説明

カラオケネットワークシステム

【課題】複数のカラオケ装置間で記憶装置資源を効率的に利用すると共に、各カラオケ装置がユーザから予約されたコンテンツを取得する際のユーザの待ち時間を低減するための技術を提供する。
【解決手段】カラオケ装置4から配信要求された要求コンテンツをコンテンツ中継装置3が新規に取得する際にHDD34の空き容量が足りない場合、配信日時が古いコンテンツから順に削除対象を選定し、その削除対象コンテンツをカラオケ装置4に譲渡することで、要求コンテンツの取得に必要な空き容量を確保する。また、削除対象コンテンツの譲渡先を選定する際、何れの装置においても空き容量が削除サイズ未満であれば、配信日時の最も古いコンテンツを記憶しているカラオケ装置4を譲渡対象に選定する。譲渡先のカラオケ装置4では、配信日時の古いものから順にコンテンツを削除して必要な空き容量を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ店舗内のネットワークに接続されたカラオケ装置に対してコンテンツを配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ装置で再生するコンテンツを、広域ネットワークを介してコンテンツ配信用のホストサーバから全国のカラオケ店舗(例えばカラオケボックス)に設置されたカラオケ装置へ配信するカラオケネットワークシステムが広く普及している。
【0003】
ところで、近年、カラオケ装置で再生するコンテンツは、通常の演奏データ(MIDIデータ)の他、実際の演奏音声をサンプリングした高音質の生音楽曲やプロモーションビデオ(PV)映像、CM映像等、多種多様化しており、そのデータ量も年々増加傾向にある。また、カラオケ装置を利用するユーザの趣味や嗜好の多様化に対応した個別のサービスを提供するため、近年では個々のユーザごとに専用のコンテンツが必要となる等、カラオケ装置で使用されるコンテンツは膨大な量となりつつある。そのため、全てのコンテンツをカラオケ装置内の記憶装置に保存することができなくなってきている。
【0004】
一方、特許文献1には、ホストコンピュータから取得した音楽データの容量よりも記憶装置の記憶残量が小さい場合、記憶装置に記憶されている音楽データのうち選曲回数の少ないものをカラオケ装置が備える副記憶装置に移動した後、取得した音楽データを記憶装置に記憶する技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のように、カラオケ装置内に記憶装置と副記憶装置を併設する技術において、大容量記憶装置として現在最も普及しているハードディスクドライブを両記憶装置に用いたとしても、もはや単一のカラオケ装置に装備できる実用レベル記憶容量では全てのコンテンツを保存することができない程、コンテンツは膨大な量になってきている。
【0006】
そこで、ユーザがカラオケ楽曲や動画等のコンテンツの再生を要求したときに、そのコンテンツがカラオケ装置に存在しなければ、そのコンテンツを保有する別の機器(例えば、インターネット上のホストサーバ等)からコンテンツを取得してから、コンテンツの再生を行うサービスが準備されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−63280
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ユーザがコンテンツを予約したときに外部のホストサーバからコンテンツを取得してから再生を行うサービスでは、予めカラオケ装置が保有しているコンテンツを再生する場合と比較して、コンテンツの再生を開始するまでに他の機器からコンテンツを取得するための時間が必要となり、その分ユーザを待たせることになる。また、一般的にカラオケボックス1店舗に複数のカラオケ装置が設置されており、その全てが1つの通信回線(ADSL回線や光通信回線)を共有するといった運用形態が多く、各カラオケ装置が個別にホストサーバからコンテンツを取得する場合であると、通信回線の負荷が高くなり、コンテンツを取得するのにかかる通信時間は更に長くなる。
【0009】
カラオケサービスを提供するカラオケボックス等では、通常、ユーザに対してカラオケ装置の利用時間が決められているため、コンテンツを取得するためにユーザを待たせる時間が多く存在することは好ましくない。
【0010】
また、特許文献1に記載の技術においては、カラオケ装置単体の記憶容量を増加する程度の発想に留まり、同じカラオケ店舗内の複数のカラオケ装置間で空いた記憶容量を融通することで、カラオケ店舗内全体で効率的にコンテンツを記憶するといった発想はない。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされており、複数のカラオケ装置が接続されたカラオケネットワークシステムにおいて、各装置間の記憶装置資源を効率的に利用すると共に、各カラオケ装置がユーザから予約されたコンテンツを取得する際のユーザの待ち時間を低減するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のカラオケネットワークシステムは、次のような特徴を有する。
ユーザから予約されたコンテンツをカラオケ装置が保有していない場合、コンテンツ中継装置が当該コンテンツを保有していれば、カラオケ店舗内ネットワーク(例えばLAN)を介してコンテンツ中継装置からカラオケ装置に対してコンテンツを配信できる。
【0013】
一般に、カラオケ店舗内ネットワークに用いられるLANは、ホストサーバとの通信に用いられる外部ネットワーク(WAN)よりも通信速度が速い。よって、カラオケ装置がカラオケ店舗内ネットワーク経由でコンテンツ取得できるようにすることで、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができ、待ち時間を低減できる。特に、コンテンツ中継装置がなるべく多くのコンテンツを保有していれば、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会をより一層低減できる。また、個々のカラオケ装置が各個にホストサーバから直接コンテンツを取得することがなく、通信負荷を抑えられる。
