説明

カプセルシェル製造のための製剤及びカプセル

静電気粉体堆積によるカプセル製造のための粉体皮膜原料は、ヒドロキシプロピルセルロースとステアリン酸とを含む。この原料は、好適に柔軟なカプセルを提供し、カプセル製造における静電気粉体堆積工程の改善された特性を有する。他に可能な成分には、例えば、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、アミノアルキルメタクリレート重合体、糖アルコール及び乳白剤が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルシェル製造のための製剤(formulations)及びカプセルに関し、特に、しかし限定されないが、医薬品及び食品又は栄養補助食品の分野に使用される、カプセルシェル製造のための製剤及びカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
所定量を服用する医薬品、栄養補助食品、及びその他の化合物の大量生産は、ヘルスケア産業及びその他の産業にて重要な部分を占めるようになった。これらの服用の多くは、硬い又は柔らかいゼラチン又はセルロースのカプセルにて提供されている。このようなカプセルは、錠剤に比べて患者への投与が容易であり、大量生産の製造設備で簡単に製造することができる。必要な回数の服用のみが必要とされるため、カプセルは、大量の液体(bulk liquid)に比べ、患者による搬送がより容易である。さらに、圧縮した固形錠剤や大量の液体に比べ、1つのカプセル内の有効成分の取り込みを、単位あたり服用量において、より正確な送達(delivery)を可能とし、この利点は、比較的少量の有効成分を送達しなければならない場合、特に重要である。
【0003】
伝統的には、哺乳類由来のゼラチンは、硬い及び柔らかいカプセルの両方の外皮(envelope)の製造のための原料として選択されてきた。その迅速なゲル化力、優れた造膜性及び酸素不透過性付与力の観点から、ゼラチンは有用であるものの、例えば、コスト高、入手困難さ、そして時にはバッチ間の特性のばらつき等の欠点がある。したがって、特許文献1及び特許文献2など、多くの特許明細書に、カプセル形成のための代替化合物、水溶性セルロースエーテル又は加工デンプン(modified starch)組成物の使用について記載されている。しかし、ゼラチンベースであろうとセルロースベースであろうと、カプセルの商業的な製造方法は複雑で費用が掛かる。
【0004】
【特許文献1】米国特許6375981号明細書
【特許文献2】米国特許6337045号明細書
【0005】
我々の特許出願PCT/GB2004/002742は、カプセルシェルが基材上への静電気粉体堆積(electrostatic powder deposition)により製造される、カプセルシェルの製造に関する新規な方法を開示している。カプセルシェルが静電気粉体堆積(electrostatic powder deposition)により製造され、充填され蓋をかぶせられ最終的なカプセルが製造される。
【0006】
我々は、静電気粉体堆積によるカプセルの製造に特に適した、様々な製剤を見出した。
【0007】
PCT/GB2004/002742で述べたように、静電気堆積によるカプセルの製造の粉体原料は、皮膜(film coating)を形成するために溶融可能な成分を含む必要がある。種々の適した、高分子や非高分子の両方の原料が述べられている。
【0008】
現在市場にある全てのカプセルの化合物は、膜形成剤(film former)及び結合剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose, HPMC)が使用されている。しかし、我々は、膜形成剤(film former)及び結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースをベースとした様々な化合物を開発した。ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose, HPC)は、水溶性で適度に柔軟なカプセルを提供し、静電気粉体堆積工程ためのカプセル製剤において、改善された特性を有する。
【0009】
上述のPCT/GB2004/002742で述べたように、静電気堆積の粉体原料は、好ましくは、帯電制御機能(charge-control function)を有した原料を含有している。種々の帯電制御剤(charge-control agent)が言及されている。PCT/GB2004/002742は、この機能性は、アンモニオメタクリル酸(ammonio-methacrylate)重合体(例えばEudragitとして販売されている)場合、重合体構造に組み入れられ、及び/又は、より速いレートの帯電のため、個別の帯電制御添加物により提供される。好適な帯電制御剤の例が言及されている。
【0010】
PCT/GB2004/002742は、カプセル製剤における可塑剤としてクエン酸エチル及びポリエチレングリコール(PEG)の使用についても言及している。驚くべきことに、我々は、クエン酸エチル及びPEGなどの他の可塑剤と異なり、ステアリン酸の可塑剤は帯電制御剤としても作用することを見出した。また、ステアリン酸の使用は、カプセルに対して改善された柔軟性を提供する。カプセル製剤においてステアリン酸を使用することは、記載されていなかった。
【発明の開示】
【0011】
本発明は、静電気粉体堆積によるカプセルの製造のための粉体皮膜原料を提供し、その原料は、HPC及びステアリン酸を含む。
【0012】
有利には、HPCの量は少なくとも粉体の15重量%、好ましくは少なくとも粉体の20重量%であり、多くの場合少なくとも60重量%であり、通常は90重量%以下であり、例えば、粉体の85重量%以下である。
【0013】
好ましくは、ステアリン酸は、少なくとも粉体の1重量%の量が存在し、特に少なくとも2重量%、例えば少なくとも3重量%、多くの場合少なくとも5重量%であり、通常は15重量%以下である。12重量%以下の量が代表的である。5〜10重量%、又は、実質的に5重量%、又は、実質的に10重量%のステアリン酸を含んでいる粉体について特に言及されるべきである。
【0014】
基材上で皮膜を形成する処理が可能な粉体皮膜原料、及び、静電気粉体堆積における、それらの原料を使用する工程が開示されている。例えば、WO 96/35413、WO 98/35413、WO 98/20861、WO 98/20863、WO 01/57144、及びPCT/GB2004/00274は、カプセルシェルを製造する静電気粉体堆積工程に好適な原料を開示している。しかし、これらの明細書のいずれもが、HPC及びステアリン酸を含む粉体皮膜(powder coating)原料を開示していない。
【0015】
多くの場合、本発明の粉体原料は、必要とする外観に応じて、乳白剤(opacifier)、及び/又は、着色料(colourant)を含む。二酸化チタンは、乳白剤として特に有用であり、白色を呈し、良好な皮膜力(hiding power)及び着色力(tinctorial strength)を有する。もし存在するなら、二酸化チタンは、通常粉体原料の30重量%以下の量、好ましくは20重量%以下の量、より特別には15重量%以下の量が使用され、特に粉体原料の12重量%以下の量、より特別には10重量%以下の量を構成する。多くの場合、もし使用されるなら、最少量として、例えば5重量%、5〜10重量%の範囲内、又は、実質的に5重量%、又は、実質的に10重量%が特に言及されるべきである。いかなる着色料も、例えば粉体の15重量%以下、好ましくは5重量%以下、より特別には2.5重量%以下の量を構成する。もし使用されるなら、好適な最少量は、例えば0.5重量%である。しかし、通常、粉体原料は、例えば0〜30重量%、好ましくは20重量%以下、より特別には15重量%以下の二酸化チタン、又は着色料、又は二酸化チタン及び着色料を含み、着色料は、通常粉体原料の0〜15重量%、好ましくは0〜5重量%、特に0〜2.5重量%の量だけ存在している。
