説明

カプサイシノイドのオイルおよびその作製方法および使用方法

カプサイシノイドのオイルおよびそれを作製および使用する方法が記載される。いくつかの改変例では、カプサイシノイドのオイルは、少なくとも40%w/wのカプサイシノイド、およびこのカプサイシノイドを可溶化し得る溶媒を含み、ここで、カプサイシノイドのオイルは、カプサイシノイド結晶またはカプサイシノイド沈殿物を実質的に含まない。その他の改変例では、カプサイシノイドのオイルは、本質的に少なくとも40%w/wのカプサイシノイド、およびこのカプサイシノイドを可溶化し得る溶媒を含む。上記溶媒は、半揮発性溶媒、不揮発性溶媒、または揮発性溶媒であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、その全体が参考として本明細書によって援用される、2005年4月1日に出願された米国仮出願番号第60/667,546号への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(分野)
本明細書に記載されるカプサイシノイドのオイルおよびそれらを作製および使用する方法は、痛みの処置のための皮膚薬物送達の分野にある。
【0003】
(背景)
カプサイシノイド分子には、芳香族環が、一般に、アミド官能基を通じて脂肪族鎖に付着される。これらの分子は、固体として存在する。この固形の物理的状態は、皮膚中への有効な浸透には最適でないので、カプサイシノイドの皮膚処方物は、液体、ゲルまたはパッチのいずれかであり、それによって、カプサイシノイドは可溶化され、そしてそれ故、得られる溶液は、投薬量形態の性質に適合される。皮膚投薬量形態では、浸透増強剤が一般に用いられ、カプサイシノイドの皮膚中への浸透を容易/増強するために用いられる。カプサイシノイド分子の脂肪族鎖の存在は、それらに、皮膚または粘膜のような組織を貫通する固有の能力を与える。しかし、皮膚を貫通するカプサイシノイドのこの固有の能力は、固形形態にあるとき、熱力学的活性の欠如によって妨害される。固体から液体への状態の変化は、熱力学的活性を大いに増大する。また、添加物のような処方物成分のいくつかは、処方物から外に拡散し、そしてこれ故、皮膚中に貫通するカプサイシノイドの能力を妨害する。本発明は、このような成分(例えば、浸透増強剤または接着剤)を含む必要性をなくし、そしてカプサイシノイドの、それらの固体状態と比較するとき、かなりより有効に皮膚を浸透する固有の能力を利用する。
【0004】
任意の処方物に単一の成分を添加する毎に、目的のレベルは、物理化学的性質、薬理学的性質、および毒物学的性質に関して上昇する。これらの目的は、この系をできるだけ単純に維持するための傾向を促進する。しかし、この高レベルの単純度は、その他の性能要求に合致する必要性に起因して、常には達成可能ではない。カプサイシノイドオイルの処方物は、浸透増強剤を用いる必要性をなくし得る。なぜなら、カプサイシノイドの物理的状態を単に変えることにより、皮膚を貫通するこのカプサイシノイドの固有の性質に対する信頼を可能にするからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、カプサイシノイドのオイルを含む痛みの処置のための新規な薬学的投薬量形態を有することが所望され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本明細書に記載されるのは、通常は固体として存在する高純度のカプサイシノイドが、オイルとして安定化され得るという驚くべき知見である。このカプサイシノイドオイルは、一般に、少なくとも約40%w/wカプサイシノイド、およびこのカプサイシノイドを可溶化するための溶媒を含む。このカプサイシノイドオイルは、それがカプサイシノイド結晶またはカプサイシノイド沈殿物を実質的に含まないように形成される。1つの改変例では、このカプサイシノイドの結晶化は、上記オイル中に結晶化阻害剤を含めることにより防がれる。いくつかの例では、上記溶媒自体がカプサイシノイド結晶化阻害剤である。
【0007】
カプサイシノイドオイルを生成するための方法、および得られる産物の特徴付けの方法がまた開示される。オイルとしての物質の処方物は、医薬として用いられるとき、特にそれが局所的に適用されるとき、送達を増大する潜在的な利点を有する。カプサイシノイドは、特定の固有の浸透性質を有するが、代表的には、その他の浸透増強剤および処方物補助剤とともに処方され、これらが可溶化されるか、または液化形態で存在することを確実にしている。本明細書にさらに記載されるのは、オイルとして存在するとき、カプサイシノイドの固有の浸透性質が、どのようにして、その他の浸透増強剤とカプサイシノイドを同時処方する必要性をなくし得るかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(詳細な説明)
本明細書に記載されるカプサイシノイドオイルは、一般に、少なくとも約40%w/wカプサイシノイド、およびこのカプサイシノイドを可溶化するための溶媒を含むように処方される。処方の直後、このオイルは、カプサイシノイド結晶またはカプサイシノイド沈殿物を実質的に含まない。これらオイルは、検査され得、例えば、顕微鏡を用いて視覚によって検査され、結晶または沈殿物が存在するか否かを決定する。
