜334及びマルチカードリーダ340はUSBコントローラ325を介して、PCMCIAカードバス350はPCMCIAカードバスコントローラ351を介して、メインユニット200のマザーボード210と接続される。
【0027】
モニタ501及びスピーカ502は、メインユニット200に接続され、キーボード503及びマウス504は、USBポート331〜334を介してメインユニット200及びアクセスユニット300のいずれにも接続可能である。
【0028】
図2は図1に示したメインユニット200の内部構成を示す平面図、図3はメインユニット200の正面図である。
図2に示すように、メインユニット200は、平面からみて左右に領域が分かれている。ここで、メインユニット200の正面から見て左側の領域を第1の領域251、メインユニット200の正面から見て右側の領域を第2の領域252とする。
【0029】
第1の領域251には、マザーボード210が底部に配置され、第2の領域252の電源供給部230と隣接する領域253には、拡張ボード254が最大5枚配置可能である。拡張ボード254は、マザーボード210の拡張ボード用のソケット(図示せず)に挿入されマザーボード210から立てた状態で配置される。そして、メインユニット200の背面側に拡張ボード254の外部とのインターフェース面が露出するようになっている。
【0030】
第1の領域251の正面側には、2つの冷却用のファン255、256が配置されている。ファン255は、主としてマザーボード210を冷却するためのファンであり、ファン256は、主として拡張ボード254を冷却するためのファンである。この実施形態では、ファン255の方がファン256よりも大きく、より多くの熱を発生するCPUを搭載するマザーボード210の方の冷却能力が高められている。第1の領域251の背面側は、多数の孔が設けられた板金からなり(図示を省略)、この孔が実質的に第1の領域251における排気口である。
【0031】
なお、第1の領域251の背面側左隅上部には、ハードディスクドライブ装置257が上部から吊り下げられるように2台上下に重ねて搭載可能とされている。
【0032】
第2の領域252では、第2の領域252の正面側にハードディスクドライブ装置221〜224を収容するケース260が配置され、第2の領域252の背面側に電源供給部230が配置されている。
【0033】
ケース260は、図4に示すように、上下左右を複数の孔が設けられた板金で囲まれ正面側と背面側が開口するケース本体261と、ケース本体261の正面側の開口に着脱可能に設けられ、複数の孔(実質的に第2の領域252における吸気口)が設けられた板金からなる蓋262とを有する。このケース260内にハードディスクドライブ装置221〜224が立てた状態でスライドして収容し、ハーネス(図示せず)により接続する。従って、このパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200の正面側からハードディスクドライブ装置221〜224の着脱が可能である。
【0034】
第2の領域252の背面側に配置された電源供給部230の上部には、冷却用のファン263が設けられている。冷却用のファン263は、電源供給部230内に気体を吸引する。電源供給部230内に吸引された気体は、メインユニット200の背面側から排出される。
【0035】
電源供給部230が配置された空間は、例えばPETからなる遮蔽部材264により覆われている。遮蔽部材264は、例えば電源供給部230が配置された空間の上部及び第1の領域251とを仕切る部材である。遮蔽部材264は、第1の領域251側の上部で第1の領域251側の拡張ボード254に対応する位置に多数の孔265が設けられている。この孔265は、冷却ファン263が第1の領域251側から気体を引き込むためのものである。これにより、拡張ボード254を補助的に冷却することが可能である。また、遮蔽部材264の下部の所定の位置には第1の領域251側からハーネス(図示せず)を通すための孔(切欠き)266が設けられている。
【0036】
以上のケース260の第1の領域251側の壁、及び、遮蔽部材264の第1の領域251側の壁により、第1の領域251と第2の領域252とが遮蔽されている。これにより、第1の領域251と第2の領域252とをそれぞれ個別的に冷却制御をすることができる。すなわち、より細やかな冷却制御を行うことができ、冷却効率の向上及びファンの騒音の低減を図ることができる。
【0037】
図3に示すように、メインユニット200の正面の第1の領域251側には、その下部にIEEE1394ポート271、4つのUSBポート272〜275、RCA端子276〜278、S−VIDEO端子279が水平方向に順番に配置されている。また、その中段の左端側(第2の領域252とは反対側)には、第1の電源ボタン204が配置されている。また、第1の電源ボタン204の近傍には、例えばハードディスクドライブ装置221〜224のアクセス処理時に点灯あるいは点滅するアクセスランプ窓205が配置されている。
【0038】
図5は、メインユニット200の一部を分解した斜視図である。図6は、図3におけるA−A線断面図である。なお、図6においては、メインユニット200内の機器や部材は図示をほぼ省略している。図7は、メインユニット200の右側から見た側面図である。
【0039】
図5に示すように、メインユニット200は、本体201と、フロントカバー202とを備えている。メインユニット200の正面の第1の領域251に対応する表面には、縦方向に冷却用の気体を内部に導入するための縦孔281が多数設けられたプラスチック製の通気カバー280が配置されている。メインユニット200の正面の第2の領域252に対応する表面には、プラスチック製のカバー282が着脱可能に配置されている。
【0040】
カバー282は、例えばカバー282の右端(第1の領域251とは反対側)裏面の上下に設けられた突起部(図示せず)がメインユニット200の対応する位置に設けられた穴(図示せず)に係合し、かつ、カバー280のカバー282と隣接する位置に設けられたスライドスイッチ203がカバー282側に突出することで、カバー282がメインユニット200に固定されるようになっている。カバー282を外し、図4に示したように蓋262を外すことで、ハードディスクドライブ装置221〜224をメインユニット200の正面から出し入れできる。
【0041】
メインユニット200の正面には、その正面全体を覆う上記フロントカバー202が着脱可能となっている。フロントカバー202は、そのほぼ全てを構成するカバー板283と、第2の電源ボタン206とを有する。
【0042】
カバー板283は、その上下に傾斜面284、285を有する。各傾斜面284、285には、IEEE1394ポート271、USBポート272〜275、RCA端子276〜278、S−VIDEO端子279にアクセス可能とするため、及び気体を流通可能とするための孔286、287がそれぞれ3つ設けられている。
【0043】
カバー板283の左端には、例えば2つの係合突起288が設けられ、右端にも2つの係合突起289が設けられている。これら係合突起288及び289は、図5に示すように、本体201の左端に設けられた2つの係合溝290、及び、本体201の右端に設けられた2つの係合溝291にそれぞれ係合する。これにより、フロントカバー202は、本体201に固定される。
【0044】
図8は、係合突起289及び係合溝291の構成を示す拡大断面図である。図9は、係合突起288及び係合溝290の構成を示す拡大断面図である。つまり、図8は、図6における破線Aで囲まれた部分の拡大図であり、図9は、破線Bで囲まれた部分の拡大図である。
【0045】
図8に示すように、カバー板283の右側面には、このフロントカバー202を本体201から取り外すためのリリースボタン213が配設されている(図7参照)。リリースボタン213の一端部213aは、カバー板283の裏面に固定され、他端部213bは、自由端となっている。この自由端である他端部213bは、係合突起289に当接している。係合突起289の先端には外側に突出した爪部289aが設けられている。一方、図9に示すように、カバー板283の左側面には、上記したリリースボタン213のような機能はない。係合突起289の先端には外側に突出した爪部288aが設けられている。
【0046】
係合突起289が係合溝291に挿入され、爪部289aが、本体201に設けられた係合穴214に挿入され、また、係合突起288が係合溝290に挿入され、爪部288aが、本体201に設けられた係合穴215に挿入される。これにより、フロントカバー202は、本体201の正面に装着される。
【0047】