【0016】
糖アルコール、例えば、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、ガラクチトール、マルチトールは、望むならば、溶解を促進するために使用できる。好ましくは、もし存在するなら、15重量%以下の量、特に10重量%以下の量、より特別には8重量%以下の量、例えば実質的に5重量%以下の量が使用される。好適な最少量は、例えば2重量%である。糖アルコールは可溶性の成分で非常に溶解し易いので、崩壊性(disintegration)を改善するために添加される。例えばキシリトール及びソルビトールは、特に言及されるべきである。
【0017】
更に可能な成分は、例えばビニルピロリドン/酢酸ビニル(vinyl pyrrolidone/vinyl acetate, VP/VA)共重合体であり、これは可溶性であり、膜形成剤(film former)として作用し、水溶性を呈する。ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体は公知であり、例えば、VP:VA比が20:80、30:70、40:60、50:50、60:40及び70:30の重合体が商業的に入手できる。例えば60:40の共重合体は、薬剤としての使用が許可され、ビニルピロリドンのみと比べ、大幅に改善された結果をもたらす。主とした又は単独の膜形成剤としてのHPCに基づく製剤に比べて、ビニルピロリドン/酢酸ビニルを含む製剤は、滑らかで、より光沢のある外観と、より大きな引張り強さを有する。好ましくは、もし存在するなら、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体は、粉体の75重量%以下の量、特に65重量%以下の量、より特別には60重量%以下の量、例えば50重量%以下の量で使用される。好適な最少量は、例えば10重量%、特に20重量%、より特別には25重量%である。20又は25〜50重量%の範囲、例えば実質的に25重量%、又は、実質的に45重量%が特に言及されるべきである。
【0018】
粉体原料は、もし望むならば、可溶性で膜形成する、アミノアルキルメタクリレート重合体を含んでもよい。帯電制御特性を有し、特に酸溶性で低融点のアミノアルキルメタクリレート共重合体は、商品名Eudragit Eとして販売されている。Eudragit Eは、即時離型皮膜(instant-release coating)の点で優れていて、静電気コーティングに対して非常に良好な特性を有している(メルトフロー、帯電及び抵抗率)。水溶性よりも酸溶性が必要なとき、アミノアルキルメタクリレート重合体は特に有用である。好適な最少量は、例えば20重量%の量、実質的に例えば35重量%の量、又は50重量%の量が特に言及されるべきである。好ましくは、この重合体は、80重量%以下の量、例えば60重量%以下の量で使用される。それぞれ35重量%、35重量%、20重量%、及び50重量%、20重量%、22重量%のEudragit E、VP/VA共重合体及びHPCによる膜形成剤の組合せが、特に言及されるべきである。水溶性が必要なときは、一般に、20重量%以下のアミノアルキルメタクリレート重合体が使用され、多くの場合使用されないであろう。10重量%までの量、例えば5重量%までの量が特に言及されるべきである。Eudragit Eの使用はより硬いカプセルをもたらすが、それだけでは壊れやすいカプセルとなる。しかし、ステアリン酸と、HPC又はHPC+VP/VAとの組合せと共に使用すると、柔軟性が確保される。VP/VA共重合体は強度を改善するために使用される。HPC、Eudragit Eと他の可塑剤により製造されたカプセルに比べ、ステアリン酸を含む製剤は、より柔軟で光沢のあるカプセルを提供する。
【0019】
本発明の粉体原料は、もし望むならば、崩壊剤(disintegrant)、例えばデンプングリコール酸ナトリウム又はクロスカルメロースナトリウムを含んでもよい。好ましくは、もし存在するなら、崩壊剤は、粉体の10重量%以下の量、特に8重量%以下の量、例えば実質的に5重量%で使用される。好適な最少量は、例えば2重量%である。しかし、薄いカプセル壁の場合、崩壊剤の必要性は減少する。
【0020】
更に可能な添加剤には、例えば追加の可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、又はPEG、例えばポリエチレングリコール6000(polyethylene glycol 6000)が含まれる。もし使用されるなら、追加の(すなわち、ステアリン酸以外の)可塑剤は、例えば、少なくとも2重量%の量、例えば、5重量%までの量、特に3重量%までの量、存在してもよい。ステアリン酸を含む全体の可塑剤は、粉体の15重量%以下の量、特に12重量%以下の量、より特別に10重量%以下の量、例えば5重量%以下の量が好ましい。
【0021】
したがって、より特別に、本発明は、以下の成分を含む粉体皮膜原料を提供する。
15〜90重量% HPC
1〜15重量% ステアリン酸
0〜30重量% 二酸化チタン及び/又は着色料、全体で
0〜15重量% キシリトール又は他の糖アルコール
0〜75重量% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
0〜80重量% アミノアルキルメタクリレート重合体
0〜10重量% 崩壊剤
0〜10重量% ステアリン酸以外の可塑剤、ステアリン酸とステアリン酸以外の可塑剤との全体は15重量%以下
【0022】
より特別には、原料は、HPC、ステアリン酸、及び少なくとも1つの、好ましくは2つの、より特別には少なくとも3つの上記の他の原料を含む。
【0023】
以下のものを含む粉体原料が、特に言及されるべきである。
15〜90重量% HPC
1〜15重量% ステアリン酸
及び、以下の(i)〜(vi)のうちの少なくとも1つの、好ましくは2つの、より特別には3又はそれ以上
(i) 5〜30重量%の量の乳白剤及び/又は0.5〜15重量%の量の着色料、ただし、両者が存在する場合、乳白剤及び着色料の最大量は30重量%
(ii) 2〜15重量%の量の糖アルコール
(iii) 10〜75重量%の量のビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
(iv) 20〜80重量%の量のアミノアルキルメタクリレート重合体
(v) 2〜10重量%の量の崩壊剤
(vi) 2〜10重量%の量のステアリン酸以外の可塑剤、ただし、ステアリン酸とステアリン酸以外の可塑剤との最大量は15重量%
【0024】
良好な皮膜強度は、カプセルにおいて重要な事項である。本発明の製剤は、良好な乾燥皮膜強度、良好な皮膜柔軟性を示し、水や酸の中で溶解する、即時離型(instant-release)のカプセルの製造に使用される。HPMCに基づくカプセルの製造方法に比べて、本発明の製剤の使用は、より柔軟な製剤により、より速く、より容易なカプセルの製造を可能とする。
【0025】
好ましくは、粉体原料は、40℃〜180℃の範囲、例えば40℃〜120℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有している。有利には、原料は、50℃〜100℃の範囲のTgを有している。好ましい最小Tgは55℃であり、好ましい最大Tgは70℃である。そして、より有利には、原料は、55℃〜70℃の範囲のTgを有している。
【0026】