【0009】
(カプサイシノイドのオイルを作製する方法)
例として、そして制限ではなく、本発明者らは、種々の方法によって純粋な合成カプサイシンのオイルを生成し、これらは、カプサイシン結晶または沈殿物を実質的に含まず(例えば、カプサイシン結晶または沈殿物がなく90%を超え、カプサイシン結晶または沈殿物がなく95%を超え、など)透明な液体を生じ、そして>40%〜95%の範囲のカプサイシン濃度を有していた。これらの透明な液体組成物は、それらの調製以後、−20℃、2〜8℃および25℃で少なくとも2週間の間安定なままであった。高度に濃縮されたカプサイシンオイルを生成するために用いられた方法は、単純溶液、共溶媒溶液、結晶化阻害剤との溶液、および共晶混合物を作製するために用いられる技法と同様であり、これらは、当該技術分野で周知である。例えば、結晶化阻害剤の単純溶液への添加は、溶媒系単独の飽和限度を超えてこのカプサイシン濃度を増加する方法を提供する。このような組み合わせは、単純溶液単独によって経験されるような様式で結晶化しないか、または沈殿物を生じない液体を生じる。
【0010】
オイルの形成を示すために用いられる方法は、視覚および顕微鏡試験を含め、そして短期間の物理的安定性は、沈殿および/または結晶化を誘導するために温度ストレス付与を用いた。オイルの安定性および形成の両方を評価するために採用されたその他の方法は:視覚手段または濁度、水との非混和性、密度およびレオロジー的流れ特性を含む。
【0011】
別の局面では、カプサイシノイドのオイルは、投与に際し、インサイチュ(in situ)で形成される。例えば、純粋な合成カプサイシンは、エタノールのような揮発性溶媒系に溶解される。結晶化阻害剤が添加され、そして得られる処方物は、沈殿または結晶化カプサイシノイドのない透明な液体である。投与に際し、より揮発性の溶媒は、高度に濃縮されたカプサイシノイドの残渣を残して蒸発し得る。代表的には、溶媒の損失は、固形残渣を残し、固形残渣の皮膚浸透が最小であり得る結果を生じる。しかし、結晶化阻害剤の添加で、カプサイシンの残りのオイル状フィルムが表面上に残る。揮発性溶媒系およびインサイチュで生成されたオイルによって与えられるシャント効果の組み合わせは、1つ以上の結晶化阻害剤の添加なしの類似の処方物よりかなり大きな浸透速度を生じ得る。
【0012】
いくつかの改変例では、カプサイシノイドのオイルは、少なくとも40%w/wのカプサイシノイドを含む。その他の改変例では、カプサイシノイドのオイルは、少なくとも60%w/wのカプサイシノイド、少なくとも70%w/wのカプサイシノイド、少なくとも80%w/wのカプサイシノイド、または少なくとも95%w/wのカプサイシノイドまたは少なくとも99.5%w/wのカプサイシノイドを含む。
【0013】
なおその他の改変では、本明細書に記載されるカプサイシノイドのオイルは、少なくとも40%w/wのカプサイシノイド、およびこのカプサイシノイドを可溶化し得る溶媒を本質的に含む。これらのオイルは、カプサイシノイド結晶化阻害剤、例えば、ポリビニルピロリドンをさらに含み得る。その他の改変例では、上記溶媒が、カプサイシノイド結晶化阻害剤である。
【0014】
(カプサイシノイドのオイル)
上記に記載される方法を用いて産生されるカプサイシノイドのオイルは、無色透明〜琥珀褐色の範囲の色をもつ透明な液体である。このオイルは水と混和性でなく、そして視覚比較によって決定されるとき、オレイルアルコールのような長鎖アルカノール類と類似の粘度を有する。
【0015】
上記オイルは、代表的には、カプサイシノイドとしてカプサイシンを含むように形成され得るが、その他の適切なカプサイシノイドが用いられ得る。カプサイシンは、活性な薬学的成分の経皮送達のための浸透増強剤として用いられている(Kansa Buyukasarら、Kocatepe Tip Dergisi(2003)、1、29〜37)。カプサイシンは、Capsicum属のコショウから抽出されるオレオレジン(oleoresin)と呼ばれる精油の本源化学的化合物である。天然の植物学的抽出物は、カプサイシノイドの混合物である。代表的には、80〜90%のカプサイシノイドは、カプサイシン(69%)およびジヒドロカプサイシン(22%)から構成される。カプサイシンの物理的性質(CAS登録番号:404−86−4)は:実験式=C1827N、分子量=305.4ダルトン、白色結晶、冷水に溶けにくいが、ベンゼン、アルコール、ケトン、エーテルおよびパラフィン油に可溶性(Monsereenusornら、1982、RumsfieldおよびWest、1991)。純粋な薬物物質および天然の植物学的抽出物は、微結晶白色粉末として生じる固体である。
【0016】
カプサイシン自体はまた、薬学的に活性であり、そして末梢神経痛、間質膀胱炎、変形性関節症、およびその他の痛みのある症状を処置するために用いられている。カプサイシンの固有の浸透性質は、局所処方物(例えば、クリーム、ゲル、軟膏、または軟膏剤)では示されておらず、そして代表的には、これら処方物中のその他の不活性成分の存在が、このカプサイシンの浸透性質に影響する。驚くべき知見は、カプサイシンが、結晶化阻害剤または遅延剤の添加により、高度に濃縮された液体形態に転換され、そして安定化され得るということであり、その結果、高純度カプサイシンは、(例えば、高度に濃縮された油として)直接局所的投与に適切な液体として存在し得る。この利点は、液体形態で存在するとき、カプサイシンの固有の浸透性質が、所望のレベルの皮膚薬物送達および薬学的効果を達成するに十分であり得ることである。カプサイシンの合成または濃縮抽出物の新規な物理的形態、およびこれを生成するための方法が記載される。