図6に示すように、係合突起289の長さmは、係合突起288の長さnより短く形成されている。これは、ユーザがフロントカバー202を本体201に装着する時に、長い方の係合突起288を、短い方の係合突起289より先に、本体201に係合して両者が離れにくいようにし、安定させておくためである。係合突起288が係合溝290に係合して安定した状態で、ユーザは、係合突起289を係合溝291に係合させる。
【0048】
フロントカバー202を本体201から取り外すときは、ユーザはリリースボタン213を押しながら、フロントカバー202の右端を本体201から離す。具体的には、リリースボタン213が押されることにより、図8に示すように、自由端である他端部213bが係合突起289を本体201の内側へ押す。これにより、爪部289aが係合穴214から離れるので、係合突起289は、係合溝291から抜き出される。その後、ユーザは、係合突起288を係合溝290から抜き出すことにより、フロントカバー202を外すことができる。特に、メインユニット200が縦置きにされたときに、ユーザは、このようなフロントカバー202の着脱動作を行いやすい。「縦置き」とは、メインユニット200の第1の領域251を下、第2の領域252を上にして、本体201を立てるように置かれた状態をいう。
【0049】
図5に示すように、係合突起289、290について、それらのZ方向の長さが、X方向の長さ(厚さ)より十分に長く設定されている。これにより、係合突起289、290のZ方向の強度を保つことができるので、Z方向への応力が加わったとしても折れ曲がる心配はない。例えばユーザがカバー板283の孔287に手を入れて、フロントカバー202のみを持ってメインユニット200をZ方向に持ち上げようとしたときであっても問題ない。
【0050】
図10は、このフロントカバー202の裏側を示す斜視図である。図10に示すように、カバー板283の裏面の中央には、補強用の凸部294がカバー板283のほぼ左端と右端との間を連ねるように設けられている。この凸部294によりフロントカバー202の裏面では、上下に壁部292、293が分断されている。各壁部292、293には、カバー板283の左端と右端との間に複数の円形の穴295が千鳥状に2列設けられている。これらの穴295の奥には、穴295の直径より大きな寸法の図示しない空洞部がそれぞれ設けられている。当該空洞部は各穴295ごとに設けられ、各穴295に連通している。穴295の深さや空洞部の深さ等が適宜設定されることでヘルムホルツ共鳴器が構成され、これにより、本体201の内部の各種の機器から発生する騒音が吸収される。なお、上記カバー282(図5参照)の裏面側にも、このようなヘルムホルツ共鳴器が設けられていてもよい。
【0051】
図6に示すように、上記第2の電源ボタン206は、フロントカバー202が本体201に装着されたときに、本体201に設けられた第1の電源ボタン204に対応する位置に配置されている。図11は、第1の電源ボタン204及び第2の電源ボタン206を示す拡大断面図である。
【0052】
第1の電源ボタン204は、被押圧部材218と導光部材219とを備えている。被押圧部材218は、上述した通気カバー280に設けられた開口に設置されている。被押圧部材218と導光部材219とは、例えば接着剤、圧着、両面テープ、レーザ接合等により接合されている。被押圧部材218及び導光部材219は、可視光を透過する材料で構成され、例えばアクリル、あるいはその他の樹脂で構成される。導光部材219の後方側(図11中の左側)には突起219aが形成されている。この突起219aは、上記した第1の電源スイッチ240に当接可能となっている。第1の電源スイッチ240は、例えばタクトスイッチでよいが、その他の公知のスイッチでもよい。第1の電源スイッチ240は、例えば回路基板232に電気的に接続され、回路基板232は、本体201内の基板ホルダ235に保持されている。このような構成により、フロントカバー202が取り外された状態では、ユーザは、被押圧部材218を押すことで、導光部材219の突起219aが第1の電源スイッチ240が押され、電源ONとされる。
【0053】
回路基板232には、発光素子として例えば2つのLED233、234が横方向(X方向)に配列されるように搭載されている。LED233、234は可視光を発生する。LED233から発せられた光は、導光部材219を透過して被押圧部材218に入射され、外部に放出される。
【0054】
被押圧部材218及び導光部材219は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。例えば、被押圧部材218の透過率は、導光部材219の透過率より低く設定することもできる。具体的には、被押圧部材218の色は乳白色で、導光部材219の色は透明に近い色にすればよい。被押圧部材218の色は乳白色とすることにより、光ムラがなくなり被押圧部材218から均一に光が放たれる。
【0055】
あるいは、被押圧部材218及び導光部材219の区別なく、これらが1つの材料で一体に形成されていてもよい。被押圧部材218の形状は直方体状でよいが、円筒状でもよい。
【0056】
第2の電源ボタン206は、表面部材216と、表面部材216を囲むように設けられたフレーム238と、表面部材216に接合された導光体217と、フレーム238に対応する位置に設けられた導光管237とを備えている。表面部材216は、例えば正面から見てほぼ四角形に形成されたフレーム238に取り付けられている。フレーム238は、その一側238aが、カバー板283の開口283aに取り付けられ、その他の部位は自由に動くように、すなわち板バネのように構成されている。フレーム238は、このような板バネ状ではなく、コイルバネ等でカバー板283に支持されていてもよい。上記第1の電源ボタン204についても同様である。
【0057】
表面部材216及び導光体217は、可視光を透過する材料で構成され、例えばアクリル、あるいはその他の樹脂で構成される。表面部材216及び導光体217は、同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。表面部材216の透過率は、導光体217の透過率より低く設定することもできる。
【0058】
表面部材216は、外観上露出する露出面216aと、その反対側の反対面216bとを有する。導光体217は上記反対面216bに接合されている。この接合方法としては、上記被押圧部材218と導光部材219との接合方法と同じ方法が挙げられる。導光体217は、管部217aを有し、この管部217aは、上記凸部294に設置され、かつ、支持されている。管部217aには、後方側に突起する突起部217bが設けられている。突起部217bの表面は曲面状に形成されており、その曲面状の表面が、上記被押圧部材218に当接している。曲面とは、球面のほか、双曲面、放物面、その他の面が挙げられる。
【0059】
上記反対面216bには、例えば可視光を吸収する部位が設けられている。その部位は、例えば黒色に近い印刷等が施されることにより構成される。あるいは、印刷に限られず、表面部材216と導光体217との間に、可視光を吸収する図示しない板材が挟まれていてもよい。また、その光吸収の部位には、可視光を透過する透過部が設けられている。その透過部は、例えば上記印刷面が剥離されるように作られたり、上記板材に開けられた貫通孔であったりする。その場合、当該剥離部や貫通孔の形状は、典型的には所定のマークになる。
【0060】
このような第1及び第2の電源ボタン204及び206を備えるメインユニット200では、フロントカバー202が本体201に装着された状態では、ユーザは、第2の電源ボタン206を押すことで、突起部217bが被押圧部材218を押す。すなわち、第1の電源ボタン204が押されることで、電源ONとされる。
【0061】
また、LED233が発した光は、第1の電源ボタン204を介して、導光体217の突起部217bに入射される。突起部217bに入射した光は、管部217aを通り、また、表面部材216の透過部を通る。その結果、表面部材216が所定の光量、形状(所定のマークの形状)等で発光する。これにより、第2の電源ボタン206から外部への光の漏れを抑えつつ、露出面216aの光のムラを抑えることができる。
【0062】
なお、LED234と導光管237との間に、上記したアクセスランプ窓205を構成する部材が配置されている。この部材205は、LED234の光を導光管237に導く機能を有する。また、上記フレーム238の、導光管237に対応する位置にも光を透過する所定のマークが形成されている。これにより、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも、ハードディスクドライブ装置221〜224のアクセス処理時の発光が視認できる。
【0063】
