説明

カプセル自動選別機

本発明は、欠陥のあるカプセルを直径および重量に応じて自動選別することができる機械に関する。本装置は、部分的に封鎖したあとの空のカプセルを生産する機械に使用することができ、このカプセルを充填する機械の入口および出口にも使用することができる。この機械は、組み立ての欠陥および分量の欠陥のあるカプセルを自動的に選定し、廃棄することができる。本装置は、水平線に対して20数度傾斜した面で回転する縁付の選定用ディスクで構成される。このディスクは周縁に1列または2列の選別用の孔があけられ、うまく組み立てられていないカプセルが送風ノズルで自動的に排除されるまでこの孔で保持される。組み立ての欠陥のないカプセルは、選別用の孔を難なく通過する。落下する際は、空のカプセルまたは分量不足のカプセルを選定する送風層の前を個別に通過する。適正なカプセルは送風によって脇にそれることはなく、出口のシュートを通って機械から排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥のあるカプセルを直径および重量に応じて自動選別することができる機械に関する。本機械は、部分的に封鎖したあとの空のカプセルを生産する機械に使用し、このカプセルを充填する機械の入口および出口にも使用することができる。この機械は、以下の欠陥のあるカプセルを自動的に選定して廃棄することができる。
カプセルを構成する頭部と本体の2部分の間の撚れまたは破れを特徴とする組み立ての欠陥。
空または分量不足などのカプセルの分量の欠陥。
片方のみの部品、すなわち頭部と本体が分離している部品。
【背景技術】
【0002】
組み立ての欠陥を有するカプセルの選別装置は製造段階ですでに使用されている。この装置は、水平軸となるシリンダを形成するように設計されたいくつかの篩で構成される。各篩には、直径がカプセルよりも100分の数ミリメートルわずかに大きい孔が複数あけられている。
【0003】
カプセルはシリンダの一方の側面から中に投入される。シリンダはカプセルが連続的に混ざるように回転する。正しく封鎖されたカプセルは、篩の孔を通過する。一方、組み立ての欠陥のあるカプセルは、変形しているために選別用の孔を通過することができず、篩に挟まったままとなる。このシステムには、以下の欠陥がある。
欠陥品を排除するには、作業者が手動で介入し、製造機を完全に停止させる必要がある。
不良部品を混ぜ続けることにより、欠陥品が選定用の孔を通過するおそれがある。
作動を続けると、製品の残留物によって選別用の孔を通過する直径が小さくなる傾向があり、清掃するために手動で介入する必要がある。
【0004】
別の機械では、空の(分量が正しくない)部品または片方の(頭部と本体が分離している)部品を排除するのに、送風装置が使用されている。このシステムの不都合なところは、カプセルが個別に処理されないことである。カプセルは塊ごとに処理され、欠陥品がほかのカプセルに引きずられるために排除できないことがよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明による装置は、2つの選別機能(衝突したカプセルの選別と、空のカプセル、規定の分量以下のカプセル、片方だけのカプセルの選別)を統合し、既存の装置が抱える前述のさまざまな不都合を解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本機械は、縁のある、または縁のない選定用ディスクの形状をした篩で構成され、その軸は垂直軸に対して20数度傾斜している。縁のない選定用ディスクの場合は、カプセルが落ちないようにする縁の役割を果たすのは機械のフレームである。
【0007】
選別するカプセルの形式に適応した選別用の孔は、このディスクの周縁にあけられている。
【0008】
各孔は、次の3部分で構成されている。カプセルの動きおよび挿入が容易になる円錐形の入口、直径がカプセルよりも100分の数ミリメートル大きい選別用の箇所、および適正なカプセルを落下しやすくする直径がさらに大きい箇所である。この孔は積み重なったいくつかのカプセルを内包することができる。
【0009】
選別するカプセルは入口のシュートから連続して機械に投入され、モータ軸を中心に回転する選定用ディスクの下方部に落下する。カプセルは選別用の孔に嵌まったあと、装置の上方部に向かって上昇する。
【0010】
供給過剰(ディスクの選別容量不足、または選定用ディスクの回転停止)の場合は、超過したカプセルはあふれて特殊な容器に入る(「オーバーフロー」と呼ぶ)。
【0011】
ディスクの縁の高さおよび傾斜角度は、カプセルが下方部で集積してディスクの表面全体を被覆しないように設定する。
【0012】
カプセルを上昇させる段階では、柔軟なかき寄せ具が、カプセルが選定用ディスクの孔に入るのを補佐する。
【0013】
篩の下に位置する固定プレート(「保留プレート」と呼ぶ)が孔の出口をふさぎ、カプセルが縦に積み重なったままになるようにする。保留プレートは、その上方部が選定用ディスクの孔の並びのとおりにくり抜かれている。カプセルがこの開口部の真上に来ると、組み立ての欠陥のないカプセルは選別用の孔を難なく通過する。落下する際に、カプセルは「空のカプセルを排除する送風」層の前を個別に通過する。空のカプセル、分量不足のカプセル、片方の(頭部と本体が分離した)カプセルは、特殊な廃棄容器(「分量欠陥品用容器」と呼ぶ)に吹き飛ばされる。適正なカプセルは、脇にそれることなく出口のシュートに落下する。
【0014】
組み立ての欠陥のあるカプセルは、選定用ディスクの孔に挟まったままとなる。そこからさらに選定用ディスクが4分の1回転すると、このカプセルは「衝突したカプセルを自動的に排除する送風」ノズルの上を通過し、シュートを通って上方へ排除され、特殊な廃棄容器(「組み立て欠陥品用容器」と呼ぶ)に入る。
【0015】
この送風によって、選定用ディスクの選別用の孔を自動的に清掃することも可能となる。
【0016】
テンポの遅いものに適用する場合は、選定用ディスクは選別用の孔が1列しかない。逆に、テンポの速いものの場合は、孔は互い違いに2列に分散している。孔をあける角度は、2列の孔の出口がディスクの同一円周上または接近した円周上で開口するように形成される。
【0017】
この重要な特徴によって、空のカプセルを排除する送風層の前を通過する際に、どのカプセルも個別に送風に暴露することができる。
【0018】