【0017】
オイルを処方するために用いられ得るその他の適切なカプサイシノイドは、シス−
カプサイシン、ノニバミド、ジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモビトロカプサイシン、オルバニル、アラバニル、ならびにカプサイシンエステルおよび誘導体アミド側鎖のようなカプサイシンのアナログを含む。
【0018】
本発明者らは、代表的には、静置されたオイルが結晶化することを防ぐために用いられるか、または投薬量形態にある可溶化された活性な薬学的成分の沈殿を防ぐために用いられる結晶化阻害剤が、カプサイシンが結晶化することを防ぐために用いられ得ることを見出した。例は、制限されずに、Luvitol(登録商標)BD 10 P(BASF)、プロビドンおよびその誘導体;デキストリン誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、マンニトールおよびグリセリン、ならびに精油のモノおよびジグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シュークロースパルミチン酸エステル、木ロジンのペンタエリスリトールエステル(PentalynA(登録商標))、およびEudagrits(登録商標)を含む。結晶化阻害剤は、0.1〜10%の範囲であり得る。より好ましくは、2%または少なくとも1%であり、そしてPEG400中の10%Kollidon(登録商標)の10%添加のような溶液として処方され得る。
【0019】
本明細書に記載されるカプサイシノイドオイルは、通常、このカプサイシノイドを可溶化し得る溶媒を含む。用いられ得る溶媒の例は、揮発性溶媒、半揮発性溶媒、および不揮発性溶媒を含む。
【0020】
(A.揮発性溶媒)
上記カプサイシノイドオイルにおける使用のために適切な揮発性有機溶媒、カプサイシンがその中で特に可溶性である低分子量化合物である。例は、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール、n−プロパノール、ドデカン(C−12)より小さい分子量をもつシクロヘキサンおよびアルカンを含む。調製では、カプサイシノイドは、溶液が飽和されるまで溶解される。Kollidon(登録商標)17PF(BASFから入手可能なポビドンとしてもまた知られる)のような結晶化阻害剤および共溶媒が添加され得る。この飽和溶液を濾過し、任意の残存する未溶解カプサイシノイドを除去する。実質的にすべての揮発性溶媒が除去され(例えば、60%より多い、70%より多い、80%より多い、90%より多い、95%より多い、など)、過冷された液体を生じ;これは、標準状態で最も安定な状態が固体である純粋な有機化合物の液体状態である。任意の特定の理論に束縛されることなく、結晶化阻害剤の存在が、カプサイシン結晶化のための格子エネルギーに影響することによって均一な核形成を妨げると考えられる。
【0021】
(B.半−揮発性溶媒)
カプサイシノイドオイルを処方するために用いられ得る半−揮発性溶媒は、チョウジ油、茶木油、ゴマ油、およびシネオールのような多くの揮発性精油を含む。1つの改変例では、この精油は、キャリアオイルとしてもまた知られ得る不揮発性油である。その他が適切な半揮発性溶媒として用いられ得る。例は、Transcutol(登録商標)(Gattefosse、France)、Glycofurol(登録商標)、オレイルアルコール、プロピレングリコール、モノテルペン、シネオール(Sigma−Aldrich Chemical Co.UK)、メントール、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、ベンジルアルコール、およびアルカンまたはアルカノール、アルケノール、C−12〜C−28のアルカノイン酸およびアルケノイン酸を含む。半−揮発性溶媒は、代表的には、カプサイシノイドの融点より高い沸点を有する。カプサイシノイドおよび結晶化阻害剤は、媒体に懸濁物として添加される。温度は、カプサイシノイドの融点を超え、かつ溶媒の沸点未満に高められる。実質的にすべての半−揮発性溶媒が除去される(例えば、60%より多い、70%より多い、80%より多い、90%より多い、95%より多い、など)。この溶液が冷却されるとき、カプサイシノイドの結晶化または沈殿は、阻害剤の存在によって防がれ、液体組成物(すなわち、オイル)を生じる。媒体自体が、結晶化阻害剤として作用し得る。
【0022】
(C.不揮発性溶媒)