以上のように、本実施の形態では、フロントカバー202に第1の電源ボタン204を押圧可能な第2の電源ボタン206が設けられている。したがって、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも外れた状態でも、第1の電源ボタン204(または第2の電源ボタン206)を押しやすく、また、そのどちらの状態でもメインユニット200の外観が綺麗になる。
【0064】
例えば、第1の電源ボタン204と第2の電源ボタン206とで、形状、模様または色彩等の形態が異なれば、ユーザは、さらに美観を楽しむことができる。
【0065】
本実施の形態では、突起部217bの表面が曲面状に形成されているので、ユーザにより第2の電源ボタン206が押されて、突起部217bの表面が第1の電源ボタン204に当接しても、第1の電源ボタン204に傷が付きにくい。
【0066】
本実施の形態では、突起部217bは、第1の電源ボタン204を傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。これにより、第1の電源ボタン204から出射した光は、突起部217bで集められる。したがって、第2の電源ボタン206を効率良く光らせることができる。
【0067】
また、導光体217、特に管部217aが設けられることにより光が均一に導かれるため、表面部材216の露出面216aの美観が向上する。
【0068】
図12は図1に示したアクセスユニット300の内部構成を示す平面図、図13はアクセスユニット300の正面図である。
図12及び図13に示すように、アクセスユニット300では、光ディスクドライブ装置311、312がアクセスユニット300の正面側から記録媒体の出し入れが可能なように並列に2台配置されている。なお、この光ディスクドライブ装置311、312に代えてハードディスクドライブ装置を配置しても勿論かまわない。
【0069】
アクセスユニット300の正面の下部右側から順番にIEEE1394ポート320、2つのUSBポート331、332、マイク端子362、ヘッドホン端子361が配置されている。これらのポートや端子の上には、第2の電源スイッチ370、更にその上にはマルチカードリーダ340のカード挿入口が配置されている。PCMCIAカードバス350のカード挿入口及び残りの2つのUSBポート333、334は、アクセスユニット300の背面に配置されている。また、アクセスユニット300内の背面側で光ディスクドライブ装置311、312の裏側の位置には冷却用のファン380が配置されている。
【0070】
なお、メインユニット200とアクセスユニット300とを接続するためのケーブル400は、メインユニット200及びアクセスユニット300のそれぞれの背面に設けられたケーブルコネクタ(図示せず)に接続されるようになっている。
【0071】
図14はメインユニット200の冷却制御系の構成及び冷却用の気体の流れを示した概念的な平面図である。
メインユニット200の第1の領域251のマザーボード210上にCPU212が配置され、横にはファン255が配置されている。このCPU212の近傍には、第1の領域251の温度、特にCPU212近傍の温度を検出するための温度センサ601が配置されている。マザーボード210上の拡張ボード用のソケットの近傍に第1の領域251の温度、特に、拡張ボード近傍の温度を検出するための温度センサ602が配置されている。メインユニット200の第2の領域252の電源供給部230の中には、第2の領域252の温度、特に電源供給部230の内部及び流入する気体の温度を検出するための温度センサ603が配置されている。
【0072】
この温度センサ601〜603の検出結果は、主としてCPU212から構成される制御部604に伝えられる。制御部604は、この検出結果に基づいてそれぞれの領域251、252等が所定の温度を超えないように、各ファン255、256、263の回転数を制御する。
【0073】
メインユニット200内では、上記のように第1の領域251と第2の領域とを実質的に遮蔽すると共に、第1の領域251と第2の領域252とで別個のファンを用いて冷却し、更には第1の領域251においては2つのファン255、256により領域を2つに分けて別々に冷却を行っている。
【0074】
従って、図14に示すように主としてメインユニット200内では3つの冷却気体の流れが生じる。ファン255により第1の領域251のCPU212を含んだメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ611、ファン256により第1の領域251の拡張ボードを含んだメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ612、ファン263により第2の領域252のメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ613の3つである。第2の領域252においては、正面が気体を流通させるための孔のないカバー282により覆われているため、第1の領域251の正面側からカバー282の裏面(ケース260の表面側)に流れ、第2の領域252内に気体が流れ込んでいく。
【0075】
以上、説明したように本実施形態に係るパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200に発熱量の大きく、ユーザの直接手に触れることがほとんどないデバイスである例えばマザーボード210や電源供給部230を配置し、アクセスユニット300には発熱量が小さく、ユーザのアクセスの頻度の大きな着脱可能な記録媒体のドライブ装置である光ディスクドライブ装置311、312やマルチカードリーダ340を配置し、しかもメインユニット200とアクセスユニット300の両方に電源スイッチを設けたので、パーソナルコンピュータ100内のデバイスの配置の自由度を高めて効率的な冷却を行うことが可能となり、パーソナルコンピュータ100の電源のオン/オフの操作が容易となる。特に、アクセスユニット300が通常ユーザの近くに配置されると想定されるので、アクセスユニット300に電源スイッチを設けたことで、操作性が非常に向上する。ここで、パーソナルコンピュータ100内のデバイスの配置の自由度とは、例えばメインユニット200内をマザーボード210を第1の領域251に、電源供給部230やハードディスクドライブ装置221〜224を第2の領域252に配置し、例えばこれらの領域を遮蔽するようなことである。
【0076】
また、本実施形態に係るパーソナルコンピュータ100では、アクセスユニット300はメインユニット200の電源供給部230から電力が供給されようにし、1本のケーブル400で、メインユニット200とアクセスユニット300とを間でデータのやり取り及びメインユニット200の電源供給部230からアクセスユニット300への電力の供給を行うようにしたので、配線をシンプルにすることができる。つまり、アクセスユニット300に設けられた光ディスクドライブ装置311、312やマルチカードリーダ340をそれぞれ別個の装置としてそれそれをメインユニット200に接続するようにした場合に、データ線や電力線が非常に多くなってしまう。これに対して、本実施形態では、1本のケーブル400を用いるだけでよくなる。
【0077】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなくその技術思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
【0078】
上記実施形態では、メインユニット200において第1の領域251と第2の領域252との間の遮蔽を、ケース260の第1の領域251側の壁及び遮蔽部材264の第1の領域251側の壁を使っていたが、当然1枚の遮蔽部材でこれらの領域間を遮蔽するようにしても勿論よい。
【0079】
また、上記実施形態では、メインユニット200において3つのファン255、256、263を用いていたが、ファンの数は2つでもいいし、4つ以上であっても勿論かまわない。また、冷却手段としては、ファンだけでなく、ヒートパイプなどの他の手段を用いても勿論かまわない。
【0080】
更に、各ファン255、256、263の回転数は、各対応する位置に配置された温度センサにそれぞれ対応して制御してもいいし、各温度センサに重み付けしてそれぞれの検出結果を各ファン255、256、263の回転数の制御に反映させても勿論かまわない
上記フロントカバー202は、文字通りメインユニット200の前面に設けられる構成とした。しかし、前面に限られず、他の部位に第1の電源ボタンが配置され、それに対応する位置に第2の電源ボタンが配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係るパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したメインユニットの内部構成を示す平面図である。
