説明

カラオケ装置

【課題】
モニターの重心が左右または前後に偏っている場合でもモニターが傾くことを防止し、モニターの幅がカラオケ装置より小さい場合でも美観を損なわずに、スピーカの振動のモニターへの伝達を低減することができるカラオケ装置を提供する。
【解決手段】
音声信号入力部と、再生部と、映像信号出力部と、ミキサーと、スピーカと、スピーカを備える筐体と、断面がコの字形を形成し凹部を備える複数の第1の部材と、弾性体から成り第1の部材に固着し平板を固着する第1の弾性部と、第1の部材と同形状の複数の第2の部材と、弾性体から成り第2の部材に固着し平板を固着する第2の弾性部と、第1及び第2の部材のそれぞれの両端に着脱可能に保持される着脱部材と、上面に第1の部材と第2の部材をそれぞれ左右方向に並べた状態、または、前後方向に並べた状態で嵌合可能と成す凹部を備える上面パネルとを備え、第1の弾性部は、第2の弾性部より硬度が低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面に映像表示装置、例えば、モニター、テレビ等を載置するカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカラオケ装置として、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクに記録された音楽信号と映像信号を再生し、当該音楽信号とマイクが集音した音声信号とをスピーカに出力すると共に当該映像信号をモニターに出力するカラオケ装置がある(例えば、特許文献1参照)。従来のカラオケ装置においては、カラオケ装置に音楽信号及び音声信号を楽音として出力するスピーカを内蔵し、歌詞等の映像信号を表示するモニターをカラオケ装置の上面に載置させるものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図12は、従来のカラオケ装置を示す斜視図である。
カラオケ装置100は、音声信号入力部3、スピーカ6、操作部9、筐体20、上面パネル210、図示しない再生部、ミキサー、オーディオ信号増幅部、映像信号出力部及び制御部を備える。筐体20は、箱型を成し、内部に再生部、ミキサー、オーディオ信号増幅部、映像信号出力部及び制御部を備える。筐体20の前面には、音声信号入力部3、スピーカ6及び操作部9が固定されている。上面パネル210は、上面が平滑な面であり、筐体20の上部に固定される。
【0004】
再生部は、光ディスクに記録された映像信号及び音楽信号を再生する。映像信号出力部は、再生部が再生した映像信号を図示しない導電ケーブルを介してモニター11へ出力する。モニター11は、下面の前方及び後方の左右端にそれぞれフット111を備え、上面パネル210の上面に載置される。モニター11は、映像信号出力部7が出力した映像信号に基づいた映像を表示する。
【0005】
音声信号入力部3は、導電ケーブルを介してマイク10が集音した音声信号を入力する。ミキサーは、再生部が再生した音楽信号と音声信号入力部が入力した音声信号を合成し、合成したオーディオ信号をオーディオ信号増幅部へ出力する。オーディオ信号増幅部は、ミキサーから入力されたオーディオ信号を増幅し、スピーカ6へ出力する。スピーカ6は、オーディオ信号増幅部が増幅したオーディオ信号を楽音として出力する。操作部9は、再生部が再生する音楽信号の再生開始及び再生停止、ミキサーが合成する音楽信号と音声信号の割合及びオーディオ信号増幅部が増幅するオーディオ信号の増幅度等を指示する指示信号を出力する。制御部は、操作部9の指示信号に基づいて、再生部、ミキサー及びオーディオ信号増幅部を制御する。
【0006】
以上の構成により、カラオケ装置100の使用者は、カラオケの楽曲が記録され楽曲の背景映像及び歌詞等が記録された光ディスクを再生し、スピーカ6から楽曲を出力させると共に、歌詞をモニター11に表示させ、モニター11に表示された歌詞を見ながらマイク10へ発声することにより、カラオケを楽しむことができる。
【0007】
【特許文献1】特開平5−289682号公報
【非特許文献1】“ニュースリリース”、[online]、[平成16年3月18日検索]、インターネット〈URL : http://denon.jp/company/release/cdv1800.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図13は、モニター11を上面に載置したカラオケ装置100を示す正面図である。
従来のカラオケ装置100は、スピーカ6を筐体20の前面に固定しているため、スピーカ6が楽音を出力する際に発生する振動が筐体20に伝達し、筐体20に伝達された振動は、フット111を介してモニター11にも伝達する。このため、オーディオ信号増幅部5の増幅度を大きくしてスピーカ6から出力する楽音の信号レベルの増大に伴って、スピーカ6が発生する振動が増大し、モニター11へ伝達される振動も増大する。モニター11は、外部から大きな振動が加わると表示画面が乱れてしまうことがある。このため、従来のカラオケ装置100の使用者は、モニター11の画面の乱れを防止するためにスピーカ6から出力させる楽音の信号レベルを一定値以下に抑制してカラオケを行わなければならず、スピーカ6から出力する楽音を増大して迫力のあるカラオケを行うことができなかった。
