説明

カラオケシステム、カラオケ端末装置、カラオケ背景編集方法、及びコンピュータプログラム

【課題】カラオケ背景を複数種類の素材レイヤーを重ね合わせた合成画像で編集する場合に、効率的な編集作業を可能にする。
【解決手段】編集画面50により、素材レイヤーを重ね合わせたカラオケ背景用の合成画像を効率的に編集可能とする。編集画面50は、第1領域50a〜第4領域50dの計4つの領域を有し、第1領域50aには編集作業対象の素材レイヤーを選択するためのレイヤーアイコン51を配置し、第2領域50bにはレイヤーアイコン51で選択された素材レイヤー用の設定対象となる複数のサムネイル画像を並べた素材サムネイル部52を配置し、第3領域50cには、各素材レイヤーで選択状態となっている素材データを重ね合わせたプレビュー合成画像53を配置し、第4領域50dには、素材サムネイル部52で選択状態になっているサムネイル画像の説明情報54を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の素材レイヤーを重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を効率良く編集できるようにしたカラオケシステム、カラオケ端末装置、カラオケ背景編集方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ楽曲を再生する際に表示するカラオケ背景として、複数のレイヤーを重ね合わせた合成画像を用いたものがある。具体的には、下記の特許文献1では、背景映像を表示するための背景レイヤー、演奏曲の歌詞文字映像を表示するためのテロップレイヤー、及びエフェクト映像を表示するためのアクティブレイヤーと云った複数種類のレイヤーを重ね合わせて作成された合成画像を、カラオケ背景に用いている(特許文献1の図7〜10参照)。
【0003】
また、合成画像の各レイヤーに対して、ユーザが映像等の各種素材を自由に設定、編集できるようにして、ユーザの趣向に合った合成画像をカラオケ背景として表示できるようにしたものがある(下記の特許文献2の図6〜11参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−173080号公報
【特許文献2】特開2007−94244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献2において、各レイヤーの設定対象となる映像等の素材は、格子状に配置されたサムネイル形式で一画面表示されており、このサムネイル形式の表示の中から、所望のものをユーザが適宜選択してレイヤーに設定するようになっている。そして、このように素材が設定されたレイヤーを重ね合わせて得られるカラオケ背景の合成画像は、実際にカラオケ楽曲を再生するまでは表示されないので、ユーザは選択した素材に基づくカラオケ背景の合成画像を、編集作業中に随時、確認できない。
【0006】
そのため、ユーザは、カラオケ楽曲の再生の際に表示されるカラオケ背景の合成画像が、ユーザの好みに合うレベルに仕上がっていない場合は、再度、カラオケ背景の画像編集作業に戻る必要が生じ、効率的な編集作業を行えないという問題があった。
【0007】
さらに、上記の特許文献2においては、相異する種類のレイヤーを設定する度に、異なる内容のサムネイル形式の表示画面に切り替える必要があり(例えば、特許文献2の図6のサムネイル画面を表示して、基本となる背景画像を選択し、次に、特許文献2の図8のサムネイル画面を表示して、模様的な素材を選択する必要があり)、異なるレイヤー用の素材を設定するためのサムネイル画面の表示切替が要求されることで、各レイヤーの設定に係る編集作業が煩雑になり手間を要するとういう問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、単一の画面で、複数のレイヤーの中のいずれか一つに応じた設定対象の複数の素材と、素材が設定された各レイヤーを重ねて得られる最終的な合成画像とを確認できるようにして、効率的な編集作業を可能にしたカラオケシステム、カラオケ端末装置、カラオケ背景編集方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、編集された合成画像を有するカラオケ楽曲を、ユーザが他のカラオケ楽曲と見極めて容易に選択できるようにしたカラオケシステム、カラオケ端末装置、カラオケ背景編集方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係るカラオケシステムは、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケシステムにおいて、前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する手段と、前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する手段と、前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るカラオケシステムは、前記編集画面の中の第四領域に、前記素材サムネイル部で選択状態になったサムネイル画像に係る説明を示す文字情報を配置する手段を備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係るカラオケシステムは、前記編集画面が、カラオケ楽曲が選択されたことに伴って表示されるようにしてあり、前記編集画面を表示する際、選択されたカラオケ楽曲に付随する属性情報に対応する素材をデフォルトとして各素材レイヤーに設定するデフォルト設定手段を備えることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明に係るカラオケシステムは、第一記憶部を有するサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続されており、第二記憶部及び表示部を有するカラオケ端末とを備え、前記編集画面は、前記カラオケ端末の表示部で表示されるようにしてあり、前記第一記憶部は、複数の素材レイヤーの中の一の素材レイヤーに応じた設定対象の素材を格納した第一データベースを記憶するようにしてあり、前記第二記憶部は、前記一の素材レイヤーに応じた設定対象の素材を格納した第二データベースを記憶するようにしてあり、前記素材サムネイル部は、前記第一データベースに格納された素材のサムネイル画像及び前記第二データベースに格納された素材のサムネイル画像を混在して並べるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明に係るカラオケシステムは、複数のカラオケ楽曲が選択可能に配置してあるリストを表示するリスト表示手段と、前記編集画面で素材レイヤーごとに設定された素材及び選択されたカラオケ楽曲をそれぞれ対応付けて設定データベースに格納する設定格納手段とを備え、前記リスト表示手段は、前記設定データベースに格納されたカラオケ楽曲が前記リストに含まれる場合、前記リストの中で、前記設定データベースに格納されたカラオケ楽曲を、他のカラオケ楽曲と異なる形態で表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るカラオケ端末装置は、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケ端末装置において、前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する手段と、前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する手段と、前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係るカラオケ端末装置は、前記編集画面の中の第四領域に、前記素材サムネイル部で選択状態になったサムネイル画像に係る説明を示す文字情報を配置する手段を備えることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明に係るカラオケ端末装置は、前記編集画面が、カラオケ楽曲が選択されたことに伴って表示されるようにしてあり、前記編集画面を表示する際、選択されたカラオケ楽曲に付随する属性情報に対応する素材をデフォルトとして各素材レイヤーに設定するデフォルト設定手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るカラオケ背景編集方法は、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケ背景編集方法において、前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置するステップと、前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置するステップと、前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置するステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、表示部を有するコンピュータに、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する処理を行う手段と、前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する処理を行う手段と、前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する処理を行う手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、一つの編集画面の中に、複数の素材レイヤーのいずれか一つを選択できるレイヤー選択部と、選択された素材レイヤーの設定対象の素材を選択可能に配置した素材サムネイル部と、各素材レイヤーを重ねたプレビュー合成画像とを配置するようにしたので、一つの編集画面を切り替えることなく、各素材レイヤーの設定対象の素材選択の作業を行いながら、素材レイヤーごとに設定された素材を用いた合成画像をプレビュー合成画像で確認できるようになり、ユーザの所望のカラオケ背景画像を効率的に編集することが可能となる。
【0020】
また、本発明にあっては、複数の素材を配置した素材サムネイル部において、選択可能な状態になった素材に係る説明を示す文字情報までを、編集画面の中に表示するので、素材を選択する際の目安、判断材料等となる情報がユーザに提示されることになり、ユーザの所望する合成画像に向けて一段と効率的な編集作業が可能となる。
【0021】
さらに、本発明にあっては、編集画面がカラオケ楽曲の選択に連動して表示されると共に、選択されたカラオケ楽曲に予め付随する属性情報に対応する素材をデフォルトとして設定した状態の編集画面を表示することから、選択されたカラオケ楽曲にマッチするような素材の設定内容を、最初から編集画面でユーザに提示できるようになる。これにより、選択されたカラオケ楽曲に対してシステム側が推薦するようなかたちで、デフォルトの素材設定内容が最初に表示されるので、ユーザは、この素材設定内容を、いわゆる「たたき台」として編集作業に用いることが可能となり、編集作業の手助けになって、編集作業の効率化に貢献できる。
【0022】
さらにまた、本発明にあっては、編集画面の素材サムネイル部は、第一データベースに格納された素材と、第二データベースに格納された素材とを混在して並べるので、異なるデータベースに格納された素材を、ユーザは一律に素材サムネイル部で選択できるようになり、幅広い選択対象の中からユーザの所望の素材を選択することが可能となる。