【図3】図1に示したメインユニット(本体)の正面図である。
【図4】図2及び図3に示した第2の領域の構成を示す概略的斜視図である。
【図5】メインユニットの一部を分解した斜視図である。
【図6】図3におけるA−A線断面図である。
【図7】メインユニットの右側から見た側面図である。
【図8】右側の係合突起及び係合溝の構成を示す拡大断面図である。
【図9】左側の係合突起及び係合溝の構成を示す拡大断面図である。
【図10】フロントカバーの裏側を示す斜視図である。
【図11】第1の電源ボタン及び第2の電源ボタンを示す拡大断面図である。
【図12】図1に示したアクセスユニットの内部構成を示す平面図である。
【図13】図1に示したアクセスユニットの正面図である。
【図14】図1に示したメインユニット内での冷却気体の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
【0082】
100…パーソナルコンピュータ
200…メインユニット
201…本体
202…フロントカバー
204…第1の電源ボタン
206…第2の電源ボタン
216…表面部材
216a…露出面
216b…反対面
217…導光体
217b…突起部
233、234…LED
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載されるカバー装置及び当該電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な電子機器のほとんどには電源スイッチ用の押しボタンが設けられている。パーソナルコンピュータ等、あるいはテレビの電子機器に搭載された電源スイッチ用の押しボタンは、ユーザが見えやすいように、その内部からLED(Light Emitting Diode)等により発光するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、最近の電子機器のうち、例えば携帯電話や、パーソナルコンピュータの周辺機器等では、製品の外観をユーザの好みの色や模様にするために、着せ替えパネルや装飾板が商品として市場に流通している。このような着せ替えパネル等は、機器本体の損傷を防ぐためのカバーとしても機能する(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−62559号公報(段落[0013]、図1)
【特許文献2】特開平10−322426号公報(段落[0015]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、機器本体の外観上に、上記したような電源スイッチ用の押しボタン(以下、電源ボタンという。)が設けられる場合、その電源ボタンを露出させるために上記カバーに穴が開けられることが考えられる。しかしながら、その場合、機器本体の表面からの電源ボタンの高さを最適に設定しないと、例えば電源ボタンの高さが低すぎる場合、カバーが機器本体に装着されたときに、電源ボタンがカバー内に埋もれてしまう。これでは、ユーザが電源ボタンを押しにくくなる。また、カバーが機器本体に装着されたときに電源ボタンの高さが最適であっても、カバーが外されたときには、カバー自体の厚みによっては機器本体から電源ボタンが突出している状態となる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、カバーが電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすくかつ電源ボタン等の外観を綺麗に見せることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るカバー装置は、第1の電源ボタンを有する電子機器本体に装着可能なカバー板と、前記カバー板に設けられ、前記電子機器本体に前記カバー板が装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンとを具備する。
【0008】
本発明では、カバー板に第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンが設けられているので、カバー装置が電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすく、また、そのどちらの状態でも電子機器の外観が綺麗になる。
【0009】
本発明のカバー装置は、必ずしも上記特許文献2のような「着せ替え」を前提としているわけではない。カバー装置が電子機器本体に装着された状態でも外された状態でもどちらの状態においても、ユーザが電子機器を使用することができる、ということをむしろ趣旨としている。
【0010】
例えば、第1の電源ボタンと第2の電源ボタンとで、形状、模様または色彩等の形態が異なれば、ユーザは、さらに美観を楽しむことができる。
【0011】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有する。これにより、ユーザにより第2の電源ボタンが押されて、突起部の表面が第1の電源ボタンに当接しても、第1の電源ボタンに傷が付きにくい。
【0012】
本発明において、前記突起部は、可視光を透過する材料で構成される。本発明では、突起部は、第1の電源ボタンを傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。例えば、電子機器本体の第1の電源ボタン付近に発光素子が設けられていれば、突起部によりその光が集められる。したがって、第2の電源ボタンを効率良く光らせることができる。
【0013】
「透過」とは、入射光の100%近くまで透過する必要はなく、その透過率は、突起部の形状や材料により適宜設定される。
【0014】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、外観上露出する露出面と、前記突起部から前記露出面に前記可視光を導く導光部とを有する。導光部により可視光が均一に導かれるため、露出面の光のムラを抑えることができ、露出面の美観が向上する。
【0015】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、外観上露出する露出面と、前記露出面と反対側に設けられ前記可視光を吸収する部位を有する反対面と、前記反対面に設けられ前記可視光を透過する透過部とを有する表面部材と、前記反対面に接合され、前記突起部から前記可視光を導き、前記透過部を介して前記表面部材に前記可視光を入射させる導光体とを有する。導光体により可視光が均一に導かれ、その光の一部が反対面の吸収する部位で吸収され、一部が透過部から表面部材に入射する。これにより、第2の電源ボタンから外部への光の漏れを抑えつつ、露出面の光のムラを抑えることができる。
【0016】
本発明に係る電子機器は、第1の電源ボタンを有する本体と、前記本体に装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンを有するカバーとを具備する。
【0017】
本発明において、前記第2の電源ボタンは、前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有する。その場合、電子機器は、前記本体に内蔵され、前記本体の内側から前記第1の電源ボタンに可視光を照射する発光素子をさらに具備し、前記第1の電源ボタンは、前記照射された前記可視光を透過する第1の材料で構成され、前記突起部は、前記第1の電源ボタンから出射された前記可視光を透過する第2の材料で構成される。突起部は、第1の電源ボタンを傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。これにより、第1の電源ボタンから出射された可視光が突起部により集められ、第2の電源ボタンを効率良く光らせることができる。第1の材料と第2の材料は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、カバーが電子機器本体に装着された状態でも外れた状態でも、電源ボタンを押しやすくかつ電源ボタン等の外観を綺麗に見せることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、このパーソナルコンピュータ100は、第1のユニットとしてのメインユニット200と、第2のユニットとしてのアクセスユニット300と、これらメインユニット200とアクセスユニット300とを接続するためのケーブル400とを有する。このパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200とアクセスユニット300とが物理的に分離し、メインユニット200とアクセスユニット300とがケーブル400を介して電気的に接続されている。