【0009】
スピーカ6から発生した振動がモニター11へ伝達するのを防止するために、例えば、上面パネル210の上面にゴム材等の弾性体から成るシートを敷くことによって、スピーカ6が発生する振動をシートに吸収させ、モニター11へ伝達する振動を低減することができる。
【0010】
しかしながら、従来のモニターの中には、重心が中央でなく、右方向、左方向、前方向または後方向に偏っているのもがある。モニターの重心が右方向、左方向、前方向または後方向へ偏っている場合、前述したような弾性体から成るシートを上面パネル210とフット111の間に介在させると、モニターの重心部分に位置するシートが他のシートの部分より大きく弾性変形し、重心が偏っている側へモニター11が傾いてしまうことがある。上面パネル210に載置されたモニター11が傾くと、美観を損なうばかりでなく、カラオケを楽しむ使用者に違和感を与えてしまう。
【0011】
また、従来のモニターは、それぞれの機器によって左右の幅が異なっている。このため、例えば、左右の幅が上面パネル210より小さいモニターを上面パネル210の中央に載置すると、上面パネル210の上面の右部分及び左部分が露出する。このため、前述したような、弾性体から成るシートを上面パネル210の上面に敷いた状態で小さいモニターを上面パネル210の中央に載置すると、モニターの左右からシートが露出してしまい、カラオケ装置100の美観が損なわれてしまう。
【0012】
また、従来のモニターには、美観を優先することにより下面にフットを備えず、モニターの下面を直接床などに載置するものがある。このような下面にフットを備えないモニターを従来のカラオケ装置100の上面に載置すると、スピーカ6が発生する振動が直接モニターの筐体に伝達してしまい、モニターの画面に乱れが生じるのみでなく、モニター内部の電子回路を破壊してしまう虞がある。
【0013】
本発明は、上面に映像表示装置を載置するカラオケ装置において、モニターの重心が左右または前後に偏っている場合でも筐体上に設置したモニターが傾くことを防止し、モニターの幅がカラオケ装置の幅より小さい場合でも美観を損なうことなしに、スピーカが発生する振動のモニターへの伝達を低減することができるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、下面が平らなモニターを筐体に載置する場合でも、スピーカが発生する振動のモニターへの伝達を低減することができるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願の請求項1記載の発明は、カラオケ装置において、音声信号を入力する音声信号入力部と、光ディスクに記録された音楽信号及び映像信号を再生する再生部と、前記再生部が再生した映像信号を出力する映像信号出力部と、前記音声信号入力部が入力した音声信号と前記再生部が再生した音楽信号を合成して出力するミキサーと、前記ミキサーが合成した音声信号及び音楽信号を放音するスピーカと、箱形を成し前記スピーカを内部に備える筐体と、断面がコの字形を形成し凹部を備える複数の第1の部材と、弾性体から成り前記第1の部材の凹部に固着し表面に平板を固着する第1の弾性部と、前記第1の部材と同形状の断面がコの字形を形成し凹部を備える複数の第2の部材と、弾性体から成り前記第2の部材の凹部に固着し表面に平板を固着する第2の弾性部と、前記第1の部材及び前記第2の部材のそれぞれの両端に着脱可能に保持される着脱部材と、前記筐体の上面に固定され上面に前記第1の部材と前記第2の部材をそれぞれ左右方向に並べた状態で嵌合可能と成し、または、前記第1の部材と前記第2の部材をそれぞれ前後方向に並べた状態で嵌合可能と成す凹部を備える上面パネルとを備え、前記第1の弾性部は、前記第2の弾性部より硬度が低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のカラオケ装置によれば、上面に映像表示装置を載置するカラオケ装置において、モニターの重心が左右または前後に偏っている場合でも筐体上に設置したモニターが傾くことを防止し、モニターの幅がカラオケ装置の幅より小さい場合でも美観を損なうことなしに、スピーカが発生する振動のモニターへの伝達を低減することができるカラオケ装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明のカラオケ装置によれば、下面が平らなモニターを筐体に載置する場合でも、スピーカが発生する振動のモニターへの伝達を低減することができるカラオケ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のカラオケ装置の一実施例を示すブロック図である。
カラオケ装置1は、再生部2、音声信号入力部3、ミキサー4、オーディオ信号増幅部5、スピーカ6、映像信号出力部7、制御部8及び操作部9を備える。
【0019】
再生部2は、光ディスクに記録された映像信号及び音楽信号を再生し、映像信号出力部7及びミキサー4に出力する。映像信号出力部7は、再生部2が再生した映像信号を入力し、モニター11へ出力する。モニター11は、映像信号出力部7が出力した映像信号に基づいた映像を表示する。
