説明

カラーフィルター用着色組成物およびその製造方法

【課題】耐薬品性や耐熱性を有し、かつ、ジェッティング時の吐出精度が高いカラーフィルター用着色組成物が求められている。また、分散性や安定性に優れているカラーフィルター用着色組成物が求められている。
【解決手段】重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)、特定の構造を有するエポキシ樹脂(C)および顔料(B)を含むカラーフィルター用着色組成物により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルター用着色組成物およびその製造方法に関する。また、本発明は、カラーフィルター用着色組成物を用いて製造されたカラーフィルター、カラーフィルターを用いた液晶表示素子および固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示素子等のカラーフィルターにおいて、基板にカラーフィルター用組成物から得られる膜を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等が知られている。現在、フォトリソグラフィー法がカラーフィルターの製造方法の主流であるが、近年の表示素子の大画面化に伴い、製造工程が比較的少なく、コストを低く抑えることができるインクジェット法が注目されている。
【0003】
一般的に、インクジェット法によって吐出されるインクの吐出量、吐出直後のインクの液柱の形状および吐出スピード等の精度(以下、「吐出精度」という)を向上させることが求められる。しかしながら、インクジェット法により、基板にカラーフィルター用組成物から得られる膜を形成する場合、吐出精度が低いため、サテライト(インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク滴で、主インク滴から分離したインク滴)が発生していた。その結果、予定している画素にジェッティングすることが難しく、赤色、緑色および青色が混ざり合う欠点を有していた。
【0004】
そこで、このようなサテライトを防止しインクジェット法における吐出性を向上させるために、2官または3官能エポキシとバインダー樹脂を配合したインクジェット用インクが開発されている[たとえば、特開2001−350012号公報(特許文献1),特開2004−220036号公報(特許文献2)を参照]。
【0005】
他方、カラー液晶表示素子の製造工程における、ITOスパッタリング工程や配向膜形成工程等において、カラーフィルターは有機溶剤、酸、アルカリ溶液等の種々の薬品に接触すること、カラーフィルターの表面が局部的に高温に加熱されること等がある。このような薬品との接触や加熱等により、カラーフィルターに、劣化、損傷、変質が生じることがあるが、カラー液晶表示素子の大型化に伴い、各製造工程においての耐薬品性や耐熱性への要求が厳しくなっている。
【0006】
しかしながら、ジェッティング時の吐出精度を維持しながら、各製造工程においての耐薬品性や耐熱性を満たすカラーフィルター用着色組成物が開発されていなかった。
【特許文献1】特開2001−350012号公報
【特許文献2】特開2004−220036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の状況の下、たとえば、耐薬品性や耐熱性を有し、かつ、ジェッティング時の吐出精度が高いカラーフィルター用着色組成物が求められている。また、分散性や安定性に優れているカラーフィルター用着色組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、カラーフィルター用着色組成物に特定の構造を有するエポキシ樹脂を用いることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のようなカラーフィルター用着色組成物およびその製造方法等を提供する。
【0009】
[1] 酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)と他のラジカル重合性モノマー(a2)とを重合させてポリマーを合成した後に、アルコール(a3)を混合し、重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)を合成する工程、
化合物(A)と下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂(C)と顔料(B)を混合してカラーフィルター用着色組成物を製造する工程を含む、カラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【化7】

(式(1)中、
Xはそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜10のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは式(1B)で表される基であり、
1はそれぞれ独立して水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
kは0〜2の整数であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意のメチレンは−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンと炭素数1〜10のアルキレンの任意のメチレンが−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基において、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。)
[2] 酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)が無水マレイン酸である、[1]に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
[3] 他のラジカル重合性モノマー(a2)が、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよびスチレンからなる群から選ばれる1種以上である、[1]または[2]に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
[4] 他のラジカル重合性モノマー(a2)がスチレンである、[1]または[2]に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
[5] アルコール(a3)が1価アルコールである、[1]〜[4]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
[6] アルコール(a3)が、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンからなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
[7] アルコール(a3)がシクロヘキシルアルコールである、[1]〜[4]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【0010】
[8] 酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)である無水マレイン酸と、他のラジカル重合性モノマー(a2)であるスチレンとを重合させてポリマーを合成した後に、アルコール(a3)であるシクロヘキシルアルコールを混合し、重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)を合成する工程、
化合物(A)、下記式(1−1)で表される化合物と式(1−2)で表される化合物の混合物であるエポキシ樹脂(C)、顔料(B)、および、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる1種以上を含む溶媒(G)を混合してカラーフィルター用着色組成物を製造する工程を含む、カラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【化8】

[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法で得られるカラーフィルター用着色組成物。
【0011】
[10]重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)、式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂(C)および顔料(B)を含むカラーフィルター用着色組成物。
【化9】

(式(1)中、
Xはそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜10のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは式(1B)で表される基であり、
1はそれぞれ独立して水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
kは0〜2の整数であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意のメチレンは−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンと炭素数1〜10のアルキレンの任意のメチレンが−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基において、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。)
[11] 式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、塩素または炭素数1〜3のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜5のアルキレンであり、
nはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、
kはそれぞれ独立して0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜3のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜5のアルキレンの任意のメチレンは−O−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜5のアルキレンと炭素数1〜5のアルキレンの任意のメチレンが−O−で置き換えられた基において、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい、
[10]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
[12] 式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、塩素または炭素数1または2のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1または2のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは(1B)で表される基であり、
nはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、
kは0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1もしくは2のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1または2のアルキレンの任意のメチレンは−O−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1または2のアルキレンと炭素数1または2のアルキレンの任意のメチレンが−O−で置き換えられた基において、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい
[10]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
[13] 式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、または炭素数1〜2のアルキルであり
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−、または炭素数1または2のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは(1B)で表される基であり、
1は水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0または1の整数であり、
kは0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1または2のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1もしくは2のアルキレンである
[10]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【0012】
[14] エポキシ樹脂(C)が、下記式(1−1)で表される化合物を含む、[10]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化10】