【0022】
メインユニット200は、CPUなどが搭載されたデータ処理部としてのマザーボード210と、ハードディスクドライブ装置221〜224(図示されていないが主として4台)と、パーソナルコンピュータ100を構成する各部に電力を供給するための電源供給部230と、パーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための第1の電源スイッチ240とを有する。
【0023】
マザーボード210には、第1の電源スイッチ240と後述するアクセスユニット300側の第2の電源スイッチとを同一の機能とするための、つまり第2の電源スイッチもパーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための電源スイッチとして機能させるためのシステム電源コントロール回路211を有する。
【0024】
電源供給部230は、メインユニット200の各部ばかりでなく、ケーブル400を介してアクセスユニット300の各部へも電力を供給している。
【0025】
図1及び図13に示すように、アクセスユニット300は、CDやDVDなどの光学的記録媒体が着脱自在で光学的記録媒体からのデータの読み出し及び光学的記録媒体へのデータの書き込みを行うためのドライブ装置としての光ディスクドライブ装置311、312(図示されていないが2台)と、IEEE1394ポート320と、USBポート331〜334(図示されていないが4個)と、各種の可搬タイプのフラッシュメモリカードからのデータの読み出し及びフラッシュメモリカードへのデータの書き込みを行うためのマルチカードリーダ340(ドライブ装置の一つ)と、PCMCIAカードからのデータの読み出し及びPCMCIAカードへのデータの書き込みを行うためのPCMCIAカードバス350(ドライブ装置の一つ)と、マイク端子362及びヘッドホン端子361と、パーソナルコンピュータ100をオン/オフ/スタンバイモードとするための第2の電源スイッチ370とを有する。
【0026】
光ディスクドライブ装置311、312はSATA/PATAコントローラ313を介して、IEEE1394ポート320は1394コントローラ321を介して、USBポート331〜334及びマルチカードリーダ340はUSBコントローラ325を介して、PCMCIAカードバス350はPCMCIAカードバスコントローラ351を介して、メインユニット200のマザーボード210と接続される。
【0027】
モニタ501及びスピーカ502は、メインユニット200に接続され、キーボード503及びマウス504は、USBポート331〜334を介してメインユニット200及びアクセスユニット300のいずれにも接続可能である。
【0028】
図2は図1に示したメインユニット200の内部構成を示す平面図、図3はメインユニット200の正面図である。
図2に示すように、メインユニット200は、平面からみて左右に領域が分かれている。ここで、メインユニット200の正面から見て左側の領域を第1の領域251、メインユニット200の正面から見て右側の領域を第2の領域252とする。
【0029】
第1の領域251には、マザーボード210が底部に配置され、第2の領域252の電源供給部230と隣接する領域253には、拡張ボード254が最大5枚配置可能である。拡張ボード254は、マザーボード210の拡張ボード用のソケット(図示せず)に挿入されマザーボード210から立てた状態で配置される。そして、メインユニット200の背面側に拡張ボード254の外部とのインターフェース面が露出するようになっている。
【0030】
第1の領域251の正面側には、2つの冷却用のファン255、256が配置されている。ファン255は、主としてマザーボード210を冷却するためのファンであり、ファン256は、主として拡張ボード254を冷却するためのファンである。この実施形態では、ファン255の方がファン256よりも大きく、より多くの熱を発生するCPUを搭載するマザーボード210の方の冷却能力が高められている。第1の領域251の背面側は、多数の孔が設けられた板金からなり(図示を省略)、この孔が実質的に第1の領域251における排気口である。
【0031】
なお、第1の領域251の背面側左隅上部には、ハードディスクドライブ装置257が上部から吊り下げられるように2台上下に重ねて搭載可能とされている。
【0032】
第2の領域252では、第2の領域252の正面側にハードディスクドライブ装置221〜224を収容するケース260が配置され、第2の領域252の背面側に電源供給部230が配置されている。
【0033】
ケース260は、図4に示すように、上下左右を複数の孔が設けられた板金で囲まれ正面側と背面側が開口するケース本体261と、ケース本体261の正面側の開口に着脱可能に設けられ、複数の孔(実質的に第2の領域252における吸気口)が設けられた板金からなる蓋262とを有する。このケース260内にハードディスクドライブ装置221〜224が立てた状態でスライドして収容し、ハーネス(図示せず)により接続する。従って、このパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200の正面側からハードディスクドライブ装置221〜224の着脱が可能である。
【0034】
第2の領域252の背面側に配置された電源供給部230の上部には、冷却用のファン263が設けられている。冷却用のファン263は、電源供給部230内に気体を吸引する。電源供給部230内に吸引された気体は、メインユニット200の背面側から排出される。
【0035】
電源供給部230が配置された空間は、例えばPETからなる遮蔽部材264により覆われている。遮蔽部材264は、例えば電源供給部230が配置された空間の上部及び第1の領域251とを仕切る部材である。遮蔽部材264は、第1の領域251側の上部で第1の領域251側の拡張ボード254に対応する位置に多数の孔265が設けられている。この孔265は、冷却ファン263が第1の領域251側から気体を引き込むためのものである。これにより、拡張ボード254を補助的に冷却することが可能である。また、遮蔽部材264の下部の所定の位置には第1の領域251側からハーネス(図示せず)を通すための孔(切欠き)266が設けられている。
【0036】
以上のケース260の第1の領域251側の壁、及び、遮蔽部材264の第1の領域251側の壁により、第1の領域251と第2の領域252とが遮蔽されている。これにより、第1の領域251と第2の領域252とをそれぞれ個別的に冷却制御をすることができる。すなわち、より細やかな冷却制御を行うことができ、冷却効率の向上及びファンの騒音の低減を図ることができる。
【0037】
図3に示すように、メインユニット200の正面の第1の領域251側には、その下部にIEEE1394ポート271、4つのUSBポート272〜275、RCA端子276〜278、S−VIDEO端子279が水平方向に順番に配置されている。また、その中段の左端側(第2の領域252とは反対側)には、第1の電源ボタン204が配置されている。また、第1の電源ボタン204の近傍には、例えばハードディスクドライブ装置221〜224のアクセス処理時に点灯あるいは点滅するアクセスランプ窓205が配置されている。
【0038】
図5は、メインユニット200の一部を分解した斜視図である。図6は、図3におけるA−A線断面図である。なお、図6においては、メインユニット200内の機器や部材は図示をほぼ省略している。図7は、メインユニット200の右側から見た側面図である。
【0039】
図5に示すように、メインユニット200は、本体201と、フロントカバー202とを備えている。メインユニット200の正面の第1の領域251に対応する表面には、縦方向に冷却用の気体を内部に導入するための縦孔281が多数設けられたプラスチック製の通気カバー280が配置されている。メインユニット200の正面の第2の領域252に対応する表面には、プラスチック製のカバー282が着脱可能に配置されている。
【0040】
カバー282は、例えばカバー282の右端(第1の領域251とは反対側)裏面の上下に設けられた突起部(図示せず)がメインユニット200の対応する位置に設けられた穴(図示せず)に係合し、かつ、カバー280のカバー282と隣接する位置に設けられたスライドスイッチ203がカバー282側に突出することで、カバー282がメインユニット200に固定されるようになっている。カバー282を外し、図4に示したように蓋262を外すことで、ハードディスクドライブ装置221〜224をメインユニット200の正面から出し入れできる。