【0020】
音声信号入力部3は、マイク10が接続され、マイク10が集音した音声信号を入力し、ミキサー4に出力する。ミキサー4は、再生部2から入力された音楽信号と音声信号入力部3から入力された音声信号を合成し、合成したオーディオ信号をオーディオ信号増幅部5へ出力する。オーディオ信号増幅部5は、ミキサー4から入力されたオーディオ信号を増幅し、スピーカ6へ出力する。スピーカ6は、オーディオ信号増幅部5から入力されたオーディオ信号を楽音として出力する。操作部9は、再生部2が再生する音楽信号の再生開始及び再生停止、ミキサー4が合成する音楽信号と音声信号の割合及びオーディオ信号増幅部5が増幅するオーディオ信号の増幅度等を指示する指示信号を出力する。制御部8は、操作部9の指示信号に基づいて、再生部2、ミキサー4及びオーディオ信号増幅部5を制御する。
【0021】
図2は、本発明の一実施例であるカラオケ装置を示す斜視図である。
カラオケ装置1は、筐体20、上面パネル21、2つの第1の部材25a、25b及び2つの第2の部材26a、26bを備える。筐体20は、箱型を成し、内部に再生部2、ミキサー4、オーディオ信号増幅部5、映像信号出力部7及び制御部8を備える。筐体20の前面には、音声信号入力部3、スピーカ6及び操作部9が固定されている。上面パネル21は、筐体20の上部に固定される。
【0022】
上面パネル21は、上方へ開口する凹部211を備える。図2に示すように、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ同形状の直方体を成す。第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び第2の部材26bは、それぞれが並んだ状態で凹部211に嵌合する。第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ表面と裏面とを裏返しにした状態でも凹部211に嵌合し、また、それぞれの並び順を変更しても凹部211に嵌合する。
【0023】
図3は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の第1の部材を示す図で、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)の第1の部材を側部から見たときの断面図である。
第1の部材25は、コの字形を形成し凹部251を備える。また、第1の部材25は、凹部251の内部に弾性部252及び平板部254を備える。弾性部252は、合成樹脂材、ゴム材等の弾性体から成り、接着剤によって凹部251の内壁に固着される。弾性部252は、表面に凹部253を備える。平板部254は、薄い平板から成り、接着剤により弾性部252の凹部253の内壁に固着される。
【0024】
凹部251は、両端の上面にそれぞれ上方へ開口する孔253を備える。凹部251の上面には、それぞれ着脱部材27を備える。着脱部材27は、孔253に嵌合する凸部271を備え、当該凸部271が孔253に嵌合することによって凹部251に装着される。また、着脱部材27は、凹部251に装着された状態で上方に引くことによって、凹部251から取り外される。
【0025】
凹部251に着脱部材27を装着しない状態の場合、凹部251の両端の上面は平板部254の上面より低い。凹部251に着脱部材27を装着した状態の場合、着脱部材27の上面は平板部254の上面より高い。
図3に示すように、第1の部材25の水平方向の長さAは、垂直方向の長さBの2倍の長さとする。
【0026】
図4は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の第2の部材を示す図で、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)の第2の部材を側部から見たときの断面図である。
第2の部材26は、図3に示す第1の部材25と同形状のコの字形を形成し凹部261を備える。また、第2の部材26は、凹部261の内部に弾性部262及び平板部264を備える。弾性部262は、合成樹脂材、ゴム材等の弾性体から成り、接着剤によって凹部261の内壁に固着される。弾性部262は、表面に凹部263を備える。平板部264は、薄い平板から成り、接着剤により弾性部262の凹部263の内壁に固着される。
【0027】
凹部261は、両端の上面にそれぞれ上方へ開口する孔263を備える。凹部261の上面には、それぞれ着脱部材27を備える。着脱部材27は、孔263に嵌合する凸部271を備え、当該凸部271が孔263に嵌合することによって凹部261に装着される。また、着脱部材27は、凹部261に装着された状態で上方に引くことによって、凹部261から取り外される。
【0028】
凹部261に着脱部材27を装着しない状態の場合、凹部261の両端の上面は平板部264の上面より低い。凹部261に着脱部材27を装着した状態の場合、着脱部材27の上面は平板部264の上面より高い。
図4に示すように、第2の部材26の水平方向の長さAは、垂直方向の長さBの2倍の長さとする。
