説明

カメラのAF制御方法

【課題】撮影者が意図した被写体に焦点を合わせ易いカメラを提供する。
【解決手段】被写体像を撮像する撮像装置100と、合焦状態に導くための自動焦点調節装置240と、カメラ100の向きを検出する方向検出手段210と、サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、方向検出手段210により検出されたカメラ100の向きと、サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラ100の向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置230と、少なくとも2つのカメラ100の向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段とを備え、焦点調節領域算出手段により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像して画像データを得るデジタルカメラに関し、特に自動焦点調節(以下AFという)機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からAF機能を持つ、様々なタイプのデジタルカメラが知られているが、その中に撮影レンズを通して被写体像の合焦状態を算出して焦点調節を行うものがある。これはTTLAFと呼ばれるもので、TTLAFにはコントラストAF方式と位相差AF方式とがあることが知られている。
【0003】
コントラストAF方式では、光軸方向にフォーカスレンズを移動させながら、被写体像のコントラストを検出することにより、被写体距離に応じた、フォーカスレンズの最適位置を検出し、そのレンズ位置にフォーカスレンズを駆動することが行われる。被写体が移動している場合には、コントラストのピークを探すために、フォーカスレンズを何度も光軸方向に移動させる必要があるためAFサーチに時間がかかり、撮影者が意図する被写体位置で焦点のあった撮影が行えないことがある。
【0004】
一方、位相差AF方式では、撮影光束の光路を分割して専用AFセンサの複数の焦点検出ポイントの出力に基づいてデフォーカス量を算出するとともに、当該デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズの焦点調節処理を行う。位相差AF機能を持つカメラで移動する被写体を撮影する場合には、測距点内に被写体を捉えている必要があり、被写体から測距点を外してしまうと、背景などにピントが抜けることがある。そのため、測距点を被写体に合わせ直すことができても、再び合焦するまで時間がかかってしまう可能性があった。
【0005】
これらの問題を解決するため、フォーカスを行う範囲を規制する焦点調節領域規制手段という技術が知られている。
【0006】
たとえば、特許文献1では焦点調節領域規制手段により規制を受けた移動領域内でのみフォーカスレンズを移動させる設定を行うことで被写体に速やかに焦点を合わせることができるデジタルカメラが開示されている。
【0007】
また、特許文献2ではレンズ光軸の水平面となす角度が所定以上の俯角である場合に、表示器にオートフォーカス機能のサーチ範囲の選択を促す旨の表示をさせることで誤動作なく、オートフォーカス時間の短縮化が図られる撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−176334号公報
【特許文献2】特開2006−317593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、焦点調節領域の規制範囲を1度に1つしか設定できないため、被写体の移動する範囲が複雑な場合には、AFサーチ時間の短縮効果が不十分な場合があった。
【0010】
さらに、上述の特許文献2に開示された従来技術では、あらかじめ決められたサーチ範囲が自動的に選択されてしまうため、撮影者がサーチ範囲外の被写体を撮影したいときに、合焦することができない。また、表示器にオートフォーカス機能のサーチ範囲の選択を促す旨の表示をさせると、撮影者が選択する必要があり、わずらわしさを感じる可能性があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、撮影者が意図した被写体に焦点を合わせ易いカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段(210)により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段(210)により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)と、
設定したサーチ範囲を解除可能な設定解除手段(117)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行い、
上記設定解除手段(117)によりサーチ範囲が一時的に解除されている場合には、通常のオートフォーカス範囲で自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)と、
カメラの位置を検出する位置検出手段(250)と、