【0041】
メインユニット200の正面には、その正面全体を覆う上記フロントカバー202が着脱可能となっている。フロントカバー202は、そのほぼ全てを構成するカバー板283と、第2の電源ボタン206とを有する。
【0042】
カバー板283は、その上下に傾斜面284、285を有する。各傾斜面284、285には、IEEE1394ポート271、USBポート272〜275、RCA端子276〜278、S−VIDEO端子279にアクセス可能とするため、及び気体を流通可能とするための孔286、287がそれぞれ3つ設けられている。
【0043】
カバー板283の左端には、例えば2つの係合突起288が設けられ、右端にも2つの係合突起289が設けられている。これら係合突起288及び289は、図5に示すように、本体201の左端に設けられた2つの係合溝290、及び、本体201の右端に設けられた2つの係合溝291にそれぞれ係合する。これにより、フロントカバー202は、本体201に固定される。
【0044】
図8は、係合突起289及び係合溝291の構成を示す拡大断面図である。図9は、係合突起288及び係合溝290の構成を示す拡大断面図である。つまり、図8は、図6における破線Aで囲まれた部分の拡大図であり、図9は、破線Bで囲まれた部分の拡大図である。
【0045】
図8に示すように、カバー板283の右側面には、このフロントカバー202を本体201から取り外すためのリリースボタン213が配設されている(図7参照)。リリースボタン213の一端部213aは、カバー板283の裏面に固定され、他端部213bは、自由端となっている。この自由端である他端部213bは、係合突起289に当接している。係合突起289の先端には外側に突出した爪部289aが設けられている。一方、図9に示すように、カバー板283の左側面には、上記したリリースボタン213のような機能はない。係合突起289の先端には外側に突出した爪部288aが設けられている。
【0046】
係合突起289が係合溝291に挿入され、爪部289aが、本体201に設けられた係合穴214に挿入され、また、係合突起288が係合溝290に挿入され、爪部288aが、本体201に設けられた係合穴215に挿入される。これにより、フロントカバー202は、本体201の正面に装着される。
【0047】
図6に示すように、係合突起289の長さmは、係合突起288の長さnより短く形成されている。これは、ユーザがフロントカバー202を本体201に装着する時に、長い方の係合突起288を、短い方の係合突起289より先に、本体201に係合して両者が離れにくいようにし、安定させておくためである。係合突起288が係合溝290に係合して安定した状態で、ユーザは、係合突起289を係合溝291に係合させる。
【0048】
フロントカバー202を本体201から取り外すときは、ユーザはリリースボタン213を押しながら、フロントカバー202の右端を本体201から離す。具体的には、リリースボタン213が押されることにより、図8に示すように、自由端である他端部213bが係合突起289を本体201の内側へ押す。これにより、爪部289aが係合穴214から離れるので、係合突起289は、係合溝291から抜き出される。その後、ユーザは、係合突起288を係合溝290から抜き出すことにより、フロントカバー202を外すことができる。特に、メインユニット200が縦置きにされたときに、ユーザは、このようなフロントカバー202の着脱動作を行いやすい。「縦置き」とは、メインユニット200の第1の領域251を下、第2の領域252を上にして、本体201を立てるように置かれた状態をいう。
【0049】
図5に示すように、係合突起289、290について、それらのZ方向の長さが、X方向の長さ(厚さ)より十分に長く設定されている。これにより、係合突起289、290のZ方向の強度を保つことができるので、Z方向への応力が加わったとしても折れ曲がる心配はない。例えばユーザがカバー板283の孔287に手を入れて、フロントカバー202のみを持ってメインユニット200をZ方向に持ち上げようとしたときであっても問題ない。
【0050】
図10は、このフロントカバー202の裏側を示す斜視図である。図10に示すように、カバー板283の裏面の中央には、補強用の凸部294がカバー板283のほぼ左端と右端との間を連ねるように設けられている。この凸部294によりフロントカバー202の裏面では、上下に壁部292、293が分断されている。各壁部292、293には、カバー板283の左端と右端との間に複数の円形の穴295が千鳥状に2列設けられている。これらの穴295の奥には、穴295の直径より大きな寸法の図示しない空洞部がそれぞれ設けられている。当該空洞部は各穴295ごとに設けられ、各穴295に連通している。穴295の深さや空洞部の深さ等が適宜設定されることでヘルムホルツ共鳴器が構成され、これにより、本体201の内部の各種の機器から発生する騒音が吸収される。なお、上記カバー282(図5参照)の裏面側にも、このようなヘルムホルツ共鳴器が設けられていてもよい。
【0051】
図6に示すように、上記第2の電源ボタン206は、フロントカバー202が本体201に装着されたときに、本体201に設けられた第1の電源ボタン204に対応する位置に配置されている。図11は、第1の電源ボタン204及び第2の電源ボタン206を示す拡大断面図である。
【0052】
第1の電源ボタン204は、被押圧部材218と導光部材219とを備えている。被押圧部材218は、上述した通気カバー280に設けられた開口に設置されている。被押圧部材218と導光部材219とは、例えば接着剤、圧着、両面テープ、レーザ接合等により接合されている。被押圧部材218及び導光部材219は、可視光を透過する材料で構成され、例えばアクリル、あるいはその他の樹脂で構成される。導光部材219の後方側(図11中の左側)には突起219aが形成されている。この突起219aは、上記した第1の電源スイッチ240に当接可能となっている。第1の電源スイッチ240は、例えばタクトスイッチでよいが、その他の公知のスイッチでもよい。第1の電源スイッチ240は、例えば回路基板232に電気的に接続され、回路基板232は、本体201内の基板ホルダ235に保持されている。このような構成により、フロントカバー202が取り外された状態では、ユーザは、被押圧部材218を押すことで、導光部材219の突起219aが第1の電源スイッチ240が押され、電源ONとされる。
【0053】
回路基板232には、発光素子として例えば2つのLED233、234が横方向(X方向)に配列されるように搭載されている。LED233、234は可視光を発生する。LED233から発せられた光は、導光部材219を透過して被押圧部材218に入射され、外部に放出される。
【0054】
被押圧部材218及び導光部材219は同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。例えば、被押圧部材218の透過率は、導光部材219の透過率より低く設定することもできる。具体的には、被押圧部材218の色は乳白色で、導光部材219の色は透明に近い色にすればよい。被押圧部材218の色は乳白色とすることにより、光ムラがなくなり被押圧部材218から均一に光が放たれる。
【0055】
あるいは、被押圧部材218及び導光部材219の区別なく、これらが1つの材料で一体に形成されていてもよい。被押圧部材218の形状は直方体状でよいが、円筒状でもよい。
【0056】
第2の電源ボタン206は、表面部材216と、表面部材216を囲むように設けられたフレーム238と、表面部材216に接合された導光体217と、フレーム238に対応する位置に設けられた導光管237とを備えている。表面部材216は、例えば正面から見てほぼ四角形に形成されたフレーム238に取り付けられている。フレーム238は、その一側238aが、カバー板283の開口283aに取り付けられ、その他の部位は自由に動くように、すなわち板バネのように構成されている。フレーム238は、このような板バネ状ではなく、コイルバネ等でカバー板283に支持されていてもよい。上記第1の電源ボタン204についても同様である。
【0057】
表面部材216及び導光体217は、可視光を透過する材料で構成され、例えばアクリル、あるいはその他の樹脂で構成される。表面部材216及び導光体217は、同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。表面部材216の透過率は、導光体217の透過率より低く設定することもできる。
【0058】