カプサイシノイドオイル中で用いられ得る不揮発性溶媒系は、ポリエチレングリコール400、Lutrol(登録商標)(BASFから入手可能なポリエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、グリセロールモノオレエート、グリセリン、ラノリン、低融点ワックス、セスキテルペンおよびアルカン、アルケン、アルカノール酸およびアルケノイン酸>C−28中に可溶化された高濃度カプサイシノイドを含む。半−揮発性調製物と同様に、カプサイシノイドおよび結晶化阻害剤は、媒体に懸濁物として添加される。温度は、カプサイシノイドの融点を超えて高められる。この溶液が冷えるとき、カプサイシノイドの結晶化または沈殿は、阻害剤の存在によって防がれ、液体組成物(すなわち、オイル)を生じる。媒体自体が、結晶化阻害剤として作用し得る。
【0023】
(投薬量形態および適用)
本明細書に記載されるカプサイシノイドのオイルは、オイルとして直接投与され得るか、または皮膚および粘膜のような組織への局所適用のために、パッチ、ゲル、軟膏、クリーム、またはローションとして処方され得る。このカプサイシノイドオイルは、前述の投薬量形態のいずれかで、少なくとも約10分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間の間局所的に付与され得るが、そのように制限されるわけではない。適用の持続時間は、用いられる投薬量形態、含められるカプサイシノイドのタイプおよび量などのような因子に依存して変動する。その後、このカプサイシノイドオイルは、例えば、浄化ゲルの付与により除去され得る。用いられ得る例示の浄化ゲルは、本出願人が同時所有する同時継続中の出願大10/655,911号に記載され、この出願は、その全体が参考として本明細書によって援用される。
【0024】
パッチ製品における使用には、カプサイシノイドプラス結晶化阻害剤の液体形態が、接着剤塊中に直接ブレンドされ得、ここで、この液体カプサイシノイド液滴は、この接着剤と混和不能である。1つの例は、シリコンベースの接着剤である。このような系は、接着剤塊中の薬物が液体であるマイクロリザーバパッチと呼ばれる。あるいは、液化カプサイシノイドは、ベントナイトまたは珪藻土のような不活性粒子上に吸着され得、接着剤マトリックスパッチ設計中の薬物に処方される。伝統的な液体リザーバ多層パッチ設計もまた可能である。
【0025】
エマルジョン、マイクロエマルジョン、またはその他の二相局所クリーム、軟膏またはゲルがまた調製され得る。カプサイシノイドのオイルの直接乳化が可能であり得、例えば、水中油エマルジョンであり、ここで、疎水性コアは、大部分はカプサイシノイドオイルからなる。その他の界面活性剤または処方賦形剤がこのエマルジョンを物理的に安定化するために添加され得る。
【0026】
上記カプサイシノイドオイルは、制限されないで、末梢神経障害痛症候群、疱疹後神経痛、痛みのある糖尿病神経障害、三叉神経神経障害、外傷性神経障害痛、先端肢端紅痛症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、線維筋痛症、下部背部通、乾癬、かゆみ、そう痒、癌、いぼ、前立腺肥大症、色素過剰症、しわ、およびウスルス感染のような任意のカプサイシン応答性症状を処置するために用いられる投薬量形態に含められ得る。
【0027】
さらに、カプサイシノイドオイルは、げっ歯類もしくは昆虫もしくはその他の歩行動物を防ぐかもしくは撃退するか、または細菌もしくは海洋動物がそれら自体がドックまたは船の船体に付着することを防ぐそれらの固有の能力に起因して、(例えば、種々の農業的または商業的製品を開発または栽培することで)農業的または商業的活動における多くの適用を有し得る。これは、一部、活用され得るTRPV1レセプターを通じて仲介されるカプサイシンの辛辣に起因する。より詳細には、げっ歯類による動物飼料汚染を減少し、そしてげっ歯類集団を制御するために開発中の技法は、家禽農場に対する細菌感染の発生を減少することを狙う努力にとって重要である。カプサイシノイドは、哺乳動物の口内で焼けるような感覚を生じ、そしていくつかの病害虫に対する抑止剤として有効に用いられている。家禽飼料に適用され、カプサイシノイドオイルは、げっ歯類食餌を抑制する嫌悪剤として有効であり得るが、それらは鳥類を抑制しない。なぜなら、鳥類のTPRV1レセプターは、はるかにより少なくカプサイシン応答性であるからである(Jordt SE、Julius D.「ホット」チリペッパーに対する種特異的感受性についての分子的基礎。Cell.2002.108(3):421〜30)。家禽農場に対するカプサイシノイド処理飼料の使用は、げっ歯類による飼料汚染を、そして最終的に家禽における細菌感染の発生を実質的に減少し得る(Jensen PG、Curtis PhD、Dunn JA、Austic RE、Richmond ME.家禽飼料にためのげっ歯類嫌悪剤としてのカプサイシンのフィールド評価。Pest Manag Sci.2003.59(9):1007〜15)。
【0028】