有利には、粉体原料は、粉体原料の成分を溶融混練(melt compounding)することにより準備される。溶融混練は、非常に密接した混合を提供するので、押し出し後、製粉された粒子は、異なる全ての材料成分を含む。溶融混練は、例えば、100〜140℃、好ましくは120〜130℃の温度範囲における2軸スクリュー式押出機(twin-screw extruder)により実行される。等しい分散と製造されたカプセル内容物の均一性を得るために、他の方法も代替的に使用できる。
【0027】
溶融混練後、原料は、微粉化(micronise)され、有利には、所望の粒子サイズを得るために分類される。好ましくは、少なくとも体積で50%の原料の粒子が、100μm以下の粒子サイズを有する。
【0028】
有利には、少なくとも体積で50%の原料の粒子が、5μm〜40μmの範囲の粒子サイズを有する。より有利には、少なくとも体積で50%の原料の粒子が、8μm〜25μmの範囲、例えば実質的に10μmの粒子サイズを有する
【0029】
狭い範囲の粒子サイズを有する粉体は、特に言及されるべきである。粒子サイズの分布は、例えば、幾何標準偏差(Geometric Standard Deviation,GSD)値、d90/d50又はd50/d10により見積もることができる。ここで、d90は、体積で90%の粒子のサイズがこの値より低い(そして10%が高い)粒子サイズを示し、d10は、体積で10%の粒子のサイズがこの値より低い(そして90%が高い)粒子サイズを示し、d50は、粒子サイズの中央値を示す。有効的には、中央値(d50)は、5〜40μmの範囲、例えば10〜25μmにある。d90/d50は、2.5以下で、多くの場合1.5以下、特に1.2〜1.5の範囲、特に1.3〜1.4の範囲である。粒子サイズは、レーザ計測システム、例えばマルバーン(Malbern)粒子サイズ分析器で測定される。したがって、例えば、粉体はd50=10μm、d90=13μm、d10=7μmとしてd90/d50=1.3、d50/d10=1.4とすることができる。
【0030】
流動助剤(flow aid)を、もし望むなら、使用前の粉体原料に追加することができる。流動助剤は、凝集力及び/又は粒子間の他の力を低減するために、粉体粒子の外表面に存在する。好適な流動助剤(表面添加剤(surface additives)としても知られている)は、例えばコロイダルシリカ、金属酸化物(例えばヒュームド二酸化チタン、酸化亜鉛、又はアルミナ)、ステアリン酸金属塩(例えば鉛、マグネシウム、又はカルシウムのステアリン酸塩)、タルク、機能的及び非機能的ワックス、ポリマービード(ポリメチルメタクリル酸ビード、フルオロポリマービードなど)がある。このような材料は、摩擦による帯電性を高めることができる。流動助剤の混合、例えばシリカと二酸化チタンは、特に言及されるべきである。粉体原料は、本発明の粉体と添加物を基に計算された値で、0〜1重量%、有利には0.5重量%以下、例えば、0.25重量%以下の表面添加流動助剤を含んでもよい。
【0031】
基材への粉体原料の静電気印加は公知である。方法は、電子写真(electrophotography)及び電子記録(electrography)の分野で既に開発されている。好適な方法の例が、例えば、”Electrophotography and Development Physics”(第2版、L.B.Scheinc著、Laplacian Press(Morgan
Hill California)発行)に記載されている。
【0032】
好ましくは、粉体は、成形された基材上に静電気的に堆積され、基材上に連続的な層を形成するように、例えば赤外線及び/又は対流加熱により処理され、皮膜層は中空のカプセルシェルを提供するために除去される。次いで、一般には、便宜上カプセルボディ(capsule body)とカプセルキャップ(capsule cap)と呼ぶことができる、このような2つのカプセルシェルから、カプセル自体が組み立てられる。組立て前に、カプセルボディは、例えば液体、粉体、又は他の固形物質が充填され、そしてカプセルキャップがカプセルボディに取り付けられる。同じ大きさ及び形状であってもよいが、カプセルキャップは通常カプセルボディより小さく、例えば長さにおいて約半分である。しかし、カプセルは、静電気粉体堆積により準備されたカプセルシェル(カプセルボディ)と、他の方法で準備されたキャップとを使って組み立てられてもよい。
【0033】
成形された基材は、例えば、棒(rod)形状(例えば直径5mm)、より特別には、従来の薬剤カプセルの形状でよいが、カプセルは、使用の態様に適した、違った形状でよく、適合した形状の金型は、基材として使用される。
【0034】
より特別には、基材は、金属製の、例えば鋼鉄の基材でよい。高導電率のため、金属サポートは、静電気堆積のための優れた基材を提供する。
【0035】
好ましくは、粉体皮膜原料の塗布の前に、基材は離型剤(releasing agent)により処理されている。離型剤は、文献で公知である。一般に、このような物質は、離型のための潤滑を提供するが、溶解中の皮膜を貫通してはならない。出願PCT/GB2002/002742は、油、パラフィン、タルクの使用を開示している。離型剤としてのPTFE、重流動パラフィン(heavy liquid paraffin)、又は、ポリエチレングリコール(例えばPEG 300)、これらの離型剤の混合は、本発明の粉体皮膜原料の堆積の前に、塗布されてもよい。
【0036】
我々は、離型剤として作用する、タルク、PTFE、又は他の粉末滑剤(glidant powder)に次いで、油、パラフィン、PEGの重流動パラフィンのような液体の離型剤の塗布が良好な結果を得ることを見出した。
【0037】
また、我々は、離型剤としてのレシチンの使用により、特に有利な結果を得ることを見出した。例えば商品名Migliol 810として販売されている、ヤシ油(fractionated coconut oil)(トリカプリン酸グリセリル)、に溶解したレシチンは、特に好適である。
【0038】
したがって、本発明は、次の基材からの除去のために、皮膜原料の静電気塗布の前に、離型剤として、基材に塗布するレシチンの使用を提供する。
【0039】
また、本発明は、次の基材からの除去のために、基材から層として除去できる皮膜を形成するために皮膜原料が塗布される、基材に塗布する離型剤の製造のためのレシチンの使用を提供する。
【0040】
レシチンは非医薬的な投与剤形(dosage form)の製造にも使用されることも言及すべきだが、より特別にはレシチンは医薬品の製造に使用される。
【0041】
WO 98/20863は、活性皮膜層を基材に形成する、活性皮膜原料の、より特別には粉体原料の、静電気塗布によるウエファー(wafer)又は類似の医薬製品の製造のための基材の皮膜を開示している。活性皮膜層は、基材から除去可能である。活性皮膜層は、個別の固形投与剤形(solid dosage form)を提供するため、除去できる。また、基材からの皮膜層の除去の前又は後において、個々の投薬は皮膜層の細分割(sub-division)により準備されてもよい。
【0042】
WO 98/20863のこの工程で、離型剤としての、レシチン、又は、粉末滑剤に次いで液体の離型剤は、特に言及されるべきであり、WO 98/20863の文章は、参照としてここに組み込まれる。
【0043】
より特別には、レシチンは離型剤として基材に塗布される。もし望むなら、粉末滑剤が塗布される。皮膜原料が粉体として塗布される。粉体は、特に溶解により、層として基材から除去可能な凝集した層を形成する。
【0044】
このように、本発明は、レシチンが離型剤として基材に塗布され、粉体皮膜原料が静電気的手段で堆積され、皮膜原料は溶解した膜層(film layer)を形成するように処理され、皮膜は層として基材から除去可能であり、任意には層は基材から除去される、静電気皮膜工程を提供する。
【0045】
皮膜原料は、生物学的に活性な、好ましくは薬学的に活性な原料を含む工程は、特に言及されるべきである。
【0046】