【0014】
一方、コンテンツ中継装置に対してカラオケ装置からコンテンツの配信要求あったとき、コンテンツ中継装置が当該コンテンツを保有していなければ、コンテンツ中継装置はホストサーバから当該コンテンツを取得してカラオケ装置へ配信することになる。このとき問題となるのが、コンテンツを取得するのにコンテンツ中継装置の記憶容量が足りない場合である。
【0015】
そこで、本発明では、コンテンツ中継装置が保有する全てのコンテンツについて、各個に最新の配信日時を記憶しており、新たなコンテンツを取得する際に記憶容量が足りない場合、必要な記憶容量の確保のために配信日時が古いコンテンツから順にコンテンツ中継装置からの削除対象を選定する。配信日時が古いコンテンツを優先的に削除対象に選定するのは、配信日時が新しいものは再生頻度が高く、人気があるコンテンツであると推定でき、再生日時が古いものは再生頻度が低く、人気がないコンテンツであると推定できるからである。このようにすることで、コンテンツ中継装置の記憶内容が常に配信日時の新しい人気のあるコンテンツに維持されるので、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができ、その結果、待ち時間を低減できる。
【0016】
さらに、コンテンツ中継装置が新規ダウンロードに必要な記憶容量の確保のために削除対象コンテンツを削除する際、その削除対象コンテンツを受け入れ可能な記憶容量を有するカラオケ装置がカラオケ店舗内ネットワーク内に存在すれば、そのカラオケ装置に対して削除対象コンテンツを譲渡できる。このようにすることで、たとえコンテンツ中継装置からコンテンツが削除されたとしても、そのコンテンツがカラオケ装置に譲渡されることで、そのコンテンツはカラオケ店舗内ネットワークの中に残存することができる。コンテンツ中継装置から一度削除されてしまっても、そのコンテンツがカラオケ装置に譲渡される形でカラオケ店舗内ネットワーク内に存在していれば、カラオケ店舗内ネットワーク経由でコンテンツ中継装置や他のカラオケ装置間で再利用できるので、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができる。また、削除対象コンテンツの譲渡先としては、空き容量が削除対象コンテンツのデータ量以上でかつ最大のカラオケ装置を選定することで、譲渡先のカラオケ装置への負担を軽減できる。
【0017】
このように、複数のカラオケ装置間で空いた記憶容量を融通することで、カラオケネットワークシステムにおける各装置の記憶装置資源を効率的に利用すると共に、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を減らしてコンテンツ再生の待ち時間を低減できる。
【0018】
つぎに、請求項2に記載のカラオケネットワークシステムは次のような特徴を有する。
カラオケ装置から配信要求のあったコンテンツをコンテンツ中継装置が保有しておらず、コンテンツ中継装置が当該コンテンツを他からダウンロードする必要がある場合、カラオケ店舗内ネットワークに接続している全カラオケ装置に対して当該コンテンツの保有の有無を問い合わせする。その結果、当該コンテンツを保有するカラオケ装置が存在する場合、コンテンツ中継装置は、ホストサーバからコンテンツを取得する代わりに、カラオケ店舗内ネットワークを介してカラオケ装置からコンテンツを取得する。このように、コンテンツの取得先としてホストサーバよりもカラオケ装置を優先することで、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を低減できる。よって、カラオケ店舗内ネットワーク内の各カラオケ装置の記憶資源を効率的に利用し、コンテンツ再生の待ち時間を低減できる。
【0019】
また、コンテンツ中継装置からの要求に応じてコンテンツをアップロードしたカラオケ装置は当該コンテンツを自カラオケ装置から削除する。コンテンツ中継装置がコンテンツを保有してさえいれば、各カラオケ装置はカラオケ店舗内ネットワーク経由で比較的短時間でコンテンツを取得でき、そのコンテンツを他のカラオケ装置との間で共有できることになる。したがって、同一のコンテンツをカラオケ装置とコンテンツ中継装置との間で重複して保存する必要性は低くなる。そこで、カラオケ装置がコンテンツ中継装置に対してアップロードしたコンテンツを自カラオケ装置から削除することで、自カラオケ装置においては削除分の空き容量を確保でき、しかも他のカラオケ装置がコンテンツを共有できるようになるので、カラオケ装置の記憶装置資源をより効率的に利用できる。
【0020】
つぎに、請求項3に記載のカラオケネットワークシステムは次のような特徴を有する。
コンテンツ中継装置が削除対象コンテンツの譲渡対象を選定する際、何れの装置においても空き容量が削除対象コンテンツのデータ量未満であれば、配信日時の最も古いコンテンツを記憶しているカラオケ装置を譲渡対象に選定する。そして、譲渡対象のカラオケ装置に対してコンテンツの削除要求を行い、削除対象コンテンツを送信する。譲渡対象のカラオケ装置では、コンテンツの削除要求を受けて配信日時の古いものから順にコンテンツを削除して、コンテンツ中継装置から譲渡される削除コンテンツ分の記憶容量を確保する。
【0021】
このようにすることで、カラオケ店舗内ネットワーク全体において記憶内容が配信日時の新しい人気のあるコンテンツに維持されるので、外部ネットワーク経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができ、その結果、待ち時間を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カラオケネットワークシステム1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツ中継装置3、カラオケ装置4の概略構成を示すブロック図である。