別の改変例では、上記カプサイシノイドオイルは、抗汚損剤として用いられ得る。抗汚損剤は、(細菌を含む)海洋生物の水中表面(桟橋、ドックまは船の船体)への付着を抑制する。最も一般的に用いられる抗汚損剤はトリブチル錫(TBT)である。TBT系は高度に有効であるが、非標的生物にもまた毒性であり:このTBTを基礎にした被覆の使用は、米国では、2008年1月1日中に完全に禁止される。従って、適切な非毒性代替物を捜し出す緊急の必要性がある。カプサイシノイドは、現在用いられている毒性の金属ベースの抗汚損剤の魅力的な代替物である。なぜなら、それらは、毒性がかなりより少ないからであるが(Xu Q、Barrios CA、Cutright T、Zhang Newby BM.カプサイシンおよびzosteric酸の毒性の評価、および抗汚損剤としてのそれらの可能な適用。Environ Toxicol.2005、20(5):467〜74)、なお極めて有効(Xu Q、Barrios CA、Cutright T、Newby BM.2つの天然産物項汚損剤の抗汚損性有効性の新鮮水細菌での評価。Environ Sci Pollut Res Int.2005.12(5):278〜84)であるからである。カプサイシノイドオイルは、海事構造物に抗汚損剤を適用する特に便利な手段を構成する。
【0029】
なお別の改変例では、カプサイシンを基礎にした産物は、植物、特に果実および野菜;例えば、柑橘類果実、根および茎野菜、球根植物、葉野菜、(アブラナ属)各種蔬菜、豆果植物、結実野菜およびウリ科野菜から(アリマキ、クモ、ダニ、アザミウマ、葉もぐり虫、コナジラミ、甲虫およびヨコバイを含む)昆虫を撃退するために用いられ得る。時間および標準的な洗浄手順で、局所的なカプサイシン投与は、産物の味に影響しない。カプサイシンを基礎にした防虫剤はまた、すべてのインドアおよびアウトドア装飾植物に対して用いられ得る。従って、カプサイシノイドオイルは、植物、果実および野菜に昆虫防虫剤を付与する特に便利な手段を構成する。
【実施例】
【0030】
以下の実施例は、上記に記載のカプサイシノイドオイルを作製および使用する様式をより完全に記載するために供される。これらの実施例は、いかなる様式においても本発明の範囲を制限するように供されず、むしろ、例示の目的にために提示される。
【0031】
さらに、以下の実施例は、そうでないことが示されなければ、薬学的組成物、医薬化学などの従来技法を採用し、これらは当業者の範囲内にある。このような技法は、文献に完全に説明される。数(例えば、量、比率など)に関して正確さを確実にする努力がなされているが、ある程度の実験誤差および偏差が占めている。そうでないことが示されなければ、部は重量部である。すべての成分は、そうでないことが示されなければ、市販され入手可能である。
【0032】
(実施例1:揮発性溶媒プラス阻害剤での可溶化)
最小限必要な濃度(%)のカプサイシン溶液を、以下のように、結晶化阻害剤の添加あり、またはなしで適切な溶媒中にこの薬物を溶解することによって調製した:カプサイシンをホウ珪酸塩ガラスバイアル中に、次いで残りの賦形剤を秤量した(通常のサンプルサイズは1g)。このバイアルを閉鎖し、そしてこれら成分をボルテックスにかけて混合し、そして視覚検査した。この処方物を一晩室温で静置した。透明な液体が得られた場合、この実験は、成功したと考えられた。
【0033】
選択された溶媒中のカプサイシンの最大の溶解度は以下のように決定された:格溶媒の固定された量(100mg)に、既知量(100mg)のカプサイシンを添加した。このサンプルを、カプサイシンが溶解するまで(視覚評価)ボルテックスで混合した。カプサイシン(100mg)のさらなるアリコートを、このサンプルに添加し、そして最大の溶解度が達成されるまでボルテックスで混合した。各溶媒中のカプサイシンの最大の可能な動力学的溶解度は、視覚により決定された。
【0034】
高濃度カプサイシン溶液は、上記で提示されたように決定された最大の溶解度をわずかに下回る濃度で(約5〜10%w/w)個々の溶媒中にカプサイシンを溶解することによって調製された。カプサイシンは、ホウ珪酸塩ガラスバイアル中に、次いで選択された溶媒が秤量された。成分は、ボルテックスで混合され、そして、すべてのカプサイシンが可溶化されるまで視覚で検査された。この処方物を、室温で、カバーをせずに一晩静置した。
【0035】
高濃度カプサイシン溶液の調製のために、特別グレードのPVPが、適切な結晶化阻害剤として同定された。Kollidon(登録商標)17PFは、Ph.Eur.USP/NFおよびJPE中のポビドンのための現在の調和されたモノグラフの要求に合致する。その主要な適用は、特に長乳のための可溶化剤、分散剤および結晶化阻害剤としての使用を含む。
【0036】
いくつかの例の組成物を調製し、溶媒除去の前後で最大の可能な濃度を比較した。以下の表1に示されるように、高濃度組成物が首尾良く得られた。
【0037】
【表1】

結果は、溶媒能力単独によって得られ得るより、高度に濃縮されたカプサイシン溶液が、結晶化阻害剤の存在下で揮発性溶媒中に溶解することによって得られ得ることを示した。この混合物のより揮発性の成分の蒸発は、阻害剤(単数または複数)によって安定化された液体(すなわち、オイル)を生じた。
【0038】
(実施例2:不揮発性溶媒での可溶化)
このタイプの溶液は、以下のように、結晶化インヒビターの添加とともに選択された溶媒中にカプサイシンを可溶化することにより調製した:カプサイシン(Torcan Chemicals LTD、Canada)およびKollidon(登録商標)(BASF、Germany)をホウ珪酸塩ガラスバイアル中に、次いで残りの賦形剤を秤量した(通常サンプルサイズ1g)。成分をボルテックスで混合し、そして視覚で検査した。このバイアルを秤量し、そしてこの処方物をバイアルを開放して70℃で1時間水中に配置した。この時間の終わりに、バイアルを冷却し、閉鎖し、そして再び秤量した。この処方物を室温で一晩静置した。この実験は、透明の液体が得られた場合成功したと考えられた。調製された種々の組成物の成分を表2に示す。