上記位置検出手段(250)の出力にもとづいてカメラが移動した距離が、ある所定の距離よりも大きいと判定された場合に、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲を解除可能な設定解除手段(220、250)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行い、
上記設定解除手段(220、250)によりサーチ範囲が解除されている場合には、通常のオートフォーカス範囲で自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カメラの方向とサーチ範囲とを関連づけたことで、撮影者が意図した被写体にすばやく焦点を合わせることが可能なカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかわるデジタルカメラの外観図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかわるデジタルカメラの構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1にかかわるサーチ範囲の設定時の表示を示す図である。
【図4】本発明の実施例1にかかわるサーチ範囲の設定フローを示す図である。
【図5】本発明の実施例1にかかわる野球の試合を撮影する例を示す図である。
【図6】本発明の実施例1にかかわるサーチ範囲を設定した後の撮影の様子を示す図である。
【図7】本発明の実施例1にかかわる撮影フローを示す図である。
【図8】本発明の実施例2にかかわる撮影フローを示す図である。
【図9】本発明の実施例3にかかわるカメラの移動を判定するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラの外観図である。
【0019】
図1(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【0020】
図2は本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラの構成ブロック図である。
【0021】
以下に、図1と図2を用いてカメラの構成を説明する。
【0022】
図1(a)〜(d)に示すデジタルカメラ100は図1(a)〜(d)に示すカメラ本体110と図1(a)〜(c)に示す着脱可能な撮影レンズ130とから構成されており、撮影レンズ130を通過してきた被写体からの光を、撮像素子200で撮像して画像データを得ることができる。
【0023】
カメラ本体110にはレリーズ釦111が配されている。このレリーズ釦111は2段階式に構成されている。具体的には、レリーズ釦111を軽く押して止める「半押し」の状態で自動焦点調節(AF)及び自動露出制御(AE)が作動してAFとAEをロックし、「半押し」から更に押し込む「全押し」することにより撮影が行われるようになっている。
【0024】
図1(d)に示すようにカメラ本体110の背面には被写体像を観察できるファインダー112と外部表示モニター113とが備えられている。
【0025】
これらのファインダー112と外部表示モニター113には撮影者がこのデジタルカメラを使用するときの設定やカメラの状態や撮影モードなどに関する情報を表示させることができる。
【0026】
さらに、第1の操作部材114と選択ダイヤル114aとで撮影者がこのデジタルカメラを使用するときの設定を変更することができる。
【0027】
カメラ本体110にはサーチ範囲の近点を設定する第2の操作部材115とサーチ範囲の遠点を設定する第3の操作部材116とが備えられ、これらの釦操作によってフォーカスレンズの移動領域を設定することができる。
【0028】
ここで、第2の操作部材115と第3の操作部材116は物理的には1つの操作部材で兼用しても良い。
【0029】
また、上記操作部材により設定したサーチ範囲を解除可能な第4の操作部材117が備えられている。
【0030】
また、カメラの向いている方向を検出する方向検出センサ210が備えられている。ここで、方向検出センサ210は加速度センサ、地磁気センサなどを利用した公知の各種構成が採用できる。
【0031】
また、被写体との合焦状態を検出し、AFを制御するためのAF装置240を備えている。ここで、AF装置240は撮像素子を用いたコントラストAF方式や、専用AFセンサを用いた位相差AF方式などを利用した公知の各種構成が採用できる。
【0032】
その他、カメラ本体110内には、このカメラの信号処理を行うCPU220と、カメラの設定やカメラの状態や撮影モードなどに関する情報を記憶しておくメモリ230と、地球上でのカメラの現在位置を調べるためのGPS(Global Positioning System)受信装置250とが備えられている。
【0033】
撮影レンズ130はズームリング131と、フォーカスリング132と、レンズ駆動装置135とを備えており、ズームリング131を回動して、撮影レンズ130内のズームレンズ133を光軸方向に移動させることで被写体像と撮像素子200との焦点距離を調節することができる。
【0034】
