説明

カメラ

【課題】カメラにCCD駆動回路を設ける。静止画像の画質に影響を与えることなくレリーズタイムラグを短縮させる。
【解決手段】デジタルスチルカメラにおいて、レリーズボタンが全押しされると、CCD駆動回路における駆動信号の更新タイミングを変更するための制御信号を信号処理回路からCCD駆動回路へ出力する。そしてCCD駆動回路において、切替信号VHDの立ち上がるタイミングをCCDへのクロックパルス信号の同期タイミング(クロックパルス信号VDの出力期間K)から外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画像を記録可能なカメラに関し、特に、レリーズボタンを操作してから静止画像を記録するための露光動作を実行するまでのレリーズタイムラグに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラでは、撮影モードが設定されると、動画像がカメラ背面に設けられたLCDなどのディスプレイに表示される。そして、レリーズボタンが操作されると、静止画像を記録するため、露光動作が実行される。
【0003】
レリーズボタンが操作されてから実際に露光動作が実行されるまでの期間、すなわちシャッタの開閉あるいは電子シャッタ機能によって撮像素子の受光面が所定期間露光されるまでの期間(レリーズタイムラグ)は、デジタルカメラなどの場合、一般的に長い。レリーズタイムラグを短くするため、例えば、レリーズ操作が行われる前に、静止画像に適応した撮影モードにあらかじめ設定する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−348433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レリーズ操作から実際に露光動作開始までの間に様々な動作制御処理を行う必要があり、レリーズタイムラグを短くするのが難しい。一方、連写などにおいて静止画像の記録動作時間を短縮し、また、タイムラグによって像ぶれなど画質に影響が生じるのを防ぐため、レリーズタイムラグをできる限り短くすることが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のカメラは、レリーズ操作が行われてから実際に露光動作開始するまでのレリーズタイムラグを短縮させたカメラである。
【0006】
本発明のカメラは、撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段と、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段とを備える。そして、撮像素子駆動手段から出力される駆動信号を制御するための制御信号を撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、撮像素子駆動手段において制御信号を受けて駆動信号に反映させる更新タイミングを調整する動作タイミング調整手段とを備える。
【0007】
駆動信号として、例えば静止画像記録用の駆動信号と動画像表示用の駆動信号が選択的に出力され、クロックパルス周期などが変更される。撮影モードにおいて動画像表示する場合などでは、動画像にノイズが生じるのを防ぐため、動作タイミング調整手段は、制御信号をクロックパルス信号に同期させながら出力し、更新タイミングをクロックパルス信号に同期させる。例えば、静止画像撮影手段の制御処理の同期に合わせて制御信号を出力する場合、動作タイミング調整手段が、レリーズボタンに対する記録操作が行われるまで、制御信号の出力タイミングの前に更新タイミングを設定する。
【0008】
本発明では、動作タイミング調整手段は、レリーズボタンに対する記録操作に応じて、制御信号の出力タイミングおよび更新タイミングの少なくともいずれか一方をクロックパルス信号の同期タイミングからずらす。例えば、レリーズボタン操作後の所定のフィールド期間において、駆動信号を切り替える制御信号の出力タイミングの後、更新タイミングが来るようにすればよい。制御信号の出力タイミングおよび更新タイミングをクロックパルス信号に同期させる場合、制御信号を撮像素子駆動手段が受信しても、その同期している更新タイミングに合わせてCCD16を駆動することができない。この場合、クロックパルス信号の一周期(1フィールド期間)分遅れて駆動信号が調整される。しかしながら、クロックパルス信号の同期タイミングからずらすことにより、次のフィールド期間において静止画像を記録するための露光動作を実行することができ、クロックパルス信号、蓄積電荷掃き出し信号などの駆動信号が静止画像記録用に切り替わる。
【0009】
制御信号の出力タイミングをずらすのに処理時間がかかる場合、動作タイミング調整手段が、更新タイミングをクロックパルス信号の同期タイミングからずらすのが好ましい。
【0010】