【0039】
【表2】

N.A.=適用可能でない。
【0040】
結果は、半揮発性溶媒にカプサイシンを添加すること、およびカプサイシンを、融点を超えるまで加熱することが、結晶化阻害剤とのいくつかの場合で、および溶媒系が阻害剤として作用したいくつかの場合で安定な組成物を生成したことを示した。
【0041】
(実施例3:熱溶解)
高濃度のカプサイシンオイルを処方した。95%、99%および100%のカプサイシンを調製した。カプサイシンを、次いでPEG400中の10%w/wのKollidon(登録商標)をホウ珪酸塩バイアル中に秤量した。このバイアルを冷却し、そして70℃の水浴中に配置し、そしてすべてのカプサイシンが溶融し、そして透明な液体が形成されるまで視覚で検査した。100%カプサイシンオイルのために、純粋なカプサイシンをホウ珪酸塩バイアル中に秤量し、シールし、そして70℃の水浴にすべてのカプサイシンが溶融するまで置いた。このバイアルを冷却し、そしてこの処方物を室温に放置した。冷却の際の挙動を、どの温度およびどの時間フレームで透明なオイルが得られ得るのかを決定するために観察した。
【0042】
結果は、95%カプサイシンに、10%w/wのKollidon(登録商標)の5%を添加することが十分に安定であったことを示した。99%および100%カプサイシン組成物は、室温への冷却後短時間内に結晶化した。
【0043】
(実施例4:短期間の物理的安定性研究)
上記のカテゴリーから合計4の処方物を、3つの異なる温度条件でそれらの短期間安定性について調べた。処方物は、比較物として100%カプサイシンを含む、可能な限り多くの異なるタイプのサンプルを含むように選択された。
【0044】
この短期間物理的安定性研究には、処方物は、上記のように、25mlのDuranボトル(ホウ珪酸塩ガラス)中3〜6gのサンプルサイズで調製された。各サンプルの3つのアリコートを、次いで、小さなホウ珪酸塩ガラスバイアル中に移し、シールし、そして3つの選択された温度条件:25℃、2〜8℃および−20℃に配置した。これら3つの温度条件で調査された安定性の時点は:t=0、t=12時間、t=36時間、t=1週間およびt=2週間であった。各時点の後、これら処方物を、以下のように、任意の視覚変化、特に任意の結晶または粒子の存在について評価した:25℃、2〜8℃および−20℃におけるインキュベーションのために配置されたサンプルを、安定性キャビネットから取り出し、そしてベンチ上に配置した。視覚評価は、インキュベーターからの取り出しの直後、および室温でベンチ上の静置の1、2および4時間後に実施した。その後、これらサンプルをそれらの個々のインキュベーターに戻した。
【0045】
多くのさらなる処方物を、バックアップとして調製し、そして室温でのみであるが、2週間の期間に亘る任意の視覚変化について観察した。
【0046】
(実施例5:迅速安定性スクリーニング試験−顕微鏡評価)
処方物の加速された安定性を、迅速結晶化スクリーニング試験を用いて調査した。この試験は、凍結された後、室温まで戻すとき、顕微鏡下で上記処方物の薄膜の挙動の観察を含めた。この目的には、各処方物のサンプルを、二重の腔の顕微鏡スライド上に広げ、そしてカバーグラスを用いて覆った。このカバーグラスをラッカーを用いてシールし、この処方物から溶媒の任意の蒸発を防いだ。この顕微鏡スライドを次いで−20℃のフリーザー中に1時間配置し、取り出し、そして200倍の倍率で5分間に亘って顕微鏡下で観察した。この観察時間に亘って任意の結晶および/または沈殿物の形成または消失を記録した。上記に記載の短期間安定性研究について選択された14の処方物すべてが、この顕微鏡方法によってさらに評価された。
【0047】
(実施例6:示差走査熱量測定(DSC))
DSCを、高度に濃縮されたオイルが開発され得るようにカプサイシンの物理的性質についての特定の基礎的情報を得るために採用し得る。従って、用いられるとき、標準的なDSC分析が、DSC2920(TA Instruments)を用いて実施された。DSCセルを乾燥窒素(60cm/分)でパージし、そして冷蔵庫冷却システムを窒素でパージした(150cm/分)。すべてのDSC分析は、クリンプ留めによって密封してシールされるアルミニウムパン中で実施された。3つの異なるプロトコールがDSC分析を実施するために行われた:
a.20℃から80℃までの10℃/分の速度での温度の増加。
b.20℃から100℃までの10℃/分の速度での温度の増加、次いで、10℃/分の速度での−20℃までの冷却工程、および第2の加熱工程150℃。
c.20℃から70℃までの10℃/分の速度での温度の増加、次いで、10℃/分の速度での−20℃までの冷却工程、および第2の加熱工程100℃。
【0048】
遷移温度は、加熱曲線上で観察されたピークの最大吸熱をとることによって決定された。この加熱曲線は、温度に対して、サンプル重量(W/g)を用いて正規化された熱流れ値をプロットすることによって構築された。