例えば特許出願PCT/GB2004/002742は詳細されているように、より特別には、静電気粉体堆積によるカプセルの製造において、レシチンが離型剤として使用される。
【0047】
したがって、本発明は、カプセルシェルが静電気粉体堆積により準備され、静電気粉体堆積の前にレシチンが離型剤として塗布される、カプセルシェルの製造方法を更に提供する。
【0048】
好ましくは、本発明の粉体皮膜原料を使用する静電気粉体堆積によるカプセル製造において、レシチンが離型剤として使用される。
【0049】
また、本発明は、成形された基材に本発明の粉体皮膜原料を静電気塗布すること、任意には離型剤、特にレシチンの前塗布の後、カプセルシェルを形成するために粉体を処理すること、基材からカプセルシェルを除去すること、カプセルシェルを充填すること、及び充填されたシェルからカプセルを組み立てること、更に同様にこのようなシェルを準備することを含むカプセルの製造方法を提供する。
【0050】
本発明は、本発明の粉体皮膜原料を静電気的に複数の成形された基材に塗布すること、
任意には離型剤、特にレシチンの前塗布の後、連続した皮膜層を各成形された基材に形成するために粉体を処理すること、中空のカプセルシェルを提供するために基材から成形された皮膜層を除去すること、カプセルボディとカプセルキャップを構成すること、任意にはカプセルボディを充填すること及び充填されたカプセルボディとカプセルキャップからカプセルを組み立てることを含むカプセルシェル又はカプセルの製造方法を更に提供する。
【0051】
好ましくは、粉体皮膜原料の塗布の前に、レシチンは離型剤として成形された基材に塗布される。
【0052】
適切なカプセルの組立て方法は、文献で公知である。例えば、2つの半部が、摩擦で固定されるまで、互いに押圧又は圧迫される。クロージング(closing)ピン及びイジェクション(ejection)ピンによる、特定の組み立て工程は、例えば、米国特許6546702号に開示されている。カプセルは、もし望むなら、熱シールされる。当然ながら、シールはカプセルの目的にとって適切である。
【0053】
充填物質は、個々のユニットに割り当てられるいかなる物質でもよく、多くの場合、生物学的活性物質、すなわち生物学的環境における処理速度を増加又は減少させる物質である。特に、生物学的活性物質は、生理学的に活性な、医薬に使用される物質であり、また例えば、栄養物(例えばビタミン、栄養補助食品、予め考慮した、香料などの食品添加物、又は、菓子)において使用される物質でもある。カプセルは、薬品への使用が好ましい。経口的に、又は別の方法で、カプセルが摂取される場合、当然、粉体原料は、医薬的に許容できなければならない。
【0054】
他の生物学的活性充填物質は、例えば農業目的、又は害虫駆除(例えば肥料、殺虫剤、除草剤、又は防虫剤)に使用できる。他の非医薬品カプセルは、例えば、入浴や洗濯での使用、例えば液体石鹸、発泡剤、香水、洗浄剤、酵素、漂白剤、水、繊維柔軟剤、又は泡切れ剤を充填することができる。
【0055】
基材上に形成される皮膜層は、例えば、厚さが70〜200μmである。皮膜層の厚さが増すと、一般にカプセルの強度の増大をもたらす。通常1つの層が塗布されるが、もし望むなら、例えば少なくとも200μmの厚さを得るために、1又はそれ以上の層が塗布され、更なる粉体の塗布の前に、各々が溶解する。別の方法では、低い電荷質量比(charge to mass ratio)で、例えば約30μmの大きな粒子サイズの粉体を使用し、1つの単層から厚いカプセルシェルを製造することが可能となる。
【0056】
好ましくは、粉体原料は静電的に帯電し、成形された基材に粉体原料を堆積させる電界が成形された基材の領域に存在する。例えば、粉体原料は、1つの極性の符号で静電的に帯電され、粉体原料の供給源の領域で同じ極性の電位が維持され、基材は、低い、接地又は反対の電位に維持される。例えば、粉体原料は静電的に帯電され、同じ符号の電位が粉体原料の供給源の領域で維持され、基材は接地電位に維持される。粉体原料は、不変、又は一時的な実効電荷(net charge)を有することができる。粉体原料を帯電させる、いかなる適切な方法も使用できる。有利には、粉体原料上の静電荷は、摩擦による帯電(従来的なコピー印刷にありふれている)又はコロナ帯電により印加される。帯電制御剤の使用により、粒子は特定の符号で帯電され、特定の規模へ帯電される。
【0057】
好ましくは、電界は、安定した直流電圧であるバイアス電圧によって提供される。好ましくは、直流電圧よりも実質的に高電圧である交流電圧は、バイアス電圧に重畳される。好ましくは、交流電圧は、直流バイアス電圧のピーク値よりも大きい、より好ましくは2倍までの、ピークトゥピーク値を有する。直流バイアス電圧は100V〜2000Vの範囲にあり、好ましくは200V〜1200Vの範囲にある。交流電圧は、5000Vのオーダーのピークトゥピーク値を有し、0.1〜3kHz、より特別には250〜1000Hzの範囲の周波数を有する。
【0058】
粉体原料の供給源と基材との間隔が相対的に小さく、すなわち10mm未満であると、良好かつ均一な皮膜の実現が容易となる。好ましくは、間隔は0.3mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜5mmの範囲にある。
【0059】
カプセルの強度と溶解性の良好なバランスが実現できる、所望の皮膜の厚さを得るために十分な、所定の時間にわたり、粉体原料の塗布は継続される。例えば、10〜100秒の範囲の間、特に15〜30秒の範囲の間、例えば、15秒又は30秒の間、塗布は実行される。
【0060】
代替的に、方法は以下のステップを含む:
粉体原料の供給源と基材間に電界を発生させるバイアス電圧を印加すること;
粉体原料は、電界と帯電した粉体原料との相互作用により基材上に移動され、基材上の帯電した粉体原料の存在が基材上の電荷を増大させることにより、バイアス電圧によって粉体原料の供給源と基材間に発生した電界が減少し、静電的に帯電した粉体原料を基材上に塗布すること、及び、
電界による粉体原料の移動が実質的に終了する程度に、粉体原料の供給源と基材間の電界が十分に小さくなるまで、静電気的に帯電した粉体原料の基材への塗布を継続すること。
【0061】
このような方法を使用することは、粉体原料の供給源から基材のある部分までの間隔が、基材の他の部分と相違していても、基材の均一な皮膜を促進する。基材が丸みを帯びた端部を有する棒(rod)形状を有する場合、この方法は特に有利である。更に、この方法は、粉体が基材上に堆積される速度に関係なく、基材の均一な皮膜を促進し、堆積中に基材と粉体原料の供給源との間に相対的な動きがあるときに採用できる。皮膜の1つの層の厚さが、要求される最終の厚さほど厚くない場合、1又はそれ以上の皮膜層を堆積することができ、もし望むなら、更なる層の堆積のために、直流バイアス電圧を増大する。
【0062】
静電気的な導電性シールドを、基材の一部または全部の周囲に備えることができる。例えば、基材が棒形状である場合、静電的な導電性シールドは、間隔を空けても空けなくてもよいが、棒の周囲の近くに配置することができる。シールドは、基材の電位よりも粉体原料の電位に近似した電位で維持することができる。我々は、基材の周囲の近くに導電性シールドを配置し、シールドを基材の電位よりも粉体原料の供給源の電位により近似した電位で維持することにより、物理的及び静電気的な障壁を作ることができ、基材への粉体の塗布を制限し、シールドより定められた境界まで、均一に基材領域を皮膜することが可能となることを見出した。したがって、皮膜の明確な境界を得ることができる。基材が棒であり、シールドが棒の周りに周方向に延びているとき、皮膜の限界は、棒の端からの所定の軸方向距離で示すことができる。
【0063】
基材からシールドまでの間隔は、1mm未満が好ましく、かつ、一定であることが好ましい。例えば、0.1〜3mmの範囲、例えば、0.1〜0.15mmとすることができる。