[15] エポキシ樹脂(C)が、さらに下記式(1−2)で表される化合物を含む、[14]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化11】

[16] 化合物(A)が、下記式(2)で表される構成単位と、下記式(3)で表される構成単位を有する、[10]〜[15]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化12】

【0013】
[17] 沸点が180℃以上である溶媒(G)をさらに含む、[9]〜[16]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
[18] 溶媒(G)が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび3−メトキシプロピオン酸メチルから選ばれる1種以上である、[17]に記載のカラーフィルター用着色組成物。
[19] 重合性二重結合を有する化合物(D)および光開始剤(E)をさらに含む、[9]〜[18]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
[20] インクジェットで塗布される、[9]〜[19]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物
[21] [1]〜[20]のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物から得られるカラーフィルター。
[22] [21]に記載のカラーフィルターを用いた液晶表示素子。
[23] [21]に記載のカラーフィルターを用いた固体撮像素子。
【発明の効果】
【0014】
本発明の好ましい態様に係わるカラーフィルター用着色組成物は、分散性や安定性に優れている。また、本発明の好ましい態様のカラーフィルター用着色組成物は、インクジェット用の着色組成物として用いることができ、該インクジェットインク組成物のジェッティング時の吐出精度が高く、優れたインクジェット適性を有する。
【0015】
本発明の好ましい態様のカラーフィルター用着色組成物を硬化して得られるカラーフィルターは堅牢性に優れ、耐薬品性、耐熱性が高く、コントラストも高い。また、本発明の好ましい態様のカラーフィルター用着色組成物は、耐薬品性や耐熱性を有し、かつ、ジェッティング時の吐出精度が高い。
【0016】
また、本発明の好ましい態様のカラーフィルター用着色組成物をインクジェットインク組成物として用いることで、カラーフィルターの製造時に発生するアウトガスの量を少なくして、液晶組成物への影響を低減させることができ、信頼性の高いカラー液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
1 カラーフィルター用着色組成物
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)、式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂(C)および顔料(B)を含む。
本発明の好ましい態様のカラーフィルター用着色組成物は、均一なカラーフィルターを形成するという観点から、顔料(B)がコロイドまたは平均粒径10μm以下の粒子である、または、粒子の凝集体として溶媒(G)に分散していることが好ましい。本発明のカラーフィルター用着色組成物における、顔料(B)の分散度は特に限定されないが、均一なカラーフィルターを形成するという観点から、平均粒径が1μm以下の粒子が凝集せずに均一に分散している着色組成物が好ましい。
また、本発明のカラーフィルター用着色組成物は、さらに重合性二重結合を有する化合物(D)、光重合開始剤(E)、溶媒(G)、その他の添加剤等を任意に含んでもよい。
【0018】
1.1 化合物(A)
化合物(A)は、重量平均分子量1000〜50000で、酸価が100〜300mgKOH/gであれば特に限定されない。なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準としてGPCで測定した値であり、酸価はJISK0070法で測定された値とする。
【0019】
化合物(A)の製造方法は特に限定されないが、たとえば、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)と他のラジカル重合性モノマー(a2)とを重合させた後に、当該反応系にアルコール(a3)を投入することによって合成できる。
【0020】
酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)と他のラジカル重合性モノマー(a2)との共重合体の組成比(モル)は、1:1〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:4であると、本発明の着色組成物を硬化して得られる硬化膜の耐熱性が良好であるのでより好ましい。
また、ラジカル重合性モノマー(a1)と他のラジカル重合性モノマー(a2)とを重合して得られたポリマー中に残存する酸無水物基に対して、反応するOHが50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%となる量のアルコール(a3)が投入されると、得られる着色組成物が硬化した硬化膜の耐熱性が向上するので好ましい。
【0021】
化合物(A)は、好ましくは、上記式(2)で表される構成単位と、上記式(3)で表される構成単位を有する。化合物(A)の好ましい具体例としては、川原油化(株)製のSMA17352を挙げることができる。SMA17352はラジカル重合成モノマー(a1)として無水マレイン酸、他のラジカル重合成モノマー(a2)としてスチレンおよびアルコール(a3)としてシクロヘキシルアルコールを用いて合成される化合物であり、その重量平均分子量は7000(製造元のカタログ値)である。
【0022】
本発明のカラーフィルター用着色組成物中、化合物(A)は、カラーフィルター用着色組成物全体の1〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
【0023】
(1) 酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)
化合物(A)を合成するために用いることができる酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)としては、酸無水物基を有していれば特に限定されないが、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物等を挙げることができる。
これらの中でも、マレイン酸無水物を用いると、本発明の着色組成物を硬化して得られる硬化膜の耐熱性が向上するので好ましい。
【0024】
酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)は、1種の化合物でも、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0025】
(2) 他のラジカル重合性モノマー(a2)
化合物(A)を合成するために用いることができる他のラジカル重合性モノマー(a2)は、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)以外のラジカル重合性モノマーであれば、特に限定されない。
他のラジカル重合性モノマー(a2)の具体例としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、スチレン、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルメチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンおよび3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンを挙げることができる。
【0026】
これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよびスチレンを用いると、本発明の着色組成物を硬化して得られる硬化膜の耐熱性が高くなるので好ましく、各種溶剤への相溶性に優れているスチレンが特に好ましい。
【0027】
他のラジカル重合性モノマー(a2)は、1種の化合物でも、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0028】
(3) アルコール(a3)
化合物(A)を合成するために用いることができるアルコール(a3)は特に限定されないが、具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを挙げることができる。
【0029】
これらの中でも、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンは各種溶媒への溶解性が高いことから好ましく、本発明の着色組成物を硬化して得られる硬化膜の耐熱性が向上する点から、シクロヘキシルアルコールが特に好ましい。
【0030】
なお、アルコール(a3)は、1種の化合物でも、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0031】
1.2 エポキシ樹脂(C)
エポキシ樹脂(C)は、式(1)で表される化合物を含めば特に限定されない。
また、エポキシ樹脂(C)は、1種の化合物でも、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0032】
エポキシ樹脂(C)は、式(1)で表される化合物の中でも、式(1−1)で表される化合物(2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン)、式(1−2)で表される化合物(1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノール)、または、式(1−1)で表される化合物と式(1−2)で表される化合物との混合物であると、得られる着色組成物を硬化して製造される硬化膜の耐熱性が向上するため好ましい。
【0033】
式(1−1)で表される化合物と式(1−2)で表される化合物との混合物が、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)として市販されている。