【0023】
また、本発明にあっては、編集画面で素材が設定された場合に、編集画面での設定内容を、選択されたカラオケ楽曲と共に両者を対応付けて所定のデータベースに格納すると共に、カラオケ楽曲の選択等のために表示したカラオケ楽曲のリストの中に、データベースに格納されたカラオケ楽曲が含まれていると、そのカラオケ楽曲は、他のカラオケ楽曲と異なる形態で表示されるので、カラオケ背景がユーザにより設定されたものになっているカラオケ楽曲を、一目で区別できるようになり、ユーザは以前に自らが編集したカラオケ背景を有するカラオケ楽曲を、歌唱候補を選択する際に容易に見つけられるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、一つの編集画面を切り替えることなく、各素材レイヤーの設定対象の素材選択の作業を行いながら、設定された素材を用いた合成画像をプレビュー合成画像で確認できるので、ユーザ所望のカラオケ背景用の合成画像を効率的に編集できる。
【0025】
また、本発明は、編集画面の中にユーザが素材を選択する際の目安、判断材料等となる説明情報を提示するので、ユーザの所望する合成画像に向けて一段と効率的な編集作業を行える状況を提供できる。
【0026】
さらに、本発明は、選択されたカラオケ楽曲に対してシステム側が推薦するような素材設定内容をデフォルトとして、編集画面を最初に表示する際にユーザに提示でき、ユーザは、この推薦された素材設定内容を、いわゆる「たたき台」として編集作業に使うことができ、編集作業の更なる効率化に貢献できる。
【0027】
さらにまた、本発明は、異なるデータベースで別々に格納された素材を、ユーザは一律に素材サムネイル部で把握でき、幅広い選択対象の中からユーザ所望の素材を選択することができる。
【0028】
また、本発明は、カラオケ楽曲の選択等のために表示されたカラオケ楽曲のリストの中で、ユーザにより編集作成されたカラオケ背景を有するカラオケ楽曲が一目で区別することができ、ユーザ自らが編集作成したカラオケ背景を有するカラオケ楽曲を、歌唱候補を選択する際に容易に見つけられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムの全体的な構成を示す概略図である。
【図2】カラオケサーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【図3】カラオケ楽曲データベースを示す図表である。
【図4】素材データベースを構成する各種素材データベースの中身を示す図表であり、(a)パーティクル素材DB、(b)はタイポグラフィー素材DB、(c)はイコライザー素材DB、(d)はムービー画像素材DB、(e)はムービー映像素材DBである。
【図5】(a)はパーティクル素材の複数の表示例を示す概略図、(b)はタイポグラフィー素材の複数の表示例を示す概略図、(c)はイコライザー素材の複数の表示例を示す概略図である。
【図6】(a)はムービー画像素材の表示の仕方を示す概略図、(b)はムービー映像素材の表示の仕方を示す概略図である。
【図7】カラオケ端末装置の主要な内部構成を示すブロック図である。
【図8】(a)はユーザ素材DBの中身を示す図表であり、(b)はユーザ素材による格子状サムネイル画面を示す概略図である。
【図9】カラオケ背景設定DBの中身を示す図表である。
【図10】(a)はカラオケお気に入りリストを示す図表であり、(b)はカラオケ履歴リストを示す図表である。
【図11】(a)はカラオケ予約リストを示す図表、(b)は楽曲リストを示す図表である。
【図12】編集画面を示す概略図である。
【図13】(a)は第1メニューを示す概略図、(b)は第2メニューを示す概略図である。
【図14】(a)は編集画面のレイヤーアイコンを示す概略図、(b)は素材サムネイル部を示す概略図である。
【図15】登録確認メニューを示す概略図である。
【図16】カラオケ背景編集方法の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステム1の全体の主要構成を示す概略図である。本実施形態のカラオケシステム1は、カラオケ楽曲を提供するシステム側に設けられるカラオケサーバ10と、ユーザ側に設けられるカラオケ端末装置30とをネットワークNWで接続した構成になっている。カラオケサーバ10は、カラオケ楽曲DB(データベース)20、素材DB21と云った各種データベースを備えており、ユーザの要望するカラオケ楽曲を、ネットワークNWを介してカラオケ端末装置30へ供給する。カラオケ端末装置30は、カラオケサーバ10から供給されたカラオケ楽曲を再生すると共に、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせた合成画像をカラオケ背景として表示するものであり、特に、ユーザ所望のカラオケ背景を編集する際に、図12に示す編集画面50を表示して、従来に比べて大幅に編集作業の効率化を図ったことを特徴にしている。カラオケ端末装置30も、カラオケ背景設定DB40、カラオケお気に入りDB41、カラオケ履歴DB42、カラオケ予約DB43等の各種データベースを具備している。なお、カラオケ端末装置30は、リモコン装置35でユーザからの操作指示を受け付け可能にしている。
【0031】
また、図1では、カラオケ端末装置30として1台のみを示しているが、本実施形態に係るカラオケシステム1に含めることが可能なカラオケ端末装置30は1台に限定されるものではなく、ネットワークNWを通じて接続される複数のカラオケ端末装置30をカラオケシステム1に導入することが可能である。さらに、本発明の内容に直接的に関係しないので図1では図示を省略しているが、ユーザ登録及び登録したユーザの認証等に係る処理等を行うサーバ等もカラオケシステム1に含むことも可能である。以下、カラオケサーバ10、カラオケサーバ10に含まれる各種データベース、カラオケ端末装置30等について順次説明する。
【0032】
図2は、カラオケサーバ10の主要な内部構成を示している。本実施形態のカラオケサーバ10には一般的なサーバコンピュータを適用しており、全体的な制御及び各種処理を行うMPU10aに、各種デバイス等を内部接続線10iで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信モジュール10b、RAM10c、ROM10d、入力インタフェース10e、出力インタフェース10f、大容量記憶システム(HDDシステム)10g等がある。
【0033】
通信モジュール10bは、ネットワークNWとの接続モジュールに相当し、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール10bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続されており、カラオケ端末装置30から送られてくるユーザの操作指示等を受け付けてMPU10aへ伝えると共に、MPU10aの制御指示に基づき、カラオケ端末装置30へ各種データ等(各種データベース、カラオケ楽曲のデータ、各種素材のデータ等)を送信する。
【0034】
RAM10cは、MPU10aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM10dは、MPU10aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものである。入力インタフェース10eは、カラオケサーバ10のオペレータからの操作指示等を受け付けるキーボード11、マウス等が接続されるものであり、オペレータから受け付けた操作指示等をMPU10aへ伝える。出力インタフェース10fは、ディスプレイ12の出力装置が接続されるものであり、MPU10aの処理に伴う内容をディスプレイ12へ出力し、オペレータが現在の処理内容等を確認できるようにしている。
【0035】
大容量記憶システム10g(第一記憶部に相当)は、カラオケサービスを提供するに当たり必要なデータを含む各種データベース及びプログラム等を記憶するものであり、具体的には、サーバプログラム13、カラオケサービスプログラム14、カラオケ楽曲DB20、素材DB21等を記憶している。
【0036】
サーバプログラム13は、サーバ用のオペレーションシステムに応じた処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU10aが行うことで、カラオケサーバ10は、サーバとしての機能を果たす。
【0037】
カラオケサービスプログラム14は、カラオケサービスを提供するために、MPU10aが行う各種処理を規定したものであり、具体的には、カラオケ端末装置30から送られてきた操作指示に応じて、ユーザが所望するカラオケ楽曲をカラオケ楽曲DB20から検索する処理、ユーザが選択したカラオケ楽曲のファイル(データ)及びカラオケ歌詞等のファイル(データ)をカラオケ楽曲DB20から抽出して送信する処理、カラオケ端末装置30でのカラオケ背景の編集開始に伴い、素材DB21等を送信する処理等を規定している。
【0038】
図3は、カラオケ楽曲DB20の中身の概要を示している。カラオケ楽曲DB20は、カラオケ楽曲を識別するための曲IDに、曲名、歌手名、曲情報、楽曲データ、歌詞データ及び属性情報等を対応付けて格納したものになっている。ここで、曲情報とは、曲に関する各種情報(テキスト情報)であり、「ドラマの主題歌になっている」、「ある商品のテレビコマーシャルに使用されている」などの情報が該当する。また、楽曲データとは、カラオケ楽曲の再生用データであり、この楽曲データがカラオケ端末装置30で再生されることにより、カラオケ楽曲の再生音がカラオケ楽曲装置30で出力される。そして、歌詞データとは、カラオケ楽曲の再生に合わせてカラオケ楽曲装置30で表示される歌詞テキストを示すデータである。
【0039】
さらに、カラオケ楽曲DB20の属性情報とは、各カラオケ楽曲に付随する情報である。本実施形態の属性情報は、カラオケ楽曲のカテゴリ、イメージ、ジャンル、ムード等を示すテキストの情報であり、具体的には、「演歌人情」、「演歌自然」、「ハイテンション」、「懐メロ」、「自然」、「アニメ」、「ウインター」、「サマー」、「ダーク」等のキーワードが使われている。
【0040】
また、大容量記憶システム10gに記憶される素材DB21は、カラオケ背景を構成する各素材レイヤーの設定対象となる素材(素材データ)を格納したデータベースである。本実施形態では後述するように計4種類の素材レイヤーを重ね合わせてカラオケ背景用の合成画像を編集作成するようにしており、4種類の素材レイヤーとしては、パーティクルレイヤー、タイポグラフィーレイヤー、イコライザーレイヤー及びムービーレイヤーがある(図14(a)参照)。
【0041】
まず、パーティクルレイヤーとは模様のような画像を表した素材が設定されるものである。次に、タイポグラフィーレイヤーとは歌詞の表し方を規定した素材が設定されるものであり、カラオケサーバ10から送信される歌詞データを、タイポグラフィー素材で規定される仕方で表示する。さらに、イコライザーレイヤーとはカラオケ楽曲の再生による音量等を再生進行に応じて周波数別の棒グラフ状のもので示す素材が設定されるものである。最後に、ムービーレイヤーとは動画的な背景映像となる素材が設定されるものである。
【0042】
本実施形態の素材DB21は、上述した各種素材レイヤーごとの素材を格納したデータベースの集合体となっており、具体的には図4(a)〜図4(e)に示すパーティクル素材DB21a、タイポグラフィー素材DB21b、イコライザー素材DB21c、ムービー画像素材DB21d及びムービー映像素材DB21eという計5種類のデータベースで構成されている。なお、ムービーレイヤー用のムービー画像素材DB21d及びムービー映像素材DB21eの両者は合わせて第一データベースに相当する。
