説明

カラーシーケンシャルディスプレイを駆動する方法

ディスプレイを駆動する方法は、前記ディスプレイの第1の照射サイクル4及び第2の照射サイクル5を使用する。各サイクルにおいて、第1セットの画素1'は、第1の色R、Gで照射され、第2のセットの画素2'は、第2の色G、Bで照射される。前記2つのサイクルの第1の色及び第2の色は、合わせて、画像を形成する少なくとも3つの色R、G、Bを含む。この方法は、少なくとも2つのサイクルが異なる色性質とともに使用されるシーケンシャル駆動スキームを提供する。しかしながら、各サイクルは、各サイクルがディスプレイ領域全体にわたり単一の色ではないように、少なくとも2つの異なる色を使用する。このようにして、色シーケンスは、空間的に及び時間的に交代される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーケンシャル駆動スキームを持つ画素化ディスプレイ、例えばカラー出力を提供するのにシーケンシャル駆動スキームを使用するアクティブマトリクス液晶ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス液晶ディスプレイ(AMLCD)は、典型的には、各々が1つの原色を透過するカラーフィルタを持つ3つの別個のドットからなる画素を設けることによりカラー画像を生成する。これらのドットは、通常は、完全な画素の3分の1の面積を覆い、一般に、前記完全な画素のサブ画素と称される。前記ドットの加工及び設計の限界の結果として、透過された光に対する開口は、AMLCDディスプレイにおいて減少され、結果としてバックライトの低い輝度又は高い電力のいずれかを生じる。
【0003】
カラー画像を生成する代替的な方法は、画素空間毎にただ1つのドットを持ち、三原色で1つの画像ビルドアップ期間内にバックライトをシーケンシャルに光らせることであり、ここで、前記画像ビルドアップ期間は、全ての画像情報が、観察者がフルカラー画像を観察することができるように前記ディスプレイにより出力される時間である。これは、カラーシーケンシャルディスプレイとして既知のものである。液晶画素は、この場合、透過される各原色の量をシーケンシャルに制御することができる。シーケンシャルな点滅は、迅速に起こるので、目は、フルカラー画像を知覚するように1つの画像ビルドアップ期間の光を結合する。
【0004】
同様の表示技術は、スペクトルシーケンシャルディスプレイとして既知であり、この技術は、バックライトが画像ビルドアップ期間毎に2回光らされることのみを要求する。色は、この場合、2つの原色の形で各バックライトフラッシュにより生成される(例えば第1のサブフレームにおいて青及びイエロー、第2のサブフレームにおいてシアン及び赤)。各画素は、2つのドットに分割され、各ドットは、バックライトの各フラッシュから1つの原色を透過するカラーフィルタを持つ(例えば第1のドットに対する青及びシアン、第2のドットに対するイエロー及び赤)。このアプローチは、したがって、バックライトの各フラッシュに利用可能な時間と各画素ドットのサイズとの間の妥協を提供する。
【0005】
上の2つのアプローチは、バックライトの点滅に各々依存し、各画素に対する所望の色は、色出力のシーケンスとして構成される。これら2つのアプローチは、両方とも"シーケンシャル駆動スキーム"として記載されることができる。
【0006】
シーケンシャル駆動スキームの1つの利点は、画素毎に1又は2のサブ画素のみが必要なので、解像度が標準的なディスプレイと比較して増加されることができることである。
【0007】
この解像度の増加は、一般的に、LCDディスプレイに対して興味深いが、特に、ディスプレイパネルがディスプレイを製造するディスプレイ画素のアレイと、前記ディスプレイパネル上に配置され、これを通してディスプレイ画素が観察される、レンチキュラ素子又は半透過バリアのような複数の画像化手段とを持つ、オートステレオスコピックディスプレイ装置に対して興味深い。このようなビュー配向手段の動作原理を説明する例としてレンチキュラを持つディスプレイを取ると、前記レンチキュラ素子は、典型的には、レンチキュラ素子(レンチキュラ)のシートとして提供され、前記レンチキュラ素子の各々は、楕円又は半円柱形のような所望のレンズ形状を持つことができる細長いレンズ素子を有する。前記レンチキュラ素子は、前記ディスプレイパネルの列方向に(又は前記列方向に対して傾けて)延在し、各レンチキュラ素子は、ディスプレイ画素又はサブ画素の2より多い隣接した列のそれぞれのグループを覆う。
【0008】