【0034】
本発明のカラーフィルター用着色液には、エポキシ樹脂(C)として、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂が含まれてもよい。エポキシ樹脂(C)中、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂は、カラーフィルター用着色組成物中に含まれるエポキシ樹脂(C)全体の50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがさらに好ましく、30重量%以下であることが特に好ましい。
【0035】
エポキシ樹脂(C)に含まれる、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂としては、カラーフィルター用着色組成物を構成する他成分との相溶性が高いことが好ましい。式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂の具体例としては、エポキシ基を有するモノマーの単独重合体、エポキシ基を有する2種以上のモノマーの共重合体、エポキシ基を有するモノマーとエポキシ基を有さないモノマーとの共重合体、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0036】
エポキシ基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレートまたはメチルグリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0037】
エポキシ基を有さないモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレンおよびN−置換マレイミド化合物(たとえば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド)を挙げることができる。
【0038】
エポキシ樹脂(C)に含まれる、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂の一例であるエポキシ基を有するモノマーとエポキシ基を有さないモノマーとの共重合体における各モノマーの割合は、エポキシ基を有するモノマーが30モル%以上であると耐薬品性に優れるので好ましい。また、エポキシ基を有するモノマーが50モル%以上であるとさらに好ましい。
【0039】
エポキシ基を有するモノマーの単独重合体、エポキシ基を有する2種以上のモノマーの共重合体、またはエポキシ基を有するモノマーとエポキシ基を有さないモノマーとの共重合体の分子量は、重量平均分子量で1,000〜100,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。これらの範囲にあれば、溶剤に対する溶解性が優れ、それらを含むカラーフィルター用着色組成物としての粘度が低下するため、インクジェットインク組成物としてジェッティングした際に吐出精度が向上し、サテライトが抑制される。
【0040】
エポキシ樹脂(C)に含まれる、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、N−ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体およびN−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
【0041】
エポキシ樹脂(C)に含まれる、式(1)で表される化合物以外のエポキシ樹脂であって、市販されている好ましいエポキシ樹脂としては、JER807、JER815、JER825、JER827、JER828、JER190P、JER191P、JER1004、JER1256(以上商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER 152、154(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、103S、104S、1020(商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名、ダイセル化学工業(株)製)またはCY184(商品名;チバ・ジャパン(株)製)を挙げることができる。
【0042】
本発明のカラーフィルター用着色組成物中、エポキシ樹脂(C)は、カラーフィルター用着色組成物全体の1〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
【0043】
1.3 顔料(B)
本発明の着色組成物に含まれる顔料(B)として、有機顔料と無機顔料のどちらを用いてもよいが、本発明の着色組成物から得られるカラーフィルターにおける色純度、耐薬品性、耐熱性等を向上させるため有機顔料を用いることが好ましい。
【0044】
顔料(B)に用いられる有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントオレンジ43およびC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7のカラーインデックス番号が付けられているものを挙げることができる。
【0045】
顔料(B)に用いられる無機顔料の具体例としては、酸化チタン、チタンブラックおよびカーボンブラックを挙げることができる。
【0046】
また、顔料(B)は、単独でも、2種以上の混合物であってもよい。
【0047】
本発明のカラーフィルター用着色組成物中、顔料(B)は、カラーフィルター用着色組成物全体の1〜80重量%であることが好ましく、1〜60重量%であることがさらに好ましい。
【0048】
1.4 溶媒(G)
本発明のカラーフィルター用着色組成物をインクジェットインク着色組成物として使用する場合、ノズルの詰まりを生じにくくするために、前記組成物は溶媒(G)を含むことが好ましい。溶媒(G)は180℃以上の沸点を有することが好ましく、180〜250℃の沸点を有することがさらに好ましい。
【0049】
溶媒(G)の具体例としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルおよびN−メチル−2−ピロリドンを挙げることができる。
【0050】
これらの中でも、溶媒(G)として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルが好ましい。
【0051】
溶媒(G)は単独でも、2種類以上の混合溶媒として使用できる。また、上記溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
【0052】
本発明のカラーフィルター用着色組成物の固形分は、当該組成物を硬化して得られるカラーフィルターの膜厚により選択することになるが、該カラーフィルター用組成物100重量部中に、好ましくは5〜50重量部(溶媒は95〜50重量部)、より好ましくは10〜40重量部(溶媒は95〜60重量部)、さらに好ましくは15〜35重量部(溶媒は95〜65重量部)含まれる。
【0053】
1.5 重合性二重結合を有する化合物(D)
本発明のカラーフィルター用着色組成物は重合性二重結合を有する化合物(D)を含んでもよい。
重合性二重結合を有する化合物としては、重合性二重結合を1個以上有すれば特に限定されるものではないが、(メタ)アクリロイル基を1個以上有していることが好ましい。
【0054】
重合性二重結合を有する化合物(D)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]プロパン、(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグルセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレートおよびウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
これらの重合性二重結合を有する化合物(D)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0055】
また、重合性二重結合を有する化合物(D)が、(メタ)アクリロイル基を2〜20個有する化合物を50重量%以上含有していると、得られる着色組成物の硬化速度が向上するため好ましい。また、重合性二重結合を有する化合物が、(メタ)アクリロイル基を4〜20個有する化合物を50重量%以上含有していると、さらに硬化速度が向上し、一層好ましい。
(メタ)アクリロイル基を4〜20個有する化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0056】
本発明のカラーフィルター用着色組成物中、重合性二重結合を有する化合物(D)は、カラーフィルター用着色組成物全体の1〜40重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがさらに好ましい。
【0057】
1.6 光重合開始剤(E)
本発明のカラーフィルター用着色組成物は光重合開始剤(E)を含んでもよい。光重合開始剤(E)としては、光によりラジカルを発生させる性質を有する限り、特に限定されるものではない。
光重合開始剤(E)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1,2−オクタジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンおよび4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)を挙げることができる。
【0058】
これらの中でも、光重合開始剤(E)として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)等が好ましい。
【0059】
光重合開始剤(E)は、重合性二重結合を有する化合物(D)100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1.0〜20重量部添加して用いられる。
【0060】
光重合開始剤(E)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0061】