【0043】
図4(a)は、パーティクル素材DB21aの中身を示しており、素材名ごとに、素材データ、サムネイルデータ、説明情報及び属性情報等を対応づけたものになっている。素材データとは、実際に合成画像を表示する際に使用されるファイル(データ)を意味する。サムネイルデータとは、後述する編集画面50の中のサムネイル表示で使用されるサムネイル画像用のファイル(データ)を意味する。説明情報とは、素材の内容を説明する情報であり、後述する編集画面50の中のサムネイル表示で選択状態になった場合に使用されるテキストデータである。また、属性情報とは、その素材に合ったキーワードを示す情報であり、本実施形態では、上述した図3のカラオケ楽曲DB20の属性情報と同様のキーワードである「演歌人情」、「演歌自然」、「ハイテンション」、「懐メロ」、「自然」、「アニメ」、「ウインター」、「サマー」、「ダーク」等のテキスト情報を用いて、カラオケ楽曲DB20に含まれるカラオケ楽曲との対応付けができるようにしている。
【0044】
本実施形態のパーティクル素材DB21aに格納される素材の素材名には、「桜そよ風」、「星間ワープ」、「雪」、「花火」、「雨」、「紙吹雪」及び「落ち葉」等がある。素材名が「桜そよ風」である説明情報は、「桜の花びらがそよ風になびいて舞い落ちる姿をイメージしたパーティクル。そよ風になびく動きをつけることで、様々な楽曲をさりげなくドラマチックに演出することができる。季節感を意識してしまいがちだが、女性の楽曲は雅に、男性の楽曲は色気を帯びさせる効果があり、オールラウンドに様々な楽曲に調和する。」というものである。素材名が「星間ワープ」である説明情報は、「現実世界から未知の世界へといざなうかのような、ワープ空間をイメージしたパーティクル。小さいころ夢見たSF世界をドラマチックに再現し、好奇心を駆り立てる。自らも移動しているかのようなワクワクするデザインは、スピード感のあるアップテンポの楽曲に調和する。」というものである。素材名が「雪」である説明情報は、「様々な速さで舞い落ちる雪をイメージ。深々と降り続く雪を見上げるデザインは、その先に更に空間が広がっているような錯覚さえ覚える。しっとりとした雰囲気で曲に陶酔したい、そんな貴方にぴったりなパーティクル。」というものである。
【0045】
また、素材名が「花火」である説明情報は、「次々に花火がはじける夏の夜空をイメージしたパーティクル。日本の夏には欠かせない存在である花火を大胆に配置し、華やかさを演出。元気よく歌うアップテンポの曲に調和する。次々に花火が打ちあがることで、まるで夏の夜空の下で歌っているかのような清々しい気分を味わうことができるデザインとした。」というものである。素材名が「雨」である説明情報は、「大粒の雨が降り注ぐ様子をイメージしたパーティクル。あえて漫画のような表現にすることで、雨が降っているのか、星が空から落ちてきているのか分からない幻想的な世界を演出。静かな曲から、スピード感のある曲まで、様々な楽曲に調和する。」というものである。
【0046】
素材名が「紙吹雪」である説明情報は、「祝い事やイベントで盛り上げに使用される紙吹雪が舞う様子をイメージしたパーティクル。一枚一枚に様々な動きをつけることで、空間を更に華やかに演出する。雰囲気を盛り上げたい時にお勧めなパーティクルである。」というものである。素材名が「落ち葉」である説明情報は、「くるくる、ヒラヒラと落ちる落ち葉をイメージしたパーティクル。美しく色づいた落ち葉を連想させることで、やわらかさや温もりを表現している。季節感をイメージしてしまいがちだが、その柔らかいイメージは優しく歌い上げたい楽曲にも調和する。」というものである。
【0047】
なお、図5(a)に示す左端の図は、上述したパーティクル素材DB21aの中の「桜そよ風」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(a)の中央の図は、「星間ワープ」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(a)の右端の図は、「雪」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージである。
【0048】
図4(b)は、タイポグラフィー素材DB21bの中身を示しており、上述したパーティクル素材DB21aと同様に、素材名ごとに、素材データ、サムネイルデータ、説明情報及び属性情報(属性情報の中身には、パーティクル素材DB21aの場合と同じテキスト情報を使用)等を対応付けたものになっている。このタイポグラフィー素材DB21bの素材データは、カラオケ楽曲の歌詞データに基づく歌詞テキストの表示の仕方を規定している。
【0049】
本実施形態のタイポグラフィー素材DB21bに格納される素材の素材名には、「ライトフレームイン」、「アッパーフレームイン」、「スライディング」、「ランダムフェードイン」、「ポヨンポヨン」、「シネマパンチイン」、「バウンドライン」、「サンドイッチライン」、「スクリュー」、「ウォータードロップ」、「スライドインライト」及び「バブルアップ」等がある。
【0050】
素材名が「ライトフレームイン」である説明情報は、「水平方向の動きを基調とするタイポグラフィー。安定感がありながら、スピード感を同時に表現できる。様々なリズムの楽曲との相性がよく、歌唱するタイミングにもなじみやすいのが特徴。視認性が高く、歌詞を十分に追えることと、スタイリッシュさを兼ね備えた、オールラウンドタイポグラフィー。」というものである。素材名が「アッパーフレームイン」である説明情報は、「拳を突き上げるように、下から上に向かってフレームインしてくるのが特徴で、どのような曲調であっても、気持ちを高ぶらせてくれる。視認性よりスタイリッシュさやスピード感を重視しており、ある程度熟知している楽曲を、力強く歌い上げる場合に適している。サブリミナル的に数秒動きを遅くすることで、歌詞の意味を刷り込む力がある。」というものである。
【0051】
素材名が「スライディング」である説明情報は、「左下がりの角度がついたラインに、スライディングしてくるタイポグラフィー。中央に表示される映像を邪魔することが無いのが特徴で、熟知している楽曲を、映像重視で歌い上げる場合に適している。しかしながら、登場するテキストは存在感があり、遠慮がちに歌詞が表示されるというわけではない。スピード感をもったスタイリッシュな映像にステージを仕上げてくれるタイポグラフィー。」というものである。素材名が「ランダムフェードイン」である説明情報は、「歌詞の位置や大きさがランダムで登場し、にじんで消えるタイポグラフィー。歌詞にインパクトを強く与えるが、楽曲の世界観も損なうことなく、ドラマチックにリズムを与えてくれる。表示される場所が特定できないことにより、何かを追いかけるような心理的効果があり、切なさや寂しさを強調する。」というものである。
【0052】
素材名が「ポヨンポヨン」である説明情報は、「ポヨンポヨンという表現がぴったりとくるタイポグラフィー。明るく可愛く画面を盛り上げてくれる。文字のバウンドする速度には細心の注意を払っており、視認性の確保と跳ねるようなウキウキした印象を両立させている。子供向けアニメのリズムを彷彿とさせるが、様々な楽曲に遊び心をもって当てはめて楽しむこともできる。」というものである。素材名が「シネマパンチイン」である説明情報は、「映画のタイトル表記などに見られる演出で、一気に表示テキストに注目を集めることができる。メッセージ性の高い曲などはよりドラマチックになり、歌詞に力を与える。力強い曲との相性が良く、静かな曲調のものはやや騒がしくなる。」というものである。
【0053】
素材名が「バウンドライン」である説明情報は、「上から落ちてくる歌詞が、中央付近のラインでバウンドして止まるタイポグラフィー。コミカルなバウンドにより、ポップな楽曲を可愛く演出する。子供っぽくさせる効果はあるが、ある程度落ち着いたバウンド幅にすることで、キュートという響きに近い演出になるよう調整した。」というものである。素材名が「サンドイッチライン」である説明情報は、「上下から中央のラインを挟み込むように登場するタイポグラフィー。工場のベルトコンベア上で作業するマシーンのように登場するため、秩序と堅さが表現される。上下から挟み込まれ、そして上下に歌詞が開放されるときに次へと進む力が込められる。表現形態以上にメッセージを力強くする性質がある。」というものである。
【0054】
素材名が「スクリュー」である説明情報は、「中央に向かって、渦に吸い込まれるように登場する演出が特徴。インパクトが強い中にも、柔らかさがあるのが特徴。歌詞が消える時の柔らかいフェードアウトにこだわり、男性曲、女性曲、どちらにでも相性がよく、迷いや淡い心を歌い上げる演出に適している。」というものである。素材名が「ウォータードロップ」である説明情報は、「歌詞が水槽の中に落ちたように沈んでいくタイポグラフィー。水をイメージさせる動きにより、涼しい爽やかさを演出する。」というものである。
【0055】
素材名が「スライドインライト」である説明情報は、「右からスピーディーにスライドインし、中央でふわりと消えていく演出が特徴。スタンダードで安定感のある水平方向の動きだが、ふわりとフェードアウトする歌詞は、スピード感に加え、繊細さを表現してくれる。あらゆる楽曲に繊細さを、プラスアルファしたい楽曲と相性がよい。」というものである。素材名が「バブルアップ」である説明情報は、「泡が水面に浮かび上がるように、下から上に加速していく動きが特徴。下部に表示されてから、加速して歌詞が上方に浮き上がっていくのを目で追っていると、自然と気持ちがウキウキしてくる。視認性は印象とは異なり非常によい。また、アップテンポな曲調との相性がよい。」というものである。
【0056】
なお、図5(b)に示す左端の図は、上述したタイポグラフィー素材DB21bの中の「ライトフレームイン」の素材データ(サムネイルデータ)を用いて歌詞テキストの一部が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(b)の中央の図は、「アッパーフレームイン」の素材データ(サムネイルデータ)を用いて歌詞テキストの一部が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(b)の右端の図は、「スライディング」の素材データ(サムネイルデータ)を用いて歌詞テキストの一部が表示された場合の一例を示すイメージである(なお、図5(b)中に示す各矢印は、歌詞テキストが動く方向を示すものであり、実際に表示されるものではない)。
【0057】
図4(c)は、イコライザー素材DB21cの中身を示しており、上述したパーティクル素材DB21a及びタイポグラフィー素材DB21bと同様に、素材名ごとに、素材データ、サムネイルデータ、説明情報及び属性情報(属性情報の中身には、パーティクル素材DB21aの場合と同じテキスト情報を使用)等を対応付けたものになっている。
【0058】
本実施形態のイコライザー素材DB21cに格納される素材の素材名には、「スタンダード」、「ナロー」、「3D−A」、「ウェーブ」、「ボール」、「サークル」、「サンライズ」、「インナーサークル」、「プレート」及び「チューブ」等がある。
【0059】
素材名が「スタンダード」である説明情報は、「オーソドックスなタイプ。シンプルな動きで基本的なイコライザー。」というものである。素材名が「ナロー」である説明情報は、「細いタイプ。細く繊細な動きを付加することで他のレイヤーとの絡み方をダイナミックな展開に仕立てることが可能。」というものである。
【0060】
素材名が「3D−A」である説明情報は、「イコライザー全体が空間に浮いている。オリジナルイコライザータイプ。」というものである。素材名が「ウェーブ」である説明情報は、「イコライザー全体が波打って浮いている。オリジナルイコライザータイプ。波打つ動きに独特のグルーヴを視覚から感じることができる。」というものである。