【図3】取得処理、保有応答処理、要求コンテンツ取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】削除処理、削除応答処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】取得処理・削除処理の具体例を模式的に示す説明図である。
【図6】取得処理・削除処理の具体例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケネットワークシステム1の構成の説明]
図1に示すように、カラオケネットワークシステム1は、ユーザにカラオケサービスを提供するカラオケ店舗内の各カラオケルームにそれぞれ設置されるカラオケ装置4a,4b,4cとコンテンツ中継装置3とがLAN100を介して接続された店舗内のネットワークが、広域ネットワークであるWAN200を介してホストサーバ2と接続されることによって形成されている。なお、図1においては、説明の便宜上、LAN100に3台のカラオケ装置4が配置されている状態を示すが、同一店舗内に更に多くのカラオケ装置4が接続されていてもよい。また、複数の店舗内のネットワークがホストサーバ2に接続されていてもよい。なお、以下の説明において、カラオケ装置4a,4b,4cを特に区別しない場合は、単にカラオケ装置4と表記する。
【0024】
ホストサーバ2は、カラオケ店舗内のコンテンツ中継装置3に対してカラオケの楽曲データやPV映像、CM映像等といった各種コンテンツを配信するためのカラオケサービス用のサーバ装置である。このホストサーバ2は、適宜な処理能力を有する情報処理装置等で構成されており、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(以下、HDD)24にカラオケサービスとして提供可能な全てのコンテンツを常に保有している。また、ホストサーバ2は、WAN200(例えばインターネット)及びカラオケ店舗側のコンテンツ中継装置3を介して、カラオケ店舗内のネットワークに接続されている。
【0025】
コンテンツ中継装置3は、外部ネットワークであるWAN200と、内部ネットワークであるLAN100との接続点に設置されており、ホストサーバ2からコンテンツを取得して、これをHDD34に保存し、HDD34に保有しているコンテンツをLAN100を介して接続されている各カラオケ装置4に対して配信するための通信装置である。このコンテンツ中継装置3は、各カラオケ装置4から送信されるコンテンツの配信要求を各カラオケ装置4から受信すると、その配信要求に係るコンテンツを要求元のカラオケ装置4へ配信する。このとき、コンテンツ中継装置3は、配信要求を受けたコンテンツをHDD34に保有している場合、保有しているコンテンツを要求元のカラオケ装置4へ配信する。一方、配信要求を受けたコンテンツをHDD34に保有していない場合、ホストサーバ2あるいは当該コンテンツを保有している他のカラオケ装置4から取得し、その取得したコンテンツを要求元のカラオケ装置4へ配信する。
【0026】
また、コンテンツ中継装置3は、記憶装置であるHDD34に保有している全てのコンテンツについて、それぞれのファイル名と、データ量(以下、サイズと表記)と、そのコンテンツを最後にカラオケ装置4に対して配信した日時である配信日時とを、保有コンテンツ一覧として記憶及び更新管理している。そして、コンテンツ中継装置3は、配信要求を受けたコンテンツを新規に取得する際、そのサイズに対してHDD34の空き容量が不足していると、HDD34に既存のコンテンツの中から保有コンテンツ一覧に記録されている配信日時の古いものを他のカラオケ装置4に譲渡するか削除することで、新規コンテンツの取得に必要な空き容量を確保し、その後コンテンツを取得する。
【0027】
カラオケ装置4は、カラオケサービスを利用するユーザからリクエストされたカラオケ楽曲や、映画、バラエティ番組、ドラマ、CMといった映像コンテンツやオーディション、クイズ等のユーザ参加型のコンテンツ、飲食物の注文といった購買コンテンツ等、様々なコンテンツを各自のHDD44に保有しており、この保有するコンテンツを再生する装置である。なお、本実施形態においては、各カラオケ装置4a,4b,4cは、それぞれ固有の識別情報であるシリアル番号(例えば、製造番号等)A,B,Cを有する。
【0028】
カラオケ装置4は、再生するコンテンツを自ら保有するための記憶装置であるHDD44を備えているが、このHDD44の記憶容量はホストサーバ2が備えるHDD24よりも小さいものであり、近年大容量化しつつあるコンテンツを全て自前のHDD44保有することはできない。そのため、カラオケ装置4は、ホストサーバ2が配信可能な全てのコンテンツを必ずしも保有しているとは限らない。しかしながら、カラオケ装置4に対してコンテンツをリクエストする際にユーザが用いる電子早見本(図示なし)では、ホストサーバ2が配信可能な全てのコンテンツが網羅されており、カラオケ装置4が保有していないコンテンツであってもリクエスト予約すること自体は可能である。
【0029】
そこで、自カラオケ装置4が保有していないコンテンツがリクエストされた場合、そのコンテンツに関する配信要求をコンテンツ中継装置3へ送信する。そして、その配信要求情報に応じてコンテンツ中継装置3から配信されるコンテンツを取得することで、ユーザからリクエスト予約されたコンテンツを再生することができる。また、カラオケ装置4は、コンテンツ中継装置3が新規コンテンツを取得する際に削除対象に選定したコンテンツをコンテンツ中継装置3から譲渡された場合、そのコンテンツをHDD44に保存すると共に、コンテンツ中継装置3から通知された各コンテンツの配信日時とサイズとを、各ファイル名に対応付けて保有コンテンツ一覧として記憶する。さらに、コンテンツ中継装置3から削除対象コンテンツの譲渡を受ける際、その合計サイズに対してHDD44の空き容量が不足していると、コンテンツ中継装置3からの削除要求に応じてHDD44に既存のコンテンツの中から配信日時の古いものを削除し、削除対象コンテンツの取得に必要な空き容量を確保する。
【0030】