また、フォーカスリング132を手動あるいは後述するレンズ駆動装置135により回動して、撮影レンズ130内のフォーカスレンズ134を光軸方向に移動させることで被写体に焦点を合わせることができる。
【0035】
また、レンズ駆動装置135は、被写体との合焦位置を検出するAF装置240の出力に基づいて、フォーカスレンズ134を光軸方向に移動させることで被写体に焦点を合わせることができる。このズームレンズ133とフォーカスレンズ134のレンズ構成は、公知の各種構成が採用できる。
【0036】
上記実施形態では説明を分かり易くするために、本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラ100をカメラ本体110と撮影レンズ130とからなる構成としたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の様態が採用できる。
【0037】
たとえば、撮影レンズ130がカメラ本体110に固定された構成のデジタルカメラを採用しても良い。
【実施例1】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施例による、サーチ範囲の設定方法について説明する。
【0039】
図3は、サーチ範囲を設定するときに外部表示モニターに表示される、表示形態の一例を示す図である。
【0040】
図3(a)から(f)に示す枠は、選択ダイヤル114aを操作することで、選択可能な位置に移動させることができる。また、第1の操作部材114を押下することで、選択されている項目を実行することができる。
【0041】
まず、第1の操作部材114を操作して、サーチ範囲設定モードを実行すると、外部表示モニター113には図3(a)のように表示される。
【0042】
つぎに、サーチ範囲を設定したい方向(たとえば丸1とする)にカメラを向けながら、フォーカスリング132を回動させて、第2の操作部材115および第3の操作部材116を押下してサーチ範囲の近点および遠点を設定する。そのとき外部表示モニター113には図3(b)のように表示される。
【0043】
つぎに、図3(c)に示すとおり、選択ダイヤル114aを操作し、「次を設定」に枠を合わせる。さらに、第1の操作部材114を押下することで、図3(d)に示すとおり、違う方向でのサーチ範囲を追加するときには、異なるカメラの向きでサーチ範囲を追加設定することができる。
【0044】
つぎに、サーチ範囲を追加設定したい方向(たとえば丸2とする)にカメラを向けながら、フォーカスリング132を回動させて、第2の操作部材115および第3の操作部材116を押下してサーチ範囲の近点および遠点を設定する。そのとき外部表示モニター113には図3(e)のように表示される。
【0045】
ここで、2つの方向でサーチ範囲を設定した場合には、角度の範囲としては鋭角を優先して制御を行う。
【0046】
つぎに、図3(f)に示すとおり、複数のカメラの向きでサーチ範囲を設定した後、選択ダイヤル114aを操作し、「設定終了」に枠を合わせる。さらに、第1の操作部材114を押下し、サーチ範囲設定モードを終了する。
【0047】
図4は、本発明の第1の実施例によるサーチ範囲設定モードのフローチャートである。
【0048】
サーチ範囲設定モードが実行されると(START)、ステップS−10では、新規設定を行うかどうかを判定し、新規設定を行うと判定された場合には、ステップS−12へ進み、新規設定を行わないと判定された場合には、ステップS−24へ進む。
【0049】
ステップS−12では、方向検出センサ210により、カメラの向きを検出する。
【0050】
ステップS−14では、第2の操作部材115が押され、近点が設定されたどうかを判定し、近点が設定されたと判定された場合には、ステップS−16に進み、近点が設定されていないと判定された場合には、ステップS−12に戻る。
【0051】
ステップS−16では、ステップS−12で検出されたカメラの向きと、ステップS−14で設定されたフォーカス範囲の近点をメモリ230に記憶する。
【0052】
ステップS−18では、第3の操作部材116が押され、遠点が設定されたかどうかを判定し、遠点が設定されたと判定された場合には、ステップS−20に進み、遠点が設定されていないと判定された場合には、第3の操作部材116が押され、遠点が設定されるまで待機する。
【0053】
ステップS−20では、すでにメモリ230に記憶されているカメラの向きとフォーカス範囲の近点とともに、ステップS−16で設定されたフォーカス範囲の遠点をメモリ230に記憶する。
【0054】
ステップS−24では、ステップS−10で新規設定を行わないと判定された場合に、すでに設定してあるサーチ範囲の設定を修正するかどうかを判定し、サーチ範囲の設定を修正すると判定された場合には、ステップS−12に進み、サーチ範囲の設定を修正しないと判定された場合には、ステップS−22に進む。
【0055】
ステップS−22では、サーチ範囲の設定を終了するかどうかを判定し、サーチ範囲の設定を終了しないと判定された場合には、ステップS−10に戻り、サーチ範囲の設定を終了すると判定された場合には、サーチ範囲設定モードを終了させる(END)。