部分的に封鎖したあとの空のカプセルを生産する機械に使用する場合、または充填する機械の入口に使用する場合は、空のカプセルを排除する送風ノズルおよび保留プレートが必要である。
【0019】
以下に説明する添付の図面は、本発明に関する図である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】選定用ディスクの下面図である。
【図2】選定用ディスクの軸に沿ったAAの断面図である。
【図3】衝突したカプセルを排除するノズルを縦に見た選定用ディスクの図である。
【図4】選定用ディスクの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1、2、3および4では、選別機はモータ軸(2)上に位置する選定用ディスク(1)で構成されている。
【0022】
この機械全体は、20数度傾斜してカプセルがディスクの下方部に留まるようになっている。カプセルは入口のシュートを滑走して選定用ディスクの下方部に落下する(図2の左)。
【0023】
モータ軸は選定用ディスクを回転駆動する。カプセルは、ディスクの周縁にあけられた選別用の孔に入る。ディスクの傾斜ならびに柔軟なかき寄せ具(3)は、カプセルが孔に入るのを補佐する。縁の高さは、選別するカプセルがディスク全体を被覆しないように設定される。
【0024】
供給過剰または選定用ディスクが停止した場合は、超過したカプセルはあふれて特殊な容器に入る(「オーバーフロー容器」と呼ぶ)。
【0025】
選定用ディスク(1)の各孔は、カプセルの動きと挿入が容易になる円錐形の入口と、直径がカプセルよりも100分の数ミリメートル大きい孔のあいた箇所とで構成される。この孔は直径がさらに大きい箇所で終わり、適正なカプセルが通過しやすくなっている。孔は、積み重なった複数のカプセルを内包するのに十分な長さを有する。
【0026】
入口の円錐形部分では、孔は互い違いに2列に分散している(図4を参照)。孔をあける角度は、2列の孔の出口がディスクの同一円周上または接近した円周上で開口するように形成される(図1)。
【0027】
この重要な特徴によって、空のカプセルを排除する送風層の前を通過する際に、どのカプセルも個別に送風に暴露することができる。
【0028】
選別するテンポが遅いものに対しては、選定用ディスクはディスクの表面に対して垂直にあけられた孔を1列のみ有する。
【0029】
孔に嵌ったカプセルは保留プレート(4)(図2の左部分)によって停止し、選定用ディスクが回転することによって上方部に向かって上昇する。ディスクが半回転した位置では、保留プレートはカプセルを排除できるようにくり抜かれている(図2の右部分)。直径が適正なカプセルは選別用の孔を通過する。落下する際に、カプセルは空のカプセルを排除する送風層の前を通る(5)。空のカプセル、分量不足のカプセル、ならびに片方だけの(頭部と本体が分離した)部品は、送風によって脇へそれて特殊な廃棄容器(「分量欠陥品用容器」と呼ぶ)に入る。これよりも重い適正なカプセルは脇にそれることなく、適正なカプセルの出口となるシュートへ落下する。
【0030】
組み立ての欠陥のあるカプセルは、選別用の孔に挟まったままとなる。さらに選定用ディスクを4分の1回転させると(図3)、挟まったカプセルは衝突したカプセル(6)を自動的に排除する送風ノズルの上を通過し、シュート(8)を通って上方へ排除され、特殊な廃棄容器(「組み立て欠陥品用容器」と呼ぶ)へ入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径および重量に応じて選別し、空のカプセル、分量不足のカプセル、および片方のカプセルまたは組み立て(衝突)の欠陥を有するカプセルを除外することができるカプセルの自動選別装置であって、周縁に選別用の孔のあいた選定用ディスク(1)を有することを特徴とする装置であって、前記装置は水平面に対して20数度傾斜したモータ軸(2)によって回転駆動する装置。
【請求項2】
前記選定用ディスクの孔は、周縁にあけられて1列の選別用の孔となり、1つまたは複数の積み重なったカプセルを内包することができることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選定用ディスクは、周縁にあけられて2列の選別用の孔となり、各孔が1つまたは複数の積み重なったカプセルを内包することができることを特徴とする、請求項1に記載の装置であって、前記孔は、入口の円錐形部分が互い違いに分散し(図4を参照)、これらの孔をあける角度は、2列の孔の出口がディスクの同一円周上または接近した円周上で開口するように形成される(図1)装置。
【請求項4】
前記選定用ディスクの孔は、円錐形の入口と、直径がカプセルよりも100分の数ミリメートル大きい選別用の筒状部分と、これよりもさらに大きい筒状部分との3部分で構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ディスクは、カプセルの出口に面する開口部を前記装置の上方部(図2の右部分)に有する保留プレート(4)の上で回転することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
送風層(5)が保留プレートの開口部の下に位置して空のカプセル、分量不足のカプセルおよび片方のカプセル(図2の右部分)を吹き飛ばすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
送風ノズル(6)が、前記選定用ディスクの下で選別用の孔の出口の軸上に位置して(カプセルを載せたあとに3/4回転した位置)、衝突したカプセルを排除用のシュート(7)に排除する(図3)ことを特徴とする、請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−501824(P2012−501824A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525585(P2011−525585)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001235
【国際公開番号】WO2010/026300
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511049484)ソルドファ エス.エイ.アール.エル. (1)
【Fターム(参考)】