弾性部252の硬度は、弾性部262の硬度より低く、第1の部材25の平板部254と第2の部材26の平板部264をそれぞれ同じ力で押圧した場合、弾性部252の方が弾性部262より大きく弾性変形する。
【0029】
図5は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の第1の部材及び第2の部材が上面パネルの凹部に嵌合した状態を示す図で、図3(a)は、第1の部材及び第2の部材を左右方向に一列に並べた状態で凹部に嵌合した状態を示す上面図、図3(b)は、第1の部材及び第2の部材を前後方向に2つずつ並べた状態で凹部に嵌合した状態を示す上面図である。
図5においては、下方向をカラオケ装置1の前方とする。
【0030】
第1の部材25及び第2の部材26は、同形状であると共に、図3に示す水平方向の長さAは、垂直方向の長さBの2倍であることから、図5(a)に示すように、第1の部材25及び第2の部材26を左右方向に一列に並べた状態で凹部211に嵌合することが可能であると共に、図5(b)に示すように、第1の部材25及び第2の部材26を前後方向に2つずつ並べた状態でも凹部211に嵌合することが可能となる。
【0031】
図6は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が略中央にあるモニターを載置した状態を示す正面図である。第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端に着脱部材27を装着した状態とする。
【0032】
モニター11aは、下面の前方及び後方の左側及び右側にそれぞれ4つのフット111を備える。
モニター11aの左側のフット111aから右側のフット111bまでの幅が、上面パネル21の凹部211の左端に嵌合した部材の中央から凹部211の右端に嵌合した部材の中央までの幅と略同一である場合、図6に示すように、凹部211の左端及び右端に第1の部材25a及び第1の部材25bを配設した状態となるようそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bを凹部211に嵌合させる。このとき、第1の部材25a及び第1の部材25bは、それぞれの平板部254が上面となるように配設する。このことによって、モニター11aを上面パネル21の中央に載置する場合、左側のフット111aは第1の部材25aの平板部254a上に載置され、右側のフット111bは、第1の部材25bの平板部254b上に載置される。
【0033】
図6に示す状態で、スピーカ6から楽音を出力させると、スピーカ6は、楽音の出力に伴って振動を発生し、この振動が筐体20に伝達する。筐体20に伝達された振動は、上面パネル21を介して第1の部材25a及び第1の部材25bに伝達する。このとき、第1の部材25aの弾性部252a及び第1の部材25bの弾性部252bは、スピーカ6から発生した振動を吸収する。このことによって、スピーカ6から発生した振動のモニター11aへの伝達量を低減することができる。
【0034】
図7は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が右に偏っているモニターを載置した状態を示す正面図である。
図7において、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端に着脱部材27を装着した状態とする。
【0035】
モニター11bの左側のフット111aから右側のフット111bまでの幅が、上面パネル21の凹部211の左端に嵌合した部材の中央から凹部211の右端に嵌合した部材の中央までの幅と略同一であり、モニター11bの重心が右へ偏っている場合は、図7に示すように、凹部211の左端に第1の部材25aを配設し、凹部211の右端に第2の部材26bを配設した状態となるようそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bを凹部211に嵌合させる。このとき、凹部211の左端に配設した第1の部材25aは、平板部254aが上面となるようにし、凹部211の右端に配設した第2の部材26bは、平板部264bが上面となるようにする。このことによって、モニター11bを上面パネル21に載置する場合、左側のフット111aは平板部254a上に載置され、右側のフット111bは、平板部264b上に載置される。
【0036】
このとき、モニター11bの重心が右に偏っていることにより、右側のフット111bを載置した第2の部材26bの平板部264bは、左側のフット111aを載置した第1の部材25aの平板部254aよりも大きな加重で下方へ押圧される。弾性部262は、弾性部252より硬質な弾性体から成ることにより、押圧加重に対する弾性変形の大きさが弾性部252の弾性変形の大きさより小さい。このことにより、左側のフット111aを載置した第1の部材25aの弾性部252aの弾性変形の大きさと左側のフット111aより大きな加重で押圧された右側のフット111bを載置した第2の部材26bの弾性部262bの弾性変形の大きさが異なることを防止する。よって、スピーカ6から発生した振動を弾性部252a及び弾性部262bが吸収し、スピーカ6から発生した振動がモニター11bに伝達する量を低減すると共に、重心が右側へ偏っているモニター11bが右側へ傾いた状態で上面パネル21に載置されてしまうことを防止することができる。