【0061】
素材名が「ボール」である説明情報は、「大きな球面に張り付いている。球面に張り付いたような側面でのイコライザーの動きに独自のユニークなエフェクトを付加。」というものである。素材名が「サークル」である説明情報は、「イコライザーが一回りして円状になっている。サークルタイプのイコライザー。フレームとしての効果も期待できるオリジナルタイプ。」というものである。
【0062】
素材名が「サンライズ」である説明情報は、「イコライザーが弧を描いている。オリジナルイコライザータイプ。独特のスペクトラムは心地のいい弧を描く。」というものである。素材名が「インナーサークル」である説明情報は、「イコライザーが円の内側へ伸びる。サークルタイプのイコライザー。内側への動きはパーティクルとの相乗効果で、よりきらびやかな演出が期待できる。」というものである。
【0063】
素材名が「プレート」である説明情報は、「イコライザーが板に張り付いている。奥行き感のある演出によって他の素材とのレイヤー効果を引き立たせる。」というものである。素材名が「チューブ」である説明情報は、「円柱の中にイコライザーが入っている。上下運動がより強調された円柱タイプのオリジナルイコライザー。」というものである。
【0064】
なお、図5(c)に示す左端の図は、上述したイコライザー素材DB21cの中の「スタンダード」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(c)の中央の図は、「ナロー」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージであり、図5(c)の右端の図は、「3D−A」の素材データ(サムネイルデータ)が表示された場合の一例を示すイメージである。
【0065】
図4(d)のムービー画像素材DB21d及び図4(e)のムービー映像素材DB21eは、ムービーレイヤーの設定対象となる素材を格納したデータベースである。ムービー画像素材DB21dは上述したパーティクル素材DB21aと同様に、素材名ごとに、素材データ、サムネイルデータ、説明情報及び属性情報(属性情報の中身には、パーティクル素材DB21aの場合と同じテキスト情報を使用)等を対応付けたものになっている。また、ムービー映像素材DB21eは、素材名ごとに、素材データ、サムネイルデータ、説明情報及び属性情報(属性情報の中身には、パーティクル素材DB21aの場合と同じテキスト情報を使用)等を対応付けたものになっている。ムービー画像素材DB21dの素材データと、ムービー映像素材DB21eの素材データとでは、両者はムービーとしての中身が異なったものになっている。
【0066】
図6(a)は、ムービー画像素材DB21dに格納される素材データの構成を概略的に示したものであり、この素材データは、複数の動画像ファイルの集合体になっており、カラオケ楽曲の再生の際、これら複数の動画像ファイルは所定の順序で表示されると共に、そのような再生がカラオケ楽曲の終了まで順次繰り返されるようになっている。各動画像ファイルが表示されている時間は、再生されるカラオケ楽曲の時間に応じて適宜調整されるようになっており、例えば、各動画像ファイルは約15秒ごとに表示されて、順次切り替えられる。なお、各動画ファイルの表示を繰り返す回数も、再生されるカラオケ楽曲の時間に応じて適宜調整される。
【0067】
図6(b)は、ムービー映像素材DB21eに格納される素材データ(ファイル)の構成を概要的に示したものであり、この素材データ(ファイル)は、一つの動画ファイル(映像ファイル)を含んだものとなっており、この一つの動画ファイルは所定の再生時間を有するものであり、再生されるカラオケ楽曲の時間に応じて適宜、繰り返し再生されるようになっている(最後まで再生表示されても、カラオケ楽曲の再生が続く場合、最初に戻って再生表示が行われ、以降、カラオケ楽曲の再生が終了するまで、繰り返し再生が行われる)。
【0068】
図4(d)に戻り、ムービー画像素材DB21dに格納される素材について説明すると、素材名には、「演歌A」、「演歌B」、「ポップスA」、「ポップスB」、「ポップスC」、「ポップスD」、「ポップスE」、「ポップスF」、「ポップスG」及び「ポップスH」等がある。
【0069】
素材名が「演歌A」である説明情報は、「人情味の強い演歌に適している。日本の心とも言える演歌のリズムを取り入れつつ、旧来の着物や雪景色といった演歌の映像イメージの殻を破り印象派的な映像を実現した。一見演歌とは無関係と思われる色彩や動きも、ビジュアルを自在に操るVJの手に委ねることにより融合。和心に染み込む映像として渾身の素材が創作された。」というものである。素材名が「演歌B」である説明情報は、「故郷などを懐かしむ演歌に適している。叙情的な映像を多用することで楽曲に込められたメッセージを損なうことなく表現。さらに、抽象化された映像を重ねて表現することで、歌い手の個性を引き出せるよう創作された。見る人が映像に影響されることなくメッセージを受け取ることで、演歌の持つ力を飾らず感じることができ、今までと違った楽曲の表情を楽しむことができる。」というものである。
【0070】
素材名が「ポップスA」である説明情報は、「アップテンポな曲に適している。まるでプロモーション映像に自らをダイブさせるように、陶酔を促してくれる映像集。次々に繰り出される、刹那的な映像には、様々な記号が混在し、どのような楽曲でも、見る人を引き込んでいく力がある。映像のエネルギーとバトルするかのように歌い上げることで、いつの間にか、楽曲と一体となったようなシンクロ感が生まれ、カラオケの新たな楽しさを味わうことができる。」というものである。素材名が「ポップスB」である説明情報は、「バラード曲に適している。楽曲に込められた様々なメッセージを歪めることなく、抽象的かつ、ドラマチックに映像が紡がれている。過去から現在まで、時代背景と男女の心情を折り重ねて表現される楽曲は、時に映像がメッセージをゆがめてしまう可能性があった。しかし、VJの繊細な映像表現により、多くの楽曲にマッチする渾身の映像集が創出された。」というものである。
【0071】
素材名が「ポップスC」である説明情報は、「ゆったりした曲に適している。懐かしさと、更なる発見を繰り返し与えてくれる懐メロと呼ばれるジャンルに適した映像集。長く歌い継がれるその魅力あるメッセージとメロディーを損ねることなく、さらにその楽曲に映像を加えることで新鮮味を感じることができる。」というものである。素材名が「ポップスD」である説明情報は、「自然を歌った曲に適している。自然そのものの感動を引き出す映像集。映像に大きな装飾を加えないことで、自然そのものを愛でるような楽曲との相性を最優先に考え創出された。」というものである。
【0072】
素材名が「ポップスE」である説明情報は、「アニソン(アニメソング)に適している。人間の創造力の結晶とも言えるアニメに関連する楽曲に適した映像集。次々とリズミカルに期待を裏切るアニメの世界。その世界観を込めた楽曲には、疾走感、創造力、エロス、パワー、ゴッド、カオスなど、様々な要素を含む映像が求められる。クールジャパンを追求するVJの手により、それらの複雑な魅力を包括する映像が創出された。」というものである。素材名が「ポップスF」である説明情報は、「冬の曲に適している。純粋に冬を歌った曲をドラマチックに演出する映像集。季節を反映した楽曲の感情をより豊かに表現するためには、映像によるイメージの補完が必須である。制作された映像は、感情移入しやすい記号を含めたものとした。」というものである。
【0073】
素材名が「ポップスG」である説明情報は、「夏の曲に適している。夏を背景に持った楽曲は、明るさ、暑さ、華やかさといった映像が、メッセージをよりドラマチックに演出してくれる。強い日差しを表現した光の映像集により、全てを裸にするような夏の楽曲をさらに楽しい雰囲気に仕上げてくれる。」というものである。素材名が「ポップスH」である説明情報は、「アップテンポな曲に適している。数多く存在する、心の暗闇に光を当てた楽曲。その暗闇にダイブするかのように陶酔を誘う映像集。見る人に歌詞の持つ正負様々なメッセージを、スタイリッシュな映像という波で、激しく届ける。」というものである。
【0074】
また、図4(e)のムービー映像素材DB21eに格納される素材については、素材名として「ムービーA」、「ムービーB」、「ムービーC」、「ムービーD」、「ムービーE」及び「ムービーF」等があり、これらの素材名に応じた説明情報も、上述の各データベースの場合と同様に、素材に係る映像内容を説明したものになっており、その詳細は省略する。なお、上述した各素材DB21a〜21eの素材データにはそれぞれ、何も画像等が存在しない透明プレーンのファイルも含まれており、この透明プレーンのファイルが素材として選択された場合は、その素材に対する素材レイヤーは省かれた状態になる。
【0075】
次に、ユーザ側に設けられるカラオケ端末装置30について説明する。図7は、カラオケ端末装置30の主要な内部構成を示すブロック図であり、本実施形態のカラオケ端末装置30には、各種アプリケーションソフトのインストールが可能な汎用性のあるゲーム機を用いており、このゲーム機は一種のコンピュータに相当する仕様になっている。カラオケ端末装置30は、後述する基本プログラム36及びカラオケプログラム37の規定内容に基づき全体的な制御及び各種処理を行うCPU30aに、各種デバイス等を内部接続線30kで接続している。各種デバイス等には、通信インタフェース30b、RAM30c、ROM30d、音声入力デバイス30e、音声出力デバイス30f、映像出力デバイス30g、入力インタフェース30h、赤外線受光モジュール30i、記憶部(HDD)30j等がある。
【0076】
通信モジュール30bは、ネットワークNWとの接続デバイスに相当し、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANデバイス)。通信モジュール30bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続されており、CPU30aの制御により、カラオケサーバ10へユーザの操作指示等を送信すると共に、カラオケサーバ10から送信されてくる各種データ等(各種データベース、カラオケ楽曲のデータ、各種素材のデータ等)を受信する処理を行う。
【0077】
RAM30cは、CPU30aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、本実施形態では編集画面50や、カラオケ背景の合成画像等の表示処理に係るグラフィックメモリも含んだ総合的な一時記憶用メモリとしての機能を有する。ROM30dは、CPU30aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶する。音声入力デバイス30eは、ユーザの歌唱音を集音するマイク31が接続されるものであり、マイク31で集音された音声をスピーカ32から出力できるように、所要の音声入力処理等を行う。音声出力デバイス30fは、ユーザの歌唱音及びカラオケ楽曲の再生音等の出力を行うスピーカ32が接続されるものであり、所要の増幅処理等を行う。
【0078】
映像出力デバイス30gは、表示パネル33a(表示部に相当)を有する表示装置33が接続されるものであり、表示装置33の表示パネル33aで後述する編集画面50等を表示できるように、表示データの出力処理等を行う。入力インタフェース30hは、カラオケ端末装置本体に設けられた操作部34と繋がっており、操作部34で受け付けたユーザの操作指示等をCPU30aへ伝える。なお、操作部34には電源オン/オフスイッチ、音量調整スイッチ、音程調整スイッチ、上下左右キー、決定キー等が設けられている。受光モジュール30iは、リモコン装置35から発せられる赤外光を受光し、その赤外光に含まれるユーザの操作指示(リモコン装置35で受け付けたユーザの操作指示)をCPU30aへ伝える。なお、リモコン装置35にも、上下左右キー35a〜35d、決定キー35e等が設けられている(図1参照)。