つぎに、図2(a),(b)は、コンテンツ中継装置3及びカラオケ装置4の概略構成を示すブロック図である。
コンテンツ中継装置3は、図2(a)に示すように、ハードウェア構成としてCPU31、RAM32、ROM33、HDD34、WAN通信部35、LAN通信部36等を備える。
【0031】
CPU31は、RAM32やROM33に記憶されたプログラムやデータに従って、コンテンツ中継装置3各部に対する制御及び各種演算を実行する装置で、後述する「取得処理」や「削除処理」等の各種処理は、このCPU31によって実行される。RAM32は、CPU31から直接アクセスされるメインメモリとして利用される記憶装置である。なお、後述する削除コンテンツリストや保存状況リストもここに記憶される。ROM33は、不揮発性の記憶装置であり、BIOSや通常であれば更新されない読み出し専用のデータ等を記憶している。HDD34は、ホストサーバ2から取得したコンテンツデータやプログラム等の各種データを保存しておくための記憶装置である。なお、上述の保有コンテンツ一覧もここに記憶される。
【0032】
WAN通信部35は、コンテンツ中継装置3をWAN200に接続して外部のホストサーバ2との間で通信を行うための通信インタフェースである。LAN通信部36は、コンテンツ中継装置3をLAN100に接続して、同一店舗内のLAN100に接続された各カラオケ装置4との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0033】
カラオケ装置4は、図2(b)に示すように、ハードウェア構成としてCPU41、RAM42、ROM43、HDD44、操作部45、再生部46、入力部47、LAN通信部48等を備える。
【0034】
CPU41は、RAM42やROM43に記憶されたプログラムやデータに従って、カラオケ装置4各部に対する制御及び各種演算を実行する装置で、後述する「保有応答処理」、「要求コンテンツ取得処理」、「削除応答処理」等の各種処理は、このCPU41によって実行される。RAM42は、CPU41から直接アクセスされるメインメモリ等として利用される記憶装置である。ROM43は、不揮発性の記憶装置であり、BIOSや通常であれば更新されない読み出し専用のデータ等を記憶している。HDD44は、カラオケ用の楽曲データや映像データ等のコンテンツデータやプログラム等の各種データを保存しておくための装置である。なお、上述の保有コンテンツ一覧もここに記憶される。操作部45は、ユーザからの各種指示を入力するための入力装置であり、複数のキースイッチ等によって構成される。
【0035】
再生部46は、演奏データに基づく演奏再生を行うMIDI音源、MIDI音源から生成されたオーディオ信号及び入力部47から入力された音声信号をスピーカへ出力する音声制御部、画像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部、映像を表示するためのモニタ等を備える。入力部47は、マイクロフォンによって歌唱者の歌唱音声を音声信号へ変換し、再生部46へ入力するためのものである。LAN通信部48は、カラオケ装置4をLAN100に接続して外部と通信を行うための通信インタフェースである。
【0036】
[取得処理、保有応答処理、要求コンテンツ取得処理の説明]
つぎに、図3のフローチャートに基づき、コンテンツ中継装置3が実行する「取得処理」(S100〜S122)、及び、この取得処理に対応してカラオケ装置4が実行する「保有応答処理」(S201〜S209)、「要求コンテンツ取得処理」(S601〜S605)の手順について説明する。
【0037】
コンテンツ中継装置3は、まず、S100でコンテンツ配信要求を受信する。このコンテンツ配信要求は、「要求コンテンツ取得処理」のS601においてカラオケ装置4から送信されるものであり、コンテンツの識別情報(ファイル名)とコンテンツのサイズを示す情報が含まれている。つぎに、受信したコンテンツ配信要求に該当のコンテンツ(以下、要求コンテンツ)を自コンテンツ中継装置3のHDD34に保有しているか否かを判定する(S102)。要求コンテンツをHDD34に保有している場合(S102:YES)、S120の処理へ移行する。
【0038】
一方、要求コンテンツをHDD34に保有していない場合(S102:NO)、要求コンテンツのサイズを確認する(S104)。そして、HDD34の空き容量が、要求コンテンツを保有するのに必要なサイズ以上であるかどうかを判定する(S106)。なお、ここでいう空き容量とは、HDD34の全記憶容量のうち、コンテンツの記憶のために使用可能な分の記憶容量における空き容量のことである。ここで、HDD34の空き容量が、要求コンテンツを保有するのに必要なサイズ未満である場合(S106:NO)、要求コンテンツを保有するのに必要なサイズの空き容量を確保するために、HDD34に既存のコンテンツを譲渡又は削除する「削除処理」を実行する(S108)。なお、この「削除処理」の詳細な手順については後述する。S108で「削除処理」を実行した後、S110の処理へ移行する。一方、HDD34の空き容量が、要求コンテンツを保有するのに必要なサイズ以上である場合(S106:YES)、S110の処理へ移行する。
【0039】
続くS110では、LAN100を介して通信可能な全カラオケ装置4に対して、要求コンテンツの識別情報を通知して、その要求コンテンツを保有しているか否かを問い合わせる。この保有問い合わせを受信した各カラオケ装置4は、「保有応答処理」におけるS201の判定処理において肯定判定(S201:YES)し、問い合わせのあった要求コンテンツを自カラオケ装置4のHDD44に保有しているか否かを判定する(S203)。ここで、要求コンテンツを保有している場合(S203:YES)、要求コンテンツを保有している旨の通知を自カラオケ装置4のシリアル番号と共にコンテンツ中継装置3へ返信する(S205)。一方、要求コンテンツを保有していない場合(S203:NO)、S201の処理へ戻る。
【0040】
