説明

カメラモジュールの放熱装置

【課題】イメージセンサや制御ICから発生する熱による鏡筒内の温度上昇を低減し、イメージセンサや制御ICの誤動作やレンズの歪みが生じにくいカメラモジュールの放熱装置を提供する。
【解決手段】カメラモジュールの放熱装置は、配線11が形成された基板12と、基板12の配線形成面に固定される鏡筒13と、鏡筒13の内部に配置されるイメージセンサ17と、鏡筒13の側面に設けられかつ配線に接続される熱伝導部材18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールの放熱装置に関し、特に、イメージセンサとイメージセンサ駆動用の制御ICを備えたカメラモジュールの放熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型のカメラモジュールの構造として、イメージセンサチップおよびイメージセンサ駆動用のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等からなる制御IC等をチップレベルで積層し、その積層体を鏡筒の中に実装したものが知られている。イメージセンサとしてはCCD型撮像素子またはCMOS型撮像素子である。
【0003】
図8と図9はそれぞれ従来のカメラモジュールの外観斜視図と縦断面図を示す。従来のカメラモジュール100は、一方の面に複数の配線101が形成された基板102と、基板102の配線101の形成面に固定される鏡筒103と、鏡筒103の内部であって基板102の配線101が形成された面に接着剤104によって接着して実装されるイメージセンサ駆動用の制御IC105と、制御IC105の上に接続部106で接続され搭載されるイメージセンサ107とを備えている。また鏡筒103の頂部には開口108が形成されており、その開口108にレンズ109を設けている。さらに、制御IC105と複数の配線101の各々とはボンディングワイヤ110によって接続されている。
【0004】
このカメラモジュール100では、撮像対象物から到来するレンズ109を透過して集光された光をイメージセンサ107で受光し、その光電変換出力をセンサ信号として接続部106を介して制御IC105に入力する。制御IC105は、ディジタルシグナルプロセッサを含み、それによってセンサ信号を処理して静止画あるいは動画のデータを作成しボンディングワイヤ110を介して配線101に出力する。配線101は図示しない記憶装置や表示装置に接続され、静止画あるいは動画のデータが記憶装置に記憶され、あるいは表示装置で表示される。
【0005】
このようなカメラモジュールに類するものとして、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【特許文献1】特開2004−64272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のカメラモジュールにおいて、例えばイメージセンサのチップと制御ICのチップを積層させるように複数の半導体チップを鏡筒内に実装すると、両方のチップの発熱により鏡筒内の温度が上昇してしまう。特に、近年ではイメージセンサの画素数の増大に伴って動作クロックが上がり、イメージセンサや制御ICの発熱量が増大する傾向にある。特に、DSPのような制御ICの発熱量が大きい。その結果、鏡筒内の温度上昇を防ぐためには、イメージセンサや制御ICから積極的に放熱をする必要がある。しかしながら、従来のカメラモジュールの構造では、放熱経路として、基板の配線から基板表面への熱の拡散を行うことしかなかった。そのため、鏡筒内の温度上昇によるイメージセンサや制御ICの誤動作や、鏡筒の熱膨張とレンズの熱膨張の違いに起因するレンズに加わる応力によって生じるレンズの歪み等の問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、イメージセンサや制御ICから発生する熱による鏡筒内の温度上昇を低減し、イメージセンサや制御ICの誤動作やレンズの歪みが生じにくいカメラモジュールの放熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカメラモジュールの放熱装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0009】
第1のカメラモジュールの放熱装置(請求項1に対応)は、配線が形成された基板と、基板の配線形成面に固定される鏡筒と、鏡筒の内部に配置されるイメージセンサと、鏡筒の側面に設けられかつ配線に接続される熱伝導部材とを備えることで特徴づけられる。
【0010】
第1のカメラモジュールの放熱装置では、鏡筒の側面に設けられかつ配線に接続される熱伝導部材を備えることにより、放熱作用または吸熱作用を生じさせ、鏡筒内のイメージセンサ等から発生する熱が基板配線を介して外側の熱伝導部材等に熱伝導させることが可能で、積極的に放熱を行うことが可能になり、放熱性が向上する。それにより、イメージセンサ等から発生する熱による鏡筒内の温度上昇が低減され、イメージセンサ等の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることが可能となる。
【0011】
第2のカメラモジュールの放熱装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、熱伝導部材は鏡筒の外部側面に設けられることで特徴づけられる。この構成により、鏡筒の筒部の外部側面に設けられた熱伝導部材は放熱手段として作用する。