【0037】
図8は、本発明の一実施例であるカラオケ装置1の上面パネル21に図6及び図7に示すモニターの幅より小さな幅のモニター11cを載置した状態を示す正面図である。モニター11cの重心は、略中央にあるとする。
図8において、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端に着脱部材27を装着した状態とする。
【0038】
図8に示すように、左側のフット111cから右側のフット111dまでの幅が凹部211に嵌合したそれぞれの部材の内、左から2番目に嵌合した部材の中央から凹部211の左から3番目に嵌合した部材の中央までの幅と略同一の場合は、図8に示すように、凹部211に嵌合したそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bの内、左から2番目に嵌合させる部材を第1の部材25aとし、左から3番目に嵌合させる部材を第1の部材25bとする。このとき、第2の部材26a及び第2の部材26bは、それぞれの平板部254が下面となるように凹部211の右端及び左端に嵌合させる。このことによって、モニター11cを上面パネル21の略中央に載置する場合、左側のフット111cは第1の部材25aの平板部254a上に載置され、右側のフット111dは、第1の部材25bの平板部254b上に載置される。
【0039】
このとき、第2の部材26a及び第2の部材26bは、それぞれの平板部264が下面となった状態で凹部211の右端及び左端に嵌合されていることから、平板部254及び弾性部252が露出することを防止することができる。
【0040】
図9は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が略中央であって下面が平らなモニターを載置した状態を示す正面図である。モニター11dは、下面が平面であって、床などに筐体の下面を直接載置するモニターである。図9において、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端に着脱部材27を装着した状態とする。
【0041】
図9に示すように、下面が平らなモニター11dを上面パネル21に載置する場合は、凹部211に嵌合したそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bの内、凹部211の左端及び右端に第1の部材25a及び第1の部材25bを配設し、凹部211の左から2番目及び3番目に第2の部材26a及び第2の部材26bを配設した状態となるようそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bを凹部211に嵌合させる。このとき、第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び26bは、それぞれの平板部254が上面となるように配設する。このことによって、モニター11dを上面パネル21の中央に載置する場合、モニター11dの下面の右端部分及び左端部分は、第1の部材25a及び第1の部材25bの平板部254上に載置され、モニター11dの下面の中央部分は、第2の部材26a及び第2の部材26bの平板部254上に載置される。
【0042】
図9に示す状態で、スピーカ6から楽音を出力させると、スピーカ6は、楽音の出力に伴って振動を発生し、この振動が筐体20に伝達する。筐体20に伝達された振動は、上面パネル21を介して第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び第2の部材26bに伝達する。このとき、第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び第2の部材26bのそれぞれの弾性部252は、スピーカ6から発生した振動を吸収する。このことによって、スピーカ6から発生した振動のモニター11dへの伝達量を低減することができる。
【0043】
図10は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに下面が平らであって重心が右へ偏っているモニターを載置した状態を示す正面図である。
図10において、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端に着脱部材27を装着した状態とする。
【0044】
図10に示すように、下面が平らであって重心が右へ偏っているモニター11eを載置する場合は、凹部211に嵌合したそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bの内、凹部211の左端と凹部211の左端から2番目に嵌合させる部材を第1の部材25a及び第1の部材25bとし、凹部211の右端と凹部211の右端から2番目に嵌合させる部材を第2の部材26a及び第2の部材26bとする。このとき、第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び26bは、それぞれの平板部254が上面となるように配設する。このことによって、モニター11eを上面パネル21の中央に載置する場合、モニター11eの下面の中央から右側部分は、第2の部材26a及び第2の部材26bの平板部254上に載置され、モニター11eの下面の中央から左側部分は、第1の部材25a及び第1の部材25bの平板部254上に載置される。