例えば、各レンチキュル(lenticule)が、2列のディスプレイ画素に関連付けられる構成(傾斜角なし)において、各列内のディスプレイ画素は、それぞれの二次元サブ画像の縦スライスを提供し、すなわち複数のビューが、複数の方向に向けられる。前記レンチキュラシートは、これら2つのスライス及び他のレンチキュルと関連付けられたディスプレイ画素列からの対応するスライスを、前記シートの前に位置するユーザの左目及び右目に向け、この結果、前記ユーザは、単一のステレオスコピック画像を観察する。前記レンチキュラ素子のシート(及び各レンチキュラ素子)は、したがって、左目及び右目を対象とする光出力が2つの異なるビュー又はビュー方向に向けられるような光出力配向機能を提供する。
【0009】
他の構成において、各レンチキュルは、行方向の2より多い隣接した表示画素と関連付けられる。各グループ内の表示画素の対応する列は、それぞれの二次元サブ画像からの縦スライスを提供するように適切に構成される。ユーザの頭部が、ディスプレイを横切って左から右に移動されると、一連の連続した異なるステレオスコピックビューが知覚され、例えば、ルックアラウンドインプレッションを与える。特定の改良を得るように前記レンズを傾けることを含む動作原理の詳細な説明は、以下に、及び例えばUS6069650に提供される。
【0010】
上記の装置は、効果的な三次元ディスプレイを提供する。しかしながら、ステレオスコピックビューを提供するために、ディスプレイ画素の異なるセットが異なるビューと関連付けられるので、前記装置の解像度の犠牲が必要とされることが理解されるだろう。この解像度の犠牲は、短距離から観察する小さなテキスト文字の表示のような特定の応用に対して受け入れられない。この理由から、二次元モードと三次元(ステレオスコピック)モードとの間で切り替え可能なディスプレイ装置を提供するが提案されている。しかしながら、これは、3Dモードにおける解像度の損失の問題に対処することができない。
【0011】
シーケンシャル駆動スキームの使用が、前記解像度の損失の一部を回復することができることが見られる。加えて、フィルタリングの量を減少することにより、効率は改良される。カラーフィルタ画素が使用される場合、効率は、おおよそ67%減少される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
シーケンシャル駆動スキームは、解像度及び効率を改良することができるが、問題は、"虹効果"とも称される色割れ(color break-up)の発生である。これは、異なる瞬間の色視認性が、表示される画像の高度な動きにより及び/又は観察者(目)の高度な動きにより見えるようになる効果である。ほとんどの場合、このアーチファクトは、非常に邪魔であると知覚される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によると、出力画素を持つディスプレイを駆動する方法が提供され、前記出力画素の各々は、少なくとも第1の色及び前記第1の色とは異なる第2の色の光出力を提供することができ、前記第1の色及び第2の色は、3つの異なる色のグループから選択され、前記方法は、
前記ディスプレイの第1の照射サイクル及び第2の照射サイクルを実行するステップを有し、各照射ステップが、前記ディスプレイの画素(45)を照射することを有し、少なくとも第1セットの画素が第1の色で照射され、第2セットの画素が第2の色で照射され、前記2つのサイクルの第1の色及び第2の色が、合わせて、画像を形成する前記グループの3つ全ての色を含む。
【0014】
この方法は、少なくとも2つのサイクルが色特性とともに使用されるシーケンシャル駆動スキームを提供する。しかしながら、各サイクルは、少なくとも2つの異なる色を使用し、この結果、各サイクルは、表示面積全体にわたり単一の色ではない。このようにして、色シーケンスは、空間的に及び時間的に交代される。空間的交代周期は、個別の画素内であることができ(すなわち異なるサブ画素は異なる色を持つ)、又はより大きなスケールであることができる(すなわち隣接した画素のグループが所定のサイクルにおいて同じ色を持つ)。
【0015】
好ましくは、全ての画素は、各照射サイクルにおいて照射されるが、これは必須ではない。
【0016】
前記方法は、液晶ディスプレイを駆動するものであることができ、各ディスプレイサイクルは、バックライトを使用して前記ディスプレイを照射することを有する。この場合、液晶セルは、所要の色でシーケンシャルに照射される個別にアドレス可能なシャッタとして機能する。
【0017】