【0064】
導電性シールドは、絶縁材料の層により、全部又は一部が覆われた、導電性要素を含む。絶縁物質の層、好ましくは薄い層の提供は、基材とシールドとの間で起こる偶発的な電気的接触を防ぐ。
【0065】
導電性シールドの電位と帯電した粉体原料の電位は同じ符号を有していることが好ましい。
【0066】
粉体原料が、複数の成形された基材に塗布される場合、一部又はすべての基材の周囲に、共通シールドを備えることができる。例えば、基材が棒形状である場合、シールドは、各棒の端部が貫通して突出する、複数の孔を有することができる。
【0067】
基材を皮膜するために採用する、物理的な配置の選択は、皮膜される基材の形状に依存する。例えば、単一の基材を皮膜する、別個で複数の粉体原料の供給源を備えること、及び/又は、複雑な形状の供給源を備えること、及び/又は、複雑な形状の電界を備えることが可能である。また、粉体原料の供給源、及び/又は、粉体原料塗布中に移動する基材の配置が可能である。基材が、断面が円形である棒の場合、粉体原料の供給源は、棒から半径方向に間隔を空けて棒の端部に沿って横に配置することができ、棒は粉体供給源に対して相対的に回転できる。この場合、棒の直径が約5mmであると、棒の端部の中心は、棒の周方向部に比べ粉体原料の供給源から約2.5mm遠い位置にある。しかしながら、特に原料供給源と基材との間の電界が実質的に止まるまで粉体原料の塗布が継続される場合には、このような間隔の相違は、必ずしも不均一な皮膜をもたらすものではない。別の可能性としては、棒の長手方向軸上に棒の端部を越えて、粉体原料の供給源を備えることである。
【0068】
適切な方法及び装置の更なる詳細は、WO 96/35516、WO 01/43727、WO 02/49771、WO 03/061841及びWO 04/24339に記載され、これらの文章は、参照としてここに組み込まれる。
【0069】
PCT/GB2004/002742で言及されているように、カプセルシェルを製造する装置は、基材、帯電粉体原料の供給源、粉体原料が基材上に塗布されるように粉体原料の供給源と基材との間に電界を発生するために、その間にバイアス電圧を印加する電圧源を含む。
【0070】
複数の回転可能な棒の形状で、複数の基材を備えることができ、棒は、共通の駆動配列(drive arrangement)にて回転されるように配置することができる。好ましくは、棒は、共通の駆動配列により回転可能に配列された、個々のマウント部材に、取り外し可能にマウントされる。
【0071】
塗布後、加熱、好ましくは赤外線照射により、粉体皮膜は、凝集した膜へと変換されるが、電磁的放射又は対流加熱の他の形態も使用することができる。通常、加熱における皮膜の変化は、単なる物理的な変化である。粉体原料は、その軟化点を越える温度まで加熱して、その後、ガラス転移点(Tg)を下回る温度にまで冷却して、1つの連続した固形皮膜を形成することができる。粉体原料は、例えば150〜300℃の温度まで、例えば90〜180秒間、加熱される。好ましくは、粉体原料は、大気圧で、250℃未満、例えば200℃未満、より共通には150度より下、多くの場合少なくとも80℃、例えば120〜140℃の範囲の温度で、可溶性である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
カプセルシェルの製造の例により、カプセルシェルを形成するための、本発明の粉体原料の基材への塗布に好適な装置は、以下、添付の図面を参照して、説明される。
【0073】
図1Aを参照すると、基材は、断面円形の固体の鋼鉄棒1の端部を含んでいる。棒は半球状の端部2を有する。平板で円形の孔4を有するシールド3が備えられ、棒1の端部が孔4を貫通して突出して配置されている。したがって、シールド3は、接近して棒1を囲んでいるが、棒1からは間隔を空けている。
【0074】
帯電した粉体原料の供給源5は、棒1の端部に沿って横に、棒1から均等な半径方向の間隔で配置されている。供給源5は、細長い出口6を有し、図1Aにて概略的に描かれており、この出口から粉体原料が供給される。
【0075】
シールド3は、電気的絶縁基部7と基部7上に支持される導電層8を有している。
【0076】
電圧源9は、粉体原料の供給源5及びシールド3の導電層8に電位を印加するために接続されている。前述のように、印加される電位は、直流バイアス電位及び交流電位の両方を含んでいる。棒1は接地されている(earthed)。代替の実施の形態では、電圧源とシールドは接続されていない。
【0077】
赤外線ヒータ10が、棒1に沿って横に備えられている。
【0078】
適した離型剤、好ましくはレシチンが棒に塗布された後の使用時、棒1は、図示されていない手段によって、図1Aの矢印で示されたように回転され、帯電した粉体が、粉体原料の供給源5で作られる。電圧供給源9は、粉体原料の供給源5と棒1との間の電界を発生させ、結果として、帯電した粉体が、棒の半球状端部2を含む回転する棒1の端部に移動される。シールド3は、粉体が棒に沿って、シールド3まで、シールドを超えないように堆積されるように、電界を形成し、これにより、粉体堆積の明確な周囲方向の端が定義される。明示される。棒1に堆積した帯電した粉体が、供給源5と棒との間の電界を減少させるため、粉体が供給源5から棒1への移送が止まるまで、又は、所望の移送時間が経過するまで、粉体の塗布が継続される。
【0079】
粉体の塗布が完了すると、棒1に堆積した粉体原料を加熱し、連続した層に変換するために、赤外線ヒータ10の電源が入る。その後、原料は冷却され、中空のカプセルシェルを提供し棒から除去される。
【0080】
図1Bは、シールドの代替的な配置を示し、図1Bで示した部分は図1Aで示したものと、同じ符号で記載されているが、異なって配置された部分には、接尾辞"b”を追加している。したがって、図1Bのシールド3bは、棒1を囲む概ね円筒形であることがわかる。シールド3bは、外側の導電円筒形層8bと内側の電気絶縁円筒形基部7bを有している。図1Bで、基部7bは、棒1から少し間隔を空けて図示されているが、棒1に接触することもできるし、実際、シールド3bは、棒1に固定させて棒とともに回転させることもできる。図示されていないが、図1Aの配置と同様に、層8bは電圧源9に電気的に接続され、図1Bによる修正された配置が図1Aの配置と実質同じであることが理解されよう。
【0081】
粉体原料の供給源5は、本質的に公知の種類のものとすることができる。例えば、WO 02/49771は、採用することができる装置を開示しており、図1aにて、ローラー1aを有し、帯電した粉体が供給される粉体供給源を示している。図1Cは、WO 02/49771のローラー1aの、棒1に対する可能な1つの方向を例示している。図1Cで、関連した装置を図示せずに、WO 02/49771のローラー1aは図示されており、ローラー11aと参照する。ローラー11aの軸は、棒1の軸に対して垂直であり、ローラー11aの外周は棒1の側面に沿って横にあり、棒1が回転されることが判る。装置(図1Cに図示しない)の他の部分は、図1A又は図1Bに示したものと同様とすることができる。動作時は、粉体が棒1の側面に隣接するローラー11aの領域から離れ、棒1の曝された長さに沿って堆積される。
【0082】
図1Dは、ローラー11aと棒1の代替的な方向を示している。この場合、ローラー11aの軸は、棒1の軸に対して垂直であるが、ローラー11aの外周は、棒1の端に沿って横にある。この場合、棒1は回転される必要がない。最初は、ローラー11aからの粉体は、隣接する、棒1の接端に皮膜する傾向であるが、その後、棒1の、より離れた部分を皮膜する。装置(図1Dに示されていない)の他の部分も、図1A、図1Bに示したものと同様とすることができる。必要であれば、ヒータ10の形状及び/又は位置は、ヒータとローラー11aが互いに妨害し合うのを防ぐために調整することができることは、理解されよう。