【0012】
第3のカメラモジュールの放熱装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、熱伝導部材は鏡筒の内部側面に設けられることで特徴づけられる。この構成により、鏡筒の筒部の内部側面に設けられた熱伝導部材は、鏡筒の内部空間に放射された熱を吸収する吸熱手段として作用する。
【0013】
第4のカメラモジュールの放熱装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、熱伝導部材は鏡筒の外部側面と内部側面に設けられることで特徴づけられる。この構成により、鏡筒の筒部の内部側面に吸熱用熱伝導部材を設け、かつ鏡筒の筒部の外部側面に放熱用熱伝導部材を設けることが可能となり、より効率よく鏡筒内の熱を鏡筒の外側に逃がすことが可能となる。
【0014】
第5のカメラモジュールの放熱装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、熱伝導部材は熱伝導膜であることで特徴づけられる。
【0015】
第6のカメラモジュールの放熱装置(請求項6に対応)は、上記の構成において、好ましくは、熱伝導部材は導電性材質で形成され、電磁バリアとしての機能することで特徴づけられる。
【0016】
第7のカメラモジュールの放熱装置(請求項7に対応)は、上記の構成において、好ましくは、鏡筒の内部であって基板の配線形成面に実装されるイメージセンサ駆動用の制御ICを備え、この制御ICの上にイメージセンサが配置されることで特徴づけられる。
【0017】
第8のカメラモジュールの放熱装置(請求項8に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御ICの上にイメージセンサが直接に搭載されることで特徴づけられる。
【0018】
第9のカメラモジュールの放熱装置(請求項9に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御ICの上に中間基板を介在させてイメージセンサが搭載されることで特徴づけられる。
【0019】
第10のカメラモジュールの放熱装置(請求項10に対応)は、配線が形成された基板と、基板の配線形成面に固定される鏡筒と、鏡筒の内部に配置されるイメージセンサと、このイメージセンサの周囲側部を被覆しかつ配線に接続される絶縁性熱伝導被覆物とを備えることで特徴づけられる。この構成では、鏡筒の側面を利用して熱伝導部材を設けるのではなく、熱発生源であるイメージセンサ等に直接に熱伝導を可能にする被覆物を設けるようにする。
【0020】
第11のカメラモジュールの放熱装置(請求項11に対応)は、上記の構成において、好ましくは、鏡筒の内部であって基板の配線形成面に実装されるイメージセンサ駆動用の制御ICを備え、この制御ICの上に上記イメージセンサが配置され、絶縁性熱伝導被覆物は制御ICとイメージセンサの周囲側部を被覆することで特徴づけられる。
【0021】
第12のカメラモジュールの放熱装置(請求項12に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御ICの上に上記イメージセンサが直接に搭載されることで特徴づけられる。
【0022】
第13のカメラモジュールの放熱装置(請求項13に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御ICの上に中間基板を介在させて上記イメージセンサが搭載されることで特徴づけられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、次の効果を奏する。
第1に、鏡筒の内部に少なくともイメージセンサ等が実装されたカメラモジュールにおいて、当該鏡筒の側面に設けられかつ配線に接続される熱伝導部材、またはイメージセンサ等の周囲側部を被覆しかつ配線に接続される絶縁性熱伝導被覆物を備えるようにしたため、イメージセンサや制御IC等から発生する熱の伝導・放熱を積極的に行い、放熱性を向上することができる。それにより、イメージセンサ等から発生する熱による鏡筒内の温度上昇が低減され、イメージセンサ等の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
第2に、鏡筒の側面に熱伝導部材を備えるようにした構成において、放熱用の熱伝導部材をアルミニウム等にすることで、鏡筒内部の制御IC等の電磁バリヤの役割を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1と図2を参照して本発明に係るカメラモジュールの放熱装置の第1の実施形態を説明する。図1と図2は、それぞれ、カメラモジュールの外観斜視図と、内部構造を示すための縦断面図を示している。カメラモジュール10は、一方の面に複数の配線11が形成された基板12と、基板12の配線11の形成面に固定される鏡筒13と、鏡筒13の内部であって基板12の配線11が形成された面に接着剤14によって接着して実装されるイメージセンサ駆動用の制御IC15と、制御IC15の上に接続部16で接続されるイメージセンサ17と、鏡筒13の筒部の外部側面に設けられかつ配線11に接続される熱伝導部材18を備えている。また、鏡筒13の頂部には開口19が形成されており、その開口19にはレンズ20が設けられている。さらに、制御IC15と複数の配線11の各々とはボンディングワイヤ21によって電気的に接続されている。