本発明のカラーフィルター用着色組成物中、光重合開始剤(E)は、カラーフィルター用着色組成物全体の0.1〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
【0062】
1.7 その他の添加剤
本発明のカラーフィルター用着色組成物またはカラーフィルター用着色組成物は、必要に応じて上記以外のその他の添加物を含有してもよい。このようなその他の添加物として、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤等が挙げられる。
【0063】
(1)分散剤
分散剤は、たとえば、顔料(B)を溶媒中に均一に分散させるために用いることができる。分散剤としては、たとえば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アクリル系高分子顔料分散剤、シリコン系高分子顔料分散剤、ポリエステル系高分子顔料分散剤、エチレンイミン系高分子顔料分散剤を用いることができる。分散剤としては、具体的には、ルーブリゾール(株)製ソルスパース32000、ソルスパース24000、ソルスパース20000等を用いることが好ましい。
分散剤は、顔料(B)に対して好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜60重量部添加して用いられる。分散剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0064】
(2)カップリング剤
カップリング剤は、たとえば、基板との密着性を向上させるために用いることができる。カップリング剤としては、たとえば、シラン系、アルミニウム系またはチタネート系等の化合物を用いることができる。シラン系のカップリング剤としては3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、アルミニウム系のカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができ、チタネート系のカップリング剤としては、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等を挙げることができる。
これらの中でも、カップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いると、カラーフィルター用着色組成物から得られるカラーフィルターのガラス基板に対する密着性を向上させることができるから好ましい。
【0065】
カップリング剤は、本発明のカラーフィルター用着色組成物の固形分100重量部に対し、好ましくは0〜20重量部、より好ましくは0〜10重量部、さらに好ましくは0〜5重量部含まれる。カップリング剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0066】
界面活性剤は、たとえば下地基板への濡れ性を向上させるために用いることができ、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤等を用いることができる。具体的には、シリコン系としては、Byk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、またはByk−370(それぞれ商品名;ビック・ケミー(株)製)等が挙げられ、アクリル系としては、Byk−354、ByK−358、またはByk−361(それぞれ商品名;ビック・ケミー(株)製)等が挙げられ、フッ素系としては、DFX−18、フタージェント250、またはフタージェント251(それぞれ商品名;ネオス(株)製)等を挙げることができる。
【0067】
界面活性剤は、本発明のカラーフィルター用着色組成物の固形分100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部含まれる。界面活性剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0068】
(3)酸化防止剤
酸化防止剤は、たとえば透明性の向上、カラーフィルターが高温にさらされた場合の黄変を防止するために用いることができ、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤等を用いることができる。酸化防止剤としては、たとえば、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(それぞれ商品名;チバ・ジャパン(株)製)等を挙げることができる。
【0069】
酸化防止剤は、本発明のカラーフィルター用組成物の固形分100重量部に対し、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0〜3重量部、さらに好ましくは0〜1重量部含まれる。酸化防止剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0070】
(4)光安定剤
光安定剤は、たとえば紫外線エネルギーによって生じる有害なフリーラジカルを捕捉し、色純度の変化を防止するために用いることができ、ヒンダードアミン系等を用いることができる。光安定剤としては、たとえば、TINUVIN 111 FDL、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100、TINUVIN 5050、TINUVIN 5060、TINUVIN 5151(それぞれ商品名;チバ・ジャパン(株)製)等を挙げることができる。
光安定剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0071】
(5)加工安定剤
加工安定剤は、たとえばカラーフィルターが高温にさらされた場合の色純度変化を防止するために用いることができ、リン系の加工安定剤等を用いることができる。加工安定剤としては、たとえば、IRGAFOS XP40、IRGAFOS XP60(それぞれ商品名;チバ・ジャパン(株)製)等を挙げることができる。
加工安定剤は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0072】
1.8 カラーフィルター用着色組成物の硬化性
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、基板に塗布された後に硬化されて用いられる。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、硬化に加熱だけを用いる熱硬化性の着色組成物と、硬化に光の照射を用いる光硬化性の着色組成物を含む。
【0073】
(1) 熱硬化性カラーフィルター用着色組成物
本発明のカラーフィルター用着色組成物の一態様は熱硬化性の組成物である。
熱硬化性のカラーフィルター用着色組成物は、たとえば、加熱により化合物(A)が有するカルボンキシル基とエポキシ樹脂(C)とが反応して、着色組成物から得られるカラーフィルターの色純度、耐熱性、耐薬品性が向上する。
化合物(A)と顔料(B)とエポキシ樹脂(C)の合計重量を100重量部とした場合における化合物(A)の重量部(A重量部)、顔料(B)の重量部(B重量部)およびエポキシ樹脂(C)の重量部(C重量部)の間には、下記の数式(3)と数式(4)の関係が成立することが好ましい。
0.05≦B/(A+C)≦5.0・・・・(3)
0.02≦C/A≦4.0・・・・・・・・(4)
上記関係が成立していると、本発明の着色組成物をジェッティングした時のインクジェット特性、本発明の着色組成物から得られるカラーフィルターの色純度、耐熱性および耐薬品性のバランスが良好になるので好ましい。
【0074】
数式(3)の「B/(A+C)」は、より好ましくは0.1〜3.0であり、さらに好ましくは0.5〜2.0である。また、数式(4)の「C/A」は、より好ましくは0.05〜3.0であり、さらに好ましくは0.1〜2.0である。
【0075】
(2) 光硬化性カラーフィルター用着色組成物
本件発明のカラーフィルター用着色組成物の一態様は光硬化性の組成物である。
光硬化性カラーフィルター用着色組成物は、少なくとも化合物(A)、顔料(B)、エポキシ樹脂(C)、重合性二重結合を有する化合物(D)および光重合開始剤(E)とを含有する。
光硬化性カラーフィルター用着色組成物は、たとえば、光照射により光重合開始剤(E)を開始剤として重合性二重結合を有する化合物(D)が重合した後、さらに、加熱により化合物(A)が有するカルボン酸とエポキシ樹脂(C)とが反応して、着色組成物から得られるカラーフィルターの色純度、耐熱性、耐薬品性が向上する。
化合物(A)と顔料(B)とエポキシ樹脂(C)の合計重量を100重量部とした場合における化合物(A)の重量部(A重量部)、顔料(B)の重量部(B重量部)およびエポキシ樹脂(C)の重量部(C重量部)の間には、下記の数式(5)と数式(6)と数式(7)の関係が成立することが好ましい。
0.05≦B/(A+C+D)≦5.0・・・(5)
0.02≦(C+D)/A≦4.0・・・・・(6)
0.1≦C/D≦4.0・・・・・・・・・・(7)
上記関係が成立していると、本発明の着色組成物をジェッティングした時のインクジェット特性、本発明の着色組成物から得られるカラーフィルターの色純度、耐熱性および耐薬品性のバランスが良好になるので好ましい。
【0076】
数式(5)の「B/(A+C+D)」は、より好ましくは0.1〜3.0であり、さらに好ましくは0.5〜2.0である。また、数式(6)の「(C+D)/A」は、より好ましくは0.05〜3.0であり、さらに好ましくは0.1〜2.0である。また、数式(7)の「C/D」は、より好ましくは0.5〜3.0であり、さらに好ましくは1.0〜2.0である。
【0077】
1.9 粘度
本発明のカラーフィルター用着色組成物の粘度は特に限定されないが、25℃における粘度適性範囲は、好ましくは3〜200mPa・sであり、より好ましくは5〜100mPa・sであり、さらに好ましくは7〜50mPa・sである。
また、本発明のカラーフィルター用着色組成物をインクジェット組成物として用いる場合には、そのインクジェット吐出温度において、好ましくは5〜40mPa・sであり、より好ましくは7〜30mPa・sであり、さらに好ましくは10〜20mPa・sである。
【0078】
2 カラーフィルター
本発明のカラーフィルターは、カラーフィルター用着色組成物を、たとえば、ブラックマトリックスを設けた基板表面へ塗布し、当該組成物を硬化させることによって得ることができる。