【0083】
図示した装置は、一度に1つのカプセルシェルのみを製造するのに適したものであるが、複数の棒を備え、これらを動かして、及び/又は、複数の粉体原料の供給源、及び/又は、ヒータを備えることにより、一度に複数のカプセルシェルを製造する装置を採用することが可能であると、理解するべきである。
【0084】
図2は、一度に複数の棒を皮膜するために採用することができるリグ(rig)を示している。図では、5本の棒1が図示されているが、もし望むなら、ずっと多くの本数の棒を備えることができることが理解されよう。棒1の各々は、マウント部材22の一端にある、ソケット21内に、取り外し可能に位置している。各マウント部材22の他端は、ベアリングブロック(bearing block)24内に回転可能に取り付けられ、歯車部25を有する駆動アセンブリ(drive assembly)23に受け止められる。隣接するマウント部材の歯車部が互いにかみ合い、また、回転駆動部(rotary drive、図示しない)に接続された、追加の歯車部25aが備えられる。したがって、回転駆動部の動作により、各マウント部材22が回転し、隣接する部材は反対方向に回転する。1又は複数の静止した又は移動する粉体供給源(図1に示した供給源5に対応する)は、図1Cに示した棒1の側面に沿って備えられ、ヒータ及び/又はシールドは、図1A又は1Bに示すように備えることができる。棒1の各々の周囲で、図2の指定された領域26に、シールドを備えることができる。
【0085】
もし望むなら、マウント部材の1又は複数の追加の列を、図2に示す列に沿って横に備えることができる。複数の追加の列が取り付けられる場合には、粉体が棒の端部から塗布される、又は、適切な粉体源を収容できる、列の間に十分に大きな間隔を残すことが必要である。
【0086】
本発明の1つの特定の例において、図1Cで概略的に図示される種類の装置を使用して、以下の条件下で皮膜を行った。
棒1の回転速度: 35rpm
棒1及びローラー11a間の間隔(最小): 10mm
ローラー11aの電位: −3000V
皮膜時間: 90秒
【0087】
本発明の別の特定の例においても、図1Cで概略的に図示される種類の装置を使用して、以下の条件下で皮膜を行った。
【0088】
棒1の回転速度: 35rpm
棒1及びローラー11a間の間隔(最小): 2mm
ローラー11aの電位: −1000V
皮膜時間: 90秒
【0089】
各場合において、棒1は接地電位に維持され、棒1への塗布後、例えば90又は180秒間、皮膜は250℃の温度の融合器(fuser)に曝した。
【0090】
これらの例で製造されたカプセルは、150〜200μmの範囲の壁厚さ、10〜30μmの範囲の長さを有していた。
【0091】
以下の実施例は本発明を説明する。
【実施例】
【0092】
実施例1
製剤
42.5% ヒドロキシプロピルセルロース
42.5% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
5.0% ステアリン酸
5.0% 二酸化チタン
5.0% ポリエチレングリコール 3000
【0093】
本実施例及び以下の実施例で使用されるヒドロキシプロピルセルロースは、最低の軟化点を有する商業等級(commercial grade)であった。
【0094】
粉体の製造
原料の成分は高速撹拌機(high speed pharma mixer)で混合され、混合物は、混合ゾーンで120℃の温度の2軸スクリュー式混合機(twin-screw compounder)を通された。原料は、チルドロール(Chilled roll)を使用して冷却され、ハンマーミル(hammer mill)を使用して小さくされた。原料は微粉化され、平均粒子サイズが10μmで幾何標準偏差がGSD1.7の粉体になるように分類された。
【0095】
カプセルの製造
以下の方法を用いてカプセルを製造するために、粉体は使用された。
【0096】
図2に示すように、5本のピンがマウントされた。1組はカプセルのキャップを、もう1組はがカプセルのボディを製造する、2つのピンの組が使用された。
【0097】
むき出したピンの表面を均一に覆うように、離型剤は綿棒(swab)により手で塗布された。離型剤は、30mlのMiglyolに、溶解された1.5gのレシチンを含んでいた。
【0098】
粉体供給源から約5mm離れてピンが配置した。以下の条件でピンが皮膜された。
ピンの回転速度: 35rpm
直流電圧: +1200V
交流電圧: 2400V
皮膜時間: 30〜45秒
【0099】
ピンは熱風融合器(hot air fuser)の下に移動され、250度の空気の下、90秒間加熱された。
【0100】
カプセルシェルは、手でピンから除去され、冷却され、刃で切り取られた。ボディは約18mmに、キャップは約9mmに切り取られた。
【0101】
満足なカプセルが得られた。
【0102】
カプセルの性能
完成したカプセル(ボディ+キャップ)の平均重量:71.5mg
カプセルボディの平均厚さ: 110μm
カプセルは水中で5分以内に崩壊した。
【0103】
実施例2
60.0% ヒドロキシプロピルセルロース
25.0% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
5.0% 二酸化チタン
5.0% ポリエチレングリコール 3000
5.0% ステアリン酸
【0104】
実施例1に記載されたように、粉体の製剤は製造され、カプセルが製造された。
【0105】
本実施例及び以下の例で使用されたビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体は、60:40のISP Global Technologies社(米国ケンタッキー州)又はBASF Fine Chemicals社の商業的に入手できる製品であった。
満足なカプセルが得られた。
【0106】
カプセルは水中で10分未満で崩壊した。
【0107】
比較例
製剤
60.0% ヒドロキシプロピルセルロース
25.0% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
5.0% 二酸化チタン
5.0% ポリエチレングリコール 3000
5.0% ソルビトール
【0108】
実施例1に記載されたように、粉体の製剤は製造された。実施例1に記載のカプセルの製造方法に従った。しかし、カプセルが製造されたものの、この粉体の静電気特性は悪かった。カプセルの重量及び壁厚さの偏差が許容できなかった。
【0109】
カプセルは水中で5分未満で崩壊した。
【0110】
以下の本発明の製剤の実施例は、実施例1と同様に製造され、カプセルの製造に使用された。
【0111】
水溶性のカプセル製剤
製剤3
85% HPC
10% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0112】
製剤4
66% HPC
14% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
5% デンプングリコール酸ナトリウム
10% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0113】
製剤5
66% HPC
14% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
5% キシリトール
10% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0114】
製剤6
60% HPC
25% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
10% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0115】