コンテンツ中継装置3は、S110で要求コンテンツ保有の問い合わせを行った時点から、所定のタイムアウト時間を経過したか否かを判定する(S112)。タイムアウト時間が経過していない場合(S112:NO)、カラオケ装置4から要求コンテンツを保有している旨の返信を受信したか否かを判定する(S114)。カラオケ装置4から要求コンテンツを保有している旨の返信を受信した場合(S114:YES)、その返信元のカラオケ装置4に対して要求コンテンツの送信要求を通知し、当該カラオケ装置4からLAN100経由で送信されてきた要求コンテンツを取得し、これをHDD34に保存する(S116)。
【0041】
コンテンツ中継装置3から要求コンテンツの送信要求を受信したカラオケ装置4は、「保有応答処理」におけるS207の判定処理において肯定判定(S207:YES)し、自カラオケ装置4のHDD44に保有している要求コンテンツをコンテンツ中継装置3に対して送信した後、このコンテンツをHDD44から削除する(S209)。
【0042】
一方、コンテンツ中継装置3は、S114でカラオケ装置4から要求コンテンツを保有している旨の返信を受信していないと判定した場合(S114:NO)、S112の処理へ戻る。その後、何れのカラオケ装置4からも保有返信がないままタイムアウト時間を経過した場合(S112:YES)、ホストサーバ2に対して要求コンテンツの送信要求を通知し、ホストサーバ2からWAN200経由で送信されてきた要求コンテンツを取得し、これをHDD34に保存する(S118)。
【0043】
続くS120では、保有コンテンツ一覧における要求コンテンツの配信日時を現在の日時に更新する。ここでは、要求コンテンツを元々HDD44に保有しているときは、保有コンテンツ一覧に既に登録されている要求コンテンツの配信日時を更新する。一方、S116又はS118で要求コンテンツを新規に取得した場合、保有コンテンツ一覧に当該コンテンツのレコードを追加し、配信日時として現在の日時を登録する。そして、HDD34に保有している要求コンテンツを、コンテンツ配信要求の送信元のカラオケ装置4に対して配信する(S122)。
【0044】
一方、「要求コンテンツ取得処理」のS601においてコンテンツ配信要求を送信したカラオケ装置4は、コンテンツ中継装置3から要求コンテンツが配信されてきた場合、S603で肯定判定(S603:YES)をして、コンテンツ中継装置3から要求コンテンツを取得し、これをHDD44へ保存する(S605)。
【0045】
[削除処理、削除応答処理の説明]
つぎに、図4のフローチャートに基づき、コンテンツ中継装置3が実行する「削除処理」(S300〜S328)、及び、この削除処理に対応してカラオケ装置4が実行する「削除応答処理」(S401〜S415)の手順について説明する。なお、コンテンツ中継装置3が実行する「削除処理」は、上述の「取得処理」(図3参照)のS108で実行される処理である。
【0046】
コンテンツ中継装置3は、まず、S300で削除コンテンツリストを作成する。ここでは、保有コンテンツ一覧において配信日時が古いコンテンツから順に、HDD34の空き容量を現在値から要求コンテンツのサイズ以上に拡大するのに必要なデータ量を満足する数のコンテンツを削除対象としてピックアップし、その各コンテンツのファイル名、サイズ、及び配信日時をリスト化して削除コンテンツリストを作成する。また、削除コンテンツリストには、削除対象の全コンテンツの合計サイズを記録する。
【0047】
つぎに、自コンテンツ中継装置3の現在の保存状況情報を、保存状況リストに記述する(S302)。ここでいう保存状況情報とは、HDD34の空き容量と、保有コンテンツ一覧に記憶している配信日時のうち最古の配信日時とを、自コンテンツ中継装置3の識別情報と共に記述したものである。また、保存状況リストとは、コンテンツ中継装置3の保存状況情報と、カラオケ店舗内の各カラオケ装置4の保存状況情報とを一覧として記述するためのものである。
【0048】
つぎに、LAN100を介して通信可能な全カラオケ装置4に対して、それぞれの保有状況情報を問い合わせる(S304)。この保有状況情報の問い合わせを受信した各カラオケ装置4は、「削除応答処理」におけるS401の判定処理において肯定判定(S401:YES)し、自カラオケ装置4のHDD44の空き容量と、保有コンテンツ一覧に記憶している配信日時のうち最古の配信日時とを取得する(S403)。そして、その取得した空き容量と最古の配信日時とを、自カラオケ装置4の識別情報と対応付けた保存状況情報を生成し(S405)、これをコンテンツ中継装置3へ送信する(S415)。
【0049】
コンテンツ中継装置3は、S304で保存状況情報の問い合わせを行った時点から、所定のタイムアウト時間を経過したか否かを判定する(S306)。タイムアウト時間が経過していない場合(S306:NO)、カラオケ装置4から保存状況情報の返信を受信したか否かを判定する(S308)。カラオケ装置4から保存状況情報の返信を受信していない場合(S308:NO)、S306の処理へ戻る。一方、カラオケ装置4から保存状況情報の返信を受信した場合(S308:YES)、その受信した保存状況情報を保存状況リストに記述し(S310)、S306の処理へ戻る。
【0050】
タイムアウト時間が経過するまでの間S306〜S310の処理を順次繰り返すことで、各カラオケ装置4から返信されてくる保存状況情報を保存状況リストに順次追加していく。そして、タイムアウト時間を経過した場合(S306:YES)、それまでに作成された保存状況リストの内容を検索し(S312)、HDDの空き容量が削除コンテンツリストにおける削除対象の合計サイズ以上である機器(コンテンツ中継装置又はカラオケ装置)が存在するか否かを判定する(S314)。ここで、HDDの空き容量が削除対象コンテンツの合計サイズ以上である機器が存在する場合(S314:YES)、その中から空き容量が最大の機器を削除対象コンテンツの譲渡先に決定する(S316)。一方、HDDの空き容量が削除対象コンテンツの合計サイズ以上である機器が存在しない場合(S314:NO)、保存状況リストに記録されている配信日時のうちで最も古い配信日時に該当する機器を削除対象コンテンツの譲渡先に決定する(S318)。
【0051】