表面部材216は、外観上露出する露出面216aと、その反対側の反対面216bとを有する。導光体217は上記反対面216bに接合されている。この接合方法としては、上記被押圧部材218と導光部材219との接合方法と同じ方法が挙げられる。導光体217は、管部217aを有し、この管部217aは、上記凸部294に設置され、かつ、支持されている。管部217aには、後方側に突起する突起部217bが設けられている。突起部217bの表面は曲面状に形成されており、その曲面状の表面が、上記被押圧部材218に当接している。曲面とは、球面のほか、双曲面、放物面、その他の面が挙げられる。
【0059】
上記反対面216bには、例えば可視光を吸収する部位が設けられている。その部位は、例えば黒色に近い印刷等が施されることにより構成される。あるいは、印刷に限られず、表面部材216と導光体217との間に、可視光を吸収する図示しない板材が挟まれていてもよい。また、その光吸収の部位には、可視光を透過する透過部が設けられている。その透過部は、例えば上記印刷面が剥離されるように作られたり、上記板材に開けられた貫通孔であったりする。その場合、当該剥離部や貫通孔の形状は、典型的には所定のマークになる。
【0060】
このような第1及び第2の電源ボタン204及び206を備えるメインユニット200では、フロントカバー202が本体201に装着された状態では、ユーザは、第2の電源ボタン206を押すことで、突起部217bが被押圧部材218を押す。すなわち、第1の電源ボタン204が押されることで、電源ONとされる。
【0061】
また、LED233が発した光は、第1の電源ボタン204を介して、導光体217の突起部217bに入射される。突起部217bに入射した光は、管部217aを通り、また、表面部材216の透過部を通る。その結果、表面部材216が所定の光量、形状(所定のマークの形状)等で発光する。これにより、第2の電源ボタン206から外部への光の漏れを抑えつつ、露出面216aの光のムラを抑えることができる。
【0062】
なお、LED234と導光管237との間に、上記したアクセスランプ窓205を構成する部材が配置されている。この部材205は、LED234の光を導光管237に導く機能を有する。また、上記フレーム238の、導光管237に対応する位置にも光を透過する所定のマークが形成されている。これにより、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも、ハードディスクドライブ装置221〜224のアクセス処理時の発光が視認できる。
【0063】
以上のように、本実施の形態では、フロントカバー202に第1の電源ボタン204を押圧可能な第2の電源ボタン206が設けられている。したがって、フロントカバー202が本体201に装着された状態でも外れた状態でも、第1の電源ボタン204(または第2の電源ボタン206)を押しやすく、また、そのどちらの状態でもメインユニット200の外観が綺麗になる。
【0064】
例えば、第1の電源ボタン204と第2の電源ボタン206とで、形状、模様または色彩等の形態が異なれば、ユーザは、さらに美観を楽しむことができる。
【0065】
本実施の形態では、突起部217bの表面が曲面状に形成されているので、ユーザにより第2の電源ボタン206が押されて、突起部217bの表面が第1の電源ボタン204に当接しても、第1の電源ボタン204に傷が付きにくい。
【0066】
本実施の形態では、突起部217bは、第1の電源ボタン204を傷つけずに押圧するだけでなく、その曲面状の表面の形状により集光レンズの機能も有する。これにより、第1の電源ボタン204から出射した光は、突起部217bで集められる。したがって、第2の電源ボタン206を効率良く光らせることができる。
【0067】
また、導光体217、特に管部217aが設けられることにより光が均一に導かれるため、表面部材216の露出面216aの美観が向上する。
【0068】
図12は図1に示したアクセスユニット300の内部構成を示す平面図、図13はアクセスユニット300の正面図である。
図12及び図13に示すように、アクセスユニット300では、光ディスクドライブ装置311、312がアクセスユニット300の正面側から記録媒体の出し入れが可能なように並列に2台配置されている。なお、この光ディスクドライブ装置311、312に代えてハードディスクドライブ装置を配置しても勿論かまわない。
【0069】
アクセスユニット300の正面の下部右側から順番にIEEE1394ポート320、2つのUSBポート331、332、マイク端子362、ヘッドホン端子361が配置されている。これらのポートや端子の上には、第2の電源スイッチ370、更にその上にはマルチカードリーダ340のカード挿入口が配置されている。PCMCIAカードバス350のカード挿入口及び残りの2つのUSBポート333、334は、アクセスユニット300の背面に配置されている。また、アクセスユニット300内の背面側で光ディスクドライブ装置311、312の裏側の位置には冷却用のファン380が配置されている。
【0070】
なお、メインユニット200とアクセスユニット300とを接続するためのケーブル400は、メインユニット200及びアクセスユニット300のそれぞれの背面に設けられたケーブルコネクタ(図示せず)に接続されるようになっている。
【0071】
図14はメインユニット200の冷却制御系の構成及び冷却用の気体の流れを示した概念的な平面図である。
メインユニット200の第1の領域251のマザーボード210上にCPU212が配置され、横にはファン255が配置されている。このCPU212の近傍には、第1の領域251の温度、特にCPU212近傍の温度を検出するための温度センサ601が配置されている。マザーボード210上の拡張ボード用のソケットの近傍に第1の領域251の温度、特に、拡張ボード近傍の温度を検出するための温度センサ602が配置されている。メインユニット200の第2の領域252の電源供給部230の中には、第2の領域252の温度、特に電源供給部230の内部及び流入する気体の温度を検出するための温度センサ603が配置されている。
【0072】
この温度センサ601〜603の検出結果は、主としてCPU212から構成される制御部604に伝えられる。制御部604は、この検出結果に基づいてそれぞれの領域251、252等が所定の温度を超えないように、各ファン255、256、263の回転数を制御する。
【0073】
メインユニット200内では、上記のように第1の領域251と第2の領域とを実質的に遮蔽すると共に、第1の領域251と第2の領域252とで別個のファンを用いて冷却し、更には第1の領域251においては2つのファン255、256により領域を2つに分けて別々に冷却を行っている。
【0074】
従って、図14に示すように主としてメインユニット200内では3つの冷却気体の流れが生じる。ファン255により第1の領域251のCPU212を含んだメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ611、ファン256により第1の領域251の拡張ボードを含んだメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ612、ファン263により第2の領域252のメインユニット200の正面から背面への冷却気体の流れ613の3つである。第2の領域252においては、正面が気体を流通させるための孔のないカバー282により覆われているため、第1の領域251の正面側からカバー282の裏面(ケース260の表面側)に流れ、第2の領域252内に気体が流れ込んでいく。
【0075】
以上、説明したように本実施形態に係るパーソナルコンピュータ100では、メインユニット200に発熱量の大きく、ユーザの直接手に触れることがほとんどないデバイスである例えばマザーボード210や電源供給部230を配置し、アクセスユニット300には発熱量が小さく、ユーザのアクセスの頻度の大きな着脱可能な記録媒体のドライブ装置である光ディスクドライブ装置311、312やマルチカードリーダ340を配置し、しかもメインユニット200とアクセスユニット300の両方に電源スイッチを設けたので、パーソナルコンピュータ100内のデバイスの配置の自由度を高めて効率的な冷却を行うことが可能となり、パーソナルコンピュータ100の電源のオン/オフの操作が容易となる。特に、アクセスユニット300が通常ユーザの近くに配置されると想定されるので、アクセスユニット300に電源スイッチを設けたことで、操作性が非常に向上する。ここで、パーソナルコンピュータ100内のデバイスの配置の自由度とは、例えばメインユニット200内をマザーボード210を第1の領域251に、電源供給部230やハードディスクドライブ装置221〜224を第2の領域252に配置し、例えばこれらの領域を遮蔽するようなことである。
【0076】