基板表面への塗布の方法は特に限定されないが、インクジェット法によって、吐出ヘッドから本発明の着色組成物を基板表面に塗布することが好ましい。
【0079】
着色組成物を基板表面に塗布した後に、当該着色組成物を硬化させるが、硬化方法としては、たとえば、加熱して硬化させる方法、または、光の照射後に加熱して硬化させる方法が挙げられる。本発明の着色組成物が熱硬化性である場合には、加熱して硬化する方法が用いられ、他方、本発明の着色組成物が光硬化性である場合には、光の照射後に加熱して硬化させる方法が用いられることが好ましい。
【0080】
本発明の着色組成物に光を照射せずに、加熱だけで硬化させる場合、たとえば、基板に塗布された着色組成物をホットプレートまたはオーブン等で加熱して硬化膜を得ることができる。加熱条件は着色組成物を構成する成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃に、オーブンで5〜15分間またはホットプレートで1〜5分間加熱した後に、180〜250℃、好ましくは200〜250℃に、オーブンで30〜90分間またはホットプレートで5〜30分間、再び加熱することによって、硬化膜が形成される。
【0081】
本発明の着色組成物を光の照射後に加熱することによって硬化させる場合、各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃に、オーブンで5〜15分間またはホットプレートで1〜5分間加熱して乾燥させた後に、紫外領域から可視光領域の波長の光(これらの中でも紫外線が好ましい)を照射する。照射量はi線で5〜1000mJ/cm2が好ましい。光を照射後に、180〜250℃、好ましくは200〜250℃に、オーブンで30〜90分間またはホットプレートで5〜30分間、再び加熱することによって硬化膜が形成される。
【0082】
このようにして、基板上に、本発明の着色組成物に基づく硬化膜を形成した後、必要に応じて、保護膜用組成物を塗布する工程、これに続く乾燥工程および架橋反応に必要な加熱処理する工程を経て、本発明のカラーフィルターを製造できる。そして、必要に応じて、カラーフィルターを構成する保護膜上に配向膜が形成され、これを配向処理する工程が行われる。
【0083】
配向処理工程での配向処理方法としてはラビング法、光配向法、転写法等の一般に知られている方法が用いられる。
本発明で特に好ましく用いることのできる配向処理方法は、ラビング法であり、本発明の目的が達成される範囲内である限りどのようなラビング処理条件であってもよい。特に好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/s、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。
【0084】
本明細書中、「基板」は、本発明の熱硬化性組成物が塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよい。
また、本発明に使用できる基板の材質は特に限定されないが、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、ポリイミドと金属箔の積層フィルム、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、あるいはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)等で目止め処理した紙、ガラス等を挙げることができる。なお、これらの基板を構成する物質には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、さらに、顔料、染料、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤および/または電磁波防止剤等の添加剤を含んでもよい。
【0085】
上記の基板の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、使用する目的により適宜調整されるが、15μm〜1.2mmが好ましく、20μm〜0.8mmがさらに好ましい。
【0086】
上記の基板の硬化膜形成用面には、必要によりコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理等の易接着処理を施したり、表面に易接着層を設けてもよい。
【0087】
3 液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、互いに対向して配置される一対の基板間をスペーサーによって所定幅に規制しその間隙に液晶材料が封入(封入部分を液晶層と称する)された液晶表示素子であり、その液晶層の厚さを一定に保持するために基板上に配置されるスペーサーが、既述した本発明の感光性樹脂転写材料を用いて形成されたものである。すなわち、前記一対の基板の一方として既述の本発明の液晶表示素子用基板を用いて構成したものである。
【0088】
液晶表示素子における液晶としては、STN型、TN型、GH型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、MVA型、ASM型、IPS型、OCB型、AFFS型その他種々のものが好適に挙げられる。本発明の液晶表示素子は、IPS型、MVA型、AFFS型、OCB型等のセルギャップ均一性が特に要求される方式に対して特に適している。
【0089】
本発明の液晶表示素子の基本的な構成態様としては、1)薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルターおよび対向電極(導電層)を備えたカラーフィルター側基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、2)カラーフィルターが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルター一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、等を挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は、各種液晶表示機器に好適に適用することができる。
【実施例】
【0090】
次に本発明を合成例、実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によってなんら限定されるものではない。
【0091】
[赤色着色液の調製]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「DB」という)20gにルーブリゾール(株)製ソルスパース32000を5g溶解し、C.I.ピグメントレッド254を12gとC.I.ピグメントイエロー139を3g加えて3本ロールミルで混練した後、DB40gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20時間攪拌した。この液をテフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(1μm)で濾過して赤色着色液を得た。
【0092】
[緑色着色液の調製]
DB20gにルーブリゾール(株)製ソルスパース32000を5g溶解し、C.I.ピグメントグリーン36を12gとC.I.ピグメントイエロー150を8g加えて3本ロールミルで混練した後、溶媒として2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオールモノイソブチレート(チッソ(株)製 CS−12)を40gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20時間攪拌した。この液をテフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(1μm)で濾過して緑色着色液を得た。
【0093】
[青色着色液の調製]
DB20gにルーブリゾール(株)製ソルスパース32000を5g溶解し、C.I.ピグメントブルー15:6を20g加えて3本ロールミルで混練した後、DB60gと直径0.5mmのジルコニアビーズ400gを加えてサンドミルで20時間攪拌した。この液をテフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(1μm)で濾過して青色着色液を得た。
【0094】
次に、上記式(1)で表される化合物ではないエポキシ樹脂C1を以下に示すように合成した。
【0095】
[エポキシ樹脂C1の調製]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mLの四つ口フラスコに、DB100mL、グリシジルメタクリレート30g、N−シクロヘキシルマレイミド30gおよびアゾビスイソブチロニトリル4.8gを仕込み、乾燥窒素気流下100℃で3時間攪拌し、エポキシ樹脂を調製した(エポキシ樹脂C1)。GPCで分析したポリエチレンオキシド標準の重量平均分子量は3000であった。
【0096】
このようにして得られたカラーフィルター用着色液とエポキシ樹脂を用いてカラーフィルター用着色組成物を調製した。
【0097】
[実施例1(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度12.2mPa・sの赤色のカラーフィルター用着色組成物を得た。粘度はE型粘度計(商品名;VISCONIC END(株)東京計器製)を使用して25℃で測定した。
DB 17.0g
赤色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
TECHMORE VG3101L 2.0g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0098】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、ジェッティングした時のインクジェット特性(ジェッティング特性)、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを以下の評価方法で行った。評価結果は表1に示す。
【0099】
(ジェッティング特性の評価方法)
FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2800型、10pl用のヘッドを用いて、吐出電圧が16V、30℃の温度下で、カラーフィルター用着色組成物をガラス基板に塗布し、ドットパターンを形成した。ジェッティング時の液柱が垂直方向に吐出され、サテライトは発生しなかった場合を「G」、液柱が隣の液柱と接触する、またはサテライトが発生した場合を「NG」とした。
【0100】
(耐熱性の評価方法)
透明ガラス基板に、カラーフィルター用組成物をスピンコート方式にて塗布した後に、80℃で3分間ホットプレート上でプリベークして塗膜を形成した。その後、230℃で30分間オーブンで加熱することにより塗膜を硬化し、膜厚1.5μmの硬化膜を得た。
【0101】
この膜を更に250℃で1時間再加熱した後、耐熱性を残膜率および色差(△E)で評価した。残膜率は再加熱前の膜厚に対する加熱後の膜厚の比であり、色差は再加熱前の色純度に対する加熱後の色純度の差である。加熱後の残膜率が97%以上である場合を「G」とし、97%未満の場合を「NG」とした。また、加熱の前後の色差が1未満の場合を「G」とし、1以上の場合を「NG」とした。
【0102】
なお、膜厚測定は、段差・表面あらさ・微細形状測定装置(KLA TENCOR(株):(商品名)P−15)を用いて行った。また、色純度測定は、分光光度計装置((有)東京電色技術センター:(商品名)MICRO COLOR ANALYZER TC−1800M)を用いて行った。
【0103】
(耐薬品性の評価方法)
耐熱性の評価方法と同様に、透明ガラス基板にカラーフィルター用着色組成物をスピンコート方式にて塗布し、膜厚1.5μmの硬化膜を形成した。
この硬化膜に、下記の処理を別々に施した後、各処理前の膜厚に対する各処理後の残膜率を耐熱性の評価と同様にして測定した。各処理後の残膜率が95%以上の場合を「G」とし、各処理後の残膜率が95%未満の場合を「NG」とした。
IPA処理:イソプロピルアルコール中に50℃で30分間浸漬
NMP処理:N−メチル−2−ピロリドン中に50℃で30分間浸漬
GBL処理:γ−ブチロラクトン中に50℃で30分間浸漬
【0104】
(電圧保持率の評価方法)
耐熱性の評価方法と同様に、透明ガラス基板にカラーフィルター用着色組成物をスピンコート方式にて塗布した後に、80℃で3分間ホットプレート上でプリベークして塗膜を形成した。その後、230℃で30分オーブンで加熱することにより塗膜を硬化し、膜厚1.5μmの硬化膜を得た。
【0105】
この硬化膜をガラス基板から削り取った。これを1.5重量%になるように液晶組成物JC−5044XX(商品名;チッソ(株)製)に混合して、60℃で48時間浸漬し、電圧保持率測定用のサンプルを調製した。このサンプルをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.2μm)で濾過した。
【0106】
液晶セルは片面にITO電極を設けた10cm角の透明ガラス基板のITO電極側に、チッソ社製PIA−5550の配向剤をスピンコート法で塗布し、100℃で10分間乾燥した後、250℃で90分間オーブンで加熱し、膜厚約0.06μmの配向膜を膜付けした基板を得た。この基板2枚の配向膜面をそれぞれラビング処理し、1枚の基板上に直径が約6μmのビーズスペーサを散布し、もう1枚の基板をラビング方向が平行で、かつ互いに対向するようにエポキシ系シール材(三井化学社製LCストラクトボンド)を使用して貼り合せて液晶セルを組み立て、硬化膜と液晶の混合物を封入した。封入後120℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して液晶セルを得た。
【0107】
この液晶セルを、東陽テクニカ社製の液晶物性測定システム6254型を用いて、温度60℃において、ゲートパルス幅60μs、周波数0.3Hz、波高±5Vの矩形波をソースに印加することにより変化するドレインをオシロスコープより読み取った。これを4回実施し、平均値を求めた。電圧保持率が95%以上の場合を「G」、95%未満を「NG」とした。
【0108】
(コントラストの評価方法)
耐熱性の評価方法と同様に、透明ガラス基板にカラーフィルター用着色組成物をスピンコート方式にて塗布した後に、80℃で3分間ホットプレート上でプリベークして塗膜を形成した。その後、230℃で30分オーブンで加熱することにより塗膜を硬化し、膜厚1.5μmの硬化膜を得た。
このガラス基板を液晶評価装置(大塚電子株式会社:LCD−5200)にセットし、ガラスの両側にある偏向板を回転させながら光量を測定し、その最大値と最小値の比をコントラストとした。
【0109】
[実施例2(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度14.2mPa・sの緑色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 20.0g
緑色着色液 18.0g
SMA17352 2.4g
TECHMORE VG3101L 2.4g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0110】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0111】
[実施例3(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合して、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度16.1mPa・sの青色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 17.4g
青色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
TECHMORE VG3101L 2.0g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0112】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0113】
[比較例2(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度16.8mPa・sの赤色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 17.0g
赤色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
エポキシ樹脂C1 3.4g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0114】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0115】
[比較例3(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度14.2mPa・sの緑色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 22.0g
緑色着色液 18.0g
SMA17352 2.4g
エポキシ樹脂C1 4.0g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0116】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0117】
[比較例4(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度16.1mPa・sの青色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 17.0g
青色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
エポキシ樹脂C1 2.0g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0118】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0119】
[比較例5(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度16.8mPa・sの赤色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 17.0g
赤色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
CY184 1.2g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0120】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0121】
[比較例6(カラーフィルター用着色組成物)]
下記のとおりに混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度14.2mPa・sの緑色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 22.0g
緑色着色液 18.0g
SMA17352 2.4g
CY184 1.4g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0122】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0123】
[比較例7(カラーフィルター用着色組成物)]
下記を混合し、テフロン(登録商標)製メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して、粘度16.1mPa・sの青色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
DB 17.0g
青色着色液 20.0g
SMA17352 2.0g
CY184 1.2g
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 0.6g
Byk−344 0.1g
【0124】
このカラーフィルター用着色組成物を用いて、実施例1と同様の方法でジェッティング特性、耐熱性、耐薬品性、電圧保持率およびコントラストを評価した。評価結果は表1に示す。
【0125】
【表1】