つぎに、S316又はS318で決定した譲渡先の機器が、自コンテンツ中継装置3であるか否かを判定する(S320)。譲渡先の機器が自コンテンツ中継装置3である場合(S320:YES)、削除コンテンツリストに該当の削除対象コンテンツをHDD34から削除する(S326)。削除対象コンテンツを削除後、保有コンテンツ一覧における当該削除対象コンテンツのレコードを消去する(S328)。
【0052】
一方、S320で譲渡先の機器が自コンテンツ中継装置3ではないと判定した場合(S320:NO)、すなわち、譲渡先の機器が何れかのカラオケ装置4である場合、その譲渡先のカラオケ装置4に対して、削除コンテンツリストにおける削除対象コンテンツの合計サイズを通知して、その合計サイズ分の空き容量の確保を指示する(S322、削除要求)。この削除要求を受信した譲渡先のカラオケ装置4は、「削除応答処理」におけるS407の判定処理において肯定判定(S407:YES)し、自カラオケ装置4のHDD44の空き容量が削除対象コンテンツの合計サイズ以上となるまで、保有コンテンツ一覧における配信日時が古いコンテンツから順にHDD44から削除する(S409)。なお、HDD44の空き容量が元々削除対象コンテンツの合計サイズ以上である場合、コンテンツの削除は行わない。S409での処理を実行後、その処理結果をコンテンツ中継装置3へ送信する(S415)。
【0053】
コンテンツ中継装置3は、譲渡先のカラオケ装置4からS409での処理結果を受信すると、削除コンテンツリストに該当の削除対象コンテンツを譲渡すると共に、保有コンテンツ一覧に記録されている各コンテンツの配信日時を通知する(S324)。なお、ここでいう「譲渡」とは、削除対象コンテンツを譲渡先のカラオケ装置4に配信し、自コンテンツ中継装置3のHDD34から削除する動作を指す。削除対象コンテンツを譲渡後、保有コンテンツ一覧における当該削除対象コンテンツのレコードを消去する(S328)。
【0054】
一方、コンテンツ中継装置3から削除対象コンテンツの譲渡を指示された譲渡先のカラオケ装置4は、「削除応答処理」におけるS411の判定処理において肯定判定(S411:YES)し、コンテンツ中継装置3から譲渡されたコンテンツをHDD44に保存すると共に、保有コンテンツ一覧に譲渡されたコンテンツのレコードを追加し、コンテンツ中継装置3から通知された配信日時を登録する(S413)。S413での処理を実行後、その処理結果をコンテンツ中継装置3へ送信する(S415)。
【0055】
[取得処理、削除処理の具体例の説明]
つぎに、上述の取得処理及び削除処理の具体的な実行事例について、図5,6に基づいて説明する。この実行事例においては、次の(1)〜(4)の条件を想定している。
(1)カラオケ装置4からコンテンツ中継装置3に対して配信要求がなされた要求コンテンツ(ファイル名:Z.DAT)をコンテンツ中継装置3が保有していない。
(2)配信要求時におけるコンテンツ中継装置3のHDD34の空き容量が、要求コンテンツのサイズ未満である。
(3)コンテンツ中継装置3及び各カラオケ装置4機器の空き容量が、コンテンツ中継装置3が決定した削除対象コンテンツの合計サイズ未満である。
(4)何れのカラオケ装置4も要求コンテンツ(Z.DAT)を保有していない。
【0056】
まず、図5を参照して説明する。図5に示すように、ファイルのサイズが120である要求コンテンツ(Z.DAT)に対して、コンテンツ中継装置3は、当該要求コンテンツを保有しておらず、しかもHDD34の空き容量が30しかない。そこで、コンテンツ中継装置3は、保有コンテンツ一覧に登録されているコンテンツの中から削除対象となるコンテンツを抽出し、削除コンテンツリストを作成する。削除対象となるコンテンツは、保有コンテンツ一覧の中で配信日時が古いものから順に、HDD34の空き容量を現在値から要求コンテンツのサイズ以上に拡大するのに必要なデータ量を満足する数だけ選択される。図5に示す事例では、削除対象コンテンツとして、A.DAT,D.DAT,B.DATの3つが選択され、その削除サイズは合計100となっている。現在の空き容量30と削除サイズ100とを合計すれば、要求コンテンツ(サイズ120)を取得可能な空き容量を確保できることになる。
【0057】
つぎに、コンテンツ中継装置3は、各カラオケ装置A,B,Cに対して保存状況を問い合わせる。これに対して、各カラオケ装置A,B,Cは、各自の識別番号(シリアル番号)と、HDD44の空き容量と、保有コンテンツ一覧の中で最も古い配信日時とからなる保存状況情報を生成し、その保存状況情報をコンテンツ中継装置3へ返信する。なお、各カラオケ装置A,B,Cの空き容量はそれぞれ50,90,20となっており、最も古い配信日時はそれぞれ8/5,8/4,8/3となっている。
【0058】
コンテンツ中継装置3は、自身の保存状況情報と、各カラオケ装置A,B,Cから送信されてきた保存状況情報とを保存状況リストに記述する。ここで作成された保存状況リストによれば各機器の空き容量は何れも削除サイズ(100)未満であるため、この保存状況リストで配信日時が最も古いコンテンツを保有するカラオケ装置Cを削除対象ファイルの譲渡先に決定する。
【0059】
つづいて、図6を参照して説明する。図6に示すように、コンテンツ中継装置3は、譲渡先のカラオケ装置Cに対して、削除サイズ(100)分の空き容量を確保するための削除要求を送信する。これに対してカラオケ装置Cは、保有コンテンツ一覧の中で配信日時が古いものから順に、HDD44の空き容量を現在値から削除サイズ以上に拡大するのに必要なデータ量を満足する数だけ、該当のコンテンツをHDD44から削除する。ここでは、保有コンテンツ一覧の中からL.DAT,N.DATの2つのコンテンツを選択し、HDD44から削除する。その結果、カラオケ装置Cの空き容量は150になっている。カラオケ装置Cは、コンテンツの削除結果をコンテンツ中継装置3に対して送信する。
【0060】