【0045】
このとき、モニター11eの重心が右に偏っていることにより、モニター11eの下面の中央から右側部分を載置した第2の部材26a及び第2の部材26bの平板部254は、
モニター11eの下面の中央から左側部分を載置した第1部材25a及び第1の部材25bの平板部254よりも大きな加重で下方へ押圧される。弾性部262は、弾性部252より硬質な弾性体から成ることにより、押圧加重に対する弾性変形の大きさが弾性部252の弾性変形の大きさより小さい。このことにより、モニター11eの下面の中央から左側部分を載置した第1部材25a及び第1の部材25bの弾性部252の弾性変形の大きさとモニター11eの下面の中央から左側部分より大きな加重で押圧されたモニター11eの下面の中央から右側部分を載置した第2の部材26a及び第2の部材26bの弾性部262の弾性変形の大きさが異なることを防止する。よって、スピーカ6から発生した振動を弾性部252及び弾性部262が吸収し、スピーカ6から発生した振動がモニター11eへ伝達する量を低減すると共に、重心が右側へ偏っているモニター11eが右側へ傾いた状態で上面パネル21に載置されてしまうことを防止することができる。
【0046】
図11は、本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに下面が平らであって重心が前方向へ偏っているモニターを載置した状態を側面から見たときの断面図である。
図11において、第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bは、それぞれ凹部の両端から着脱部材27を取り外した状態とする。
【0047】
図11に示すように、下面が平らであって重心が前方向へ偏っているモニター11fを載置する場合は、凹部211に嵌合したそれぞれの第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bを、図5(b)に示すように、第1の部材及び第2の部材を前後方向に2つずつ並べた状態で凹部に嵌合すると共に、凹部211の前方に嵌合させる部材を第2の部材26a及び第2の部材26bとし、凹部211の後方に嵌合させる部材を第1の部材25a及び第1の部材25bとする。このとき、第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び26bは、それぞれの平板部254が上面となるように配設する。このことによって、モニター11fを上面パネル21の中央へ載置する場合、モニター11fの下面の中央から前側部分は、第2の部材26a及び第2の部材26bの平板部254上に載置され、モニター11fの下面の中央から後ろ側部分は、第1の部材25a及び第1の部材25bの平板部254上に載置される。
【0048】
このとき、モニター11fの重心が前方向に偏っていることにより、モニター11fの下面の中央から前側部分を載置した第2の部材26a及び第2の部材26bの平板部254は、モニター11fの下面の中央から後ろ側部分を載置した第1部材25a及び第1の部材25bの平板部254よりも大きな加重で下方へ押圧される。弾性部262は、弾性部252より硬質な弾性体から成ることにより、押圧加重に対する弾性変形の大きさが弾性部252の弾性変形の大きさより小さい。このことにより、モニター11fの下面の中央から後ろ側部分を載置した第1部材25a及び第1の部材25bの弾性部252の弾性変形の大きさとモニター11fの下面の中央から後ろ側部分より大きな加重で押圧されたモニター11fの下面の中央から前側部分を載置した第2の部材26a及び第2の部材26bの弾性部262の弾性変形の大きさが異なることを防止する。よって、スピーカ6から発生した振動を弾性部252及び弾性部262が吸収し、スピーカ6から発生した振動がモニター11fへ伝達する量を低減すると共に、重心が前側へ偏っているモニター11fが前側に傾いた状態で上面パネル21に載置されてしまうことを防止することができる。
【0049】
以上の構成により、本実施例のカラオケ装置1は、スピーカ6が発生した振動がモニター11に伝達することを低減することができる。また、上面に載置するモニターの重心及び幅に応じて、凹部211に嵌合させる第1の部材25a、25b及び第2の部材26a、26bの組み合わせ順序及び上面と下面の向きを変更することによって、モニター11の重心が左右または前後に偏っていてもモニター11が傾くことを防止することができる。また、モニター11の幅が上面パネル21より小さい場合でも平板部254及び弾性部252が露出し、カラオケ装置1の美観が損なわれることを防止することができる。
【0050】