1つの構成において、両方の(又は2より多い場合に全ての)サイクルは、解像度の一部(例えば1/3)においてであるが、全ての色を持つことができる。結合された場合の全てのサイクルは、全体的な解像度を再構成する。このようにして、高度な動きが前記表示される画像内に存在する、又は前記観察者の目が動いている場合に、前記画像の低い解像度が、迷惑な色割れの代わりに知覚される(すなわち解像度割れ)。
【0018】
1つの構成において、前記第1のサイクルの第1の色及び第2の色は、赤、緑及び青のうち2つを有し、前記第2のサイクルの第1の色及び第2の色は、赤、緑及び青のうち2つを有する。この場合、3つの所要の色を一緒に提供する(1つの色は2回提供される)2つのサイクルのみであることができる。これは、150%の解像度の増加を表し(各画素は3つの代わりに2つのサブ画素を持つ)、2つのサブフレームが要求される。
【0019】
1つのサイクルの第1の色及び第2の色は、赤及び緑並びに他のサイクル1の第1の色及び第2の色を有することができる。これは、4:2:2の色解像度に対応する。
【0020】
他の構成において、少なくとも3つの照射サイクルが存在し、第1、第2及び第3の照射サイクル中に、画素が照射され、第1セットの画素がそれぞれの第1の色で照射され、第2セットの画素がそれぞれの第2の色で照射され、第3の画素セットがそれぞれの第3の色で照射される。
【0021】
この構成は、各サイクル中に3つ全ての色を提供し、(少なくとも)3つのサイクルを必要とする。これは、カラー画素として機能する従来のディスプレイのサブ画素に対応する面積に対して300%まで解像度を増加することができる。第1のサイクルないし少なくとも第3のサイクルは、前記ディスプレイのフレーム期間に対応するサイクルのグループを有し、サイクルの各グループにおいて、各画素は、赤、緑及び青で少なくとも1回照射される。
【0022】
異なる画素に対して異なる色の照射を提供することは、光を所定の画素セットに向ける配向装置を照射するのにカラー光源を使用することを有することができる。これは、パターン化されたバックライトではなく、パターン化された配向装置を必要とする。
【0023】
代替的には、異なる画素に異なる色の照射を提供することは、前記ディスプレイのそれぞれの所定の画素セットを照射するのに前記ディスプレイの後ろの別々の光源を使用することを有することができる。
【0024】
1つの構成において、3:1の高さ対幅のアスペクト比を持つ。各サイクル内の色パターンは、この場合、行方向の繰り返しパターンとして構成されることができる。前記方法は、特に、オートステレオスコピックディスプレイを駆動する場合に興味深い。このようなディスプレイは、液晶ディスプレイであることができる。
【0025】
本発明は、サイクルにおいてディスプレイの各画素を駆動するディスプレイ駆動回路をも提供し、前記ディスプレイは、出力画素を持ち、前記出力画素の各々は、少なくとも第1の色及び前記第1の色とは異なる第2の色の光出力を提供することができ、前記第1の色及び第2の色は、3つの異なる色のグループから選択され、前記回路は、
少なくとも第1及び第2の照射サイクルの各々の間に、前記画素が照射され、少なくとも第1セットの画素が、それぞれの第1の色で照射され、第2セットの画素が、それぞれの第2の色で照射され、前記2つのサイクルの第1の色及び第2の色が、合わせて、画像を形成する前記グループの3つ全ての色を含む、
ように前記ディスプレイを制御する手段を有する。
【0026】
一例において、駆動信号は、各画素が照射サイクルのグループによりアドレスされるように、バックライト制御と同期して前記画素に提供される。
【0027】
本発明は、画素のアレイ(43)と、本発明による駆動回路とを有するディスプレイをも提供する。
【0028】
本発明によるディスプレイの画素は、液晶画素のアレイを有することができ、前記ディスプレイは、前記液晶画素を照射するバックライト装置を有することができ、前記ディスプレイを制御する手段は、前記バックライトを制御し、各照射サイクルは、前記バックライトを使用して前記ディスプレイを照射することを有する。
【0029】
前記ディスプレイは、オートステレオスコピック画像を提供するオートステレオスコピックディスプレイであることができる。前記ディスプレイは、この目的で、ビュー配向装置を有することができ、前記ビュー配向装置は、前記画素の少なくとも一部を覆い、観察者がステレオスコピック画像を経験するように、これが覆う前記画素の出力を異なる方向に向ける。
【0030】
このようなオートステレオスコピックディスプレイの一例において、前記ビュー配向装置は、前記画素の列方向に対して平行な又は傾斜角で傾けられた細長い軸を持つ細長い透過スリット及び不透過ストライプを持つように成形されることができる(が、必ずしも必要ではない)視差バリアを有する。他の構造的フィーチャは、このようなディスプレイの特定の開示を参照して以下の詳細な説明において規定される。