【0079】
記憶部30j(第二記憶部に相当)は、カラオケ端末装置30が、ゲーム機の機能に加えてカラオケ装置として機能するために必要なプログラム及び各種データベース等を記憶するものであり、具体的には、基本プログラム36、カラオケプログラム37、ユーザ素材DB38、カラオケ背景設定DB40、カラオケお気に入りDB41、カラオケ履歴DB42、カラオケ予約DB43等を記憶する。
【0080】
基本プログラム36は、コンピュータのオペレーティングシステムに相当する処理及びカラオケ端末装置30がゲーム機として機能するための各種処理等を規定したものであり、この規定内容に基づきCPU30aが各種処理を行う。
【0081】
カラオケプログラム37は、一種のコンピュータに相当するゲーム機に、カラオケ端末としてカラオケ機能を具備させるための各種処理(具体的にはCPU30aが行う各種制御処理)を規定したものであり、このカラオケプログラム37(コンピュータプログラムに相当)がインストールされることで、ゲーム機はカラオケ端末装置として機能する。すなわち、カラオケプログラム37がインストールされることで、CPU30aが、後述する本実施形態の特徴となるカラオケ用の各種手段として機能することになる。
【0082】
カラオケプログラム37は、カラオケサーバ10へアクセスして、ユーザが所望するカラオケ楽曲の検索、カラオケ楽曲の選択、選択したカラオケ楽曲の再生、カラオケ楽曲の再生に伴うカラオケ背景の表示、再生したカラオケ楽曲の履歴作成、ユーザのお気に入りカラオケ楽曲の一覧リスト作成、歌唱予定のためのカラオケ楽曲の予約一覧リストの作成等に係る処理を規定しており、これらの各処理は従来から存在するものなので説明は省略する。
【0083】
さらに、本実施形態のカラオケプログラム37は、上述した従来から存在する各処理に加えて、図12に示す編集画面50及び各種メニューを表示するための表示パーツを含むと共に、編集画面50に係る各種処理を規定しており、ユーザ所望のカラオケ背景を容易に編集できるようにしている。そして、作成したカラオケ背景を登録すると、お気に入りリスト、カラオケ履歴リスト、カラオケ予約リスト等の各種リストに反映する処理等もカラオケプログラム37は規定している。このようなカラオケプログラム37の規定内容に基づいたCPU30aの制御動作により、後述する本発明に関する各種処理が実現されている。
【0084】
図8(a)は、ユーザ素材DB38の中身を示しており、ユーザ素材DB38は、ユーザ素材の各種画像ファイル(画像データ)を格納した第二データベースに相当するものである。ユーザ素材DB38に格納されるユーザ素材の画像ファイルは、上述したカラオケサーバ10の図4(d)のムービー画像素材DB21d及び図4(e)のムービー映像素材DB21eに格納される素材と同様に、ムービーレイヤーの設定対象となる素材に相当する。このユーザ素材DB38に格納される画像ファイルは、ユーザにより取得されたものであり、静止画、動画の両方が含まれると共に、ユーザが撮影したもの以外に、ユーザが他の手段により取得したものが含まれる(例えば、ネットワークを通じてダウンロードした画像等が格納される)。
【0085】
図8(b)は、後述する編集画面50の表示を経て、ユーザ素材DB38に格納されたユーザ素材の各画像ファイルが選択対象となった場合に表示される格子状サムネイル画面70を示している。この格子状サムネイル画面70では、ユーザ素材DB38に格納された画像ファイルの中で、静止画は、その縮小画面として配置され、動画は、最初の動画フレームを構成する画像が縮小画面として配置されるようになっている。
【0086】
また、図9は、カラオケ背景設定DB40(設定データベースに相当)の中身を示しており、このカラオケ背景設定DB40は、図12に示す編集画面50で編集作成された合成画像が、ある一つのカラオケ楽曲のカラオケ背景としてユーザにより登録の指示された場合に、その登録内容を格納するために用いられるものである。カラオケ背景設定DB40には、カラオケ楽曲を示す曲IDに対応付けて、登録日時、第1レイヤー(パーティクルレイヤー)に設定された素材データを示すファイル名、第2レイヤー(タイポグラフィーレイヤー)に設定された素材データを示すファイル名、第3レイヤー(イコライザーレイヤー)に設定された素材データを示すファイル名及び第4レイヤー(ムービーレイヤー)に設定された素材データを示すファイル名がそれぞれ格納(記憶)される。なお、カラオケ背景設定DB40は、ユーザによるカラオケ背景の設定数が増えるごとに、格納内容も増えることになる。
【0087】
また、図7に示すカラオケお気に入りDB41、カラオケ履歴DB42、カラオケ予約DB43はそれぞれ、カラオケ楽曲を選択するためのリスト(カラオケ楽曲のリスト)を表示するために用いられる。すなわち、カラオケシステム1において、ユーザが歌唱するカラオケ楽曲を選択する仕方としては、複数の手段が提供されており、その一例として、複数種類のカラオケ楽曲のリストのいずれかをCPU30aの制御により表示し、そのリストから所望のカラオケ楽曲を選択する仕方がある。具体的には、図10(a)に示すカラオケお気に入りリスト80、図10(b)に示すカラオケ履歴リスト81、図11(a)に示すカラオケ予約リスト82、歌手名または曲名等で検索した検索結果を示す楽曲リスト83(図11(b)参照)等といった各種カラオケ楽曲のリストの中から、ユーザが所望(ユーザが歌唱を希望)するカラオケ楽曲を選択することができる。
【0088】
図10(a)は、カラオケお気に入りDB41に基づいて、カラオケ端末装置30で表示されるカラオケお気に入りリスト80を示している。カラオケお気に入りDB41には、このようなカラオケお気に入りリスト80を表示できるように、ユーザがお気に入りとして設定したカラオケ楽曲を識別する曲IDごとに、曲名、お気に入り登録日等が格納されている。なお、カラオケ楽曲のお気に入りに関する機能は、従来より存在するものなので、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、後述するように、カラオケお気に入りリスト80において、カラオケ背景設定DB40に曲IDが格納されたカラオケ楽曲が含まれる場合、そのカラオケ楽曲を、他の通常のカラオケ楽曲と相異する形態(リスト欄の背景色を相異させた形態)にすることが特徴になっている(図10(a)において、上から2番目及び7番目のリスト欄を参照)。
【0089】
図10(b)は、カラオケ履歴DB42に基づいて、カラオケ端末装置30で表示されるカラオケ履歴リスト81を示している。カラオケ履歴DB42には、このようなカラオケ履歴リスト81を表示できるように、ユーザの選択したカラオケ楽曲が再生されたことに起因して、その再生されたカラオケ楽曲を識別する曲IDごとに、曲名、再生日時等が随時格納される。なお、カラオケ楽曲の再生履歴に関する機能も、従来より存在するものなので、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、上記のお気に入りリスト80と同様に、カラオケ履歴リスト81において、カラオケ背景設定DB40の曲IDが格納されたカラオケ楽曲が含まれる場合、そのカラオケ楽曲を、他の通常のカラオケ楽曲と相異する形態(リスト欄の背景色を相異させた形態)にすることが特徴になっている(図10(b)において、上から3番目のリスト欄を参照)。
【0090】
図11(a)は、カラオケ予約DB43に基づいて、カラオケ端末装置30で表示されるカラオケ予約リスト82を示している。カラオケ予約DB43には、このようなカラオケ予約リスト82を表示できるように、ユーザの予約したカラオケ楽曲を識別する曲IDごとに、曲名、予約日時等が随時格納されるようになっている。なお、カラオケ楽曲の予約に関する機能も、従来より存在するものなので、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、上記のお気に入りリスト80と同様に、カラオケ予約リスト82において、カラオケ背景設定DB40に曲IDが格納されたカラオケ楽曲が含まれる場合、そのカラオケ楽曲を、他の通常のカラオケ楽曲と相異する形態(リスト欄の背景色を相異させた形態)にすることが特徴になっている(図11(a)において、上から3番目のリスト欄を参照)。
【0091】
図11(b)は、歌手名で検索した場合の検索結果に応じた楽曲リスト83がカラオケ端末装置30で表示された状態を示している。この楽曲リスト83は、カラオケ端末装置30でユーザが入力した歌手名が、カラオケサーバ10へ送信され、カラオケサーバ10は、送信されてきた歌手名で、上述したカラオケ楽曲DB20を検索し、その検索結果をカラオケ端末装置30へ送信し、カラオケ端末装置30は、送信されてきた検索結果に基づき楽曲リスト83を作成して表示することになる。なお、このような楽曲リスト83に係る機能も、従来より存在するものであるが、本実施形態では、上記のお気に入りリスト80と同様に、楽曲リスト83において、カラオケ背景設定DB40に曲IDが格納されたカラオケ楽曲が含まれる場合、そのカラオケ楽曲を、他の通常のカラオケ楽曲と相異する形態(リスト欄の背景色を相異させた形態)にすることが特徴になっている(図11(b)において、上から7番目のリスト欄を参照)。
【0092】
次に、本発明の最も中心的な特徴となる図12に示す編集画面50(編集画面ページ)について説明する。編集画面50は、ユーザが所望するカラオケ背景の編集作成を行うことを可能にする画面ページであり、上述した各リスト80〜83の中から、ユーザが歌唱を希望するカラオケ楽曲を選択することに伴って、カラオケ端末装置30の表示装置33で表示されるようになっている。
【0093】
具体的には、図10(a)のカラオケお気に入りリスト80〜図11(b)の楽曲リスト83の各カラオケ楽曲のリスト80〜83において、操作部34又はリモコン装置35の上下キーでカーソルを移動させて、ユーザが歌唱を希望するカラオケ楽曲のリスト欄にカーソルを位置させた状態で、決定キーが操作されると、図13(a)に示す第1メニュー90が表示されるようになっている。
【0094】
図13(a)の第1メニュー90には、選択されたリスト欄に配置されたカラオケ楽曲について、曲名、歌手名、歌いだし、曲情報が示される他に、「予約」及び「オプション」という二項目が選択可能に配置されている。「予約」の項目が上下キー及び決定キーの操作で選択されると、選択されたリスト欄に配置されたカラオケ楽曲の曲ID等の情報が、上述したカラオケ予約DB43に登録され、予約されることになる。また、「オプション」の項目が、上下キー及び決定キーの操作で選択されると、図13(b)に示す第2メニュー91が表示される。
【0095】
図13(b)の第2メニュー91は、上述した第1メニュー90に対して追加的に表示されるものであり、「お気に入り登録」、「PLAY LIST登録」、「採点演奏設定」及び「レイヤーミキサー」という計四項目が選択可能に配置されたものである。「レイヤーミキサー」以外の項目は、従来から存在するものである(例えば、「お気に入り登録」の項目が上下キー及び決定キーの操作で選択されると、選択されたリスト欄に配置されたカラオケ楽曲が、上述したカラオケお気に入りDB41に格納される)。
【0096】