【0049】
本明細書中に引用されたすべての刊行物、特許、および特許出願は、各々の刊行物、特許、または特許出願があたかも参考としてそのように援用されるよう詳細かつ個々に示されるようなのと同じ程度まですべての目的のためにそれらの全体が本明細書によって援用される。前述の本発明は、例示によって、そして理解の明瞭さの目的のためにある程度詳細に説明されているが、本発明の教示を考慮して、それに対する特定の変更および改変が、添付の請求項の思想および範囲から逸脱することなくなされ得ることは当業者に容易に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプサイシノイドのオイルであって:
少なくとも40%w/wのカプサイシノイド;および
該カプサイシノイドを可溶化し得る溶媒を含み、
ここで、カプサイシノイドの結晶またはカプサイシノイドの沈殿物を実質的に含まない、カプサイシノイドのオイル。
【請求項2】
カプサイシノイドの結晶化阻害剤をさらに含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項3】
前記カプサイシノイドの結晶化阻害剤が、ポリビニルピロリドンである、請求項2に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項4】
前記溶媒が、カプサイシノイドの結晶化阻害剤である、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項5】
前記溶媒が、約100〜約300Daltonの分子量および約69℃を超える沸点を有する、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項6】
前記溶媒が、半浸透性溶媒である、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項7】
前記溶媒が、テルペン、茶木オイル、精油、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項8】
前記溶媒が、不揮発性溶媒である、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項9】
前記不揮発性溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項10】
前記溶媒が、揮発性溶媒である、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項11】
前記揮発性溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項12】
少なくとも50%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項13】
少なくとも60%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項14】
少なくとも70%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項15】
少なくとも80%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項16】
少なくとも90%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項17】
少なくとも95%w/wのカプサイシンを含む、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項18】
前記カプサイシノイドがカプサイシンである、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイル。
【請求項19】
少なくとも40%w/wのカプサイシン;および
該カプサイシンを可溶化し得る溶媒:から本質的になる、カプサイシノイドのオイル。
【請求項20】
カプサイシンの結晶化阻害剤をさらに含む、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項21】
前記カプサシシンの結晶化インヒビターが、ポリビニルピロリドンである、請求項20に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項22】
前記溶媒が、カプサイシンの結晶化阻害剤である、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項23】
前記溶媒が、約100〜約300Daltonの分子量および約69℃を超える沸点を有する、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項24】
前記溶媒が、半浸透性溶媒である、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項25】
前記溶媒が、テルペン、茶木オイル、精油、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項24に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項26】