図5(a)は野球の試合を撮影する例を示す図である。図5(a)に示すように撮影者が右後方から内野を撮影すると仮定する。野球に関わらずスポーツ撮影では、撮影者はある所定の位置から動かずに撮影を行うことが多い。また、被写体はある所定の領域内にのみ存在することが多いので、撮影時のAFサーチはその領域内でのみ機能すればよい。
【0056】
そこで、ある所定の領域内でのみAFサーチが機能するようにサーチ範囲の設定を行う。
【0057】
具体的には、第1の操作部材114を操作して、サーチ範囲設定モードにする。つぎにカメラをθ1の方向へ向けているときにファインダー112や外部表示モニター113を見ながら、フォーカスリング132を回動させて、サーチ範囲の近点n1に合わせて第2の操作部材115を押下する。つぎにフォーカスリング132を回動させて、サーチ範囲の遠点f1に合わせて第3の操作部材116を押下する。このときのカメラの向きθ1は方向検出センサ210により検出される。
【0058】
これで、カメラがθ1を向いているときのサーチ範囲(n1〜f1)がメモリ230に記憶される。
【0059】
同様に、カメラがθ2、θ3、θ4を向いているときについても、それぞれサーチ範囲の設定を行う。
【0060】
図5(b)は上記の設定によって得られた、AFサーチが機能する領域を模式的に表した図である。
【0061】
図5(b)はカメラがθ1を向いているときのサーチ範囲(n1〜f1)を基準として、カメラの向きごとのサーチ範囲をプロットし、近点同士と遠点同士をつないだ線を示している。
【0062】
CPU220では、サーチ範囲設定モードで設定され、メモリ230に記憶されたサーチ範囲に基づいて、カメラの向きがθ1からθ4におけるサーチ範囲を、図5(b)に示すAFサーチが機能する領域A1として、算出することができる。
【0063】
第1の実施例では、少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいてはサーチ範囲を連続的に変化させることができる。
【0064】
なお、本発明の第1の実施例では、図5(b)のとおり、カメラがθ1を向いているときのサーチ範囲(n1〜f1)を基準として、カメラの向きごとのサーチ範囲をプロットし、近点同士と遠点同士をつないだ線を直線で示しているが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の様態が採用できる。たとえば、近点同士と遠点同士をつないだ線をある関数を持った曲線としても良い。
【0065】
本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラには、設定したサーチ範囲を解除可能な解除手段である第4の操作部材117を備え、第4の操作部材117を押下している間はサーチ範囲を解除することができる。
【0066】
たとえば、設定したサーチ範囲外の被写体を撮影したい場合には、撮影者が第4の操作部材117を押下することで、サーチ範囲を解除することができるので、通常のオートフォーカス範囲に設定される。これにより撮影者が意図した被写体にすばやく焦点を合わせることができる。
【0067】
次に、本発明の第1の実施例による、サーチ範囲の制御方法について説明する。
【0068】
図6(a)は上記設定方法でサーチ範囲を設定した後の撮影の様子を示している。
【0069】
図6(a)で示すとおり、被写体がp1の位置にいる場合は、撮影者はカメラの向きをθ5の方向へ向ける。そして、CPU220によりそのときのサーチ範囲をn5〜f5に決定する。
【0070】
つぎに、レリーズ釦111を「半押し」すると、AFサーチが実行され、被写体に合焦する。さらに、レリーズ釦111を「全押し」すると撮影動作が実行される。
【0071】
一方、被写体がp2の位置にいる場合は、撮影者はカメラの向きをθ5の方向へ向ける。そして、CPU220によりそのときのサーチ範囲をn5〜f5に決定する。
【0072】
つぎに、レリーズ釦111を「半押し」するとAFサーチが実行される。このとき被写体は設定したサーチ範囲外にいるため、合焦しない。このときには、撮影者によって、レリーズ釦111の「半押し」を解除し、第4の操作部材117を押下してサーチ範囲を解除することで、第4の操作部材117を押下している間は通常のオートフォーカス範囲に設定される。
【0073】
再びレリーズ釦111を「半押し」するとAFサーチが実行され、被写体に合焦する。さらに、レリーズ釦111を「全押し」すると撮影動作が実行される。
【0074】
さらに、被写体がp3の位置にいる場合は、カメラの向きが設定した角度の外を向いているため、CPU220により通常のオートフォーカス範囲に設定する。
【0075】
つぎに、レリーズ釦111を「半押し」するとAFサーチが実行され、被写体に合焦する。さらに、レリーズ釦111を「全押し」すると撮影動作が実行される。
【0076】
図7は、本発明の第1の実施例によるサーチ範囲を設定した後の撮影手順を説明するフローチャートである。
【0077】
ステップS−50では、電源onを判定し、電源onしていると判定された場合には、ステップS−52に進み、電源onしていないと判定された場合には、待機する。
【0078】
ステップS−52では、既述のサーチ範囲設定モードで、撮影者によりカメラの向きごとにサーチ範囲が設定される。
【0079】
ステップS−54では、カメラの向きを方向検出センサ210により検出する。
【0080】