また、「レイヤーミキサー」の項目が上下キー及び決定キーの操作で選択されると、図12に示す編集画面50が表示される。これにより、編集画面50は、各リスト80〜83の中から一つのカラオケ楽曲の選択を経てから、メニュー90、91での項目選択の結果として表示されるので、その選択されたカラオケ楽曲用のカラオケ背景を、編集画面50で編集作成することが可能となる(図12において、選択されたカラオケ楽曲の曲名が左上に配置される)。このようなカラオケ楽曲との対応付けの処理(ヒモ付け処理)は、カラオケ端末装置30において、各リスト80〜83の中から一つのカラオケ楽曲が選択されると、その選択されたカラオケ楽曲の曲IDをRAM30cに記憶し、編集画面50での作業が終了するまで、引き続き記憶することで、表示した編集画面50を、RAM30cに曲IDが記憶されたカラオケ楽曲用として処理することが可能となる。また編集画面50で編集された合成画像をカラオケ背景として登録する際は、RAM30cに記憶されていた曲IDと共に、各レイヤーに設定された素材データ及び作成日時が上述のカラオケ背景設定DB40に格納されることで実現される。
【0097】
図12に示す編集画面50は、全画面領域を計四つの領域の第1領域50a、第2領域50b、第3領域50c及び第4領域50dに区分けしている。第1領域50aには、上述した4種類の素材レイヤー(パーティクルレイヤー、タイポグラフィーレイヤー、イコライザーレイヤー、ムービーレイヤー)のいずれか一つを設定作業対象(編集作業対象)として選択可能にしたレイヤーアイコン51(レイヤー選択部に相当)が、CPU30aの制御により配置表示される。
【0098】
図14(a)は、第1領域50aで表示されるレイヤーアイコン51の詳細を示しており、レイヤーアイコン51は、パーティクルレイヤーを示す第1レイヤーアイコン51a、タイポグラフィーレイヤーを示す第2レイヤーアイコン51b、イコライザーレイヤーを示す第3レイヤーアイコン51c及びムービーレイヤーを示す第4レイヤーアイコン51dを含むと共に、各レイヤーアイコン51a〜51dのいずれか一つを囲むように移動可能なカーソル枠51eを含んだものになっている。カーソル枠51eは、操作部34又はリモコン装置35の上下キーでユーザ操作を受け付けることで上下に移動可能になっており、カーソル枠51eで囲われた状態のレイヤーアイコンが、編集対象として選択された素材レイヤーになる。
【0099】
また、図12に示す第2領域50bには、素材サムネイル部52が、CPU30aの制御により配置表示されており、この素材サムネイル部52は、上述した第1領域50aのレイヤーアイコン51で編集対象として選択された状態になっている素材レイヤーに応じた素材のサムネイルデータ(サムネイル画像)を、素材DB21(図4(a)〜(e)参照)及び図8(a)に示すユーザ素材DB38から複数抽出して、一列に並べたものになっている。
【0100】
このサムネイルデータの抽出について、カラオケ端末装置30のCPU30aは、図13(b)の第2メニュー91で「レイヤーミキサー」が選択されたことに応じて、予めカラオケサーバ10へ素材DB21の要求指示を送信するようにしており、カラオケサーバ10は要求指示を受信すると、素材DB21をカラオケ端末装置30へ送信し、カラオケ端末装置30は、受信した素材DB21をRAM30cに記憶する。また、カラオケ端末装置30は、上述したように、各リスト80〜83の中から一つのカラオケ楽曲が選択されると、選択されたカラオケ楽曲の曲IDをカラオケサーバ10へ送信し、カラオケサーバ10は曲IDを受信すると、その曲IDに対応付けられた属性情報を、図3に示すカラオケ楽曲DB20の中から抽出し、その抽出した属性情報をカラオケ端末装置30へ送信するようにしており、カラオケ端末装置30は、受信した属性情報(現在選択中のカラオケ楽曲の属性情報)もRAM30cに記憶する。
【0101】
カラオケ端末装置30では、上述した処理を経てRAM30cに一時的に記憶している素材DB21の中から、必要なサムネイルデータ、素材データ及び説明情報を適宜抽出して、編集画面50に配置するようにしている。
【0102】
すなわち、サムネイルデータについて、カラオケ端末装置30のCPU30aは、第1領域50aのレイヤーアイコン51で選択状態になっている素材レイヤーに応じたサムネイルデータをRAM30cから計5個抽出するようにしており、最初に編集画面50を表示する際には、RAM30cに一時的に記憶されている属性情報に応じたサムネイルデータを必ず含むように抽出する。そして、CPU50aは、抽出した計5個のサムネイルデータを、第2領域50bの素材サムネイル部52に、横一列に並べて表示するようにしており、この際、属性情報に応じたサムネイルデータを横一列の中央に配置する。なお、素材サムネイル部52の中央の箇所は、他よりサムネイル画像のサイズを大きくすると共にカーソル枠52aで囲われており、それにより、中央に位置するサムネイル画像の素材が選択された状態になっていることをユーザに知らせるようにしている(図14(b)参照)。さらに、CPU50aは、抽出したサムネイルデータに応じた素材名も素材DB21から抽出し、抽出した素材名を、それぞれが対応するサムネイルデータ(サムネイル画像)の下方に配置する。
【0103】
図14(b)は、第2領域50bで表示される素材サムネイル部52の詳細を示しており、素材サムネイル部52は、上述したように抽出された五個のサムネイルデータに応じたサムネイル画像を横一列に並べると共に、中央のサムネイル画像のみを、残り4個のサムネイル画像より大きいサイズで表示するようにしている。そして、この中央に位置するサムネイル画像の素材が、素材サムネイル部52において選択状態になっているものである。
【0104】
さらに、素材サムネイル部52は、左右方向にスクロール可能になっており、操作部34又はリモコン装置35の左右キーの操作により、素材サムネイル画像52に配置されたサムネイル画像がスクロールされて、素材DB21に格納されている各素材のサムネイルデータを随時抽出して、スクロール量に応じて素材サムネイル部52スクロール表示できるようにしている。なお、素材サムネイル画像52の左右スクロールは、図4(a)〜(e)等に示す素材DBごとに、格納されたサムネイルデータをループ的にスクロールする(最後のサムネイルデータを素材サムネイル部52に配置してからもスクロールが続くと、最初に左端に配置されたサムネイルデータを、最後のサムネイルデータの隣に配置し、以降、このようなスクロールを繰り返す)。
【0105】
そして、上述した素材サムネイル部52は、第1領域のレイヤーアイコン51で選択されるレイヤーのアイコンが切り換えられるごとに連動して、表示すべきサムネイル画像の素材(サムネイルデータ)を切り換えている。すなわち、レイヤーアイコン51で第1レイヤーアイコン51a(パーティクルレイヤー)が選択されると、カラオケ端末装置30のCPU30aは、図4(a)に示すパーティクル素材DB21aの中からサムネイルデータ及び素材名を必要数、抽出して、素材サムネイル部52に配置し表示することになる。そして、ユーザが左右キーを操作すると、CPU30aは、パーティクル素材DB21aに格納されたサムネイルデータ及び素材名を順次抽出して、素材サムネイル部52に配置することで、パーティクル素材の左右スクロールを実現すると共に、左右スクロールに伴い、中央に位置するサムネイル画像が入れ替わることで、パーティクルレイヤーの設定対象として、複数の中から一つのパーティクル素材(サムネイル画像)を適宜選択できるようにしている。
【0106】
また、上下キーの操作により、レイヤーアイコン51における選択が第2レイヤーアイコン51b(タイポグラフィーレイヤー)に切り替わると、カラオケ端末装置30のCPU30aは、図4(b)に示すタイポグラフィー素材DB21bの中からサムネイルデータ及び素材名を必要数、抽出して、素材サムネイル部52に配置し表示することになる。そして、ユーザが左右キーを操作すると、CPU30aは、タイポグラフィー素材DB21bに格納されたサムネイルデータ及び素材名を順次抽出して、素材サムネイル部52に配置することで、タイポグラフィー素材の左右スクロールを実現すると共に、左右スクロールに伴い、真ん中に位置するサムネイル画像が切り替わることで、タイポグラフィーレイヤーに対して設定するタイポグラフィー素材(サムネイル画像)を順次選択できるようにしている。
【0107】
さらに、上下キーの操作により、レイヤーアイコン51における選択が第3レイヤーアイコン51c(イコライザーレイヤー)に切り替わると、カラオケ端末装置30のCPU30aは、図4(c)に示すイコライザー素材DB21cの中からサムネイルデータ及び素材名を必要数、抽出して、素材サムネイル部52に配置し表示することになる。そして、ユーザが左右キーを操作すると、CPU30aは、イコライザー素材DB21cに格納されたサムネイルデータ及び素材名を順次抽出して、素材サムネイル部52に配置することで、イコライザー素材の左右スクロールを実現すると共に、左右スクロールに伴い、真ん中に位置するサムネイル画像が切り替わることで、イコライザーレイヤーに対して設定するイコライザー素材(サムネイル画像)を順次選択できるようにしている。
【0108】
また、上下キーの操作により、レイヤーアイコン51における選択が第4レイヤーアイコン51d(ムービーレイヤー)に切り替わると、カラオケ端末装置30のCPU30aは最初、図4(d)に示すムービー画像素材DB21dの中からサムネイルデータ及び素材名を3個抽出して、素材サムネイル部52の左から順に配置し表示すると共に、中央には、選択されたカラオケ楽曲の属性情報に応じた画像素材を配置する。さらに、CPU30aは、図4(e)に示すムービー映像素材DB21eから、選択されたカラオケ楽曲の属性情報に応じた映像素材及び素材名を一つ抽出し、その抽出した映像素材を、素材サムネイル部52の右から二番目に配置する。さらにまた、CPU30aは、図8(a)のユーザ素材DB38を示すフォルダのアイコンを、素材サムネイル部52の右端に配置する。なお、ユーザ素材DB38を示すフォルダのアイコンを配置する替わりに、例えば、ユーザ素材DB38から、一番目に格納されているユーザ素材の画像を抽出し、その抽出した画像を、素材サムネイル部52の右端に配置してもよい。
【0109】
よって、第4レイヤーアイコン51dが選択されると、最初、素材サムネイル部52には、左端から中央までが図4(d)に示すムービー画像素材DB21dから抽出された画像素材のサムネイル画像が配置され、右から二番目には、図4(e)に示すムービー映像素材DB21eから抽出された映像素材のサムネイル画像が配置され、右端には図8(a)のユーザ素材DB38を示すフォルダのアイコンが配置され、異なるデータベースに格納された素材のサムネイル画像等が混在して並べられる。そして、この状態から左キーが操作されて、素材サムネイル部52が一つ分だけ左へスクロールされると、中央にムービー映像素材DB21eから抽出された映像素材のサムネイル画像が位置して選択状態となり、更に左キーが操作されて、素材サムネイル部52が更に一つ分だけ左へスクロールされると、中央にユーザ素材DB38を示すフォルダのアイコンが位置して選択状態となる。そして、この状態で、決定キーを操作すると、図8(b)に示す格子状サムネイル画面70が、編集画面50の上に表示される。
【0110】
この格子状サムネイル画面70は、ユーザ素材DB38に含まれる計8個のユーザ素材が二行四列で配置されたものになっていると共に、左上の端にカーソル枠71が表示され、このカーソル枠71は、上下左右キーで移動可能であり、カーソル枠71で囲われたユーザ素材のサムネイル画像が選択された状態になる。また、格子状サムネイル画面70は、上下キーにより上下にスクロール可能であり、このスクロールもループ的なスクロールになっている。また、カーソル枠71が、いずれかのユーザ素材を囲った状態で、決定キーが操作されると、格子状サムネイル画面70は消去され、カーソル枠71で囲われていたユーザ素材のサムネイル画像が、素材サムネイル部52の中央に配置された状態に戻る。