製剤7
80% HPC
5% キシリトール
10% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0116】
HPCを基にした製剤は、水中で約5分で溶解した、柔軟なカプセルを形成した。
【0117】
酸溶性のカプセル製剤
製剤8
35% Eudragit E
37% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
20% HPC
3% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0118】
製剤9
35% Eudragit E
35% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
20% HPC
5% ステアリン酸
5% 二酸化チタン
【0119】
使用されたEudragit EはRohm社により製造され、Degussa社より入手できる。
【0120】
Eudragit
Eを基にした製剤は、0.1モルの塩酸中で溶解した、より硬い(柔軟ではない)カプセルを形成した。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1A】図1Aは、装置の概略側面図である。
【図1B】図1Bは、装置の修正部分の概略側面図である。
【図1C】図1Cは、図1A又は図1Bの装置に採用できる粉体原料の供給源の特定の配置を示す、概略側面図である。
【図1D】図1Dは、図1A又は図1Bの装置に採用できる粉体原料の供給源の別の特定の配置を示す、概略側面図である。
【図2】図2は、装置の修正部分の概略側断面図である。
【図3】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電粉体堆積によりカプセルを製造するための粉体皮膜原料であって、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸を含む粉体皮膜原料。
【請求項2】
前記粉体の1〜15重量%の量のステアリン酸が存在する、請求項1に記載の粉体皮膜原料。
【請求項3】
前記粉体の15〜90重量%の量のヒドロキシプロピルセルロースが存在する、請求項1又は2に記載の粉体皮膜原料。
【請求項4】
前記原料がビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項5】
前記粉体の75重量%以下の量のビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体が存在する、請求項4に記載の粉体皮膜原料。
【請求項6】
原料がアミノアルキルメタクリレート重合体を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項7】
前記粉体の80重量%以下の量のアミノアルキルメタクリレート重合体が存在する、請求項6に記載の粉体皮膜原料。
【請求項8】
前記原料が糖アルコールを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項9】
前記粉体の15重量%以下の量の糖アルコールが存在する、請求項8に記載の粉体皮膜原料。
【請求項10】
前記原料が乳白剤及び/又は着色料を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項11】
前記乳白剤及び/又は着色料が粉体の20重量%以下を構成し存在する、請求項10に記載の粉体皮膜原料。
【請求項12】
前記原料が崩壊剤を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項13】
前記粉体の10重量%以下の量の崩壊剤が存在する、請求項12に記載の粉体皮膜原料。
【請求項14】
前記原料がステアリン酸以外の可塑剤を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項15】
前記可塑剤の量がステアリン酸及びステアリン酸以外の可塑剤の全体が前記粉体の15重量%以下の量となる、請求項14に記載の粉体皮膜原料。
【請求項16】
15〜90重量% ヒドロキシプロピルセルロース
1〜15重量% ステアリン酸
0〜30重量% 乳白剤及び/又は着色料
0〜15重量% 糖アルコール
0〜75重量% ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
0〜80重量% アミノアルキルメタクリレート重合体
0〜10重量% 崩壊剤
0〜10重量% ステアリン酸以外の可塑剤
ステアリン酸とステアリン酸以外の可塑剤との全体は15重量%以下
を含む請求項1に記載の粉体皮膜原料。
【請求項17】
前記原料は、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルセルロース及び少なくとも2つ、特別には少なくとも3つの特定された他の成分を含む、請求項4〜16のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項18】
15〜90重量% ヒドロキシプロピルセルロース
1〜15重量% ステアリン酸
及び、
以下の(i)〜(vi)のうちの少なくとも1つの、好ましくは2つの、特には3又はそれ以上の成分
(i) 5〜30重量%の量の乳白剤及び/又は0.5〜15重量%の量の着色料、ただし、両者が存在する場合、乳白剤及び着色料の最大量は30重量%
(ii) 2〜15重量%の量の糖アルコール
(iii) 10〜75重量%の量のビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体
(iv) 20〜80重量%の量のアミノアルキルメタクリレート重合体
(v) 2〜10重量%の量の崩壊剤
(vi) 2〜10重量%の量のステアリン酸以外の可塑剤、ただし、ステアリン酸とステアリン酸以外の可塑剤との最大量は15重量%
すべてのパーセント値は前記粉体全体に対する重量%
を含む請求項1に記載の粉体皮膜原料。
【請求項19】
前記粉体の12重量%以下、好ましくは10重量%以下の量のステアリン酸が存在する、請求項1〜18のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項20】
前記粉体の少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より特別には少なくとも5重量%の量のステアリン酸が存在する、請求項1〜19のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項21】
前記粉体の85重量%以下の量のヒドロキシプロピルセルロースが存在する、請求項1〜20のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項22】
前記粉体の少なくとも20重量%の量のヒドロキシプロピルセルロースが存在する、請求項1〜21のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項23】
前記粉体の少なくとも60重量%の量のヒドロキシプロピルセルロースが存在する、請求項22に記載の粉体皮膜原料。
【請求項24】
前記原料が前記粉体の少なくとも20重量%の量のアミノアルキルメタクリレート重合体を含む、請求項6〜22のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項25】
前記粉体の20重量%以下の量のアミノアルキルメタクリレート重合体が存在する、請求項1〜23のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項26】