ステップS−56では、検出されたカメラの向きがサーチ範囲を設定したθ1からθ4の角度内かどうかを判定し、角度内と判定された場合には、ステップS−58に進み、角度外と判定された場合には、ステップS−74に進む。
【0081】
ステップS−58では、サーチ範囲を解除可能な解除手段である第4の操作部材117が押されているかどうかを判定し、押されていると判定された場合には、ステップS−74に進み、押されていないと判定された場合には、ステップS−60に進む。
【0082】
ステップS−60では、メモリ230に記憶されたサーチ範囲に基づいて、カメラの向きに応じたサーチ範囲をCPU220により決定する。
【0083】
ステップS−62では、レリーズ釦111が「半押し」の状態になっているかどうかを判定し、「半押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−64に進み、「半押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−54に戻る。
【0084】
ステップS−64では、ステップS−60または後述するステップS−74で決定されたサーチ範囲でサーチ動作を実行する。
【0085】
ステップS−66では、被写体に合焦しているかどうかを判定し、合焦していると判定された場合には、ステップS−68へ進み、合焦していないと判定された場合には、ステップS−76に進む。
【0086】
ステップS−68では、レリーズ釦111の「全押し」動作が実行される。
【0087】
ステップS−70では、撮影動作が実行される。
【0088】
ステップS−72では、レリーズ釦111が「全押し」の状態になっているかどうかを判定し、「全押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−70に戻り、「全押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−74に進む。
【0089】
ステップS−74では、レリーズ釦111が「半押し」の状態になっているかどうかを判定し、「半押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−64に戻り、「半押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−76に進む。
【0090】
ステップS−78では、ステップS−56で角度外と判定された場合に、通常のオートフォーカス範囲に設定する。また、ステップS−58で第4の操作部材117が押されていると判定された場合にも、通常のオートフォーカス範囲に設定する。
【0091】
ステップS−80では、ステップS−66で被写体に合焦していないと判定された場合に、ファインダー112や外部表示モニター113に非合焦の表示をする。
【0092】
ステップS−82では、撮影者によりレリーズ釦111の「半押し」が解除されたかどうかを判定し、「半押し」が解除されたと判定された場合には、ステップS−54に戻り、「半押し」が解除されていないと判定された場合には、ステップS−80に戻る。
【0093】
ステップS−76では、電源offを判定し、電源offが実行されていないと判定された場合には、ステップS−54に戻り、電源offが実行されたと判定された場合には、カメラの動作を終了する(END)。
【0094】
以上のとおり、第1の実施例により、撮影者が任意にAFサーチ範囲をカメラの向きに関連づけて少なくとも2つの設定をすることで、より精密な範囲でAFサーチを行うことができるので、AFサーチの時間を短縮化できる。さらには、撮影者が任意に設定したサーチ範囲を解除する解除手段を設けることにより撮影者が意図した被写体にすばやく焦点を合わせることが可能なカメラを提供することができる。
【実施例2】
【0095】
次に、本発明の第2の実施例による、サーチ範囲の制御方法について説明する。
【0096】
本発明の第2の実施例にかかわるデジタルカメラの構成は上記で説明した、第1の実施例にかかわるデジタルカメラの構成と同様である。
【0097】
ところで、デジタルカメラの中には、被写体の動きに追従して、焦点を合わせ続けることができるAF機能を備えるものが知られている。本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラにも本機能を備える。具体的には、レリーズ釦111を半押ししているあいだ被写体に焦点を合わせ続けることができる。
【0098】
本発明の実施形態にかかわるデジタルカメラで移動する被写体を撮影する場合には、被写体がサーチ範囲内外の位置を移動したり、被写体がサーチ範囲を設定したカメラの向き(角度)の範囲内外の位置を移動したりする場合が考えられる。
【0099】
つぎに、図8のフローにしたがって本発明の第2の実施例による、移動する被写体を撮影する場合のサーチ範囲の制御方法について説明する。
【0100】
ステップS−100では、電源onを判定し、電源onしていると判定された場合には、ステップS−110に進み、電源onしていないと判定された場合には、待機する。
【0101】
ステップS−110では、既述のサーチ範囲設定モードのルーチンを実行し、撮影者がカメラの向きごとにサーチ範囲を設定する。