【0026】
基板12はプリント基板やセラミック基板等である。基板12の表面にはCu箔や厚膜、薄膜などによる複数の配線11が形成されている。基板12の表面に設けられた鏡筒13は、プラスチック等の材質で形成されている。制御IC15は、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含み、イメージセンサ17からの撮像に係るセンサ信号を入力しかつ処理し、静止画あるいは動画のデータを生成して出力する。イメージセンサ17は、レンズ20を透過して集光された光を受光し、光電変換して電気的なセンサ信号を出力する。
【0027】
熱伝導部材18は、好ましくは、アルミニウム等の金属からなる熱伝導性の高い材料や、セラミック材料(液状セラミック塗料やセラミックシールなど)のような熱を遠赤外線にして放射する放射特性の優れた材料によって熱伝導膜として鏡筒13の筒部外面に周囲に形成されている。またこの熱伝導部材18は、配線11に接触して接続され、熱伝導が行われるように構成されている。これによって、配線11を通して伝導されてくる熱を放熱するという機能を有している。さらに、熱伝導部材18をアルミニウム等の導電性金属材料で形成することによって、制御IC15等を外部から到来する電磁波から保護する電磁バリアとしての機能を有している。
【0028】
なお熱伝導部材18は、鏡筒13の筒部の外径以上の内径を持つ金属製のリング部材で形成してもよい。この場合、熱伝導性リング部材(18)は、配線11と接触するにように設けられ、配線11からの熱伝導を受け、放熱機能を行うようになっている。なお熱伝導性リング部材(18)は、鏡筒13の筒部の外面に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0029】
このカメラモジュール10では、レンズ20を透過して集光された光をイメージセンサ17で受光し、その光電変換出力を行ってセンサ信号を出力し、接続部16を介して制御IC15にセンサ信号を入力する。制御IC15は、入力された信号をDSP等によって処理して静止画あるいは動画のデータを生成し、このデータをボンディングワイヤ21を介して配線11に出力する。配線11は、図示しない記憶装置や表示装置に接続され、静止画あるいは動画のデータが記憶装置に記憶され、あるいは表示装置で表示される。
【0030】
上記のようにカメラモジュール10が動作するとき、イメージセンサ17と制御IC15で発熱が起こる。イメージセンサ17からの発熱は接続部16を介して制御IC15に伝導する。制御IC15で発生する熱とイメージセンサ17からの熱は、共に、ボンディングワイヤ21と配線11を介して鏡筒13の筒部の外部側面の熱伝導部材18に伝導する。熱伝導部材18からは放熱作用が起こり、鏡筒13の内部の温度上昇を抑えることができる。
【0031】
このように、鏡筒13の筒部の外部側面に熱伝導部材18を設けたことで、鏡筒13内の温度上昇を抑えることができるので、イメージセンサ17や制御IC15の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
【0032】
次に図3を参照して本発明の第2の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置を説明する。図3は図2と同様な図である。第2実施形態でのカメラモジュール30は、第1実施形態での熱伝導部材18と実質的に同一の熱伝導部材31を、鏡筒13の筒部の外部側面ではなく、鏡筒13の筒部の内部側面に設けている。また、第1の実施形態で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
熱伝導部材31は、熱伝導部材18と同様にアルミニウム等の金属からなる熱伝導性の高い材料や、セラミック材料(液状セラミック塗料やセラミックシールなど)のような熱を遠赤外線にして放射する放射特性の優れた材料によって、熱伝導膜として鏡筒13の筒部の内部側面に形成されている。また、熱伝導部材31は、配線11に接触して接続されている。これにより、熱伝導部材31が吸熱した熱は配線11に伝導する。そして、伝導した熱は、配線11を経由して鏡筒13の外部に放熱される。なお熱伝導部材31は、アルミニウム等の導電性材料で作ることにより、制御IC15等を保護する電磁バリアとして機能する。
【0034】
さらに、熱伝導部材31は、鏡筒13の筒部の内径以下の外径を持つ金属製のリング部材で形成してもよい。この場合、熱伝導性リング部材(31)は、配線11と接触するにように設けられ、配線11へ熱伝導を行うようになっている。なお熱伝導性リング部材(31)は、鏡筒13の筒部の内面に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0035】
第1実施形態の場合と同様に、カメラモジュール30においてイメージセンサ17と制御IC15が動作するとき、イメージセンサ17と制御IC15で発熱が起こる。
【0036】
まずイメージセンサ17からの発熱は、接続部16を介して制御IC15に伝導する。制御IC15で発生する熱とイメージセンサ17からの熱は、共に、ボンディングワイヤ21を介して配線11へ伝導する。
【0037】
さらに、イメージセンサ17と制御IC15で発生した熱は、鏡筒13の内部空間にも放射される。これによって鏡筒13の内に熱がこもる。鏡筒13の内部の熱は熱伝導部材31によって吸収される。熱伝導部材31に吸収された熱は配線11に伝導される。