【0031】
他の及び好適実施例において、前記ビュー配向装置は、前記画素を覆うレンチキュラ素子の形を取る。前記レンチキュラ素子は、前記画素の列方向に対して平行な又はある特定の傾斜角で傾けられた長い光軸を持つ半曲面(円柱形素子)であることができる。各レンチキュラ素子は、この場合、ディスプレイ画素の2より多い隣接した列のそれぞれのグループ(セット)を覆う。
【0032】
本発明の例は、添付の図面を参照して詳細にここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】既知のシーケンシャル駆動スキーム及び本発明のシーケンシャル駆動スキームの第1の例を概略的に示す。
【図1B】既知のシーケンシャル駆動スキーム及び本発明のシーケンシャル駆動スキームの第1の例を概略的に示す。
【図1C】既知のシーケンシャル駆動スキーム及び本発明のシーケンシャル駆動スキームの第1の例を概略的に示す。
【図2】本発明の駆動スキームを可能にするようにバックライトを実施する方法の一例を示す。
【図3】バックライト構成の第2の例を使用する駆動スキームの第2の例を示す。
【図4】本発明が適用されることができるオートステレオスコピックディスプレイ装置の動作を説明するのに使用される。
【図5】本発明のディスプレイ構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、とりわけ、時間においてシーケンシャルに実行される複数の駆動サイクルを有するシーケンシャル駆動スキームを提供し、複数の色が、異なる色が異なるサイクル内に異なる画素に提供されるように各駆動サイクルにおいて提供される。アドレシング期間を構成する完全な数のサイクルにわたり、各画素は、3つ全ての所要の色により照射される。画素毎に単一の画素素子が存在することができ、3つの異なる色により3回照射されるか、又は画素毎に2つのサブ画素素子が存在することができ、3つの異なる色が前記2つの細部画素において表されるように2回照射される。このようにして、色シーケンスは、空間的に及び時間的に交代される。
【0035】
図1は、標準的なカラーシーケンシャルLCD駆動スキーム(図1A)と比較した本発明のアプローチの一例(図1B)を概略的に示す。図1Aは、時間においてシーケンシャルに、及び時間軸(t)に沿って長方形により表されるように赤(R)、緑(G)及び青(B)で、駆動サイクル4、5及び6において照射される画素の3つのサブ画素1、2及び3を示す。駆動サイクル4、5及び6の各々は、単一の色を使用し、すなわち、結果として1サイクルにおいて1つの色で同時に全てのサブ画素1、2及び3の照射を生じる。これは、従来の構成であり、ディスプレイ解像度は、1つのサブ画素素子(画像内の1つの長方形)が3つのシーケンシャルサイクルにわたり単一の画素として駆動される場合に、最大化される。図1Bは、赤(R)、緑(G)及び青(B)で図1Aと同様に再び照射される画素の3つのサブ画素1'、2'及び3'を示す。しかしながら、ここで前記色は、空間的にインターリーブされる。したがって、各サイクル4、5及び6は、異なる画素(又は使用可能であれば画素のセット)に対して各色を使用する。再び、ディスプレイ解像度は、1つのサブ画素素子(画像内の1つの長方形)が、3つのシーケンシャルサイクルにわたり単一の画素として駆動される場合に、最大化される。したがって、1つのサイクル内で、複数の色が、図1Aの1つのみの代わりに出力される。1つの利点は、(画像又は観察者の)速い動きに応答して、画質の損失が、色割れではなく解像度割れとして見られることであり、これは、観察者にとって大幅に気を散らされないことがわかっている。
【0036】
このアプローチは、特に標準的な3:1の画素寸法に適している。各照射サイクルにおける空間パターンは、行方向における3つのサブ画素の周期を持つ交代を有する。これは、画素トリプレットが時間に対してRGB、GBR及びBRG構成の間で交代する標準的なLCDパネルのように見える。
【0037】
これは、図1Bの構成に対応する3つのサイクル(T=1ないし3)を示す図1Cに示される。
【0038】
しかしながら、インターリーブの方法の多くの他の可能な実施例が存在する。
【0039】
部分色シーケンシャルディスプレイは、2つのサイクルのみで、例えば時間及び位置においてインターリーブされた赤及び青のみで、実施されることもできる。このようにして、バランスが、色割れと解像度割れとの間で取られ、解像度ゲインは、300%の代わりに150%に制限される。反転された空間的配置の形式、例えば1つのサイクルにおけるRGB及び他のサイクルにおけるBGRが、この場合、使用されることができる。