また、本実施形態に係るパーソナルコンピュータ100では、アクセスユニット300はメインユニット200の電源供給部230から電力が供給されようにし、1本のケーブル400で、メインユニット200とアクセスユニット300とを間でデータのやり取り及びメインユニット200の電源供給部230からアクセスユニット300への電力の供給を行うようにしたので、配線をシンプルにすることができる。つまり、アクセスユニット300に設けられた光ディスクドライブ装置311、312やマルチカードリーダ340をそれぞれ別個の装置としてそれそれをメインユニット200に接続するようにした場合に、データ線や電力線が非常に多くなってしまう。これに対して、本実施形態では、1本のケーブル400を用いるだけでよくなる。
【0077】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなくその技術思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
【0078】
上記実施形態では、メインユニット200において第1の領域251と第2の領域252との間の遮蔽を、ケース260の第1の領域251側の壁及び遮蔽部材264の第1の領域251側の壁を使っていたが、当然1枚の遮蔽部材でこれらの領域間を遮蔽するようにしても勿論よい。
【0079】
また、上記実施形態では、メインユニット200において3つのファン255、256、263を用いていたが、ファンの数は2つでもいいし、4つ以上であっても勿論かまわない。また、冷却手段としては、ファンだけでなく、ヒートパイプなどの他の手段を用いても勿論かまわない。
【0080】
更に、各ファン255、256、263の回転数は、各対応する位置に配置された温度センサにそれぞれ対応して制御してもいいし、各温度センサに重み付けしてそれぞれの検出結果を各ファン255、256、263の回転数の制御に反映させても勿論かまわない
上記フロントカバー202は、文字通りメインユニット200の前面に設けられる構成とした。しかし、前面に限られず、他の部位に第1の電源ボタンが配置され、それに対応する位置に第2の電源ボタンが配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係るパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したメインユニットの内部構成を示す平面図である。
【図3】図1に示したメインユニット(本体)の正面図である。
【図4】図2及び図3に示した第2の領域の構成を示す概略的斜視図である。
【図5】メインユニットの一部を分解した斜視図である。
【図6】図3におけるA−A線断面図である。
【図7】メインユニットの右側から見た側面図である。
【図8】右側の係合突起及び係合溝の構成を示す拡大断面図である。
【図9】左側の係合突起及び係合溝の構成を示す拡大断面図である。
【図10】フロントカバーの裏側を示す斜視図である。
【図11】第1の電源ボタン及び第2の電源ボタンを示す拡大断面図である。
【図12】図1に示したアクセスユニットの内部構成を示す平面図である。
【図13】図1に示したアクセスユニットの正面図である。
【図14】図1に示したメインユニット内での冷却気体の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
【0082】
100…パーソナルコンピュータ
200…メインユニット
201…本体
202…フロントカバー
204…第1の電源ボタン
206…第2の電源ボタン
216…表面部材
216a…露出面
216b…反対面
217…導光体
217b…突起部
233、234…LED
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源ボタンを有する電子機器本体に装着可能なカバー板と、
前記カバー板に設けられ、前記電子機器本体に前記カバー板が装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンと
を具備することを特徴とするカバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカバー装置において、
前記突起部は、可視光を透過する材料で構成されることを特徴とするカバー装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
外観上露出する露出面と、
前記突起部から前記露出面に前記可視光を導く導光部と
を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項5】
請求項3に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
外観上露出する露出面と、前記露出面と反対側に設けられ前記可視光を吸収する部位を有する反対面と、前記反対面に設けられ前記可視光を透過する透過部とを有する表面部材と、
前記反対面に接合され、前記突起部から前記可視光を導き、前記透過部を介して前記表面部材に前記可視光を入射させる導光体と
を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項6】
第1の電源ボタンを有する本体と、
前記本体に装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンを有するカバーと
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記第2の電源ボタンは、
前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記本体に内蔵され、前記本体の内側から前記第1の電源ボタンに可視光を照射する発光素子をさらに具備し、
前記第1の電源ボタンは、前記照射された前記可視光を透過する第1の材料で構成され、
前記突起部は、前記第1の電源ボタンから出射された前記可視光を透過する第2の材料で構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
第1の電源ボタンを有する電子機器本体に装着可能なカバー板と、
前記カバー板に設けられ、前記電子機器本体に前記カバー板が装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンと
を具備することを特徴とするカバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカバー装置において、
前記突起部は、可視光を透過する材料で構成されることを特徴とするカバー装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
外観上露出する露出面と、
前記突起部から前記露出面に前記可視光を導く導光部と
を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項5】
請求項3に記載のカバー装置において、
前記第2の電源ボタンは、
外観上露出する露出面と、前記露出面と反対側に設けられ前記可視光を吸収する部位を有する反対面と、前記反対面に設けられ前記可視光を透過する透過部とを有する表面部材と、
前記反対面に接合され、前記突起部から前記可視光を導き、前記透過部を介して前記表面部材に前記可視光を入射させる導光体と
を有することを特徴とするカバー装置。
【請求項6】
第1の電源ボタンを有する本体と、
前記本体に装着されたときに、第1の電源ボタンを押圧可能な第2の電源ボタンを有するカバーと
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記第2の電源ボタンは、
前記第1の電源ボタンに当接して押圧する曲面状の表面を有する突起部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記本体に内蔵され、前記本体の内側から前記第1の電源ボタンに可視光を照射する発光素子をさらに具備し、
前記第1の電源ボタンは、前記照射された前記可視光を透過する第1の材料で構成され、
前記突起部は、前記第1の電源ボタンから出射された前記可視光を透過する第2の材料で構成されることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−91213(P2008−91213A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270782(P2006−270782)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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