【0038】
上記のごとく鏡筒13内で発生した熱はすべて配線11に伝わり、当該配線11を経由して鏡筒13の外部に放熱される。これにより鏡筒13の内部の温度上昇を抑えることができる。
【0039】
以上のように、鏡筒13の筒部の内部側面に熱伝導部材31を設けたことで、鏡筒13内の温度上昇を抑えることができるので、イメージセンサ17や制御IC15の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
【0040】
次に図4を参照して本発明の第3の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置を説明する。図4は図2と同様な図である。第3実施形態のカメラモジュール40は、前述した熱伝導部材18,31をそれぞれ鏡筒13の筒部の外部側面と内部側面に設けている点に特徴がある。その他の構成は、前述の各実施形態と同じである。第1実施形態および第2実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0041】
第3実施形態に係るカメラモジュール40の放熱装置によれば、イメージセンサ17および制御IC15で発生する熱は、ボンディングワイヤ21および配線11を経由して、または吸熱用熱伝導部材31を経由して放熱用熱伝導部材18に伝導され、鏡筒13の外部に放熱される。このように、鏡筒13の筒部の内部側面と外部側面の両方に熱伝導部材(18,31)を設けたことで、鏡筒13内での温度上昇を抑えることができ、これによりイメージセンサ17や制御IC15の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
【0042】
次に図5を参照して本発明の第4の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置を説明する。図5は図2と同様な図である。この実施形態でのカメラモジュール50では、基板12の配線11が形成された面に接続部51で制御IC15が実装され、重ねられた制御IC15とイメージセンサ17の少なくとも周囲側部を被覆しかつ配線に接続される絶縁性熱伝導被覆物52を備えている。上記の実施形態で説明された熱伝導部材18,31は図示されていない。ただし、熱伝導部材18については鏡筒13の筒部の外部側面に設けてよい。その他の構成については上記の実施形態と同じである。第1の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
絶縁性熱伝導被覆物52は、熱伝導性ペーストからなる熱伝導性の高い材料によってイメージセンサ17と制御IC15による積み重ね体の側面部の全周囲を覆っている。また、この絶縁性熱伝導被覆物52は、配線11に接続されることによって、配線11を介して熱を外部に伝導して放熱する。
【0044】
カメラモジュール50において、イメージセンサ17と制御IC15が動作するとき、イメージセンサ17と制御IC15で発熱が起こる。イメージセンサ17と制御IC15から発生する熱は絶縁性熱伝導被覆物52に伝導する。絶縁性熱伝導被覆物52に伝導した熱は配線11に伝導し、そして、配線11に伝わった熱は、外部に放熱される。それにより鏡筒13の内部の温度上昇を抑えることができる。
【0045】
以上のようにイメージセンサ17と制御IC15の積み重ね体の側面部に絶縁性熱伝導被覆物52を設けることにより、鏡筒13内の温度上昇を抑えることができるので、イメージセンサ17や制御IC15の誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
【0046】
以上のように、本発明によるカメラモジュールの放熱装置によれば、鏡筒内の温度上昇を抑えることができるので、イメージセンサや制御ICの誤動作やレンズの歪みが生じにくくすることができる。
【0047】
なお上記の各実施形態では、制御IC15がイメージセンサ17よりも大きなサイズを有するように描かれている。しかしながら、制御IC15がイメージセンサ17が小さなサイズを有する場合であっても、本発明に係るカメラモジュールの放熱装置を適用することができる。
【0048】
前述した第1から第4の実施形態の構成によれば、鏡筒13の内部において下側に制御IC15を設け、その上にイメージセンサ17を直接に配置し搭載する構造を採用したが、鏡筒13の内部の構造については次のように変更することができる。以下では第1実施形態の構成例を基本にして説明する。
【0049】
第1の変更例に係るカメラモジュール10Aは、図6に示されるごとく、鏡筒13の内部には基板12の配線形成面に設けられたイメージセンサ17のみが配置され、制御IC15は鏡筒13の外側に設けられた構成を有する。この場合には、イメージセンサ17の電気的接続部は、基板12の表面に形成された配線11に直接に接続される。
【0050】
第2の変更例に係るカメラモジュール10Bは、図7に示すごとく、基本的な構成は前述した第1の実施形態の構成と同じであり、相違する点は、制御IC15とイメージセンサ17との間に中間基板(インタポーザ)71を設けるようにした点である。
【0051】
第3の変更例としては、鏡筒13の内部構造に関する前述した各種の構成において、その他に例えば受動部品(コンデンサや抵抗等)を設けることもできる。
【0052】