【0040】
本発明は、異なる画素に使用される異なる色で、バックライト出力がパターン化されることを必要とする。
【0041】
これを実施する1つの方法は、図2に示され、前記画素は、これら自体ではカラーフィルタを持たない。前記ディスプレイは、3つの色を生成することができるバックライト装置を持つ。3つの画素パターンが存在し、光配向装置20、22、24は、各画素パターンに関連付けられる。第1のサイクル(T=1)において、緑の光(G)が、第1の光配向装置20に提供され、青の光(B)が、第2の光配向装置22に提供され、赤の光(R)が、第3の光配向装置24に提供される。第2のサイクル(T=2)において、赤の光(R)が、第1の光配向装置20に提供され、緑の光(G)が、第2の光配向装置22に提供され、青の光(B)が、第3の光配向装置24に提供される。第3のサイクル(T=3)において、青の光(B)が、第1の光配向装置20に提供され、赤の光(R)が、第2の光配向装置22に提供され、緑の光(G)が、第3の光配向装置24に提供される。
【0042】
前記光配向装置は、コリメートされた光を前記LCDパネルに向ける導光体を有することができる。
【0043】
光を前記導光体に提供する構成の一例は、RGB LEDシステムのセットである。1つのこのようなRGB LED光システムは、図2の例に対して、3つの別個のRGB LED光システムが存在するように、各サイクルに対して提供される。これらの各々は、要望に応じて赤、緑又は青の光を出力するように制御可能である。各LED光システムは、前記ディスプレイの片側においてそれぞれの導光体装置に結合される。
【0044】
前記導光体装置は、一緒に前記画素アレイに対応するアレイにおいて終了する光ファイババンドルを有することができる。図2からわかるように、各光ファイババンドルは、画素のサブアレイ、特に所定の時間において常に同じ色で照射される画素のサブアレイに対応する位置のセットにおいて終了する。
【0045】
図3は、小さなRGB LEDのアレイが前記LCDパネルの後ろに配置される構成を示す。これらのRGB LEDは、時間シーケンシャルにオンにされる。LEDの異なるグループは、空間的分離が存在するように、各サイクルにおいて使用される。前記空間的分離は、より大きなスケールで、例えば5画素毎に生じる。
【0046】
図3における長方形は、前記画素を表し、円は、前記LEDを表し、塗りつぶされた円は、オンにされたLEDを表し、文字R、G、Bは、前記色を示す。
【0047】
4サイクルスキームが示されている(T=1ないしT=4)。各LEDは、前記LED中心から離れると減少する強度で、画素の輪を照射する。処理は、前記LCDに投影されたLED光の正確な光分布に対処することができる。したがって、照射される光源のセットは、全ての(サブ)画素を照射すると見なされる。各サイクル中に、同数のLEDが照射される(交代行の各対に対して、一方の行は照射されず、他方の行のLEDの半分が照射され、サイクル毎に前記LEDの1/4を与える)。
【0048】
図3は、前記LCDの後ろのデルタ−ナブラLED分布である。より単純な構成が可能であるが、この特定の構成は、前記LEDバックライトの丸い外形と良好な互換性を達成し、形成された低解像度カラーグリッドの光学的均一性を提供する円形空間周波数応答を持つ。各LEDは、4サイクルにおいて1回のみ照射されるが、各サイクル中に、全ての画素は、異なる強度ではあるが、照射される。
【0049】
本発明は、特に、オートステレオスコピックディスプレイに対して興味深い。図4は、既知の直視型オートステレオスコピックディスプレイ装置41の概略的な斜視図である。既知の装置41は、表示を生成するように空間的光変調器として機能するアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイパネル43を有する。
【0050】
ディスプレイパネル43は、行及び列に配置されたディスプレイ画素45の直交アレイを持つ。明確性のため、少数のディスプレイ画素45のみが、図4に示されている。実際には、ディスプレイパネル43は、約一千行及び数千列のディスプレイ画素45を有することができる。
【0051】
液晶ディスプレイパネル43の構造は、全体的に従来型である。特に、パネル43は、離間された透明ガラス基板の対を有し、前記対の間に、配向ツイストネマチック又は他の液晶材料が提供される。前記基板は、対向する表面において透明なインジウムスズ酸化物(ITO)のパターンを持っている。偏光層も、前記基板の外側表面に設けられる。