本発明の撮影動作装置は、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される駆動信号を制御するための制御信号を、クロックパルス信号に同期させながら撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、撮像素子駆動手段において制御信号を受けて駆動信号に反映させる更新タイミングをクロックパルス信号に同期させる動作タイミング調整手段とを備え、動作タイミング調整手段が、記録用部材に対する記録操作に応じて、制御信号の出力タイミングおよび更新タイミングの少なくともいずれか一方をクロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される駆動信号を制御するための制御信号を、クロックパルス信号に同期させながら撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、撮像素子駆動手段において制御信号を受けて駆動信号に反映させる更新タイミングをクロックパルス信号に同期させる動作タイミング調整手段とを機能させ、記録用部材に対する記録操作に応じて、制御信号の出力タイミングおよび更新タイミングの少なくともいずれか一方をクロックパルス信号の同期タイミングからずらすように、動作タイミング調整手段を機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明の撮影動作方法は、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行し、撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される駆動信号を制御するための制御信号を、クロックパルス信号に同期させながら撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、撮像素子駆動手段において制御信号を受けて駆動信号に反映させる更新タイミングをクロックパルス信号に同期させ、記録用部材に対する記録操作に応じて、制御信号の出力タイミングおよび更新タイミングの少なくともいずれか一方をクロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、静止画像の画質に影響を与えることなくレリーズタイムラグを短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態であるデジタルスチルカメラについて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
【0016】
デジタルカメラ10は、信号処理回路20、システムコントロール回路30を備え、メモリカード36が着脱自在にカメラ10に装着される。信号処理回路20は、DSP(Digital Signal Processor)によって構成され、画像信号処理に関する動作を制御するプログラムを格納する。システムコントロール回路30は、レリーズボタン(図示せず)などの操作部、レンズ駆動部28等に接続され、カメラ10の画像処理以外の動作制御を実行する。
【0017】
撮影モードが設定された場合、動画像を表示するための処理動作が実行される。撮影光学系12を通った光は、レンズシャッタ14を介してCCD16に到達し、その結果、被写体像がCCD16に形成され、光電変換によって被写体像に応じたアナログの画素信号がCCD16に発生する。生成された画素信号は、CCD16から所定時間間隔で順次読み出され、AFE(Analog Front End)回路18へ送られる。
【0018】
AFE回路18は、アンプ42,A/D変換器44、CCD駆動回路46とを備え、CCD駆動回路46は、CCD16から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含めた駆動信号DSを出力する。CCD16から読み出された画素信号は、アンプ回路42において増幅され、A/D変換器(図示せず)においてデジタル画像信号に変換される。デジタル画像信号は、信号処理回路20に送られる。
【0019】
信号処理回路20では、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理など様々な処理がデジタル画像信号に対して施される。処理された画像信号は一時的にフィールドメモリ(図示せず)に格納され、LCDドライバ22へ送られる。LCDドライバ22は、信号処理回路20によって制御されており、送られてきた画像信号に基づいて駆動信号を出力し、LCDモニタ24を駆動する。その結果、被写体像が動画像としてLCDモニタ24に表示される。
【0020】
レリーズボタンが半押しされると、レリーズ半押しスイッチ40がON状態になり、被写体の明るさ、被写体との距離が露出検出器(図示せず)などにおいて検出されるとともに、焦点調整のため、撮影光学系12内のフォーカシングレンズ(図示せず)がレンズ駆動部28によって駆動される。
【0021】
レリーズボタンが全押しされると、レリーズ全押しスイッチ38がON状態となり、撮影動作が実行される。すなわち、露出制御回路26からの駆動信号によってシャッタ14が所定の開度で所定期間開く。これにより静止画像用の被写体像がCCD16に形成され、1フレーム分の静止画像に応じた画素信号がCCD16から読み出される。
【0022】
信号処理回路20は、CCD駆動回路46へ制御信号CSを出力し、動画像表示、静止画像記録に合わせた駆動信号DSを出力させるように、CCD駆動回路46へ制御信号CSを出力する。CCD駆動回路46には、駆動信号DSに関するデータを格納する複数のレジスタが設けられ、また、後述するように、信号処理回路20からの制御信号CSに基づき、データを更新する。そして、静止画像記録時には、クロックパルス信号、電荷掃き出し信号などのCCD16に対する駆動信号DSをデータに応じて動画像表示用駆動信号から静止画像記録用駆動信号へ切り替える。タイミングジェネレータ32は、クロックパルス信号、駆動信号、制御信号などの出力タイミングを定める基準クロックパルス信号TNを各回路へ出力する。