また、本実施例のカラオケ装置1は、下面が平らなモニターを載置する場合でも、スピーカ6が発生する振動が直接モニターの筐体に伝達してしまい、モニター内部の電子回路を破壊してしまうことを防止することができる。
【0051】
本実施例のカラオケ装置1は、凹部211に嵌合させる部材を第1の部材25a、第1の部材25b、第2の部材26a及び第2の部材26bの4つの部材とし、硬さの異なる弾性部252及び弾性部262の2種類の弾性部を用いる構成としたが、凹部211に嵌合させる部材を6つ以上の部材とし、硬さの異なる3種類以上の弾性部を用いる構成としても良い。これにより、上面パネルに載置するモニターの右側のフットから左側のフットまでの幅が異なる3種類以上のモニターに対して、モニターの重心が左右に偏っていてもモニターが傾いて載置されることを防止し、モニターの幅が上面パネルより小さい場合でもカラオケ装置の美観が損なわれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のカラオケ装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例であるカラオケ装置を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施例であるカラオケ装置の第1の部材を示す図で、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)の第1の部材を側部から見たときの断面図。
【図4】本発明の一実施例であるカラオケ装置の第2の部材を示す図で、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)の第2の部材を側部から見たときの断面図。
【図5】本発明の一実施例であるカラオケ装置の第1の部材及び第2の部材が上面パネルの凹部に嵌合した状態を示す図。
【図6】本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が略中央にあるモニターを載置した状態を示す正面図。
【図7】本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が右へ偏っているモニターを載置した状態を示す正面図。
【図8】本発明の一実施例であるカラオケ装置1の上面パネル21に図5及び図6に示すモニターの幅より小さな幅のモニター11cを載置した状態を示す正面図。
【図9】本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに重心が略中央であって下面が平らなモニターを載置した状態を示す正面図。
【図10】本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに下面が平らであって重心が右へ偏っているモニターを載置した状態を示す正面図。
【図11】本発明の一実施例であるカラオケ装置の上面パネルに下面が平らであって重心が前方向へ偏っているモニターを載置した状態を示す側面図。
【図12】従来のカラオケ装置を示す斜視図。
【図13】モニター11を上面に載置したカラオケ装置100を示す正面図。
【符号の説明】
【0053】
1 カラオケ装置、2 再生部、3 音声信号入力部、4 ミキサー、
5 オーディオ信号増幅部、6 スピーカ、7 映像信号出力部、8 制御部、
9 操作部、10 マイク、11 モニター、111 フット、20 筐体、
21 上面パネル、211 凹部、
25 第1の部材、251 凹部、252 弾性部、253 孔、254 平板部、
26 第2の部材、261 凹部、262 弾性部、263 孔、264 平板部、
27 着脱部材、271 凸部、
100 カラオケ装置、210 上面パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号を入力する音声信号入力部と、光ディスクに記録された音楽信号及び映像信号を再生する再生部と、前記再生部が再生した映像信号を出力する映像信号出力部と、前記音声信号入力部が入力した音声信号と前記再生部が再生した音楽信号を合成して出力するミキサーと、前記ミキサーが合成した音声信号及び音楽信号を放音するスピーカと、箱形を成し前記スピーカを内部に備える筐体と、断面がコの字形を形成し凹部を備える複数の第1の部材と、弾性体から成り前記第1の部材の凹部に固着し表面に平板を固着する第1の弾性部と、前記第1の部材と同形状の断面がコの字形を形成し凹部を備える複数の第2の部材と、弾性体から成り前記第2の部材の凹部に固着し表面に平板を固着する第2の弾性部と、前記第1の部材及び前記第2の部材のそれぞれの両端に着脱可能に保持される着脱部材と、前記筐体の上面に固定され上面に前記第1の部材と前記第2の部材をそれぞれ左右方向に並べた状態で嵌合可能と成し、または、前記第1の部材と前記第2の部材をそれぞれ前後方向に並べた状態で嵌合可能と成す凹部を備える上面パネルとを備え、
前記第1の弾性部は、前記第2の弾性部より硬度が低いことを特徴とするカラオケ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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