【0052】
一例において、各ディスプレイ画素45は、前記基板上の対向電極及びその間に介在する液晶材料を有する。ディスプレイ画素45の形状及びレイアウトは、前記電極の形状及びレイアウトにより決定される。ディスプレイ画素45は、ギャップにより互いに規則的に離間される。
【0053】
各ディスプレイ画素45は、薄膜トランジスタ(TFT)又は薄膜ダイオード(TFD)のようなスイッチング素子に関連付けられる。前記ディスプレイ画素は、前記スイッチング素子にアドレシング信号を提供することにより表示を生成するように動作され、適切なアドレシングスキームは、当業者に既知である。
【0054】
ディスプレイパネル43は、光源47により照射される。従来の構成において、これは、ディスプレイ画素アレイの領域にわたり延在する平面バックライトを有する。光源47からの光は、ディスプレイパネル43を通るように向けられ、個別のディスプレイ画素45は、前記光を変調し、表示を生成するように駆動される。
【0055】
ディスプレイ装置41は、ディスプレイパネル43の表示側に配置され、ビュー形成機能を実行するレンチキュラシート49をも有する。レンチキュラシート49は、互いに平行に延在するレンチキュラ素子51の行を有し、1つのみが、明確性のために誇張された寸法で示されている。
【0056】
レンチキュラ素子51は、凸状円柱レンズの形式であり(しかしながら、楕円等のような他の形状が、本発明の効果を失うことなしに同等に使用されることができる)、これらは、ディスプレイパネル43からディスプレイ装置41の前に位置するユーザの目に異なる画像又はビューを提供する光出力配向手段として機能する。
【0057】
図4に示されるオートステレオスコピックディスプレイ装置41は、異なる方向において複数の異なる斜視図を提供することができる。特に、各レンチキュラ素子51は、各行における表示画素45の小さなグループを覆う。レンチキュラ素子51は、複数の異なるビューを形成するように、異なる方向にグループの各表示画素45を投影する。ユーザの頭部が左から右に移動すると、彼/彼女の目は、複数のビューの異なるものを受け取る。
【0058】
本例において、本発明の応用は、ビュー配向手段としてレンチキュラシートを使用するオートステレオスコピックディスプレイに関連して説明される。これは、例えばディスプレイ輝度に関して好適なオプションであるが、本発明は、前記ビュー配向手段として視差バリアを持つオートステレオスコピックディスプレイに、又は観察者により知覚される場合に前記観察者が画像、ビデオ等のステレオスコピック又はルックアラウンド表示を体験する結果となる異なるビューに異なる画素の視差出力を向ける他のオートステレオスコピックディスプレイにさえ同等に適用可能である。視差バリアベースのオートステレオスコピックディスプレイにおいて、前記ビュー配向手段は、レンチキュラの代わりに視差バリアの形を取り、これは、本質的に、交互に透明及び不透明の平行なストライプを持つシートである。前記ディスプレイにおいて、前記シートは、前記ストライプが、前記画素の列方向において、レンチキュラオートステレオスコピックディスプレイのレンチキュラと同様に、延在するように配向される。このようにして、画素の出力は、前記不透明ストライプの間の前記透明ストライプを通過することができるが、前記不透明ストライプ(バリア)によりブロックされる。このようにして、特定の画素の出力は、ビュー方向(ビュー)を表す特定の方向に向けられる。出力がディスプレイにより提供される正確な方向は、とりわけ、画素ピッチに対する交互のストライプのピッチ、並びに画素に対する前記シートの透明部分の横方向位置及び画素面に対する前記シートの距離に依存する。視差バリアオートステレオスコピックディスプレイの動作及び一般的な構成のより詳細な説明は、例えば、図1ないし3の説明により、このようなディスプレイの一例の構成を提供する、US715463(参照により組み込まれる)において与えられる。他の例は、US6859256又はWO2007/024118(両方とも参照により組み込まれる)の記載において提供される。本発明がここに前記された有利な効果とともに適用されることができるこのようなディスプレイの多くの例が、記載されている。
【0059】
図4の従来の構成は、前記バックライト及び前記画素出力の制御を前で説明したように修正することにより本発明によって補正されることができる。
【0060】