【0023】
CCD16から読み出された1フレーム分の画素信号は、アンプ回路42、A/D変換器44を経て、信号処理回路20において処理される。そして、生成された画像データは、記録制御回路34において圧縮処理され、メモリカード36に記録される。
【0024】
図2は、撮影動作処理のタイミングチャートである。図3は、信号処理回路20によって実行される撮影動作処理のフローチャートである。
【0025】
図2では、CCD駆動回路46からCCD16へ出力されるクロックパルス信号(垂直同期信号)を“VD”、電荷掃き出し信号を“Vsub”、CCD16に蓄積された電荷を所定のタイミングで掃き出すためのセンサゲート信号を“SG”、で表している。撮影モードにおいて動画像を表示している間、動画像表示のために所定周期P0(例えば、30〜40ms)のクロックパルス信号VDがCCD16へ送られる。このクロックパルス信号VDの周期は1フィールド期間に相当する。CCD駆動回路46からの駆動信号DSに基づいて電子シャッタが機能し、露光期間T0に蓄積された電荷が転送され、動画像に応じた画素信号が順次読み出される。電荷掃き出し信号“Vsub”などの出力タイミングは、タイミングジェネレータ32からの基準クロックパルス信号TNに基づく。また、駆動信号の出力内容は、信号処理回路20からの制御信号CSに基づく。
【0026】
信号処理回路20からCCD駆動回路46への制御信号CSは、動画像表示へのノイズの影響を防ぐため、クロックパル信号VDに同期しながら出力され、クロックパル信号VDの出力期間K(立ち上げから立ち下がりまでの期間)内に出力される。図2では、制御信号CSの出力タイミングが一点鎖線STで表されている。なお、信号処理回路20は、破線MTで表されるCCD16の画素検出に応じた同期のタイミングに合わせて動作する。
【0027】
一方、CCD駆動回路46において信号処理回路20からの制御信号CSを受け、CCD16へその制御信号CSの内容を反映させた駆動信号を出力させる(駆動信号を更新させる)タイミングを表す信号(以下では、更新信号という)を“VHD”で表すと、更新信号VHDは、クロックパルス信号VDに同期し、すなわち出力期間K内に立ち上がり、また、制御信号の出力タイミング(ST)より前に位置する。したがって、動画像表示の間、CCD駆動回路46が制御信号CSを受けた後、その内容を反映させた駆動信号DSを出力するタイミングは、1フィールド期間遅れる。
【0028】
レリーズボタンが全押しされると、静止画像の記録動作が開始され(ステップS101)、メモリ設定などの初期動作が実行される。図2では、フィールド期間(1)において記録動作が実行開始される。また、レリーズボタンが全押しされると、LCD24がブラック表示となるように、LCDドライバ22が制御される。
【0029】
次のフィールド期間(2)では、駆動信号DSを静止画像用の駆動信号に切り替え、さらに、CCD駆動回路46における切替信号VHDのタイミングを静止画像用に切り替えるため、制御信号CSがCCD駆動回路46へ出力される。CCD駆動回路46は、クロックパルス信号VDよりも十分に周波数の大きいタイミングジェネレータ32からの基準クロックパルス信号TNに基づいて制御信号CSを受信すると、レジスタに格納された駆動信号DSのデータを更新し、切り替え信号VHDの立ち上げタイミングを変更する。また、フィールド期間(2)では、シャッタ14の開閉、露出値設定などの露出制御処理を実行するための制御信号が出力されるとともに、信号処理回路20から出力される制御信号の出力タイミングが変更される(ステップS102)。
【0030】
CCD駆動回路46が制御信号を受信すると、図2に示すように、CCD駆動回路46における更新信号“VHD”は、クロックパルス信号VDの出力期間Kから外される。ここでは、“VHD’”によって表す。これにより、フィールド期間(2)において、制御信号の出力タイミング(ST)の後で、かつフィールド期間(2)内に更新タイミング(VHD’)が来るため、次のフィールド期間(3)において露光動作が実行可能となる。すなわち、フィールド期間(露光フィールド期間)(3)では、クロックパルス信号VDの周期が静止画像記録するための周期P1に変更されるとともに、露光期間Tだけ電荷が蓄積されるように電荷掃き出し信号Vsubなどの駆動信号DSが静止画像記録用の駆動信号に切り替えられる。
【0031】
フィールド期間(3)では、駆動信号DSの更新タイミングを元に戻す、すなわち出力期間K内に戻すための制御信号CSが出力される(ステップS103)。そして、フィールド期間(ダミーフィールド期間)(4)では、LCDドライバ22の駆動を停止(OFF)させるように信号処理回路20からLCDドライバ22へ制御信号が出力される(ステップS104)。これにより、フィールド期間(1)〜(3)の間LCD24においてブラック表示された後、LCD24が表示停止する。ダミーフィールド期間(4)は、露光期間Tの後であって画素信号の読み出し期間前に設定されるフィールド期間であり、電荷転送を安定させるために設けられている。ここでは、LCDドライバ22の動作を停止させるのに、例えば30〜50msの時間を考えればよい。