前記溶媒が、不揮発性溶媒である、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項27】
前記不揮発性溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項28】
前記溶媒が、揮発性溶媒である、請求項19に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項29】
前記揮発性溶媒が、エタノール、イソプロピルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項28に記載のカプサイシンのオイル。
【請求項30】
カプサイシンのオイルを作製する方法であって:
少なくとも40%w/wのカプサイシンを揮発性または半揮発性溶媒中に可溶化する工程;
カプサイシンの結晶化阻害剤を添加する工程;および
該揮発性または不揮発性溶媒の実質的すべてを除去する工程、を包含する、方法。
【請求項31】
前記カプサイシンの結晶化阻害剤が、ポリビニルピロリドンである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記揮発性溶媒が、エタノール、イソプロピルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記溶媒が、テルペン、茶木オイル、精油、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
カプサイシノイドのオイルを作製する方法であって:
少なくとも40%w/wのカプサイシノイドを不揮発性溶媒と混合する工程;および
該カプサイシノイドと不揮発性溶媒との混合物をカプサイシノイドの融点を超えるが、該不揮発性溶媒の沸点未満で加熱する工程、を包含する、方法。
【請求項35】
前記不揮発性溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
カプサイシノイドのオイルを作製する方法であって:
少なくとも40%w/wのカプサイシノイドをその沸点を超えて加熱する工程;および
カプサイシンの結晶化阻害剤を添加する工程、を包含する、方法。
【請求項37】
前記結晶化阻害剤が、ポリビニルピロリドンである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
被験体におけるカプサイシノイド応答性症状を処置する方法であって、請求項1に記載のカプサイシノイドを投与する工程を包含する、方法。
【請求項39】
前記カプサイシノイドのオイルが、前記被験体の皮膚または粘膜への局所的付与によって投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記カプサイシノイドのオイルが、少なくとも約10分間付与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記カプサイシノイドのオイルが、少なくとも約30分間付与される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記カプサイシノイドのオイルが、少なくとも約1時間付与される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記カプサイシノイドのオイルを、浄化ゲルで除去する工程をさらに包含する、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
生物が物質を汚染すること、または表面に付着することを防ぐ方法であって、請求項1に記載のカプサイシノイドのオイルで該物質を処置すること、または該表面に付与する工程を包含する、方法。
【請求項45】
前記物質が、農業産物または商業産物である、請求項45に記載の方法。
【請求項46】
前記生物が海洋生物であり、そして前記表面が、橋脚、ドック、または船の船体である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記生物がげっ歯類であり、そして前記物質が家禽飼料である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記生物が昆虫であり、そして前記物質が植物、果実または野菜である、請求項45に記載の方法。

【公表番号】特表2008−537550(P2008−537550A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504395(P2008−504395)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/011767
【国際公開番号】WO2006/107723
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(505080910)ニューロジェシックス, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】