オートステレオスコピックディスプレイに対して、本発明は、より高い3D解像度及び深度知覚を可能にする。これは、特定のビューの異なる色が、シーケンシャルに観察者に送出されることができ、したがって空間的に異なる画素を必要としないという事実による。したがって、空間的に分散されていない画素が、ビューの1つの画像点を規定するのに使用される。同時に、ここに前記された利点が達成される。2Dディスプレイに対して、本発明は、効率を改良し、改良された輝度及び色域を可能にする。
【0061】
図5は、本発明のディスプレイ装置を示す。ディスプレイ駆動回路60は、上で説明したように前記サイクルにおいて画素アレイ43ディスプレイの各画素を駆動するのに提供され、バックライト47をも制御する。
【0062】
画素アレイ43は、2D LCDシステム又は3Dオートステレオスコピックディスプレイの一部であることができる。前記駆動回路は、従来のLCD駆動機能を実施するが、加えて、前記画素駆動を前記バックライトの照射と同期させる。前記LCD駆動回路の実施は、当業者にとって完全にルーチンである。したがって、前記駆動回路は、事実上コンピュータであるように、従来の電子素子によって、及び好ましくはマイクロ電子素子又は半導体電子チップから構築されることができる。このような駆動装置を操作するソフトウェアは、このような駆動回路の内部メモリに含まれることができるか又は電子メモリ(磁気ハードディスク、半導体メモリ)又はDC−ROM DVDのような光学メモリ又は前記駆動回路に接続又は挿入されることができる他のもののような別個の適切なソフトウェアキャリアに含まれることができる。
【0063】
上記の例は、液晶ディスプレイを使用する。上記の実施例は、本発明の動作を例示するのに役立つ。しかしながら、本発明の利点は、他の照射ディスプレイ技術が採用される場合に得られることができる。本発明の改良又は利点が、規定された要件で画素を持つ全てのディスプレイに提供されると理解される。これらは、LCD規定/ベースの画素である必要はない。したがって、複数の異なる色又は色スペクトルをシーケンシャルに発することができる画素を持つディスプレイが、使用されることができる。更に、本発明は、照射源及びシャッタ型画素化ディスプレイを使用するディスプレイ構成に適用される。LCDは、シャッタ型画素化ディスプレイの一例と見なされることができる。
【0064】
開示された実施例に対する他の変形例は、図面、開示及び添付の請求項の検討により、当業者により理解され、請求された発明を実施する際に達成されることができる。請求項において、単語"有する"は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞"ある"は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を満たしてもよい。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は一部として提供される光記憶媒体又は半導体媒体のような適切な媒体に記憶/分散されることができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムのような他の形式で配信されることもできる。請求項内の参照符号は、範囲を限定すると解釈されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力画素を持つディスプレイを駆動する方法において、前記出力画素の各々が、少なくとも第1の色及び前記第1の色とは異なる第2の色の光出力を提供することができ、前記第1の色及び第2の色が、3つの異なる色のグループから選択され、前記方法が、
前記ディスプレイの第1の照射サイクル及び第2の照射サイクルを順に実行するステップであって、各照射サイクルが、前記ディスプレイの前記画素を照射することを有し、少なくとも第1セットの画素が、第1の色で照射され、第2セットの画素が、第2の色で照射され、前記2つのサイクルの前記第1の色及び第2の色が、合わせて、画像を形成する前記グループの3つ全ての色を含む、当該ステップ、
を有する、方法。
【請求項2】
液晶ディスプレイを駆動する請求項1に記載の方法において、各照射サイクルが、バックライトを使用して前記ディスプレイを照射することを有する、方法。
【請求項3】
前記第1のサイクルの第1の色及び第2の色が、赤、緑及び青のうち2つを有し、前記第2のサイクルの第1の色及び第2の色が、赤、緑及び青のうち2つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
一方のサイクルの第1の色及び第2の色が、赤及び緑を有し、他のサイクルの第1の色及び第2の色が、青及び緑を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