前記粉体の60重量%以下、好ましくは50重量%以下の量のアミノアルキルメタクリレート重合体が存在する、請求項1〜24のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項27】
前記粉体の65重量%以下、好ましくは60重量%以下の量のビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体が存在する、請求項1〜26のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項28】
前記原料が前記粉体の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%の量のビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体を含む、請求項4〜27のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項29】
前記粉体の10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より特別には5重量%以下の量の糖アルコールが存在する、請求項1〜28のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項30】
前記原料が前記粉体の少なくとも2重量%の量の糖アルコールを含む、請求項6〜29のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項31】
前記原料が糖アルコールとして、キシリトール又はソルビトールを含む、請求項8〜30のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項32】
前記粉体の15重量%以下、好ましくは10重量%以下の量の乳白剤及び/又は着色料が存在する、請求項1〜31のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項33】
前記原料が乳白剤として、二酸化チタンを含む、請求項10〜32のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項34】
前記原料が前記粉体の少なくとも5重量%の量の二酸化チタンを含む、請求項33に記載の粉体皮膜原料。
【請求項35】
前記粉体の5重量%以下、好ましくは2.5重量%以下の量の着色料が存在する、請求項1〜34のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項36】
前記原料が前記粉体の少なくとも0.5重量%の量の着色料を含む、請求項10〜35のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項37】
前記粉体の8重量%以下の量の崩壊剤が存在する、請求項1〜36のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項38】
前記原料が前記粉体の少なくとも2重量%の量の崩壊剤を含む、請求項12〜37のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項39】
崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム又はクロスカルメロースナトリウムである、請求項12〜38のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項40】
前記粉体の5重量%以下、好ましくは3重量%以下の量のステアリン酸以外の可塑剤を含む、請求項1〜30のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項41】
前記原料が少なくとも2重量%の量のステアリン酸以外の可塑剤を含む、請求項14〜40のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項42】
ステアリン酸以外の可塑剤は、クエン酸トリエチル又はポリエチレングリコールである、請求項14〜41のいずれかに記載の粉体皮膜原料。
【請求項43】
請求項1〜42のいずれかに記載の粉体皮膜原料を成形された基材に静電気塗布すること、前記粉体を処理しカプセルシェルに形成すること、前記基材から前記カプセルシェルを除去すること、前記カプセルシェルを充填すること、充填された前記カプセルシェルと同様に準備された更なるシェルとからカプセルを組み立てること、を含むカプセルの製造方法。
【請求項44】
請求項1〜42のいずれかに記載の粉体皮膜原料を成形された複数の基材に静電気塗布すること、前記粉体を処理し前記成形された基材の各々に連続した皮膜層を形成すること、形成された前記皮膜層を前記基材から除去し、中空のカプセルシェルを得ること、カプセルボディとカプセルキャップを構成すること、及び任意には前記カプセルボディを充填すること、充填された前記カプセルボディと前記カプセルキャップとからカプセルを組み立てること、を含むカプセルの製造方法。
【請求項45】
前記粉体皮膜原料の塗布の前に、前記基材上の離型剤の上に粉末滑剤が塗布される、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記粉体皮膜原料の塗布の前に、前記基材上に離型剤としてレシチンが塗布される、請求項43〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
レシチンは、ヤシ油の溶液として塗布される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
その後の基材からの除去のために、皮膜原料の静電気塗布の前に、離型剤として前記基材に塗布する、レシチンの使用。
【請求項49】
離型剤としてレシチンが基材に塗布され、静電気的手段により粉体皮膜原料が基材上に堆積され、前記皮膜原料が処理され融解した膜層を形成し、層として前記皮膜が前記基材から除去可能であり、任意には前記層は前記基材から除去される、静電気塗布の工程。
【請求項50】
前記粉末原料は、生物学的活性物質を含む、請求項49に記載の工程。
【請求項51】
個別の投与剤形を提供するために、前記皮膜は除去可能である、請求項50に記載の工程。
【請求項52】
個別の投与は、皮膜された基材の細分割により準備される、請求項50に記載の工程。
【請求項53】
活性皮膜層が前記基材から除去され、前記層が個別の投与に分割される、請求項50に記載の工程。
【請求項54】
静電気粉体堆積によりカプセルシェルが準備される、請求項49に記載の工程。
【請求項55】
前記粉体皮膜原料の塗布の前に、レシチンの上に粉末滑剤が塗布される、請求項49〜54のいずれかに記載の工程。
【請求項56】
レシチンは、ヤシ油の溶液として塗布される、請求項49〜55のいずれかに記載の工程。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−523798(P2008−523798A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546180(P2007−546180)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004833
【国際公開番号】WO2006/064235
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(502189797)フォウカス ファーマスーティカルズ リミティド (6)
【住所又は居所原語表記】10 Kings Hill Avenue, Kings Hill, West Malling, Kent ME19 4PQ UNITED KINGDOM
【Fターム(参考)】