【0111】
なお、最初に編集画面が表示された状態から、素材サムネイル部52において左スクロールを行うと、右側から順に新たなサムネイル画像が配置されることになるが、これらの新たなサムネイル画像は、図4(d)に示すムービー画像素材DB21dから抽出されたものが表示される。また、素材サムネイル部52において右スクロールを行った場合も、左側から順に新たにサムネイル画像が配置され、このような新たなサムネイル画像も、図4(d)に示すムービー画像素材DB21dから抽出されたものが表示されることになる。さらに、左又は右スクロールで一周すると、再度、図4(e)に示すムービー映像素材DB21eから抽出された映像素材のサムネイル画像及びユーザ素材DB38を示すフォルダのアイコンが現れる。
【0112】
また、図12の編集画面50の第3領域50cには、各素材レイヤーで選択状態(設定状態)となっている素材を重ね合わせた合成画像がプレビュー合成画像53として、CPU30aの制御により配置表示される。すなわち、最初に編集画面50が表示された際には、各レイヤーについてCPU30aの制御によりデフォルトで設定された状態になっている各素材の合成画像が第3領域50cに表示される。
【0113】
ここで、デフォルトで設定された状態になっている各素材とは、表示される編集画面50に応じたカラオケ楽曲の属性情報に応じた素材のことであり、編集画面50を最初に表示する際、CPU30a(デフォルト設定手段に相当)が、RAM30cに記憶されている属性情報(選択されたカラオケ楽曲に付随する属性情報)を読み取り、その読み取った属性情報に対応する素材を、素材DB21から素材レイヤーごとに特定し、その特定した素材をデフォルトとして設定するものである。したがって、編集画面50が最初に表示された状態で、各素材レイヤーには、それぞれデフォルトの素材が設定された状態になっており、デフォルトで設定された素材による合成画像がプレビュー合成画像53として第3領域50cに表示されると共に、素材サムネイル部50の中央には、デフォルトの素材のサムネイル画像が位置するようになっている。このようなデフォルト設定により、最初に編集画面50が表示されると、選択されたカラオケ楽曲に応じた素材が自動で設定状態となっていることから、このデフォルトの設定状態に基づきユーザは編集作業を開始でき、何も設定されていない状態に比べて効率的な編集作業を行える。
【0114】
そして、上述したように上下キーの操作で編集対象の素材レイヤーを切り替え、左右キーの操作で素材サムネイル部52をスクロールして、選択状態の素材を切り替え、切り替わった素材でプレビュー合成画像53を表示するので、上下左右キーの操作のみで、ユーザは容易に編集作業を行える。
【0115】
さらに、図12の編集画面50の第4領域50dには、素材サムネイル部52の中央に位置して選択状態となっている素材(サムネイル画像)に係る説明を示す文字情報である説明情報54が、CPU30aにより配置表示される。この第4領域の説明情報54も、素材DB21から抽出されるものであり、素材サムネイル部52の左右スクロールにより、中央に位置する素材が切り替わるごとに、それに合わせて説明情報54も随時、素材DB21から抽出されて、第4領域50dに配置される説明情報54も切り替わる。
【0116】
図12の編集画面50については、以上のような表示がなされるので、ユーザは、レイヤー毎に選択できる各素材を素材サムネイル部52で確認できると共に、現在の選択状態の素材で得られるカラオケ背景を第3領域50cのプレビュー合成画像53で確認できる。そして、素材サムネイル部52をスクロールさせると、選択すべき素材を容易に切り換えることができると共に、ある素材対象を選択すべきかを考慮中の際に、第3領域のプレビュー合成画像53で、その素材対象を含む合成画像の状態で、選択すべきか否かをチェックでき、その上、第4領域50dの説明情報54により、選択に係る判断のための詳細な説明を確認できる。以上のことから、本実施形態のカラオケシステム1は、従来のものに比べて、カラオケ背景の効率的な編集作業を可能にしている。
【0117】
また、編集画面50において、上述した上下左右キー等の操作により、ユーザの所望するカラオケ背景がプレビュー合成画像53として得られると、編集画面50の右下のバツボタン55を選択する操作を行うと、図15に示す登録確認メニュー65が、編集画面50の上に表示されるようになっている。
【0118】
図15の登録確認メニュー65は、計三個の項目が選択可能に配置されたものになっており、第1項目65aは「お気に入り登録&予約」というものであり、第2項目65bは「お気に入り登録」というものであり、第3項目65cは「登録しない」というものである。これらの項目は、カーソル65dを上下キーの操作で上下させることで、いずれか一つの項目が選択対象となり、その状態で決定キーが操作されることで、選択対象の項目が選択される。
【0119】
第1項目65aの「お気に入り登録&予約」が選択されると、編集画面50のプレビュー合成画像53を生成する各レイヤーに設定(選択)されている素材の素材ファイルが、第1項目65aの選択操作のあった日時(登録日時)及び編集画面50に応じたカラオケ楽曲の曲IDと一緒に図9のカラオケ背景設定DB40に格納されると共に、編集画面50に応じたカラオケ楽曲の曲ID等は、カラオケ予約DB43にも格納されて、カラオケ楽曲の予約も同時に行われる。
【0120】
また、第2項目65bの「お気に入り登録」が選択されると、編集画面50のプレビュー合成画像53を生成する各レイヤーに設定(選択)されている素材の素材ファイルが、第2項目65bの選択操作のあった日時(登録日時)及び編集画面50に応じたカラオケ楽曲の曲IDと一緒に図9のカラオケ背景設定DB40に格納される。なお、第3項目65cの「登録しない」が選択されると、登録確認メニュー65及び編集画面50を閉じて、図13(b)の第2メニュー91の表示状態に戻る。
【0121】
このようにして図9のカラオケ背景設定DB40に格納される情報が蓄積されると、それ以降で上述した図10(a)のカラオケお気に入りリスト80、図10(b)のカラオケ履歴リスト81、図11(a)のカラオケ予約リスト82及び図11(b)の楽曲リスト83を表示する際、カラオケ端末装置30のCPU30aは、カラオケ背景設定DB40に格納されている情報(曲ID等)をチェックする。そして、各リスト80〜83の中に、カラオケ背景設定DB40に格納されている曲IDと同じものが含まれていれば、その同じ曲IDに係るカラオケ楽曲を配置したリスト欄の背景色をCPU30aの制御により、他と相異させる(例えば、図10(a)の上から2番目のリスト欄等を参照)。これにより、ユーザが設定したカラオケ背景が存在するカラオケ楽曲を一目で見分けることができる。
【0122】
なお、図10(b)のカラオケ履歴リスト81については、カラオケ背景設定DB40に格納されている曲ID及び登録日時をチェックし、カラオケ履歴リスト81の中に、これら曲ID及び登録日時と同じものが存在すれば、その同じものに係るカラオケ楽曲を配置したリスト欄の背景色を他と相異させるようにしている(登録日時については、所定の時間内(例えば約20分内)は同じと判断している)。これにより、カラオケ履歴リスト81においては、曲IDだけが一致しても、登録日時が異なれば、背景色の変更はされないようになっている(図10(b)の上から2番目と3番目のリスト欄の背景色の相異を参照)。
【0123】
これらの各リスト80〜83で、ユーザ設定のカラオケ背景が存在するカラオケ楽曲が歌唱のために選択されると、その選択されたカラオケ楽曲の曲IDに基づき、カラオケ背景設定DB40に登録されているレイヤー毎の素材(画像ファイル)等が読み出され、カラオケ楽曲の再生に伴い、各レイヤーの素材を重ね合わせた合成画像がカラオケ背景として表示されることになる。また、ユーザ設定のカラオケ背景が存在しないカラオケ楽曲が歌唱のために選択された場合は、選択されたカラオケ楽曲の曲IDに応じた属性情報をカラオケサーバ10が検索し、その検索された属性情報に応じた素材(画像ファイル)が素材DB21から各レイヤー用に抽出され、これら抽出された素材を重ね合わせた合成画像がカラオケ背景として表示されることになる。なお、タイポグラフィレイヤーにおいては、設定された素材の規定に従った形で、選択したカラオケ楽曲の歌詞テキストが示される。
【0124】
図16のフローチャートは、上述したカラオケ端末装置30で表示される編集画面50に関するカラオケ背景編集方法の主要な処理手順を示したものである。以下、このフローチャートに従って、上述したカラオケシステム1及びカラオケ端末装置30における各処理を整理する。
【0125】
まず、カラオケ端末装置30は、上述した図10(a)〜図11(b)の各リスト80〜83等で一つのカラオケ楽曲について、ユーザ操作による選択があったか否かを、CPU30aで判断する(S1)。カラオケ楽曲の選択が無い場合(S1:NO)、カラオケ端末装置30は選択待ちの状態になる。また、カラオケ楽曲の選択が有った場合(S1:YES)、カラオケ端末装置30は、図13(a)の第1メニューを表示して、「オプション」の項目の選択があったか否かを、CPU30aで判断する(S2)。「オプション」の項目の選択が無い場合(S2:NO)、カラオケ端末装置30は、選曲されたカラオケ楽曲に対する通常のカラオケ処理(カラオケ楽曲の再生等)を行う(S10)。
【0126】
「オプション」の項目の選択が有った場合(S2:YES)、カラオケ端末装置30は、図13(b)の第2メニューを表示して、次に「レイヤーミキサー」の項目の選択が有ったか否かを、CPU30aで判断する(S3)。「レイヤーミキサー」の項目の選択が無い場合(S3:NO)、カラオケ端末装置30は、選曲されたカラオケ楽曲に対する通常のカラオケ処理(カラオケ楽曲の再生等)を行う(S10)。また、「レイヤーミキサー」の項目の選択が有った場合(S3:YES)、選択されたカラオケ楽曲の属性情報を特定し、その特定した属性情報に合う各レイヤー用の素材データ(デフォルトの素材データ)を素材DBからCPU30aが特定する(S4)。
【0127】
それから、カラオケ端末装置30は、編集画面50を表示装置33に表示する処理をCPU30aで行う(S5)。なお、表示直後の編集画面50について、第1領域50aは、第1レイヤー51a(パーティクルレイヤー)がカーソル枠51eで選択された状態になっており、第2領域50bは、パーティクル素材DB21aの中から5個の素材データ(サムネイルデータ及び素材名)が抽出されて、素材サムネイル部52に配置され、中央には、上述のS4の段階において、デフォルトで特定されたパーティクル素材DB21aの素材データ(サムネイルデータ及び素材名)が配置された状態になっており、第3領域50cでは、上述のS4の段階において、デフォルトで特定された各レイヤー用の素材データを素材DB21から抽出し、抽出した各素材データを重ね合わせたプレビュー合成画像53が配置され、第4領域50dでは、第2領域50bの素材サムネイル部52の中央に配置された素材データに応じた説明情報54が配置される。
【0128】
そして、カラオケ端末装置30は、表示された編集画面50で、ユーザによる編集作業を受け付けるようにしており(S6)、編集作業を経て編集画面50の右下のバツボタン55の選択が有ったか否かをCPU30aで判断する(S7)。バツボタン55の選択が無い場合(S7:NO)、カラオケ端末装置30は、引き続きユーザによる編集作業を受け付けることになる。
【0129】
また、バツボタン55の選択が有った場合(S7:YES)、カラオケ端末装置30は、図15に示す登録確認メニュー65を表示する(S8)。そして、カラオケ端末装置30は、登録確認メニュー65で、登録に関する項目が選択されたか否かをCPU30aで判断する(S9)