上記の各変更例の構成は、第2から第4の実施形態の各々の構成にも同様に適用することができる。
【0053】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、鏡筒内の温度上昇を抑え、イメージセンサや制御ICの誤動作やレンズの歪みが生じにくくするカメラモジュールの放熱装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るカメラモジュールの内部構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置の構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置の構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るカメラモジュールの放熱装置の構造を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施形態の第1の変更例を示すカメラモジュールの放熱装置の構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態の第2の変更例を示すカメラモジュールの放熱装置の構造を示す縦断面図である。
【図8】従来のカメラモジュールを示す外観斜視図である。
【図9】従来のカメラモジュールの内部構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10,30,50 カメラモジュール
10A,10B カメラモジュール
11 配線
12 基板
13 鏡筒
14 接着剤
15 制御IC
16 接続部
17 イメージセンサ
18,31 熱伝導部材
19 開口
20 レンズ
21 ボンディングワイヤ
52 絶縁性熱伝導被覆物
71 中間基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が形成された基板と、
前記基板の配線形成面に固定される鏡筒と、
前記鏡筒の内部に配置されるイメージセンサと、
前記鏡筒の側面に設けられかつ前記配線に接続される熱伝導部材と、
を備えることを特徴とするカメラモジュールの放熱装置。
【請求項2】
前記熱伝導部材は前記鏡筒の外部側面に設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項3】
前記熱伝導部材は前記鏡筒の内部側面に設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項4】
前記熱伝導部材は前記鏡筒の外部側面と内部側面に設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項5】
前記熱伝導部材は熱伝導膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項6】
前記熱伝導部材は導電性材質で形成され、電磁バリアとしての機能することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項7】
前記鏡筒の内部であって前記基板の前記配線形成面に実装されるイメージセンサ駆動用の制御ICを備え、この制御ICの上に前記イメージセンサが配置されることを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項8】
前記制御ICの上に前記イメージセンサが直接に搭載されることを特徴とする請求項7記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項9】
前記制御ICの上に中間基板を介在させて前記イメージセンサが搭載されることを特徴とする請求項7記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項10】
配線が形成された基板と、
前記基板の配線形成面に固定される鏡筒と、
前記鏡筒の内部に配置されるイメージセンサと、
前記イメージセンサの周囲側部を被覆しかつ前記配線に接続される絶縁性熱伝導被覆物と、
を備えることを特徴とするカメラモジュールの放熱装置。
【請求項11】
前記鏡筒の内部であって前記基板の前記配線形成面に実装されるイメージセンサ駆動用の制御ICを備え、この制御ICの上に前記イメージセンサが配置され、前記絶縁性熱伝導被覆物は前記制御ICと前記イメージセンサの周囲側部を被覆することを特徴とする請求項10記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項12】
前記制御ICの上に前記イメージセンサが直接に搭載されることを特徴とする請求項11記載のカメラモジュールの放熱装置。
【請求項13】
前記制御ICの上に中間基板を介在させて前記イメージセンサが搭載されることを特徴とする請求項11記載のカメラモジュールの放熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−158779(P2007−158779A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351948(P2005−351948)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(503456832)株式会社ザイキューブ (36)
【Fターム(参考)】