【0102】
ステップS−120では、カメラの向きを方向検出センサ210により検出する。
【0103】
ステップS−130では、検出されたカメラの向きがサーチ範囲を設定したθ1からθ4の角度内か判定し、角度内と判定された場合には、ステップS−140に進み、角度外と判定された場合には、ステップS−250に進む。
【0104】
ステップS−140では、サーチ範囲を解除可能な解除手段である第4の操作部材117が押されているかどうかを判定し、押されていると判定された場合には、ステップS−250に進み、押されていないと判定された場合には、ステップS−150に進む。
【0105】
ステップS−150では、ステップS−120で検出されたカメラの向きの情報とメモリ230に記憶されたサーチ範囲に基づいて、カメラの向きに応じたサーチ範囲をCPU220により決定する。
【0106】
ステップS−160では、設定したサーチ範囲が有効であることをファインダー112や外部表示モニター113に表示する。外部表示モニター113には、設定したサーチ範囲が有効であることを示す表示として、たとえば、「フォーカスリミッタon」のような表示を行う。
【0107】
また、ファインダー112には、設定したサーチ範囲が有効であることを示す表示として、あらかじめアイコンを設定しておき、そのアイコンを表示させるようにしても良い。
【0108】
ステップS−170では、レリーズ釦111が「半押し」の状態になっているかどうかを判定し、「半押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−180に進み、「半押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−120に進む。
【0109】
ステップS−180では、ステップS−150および後述するステップS−270で設定されたサーチ範囲でフォーカスレンズ134を駆動して、サーチ動作を実行する。
【0110】
ステップS−190では、被写体の位置が設定されたサーチ範囲内であり、AF装置240によって合焦可能であるか、または、被写体の位置が設定されたサーチ範囲内ではなく、合焦不可能であるかを判定し、被写体の位置が設定されたサーチ範囲内であるため、合焦可能と判定された場合には、ステップS−200に進み、被写体の位置が設定されたサーチ範囲内ではないため、合焦不可能と判定された場合には、ステップS−290に進む。
【0111】
ステップS−200では、フォーカスレンズ134の移動量をAF装置240の出力をもとにCPU220により導出し、フォーカスレンズ134を光軸方向に移動させることで、合焦動作を実行する。
【0112】
ステップS−210では、ステップS−200でフォーカスレンズ134を駆動してサーチ動作を実行した結果、被写体に合焦しているかどうかを判定し、合焦していると判定された場合には、ステップS−220へ進み、合焦していないと判定された場合には、ステップS−120に進む。
【0113】
ステップS−220では、レリーズ釦111が「全押し」の状態になっているかどうかを判定し、「全押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−230に進み、「全押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−120に進む。
【0114】
ステップS−230では、撮影動作を実行する。
【0115】
ステップS−240では、レリーズ釦111が「全押し」の状態になっているかどうかを判定し、「全押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−230に進み、「全押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−250に進む。
【0116】
ステップS−250では、レリーズ釦111が「半押し」の状態になっているかどうかを判定し、「半押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−180に進み、「半押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−260に進む。
【0117】
ステップS−270では、ステップS−130でサーチ範囲を設定したθ1からθ4の角度外と判定されているので、通常のオートフォーカス範囲に設定する。また、ステップS−140で第4の操作部材117が押されていると判定された場合にも、通常のオートフォーカス範囲に設定する。
【0118】
ステップS−280では、設定したサーチ範囲が解除されていることをファインダー112や外部表示モニター113に表示する。外部表示モニター113には、設定したサーチ範囲が解除されていることを示す表示として、たとえば、「フォーカスリミッタoff」のような表示を行う。
【0119】
また、ファインダー112には、設定したサーチ範囲が解除されていることを示す表示として、あらかじめアイコンを設定しておき、そのアイコンを表示させるようにしても良い。
【0120】