【0130】
登録確認メニュー65において、第3項目65cの「登録しない」が選択された場合(S9:NO)、カラオケ端末装置30は、登録確認メニュー65及び編集画面50を閉じて、図13(b)の第2メニュー91の表示状態に戻り、以降、選曲されたカラオケ楽曲に対する通常のカラオケ処理(カラオケ楽曲の再生等)を行う(S10)。また、第1項目65aの「お気に入り登録&予約」又は第2項目65bの「お気に入り登録」が選択された場合(S9:YES)、カラオケ端末装置30は、編集画面50で選択状態(設定状態)になっている各レイヤー用の素材データ(ファイル)を、編集画面50に応じたカラオケ楽曲の曲IDと共に、図9のカラオケ素材設定DB40に登録(格納)する処理をCPU30aの制御で行う(S11)。なお、第1項目65aの「お気に入り登録&予約」が選択された場合は、あわせて、編集画面50に応じたカラオケ楽曲をカラオケ予約DB43に登録(格納)する処理も、CPU30aの制御により行うことになる。
【0131】
以上のように、本実施形態のカラオケシステム1及びカラオケ端末装置30は、編集画面50を用いてユーザ所望のカラオケ背景を編集作成することができ、特に、編集画面50の第1領域50aのレイヤーアイコン51において、上下キーの操作により、編集対象(選択対象)の素材レイヤーを容易に切り替えることができ、また、第2領域50bの素材サムネイル部52では、選択対象の素材レイヤー用の素材データを複数確認できると共に、左右キーの操作で適宜、所望の素材データを選択でき、さらに、第3領域50cのプレビュー合成画像53では、選択状態となっている素材データを重ね合わせものが表示されるので、第2領域50bの素材サムネイル部52で選択した素材データが、合成された状態では、どのように反映されるかを即座にプレビュー合成画像53で確認することができ、編集作業の効率化を図れる。その上、第4領域50dでは、第2領域50bの素材サムネイル部52で選択した素材データの説明情報54が表示されるので、素材サムネイル部52で素材データを選択する際の参照をユーザに提供できる。
【0132】
そして、編集画面50でユーザにより設定されたカラオケ背景の内容が一旦、図9のカラオケ素材設定DB40に、一つのカラオケ楽曲に対応づけて登録(格納)されると、それ以降に、図10(a)〜図11(b)のリスト80〜83を表示する際には、ユーザによるカラオケ背景の合成画像が存在するカラオケ楽曲は、他と相異する形態で表示されるので、ユーザによるカラオケ背景の合成画像が存在するカラオケ楽曲を容易に見つけられる。
【0133】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、カラオケ背景を4層以外の素材レイヤーで作成する場合は、編集画面50で設定できる素材レイヤー数を適宜増減することになり、この場合は、第1領域50aのレイヤーアイコン51のレイヤー数を、作成対象の素材レイヤー数に合わせて増減することになる。また、第2領域50bの素材サムネイル部52に配置されるサムネイル画像の数も5個に限定されるものではなく、要求される仕様等に応じて適宜増減可能である。
【0134】
そして、編集画面50の各領域50a〜50dのレイアウト(配置)は、図12に示すものに限定されるものでなく、要求される仕様等に応じて自由に変更することが可能である。さらには、各領域50a〜50dは一部を重ね合わせて配置するようにすることも可能であり、例えば、第3領域50cのプレビュー合成画像53を編集画面50の全画面的な背景として表示し、そのプレビュー合成画像53の周囲各部に重なるように、第1領域50a、第2領域50b、第4領域50dを配置してもよい。さらにまた、編集画面50の仕様を簡易化する場合は、第4領域50dを省略して、説明情報54の表示を省くことも可能である。
【0135】
一方、システム的な面においても様々な変形例を想定することができ、たとえば、カラオケ端末装置30に、本発明で必要なデータベース及び各種プログラム等を記憶させ、カラオケシステム1をスタンドアロンのカラオケ端末装置30で実現することもできる。また、それとは逆に、本発明で必要なデータベース及びプログラム等をカラオケサーバ10に記憶させ、カラオケ端末装置30では、処理に必要なデータ及びプログラム等を、カラオケサーバ10との通信を介して随時取り込むような仕様にすることも可能である。いずれにしても、本発明に必要な複数のデータベース及び各種プログラムを、カラオケサーバ10又はカラオケ端末装置30のいずれで記憶させるかは、設計事項的なものであり、要求される仕様等に応じて、如何様にシステムを構築することができ、そのようにシステムを構築した場合でも、本発明を実施することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、複数の素材レイヤーを重ね合わせた合成画像によるカラオケ背景を、ユーザが編集する場合に対して好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 カラオケシステム
10 カラオケサーバ
20 カラオケ楽曲DB
21 素材DB
21a パーティクル素材DB
21b タイポグラフィー素材DB
21c イコライザー素材DB
21d ムービー画像素材DB
21e ムービー映像素材DB
30 カラオケ端末装置
37 カラオケプログラム
38 ユーザ素材DB
40 カラオケ背景設定DB
41 カラオケお気に入りDB
42 カラオケ履歴DB
43 カラオケ予約DB
50 編集画面
50a 第1領域
50b 第2領域
50c 第3領域
50d 第4領域
51 レイヤーアイコン
52 素材サムネイル部
53 プレビュー合成画像
54 説明情報
55 バツボタン
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケシステムにおいて、
前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する手段と、
前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する手段と、
前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する手段と
を備えることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記編集画面の中の第四領域に、前記素材サムネイル部で選択状態になったサムネイル画像に係る説明を示す文字情報を配置する手段を備える請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記編集画面は、カラオケ楽曲が選択されたことに伴って表示されるようにしてあり、
前記編集画面を表示する際、選択されたカラオケ楽曲に付随する属性情報に対応する素材をデフォルトとして各素材レイヤーに設定するデフォルト設定手段を備える請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
第一記憶部を有するサーバと、
前記サーバとネットワークを介して接続されており、第二記憶部及び表示部を有するカラオケ端末と
を備え、
前記編集画面は、前記カラオケ端末の表示部で表示されるようにしてあり、
前記第一記憶部は、複数の素材レイヤーの中の一の素材レイヤーに応じた設定対象の素材を格納した第一データベースを記憶するようにしてあり、
前記第二記憶部は、前記一の素材レイヤーに応じた設定対象の素材を格納した第二データベースを記憶するようにしてあり、
前記素材サムネイル部は、前記第一データベースに格納された素材のサムネイル画像及び前記第二データベースに格納された素材のサムネイル画像を混在して並べるようにしてある請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
複数のカラオケ楽曲が選択可能に配置してあるリストを表示するリスト表示手段と、
前記編集画面で素材レイヤーごとに設定された素材及び選択されたカラオケ楽曲をそれぞれ対応付けて設定データベースに格納する設定格納手段と
を備え、
前記リスト表示手段は、前記設定データベースに格納されたカラオケ楽曲が前記リストに含まれる場合、前記リストの中で、前記設定データベースに格納されたカラオケ楽曲を、他のカラオケ楽曲と異なる形態で表示する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラオケシステム。
【請求項6】
素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケ端末装置において、
前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する手段と、
前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する手段と、
前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する手段と
を備えることを特徴とするカラオケ端末装置。
【請求項7】
前記編集画面の中の第四領域に、前記素材サムネイル部で選択状態になったサムネイル画像に係る説明を示す文字情報を配置する手段を備える請求項6に記載のカラオケ端末装置。
【請求項8】
前記編集画面は、カラオケ楽曲が選択されたことに伴って表示されるようにしてあり、
前記編集画面を表示する際、選択されたカラオケ楽曲に付随する属性情報に対応する素材をデフォルトとして各素材レイヤーに設定するデフォルト設定手段を備える請求項6又は請求項7に記載のカラオケ端末装置。
【請求項9】
素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示するカラオケ背景編集方法において、
前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置するステップと、
前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置するステップと、
前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置するステップと
を備えることを特徴とするカラオケ背景編集方法。
【請求項10】
表示部を有するコンピュータに、素材を設定した素材レイヤーを複数重ね合わせて生成されるカラオケ背景用の合成画像を、選択されたカラオケ楽曲ごとに編集することが可能な編集画面を表示する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記編集画面の中の第一領域に、複数の素材レイヤーの中から、いずれか一つの選択が可能なレイヤー選択部を配置する処理を行う手段と、
前記編集画面の中の第二領域に、前記レイヤー選択部で選択された素材レイヤーに応じた素材のサムネイル画像を複数並べると共に、前記選択された素材レイヤーの設定対象として、複数のサムネイル画像の中からいずれか一つを選択可能にしてある素材サムネイル部を配置する処理を行う手段と、
前記編集画面の中の第三領域に、素材が設定された各素材レイヤーを重ね合わせたプレビュー合成画像を配置する処理を行う手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−109161(P2013−109161A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254267(P2011−254267)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】