【0126】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜3のカラーフィルター用着色組成物はジェッティング特性が良好であり、硬化膜はコントラストや耐熱性に優れていることが判る。他方、比較例2〜4のカラーフィルター用着色組成物はジェッティング特性が不良であり、硬化膜のコントラストが低かった。また、比較例5〜7のカラーフィルター用着色組成物はジェッティング特性が良好であるが、耐熱性が悪かった。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明の活用法として、たとえば、カラーフィルターを挙げることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)と他のラジカル重合性モノマー(a2)とを重合させてポリマーを合成した後に、アルコール(a3)を混合し、重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)を合成する工程、
化合物(A)と下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂(C)と顔料(B)を混合してカラーフィルター用着色組成物を製造する工程を含む、カラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【化1】

(式(1)中、
Xはそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜10のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは式(1B)で表される基であり、
1はそれぞれ独立して水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
kは0〜2の整数であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意のメチレンは−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンと炭素数1〜10のアルキレンの任意のメチレンが−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基において、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。)
【請求項2】
酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)が無水マレイン酸である、請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項3】
他のラジカル重合性モノマー(a2)が、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよびスチレンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項4】
他のラジカル重合性モノマー(a2)がスチレンである、請求項1または2に記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項5】
アルコール(a3)が1価アルコールである、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項6】
アルコール(a3)が、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項7】
アルコール(a3)がシクロヘキシルアルコールである、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【請求項8】
酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(a1)である無水マレイン酸と、他のラジカル重合性モノマー(a2)であるスチレンとを重合させてポリマーを合成した後に、アルコール(a3)であるシクロヘキシルアルコールを混合し、重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)を合成する工程、
化合物(A)、下記式(1−1)で表される化合物と式(1−2)で表される化合物の混合物であるエポキシ樹脂(C)、顔料(B)、および、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる1種以上を含む溶媒(G)を混合してカラーフィルター用着色組成物を製造する工程を含む、カラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【化2】