ステップS−290では、ステップS−190で合焦不可能と判定された場合に、ファインダー112や外部表示モニター113に被写体の位置が設定したサーチ範囲内ではないむねと解除釦を押すことを促す警告表示として、たとえば、「OFF」を点滅表示させる。
【0121】
ステップS−300では、設定したサーチ範囲を解除する第4の操作部材117が押されているがどうかを判定し、押されていると判定された場合には、ステップS−270に戻り、押されていないと判定された場合は、ステップS−310に進む。
【0122】
ステップS−310では、レリーズ釦111が「半押し」の状態になっているかどうかを判定し、「半押し」の状態になっていると判定された場合には、ステップS−290に進み、「半押し」の状態になっていないと判定された場合には、ステップS−320に進む。
【0123】
ステップS−320では、ステップS−290で点滅表示させた警告表示を消去し、ステップS−120に戻る。
【0124】
ステップS−260では、電源offを判定し、電源offが実行されていないと判定された場合には、ステップS−120に進み、電源offが実行されたと判定された場合には、カメラの動作を終了する(END)。
【0125】
以上のとおり、第2の実施例により、移動する被写体を撮影する場合において、撮影者が任意にAFサーチ範囲をカメラの向きに関連づけて少なくとも2つの設定をすることで、より精密な範囲でAFサーチを行うことができるので、AFサーチの時間を短縮化できる。さらには、撮影者が任意に設定したサーチ範囲を解除する解除手段を設けることにより撮影者が意図した被写体にすばやく焦点を合わせることが可能なカメラを提供することができる。
【0126】
また、被写体から測距点を外した場合でも、背景などにピントが抜けてしまう可能性を低減させることができ、測距点を被写体に合わせ直したときに、再び合焦するまでの時間を短縮できる。
【実施例3】
【0127】
次に、本発明の第3の実施例による、サーチ範囲の制御方法について説明する。
【0128】
本発明の第3の実施例にかかわるデジタルカメラの構成は上記で説明した、第1および第2の実施例にかかわるデジタルカメラの構成と同様である。
【0129】
第3の実施例によれば、サーチ範囲設定モードでサーチ範囲を設定したあとに、カメラの位置に応じてサーチ範囲を制御することができる。
【0130】
具体的には、GPS受信装置250により、カメラの位置を検出し、GPS受信装置250の出力にもとづいてCPU220により、カメラが移動した距離が、ある所定の距離よりも大きいと判定された場合に、設定したサーチ範囲を解除する。ここで所定の距離は、あらかじめ設定された距離としても良いし、撮影者により任意に設定できるようにしても良い。
【0131】
図9は、カメラの移動を判定するフローチャートである。
【0132】
ステップS−500でサーチ範囲設定モードが実行されると、ステップS−520でGPS受信装置250によりカメラの位置を検出する。
【0133】
ステップS−540では、GPS受信装置250の出力にもとづいてCPU220によりカメラの位置が所定の距離以上、移動したかどうかを判定し、移動したと判定された場合には、ステップS−560に進み、移動していないと判定された場合には、ステップS−520に戻る。
【0134】
ステップS−540では、CPU220により設定したサーチ範囲を解除し、通常のオートフォーカス範囲に設定する。
【0135】
ステップS−560では、設定したサーチ範囲が解除されていることをファインダー112や外部表示モニター113に表示する。外部表示モニター113には、設定したサーチ範囲が解除されていることを示す表示として、たとえば、「フォーカスリミッタoff」のような表示を行う。
【0136】
また、ファインダー112には、設定したサーチ範囲が解除されていることを示す表示として、あらかじめアイコンを設定しておき、そのアイコンを表示させるようにしても良い。
【0137】
以上のとおり、GPS受信装置250により、カメラの位置を検出し、GPS受信装置250の出力にもとづいてCPU220により、カメラが移動した距離が、ある所定の距離よりも大きいと判定された場合に、設定したサーチ範囲を解除するようにしたことで、撮影者の解除忘れを防止することができる。
【0138】
本実施例では、GPS受信装置250により、カメラの位置を検出し、GPS受信装置250の出力にもとづいてCPU220により、カメラが移動した距離が、ある所定の距離よりも大きいと判定された場合に、設定したサーチ範囲を解除するようにしたが、設定したサーチ範囲を解除するかどうかを撮影者が選択できるようにしても良い。
[その他の実施例]
【0139】
第1の実施例では、サーチ範囲を解除可能な第4の操作部材117をカメラ本体110に設けたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の様態が採用できる。
【0140】
たとえば、サーチ範囲を解除可能な第4の操作部材117を撮影レンズ130に設けても良い。
【0141】
第1の実施例では、本発明の解除手段に相当する第4の操作部材117を押下している間はサーチ範囲を解除することができる構成としたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の様態が採用できる。
【0142】