つぎに、コンテンツ中継装置3は、カラオケ装置Cに対して、削除対象コンテンツのファイル名、サイズ、配信日時が記録された削除コンテンツリストを譲渡指示と共に送信し、削除コンテンツリストに該当のコンテンツを譲渡する。カラオケ装置Cは、コンテンツ中継装置3から譲渡されたコンテンツをHDD44に保存すると共に、当該コンテンツのファイル名、サイズ、配信日時を保有コンテンツ一覧に登録する。なお、ここで登録する配信日時は、削除コンテンツリストに記録されていたものである。カラオケ装置Cは、コンテンツの取得結果をコンテンツ中継装置3に対して送信する。
【0061】
コンテンツ中継装置3では削除対象コンテンツを譲渡した結果、空き容量が130になっている。そして、要求コンテンツ(Z.DAT)をホストサーバ2からWAN200経由で取得してHDD34に保存すると共に、保有コンテンツ一覧にファイル名Z.DATのレコードを追加する。要求コンテンツを取得後、これを要求元のカラオケ装置4に対して配信する。
【0062】
[効果]
上記実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、下記の効果を奏する。
(1)ユーザから予約されたコンテンツをカラオケ装置4が保有していない場合、コンテンツ中継装置3が当該コンテンツを保有していれば、LAN100を介してコンテンツ中継装置3からカラオケ装置4に対してコンテンツを配信できる。よって、WAN200経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができ、待ち時間を低減できる。
【0063】
(2)コンテンツ中継装置3が要求コンテンツを取得する際、HDD34の空き容量が足りない場合、配信日時が古いコンテンツから順に削除対象を選定し、その削除対象コンテンツをカラオケ装置4に譲渡することで、要求コンテンツの取得に必要な空き容量を確保できる。配信日時が古いコンテンツを優先的に削除対象に選定することで、コンテンツ中継装置3の記憶内容が常に配信日時の新しい人気のあるコンテンツに維持される。よって、WAN200経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができる。
【0064】
(3)削除対象コンテンツをカラオケ装置4に譲渡することで、たとえコンテンツ中継装置3からコンテンツが削除されたとしても、そのコンテンツはカラオケ店舗内ネットワークの中に残存することができる。コンテンツがカラオケ店舗内ネットワーク内に存在していれば、LAN100経由でコンテンツ中継装置3や他のカラオケ装置4間で再利用できる。このように、複数のカラオケ装置間で空いた記憶容量を融通することで、各装置の記憶装置資源を効率的に利用すると共に、WAN200経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができる。
【0065】
(4)削除対象コンテンツの譲渡先を選定する際、何れの装置においても空き容量が削除サイズ未満であれば、配信日時の最も古いコンテンツを記憶しているカラオケ装置4を譲渡対象に選定する。譲渡先のカラオケ装置4では、配信日時の古いものから順にコンテンツを削除して必要な空き容量を確保する。このようにすることで、カラオケ店舗内ネットワーク全体において記憶内容が配信日時の新しい人気のあるコンテンツに維持されるので、WAN200経由でコンテンツを取得する機会を減らすことができる。
【符号の説明】
【0066】
1…カラオケネットワークシステム、2…ホストサーバ、3…コンテンツ中継装置、4…カラオケ装置、24,34,44…ハードディスクドライブ(HDD)、31,41…CPU、32,42…RAM、33,43…ROM、35…WAN通信部、36,48…LAN通信部、45…操作部、46…再生部、47…入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲を少なくとも含むコンテンツを格納する第1の記憶手段を備え、外部ネットワークを介してコンテンツ配信用のホストサーバからコンテンツをダウンロードしてこれを前記第1の記憶手段に格納すると共に、その第1の記憶手段に保有しているコンテンツをカラオケ装置に対して配信するコンテンツ中継装置と、コンテンツを格納する第2の記憶手段を備え、その第2の記憶手段に格納されているコンテンツを再生する複数のカラオケ装置とがカラオケ店舗内ネットワークを介して通信可能に接続されたカラオケネットワークシステムにおいて、
前記カラオケ装置は、
ユーザからコンテンツの再生要求がされたとき、当該コンテンツを自カラオケ装置が備える第2の記憶手段に保有していない場合、前記コンテンツ中継装置に対して当該コンテンツの配信要求を送信する配信要求手段と、
前記配信要求手段によって送信した配信要求に対する応答として前記コンテンツ中継装置から受信したコンテンツを前記第2の記憶手段に保存する第1の保存手段と、
前記コンテンツ中継装置による空き容量の問い合わせがあった場合、前記第2の記憶手段の空き容量を前記コンテンツ中継装置に対して通知する空き容量通知手段と、
前記コンテンツ中継装置から削除対象コンテンツが送信されてきた場合、これを前記第2の記憶手段に保存する第2の保存手段とを更に備え、
前記コンテンツ中継装置は、
前記第1の記憶手段に保有している全てのコンテンツについて、それぞれのコンテンツを最後に前記カラオケ装置に対して配信した最新の配信日時を記憶する配信日時記憶手段と、
前記カラオケ装置から受信したコンテンツの配信要求に応じてコンテンツを配信するコンテンツ管理手段とを更に備え、
前記コンテンツ管理手段は、
前記カラオケ装置からコンテンツの配信要求を受信したとき、当該配信要求に係るコンテンツを前記第1の記憶手段に保有しているか否かを判定し、当該配信要求に係るコンテンツを保有している場合、その保有しているコンテンツを前記カラオケ店舗内ネットワークを介して要求元のカラオケ装置に対して配信すると共に、前記配信日時記憶手段に記憶している当該コンテンツの配信日時を今回の配信日時に更新する一方、
当該配信要求に係るコンテンツを保有していない場合、前記第1の記憶手段の空き容量が所定量以上であるか否かを判定し、前記第1の記憶手段の空き容量が所定量以上である場合、前記ホストサーバから当該コンテンツをダウンロードして前記第1の記憶手段に保存し、そのダウンロードしたコンテンツを前記カラオケ店舗内ネットワークを介して要求元のカラオケ装置に対して配信すると共に、前記配信日時記憶手段に当該コンテンツの今回の配信日時を登録する一方、