【0032】
CCD16に蓄積された電荷は、フィールド期間(5)(第1のフィールド期間)、フィールド期間(6)(第2のフィールド期間)、フィールド期間(7)(第3のフィールド期間)に渡って順次読み出される。そして、フィールド期間(7)では、再び動画像を表示するための切替処理が行われる。すなわち、クロックパルス信号VDを動画像表示の周期に変更し、制御信号の出力タイミングをクロックパルス信号VDに同期させるための設定、更新処理が行われる。フィールド期間(9)では、LCDドライバ22が再び起動するように制御信号がLCDドライバ22へ出力され、LCDドライバ22がLCDモニタ24を駆動する(ステップS106)。これにより、動画像がLCDモニタ24に表示される。
【0033】
このように本実施形態によれば、レリーズボタンが全押しされて静止画像の撮影動作処理が開始されると、まず露光動作が実行され、フィールド期間(1)〜(3)において、ブラック表示される。そして、出力安定用のダミーフィールド期間(4)において、LCDドライバ22の駆動を停止するように信号処理回路20から制御信号が出力される。画素信号がCCD16から読み出されるフィールド期間(5)〜(7)までにLCDドライバ22が駆動停止されるため、静止画像にノイズは生じない。また、LCDドライバ22の駆動を停止させる制御処理は、信号処理回路20の他のルーチンを同時に行うことに制限を与えるが、露光動作開始前にLCDドライバ22を駆動停止させないため(ブラック表示させるため)、レリーズ操作から速やかに露光動作が実行され、レリーズタイムラグが短縮される。
【0034】
また、本実施形態によれば、レリーズボタンが全押しされると、CCD駆動回路46における駆動信号DSを更新し、さらに、更新タイミングを変更するための制御信号CSが信号処理回路20からCCD駆動回路46へ出力される。CCD駆動回路46においては、更新信号VHDの立ち上がるタイミングがCCD16へのクロックパルス信号の同期タイミング(クロックパルス信号VDの出力期間K)から外れ、フィールド期間(2)において更新信号VHD’が立ち上がる。これにより、次のフィールド期間(3)において静止画像を記録するための露光動作が実行可能となる。スルー画像を表示している間、動画像にノイズが生じるのを防ぐため、更新信号VHDは出力期間K内に出力されるが、フィールド期間(2)ではスルー画像は表示されていないため、影響がない。
【0035】
なお、ダミーフィールド期間(4)の代わりに、露光フィールド期間(3)において、LCDドライバ22の駆動を停止させるように構成してもよい。また、フィールド期間(1)〜(3)においては、ブラック表示に限定されず、スルー画像以外の表示を行えばよい。
【0036】
CCD駆動回路46における駆動信号DSの切替タイミング(VHD)を変更するのでなく、信号処理回路20から出力される制御信号CSの出力タイミングを、クロックパル信号VDの同期タイミングから外すように構成してもよい。
【0037】
LCDドライバ22の駆動を停止する構成のみのカメラによってレリーズタイムラグを短縮してもよく、また、駆動信号の切替タイミングを変更する構成のみのカメラによってレリーズタイムラグを短縮してもよい。また、デジタルスチルカメラ以外のムービーカメラ、あるいは、撮影機能を備えた携帯電話等の電子機器などに適用してもよい。この場合、レリーズボタンの代わりに静止画像記録用の部材(ボタン等)に対する記録操作に応じて実行される。
【0038】
一方で、カメラは、撮像素子から読み出された画素信号に基づいて動画像を表示部に表示可能な表示手段と、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段とを備える。ここでの露光動作は、機械的シャッタの開閉あるいは電子シャッタ機能などによって撮像素子などの受光面を露光させる動作を示す。例えば、表示手段は、表示部として動画像を表示可能な液晶パネルと、液晶ドライバを備える。
【0039】
カメラは、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段を備える。例えば表示手段が、液晶表示機構である場合、表示制御手段は、LCDドライバの動作を停止させればよい。
【0040】
撮像素子に蓄積された電荷転送の間、表示手段においてクロックパルス信号などの駆動信号が出力されると、静止画像にノイズが発生する。一方、静止画像撮影手段などがDSP(Digital Signal Processor)などの制御機構によって構成された場合、撮像素子を駆動するために撮像素子駆動手段から出力されるクロックパルス信号などに同期させながら制御信号を出力させるが、LCDドライバなどの表示手段を動作停止させるルーチンを実行すると他の制御を行うことが困難となり、表示手段が駆動停止するまで露光動作を開始することができない。本発明では、画素信号が読み出される前に表示手段を動作停止させるため、静止画像にノイズが生じることがなく、一方、露光動作開始前に表示手段を動作停止にさせないため、速やかにレリーズ操作から速やかに露光動作を実行できる。
【0041】
静止画像を記録するための露光期間と静止画像に応じた画素信号の読み出し期間との間に電荷の出力安定をさせるための期間(ダミー期間)を設けた場合、露光期間におけるシャッタ開閉動作制御とタイミングをずらすため、表示制御手段は、出力安定期間に表示手段を動作停止にさせるのがよい。