カラー画素出力が、2つのサブ画素により規定されるカラー画素を用いて、2つの表示サイクルにおいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも3つの照射サイクルが存在し、
第1、第2及び第3の照射サイクル中に、前記画素が照射され、第1セットの画素がそれぞれの第1の色で照射され、第2セットの画素がそれぞれの第2の色で照射され、第3セットの画素がそれぞれの第3の色で照射される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の照射サイクルないし少なくとも第3の照射サイクルが、前記ディスプレイの画像ビルドアップ期間に対応するサイクルのグループを有し、サイクルの各グループにおいて、各画素が、赤、緑及び青で少なくとも1回照射される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
異なる画素に異なる色の照射を提供することが、
光の所定のセットの画素に向ける配向装置を照射するのに色付き光源を使用すること、又は
前記ディスプレイのそれぞれの所定のセットの画素を照射するのに前記ディスプレイの後ろの別個の光源を使用すること、
を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
オートステレオスコピックディスプレイを駆動する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コンピュータ上で実行される場合に請求項1に記載の全てのステップを実行するコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【請求項11】
ディスプレイの各画素をシーケンシャルなサイクルで駆動するディスプレイ駆動回路において、前記ディスプレイが、出力画素を持ち、前記出力画素の各々が、少なくとも第1の色及び前記第1の色とは異なる第2の色の光出力を提供することができ、前記第1の色及び第2の色が、3つの異なる色のグループから選択され、前記駆動回路が、
少なくとも第1及び第2の照射サイクル中に、前記画素が照射され、少なくとも第1セットの画素が、それぞれの第1の色で照射され、第2セットの画素が、それぞれの第2の色で照射され、前記2つのサイクルの第1の色及び第2の色が、合わせて、画像を形成する前記グループの3つ全ての色を含む、
ような前記ディスプレイを制御する手段を有する、駆動回路。
【請求項12】
液晶ディスプレイに対する請求項11に記載の駆動回路において、前記ディスプレイを制御する手段が、バックライトを制御し、各照射サイクルが、前記バックライトを使用して前記ディスプレイを照射することを有する、駆動回路。
【請求項13】
各画素が照射サイクルのグループによりアドレスされるように、前記バックライトの制御と同期して前記画素に駆動信号を提供する手段を有する、請求項12に記載の駆動回路。
【請求項14】
画素のアレイと、
請求項11に記載の駆動回路と、
を有するディスプレイ。
【請求項15】
前記画素のアレイが、液晶画素のアレイを有し、前記ディスプレイが、前記液晶画素を照射するバックライト装置を有し、前記ディスプレイを制御する手段が、前記バックライトを制御し、各照射サイクルが、前記バックライトを使用して前記ディスプレイを照射することを有する、請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項16】
オートステレオスコピック画像を提供する請求項14又は15に記載のディスプレイにおいて、前記ディスプレイが、前記ディスプレイ画素の少なくとも一部を覆い、観察者がステレオスコピック画像を経験するように、覆っている画素の出力を異なる方向に向けるビュー配向装置を有する、ディスプレイ。
【請求項17】
前記ビュー配向装置が、視差バリア又はレンチキュラ素子を有する、請求項16に記載のディスプレイ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−521015(P2012−521015A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500341(P2012−500341)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051004
【国際公開番号】WO2010/106463
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】