前記第1の記憶手段の空き容量が所定量未満である場合、前記配信日時記憶手段に記憶している配信日時が古いコンテンツから順に、前記第1の記憶手段の空き容量を現在値から前記所定量以上に拡大するのに必要なデータ量を満足する数の削除対象コンテンツを選定すると共に、前記カラオケ店舗内ネットワークを介して通信可能な全カラオケ装置に対して前記第2の記憶手段の空き容量を問い合わせして、その問い合わせに対する応答として各カラオケ装置から受信した結果に基づき、自コンテンツ中継装置及び前記カラオケ装置の中から空き容量が前記削除対象コンテンツのデータ量以上で、かつ空き容量が最も多い1つの装置を空き容量最多の譲渡対象として特定し、
前記空き容量最多の譲渡対象が前記カラオケ装置に該当する場合、前記削除対象コンテンツを当該譲渡対象のカラオケ装置に送信してから前記削除対象コンテンツを前記第1の記憶手段から削除する一方、前記空き容量最多の譲渡対象が自コンテンツ中継装置に該当する場合、前記削除対象コンテンツを前記第1の記憶手段から削除し、
前記削除対象コンテンツの削除後、当該配信要求に該当のコンテンツを前記ホストサーバからダウンロードして前記第1の記憶手段に保存し、そのダウンロードしたコンテンツを前記カラオケ店舗内ネットワークを介して要求元のカラオケ装置に対して配信すると共に、前記配信日時記憶手段に当該コンテンツの今回の配信日時を登録すること
を特徴とするカラオケネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケネットワークシステムにおいて、
前記コンテンツ中継装置が備えるコンテンツ管理手段は、
前記カラオケ装置から受信した配信要求の該当のコンテンツをダウンロードする際、前記カラオケ店舗内ネットワークを介して通信可能な全カラオケ装置に対して前記配信要求の該当のコンテンツの保有の有無を問い合わせし、その問い合わせに対する応答として前記カラオケ装置から受信した結果に基づき、前記コンテンツを保有するカラオケ装置が存在する場合、そのカラオケ装置に対して前記配信要求に該当のコンテンツの送信要求を行い、そのカラオケ装置から当該コンテンツをダウンロードする一方、前記配信要求に該当のコンテンツを保有するカラオケ装置が存在しない場合、前記ホストサーバから前記配信要求に該当のコンテンツをダウンロードし、
前記カラオケ装置は、
前記コンテンツ中継装置によるコンテンツの保有の有無に関する問い合わせがあった場合、その問い合わせに該当のコンテンツを前記第2の記憶手段に保有しているかどうかを前記コンテンツ中継装置に対して通知する保有状況通知手段と、
前記コンテンツ中継装置によるコンテンツの送信要求があった場合、その送信要求に該当のコンテンツを前記コンテンツ中継装置に対して送信してから当該コンテンツを前記第2の記憶手段から削除するコンテンツ転送手段とを更に備えること
を特徴とするカラオケネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカラオケネットワークシステムにおいて、
前記コンテンツ中継装置が備えるコンテンツ管理手段は、
前記カラオケ店舗内ネットワークを介して通信可能な全カラオケ装置に対して各カラオケ装置で記憶している最古の配信日時の問い合わせを併せて行い、
前記配信要求に係るコンテンツを保有しておらず、前記第1の記憶手段の空き容量が所定量未満で、かつ自コンテンツ中継装置及び全カラオケ装置の各空き容量が何れも前記削除対象コンテンツのデータ量未満である場合、前記最古の配信日時の問い合わせに対する応答として各カラオケ装置から受信した結果と前記配信日時記憶手段に記憶している配信日時とに基づき、自コンテンツ中継装置及び前記カラオケ装置の中から最も古い配信日時を記憶している1つの装置を配信日時最古の譲渡対象として特定し、
前記配信日時最古の譲渡対象が前記カラオケ装置に該当する場合、前記削除対象コンテンツのデータ量に相当する記憶容量を確保するためのコンテンツの削除要求を当該譲渡対象のカラオケ装置に送信し、前記削除対象コンテンツを当該譲渡対象のカラオケ装置に送信してから前記削除対象コンテンツを前記第1の記憶手段から削除する一方、前記配信日時最古の譲渡対象が自コンテンツ中継装置に該当する場合、前記削除対象コンテンツを前記第1の記憶手段から削除し、
さらに、前記空き容量最多の譲渡対象であるカラオケ装置、又は前記配信日時最古の譲渡対象であるカラオケ装置に対して前記削除対象コンテンツを送信する際、前記配信日時記憶手段に記憶している当該削除対象コンテンツの配信日時を併せて送信し、
前記カラオケ装置は、
前記コンテンツ中継装置から前記削除対象コンテンツが送信されてきたとき、その削除対象コンテンツと共に送信されてきた当該コンテンツの配信日時を自カラオケ装置が備える第2の配信日時記憶手段に保存する配信日時保存手段と、
前記コンテンツ中継装置による配信日時の問い合わせがあった場合、前記第2の配信日時記憶手段に記憶している配信日時のうち最古の配信日時を前記コンテンツ中継装置に対して通知する配信日時通知手段と、
前記コンテンツ中継装置によるコンテンツの削除要求があった場合、前記第2の配信日時記憶手段に記憶している配信日時が古いコンテンツから順に、前記第2の記憶手段の空き容量を現在値から前記削除対象コンテンツのデータ量以上に拡大するのに必要なデータ量を満足する数の削除対象コンテンツを前記第2の記憶手段から削除する削除手段とを更に備えること
を特徴とするカラオケネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−75872(P2011−75872A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227853(P2009−227853)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】