【0042】
撮影動作装置は、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0043】
プログラムは、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段とを機能させることを特徴とする。
【0044】
撮影動作方法は、記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行し、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
【図2】撮影動作処理のタイミングチャートである。
【図3】信号処理回路によって実行される撮影動作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10 デジタルカメラ
12 撮影光学系
16 CCD(撮像素子)
18 AFE
20 信号処理回路
22 LCDドライバ
24 LCDモニタ
46 CCD駆動回路
VD クロックパルス信号
VHD、VHD’ 更新信号
DS 駆動信号
CS 制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段と、
レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
前記撮像素子駆動手段から出力される前記駆動信号を制御するための制御信号を、前記クロックパルス信号に同期させながら前記撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、
前記撮像素子駆動手段において前記制御信号を受けて前記駆動信号に反映させる更新タイミングを前記クロックパルス信号に同期させる動作タイミング調整手段とを備え、
前記動作タイミング調整手段が、レリーズボタンに対する記録操作に応じて、前記制御信号の出力タイミングおよび前記更新タイミングの少なくともいずれか一方を前記クロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記動作タイミング調整手段が、前記更新タイミングを前記クロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記動作タイミング調整手段が、レリーズボタンに対する記録操作が行われるまで、前記制御信号の出力タイミングの前に前記更新タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される前記駆動信号を制御するための制御信号を、前記クロックパルス信号に同期させながら前記撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、
前記撮像素子駆動手段において前記制御信号を受けて前記駆動信号に反映させる更新タイミングを前記クロックパルス信号に同期させる動作タイミング調整手段とを備え、
前記動作タイミング調整手段が、前記記録用部材に対する記録操作に応じて、前記制御信号の出力タイミングおよび前記更新タイミングの少なくともいずれか一方を前記クロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とする撮影動作装置。
【請求項5】
記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される前記駆動信号を制御するための制御信号を、前記クロックパルス信号に同期させながら前記撮像素子駆動手段へ出力する駆動信号制御手段と、
前記撮像素子駆動手段において前記制御信号を受けて前記駆動信号に反映させる更新タイミングを前記クロックパルス信号に同期させる動作タイミング調整手段とを機能させ、
前記記録用部材に対する記録操作に応じて、前記制御信号の出力タイミングおよび前記更新タイミングの少なくともいずれか一方を前記クロックパルス信号の同期タイミングからずらすように、前記動作タイミング調整手段を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
記録用部材に対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行し、
撮像素子から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を含む駆動信号を出力する撮像素子駆動手段から出力される前記駆動信号を制御するための制御信号を、前記クロックパルス信号に同期させながら前記撮像素子駆動手段へ出力し、前記撮像素子駆動手段において前記制御信号を受けて前記駆動信号に反映させる更新タイミングを前記クロックパルス信号に同期させ、
前記記録用部材に対する記録操作に応じて、前記制御信号の出力タイミングおよび前記更新タイミングの少なくともいずれか一方を前記クロックパルス信号の同期タイミングからずらすことを特徴とする撮影動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−67371(P2008−67371A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207937(P2007−207937)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】