【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られるカラーフィルター用着色組成物。
【請求項10】
重量平均分子量1000〜50000で酸価が100〜300mgKOH/gである化合物(A)、式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂(C)および顔料(B)を含むカラーフィルター用着色組成物。
【化3】

(式(1)中、
Xはそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜10のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは式(1B)で表される基であり、
1はそれぞれ独立して水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
kは0〜2の整数であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意のメチレンは−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜10のアルキレンと炭素数1〜10のアルキレンの任意のメチレンが−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基において、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。)
【請求項11】
式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、塩素または炭素数1〜3のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1〜5のアルキレンであり、
nはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、
kはそれぞれ独立して0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜3のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1〜5のアルキレンの任意のメチレンは−O−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1〜5のアルキレンと炭素数1〜5のアルキレンの任意のメチレンが−O−で置き換えられた基において、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい、
請求項10に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項12】
式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、塩素または炭素数1または2のアルキルであり、
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−または炭素数1または2のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは(1B)で表される基であり、
nはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、
kは0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1もしくは2のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
1、Y2またはR3における炭素数1または2のアルキレンの任意のメチレンは−O−で置き換えられてもよく、Y1、Y2またはR3における炭素数1または2のアルキレンと炭素数1または2のアルキレンの任意のメチレンが−O−で置き換えられた基において、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい、
請求項10に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項13】
式(1)中、
Xはそれぞれ独立してフッ素、または炭素数1〜2のアルキルであり
1はそれぞれ独立して単結合または炭素数1または2のアルキレンであり、
2はそれぞれ独立して単結合、−O−、または炭素数1または2のアルキレンであり、
3はそれぞれ独立して水素または式(1A)もしくは(1B)で表される基であり、
1は水素またはメチルであり、
nはそれぞれ独立して0または1の整数であり、
kは0または1であり、
式(1A)および式(1B)中、
2はそれぞれ独立して、水素または炭素数1または2のアルキルであり、
3は単結合または炭素数1もしくは2のアルキレンである
請求項10に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項14】
エポキシ樹脂(C)が、下記式(1−1)で表される化合物を含む、請求項10に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化4】

【請求項15】
エポキシ樹脂(C)が、さらに下記式(1−2)で表される化合物を含む、請求項14に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化5】

【請求項16】
化合物(A)が、下記式(2)で表される構成単位と、下記式(3)で表される構成単位を有する、請求項10〜15のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
【化6】

【請求項17】
沸点が180℃以上である溶媒(G)をさらに含む、請求項9〜16のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項18】
溶媒(G)が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび3−メトキシプロピオン酸メチルから選ばれる1種以上である、請求項17に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項19】
重合性二重結合を有する化合物(D)および光開始剤(E)をさらに含む、請求項9〜18のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項20】
インクジェットで塗布される、請求項9〜19のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物
【請求項21】
請求項1〜20のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物から得られるカラーフィルター。
【請求項22】
請求項21に記載のカラーフィルターを用いた液晶表示素子。
【請求項23】
請求項21に記載のカラーフィルターを用いた固体撮像素子。

【公開番号】特開2009−223127(P2009−223127A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69157(P2008−69157)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】