たとえば、本発明の解除手段に相当する第4の操作部材117を押すごとに設定したサーチ範囲の有効と解除とを切り替えるようにしても良い。
【0143】
また、本発明の解除手段に相当する第4の操作部材117を押している間、設定したサーチ範囲を有効にするようにしても良い。
【符号の説明】
【0144】
100 デジタルカメラ
110 カメラ本体
111 レリーズ釦
112 ファインダー
113 外部表示モニター
114 第1の操作部材(設定釦)
114a 選択ダイヤル
115 第2の操作部材(近点設定釦)
116 第3の操作部材(遠点設定釦)
117 第4の操作部材(サーチ範囲解除釦)
130 撮影レンズ
131 ズームリング
132 フォーカスリング
133 ズームレンズ
134 フォーカスレンズ
135 レンズ駆動装置
200 撮像素子
210 方向検出センサ
220 CPU
230 メモリ
240 AF装置
250 GPS受信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段(210)により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法。
【請求項2】
撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段(210)により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)と、
上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲を解除可能な設定解除手段(117)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行い、
上記設定解除手段(117)によりサーチ範囲が解除されている場合には、通常のオートフォーカス範囲で自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法。
【請求項3】
上記設定解除手段(117)は、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲を一時的に解除するための操作部材であることを特徴とする請求項2に記載のカメラのAF制御方法。
【請求項4】
撮影レンズを通過してきた被写体からの光による被写体像を撮像する撮像装置(200)と、
被写体像を合焦状態に導くための自動焦点調節装置(240)と、
カメラの向きを検出する方向検出手段(210)と、
サーチ範囲を設定することができるサーチ範囲設定モードと、
上記方向検出手段(210)により検出されたカメラの向きと、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲とを関連付けて、少なくとも1つのカメラの向きでサーチ範囲を記憶することができる記憶装置(230)と、
少なくとも2つのカメラの向きでサーチ範囲を設定することによって、設定した間のカメラの向きにおいては、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲に基づいて、連続的に変化させたサーチ範囲を算出することができる自動焦点調節領域算出手段(220)と、
カメラの位置を検出する位置検出手段(250)と、
上記位置検出手段(250)の出力にもとづいてカメラが移動した距離が、ある所定の距離よりも大きいと判定された場合に、上記サーチ範囲設定モードで設定したサーチ範囲を解除可能な設定解除手段(220、250)とを備え、
上記焦点調節領域算出手段(220)により算出されたサーチ範囲内でのみ自動焦点調節を行い、
上記設定解除手段(220、250)によりサーチ範囲が解除されている場合には、通常のオートフォーカス範囲で自動焦点調節を行うことを特徴とするカメラのAF制御方法。
【請求項5】
上記自動焦点調節装置は、撮像素子を用いたコントラストAF方式であることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4の何れか1項に記載のカメラのAF制御方法。
【請求項6】
上記自動焦点調節装置は、専用AFセンサを用いた位相差AF方式であることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4の何れか1項に記載のカメラのAF制御方法。
【請求項7】
上記方向検出手段は、加速度センサであることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4の何れか1項に記載のカメラのAF制御方法。
【請求項8】
上記方向検出手段は、地磁気センサであることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4の何れか1項に記載のカメラのAF制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−118156(P2012−118156A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265951(P2010−265951)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】